外務委員会
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会
会議録情報#0
昭和五十三年三月十七日(金曜日)
午前十一時十八分開議
出席委員
委員長 永田 亮一君
理事 大坪健一郎君 理事 奥田 敬和君
理事 塩崎 潤君 理事 毛利 松平君
理事 土井たか子君 理事 渡部 一郎君
理事 渡辺 朗君
稲垣 実男君 川田 正則君
佐野 嘉吉君 中山 正暉君
美濃 政市君 中川 嘉美君
松本 善明君 伊藤 公介君
楢崎弥之助君
出席国務大臣
外 務 大 臣 園田 直君
出席政府委員
外務省経済局長 手島れい志君
外務省経済協力
局長 武藤 利昭君
外務省条約局外
務参事官 村田 良平君
委員外の出席者
外務省経済協力
局外務参事官 大鷹 弘君
外務委員会調査
室長 高杉 幹二君
―――――――――――――
委員の異動
二月二十七日
辞任 補欠選任
松本 善明君 寺前 巖君
同日
辞任 補欠選任
寺前 巖君 松本 善明君
同月二十八日
辞任 補欠選任
井上 一成君 小林 進君
土井たか子君 石野 久男君
同日
辞任 補欠選任
石野 久男君 土井たか子君
小林 進君 井上 一成君
三月一日
辞任 補欠選任
井上 一成君 石橋 政嗣君
高沢 寅男君 井上 普方君
土井たか子君 伊賀 定盛君
同日
辞任 補欠選任
井上 普方君 高沢 寅男君
伊賀 定盛君 土井たか子君
石橋 政嗣君 井上 一成君
同月二日
辞任 補欠選任
井上 一成君 横路 孝弘君
中川 嘉美君 二見 伸明君
伊藤 公介君 小林 正巳君
同日
辞任 補欠選任
横路 孝弘君 井上 一成君
二見 伸明君 中川 嘉美君
小林 正巳君 伊藤 公介君
同月三日
辞任 補欠選任
土井たか子君 兒玉 末男君
松本 善明君 不破 哲三君
同日
辞任 補欠選任
兒玉 末男君 土井たか子君
不破 哲三君 松本 善明君
同月四日
辞任 補欠選任
松本 善明君 不破 哲三君
同月六日
辞任 補欠選任
不破 哲三君 松本 善明君
同月十七日
辞任 補欠選任
伊藤 公介君 加地 和君
同日
辞任 補欠選任
加地 和君 伊藤 公介君
同日
理事井上一成君及び土井たか子君二月二十八日
委員辞任につき、その補欠として井上一成君及
び土井たか子君が理事に当選した。
―――――――――――――
二月二十四日
世界観光機関(WTO)憲章の締結について承
認を求めるの件(条約第三号)(予)
三月十日
日本国とアメリカ合衆国との間の犯罪人引渡し
に関する条約の締結について承認を求めるの件
(条約第四号)
千九百七十年六月十九日にワシントンで作成さ
れた特許協力条約の締結について承認を求める
の件(条約第五号)
同月十五日
許諾を得ないレコードの複製からのレコード製
作者の保護に関する条約の締結について承認を
求めるの件(条約第六号)(予)
同月十七日
世界観光機関(WTO)憲章の締結について承
認を求めるの件(条約第三号)(参議院送付)
二月二十七日
看護職員条約の批准等に関する請願(和田耕作
君紹介)(第一六〇一号)
三月六日
看護職員条約の批准等に関する請願(大柴滋夫
君紹介)(第一六四二号)
同(浦井洋君紹介)(第一七一八号)
同(瀬長亀次郎君紹介)(第一七一九号)
同(寺前巖君紹介)(第一七二〇号)
同(松本善明君紹介)(第一七二一号)
同(三谷秀治君紹介)(第一七二二号)
は本委員会に付託された。
―――――――――――――
三月十三日
国際人権規約批准促進に関する陳情書外二件
(第一一九
号)
核兵器全面禁止国際協定の締結促進に関する陳
情書外一件
(第一二〇号)
日中平和友好条約の締結促進に関する陳情書外
二件(第一
二一号)
日ソ平和条約の早期締結等に関する陳情書
(第一二二号)
朝鮮の自主的平和統一促進に関する陳情書外十
六件
(第一二三号)
国際労働条約第百三十七号の批准等に関する陳
情書外一件
(第一二四号)
北朝鮮帰還の日本人妻の安否調査等に関する陳
情書(第一二五
号)
は本委員会に参考送付された。
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
理事の補欠選任
日本国とアメリカ合衆国との間の犯罪人引渡し
に関する条約の締結について承認を求めるの件
(条約第四号)
千九百七十年六月十九日にワシントンで作成さ
れた特許協力条約の締結について承認を求める
の件(条約第五号)
国際協力事業団法の一部を改正する法律案(内
閣提出第二〇号)
――――◇―――――
この発言だけを見る →午前十一時十八分開議
出席委員
委員長 永田 亮一君
理事 大坪健一郎君 理事 奥田 敬和君
理事 塩崎 潤君 理事 毛利 松平君
理事 土井たか子君 理事 渡部 一郎君
理事 渡辺 朗君
稲垣 実男君 川田 正則君
佐野 嘉吉君 中山 正暉君
美濃 政市君 中川 嘉美君
松本 善明君 伊藤 公介君
楢崎弥之助君
出席国務大臣
外 務 大 臣 園田 直君
出席政府委員
外務省経済局長 手島れい志君
外務省経済協力
局長 武藤 利昭君
外務省条約局外
務参事官 村田 良平君
委員外の出席者
外務省経済協力
局外務参事官 大鷹 弘君
外務委員会調査
室長 高杉 幹二君
―――――――――――――
委員の異動
二月二十七日
辞任 補欠選任
松本 善明君 寺前 巖君
同日
辞任 補欠選任
寺前 巖君 松本 善明君
同月二十八日
辞任 補欠選任
井上 一成君 小林 進君
土井たか子君 石野 久男君
同日
辞任 補欠選任
石野 久男君 土井たか子君
小林 進君 井上 一成君
三月一日
辞任 補欠選任
井上 一成君 石橋 政嗣君
高沢 寅男君 井上 普方君
土井たか子君 伊賀 定盛君
同日
辞任 補欠選任
井上 普方君 高沢 寅男君
伊賀 定盛君 土井たか子君
石橋 政嗣君 井上 一成君
同月二日
辞任 補欠選任
井上 一成君 横路 孝弘君
中川 嘉美君 二見 伸明君
伊藤 公介君 小林 正巳君
同日
辞任 補欠選任
横路 孝弘君 井上 一成君
二見 伸明君 中川 嘉美君
小林 正巳君 伊藤 公介君
同月三日
辞任 補欠選任
土井たか子君 兒玉 末男君
松本 善明君 不破 哲三君
同日
辞任 補欠選任
兒玉 末男君 土井たか子君
不破 哲三君 松本 善明君
同月四日
辞任 補欠選任
松本 善明君 不破 哲三君
同月六日
辞任 補欠選任
不破 哲三君 松本 善明君
同月十七日
辞任 補欠選任
伊藤 公介君 加地 和君
同日
辞任 補欠選任
加地 和君 伊藤 公介君
同日
理事井上一成君及び土井たか子君二月二十八日
委員辞任につき、その補欠として井上一成君及
び土井たか子君が理事に当選した。
―――――――――――――
二月二十四日
世界観光機関(WTO)憲章の締結について承
認を求めるの件(条約第三号)(予)
三月十日
日本国とアメリカ合衆国との間の犯罪人引渡し
に関する条約の締結について承認を求めるの件
(条約第四号)
千九百七十年六月十九日にワシントンで作成さ
れた特許協力条約の締結について承認を求める
の件(条約第五号)
同月十五日
許諾を得ないレコードの複製からのレコード製
作者の保護に関する条約の締結について承認を
求めるの件(条約第六号)(予)
同月十七日
世界観光機関(WTO)憲章の締結について承
認を求めるの件(条約第三号)(参議院送付)
二月二十七日
看護職員条約の批准等に関する請願(和田耕作
君紹介)(第一六〇一号)
三月六日
看護職員条約の批准等に関する請願(大柴滋夫
君紹介)(第一六四二号)
同(浦井洋君紹介)(第一七一八号)
同(瀬長亀次郎君紹介)(第一七一九号)
同(寺前巖君紹介)(第一七二〇号)
同(松本善明君紹介)(第一七二一号)
同(三谷秀治君紹介)(第一七二二号)
は本委員会に付託された。
―――――――――――――
三月十三日
国際人権規約批准促進に関する陳情書外二件
(第一一九
号)
核兵器全面禁止国際協定の締結促進に関する陳
情書外一件
(第一二〇号)
日中平和友好条約の締結促進に関する陳情書外
二件(第一
二一号)
日ソ平和条約の早期締結等に関する陳情書
(第一二二号)
朝鮮の自主的平和統一促進に関する陳情書外十
六件
(第一二三号)
国際労働条約第百三十七号の批准等に関する陳
情書外一件
(第一二四号)
北朝鮮帰還の日本人妻の安否調査等に関する陳
情書(第一二五
号)
は本委員会に参考送付された。
