社会労働委員会

1973-05-10 衆議院 全284発言

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会議録情報#0
昭和四十八年五月十日(木曜日)
   午前十時三十四分開議
 出席委員
   委員長 田川 誠一君
   理事 伊東 正義君 理事 塩谷 一夫君
   理事 橋本龍太郎君 理事 山下 徳夫君
   理事 川俣健二郎君 理事 八木 一男君
   理事 寺前  巖君
      小沢 辰男君    大橋 武夫君
      加藤 紘一君    粕谷  茂君
      瓦   力君    小林 正巳君
      斉藤滋与史君    住  栄作君
      田中  覚君    高橋 千寿君
      戸井田三郎君    中村 拓道君
      羽生田 進君    増岡 博之君
      枝村 要作君    大原  亨君
      金子 みつ君    島本 虎三君
      田口 一男君    田邊  誠君
      多賀谷真稔君    村山 富市君
      山本 政弘君    石母田 達君
      田中美智子君    大橋 敏雄君
      坂口  力君    小宮 武喜君
      和田 耕作君
 出席国務大臣
        厚 生 大 臣 齋藤 邦吉君
        郵 政 大 臣 久野 忠治君
 出席政府委員
        総理府総務副長
        官      小宮山重四郎君
        公正取引委員会
        事務局長    吉田 文剛君
        環境庁企画調整
        局長      船後 正道君
        大蔵省主計局次
        長       吉瀬 維哉君
        厚生大臣官房会
        計課長     木暮 保成君
        厚生省公衆衛生
        局長      加倉井駿一君
        厚生省医務局長 滝沢  正君
        厚生省薬務局長 松下 廉蔵君
        厚生省社会局長 加藤 威二君
        厚生省児童家庭
        局長      穴山 徳夫君
        厚生省保険局長 北川 力夫君
        社会保険庁医療
        保険部長    江間 時彦君
        郵政政務次官  鬼丸 勝之君
        郵政省人事局長 北 雄一郎君
        労働省労政局長 石黒 拓爾君
 委員外の出席者
        大蔵省主計局主
        計官      渡部 周治君
        厚生大臣官房企
        画室長     岸野 駿太君
        社会労働委員会
        調査室長    濱中雄太郎君
    —————————————
委員の異動
五月九日
 辞任         補欠選任
  瓦   力君     小山 長規君
  戸井田三郎君     高見 三郎君
同日
 辞任         補欠選任
  小山 長規君     瓦   力君
  高見 三郎君     戸井田三郎君
同月十日
 辞任         補欠選任
  島本 虎三君     大原  亨君
  田邊  誠君     江田 三郎君
同日
 辞任         補欠選任
  大原  亨君     島本 虎三君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 連合審査会開会申し入れに関する件
 健康保険法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出第四七号)
     ————◇—————
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田川誠一#1
○田川委員長 これより会議を開きます。
 健康保険法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。
 質疑の申し出があります。順次これを許します。山本政弘君。
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山本政弘#2
○山本(政)委員 健康保険法の法案の提案の理由について、政府のほうは医療保険制度の充実ということをうたわれている。そして法案の提案の理由の説明については、関係審議会の意向を尊重する、とこういっております。
 ところが、社会保障制度審議会の答申を見ますと「今回諮問された案は、従来たびたび示されたものと同じく、単に保険財政における総支出と総収入のつじつまあわせの程度以上に、ほとんど出てはいない。」こういうふうに言っておられる。しかも給付の面については次のように指摘しております。それは「家族療養費の給付割合は、昨年の諮問のとおり七割に引き上げるべきである。高額医療に対する負担軽減の措置はよいとしても、これが在来のような各種の公費医療の肩代りにおわることは好ましくない。また、国民健康保険の場合、三カ年計画で実施するということは、国民の期待にそうものでないから繰り上げて実施することを配慮されたい。」「支払い方式については、患者の便宜をはかるため、今後とも一段と工夫を進めるべきである。」こういっております。そして社会保険審議会にも同様な趣旨がうたわれておると思います。
 しかし現実に出された法案というものは、一体どういうことになっているかというと、こういう社会保障制度審議会並びに社会保険審議会の趣旨というものを十分に反映をしている形にはなっておらぬ。つまり政管健保における赤字のつじつまを合わしているんではないだろうか、そういうふうに感じるわけであります。政管健保の赤字発生の原因は一体何かということについては、私はこの前の改正のときにも指摘をしたと思います。
