予算委員会第一分科会

1959-02-27 衆議院 全238発言

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会議録情報#0
昭和三十四年二月二十七日(金曜日)
    午前十時三十五分開議
 出席分科員
   主査 田中伊三次君
      植木庚子郎君    周東 英雄君
      中曽根康弘君    山本 勝市君
      加藤 勘十君    北山 愛郎君
      小平  忠君    多賀谷真稔君
      松前 重義君
    兼務
      岡良  一君    佐々木良作君
 出席国務大臣
        法 務 大 臣 愛知 揆一君
        外 務 大 臣 藤山愛一郎君
        国 務 大 臣 高碕達之助君
        国 務 大 臣 伊能繁次郎君
       国 務 大 臣 山口喜久一郎君
 出席政府委員
        内閣官房長官  赤城 宗徳君
        法制局長官   林  修三君
        防衛庁参事官
        (防衛局長)  加藤 陽三君
        防衛庁参事官
        (装備局長)  小山 雄二君
        総理府事務官
        (科学技術庁企
        画調整局長)  鈴江 康平君
        総理府事務官
        (科学技術庁原
        子力局長)   佐々木義武君
        総理府技官
        (科学技術庁調
        査普及局長)  三輪 大作君
        外務事務官
        (大臣官房長) 内田 藤雄君
        外務事務官
        (アジア局長) 板垣  修君
        外務事務官
        (アジア局賠償
        部長)     吉田健一郎君
        外務事務官
        (条約局長)  高橋 通敏君
        外務事務官
        (国際連合局
        長)      宮崎  章君
        外務事務官
        (移住局長)  伊關佑二郎君
分科員外の出席者
        原子力委員   有澤 廣巳君
        大蔵事務官
        (主計官)   海部 洋平君
    —————————————
三月二十七日
 分科員岡田春夫君及び北村徳太郎君委員辞任に
 つき、その補欠として多賀谷真稔君及び山本勝
 市君が委員長の指名で分科員に選任された。
同日
 分科員多賀谷真稔君委員辞任につき、その補欠
 として岡田春夫君が委員長の指名で分科員に選
 任された。
同日
 第二分科員岡良一君及び第三分科員佐々木良作
 君が本分科兼務となった。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 昭和三十四年度一般会計予算中皇室費、国会、
 裁判所、会計検査院、内閣、総理府(経済企画
 庁を除く)、法務省及び外務省所管昭和三十四
 年度特別会計予算中総理府所管
     ————◇—————
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田中伊三次#1
○田中主査 これより第一分科会を開会いたします。
 昭和三十四年度一般会計予算中皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣、総理府、法務省及び外務省所管、昭和三十四年度特別会計予算中総理府所管を議題といたします。
 質疑を続行いたします。北山愛郎君。
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北山愛郎#2
○北山分科員 私はきのうの残りで、法務省の関係、それからもし来ておられるならば、防衛庁のことにつきまして若干お伺いしたい。
 予算書についてお伺いしますが、予算書を見ますと、きのう申し上げた通りで、法務省という役所は割合に収入の多い役所で……(「法務省はいないよ」と呼ぶ者あり)それでは防衛庁をやります。
 簡単に二、三点お伺いしたいのですが、今度の防衛庁の予算は約百六十億ふえておるわけです。人員も一万二千八十二人、年々増強されておるわけでありますが、そういたしますと、大体この資料を見ますと、陸上においては自衛官一七万人、そのほかに一万三千四百八十人、合せて十八万三千四百八十人、海上は艦艇が十二万八千三百八十八トン、航空機の方が千六十四機、そのほかに海上の航空機が百九十八機、こういうことになっておるのですが、私どもが聞いておりますいわゆる防衛計画によりますと、陸上自衛隊が十八万、海上自衛隊が十二万五千トン、それから航空機が千三百機、こういうふうな計画を伝え聞いておるわけですけれども、一体このように年々増強して、どこまで増強すればストップするのか、その防衛計画とこの防衛の現状、増強の今後の見通し、こういうものについてまずお伺いしたい。
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伊能繁次郎#3