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
理事の補欠選任
日本国とアメリカ合衆国との間の犯罪人引渡し
に関する条約の締結について承認を求めるの件
(条約第四号)
千九百七十年六月十九日にワシントンで作成さ
れた特許協力条約の締結について承認を求める
の件(条約第五号)
国際協力事業団法の一部を改正する法律案(内
閣提出第二〇号)
――――◇―――――
永
永田亮一#1
○永田委員長 これより会議を開きます。
日本国とアメリカ合衆国との間の犯罪人引渡しに関する条約の締結について承認を求めるの件及び千九百七十年六月十九日にワシントンで作成された特許協力条約の締結について承認を求めるの件の両件を議題といたします。
まず、政府よりそれぞれ提案理由の説明を聴取いたします。外務大臣園田直君。
—————————————
日本国とアメリカ合衆国との間の犯罪人引渡しに関する条約の締結について承諾を求めるの件
千九百七十年六月十九日にワシントンで作成された特許協力条約について承諾を求めるの件
〔本号末尾に掲載〕
—————————————
この発言だけを見る →日本国とアメリカ合衆国との間の犯罪人引渡しに関する条約の締結について承認を求めるの件及び千九百七十年六月十九日にワシントンで作成された特許協力条約の締結について承認を求めるの件の両件を議題といたします。
まず、政府よりそれぞれ提案理由の説明を聴取いたします。外務大臣園田直君。
—————————————
日本国とアメリカ合衆国との間の犯罪人引渡しに関する条約の締結について承諾を求めるの件
千九百七十年六月十九日にワシントンで作成された特許協力条約について承諾を求めるの件
〔本号末尾に掲載〕
—————————————
園
園田直#2
○園田国務大臣 ただいま議題となりました日本国とアメリカ合衆国との間の犯罪人引渡しに関する条約の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
現在、日米間には、明治十九年に締結され、明治三十九年に追加修正された日米犯罪人引渡条約がございますが、現行条約は、締結以来九十余年を経ており、引き渡し対象犯罪が殺人罪等の伝統的な犯罪に限定されているため、国際的な交通機関の発達等による国際的渉外事件の増加を初めとする最近の事態に適合しなくなっている面があり、これを改善することが望まれていたところであります。
政府は、昭和五十年八月のクアラルンプール事件等を契機とする国際的な犯罪の抑圧のための協力についての国内の認識の高まりを背景に、犯罪の抑圧のための日米両国の協力を一層実効あるものとするため、昭和五十一年一月にアメリカ合衆国政府に対し、現行条約を全面的に改定することを提案いたしました。その後、二回にわたる交渉と外交経路を通じての調整の結果、新条約案について合意が得られ、本年三月三日に東京において、本大臣とマンスフィールド駐日アメリカ合衆国大使との問でこの条約の署名が行われた次第であります。
この条約は、本文十六個条及び付表から成り、さらに、交換公文が付属しておりますが、その主要な内容は、次のとおりであります。
すなわち、各締約国は、両国法令により死刑または無期もしくは長期一年を超える拘禁刑に処するとされている犯罪について、訴追等を行うために他方の締約国からその引き渡しを求められ、自国の領域で発見された者を他方の締約国に引き渡すことを約束しております。引き渡しの対象となる代表的な犯罪四十七種類は、本条約の付表に列挙されております。また、引き渡し請求犯罪が政治犯罪である場合は引き渡しは行われず、自国民の取り扱いについては、被請求国は、引き渡しの義務を負わないが、裁量により自国民の引き渡しを行うことができること等が定められております。引き渡し請求は、逮捕状の写し、証拠資料等の必要な資料を添付して外交経路により行いますが、緊急の場合、一方の締約国は、他方の締約国より要請されたときには、仮拘禁を行い得ることになっております。さらに各締約国は、第三国から他方の締約国に引き渡される者を自国領域を経由して通過護送する権利を他方の締約国に認めることが定められております。
この条約を締結することにより、引き渡し対象犯罪が現行条約に比べ飛躍的に拡大されるのみならず、将来生じ得る新しい犯罪も引き渡しの対象とされることとなる等、多くの点で改善が施され、犯罪の抑圧のための日米両国の協力関係が一層実効性のあるものとなることが期待されます。
よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。
次に、千九百七十年六月十九日にワシントンで作成された特許協力条約の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
近年の国際的な経済活動の緊密化及び技術交流の拡大という状況にかんがみ、商品輸出及び技術輸出の拡大を図るためには外国における特許権の確立がますます重要となってきております。このような趨勢を反映して、国際的に外国への特許出願が増大するとともに、同一の発明について複数の国において特許出願を行う事例が顕著な増加を示しております。
従来の例によれば、同一の発明について複数の国において保護を求める場合には、出願人は、各国の法令に従い、各国語で出願書類を作成し、各国ごとに出願手続をとらねばならず、これは、出願人にとってかなりの負担となっております。一方、各国の特許庁は、同一の発明であるにもかかわらず、それぞれ独自に調査、審査を行うため、国際的に見れば、重復して労力を費やすこととなり、特許出願の処理の効率化を図る観点からは問題なしとしません。このような事態に対処するため、国際的な出願手続の簡素化及び出願の審査の面における国際協力を図ろうとする機運が高まりまして、その結果、昭和四十五年六月十九日にワシントンでこの条約が採択された次第であります。
この条約は、以上のごとき問題意識に立って、国際出願手続、国際調査、国際予備審査及び国際出願の国際公開に関する制度を創設するとともに、あわせて開発途上国に対し特許の分野における技術援助を行うことを内容としております。
わが国は、従来から技術立国を重視し、そのための基盤の拡充等の観点から、工業所有権制度の国際的動向に強い関心を持ち、この条約の作成にも積極的に貢献してまいりました。わが国がこの条約を締結すれば、外国への出願手続が簡素化されることを通じてわが国の国民による外国特許の取得が助長されるとの効果が期待され、ひいては、わが国の一層の経済発展にも資することとなると認められます。また、国際協力の推進という観点から言えば、わが国の特許庁が、この条約のもとで、国際調査機関及び国際予備審査機関として行動すること等を通じ工業所有権の分野において国際的役割りを果たすことは、それ自体としてきわめて有意義であるばかりでなく、同条約のもとでは、開発途上国に対する特許面の技術援助の促進も期待されます。
よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。
以上、二件につき何とぞ御審議の上、速やかに御承認あらんことを希望いたします。
この発言だけを見る →現在、日米間には、明治十九年に締結され、明治三十九年に追加修正された日米犯罪人引渡条約がございますが、現行条約は、締結以来九十余年を経ており、引き渡し対象犯罪が殺人罪等の伝統的な犯罪に限定されているため、国際的な交通機関の発達等による国際的渉外事件の増加を初めとする最近の事態に適合しなくなっている面があり、これを改善することが望まれていたところであります。
政府は、昭和五十年八月のクアラルンプール事件等を契機とする国際的な犯罪の抑圧のための協力についての国内の認識の高まりを背景に、犯罪の抑圧のための日米両国の協力を一層実効あるものとするため、昭和五十一年一月にアメリカ合衆国政府に対し、現行条約を全面的に改定することを提案いたしました。その後、二回にわたる交渉と外交経路を通じての調整の結果、新条約案について合意が得られ、本年三月三日に東京において、本大臣とマンスフィールド駐日アメリカ合衆国大使との問でこの条約の署名が行われた次第であります。
この条約は、本文十六個条及び付表から成り、さらに、交換公文が付属しておりますが、その主要な内容は、次のとおりであります。