 それは被保険者集団の平均の所得水準あるいは平均標準報酬というのが相対的に低いということがあるだろう。もう一つは、被保険者集団の年齢構成、五十五歳以上の被保険者の構成割合、組合健保と比べてみても年齢が高いのじゃないか。したがって、医療需要が年齢の高まるにつれて急速に高まる傾向にあるだろう、これはもう皆さん方周知だと思いますけれども、まあ財政対策というのは、こういう二つの赤字発生の原因に対して適当な考慮を含んで初めて安全性を確保することができるのではないだろうか、こう思うのです。しかし、現実にはそうはなっておらぬ。
 そこでお伺いしたいのは、大臣は、健保、年金についての全国保険・国民年金課長会議において俗論だと、こういうふうに言われておる。われわれの批判に対して、俗論に惑わされるなというような意味の発言をされておる。しかも、保険局長も「医療保険改正で三度目のチャレンジができることは幸せだ。」こういうふうにおっしゃっている。「三度挑戦する健保の春はまだ遠いが、全知全能を傾けて努力する。」こう言われている。とすると、まず大臣にお伺いしたいのですけれども、私どもの批判というのが俗論であるとお考えになっておるのかどうか、その点、まずお伺いしたいと思います。
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齋藤邦吉#3
○齋藤国務大臣 私どもが今回提案いたしました法律案は——昨年、おととしと二度提案いたしました法律案は、すでに先生御承知のように、完全なる財政対策だけであったわけでございます。私どもは、こういう財政対策だけでお願いするということにつきましては、過去二回廃案になりましたいきさつ等もございますので、こういうふうな財政の問題だけを取り上げた健保法というのは、やはり国民の要望にこたえてない。やはりこの際、給付の改善というものを行なうのが筋ではないか。特に昨年来の福祉優先の政治を要望する国民の声というものもございますので、やはり福祉という面から考えてみれば、給付の改善ということを中心として、それとにらみ合わせて、財政が苦しいその原因は別といたしまして、財政というものをこういう考え方で考えていくべきではないかということで、御承知のようにいままで手をつけることのできなかった家族給付について、五割を六割にし、高額療養費というふうな問題あるいは分娩費等について、実際に合わない、そういう問題を解決し、それと見合って財政問題を御検討いただく。その財政問題を考えるにあたっては、中小企業というものを対象としておりまするために、基盤が脆弱だから、この際思い切って国も補助を出すべきではないか、しかも定率の補助をはっきりと出すべきではないか、つかみの金のような金ではいけないのではないか、こういうような考え方でいたしたわけでございます。
 すなわち私どもは、今日まで二回国会に提案をし、一回は衆議院を通りましたが、参議院で廃案になった。こういうふうな経過を踏まえて、財政だけで問題を解決しようというのでは、これはもう世論が許さない、皆さん方の御意見にやはり従って給付というものを前面に打ち出し、それと見合いで財政を考える、こういうふうにすべきではないかということを提案をいたしたわけでございます。
 しかし、この提案をいたしました当時は、名前が健保法ということでございますので、去年と同じではないかといったふうな御意見、御批判も多少あったわけでございます。そんなふうなことで、私、課長会議で俗論ということを言うたかどうか、私もあまり記憶もありませんが、私はそういう失礼なことは言わなかったのではないかと思いますが、ただ名前が同じだから去年と同じもの、ただ財政だけの法律だというふうに誤解があってはいけない。お互いにそういう点は趣旨の徹底をはかりながら、この法律の成立を私としてははかりたいということを、確かに一月でしたか初めのころに、全国の課長会議に話をしたことがございますが、その意味は、私は俗論だとかそういうことを言うつもりはございません。昨年とは趣旨が違うのだということを十分御理解いただきたいのだという意味でございますから、そういうふうに御理解をいただきたいと思います。
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山本政弘#4
○山本(政)委員 なるほど大臣のほうで「従来の単なる赤字対策とは性質を異にするものだ。」こういうふうなことをおっしゃっておることを私は確認いたします。それはここにも書いてあります。しかし「タメにする世上の議論に惑わされず、ことの真実を理解して法案成立に協力し、国民のために精進ねがいたい。」最後の「国民のために精進」願うことはけっこうですけれども、「タメにする世上の議論に惑わされず、」ということは穏当じゃない。しかも「赤字対策とは性質を異にする」というけれども、私はやはり依然として赤字対策ではないかという疑念を払拭できないわけであります。
 したがって、そのことについて、いまから質問を申し上げるわけでありますけれども、質問に入る前に、労働省の方にお伺いをしたいのでありますけれども、春闘が大体山場を越しまして、そしてかなり大幅なアップ率が予想されるということになりますと、この制度改正後の予算案について標準報酬の上下限の改定ということで、ここに四月実施の場合には四百五十四億という金が、予算に見込まれておる。それから保険料率の改定についても、七%から七・三%アップするということにして、三百六億というものが計上されている。そうすると、もちろん春闘はまだ山場を越したとはいえ終わっておりませんから、はっきりとした数字は私はつかめないと思うけれども、傾向としまして、どれくらい見通しと違ったといいますか、幅が上がったはずですが、どれくらい要するに予算の増が見込まれるだろうか、この点ひとつお聞かせいただきたい。