○伊能国務大臣 お答え申し上げます。御指摘のように昭和三十四年度、来年度の予算で御審議をいただいておりまする人員の増加につきましては、陸上自衛隊につきましては、本年度一万人の増員を御審議をいただいて承認せられた以後、昭和三十五年度末を目標といたしまして、ただいま御指摘のありましたように、陸上自衛隊十八万人、艦艇十二万四千トン、航空自衛隊におきまして千三百機という形に相なっておりまして、現状では陸上自衛隊十七万、海上自衛隊約二万五千強、航空自衛隊二万六千強ということで、その他は防衛庁自体の、制服職員でない事務職員でございます。従って政府できめられました昭和三十三年、四年、五年の三カ年度における最後の整備目標は、ただいまお話がありました通りでございまするが、来年度は陸上自衛隊については、本年度一万人を増強いたしました関係上、主として特車その他陸上自衛隊の科学技術的な兵器の性能の向上進歩、そういった方面にできる限り重点を置く。なお従来陸上自衛隊の内務その他関係職員について、制服以外の職員で執務せられるところを制服職員をもってこれに充てておった面につきましては、来年度一千人程度をこれにかえて、陸上自衛隊の建設隊あるいはロケット実験隊等の要員に充てることにいたしております。当面の目標は、御承知のように三十五年度末をもって、ただいまお話もあり、私から申し上げたような目標で一応の整備目標は達成せられるわけでございますが、その後のものについて、さらに第二次の整備目標につきましては、目下各般の見地から検討中でございまして、われわれとしては、人員の増加もさることながら、現在の国際情勢、ことに科学兵器の画期的な進歩発展の現況にかんがみまして、航空機につきましてはジェット機を中心とし、また艦船については対潜警戒、対潜水艦作戦というものを中心にして、できるだけ人員の増加よりも兵器の質的な増強という方面に向って研究を進めております。ただ御承知のように、本年度より米軍が陸上関係につきましては補給部員を除いて全面撤退をいたしておる。またアメリカの空軍につきましても逐次撤退をする計画があるやにも聞いておりますので、それらの状況と、かつ日本をめぐる東洋全体の情勢が平和な方向に進みますれば、当面それほどの増強を必要とする段階ではないと思いますが、これは将来の日本並びに日本をめぐる国際情勢のいかんによっても御承知のように左右されることでございますので、それらの点等も十分考慮の上で、今後の第二次整備目標についてできる限り日本の国力、国情に応じた整備をいたして参りたい。今日いまだ具体的な数字をお尋ねの点について申し上げることのできないことははなはだ残念でございますが、できるだけ研究をすみやかにいたしまして将来の目標を樹立いたしたい、かように考えておる次第でございます。
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北山愛郎#4
○北山分科員 法務大臣が来られましたから法務に移りますけれども、ついでに国民の一人として疑問に思う点をお伺いしておきたい。それは防衛計画といわれるものが、実は新聞とかいろいろなことで伝え聞く程度であって、正式には防衛三カ年計画というようなものも国会にも出されておらないし、正式に政府から発表されておらないじゃないか。そしてアメリカの方には、この前岸総理がアメリカへ行った際にも防衛計画をアメリカ政府には提示をした、こういわれておる。なぜこの防衛計画というものを国会に出すとか、あるいは国民に明確にするということができないのか。アメリカの方には知らして、日本国民には知らせることができないのか。この点は私、国民の一人として非常に疑問に思いますので、その点を明らかにしていただきたい。
 それからもう一点は今度の予算の説明によりますと、この防衛庁の予算の重点としまして、間接侵略に対する防衛体制の確立ということがうたわれておるわけであります。それが予算上どういうふうな面に現われておるのか、また特に予算編成上の方針として間接侵略に対する防衛体制の確立ということをうたわなければならぬような事情がどこにあるのか、この二点についてお伺いをしたいのであります。
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伊能繁次郎#5
○伊能国務大臣 お答え申し上げます。先生御指摘の点は、一昨年の国防会議におきまして、御承知のように国防の基本方針が決定せられ、それに基いて当面の昭和三十三年度より三十四年度に至ります整備目標については当時政府としても発表いたしておりますし、またその後の国会の御審議においても明らかにいたしておるつもりでございます。決してアメリカだけに話をして、国内において国会における論議の対象にはしなかったとか、あるいは発表しなかったとかいうことはございませんので、この点は一つもしさような御理解でございましたらお改めをいただいた方が非常に私どもとして望ましいところと存ずる次第でございます。
 また第二段の、来年度の予算の重点として間接侵略に対する方針云々というお話でございましたが、私ども、予算上間接侵略に対する重点措置を講じておるというような点は、特段に強調もしておらなければ示してもおらないと存ずるのでありますが、ただ業務計画の内容において、間接侵略に対する業務方針というものは明示しております。これらについてはさいぜん御説明を申し上げました対潜水艦作戦、対潜防備の各般の航空機の哨戒であるとか、あるいはエリコンその他の誘導兵器の研究でありますとか、海空を通じまして、自衛隊の業務計画といたしましては間接侵略に対する自衛上の各般の整備並びにこれに対する研究等を重点を置いてやっておるということは事実でございます。
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北山愛郎#6