すなわち、各締約国は、両国法令により死刑または無期もしくは長期一年を超える拘禁刑に処するとされている犯罪について、訴追等を行うために他方の締約国からその引き渡しを求められ、自国の領域で発見された者を他方の締約国に引き渡すことを約束しております。引き渡しの対象となる代表的な犯罪四十七種類は、本条約の付表に列挙されております。また、引き渡し請求犯罪が政治犯罪である場合は引き渡しは行われず、自国民の取り扱いについては、被請求国は、引き渡しの義務を負わないが、裁量により自国民の引き渡しを行うことができること等が定められております。引き渡し請求は、逮捕状の写し、証拠資料等の必要な資料を添付して外交経路により行いますが、緊急の場合、一方の締約国は、他方の締約国より要請されたときには、仮拘禁を行い得ることになっております。さらに各締約国は、第三国から他方の締約国に引き渡される者を自国領域を経由して通過護送する権利を他方の締約国に認めることが定められております。
この条約を締結することにより、引き渡し対象犯罪が現行条約に比べ飛躍的に拡大されるのみならず、将来生じ得る新しい犯罪も引き渡しの対象とされることとなる等、多くの点で改善が施され、犯罪の抑圧のための日米両国の協力関係が一層実効性のあるものとなることが期待されます。
よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。
次に、千九百七十年六月十九日にワシントンで作成された特許協力条約の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
近年の国際的な経済活動の緊密化及び技術交流の拡大という状況にかんがみ、商品輸出及び技術輸出の拡大を図るためには外国における特許権の確立がますます重要となってきております。このような趨勢を反映して、国際的に外国への特許出願が増大するとともに、同一の発明について複数の国において特許出願を行う事例が顕著な増加を示しております。
従来の例によれば、同一の発明について複数の国において保護を求める場合には、出願人は、各国の法令に従い、各国語で出願書類を作成し、各国ごとに出願手続をとらねばならず、これは、出願人にとってかなりの負担となっております。一方、各国の特許庁は、同一の発明であるにもかかわらず、それぞれ独自に調査、審査を行うため、国際的に見れば、重復して労力を費やすこととなり、特許出願の処理の効率化を図る観点からは問題なしとしません。このような事態に対処するため、国際的な出願手続の簡素化及び出願の審査の面における国際協力を図ろうとする機運が高まりまして、その結果、昭和四十五年六月十九日にワシントンでこの条約が採択された次第であります。
この条約は、以上のごとき問題意識に立って、国際出願手続、国際調査、国際予備審査及び国際出願の国際公開に関する制度を創設するとともに、あわせて開発途上国に対し特許の分野における技術援助を行うことを内容としております。
わが国は、従来から技術立国を重視し、そのための基盤の拡充等の観点から、工業所有権制度の国際的動向に強い関心を持ち、この条約の作成にも積極的に貢献してまいりました。わが国がこの条約を締結すれば、外国への出願手続が簡素化されることを通じてわが国の国民による外国特許の取得が助長されるとの効果が期待され、ひいては、わが国の一層の経済発展にも資することとなると認められます。また、国際協力の推進という観点から言えば、わが国の特許庁が、この条約のもとで、国際調査機関及び国際予備審査機関として行動すること等を通じ工業所有権の分野において国際的役割りを果たすことは、それ自体としてきわめて有意義であるばかりでなく、同条約のもとでは、開発途上国に対する特許面の技術援助の促進も期待されます。
よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。
以上、二件につき何とぞ御審議の上、速やかに御承認あらんことを希望いたします。
永
永
永田亮一#4
○永田委員長 この際、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
去る二月二十八日理事井上一成君及び理事土井たか子君の委員辞任により、現在理事が二名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →去る二月二十八日理事井上一成君及び理事土井たか子君の委員辞任により、現在理事が二名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
永
永田亮一#5
○永田委員長 御異議なしと認めます。よって、理事に
井上 一成君 及び 土井たか子君
を指名いたします。
午後一時から委員会を再開することとし、この際、暫時休憩いたします。
午前十一時二十七分休憩
————◇—————
午後一時十六分開議
この発言だけを見る →井上 一成君 及び 土井たか子君
を指名いたします。
午後一時から委員会を再開することとし、この際、暫時休憩いたします。
午前十一時二十七分休憩
————◇—————
午後一時十六分開議
永
永田亮一#6
○永田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
国際協力事業団法の一部を改正する法律案を議題といたします。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。美濃政市君。
この発言だけを見る →国際協力事業団法の一部を改正する法律案を議題といたします。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。美濃政市君。
美
美濃政市#7
○美濃委員 ただいま審議されております事業団法の関係につきまして、若干の質問をいたしたいと思います。
まず第一にお尋ねしたいと思うことは、今度の事業団法の改正の目的とする、いわゆる技術協力に密接な関連性を持つ援助協力は事業団を通じて行わす、この範囲ですね。技術協力に密接な関連で、客観的にはわかりますが、これはやはり海外においていわゆる援助協力の予算が執行されていくわけでありますから、もう少しこれは、たとえば五十三年度予算の中の関係の予算のどのぐらいが従来どおり外務省が直接行うもので、何%ぐらいが事業団を通じて行うようになるか、こういう関係をもう少し明確にお答えをいただきたいということと、その前に、こういう関係の法案提出に対しては、もう少し親切に、参考資料ですか、事業団関係の内容とか、質問をして聞かなくても、見ればわかるような、やはり海外で事業活動が行われておるわけでありますから、予算の執行が行われるわけでありますから、国内よりも、私どもの目に触れることも少ないわけでありますので、もう少し適切な参考資料をつけて提案してくるのが、私は、政府としてそういう資料をつけて出してもらう方が国会に対して親切だろう、こう思うわけですが、それらをあわせてひとつ御答弁をいただきたいと思います。
この発言だけを見る →まず第一にお尋ねしたいと思うことは、今度の事業団法の改正の目的とする、いわゆる技術協力に密接な関連性を持つ援助協力は事業団を通じて行わす、この範囲ですね。技術協力に密接な関連で、客観的にはわかりますが、これはやはり海外においていわゆる援助協力の予算が執行されていくわけでありますから、もう少しこれは、たとえば五十三年度予算の中の関係の予算のどのぐらいが従来どおり外務省が直接行うもので、何%ぐらいが事業団を通じて行うようになるか、こういう関係をもう少し明確にお答えをいただきたいということと、その前に、こういう関係の法案提出に対しては、もう少し親切に、参考資料ですか、事業団関係の内容とか、質問をして聞かなくても、見ればわかるような、やはり海外で事業活動が行われておるわけでありますから、予算の執行が行われるわけでありますから、国内よりも、私どもの目に触れることも少ないわけでありますので、もう少し適切な参考資料をつけて提案してくるのが、私は、政府としてそういう資料をつけて出してもらう方が国会に対して親切だろう、こう思うわけですが、それらをあわせてひとつ御答弁をいただきたいと思います。
園
園田直#8
○園田国務大臣 法案審議に際して、参考資料をなるべく多数つくって委員の手元にお届けをして理解しやすいようにやれという御指摘、ごもっともでありますから、なるべくそのように努力をいたさせます。