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江間時彦#5
○江間政府委員 四十八年度の積算におきましては、標準報酬最高限を二十万にしました関係もございますが、大体において一二・四%くらいは対前年比で保険料の増収があるというふうに考えて積算いたしております。春闘の結果、どれくらいベースアップがあるかということは、もう少し時間の推移を見なければわかりませんけれども、若干の増収がさらにあるということは事実かと思います。
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山本政弘#6
○山本(政)委員 標準報酬だけでなく保険料率のアップ、それから特別保険料ということもあるわけですから、私はこの三つのものについて、かなり大きな影響を及ぼしてくるのではないかと思うわけですね。
 労働省のほうで、いまはっきりとした正確な数字は、私は把握できないと思います。しかし、少なくとも政管健保が適用される組合について、大体どれくらいな春闘のアップ率が予想されるだろうか、この点をお聞かせいただきたい。
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石黒拓爾#7
○石黒政府委員 ただいまお話のございましたように、春闘の集計はまだできておりませんし、特に中小企業につきましては、これはかなりおそくなるのもございますので、集計はかなりおくれると存じますが、従来の傾向を申しますと、大企業では昨年は一五・〇%に対して中小企業は一六・五%、その前の年が大企業が一六・六%に対して中小企業は一八・三%というふうに、いつも率で申しますと中小企業のアップ率のほうが大企業をこの数年上回っております。額は大企業より低うございます。
 本年の場合は、大企業につきましては山が見えたといわれておりまして、額、率ともに昨年を上回るであろうというふうにいわれております。その傾向は中小企業につきましても、今回だけそれが逆転するということは、まずないんじゃなかろうか、同じように大企業並み、あるいはそれを上回るアップということが起こる可能性が大きいというふうに考えております。
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山本政弘#8
○山本(政)委員 私どもですら予想しておったのは、一五%をこえるであろうという予想だったんです。あなた方の見積もりというのは一二・四%、そこからいたしますと、一%上がればどれだけ、要するにこの三つ、いま申し上げた項目について、どれぐらいふえるんだろう、ちょっと聞かしていただきたい。
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江間時彦#9
○江間政府委員 確かにいま労働省の方がおっしゃいましたように、昨年の大手のベースアップ一五%、おそらく中小のほうは、それに一%ちょっと加わるぐらいの率になるだろう。ただわれわれの制度には、標準報酬の最高限という制度がございまして、そのアップ率は若干低下いたします。
 大ざっぱに申しますと、二ないし三%くらいそのアップ率が低下することになろうかと思います。したがいまして一五%大手のベースアップがあった、中小企業は一六・五になる。われわれの制度のもとにおきましては、たとえば標準報酬の最高限二十万になったという場合にも、それから二ないし三%低下をアップ率で考えなければならない。したがいまして、昨年の実績に照らしまして一二・四%とった。それほどわれわれとしては低いとは思っておりません。
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山本政弘#10
○山本(政)委員 それでは中小企業で二十万円をもらうという層はどれくらいありますか。私はそんなにたくさんないと思うのです。
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江間時彦#11
○江間政府委員 四十八年の状態で大体われわれは二・六%くらいはそういう人があろうかというふうに推定しております。
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山本政弘#12
○山本(政)委員 中小企業の場合に、要するに二十万円の給与をもらうという人は、数からいえば、そんなに多くはないと私は思うのですけれども、まああなたの御意見というのを一応信用いたしましょう。二・六%ですね。そうすると、大まかな見通しであるけれども、ことし一八・三%ということに一応なれば、なおかつ二・二八でも、一六をこえるものがある。つまり四分の一あなた方の見積もりより多いということになりますね。
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江間時彦#13
○江間政府委員 いま先生のおっしゃったように一八・何%というベースアップがあったと仮定して、それで中小企業については若干検討する余地があるかと思いますが、それにもう一・何%加わる。大体一九・何%くらいのアップ率になったといたしまして、先ほど来申し上げておりますように、標準報酬最高限その他の結果、低下する部分が大体二ないし三%あるとしますと、一六ないし一七%くらいのものになろうかと思います。したがいまして一二・四%との差、これは明らかに増収分になろうということは予想できるかもしれませんが、ただわれわれは財政収支を組みますときに若干のアローアンスも見なければなりませんし、現在まだ即断はできかねるかと思います。