○北山分科員 ただいまのお答えでありますが、防衛計画についても、国会でもいろいろと質疑をされてその過程において明らかにしておるいうことは私どもも承知しております。しかし、何としても日本の自衛隊の計画というものがアメリカの方に出されて、そして国民には知らされておらなかった。だんだん追及をされて、その全貌が逐次明らかになる、あるいは正規の機関以外の新聞その他の報道機関の方からこれが伝わってくる、かような過程は私は好ましくないと思う。やはり国防会議等で政府が決定をしたというならば、そういうものの内容は積極的に示すというようなことが好ましいのではないか。私は、長官のお言葉でありますけれども、そういう過程にかんがみて申し上げておるのでありまして、国民の方がつんぼさじきに置かれておるうちにいろいろな兵器が突如としてやってくるというような印象をぬぐうことはできない。こういう点は気をつけていただきたいと思うのであります。
 それから間接侵略に対する防衛体制の確立というのは、今度の予算の説明資料の中に書いてあるのです。ですから私はお伺いするのであって、業務計画の中においてあると言われますけれども、それならそれでもって一体自衛隊の間接侵略に対するような訓練をどういうふうな形で現わそうとしておるのか。あるいは間接侵略に対する危険が増大しておるというような事情が特別にあるかどうか。こういう点をほんとうは聞きたいのでありますけれども、私は、主として法務省のことをお伺いしたいのでありますから、防衛庁の問題はほかの人に譲っておきます。
 それで法務大臣にお伺いするのですが、この予算書について見ますと、法務省の収入が非常に多いのであります。裁判所とか刑務所とか、そういう役所が収入をどんどんふやしていくということは、あまり歓迎すべきことではないのですが、特に罰金と科料、こういうものが三十二億円もある。昨年に比べて約十億円も増収になっておるわけであります。国家財政の上からは大へん助かるわけでありますけれども、こういうふうに罰金とか科料が非常にふえておるというような事態は好ましくないと思うのですが、その罰金、科料というものはどういうところから出てくるのか。特に交通取締り関係から来る収入が多いのではないかというふうに思うのですが、そういうような内容を一つお伺いいたしたいのであります。
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愛知揆一#7
○愛知国務大臣 ただいま御指摘の点はごもっともな点でございますが、一応この積算の基礎になりました点を御説明いたしますと、次の通りでございます。
 懲罰及び没収金という名で呼んでおりますのが三十二億円でございますが、そのうちまず罰金と科料、二十九億六千万余りでございますが、これは最近までの収入実績等を基礎として算出したわけでございまして、たとえば昭和三十二年度の四月から八月までの実績を申し上げますと、八億六千五百万、これと三十二年度全体の実績との関係を顧慮いたしまして、三十三年度の四月から八月までの同期間の実績をとりまして、そのパーセンテージをとりまして一つの基準とする。それから一方において、三十年度以降の実績を算出いたしまして、これに最近の増加の比率をかけ合わしてみましたものを二十九億六千万と概算いたしたわけでございます。それからその次に、過料でございますが、これは二千九百万円。これもやはり最近の収入の実績を基礎といたしまして算出したものであります。それからその次に、没収金は二億一千百十九万円ばかりになりますが、これは昭和三十年度以降三年間の平均収入の実績を基礎として算出をいたしたわけであります。
 それから次に、弁償及び返納金というのが七千二百万円ばかりございますが、これもやはり昭和三十年度以降三カ年の平均収入を基礎として算出をいたしたわけでございます。そのうち、これはわずかなものでございますが、返納金が四百万ばかりございますが、これもやはり三十年度以降三年間の平均の実績額を基礎として算出をいたしたわけであります。それからその次に、同じく歳入に上りますものとして、ただいま特に罰金等の御質問があったのでございますが、ついでに申し上げますると、矯正官署の作業収入が二十四億四千六百万ございます。これは刑務所の作業収入と少年院等の職業補導によって生ずる収入の見込み額、並びに婦人補導院の同様職業補導の関係の収入がございますが、そのうちで少年院と婦人補導院の関係はほとんど少額でございまして、大部分が刑務所の作業収入ということになるわけでございます。
 ほかに物品の売り払い収入とかそのほかの雑件がございますが、これは特に申し上げるところもないと思うのであります。
 一般的にこういったような収入が非常にふえるのはおかしいではないかという御趣旨の御質問でございまして、これはごもっともの点と思いますが、先ほど申し上げましたように、主として最近の実績を基準にして算出しておりまするので、事柄の善悪は別といたしまして、ともかく最近における罰金、科料等の収入の実績が相当多いので、これを積算の基礎に置いたという関係になっております。
 それから、矯正官署等の作業収入等については、一面歳出の方でも、職業補導その他刑務所における教育刑の目的を達成するというようなこと等いろいろな点で工夫を加えておりまするので、一面歳出も若干増加いたしました反面において、結果として作業収入が従来より若干ふえている。大ざっぱな御説明でございますが、こんなふうな考え方で組んだのであります。
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北山愛郎#8
○北山分科員 法務省は、入ってくる金を実績によって見込みを作って計上したというだけなんですが、やはりこういうふうな罰金がふえる、犯罪がふえるというような傾向は、刑事政策というか、総合的なそういう立場から見てもいい徴候ではない、こういう印象を受けるわけであります。