あとのことについては事務当局からお答えをいたします。
この発言だけを見る →あとのことについては事務当局からお答えをいたします。
武
武藤利昭#9
○武藤政府委員 無償資金協力の中で、技術協力と密接に関係のあるものということについてもう少し具体的に申し上げますと、法案にも書いてございますが、これは二種類ございまして、技術協力のための施設、それから技術協力に密接な関連性を有する事業のための施設と書き分けているわけでございます。
若干内容的に申し上げますと、最初に申し上げました技術協力のための施設と申しますのは、これは数多く例がございますけれども、開発途上国に日本の援助によりまして技術協力センターというようなものをつくる場合がございます。それでその技術協力センターというのは、センターをつくりましてそこに日本の専門家等が参りまして、相手国の若い人たちの技術指導に当たるということでございますけれども、そういう類の施設につきましては、これは直接技術協力を行うための施設でございますので、最初に申し上げました技術協力のための施設という範疇に入ることになるかと思います。
それから、二番目に申し上げました技術協力に密接な関連性を有する事業のための施設ということでございますが、これは施設そのもので日本の技術協力を日本の専門家が行って行うということが必ずしもないといたしましても、その施設をつくるために日本の技術協力を行うということがよくあるわけでございます。若干砕いて申し上げますと、たとえば、国際協力事業団の方で相手国がこういう種類の技術協力のための施設をつくってほしいという要望がございましたときに、事業団の方から調査団をつくりまして、そういう施設をつくるために必要な調査を行う、それらの調査を行った結果といたしまして施設がつくられるという例がまたあるわけでございます。そのような場合、たとえば相手国が病院をつくってほしいというようなときに、まず日本側の技術協力で病院をつくるための基礎的調査をいたしまして、それが結局その後病院が建設される。あるいはテレビ放送の技術の研修のための施設をつくってほしいというような要望がございましたときに、あらかじめ技術協力でそういう調査をいたしまして、その結果として、テレビ放送技術研修のための施設をつくってあげるというたぐいのことがあるわけでございまして、それが二番目の範疇に入るということになるかと思います。
それから、予算の内訳との関係について御質問がございましたが、実は予算の立て方と申しますか、無償協力の予算の中にどういうものがあるのかということをあらかじめ申し上げた方がわかりやすいかと思いますので、そのような説明の仕方をさせていただきます。
無償資金協力の関係の予算は、外務省が所管しておりますものと大蔵省が所管しておりますものと二通りございます。外務省が所管しておりますものは、予算の中に経済開発等援助費という項目がございます。その中にまた水産関係、災害関係、文化関係、その他というような四つの小項目があるわけでございます。それから、片や大蔵省所管の無償資金協力の予算といたしましては、モンゴル経済協力、それから食糧増産等援助、賠償等特殊債務処理というような三つのまた小項目があるわけでございます。
このうち、ただいま御審議をいただいております団法改正との関係で問題になりますのは、技術協力と密接な関係のある無償資金協力ということになるわけでございますが、この予算の項目に即して申し上げますと、大蔵省所管分は技術協力と必ずしも関係がございませんので、この辺につきましては従来どおり大蔵省の予算でございますけれども、外務省がその委託を受けて執行するという形になるわけでございます。それからまた、外務省所管分といたしまして先ほど四つばかり項目を申し上げましたが、その中でも、たとえば災害援助というようなものは、相手国に洪水が起こったとか地震が起こったというようなときに緊急に食糧を援助したり医薬品等を援助するという種類の援助でございますので、これは技術協力と必ずしも結びつかないということで、これにつきましても事業団の方に促進業務を移管するということにはならないわけでございます。一番事業団に対します促進業務の対象となりますのは、外務省所管分の中でその他と申しましたが、これが実は金額的には一番大きいのでございまして、五十二年度予算案ではこれが百三十九億円計上されておりましたが、ただいま御審議をいただいております昭和五十三年度予算案では三百二十七億円を計上しているわけでございます。このその他と申しますのは俗に一般無償と申しておりますが、この一般無償の中に技術協力と密接な関係を有する種類のものが多いということが言えるかと思います。ただ、一般無償の中でも必ずしも技術協力と結びつかないというものにつきましては、これは事業団に移管することはいたしませんで、従来どおり外務省において直接処理するということになるわけでございます。
この発言だけを見る →若干内容的に申し上げますと、最初に申し上げました技術協力のための施設と申しますのは、これは数多く例がございますけれども、開発途上国に日本の援助によりまして技術協力センターというようなものをつくる場合がございます。それでその技術協力センターというのは、センターをつくりましてそこに日本の専門家等が参りまして、相手国の若い人たちの技術指導に当たるということでございますけれども、そういう類の施設につきましては、これは直接技術協力を行うための施設でございますので、最初に申し上げました技術協力のための施設という範疇に入ることになるかと思います。
それから、二番目に申し上げました技術協力に密接な関連性を有する事業のための施設ということでございますが、これは施設そのもので日本の技術協力を日本の専門家が行って行うということが必ずしもないといたしましても、その施設をつくるために日本の技術協力を行うということがよくあるわけでございます。若干砕いて申し上げますと、たとえば、国際協力事業団の方で相手国がこういう種類の技術協力のための施設をつくってほしいという要望がございましたときに、事業団の方から調査団をつくりまして、そういう施設をつくるために必要な調査を行う、それらの調査を行った結果といたしまして施設がつくられるという例がまたあるわけでございます。そのような場合、たとえば相手国が病院をつくってほしいというようなときに、まず日本側の技術協力で病院をつくるための基礎的調査をいたしまして、それが結局その後病院が建設される。あるいはテレビ放送の技術の研修のための施設をつくってほしいというような要望がございましたときに、あらかじめ技術協力でそういう調査をいたしまして、その結果として、テレビ放送技術研修のための施設をつくってあげるというたぐいのことがあるわけでございまして、それが二番目の範疇に入るということになるかと思います。
それから、予算の内訳との関係について御質問がございましたが、実は予算の立て方と申しますか、無償協力の予算の中にどういうものがあるのかということをあらかじめ申し上げた方がわかりやすいかと思いますので、そのような説明の仕方をさせていただきます。
無償資金協力の関係の予算は、外務省が所管しておりますものと大蔵省が所管しておりますものと二通りございます。外務省が所管しておりますものは、予算の中に経済開発等援助費という項目がございます。その中にまた水産関係、災害関係、文化関係、その他というような四つの小項目があるわけでございます。それから、片や大蔵省所管の無償資金協力の予算といたしましては、モンゴル経済協力、それから食糧増産等援助、賠償等特殊債務処理というような三つのまた小項目があるわけでございます。
このうち、ただいま御審議をいただいております団法改正との関係で問題になりますのは、技術協力と密接な関係のある無償資金協力ということになるわけでございますが、この予算の項目に即して申し上げますと、大蔵省所管分は技術協力と必ずしも関係がございませんので、この辺につきましては従来どおり大蔵省の予算でございますけれども、外務省がその委託を受けて執行するという形になるわけでございます。それからまた、外務省所管分といたしまして先ほど四つばかり項目を申し上げましたが、その中でも、たとえば災害援助というようなものは、相手国に洪水が起こったとか地震が起こったというようなときに緊急に食糧を援助したり医薬品等を援助するという種類の援助でございますので、これは技術協力と必ずしも結びつかないということで、これにつきましても事業団の方に促進業務を移管するということにはならないわけでございます。一番事業団に対します促進業務の対象となりますのは、外務省所管分の中でその他と申しましたが、これが実は金額的には一番大きいのでございまして、五十二年度予算案ではこれが百三十九億円計上されておりましたが、ただいま御審議をいただいております昭和五十三年度予算案では三百二十七億円を計上しているわけでございます。このその他と申しますのは俗に一般無償と申しておりますが、この一般無償の中に技術協力と密接な関係を有する種類のものが多いということが言えるかと思います。ただ、一般無償の中でも必ずしも技術協力と結びつかないというものにつきましては、これは事業団に移管することはいたしませんで、従来どおり外務省において直接処理するということになるわけでございます。