 なお大ざっぱに言いますと、大体ベースアップの一%弱、いま申し上げた差というものは三十億近くくらいのものになるんじゃないか、大体そんな感じでございます。
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山本政弘#14
○山本(政)委員 労政局長にお伺いいたしますけれども、過去五年くらいの間でいま申し上げた中小企業のアップ率の平均値は大体どのくらいでしょうか。
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石黒拓爾#15
○石黒政府委員 中小企業の春闘アップ率の平均はちょっと暗算できませんが、過去五年で大体一六%くらいと思っております。
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山本政弘#16
○山本(政)委員 そうしますと、過去平均一六%くらいということになれば、そういうものを参照して厚生省は予算をお立てにならないのですか。つまり一二・四%という数字というものは、あなた方が予算をお立てになるときになぜそういうふうに過小にやっているのですか。常識的に最底一五%くらいは見積もったって一向ふしぎじゃないと私は思うのです。しかし収入の場合には、常に低目低目に押えていく。
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江間時彦#17
○江間政府委員 私は、決してこれは当初から意識的に過小に見積もったとは思っておりません。と申しますのは、一六%だったと仮定いたします。先ほど来申し上げます現実の春闘のアップ率よりも、われわれのほうの収入は低下する面がございます。それが大体二ないし三%したがいまして、一二・何%というのは若干のアローアンスはあるにしても、意識的に低いというふうにわれわれは考えておりません。ただ、この春一六・何%というより、さらに高いものがあるとすれば、その部分とはやはり増収部分として考えざるを得ないのじゃないかということを申し上げておきます。
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山本政弘#18
○山本(政)委員 そうすると、これは一つだけ確認したいのですけれども、つまりこのままでいけば増収の可能性というものは、きわめて濃いということは言えますか、言えませんか。
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江間時彦#19
○江間政府委員 先ほど申し上げましたように、一二・何%というものよりも若干の高い収入があるであろう、あるかもしれないということは言えると思います。
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山本政弘#20
○山本(政)委員 今度の法案の、政府が言っている目玉というのは二つあると思うのです。一つは給付率をよくする、こう言っておられる。もう一つは高額医療だ、こういうお話がありますね。
 家族療養費の給付率を五割から六割に一割上げる、こう言われておる。そして高額医療の新設についても、これは新しい目玉、こう言われるのですが、これは収支の表を見ますと、私が一つふしぎでならないのは、つまり高額医療の新設についてだけ、なぜ十月に実施をするのだ。他はすべて四月実施になっておる。これは老人医療の無料化の場合にも私はふしぎに思っておったのですが、なぜ十月という時点をおとりになったか。これがある場合には六月というくらいのことなら、私は理解ができるのですけれども、十月という時点をなぜとったのだろうか、これがわからないわけですが、この点、一体どういう理由によって十月にしているのか。まずその点だけ聞かしてください。
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北川力夫#21
○北川(力)政府委員 ただいま仰せのとおり、高額療養費の支給は、今回の改正におきまして現在の疾病構造の変化に対応したもので、時宜を得た改正だと私どもは考えております。ただ、先ほどのお話に関連して申し上げますと、非常に新しい制度、また非常に実効が期待されておる制度でありますだけに、専門の審議会におきましても、あるいはまた社会保障制度審議会におきましても、あらゆる角度から、いろいろな議論があったわけでございます。そういった議論もございましたし、また新しい制度であるということでございますので、どういうような支給要件を設定して、どういう手続を踏んで、どういう手順でわれわれが制度を設定した目的に合致するような効果をおさめ、結果をもたらさせるか。このためには、かなり多角的な検討を必要とするのでございます。
 この点は先生も御理解いただけるかと思いますが、そういう点がありますし、また法律案にも書いてございますとおり、そういった実施の細目につきましては、政令でございますけれども、専門審議会である社会保険審議会で十分に検討をいただきまして、各界の御意向を尊重する、また、それを実施しようとする場合には、私どもの第一線の担当機関である社会保険事務所、あるいは医療機関、あるいは関係者のほうにも、その趣旨、方法を十分周知をいたす必要がございますので、そういった関係上十分かどうか、いろいろ御意見もあるかもしれませんけれども、その程度の実施の準備期間を置きまして正確な実施をはかる、そういう意味合いで十月といたしたような次第でございます。