 そこで今、刑務所の作業収入等のお話がございましたが、刑務所に入っている人の人数、それから少年院に入っている収容者の人数、毎年出たり入ったりする状況、こういうものは一体どういうふうになっているのか。最近は御承知のように犯罪が非常に激増しております。そこで刑務所が繁盛するということになろうかと思うのですが、一体刑務所の収容人員はどのくらいになっているか、その出入りの関係はどうなっているのか、それをお伺いいたします。
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愛知揆一#9
○愛知国務大臣 先ほどの御説明に申し上げました中に特に申し上げたいと思いますのは、最近、道路交通の取締り違反が非常に激増いたしておるということでありまして、その関係で罰金の収入というものは、先ほど申し上げましたように前年度における後半期においても非常にふえておりますので、これを一応積算の基礎にしたわけでございます。こういった案件がふえますることは非常に残念でございまするけれども、申し上げるまでもなく、現在の道路交通の状況からいたしまして、非常にこの関係が激増しているという点が最近における特色であると存じます。
 それからその次の、ただいまの御質問でございますが、三十三年の十一月末現在におきまして、受刑者の総計が六万五千七百二十一人でございます。それから被告人、これが一万二千八百十四人、それから被疑者が九百二十六人、それから労役場留置者が五百三十六人、それから、それらの人に付随いたしまする乳児その他が四十名、合計いたしまして、拘置所、刑務所、少年刑務所に在所しておりまする十一月末現在の全体の数が八万三十七人、大よそ八万人がただいま刑務所、拘置所並びに少年刑務所に収容されている人員でございます。三十二年はどうであったかと申しますと、総計で申し上げますと七万八千二百五十八人、三十一年が八万八百六十一人、それから三十年が八万二千六百二十六人、三十年以降の収容者は大体そういうような格好になっておりますが、もう一つ御参考に申し上げますと、最近におきまして一番多かったのが昭和二十四年でございまして、九万六千七百二十八人、この二十四年が最高でございます。二十五年が九万五千、二十六年が九万二千というふうに漸次減って参りまして、最近において一番減ったのが二十八年の七万五千人余り、そうしてきわめて最近が八万人、大体大ざっぱなところでございますが、こんなような状況になっております。
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北山愛郎#10
○北山分科員 それで、ことしの予算は九万五千人を基礎にして組まれているようですが、やはり収容者がふえる、こういう見通しでもって組んでおるのか、これをお伺いします。
 それから刑務所の作業収入が二十四億、これは昨年よりも二億円ばかりふえておるわけでありますが、この予算の説明によりますと、刑務所の作業費としては、去年十億が十二億と若干ふえたような格好になっております。しかし作業収入と比べてみると、作業費の方は約半分、だから十二億の経費をかけて二十四億の作業収入を上げておる。こういうふうな格好になっておるんで、刑務所が収容者に作業さして、もうけているわけではないと思うのですけれども、何かしら割り切れないものを感ずるので、特に収容者の食費なんかについてはどうなっているのか。たしか一日に六十円というような非常に低い食費じゃないか、こういうような点を改善することはできないのかどうか。作業収入が二十四億あって、そのもとになる作業費が十二億で、倍になっておるというようなことは改めて、もう少し食費なんかを改善する余地がないのかどうか、こうゆう点を考えさせられるのですが、どうでしょうか。
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愛知揆一#11
○愛知国務大臣 収容所の関係の予算の積算の基礎にいたしておりますものは、ただいま御指摘の通り総体で九万五千人でございますが、これの内訳は刑務所八万三千人、少年刑務所九千八百人、それから鑑別所二千人、補導院二百人、その合計を九万五千人として積算の基礎にいたしておるわけであります。それから作業収入の問題は、ただいま御指摘がございましたが、これは考え方といたしまして、収容されておる人たちにつきましてもできるだけ腕に職をつけてやる。一方において教育的な目的もおわせ、かつそのことによって結果的に相当の収入も上るようにいたしたい。そして一般の財政の負担をできるだけ少くしたい、こういうふうな気持でやっておるわけでございます。同時に、たとえば民間の事業を圧迫したり、あるいはそれに対して不当な競争結果になるというようなことは徹底的に避けなければなりませんので、その間に工夫をこらしておるわけでございます。
 それから受刑者の一日一人当りの食費の問題でございますが、刑務所においては、主食費につきまして三十九円九十一銭、副食費二十円五十銭、合計六十円四十一銭、これを基準にいたしております。それから少年刑務所におきましては、主食、副食合せまして六十六円八十銭、少年院が六十五円六十銭、大体こういうふうになっております。
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北山愛郎#12