美
美濃政市#10
○美濃委員 先ほど大臣からも御答弁いただきまして、いま大体概要の説明を承りましたが、やはりこれからも私どもがもし海外視察でもする機会があったときにはそういう関係を見てきたいと思いますので、できる限り参考資料にしていただきたいと思います。
この発言だけを見る →武
武藤利昭#11
○武藤政府委員 ただいま先生から御要望ございました資料につきましては、作成するようにいたしたいと思います。
また、外国に行かれたときのための参考というお話でもございましたので、あるいは従来まで日本の外国への技術協力、無償資金協力でどういうような施設をどういう場所につくったかというたぐいの表も含めさせていただければお役に立つかと思っております。
この発言だけを見る →また、外国に行かれたときのための参考というお話でもございましたので、あるいは従来まで日本の外国への技術協力、無償資金協力でどういうような施設をどういう場所につくったかというたぐいの表も含めさせていただければお役に立つかと思っております。
美
美濃政市#12
○美濃委員 従来の実績をできる限りお願いしたいと思います。
次にお尋ねしたいことは、私から申し上げるまでもなく、この援助関係がGNPの目標に対しても、あるいは贈与比率やその他の援助条件についても、日本は先進諸外国に比較してかなり下回っておる。たとえばこれはいただいた資料ですが、一九七六年のGNPに対するわが国の援助比率は〇・二%、その他の国の数字は私から申し上げませんが、アメリカ、フランス、ドイツ、イギリス等と比較していずれの国よりも下回っておるし、また贈与比率も低い。こういう関係にありますが、ことしは予算の面では〇・三%に上げて政府原案というものが決まっておるようであります。予算もさることながら、ことしのこの関係の事業の具体的な執行の中でどの程度に改善されておるか。これは特に大臣にお伺いしたいと思いますが、こういう条件に対して他の国から日本として何か言われてないのか、日本の条件はこれで各国との均衡がとれておるのか、それとも各国から援助体制について何か言われておるのか、それから、さっきもお尋ねしましたことしの執行の体制の中でどれだけこれがよくなるのか、そういう点についてお伺いをしたいと思います。
この発言だけを見る →次にお尋ねしたいことは、私から申し上げるまでもなく、この援助関係がGNPの目標に対しても、あるいは贈与比率やその他の援助条件についても、日本は先進諸外国に比較してかなり下回っておる。たとえばこれはいただいた資料ですが、一九七六年のGNPに対するわが国の援助比率は〇・二%、その他の国の数字は私から申し上げませんが、アメリカ、フランス、ドイツ、イギリス等と比較していずれの国よりも下回っておるし、また贈与比率も低い。こういう関係にありますが、ことしは予算の面では〇・三%に上げて政府原案というものが決まっておるようであります。予算もさることながら、ことしのこの関係の事業の具体的な執行の中でどの程度に改善されておるか。これは特に大臣にお伺いしたいと思いますが、こういう条件に対して他の国から日本として何か言われてないのか、日本の条件はこれで各国との均衡がとれておるのか、それとも各国から援助体制について何か言われておるのか、それから、さっきもお尋ねしましたことしの執行の体制の中でどれだけこれがよくなるのか、そういう点についてお伺いをしたいと思います。
武
武藤利昭#13
○武藤政府委員 お答え申し上げます。
御質問の第一点、外国におきます日本の援助に対する評判でございますけれども、これはまことにお恥ずかしいのでございますが、芳しくないというのが実情でございます。例をとりますと、たとえばパリにOECDという機構がございますが、その中に開発援助委員会というものがございまして、そこで開発途上国に対する援助を行っております先進国側十七カ国が集まりまして、各国の援助政策というようなものをお互いに吟味し合うと申しますか、審査をし合ったり、あるいは各国の援助の実績を見てみたり、今後どういうぐあいにしたらその援助の効果を上げられるかというような相談をしたりする、そういう委員会でございますが、その委員会の会合が開かれますたびに、日本の援助につきましては、量が少ないということもさることながら、その質がよくないということで批判をいただいているということは、これは私ども率直に認めざるを得ないわけでございます。その改善策についてでございますけれども、量につきましては昨年国際経済協力委員会におきまして、わが国は今後五年間に援助の量を倍増以上にするという意図を表明しているわけでございます。倍増以上ということに主眼があるわけでございまして、一方においてはそういうようなことで量の拡大を図りながら、他方においては質の改善もしていきたいと考えているわけでございますが、これをもう少し数字的に御説明いたしますと、昭和五十三年度の予算原案におきましては、ただいまお示しのございましたとおり政府開発援助関係の予算をかなり伸ばしまして一五・八%という伸びを見ているわけでございます。五年間で倍増いたしますためには、これは一種の複利計算になりますので、単純に計算すれば毎年一五%ずつふやせば五年間で倍になるという計算になるわけでございますが、その一五%を上回る一五・八%の伸びを見たということによりまして、倍増以上の目的を達成したいと蓄えているわけでございます。
それから、質の点につきましても、五十三年度の予算原案におきましては意を用いたところでございまして、ただいま開発援助事業予算の総額が一五・八%伸びたということを申し上げたわけでございますけれども、その中で特に無償の部分、この無償の援助をふやすということが援助の質をよくする、援助のグラントエレメントを高める、それからただいま先住の御指摘ございました贈与比率を高めるということにもなりますので、五十三年度の予算原案におきましてはこの無償の資金協力のための予算というものを大幅にふやしたわけでございまして、政府開発援助全体の予算の伸び一五・八%に対しまして、無償の予算は八九・二%という非常に大幅な伸びを見ているわけでございます。このようにいたしまして無償資金協力の比率をふやすということによりまして、ただいま御指摘ございましたような日本の援助の質を改善する、それで各国の批判にもこたえるということにしたいと考えているわけでございます。
それから、援助を増大いたしますためには、予算とともに執行率を上げなければならないということはただいま先生御指摘のとおりでございます。この執行率を改善させますために、これは実は問題は日本の国内の問題と相手国側との関係における問題と二通りあるわけでございます。相手国との関係と申しますと、たとえば、開発途上国でございますので、行政能力が必ずしも十分でないというような場合もございますし、あるいは先般のようなオイルショックなどというような事態が生じますと、オイルショックのために相手国の方も経済計画に大幅な手直しをしなければいけないということで、それまで日本との間に行っておりました経済協力に関します話し合いを、もう一遍やり直さなければいけないというたぐいのことが生ずるという面もございまして、こちらの方はなかなか日本だけで改善するというわけにはまいらないわけでございますけれども、少なくとも、日本の国内で改善できるたぐいのものはできるだけ改善しようということで、ここ一、二年来努力してまいりました。その結果、最近におきましては、執行率もかなり上がってまいっておりまして、たとえば無償について申しますと、昭和五十年度におきましては執行率が大体三一%というような低い数字であったわけでございますが、五十一年度には六〇%まで上がりましたし、それから五十二年度、これはまだ終わっておりませんので見込みでございますが、これは七七%ぐらいまで改善されるという見込みでございます。今後ともこのような努力は続けてまいりたいと思っております。