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山本政弘#22
○山本(政)委員 春闘の場合には大幅なアップ率に対して、私は厚生省は過小評価をしていると思うのです。高額医療については、出すことについては、四月実施ではなくて十月ということで出し惜しみをしているのではないか。いろいろと手続があるというけれども、そんなものは法案が提案される前にすべて私はある程度の準備が整えられるはずだと思うのです。必ずしも法案が通ってからでないと、すべてそういう準備はできませんということでもないはずだろうと思うのです。ある程度の準備というものはやるべきだし、そして目玉商品だといって、あなたたちが俗論に惑わされるなとまでおっしゃっておるならば、そういうことについて、なるべく早く支給をするような努力をするということのほうがあたりまえじゃないのですか。
 にもかかわらず、常に新設をしてあなた方が宣伝をなさっている事柄については、老人無料化といい、あるいは家族療養費の高額医療といい、すべて常に半年おくらしておる。見てごらんなさいよ、過去のことを。ずっと見てもらったら常に半年、十月実施です。なぜ私は十月実施にこだわっているのかふしぎでならないのです。あなた方がそんなに、要するに医療の充実化ということを本気になってお考えになっておったら十月よりか九月、九月よりか八月というのが私は至当じゃないだろうかと思うのです。そうじゃありませんか。大臣、ちょっとその点、いかがですか。
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齋藤邦吉#23
○齋藤国務大臣 お述べになりました趣旨、私ども十分理解できます。由来、法律も予算もできるならば年度当初から実施する、これが私は一番望ましい姿であると考えております。
 ところで、いま申し述べましたように、家族給付率の引き上げのようなものは、これはもうはっきりわかっておるわけでございますから、これは年度が変わったら、すぐやれる、私はそうだと思うのです。ただ、こういう新しい制度をつくりますときには、役所にはやはりいろいろな国民に対する趣旨の徹底、それからいろいろな手続、請求方式の様式、まあやはり趣旨を徹底させるということが一番大事なことでございますために、高額医療だけではございません、そのほかの年金の問題ででも、大体はしばらく実施準備期間を置くということで、こういうふうに慣行としてきておるわけでございますが、できるならば、やはり予算と法律というものは年度当初からやる、これが私は望ましいと思います。
 しかしやはり全国民に、しかも高額療養費の問題は政管健保だけじゃなしに、国民健康保険についても三カ年計画ということでございますが、やはり全国民を対象としてやっていくといったふうな制度でもありますので、相当実施準備がかかるのじゃないか、こういうふうに考えておりますので、ひとつ御理解いただきたいと思います。
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山本政弘#24
○山本(政)委員 それでは高額医療についてお伺いいたしますが、要するに一カ月間に医療機関に支払った自己負担が三万円以上の場合、三万円をこえた分について療養費払いで償還をする、こういうことですね。
 そうすると診療点数では七千五百点以上でないといけないわけですね。つまり七千五百点といえば七万五千円、それの〇・六ですから、四万五千円については、これは給付があるわけですね。そうすると、あとは残りは三万円ですから、それをこえた場合に療養費払いをする。こういうことになると思うのですけれども、高額医療の該当件数というものは一体政管健保でどれくらいなのか。つまり算出の基礎資料というものをちょっと聞かしていただきたいのです。
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江間時彦#25
○江間政府委員 四十八年度の高額医療費の対象件数、予算の積算基礎は四十九万一千件というふうに見ております。
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山本政弘#26
○山本(政)委員 件数で四十九万一千件ですね。そうすると点数ならば、どれくらいになりますか。
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江間時彦#27
○江間政府委員 点数と申しますと、御質問の意味がちょっと理解しかねるのでございますが、一人当たりでございますか、それとも……。
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山本政弘#28
○山本(政)委員 つまり一件当たりの点数が七千五百点以上の疾病というものの、疾病別の状況がおわかりになりますかどうかということです。
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北川力夫#29
○北川(力)政府委員 最近のデータで申し上げますと、昨年四月の診療分でございますけれども、ただいまお話のありました一件当たりの点数が七千五百点以上の疾病別の状況は次のとおりとなっております。
 すなわち総数中七千五百点以上のものの占める割合は件数にいたしまして一九・五七%、点数にして四八・八%でございます。したがいまして、おおよそのところ、大体件数が二割、点数にして五割弱、こういうことが言えようかと思います。
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