○北山分科員 私のお伺いしたいのは、刑務所というのは、今大臣がお話のようにやはり教育をしなければならぬのであって、新しい刑事政策からいえば、こらしめというよりは、教育をして普通の人間にして社会に帰すというのが刑務所の目的だと思うのです。そうとするならば、作業についても、技能なんかの指導にしても、もう少し力こぶを入れるということになれば、この予算書にあるような、収入の方は二十四億で、そのもとの方は十二億だというふうにはならないと思う。これは民間の事業所でもこんなことはしておらぬのじゃないかと思うのですがね。だから、作業収入の半分しか作業費としてはかけないというようなことじゃなくて、機械を入れるなり、もう少し高度な技術を覚えさせるなり、こういう点は必ずしも民間の事業と何も競合する必要はないのですから、もうけようとすればこそ競合するのであって、教育をするという意味ならば、むしろ競合しない方向にいくと思うのです。それに、今の主食が三十何円で副食が二十円というようなもので、一体一人の人間としてやっていけるかどうか、こういう点も私は疑問だと思うのですが、六十円でいいのですか。普通の人間としての、おとなでも子供でも毎日のカロリーがそれで間に合うものかどうか。食費の点なんかも改善を要すると思うのです。こらしめの意味ならばそれはいいでしょう。しかし、これを改善をし教育をしてやろうとするならば、そういう食べるようなものとか、あるいは作業とかいうことについては、もう少し力こぶを入れてもいいのじゃないかと思うのですが、どうでしょう。
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愛知揆一#13
○愛知国務大臣 これもごもっともでございますが、今の食費の関係におきましては、多少普通の家庭におる場合とは考え方が違いますので、主食を基準にしてカロリーが十分であると申しますか、適当であるというところを基準として考えております。率直に申しつますならば、副食費が多少安いのじゃないかという印象をお与えするかと思いますが、これらの点につきましては、御承知のように医療関係あるいは栄養関係の担当の者も始終留意いたしておりまして、最低限度にカロリーが足りないようなことがないように十分注意いたしております。これは実はもう少しふやせればふやしたいと思わぬでもないのでありますが、まず現状のところはこれでやっていけると考えておるわけであります。
 それから作業収入の問題なんでありますけれども、これは御指摘の通り労働の強化とか、搾取とかいうような考え方ではございませんで、もう少し作業関係に適当な機械を入れるなり、あるいは技能をさらに高度に覚えさすようなことを重点に考えるべきであると考えます。そういう点は今年度の予算でも相当考えておるつもりであります。その結果作業収入が、要するに中で製品として付加価値の額が多くなれば、それだけ結果的に作業収入も上がるというのであって、収入を上げることが目的ではないつもりでやっておるわけでございます。最近刑務所の営繕なども新営のところがだいぶできて参りました。それと相照応いたしまして作業のやり方、指導の方針などは相当これから画期的に改善していかなければならない、またやるつもりでおるわけであります。
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北山愛郎#14
○北山分科員 刑務所におる八万人の人たちは、社会から隔離をされておりますから、この人たちのために生活の改善なり、あるいはベース・アップをしてくれるような心配をしてくれるものはどこにもないわです。犯罪人だから待遇は悪くてもかまわないのだとか、あるいは食費が足りなくてもかまわないのだというようなことは、まさか現在の新しい刑事政策に立った法務省としては考えるべきではないと思うのですが、しかしこの予算書の示すところを見れば、そういう印象はぬぐい切れないわけです。作業収入としても二十四億の収入が上るなら、やはり二十四億だけの設備をいろいろやってやる。何も収入が上る必要はないのですから、そういう点について十分配慮すべきじゃないか。あるいは食費についても、常識で考えて、副食費が一日に二十円で一体やっていけるか、作業もやってできるか、こう言いたくなるのですよ。ただ生きてさえおればそれでいいんだというなら、これは別でありますが、やはり社会全体の大きな問題として考えた場合には、そういうおざなりなことでは済まされないんではないか。こういう印象を、この予算書を見て私は感じたもりのでありますから、その点は、法務当局としては新しい考え方に立って、そうして遠慮なしにそういう予算は組んでもらいたいと思う。
 それから婦人補導員なんですが、これについても昨年より予算が減っておるようでありますが、これはどういうわけですか。要するに、売春禁止法により婦人を補導するというようなことは実際上効果がないということを表わしているのか、その点をお伺いしたいのです。
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愛知揆一#15
○愛知国務大臣 前段の点で補足いたします。私も、就任以来刑務所その他については非常な関心を持って、自分でもだいぶ方々回って見たのでありますけれども、たとえば八時間以内の労働をするにいたしましても、適当な仕事がないということが一つ指摘されなければならない事実なんであります。八時間なら八時間の間、興味と関心を持って熱を入れて働けるようなり仕事を作らなければならないということを、私は痛感いたしましたわけで、それらの点につきまして、ただいまの御意見まことにごもっともで、私といたしましても一そうそういう面に努力をいたしたいと考えるわけでございます。
 それから婦人補導員の関係でございます。これは、事務当局から詳しくお聞き取り願いたいと思いますが、私の理解しておりますところでは、実は予定したところに補導員の新設ができなかったというような事情もございまして、本年度予算の当該部分の繰り越し明許を受けていただいたというような関係で、三十四年度予算としては若干減額になっておるところがあるんではないかと考えます。
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北山愛郎#16