この発言だけを見る →御質問の第一点、外国におきます日本の援助に対する評判でございますけれども、これはまことにお恥ずかしいのでございますが、芳しくないというのが実情でございます。例をとりますと、たとえばパリにOECDという機構がございますが、その中に開発援助委員会というものがございまして、そこで開発途上国に対する援助を行っております先進国側十七カ国が集まりまして、各国の援助政策というようなものをお互いに吟味し合うと申しますか、審査をし合ったり、あるいは各国の援助の実績を見てみたり、今後どういうぐあいにしたらその援助の効果を上げられるかというような相談をしたりする、そういう委員会でございますが、その委員会の会合が開かれますたびに、日本の援助につきましては、量が少ないということもさることながら、その質がよくないということで批判をいただいているということは、これは私ども率直に認めざるを得ないわけでございます。その改善策についてでございますけれども、量につきましては昨年国際経済協力委員会におきまして、わが国は今後五年間に援助の量を倍増以上にするという意図を表明しているわけでございます。倍増以上ということに主眼があるわけでございまして、一方においてはそういうようなことで量の拡大を図りながら、他方においては質の改善もしていきたいと考えているわけでございますが、これをもう少し数字的に御説明いたしますと、昭和五十三年度の予算原案におきましては、ただいまお示しのございましたとおり政府開発援助関係の予算をかなり伸ばしまして一五・八%という伸びを見ているわけでございます。五年間で倍増いたしますためには、これは一種の複利計算になりますので、単純に計算すれば毎年一五%ずつふやせば五年間で倍になるという計算になるわけでございますが、その一五%を上回る一五・八%の伸びを見たということによりまして、倍増以上の目的を達成したいと蓄えているわけでございます。
それから、質の点につきましても、五十三年度の予算原案におきましては意を用いたところでございまして、ただいま開発援助事業予算の総額が一五・八%伸びたということを申し上げたわけでございますけれども、その中で特に無償の部分、この無償の援助をふやすということが援助の質をよくする、援助のグラントエレメントを高める、それからただいま先住の御指摘ございました贈与比率を高めるということにもなりますので、五十三年度の予算原案におきましてはこの無償の資金協力のための予算というものを大幅にふやしたわけでございまして、政府開発援助全体の予算の伸び一五・八%に対しまして、無償の予算は八九・二%という非常に大幅な伸びを見ているわけでございます。このようにいたしまして無償資金協力の比率をふやすということによりまして、ただいま御指摘ございましたような日本の援助の質を改善する、それで各国の批判にもこたえるということにしたいと考えているわけでございます。
それから、援助を増大いたしますためには、予算とともに執行率を上げなければならないということはただいま先生御指摘のとおりでございます。この執行率を改善させますために、これは実は問題は日本の国内の問題と相手国側との関係における問題と二通りあるわけでございます。相手国との関係と申しますと、たとえば、開発途上国でございますので、行政能力が必ずしも十分でないというような場合もございますし、あるいは先般のようなオイルショックなどというような事態が生じますと、オイルショックのために相手国の方も経済計画に大幅な手直しをしなければいけないということで、それまで日本との間に行っておりました経済協力に関します話し合いを、もう一遍やり直さなければいけないというたぐいのことが生ずるという面もございまして、こちらの方はなかなか日本だけで改善するというわけにはまいらないわけでございますけれども、少なくとも、日本の国内で改善できるたぐいのものはできるだけ改善しようということで、ここ一、二年来努力してまいりました。その結果、最近におきましては、執行率もかなり上がってまいっておりまして、たとえば無償について申しますと、昭和五十年度におきましては執行率が大体三一%というような低い数字であったわけでございますが、五十一年度には六〇%まで上がりましたし、それから五十二年度、これはまだ終わっておりませんので見込みでございますが、これは七七%ぐらいまで改善されるという見込みでございます。今後ともこのような努力は続けてまいりたいと思っております。
美
美濃政市#14
○美濃委員 もう一つこういう援助を行うに当たって経済効率の関係について若干お聞きしておきたいと思いますけれども、国内の公共事業あるいは非公共の補助事業等いろいろ見ても、何か画一的な条件で拘束をしている。全般的に申し上げてもいいと思うのですけれども、特に非公共関係の補助事業等に画一的な補助条件で拘束して、そのために、投下したその事業に対する補助金と個人負担を合わせたその事業の投下率の効果というものが上がらないという問題が出てくるわけですね。全然上がらぬとは言いません。しかし目標とする事業効果というものは、これも当然でありますけれども、国内におけるいかなる事業をやっても効果というものの目標が一〇〇%にしなければならぬということですね、公共事業であろうと、非公共の補助事業であろうと。その効果というものはやはり投下した目的に対して一〇〇%の効果があるものでなければならぬ、こう私どもは思うわけであります。ところが上がっていないものがあるわけですね。八〇%を切れるというものはないと思いますけれども、八〇%ぐらいしか効果が上がらない。たとえば、これは答弁は要りませんよ、例を申し上げておるので、それを聞いておるわけじゃないのです。農業関係の補助事業の機械等の中には一連のセットの機械を組んでいる、こういうものをつくれば補助してやるという。補助金をもらいたさに現実には要らない機械を、セットの中の必要のない機械も買わなければ全部のセットにならないから補助金の対象にならない、こういう問題があって、事業効果というものは二〇%ぐらい減殺されて八〇%ぐらいしか事業効果が発揮できてないものが大分あるわけですね。そういうことがこの中では——せっかく供与する以上、あるいは経済協力をする以上、やはりせっかくするのでありますから、事業効果が一〇〇%上がるように、何か金を出すんだから、たとえば事業団が行うとすれば、国内における条件的な拘束みたいなものを考えてつけておるのか、つけてないのか。相手方の国の希望するものに対していろいろ話し合って、全く相手方の国の言うように金を出しておるのか、それともこういう協力をする以上は、いわゆる日本流の行政の型で何か拘束する条件のようなものを多少考えてこれを執行していっておるのか、そこはどうなっておりますか。
この発言だけを見る →武
武藤利昭#15
○武藤政府委員 海外経済協力は、国内におきます補助団体の事業とは若干違う面があるわけなんでございますが、その一つは経済協力として私どもが行っておりますのは、あくまでも相手国側の経済の開発、それから民政の安定に寄与する、そのために相手国側が行っている努力をお助けするというのが基本的な考え方でございます。その関係におきまして、いま先生の方から相手国が言ってくるものは何でもやってやるのかという御質問があったわけでございますが、基本的にはいま私が申し上げたようなことではございますけれども、相手が言ってきたことは何でもやっているということではございませんで、概して相手国の方からはいろいろな希望が出てくるわけでございますが、それを日本側が相手国側と相談いたしまして、どういう計画のどういう分野に日本が協力を行えば一番効果が上がるであろうかということを吟味しながら最終的な計画をつくるということをやっているわけでございます。