○北山分科員 総体としてこういうような矯正官署、そういうものの内容については十分お考えを願いたい。この内部の事情が世間によくわからないだけに——私どもよくわかりません。わかりませんが、この数字だけで見ても、どうも適当ではないんじゃないかというふうにうかがわれるので、改善をしていただきたい。もちろん刑務所を別荘みたいにして、みんな志願して刑務所に入りたいというのでは困りますけれども、そうでない意味においてもう少し改善の余地があるんじゃないか、こう思うのです。そういうことについては予算はあまり考えておらないのに、どうもほかの、何と言いますか、警備関係とか公安関係というものに力こぶを入れるというのが岸内閣の傾向なんです。昨日の川崎委員の質問の中にも、情報調査費あるいは機密費というようなものが総体としてふえておるんではないか、こういう言葉があったわけなんです。この予算を全体として見てみると、そういう傾向がうかがわれる。刑務所の予算なんかは不十分なのに、相変らず公安調査庁の予算は十二億円も使っておる。一体公安調査庁という役所はどういう仕事をしておるのか。世間では何をしておるかわからぬような役所に十三億円も使っておる。そうして刑務所とか補導員とか、そういうものは切り詰めた予算でやっておる。この公安調査庁は、ことしは予算が活動費として四億五千万、昨年よりも五千万円ふえております。これを普通の検察庁の予算と比べてみても、私は、公安調査庁というのは不当に多くの予算を使っているんじゃないか、こういう印象を受ける。検察庁、普通犯罪その他の捜査をやるような役所における活動費、それを見ると最高検が九十五万円です。高等検察庁が二百二十八万円、地検が、旅費として千九百四十五万円、活動費が千三百七十七万円、そのほかに一般検察旅費というものが二億二千八百九十六万円、これを合計すると、検察庁全体として二億五十万円しかない。それを公安調査庁だけで破壊活動調査費を五億一千六百万円も使っている。こういう公安調査庁という何をしているかわからないような、破壊活動防止のスパイ活動をやっている役所に莫大な金を使っておって、正規の仕事をやっている一般の犯罪捜査とか、治安の問題をやっている検察庁の活動費がばかに少く、半分くらいしかない、こういう現象は一体どうなんですか。
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愛知揆一#17
○愛知国務大臣 公安調査庁の調査活動費を他に比べて非常に多く見ておるではないかという御意見でございますが、これは実は御承知のように、昭和三十三年度、三十四年度とごらんいただきましても、四億円以上の調査活動費が組まれているわけでありますが、最近内外の共産主義勢力の伸張に伴いまして、調査が複雑困難になってきております。これまでも活動費の不足を非常に訴えられておったわけでございまして、三十四年度におきましても、自然増加のほかに若干の増加、約五千万円程度の増額を認めたわけでございますが、これらの経費の使途等については十分注意をいたしまして今後ともやって参りたい、かように考えているわけであります。
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北山愛郎#18
○北山分科員 公安調査庁は十二分にやっておるというのですが、一般の印象から見ると、これは共産党の活動を調査しているのだと思うのです。共産党は、御承知のように合法政党であります。また、世間の受ける印象は、さらに非合法活動を強化しようとか、あるいは暴力的な企図を持つとか、そういう傾向にないということだけははっきりしていると思うのです。問題は、共産党そのものを悪いとしてやるのではなくして、そういう非合法的なあるいは暴力的な犯罪を犯すおそれがあるかないか、こういうことについて調査をされていると思うのです。そうすると、世間の傾向から見ると、平和的に動いていっている。そういうふうな勢力の活動に対して、公安調査庁は十二億円もの莫大な金を使って一体何の実績を上げているのか。これは私でなくても変に思うのです。しかもほかの捜査費、検察庁の普通の機関の活動費なんかから見ると莫大に多い。検察庁は、最高検や高検、地検を合せて約一万人の人間がいるわけですが、一万人が活動するのに三億五千万円しか使っていない。公安調査庁は千六百人くらいしか人がおらぬ。それが活動費はその倍も使っておるというようなばかばかしい話はどうしても納得ができない、この点法務大臣どうでしょうか。
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愛知揆一#19
○愛知国務大臣 実は検察関係の捜査活動費等についても、もっと増額をいたしたいとは考えておりますけれども、一方公安調査庁の関係ではどういう実績を上げておるか、どういう活動かというお尋ねでございますが、これは御承知の通り破壊活動防止法に基いての調査活動でございます。それから破防法につきましても、たとえば実績というようなものについて申し上げますならば、解散を命ずるとかなんとかいうような措置に出ないで、未然にこれを防止するという点でこの活動費の重要性があるんじゃないかと私は思うのであります。一見いたしますと、他に比べて多額に見えますけれども、やはり事柄の性質上なかなか調査も複雑で相当困難な点が多いものでございますから、この程度のことはお認めいただきたいと考えておるわけでございます。
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北山愛郎#20