それから、これは開発途上国の中でも特におくれた国の場合は、相手国自身で一体どういうことをやったら一番経済の発展に役に立つのかわからないということもあるわけでございます。そういう場合には、日本の方から調査団が参りまして、それで相手国の事情をよく調べまして、おたくの経済の状況からすると、さしあたりはこういうことをやることが一番有効ではあるまいかという助言を日本側からすることもございます。それで、相手国がその助言を受けますと、なるほどそうだ、それじゃそういうことで計画をやってみたい、じゃまた日本から何か援助してくれないかというような話になりまして、日本側の方でまず、有効適切な計画を探し出しまして、つくってあげて、最終的にはまた資金協力などいたしまして、その計画の完成を助けるというようなこともあるわけでございます。
御指摘のございました援助資金ができるだけ効率的に生かされるようにするという点は私どもかねがね留意しておるところでございまして、ただいま申し上げましたような手だてでできるだけそういう方向でやりたいと思っているわけでございます。
この発言だけを見る →それから、これは開発途上国の中でも特におくれた国の場合は、相手国自身で一体どういうことをやったら一番経済の発展に役に立つのかわからないということもあるわけでございます。そういう場合には、日本の方から調査団が参りまして、それで相手国の事情をよく調べまして、おたくの経済の状況からすると、さしあたりはこういうことをやることが一番有効ではあるまいかという助言を日本側からすることもございます。それで、相手国がその助言を受けますと、なるほどそうだ、それじゃそういうことで計画をやってみたい、じゃまた日本から何か援助してくれないかというような話になりまして、日本側の方でまず、有効適切な計画を探し出しまして、つくってあげて、最終的にはまた資金協力などいたしまして、その計画の完成を助けるというようなこともあるわけでございます。
御指摘のございました援助資金ができるだけ効率的に生かされるようにするという点は私どもかねがね留意しておるところでございまして、ただいま申し上げましたような手だてでできるだけそういう方向でやりたいと思っているわけでございます。
美
美濃政市#16
○美濃委員 私は先年欧州視察をしたときに、EC本部で、東南アジアの国ですけれども、当時ECはバターが三十万トンぐらい余剰滞貨をしておった。インドだろうと思うのですが、相手方の国は言わなかったけれども、食糧援助としてバターを出した。ところが、熱帯地方だから適当な冷蔵庫はないし、結局溶けて流れてしまった。食生活にも余りなじまない、バターというものは。食習慣がない、なじまないと同時に、餓死する条件になっておるわけですから、食べ物ですから食べれるのだが、貯蔵施設も何もないものだから、かなりのバターを送ってやったところ無意味になったというのですね。いわゆる溶けて流れてしまった。貯蔵施設もない。そういう事例を聞いてきました。これを送ってやれば食糧援助のためになると思って送ってやってもさっぱり何もならなかったというようなことの話を聞きましたが、それに類するような、日本側ではこれはいいだろうと思ってやっても余り相手方の国のためにはならなかったという問題が過去に起きた実例はありませんか。
そういう点がないように、日本側で考えてこれはいいだろうと思ってやっても、相手方の国にはやった結果が効果ゼロに近い、いまの話のようなことがあると思うのですよ。これからも、ゼロなんということは少ないだろうけれども、そういう点が、せっかく援助資金を出すわけですから、喜んでもらえるように、一〇〇%効果が上がるような条件を考える。しかし、一面また、発展途上国でありますから、日本の技術や日本の能力から見ると指導して、そして向こうが間違っておればこちら側で指導して、たとえば施設にしても、相手方は経験がないから、有手方の希望では効果が上がらない。やはり日本側の指導で施設をした方が、どうせやるにしても、してやった方が効果は十分上がるという面もあると私は思うのですね。一概に言えないが……。
また反対に、条件の違った国に行って援助をするわけでありますから、こちら側がいいと思っても、相手側の希望どおりにすることが効果があって、いまのパターの話じゃないけれども、こちらでいいと思ってもそれが効果にならない場合もあると思うのです。両面あると思うのですね。その両面を上手に、日本側としては選択を誤らないように、その日本側の指導が正しいという条件と、それから相手方が希望する条件との選択を誤らぬようにしなければならない。こちら側の条件が全く正しいんだと思ってやってやっても、結局効果が非常にないものができ上がるという場合もあるだろうし、相手方の言う条件どおりしてやったのでは、発展途上国ですからやはり経験もないから、経験のある日本側の主導でやった方が間違いない場合もあるでしょう。両面が出てくると思うのですね。その選択を誤らなければ一番いい援助になると思う。その選択を誤ると、せっかく援助をしても効果が薄いという結果が生じる場合があるのではないかと思うのです。そういう点を今後十分注意してもらいたい。具体的な実例は私は行って見ておりませんから、どういうものがどうなっておるという感覚ではないんだが、海外へ出ていろいろなことを聞いたり何かした中では、やはりそういう面が大切だと思うのですが、この際御意見を承っておきたいと思います。
この発言だけを見る →そういう点がないように、日本側で考えてこれはいいだろうと思ってやっても、相手方の国にはやった結果が効果ゼロに近い、いまの話のようなことがあると思うのですよ。これからも、ゼロなんということは少ないだろうけれども、そういう点が、せっかく援助資金を出すわけですから、喜んでもらえるように、一〇〇%効果が上がるような条件を考える。しかし、一面また、発展途上国でありますから、日本の技術や日本の能力から見ると指導して、そして向こうが間違っておればこちら側で指導して、たとえば施設にしても、相手方は経験がないから、有手方の希望では効果が上がらない。やはり日本側の指導で施設をした方が、どうせやるにしても、してやった方が効果は十分上がるという面もあると私は思うのですね。一概に言えないが……。
また反対に、条件の違った国に行って援助をするわけでありますから、こちら側がいいと思っても、相手側の希望どおりにすることが効果があって、いまのパターの話じゃないけれども、こちらでいいと思ってもそれが効果にならない場合もあると思うのです。両面あると思うのですね。その両面を上手に、日本側としては選択を誤らないように、その日本側の指導が正しいという条件と、それから相手方が希望する条件との選択を誤らぬようにしなければならない。こちら側の条件が全く正しいんだと思ってやってやっても、結局効果が非常にないものができ上がるという場合もあるだろうし、相手方の言う条件どおりしてやったのでは、発展途上国ですからやはり経験もないから、経験のある日本側の主導でやった方が間違いない場合もあるでしょう。両面が出てくると思うのですね。その選択を誤らなければ一番いい援助になると思う。その選択を誤ると、せっかく援助をしても効果が薄いという結果が生じる場合があるのではないかと思うのです。そういう点を今後十分注意してもらいたい。具体的な実例は私は行って見ておりませんから、どういうものがどうなっておるという感覚ではないんだが、海外へ出ていろいろなことを聞いたり何かした中では、やはりそういう面が大切だと思うのですが、この際御意見を承っておきたいと思います。
武
武藤利昭#17
○武藤政府委員 ただいま先生御指摘になりました点、まことにそのとおりだと私どもも考えております。先ほど私援助の仕組みについて申し上げましたときに、相手国のイニシアチブを尊重するという趣旨のことを申し上げたわけでございますが、これも、いま先生おっしゃいましたECのインドに対するバターの話というのは、私具体的には承知していないのでございますけれども、もし仮にそういう種類のことが起こるといたしますと、恐らくあり得る場合といたしましては、援助を与える国が、その相手国の必要というよりは、自分の方の都合で援助をやろうかというようなことを考えたときにえてして起こりやすいということは、一般論として言えるかと思います。それで、その点私ども十分注意をいたしまして、援助の押しつけということはやらないのだ、あくまでも相手国の希望に応じて援助をするのだという基本的な姿勢をとっておりますのも、ただいま御指摘のございましたような、そういう援助のむだが起こらないということも一つの大きな理由になっているわけでございます。
それから、たとえば食糧との関係におきましても、相手国がいろいろなことを注文いたしましても、それが私どもから見て果たしてうまくいくかどうかという疑念がある場合には、私どもといたしましては率直に、いまそういう御注文があるけれども、この御注文を満たすためにはほかにこういうことも解決しなければうまくいかないのじゃあるまいかというような助言をすることがございます。