○北山分科員 これは私でなくとも納得できないと思うのです。何も今のような破防法の仕事だって、警察もやっておるし、検察庁もやっておるでしょう。だからむしろ公安調査庁の仕事を検察庁の方へあわして活動費を一緒にして使った方がより有効じゃないかというふうに考えるのは、これは当りまえの話なんで、しかも、今私が指摘をしたこの検察庁側の活動費は二億五千万に対して、公安調査庁だけで活動費が五億一千六百万円です。倍以上です。おかしいじゃないですかと言うのです。どうなんですか。これはむしろ調査庁をやめてしまって、そして検察庁でやるとか、警察でやるとか、その方が有効じゃないですか、合理的じゃないですか。
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愛知揆一#21
○愛知国務大臣 その点はそういう御意見もあり得ると思いますけれども、検察とか警察とかというのは犯罪の捜査をいたしますところで、おのずから破壊活動防止法の系統の仕事とはせつ然と分ける方が私はしかるべきだと考えるわけであります。ですから公安調査庁の仕事を検察庁あるいは警察庁の仕事にするということは考えておりません。
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北山愛郎#22
○北山分科員 これは考えてもらいたいのです。私ども予算をいろいろ比較検討してみると、そういうふうな不合理が出てくる。やはりこれは内閣とかあるいは警察庁、そういうふうなずっと全体の予算を見てもアンバランスが出てきておって、犯罪にしても普通の犯罪じゃなくて公安犯罪とか、あるいは警備とか、そういうものに重点が置かれておる。こういうことが法務省部内でもこういうふうに現われておるじゃないですか。それじゃ犯罪がふえるとかなんとかいっても、普通の民衆の生活を直接脅かすような、そういうふうなものに対しては手薄になっておる。そうして共産党の取締りというような部分だけが拡大されておるというような印象を深くこの予算の中から受けるわけです。こういう点は改めてもらわないと、ほんとうに国民大衆のための刑事政策というものは行われないのじゃないか。これは十分反省をしていただきたい。
 同時に昨年の警職法の問題のときに、人権を侵すんじゃないかということに対して、法務大臣は人権擁護機関というものがあって、これを強化するのだとか活用するのだとかいうようなことを言っておりましたけれども、その人権擁護の予算に至ってはまことに貧弱なんです。擁護委員が、これは全国にずいぶんあると思うのですが、わずかに六百五十七万円です。昨年が四百九十八万円、ことしは六百五十七万円です。それから人権事件の調査費が千五百七万円、昨年が千二百九十七万円、一体全国の擁護委員が何名おるのか。これは何千、何万とおるかもしれぬ。これに対してわずかに六百五十七万円で何ができるのか。人権擁護が叫ばれておる。しかも警職法の関係において政府は、こういう機関があって人権を擁護しておるんだから心配されることはないんだというふうに言っておる。またこれを強化するということを言っておる。この実績がこういう数字なんです。公安調査庁の数字の何分の一か何十分の一です。これでは政府は人権擁護について熱心だというようなことは断じていえない。この前の国会で政府が言われた言葉は取り消さなければならぬ。こう思うのですが、いかがですか。
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愛知揆一#23
○愛知国務大臣 まず人権擁護委員の関係でございますが、現在大体六千五百人が人権擁護委員としてお願いいたしております数でございます。これは制度としてはもっと広げたいところなんでありますけれども、さりとてこの人権擁護委員の人選というものは、きわめて中立で信頼のできるような方々でないとなりませんので、にわかにこの数をふやすということはかえっていかがかという点もあるわけでございますから、この人員を画期的にふやすということまでは今踏み切っておらぬわけであります。そこでただいま御指摘の通りでございますが、この人権擁護委員のたとえば会合費その他について、現在擁護委員としてやっておられる方々の活動をより円滑にするというところにこの予算の一つの考え方を出しておるわけでございます。それから人権擁護局並びに地方の法務局の人権擁護部あるいは人権擁護課というようなものにつきましても、ようやく全体としての機構が整備されつつあるのでございまして、これらの現在できております機構の活躍を漸次強化して参りたいということで、いわば非常に大きな画期的な増額というようなことは今回の予算ではできませんでしたけれども、現状に即して、人権擁護事件がだんだんふえると同時に、もっと深く事案を究明していかなければならぬということが当面の一番の問題かと思いますので、調査のための旅費の増額その他の点について予算上に考慮いたしたのであります。これらの点は、私としてもこんなものでは十分じゃないので、漸を追うて拡充して参りたいと考えております。
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北山愛郎#24
○北山分科員 国会の答弁は適当にごまかしておけばよろしいというのでは困るのです。この数字のように、全国六千何百人の人権擁護委員の費用がわずかに六百五十七万円だ、全体の活動費が千五百万くらいだということでは、ほかの公安調査なりあるいはその他の経費に比べて、全く岸内閣は人権擁護という問題には不熱心だ、誠意がない、こう言わざるを得ないのです。きのうも話が出ました内閣の情報調査、これには七千七百万円も一挙にふやしておる。二億数千万円であります。こういうことにはどんどん予算をふやしておきながら、どうして人権擁護の予算はふやさないのか。一体法務省の本庁に人権擁護の係が何人おるのか、そうして昨年あたり人権擁護の事件は何件あるのですか。
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愛知揆一#25
○愛知国務大臣 本省といたしましては、人権擁護局の定員は十三名、それから全国八つの法務局で人権擁護に専担しておりますのが二百三十五名。それから一年間にいろいろな形で人権擁護事件として一応持ち込まれますものは七万五千件ございますが、これは常識的に申しますと、投書等に類するような一応持ち込まれる総件数を勘定いたしますと、それらを含めめて七万五千件でございますが、実際相当真剣に検討しなければならない事案というものはその一割以下という程度に考えております。
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北山愛郎#26
○北山分科員 そういういいかげんな答弁をされちゃ困るのです。私が、地方の法務局へ行って人権擁護の担当の人に聞いてみると、人権擁護の申請がたくさんあるけれども、予算がない、また権限もない、だから調査ができないで保留しているという実態なんです。また、こういう予算じゃこれはやれないわけですよ。ほかの予算がどんどんふえているのですから、人権擁護だけふやせないという理屈はないはずです。しかも、この前の警職法のときにはさんざんその人権擁護の問題が出た。またそれだけじゃなくて、ほとんど毎日の新聞に人権侵犯の事件がたくさん出ておる。こういうような実態にあって、しかもそういう事件がどんどんふえておるというような情勢のもとで一体こんな予算でどうしますか。私は、現在の人権擁護委員の制度も改めてもらいたいと思うのです。というのは、単に市町村にたくさんの擁護委員を置いて取り扱っているというのじゃなくて、もう少し強力な擁護委員というものを府県単位くらいに置いて、これもそれこそ公選制にして権威のあるもにして、しっかりとした事務局をつけてやれば、もっともっとこの人権侵犯の問題がこの機関によって防ぐことができるのです。それを制度を弱体のままにしておいて、数だけたくさんの擁護委員を散らばらせておいて、こんな貧弱な予算でもって運営しようとする。こういうところに法務省部内の予算全体を比較検討しましても、岸内閣というものは人権擁護に不熱心である、警備あるいは公安犯罪とかいうことにだけ熱心である、こういうふうに言わざるを得ないのです。
 それから検察庁も、これは検察庁の経費がふえたりすることは好ましいことではないにしても、二億五千万円くらいの活動費では確かにこれはやっていけないのじゃないかと思う。こういうところから最近賠償その他の汚職事件が伝えられて、どんどん新聞、雑誌等には書かれておっても、検察庁としては予算がなくて手が出せないということもあるかもしれぬ。また逆に言えば、検察庁の予算を窮屈にすることによってそういう活動を制約しているとも一言えるのじゃないかと思うのです。私は、去年東京の地方検察庁にある種の陳情で行ったのですが、何十人かの陳情隊が行って二階へ上るというと、二階が落ちるおそれがあるというので、一階の方で待っていてくれというわけで、陳情隊が一階で待っておるというような工合なのです。ああいうふうな建物に地方検察庁を置いておる。こういうような検察庁の予算をどんどんふやすということは好ましいことではないにしても、予算のバランスとして、もう少し合理的な基礎に考えを置いて、人権擁護なりあるいは刑務所における収容者の待遇なり教育なり、そういうことについては特に考慮を払ったような予算の編成をやってもらいたい。
 私は、法務省関係につきましてはほかにも問題はありますけれども、時間も経過しますから、以上をもって私の質問を終ります。
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愛知揆一#27
○愛知国務大臣 まず人権擁護の問題でございますが、この点はさらに私どもといたしましても、大いにこれの拡充と機能の活発化をはかるために、この上とも御趣旨を体して参りたいと思います。
 それから検察庁の点にお触れになりましたが、これも御指摘の通りでございまして、今おあげになりました東京地検の庁舎の問題も、ようやく多年の懸案が今回片づくことになりました。現在一時臨時に東京地検の一部は築地の方に移転をいたしておりますが、しばらくの間で、本庁舎が完成するに及びまして、ほとんど完全な執務態勢に切りかえられることになっております。これらの点は今回の予算の営繕費の中にも計上されておるわけでございます。
 いろいろ御指摘いただきました御意見については、私もごもっともな点が非常に多いように思いますから、今後とも大いに努力を新たにいたしたい、かように思います。
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田中伊三次#28
○田中主査 岡良一君。
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岡良一#29
○岡分科員 本年初めて原子力研究開発のために約一千万円の予算が防衛庁に配分されたようでありますが、防衛庁の原子力研究開発の範囲、目的などについて、原子力委員会、科学技術庁並びに防衛庁から、この際明確な責任のある御所信を承わりたいと存じます。
 まず第一にお伺いをいたしたい点は、防衛庁は昭和二十九年以来原子力に関する研究を始めておられるということが伝えられておるのでありまするが、その機構、また研究の内容、結果、相なるべくはその予算をこの際お聞かせ願いたいと思います。
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