たとえば最近の例で申しますと、バングラデシュという国は、御承知のとおり大変食糧に困っておる国でございますけれども、バングラデシュが食糧に困っておりますのは、全般的な食糧の不足ということもさることながら、国内での流通機構の不整備と申しますか、ある地域では非常に飢えている人がいる、ほかの地域では若干のストックがある。ただ、そのストックのあるところから飢えている地域に、その食糧を運ぶための輸送力が足らないという種類のこともあるわけでございまして、そういう問題があるときには、食糧援助もさることながら、そういう輸送力の増強ということを考えることも必要ではあるまいかというような助言をすることもございますし、それから、食糧不足だからといってやみくもに外国から食糧を輸入いたしますと、たとえば港のところに適当な食糧の倉庫がないと、悪い場合には野積みになってしまう。そうすると、これがまた使えなくなってしまうというたぐいのことが起こるわけでございますので、食糧不足を解消するために外国から大量の食糧を輸入しようと思えば、食糧倉庫をつくることが大事なのではあるまいかというようなことを申したりいたしまして、それでバングラデシュの場合には、食糧倉庫を現に日本の無償協力でつくった例もございます。
そういうようなことでございまして、ただいま先生御指摘の点は、私どもといたしましても十分注意をしながら進めている所存でございます。
この発言だけを見る →それから、たとえば食糧との関係におきましても、相手国がいろいろなことを注文いたしましても、それが私どもから見て果たしてうまくいくかどうかという疑念がある場合には、私どもといたしましては率直に、いまそういう御注文があるけれども、この御注文を満たすためにはほかにこういうことも解決しなければうまくいかないのじゃあるまいかというような助言をすることがございます。
たとえば最近の例で申しますと、バングラデシュという国は、御承知のとおり大変食糧に困っておる国でございますけれども、バングラデシュが食糧に困っておりますのは、全般的な食糧の不足ということもさることながら、国内での流通機構の不整備と申しますか、ある地域では非常に飢えている人がいる、ほかの地域では若干のストックがある。ただ、そのストックのあるところから飢えている地域に、その食糧を運ぶための輸送力が足らないという種類のこともあるわけでございまして、そういう問題があるときには、食糧援助もさることながら、そういう輸送力の増強ということを考えることも必要ではあるまいかというような助言をすることもございますし、それから、食糧不足だからといってやみくもに外国から食糧を輸入いたしますと、たとえば港のところに適当な食糧の倉庫がないと、悪い場合には野積みになってしまう。そうすると、これがまた使えなくなってしまうというたぐいのことが起こるわけでございますので、食糧不足を解消するために外国から大量の食糧を輸入しようと思えば、食糧倉庫をつくることが大事なのではあるまいかというようなことを申したりいたしまして、それでバングラデシュの場合には、食糧倉庫を現に日本の無償協力でつくった例もございます。
そういうようなことでございまして、ただいま先生御指摘の点は、私どもといたしましても十分注意をしながら進めている所存でございます。
美
美濃政市#18
○美濃委員 次にお尋ねしたいことは、この援助の中で米の買い付けが行われておるわけですが、これは私どもは輸入と考えますが、これはどうなりますか。たとえばこの援助資金の中で、米に限らず、——ここでは米の問題をお聞きしようと思うのですけれども、米をこの援助資金で買い付けて援助物資で出す、現物が日本に入ってこないから、しかし行為としては輸入ですね。これはどうなりますか、どう考えたらいいのですか。私はどうもやはり三角貿易的な輸入と考えるのだが、しかし現物が国内に入ってこないのだからそれは輸入とならないという解釈、輸入と解釈すべきが適当なのか、まず第一番にそれを聞いておきたいと思います。
この発言だけを見る →武
武藤利昭#19
○武藤政府委員 これは結論から申しまして輸入にはならないわけでございます。
その理由は、一たん日本に物理的に輸入しないからということではございませんで、むしろわが国の無償資金協力の仕組みによるわけでございます。日本の無償資金協力と申しますのは現物で協力するのではなくて資金、お金で協力するわけでございますね。ですから、ある第三国が非常に食糧に不足している、たとえばタイ米を買いたいというようなときには、日本がタイ米を買ってその相手国に与えるのではなくて、相手国にタイ米を買うためのお金を渡すわけでございます。相手国は日本から与えられましたその援助資金をもってタイ米を直接買い付けるということになりますので、調達契約はその援助受け入れ国と物資輸出国との間で直接行われる、日本はその間には介入しないわけでございますので、いかなる意味におきましても日本に対する輸入という扱いにはならないわけでございます。
この発言だけを見る →その理由は、一たん日本に物理的に輸入しないからということではございませんで、むしろわが国の無償資金協力の仕組みによるわけでございます。日本の無償資金協力と申しますのは現物で協力するのではなくて資金、お金で協力するわけでございますね。ですから、ある第三国が非常に食糧に不足している、たとえばタイ米を買いたいというようなときには、日本がタイ米を買ってその相手国に与えるのではなくて、相手国にタイ米を買うためのお金を渡すわけでございます。相手国は日本から与えられましたその援助資金をもってタイ米を直接買い付けるということになりますので、調達契約はその援助受け入れ国と物資輸出国との間で直接行われる、日本はその間には介入しないわけでございますので、いかなる意味におきましても日本に対する輸入という扱いにはならないわけでございます。
美
美濃政市#20
○美濃委員 現物を買って供与するのではなくて金で供与する、こういうことですね。しかし、それはどういうふうになっておりますか。金で供与する先の国は米を供給する国ではないのでしょう。たとえばビルマ米を買い付けておりますが、同じビルマに金を出して、ビルマ政府が米を買い入れして難民救済をするという仕組みになっているのか、それともこのタイ米、あるいはパキスタン米、エジプト米と、こういうふうに書かれておりますが、これらはいずれも、たとえばタイ米ならタイ米を対象にして考えても、タイ以外の国が希望してタイから買い付けておる。すべての買い付けが、以下ビルマ米にしてもそうなっておると解釈してよろしいのですか。
この発言だけを見る →武
武藤利昭#21
○武藤政府委員 ただいま先生がおっしゃったとおりでございます。わが国が資金を供与いたしますのは輸入国に対してでございまして、たとえば例をとりますと、ラオスがタイからお米を買いたいというときに、日本はラオスにお金を渡すわけでございます。ラオスがそのお金でタイからお米を買うということでございまして、輸出国の方にお金を払うわけではございません。輸入国の方に資金を供与するわけでございます。
この発言だけを見る →美
美濃政市#22
○美濃委員 この関係はよくいろいろの場合に言われておるようですが、御存じのように日本は国内産米が過剰でありますから、私ども米の関係はある程度調べておるつもりでありますけれども、この希望に日本の国内産米を向けるということは私は可能だと思うのですね。特に米の関係は、やはりこれからの援助の中で積極的に国内米を援助に使うという政策を、これは考えるのではなくて実行すべきだ、このように思うわけですが、これについてお伺いしておきたいと思います。
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武藤利昭#23
○武藤政府委員 わが国は大変な余剰米を抱えておるわけでございますので、これを援助に回すということはいつも私どもの脳中にある問題ではございますし、また現実に日本のお米を援助に回したという例もあるわけでございます。
ただ、問題が一つ、二つございまして、一つは、よく御承知のとおり日本のお米というのは大変高いものでございますから、国際価格に比べて高いということのために、日本の米を援助に回すためにはそれなりに追加の資金の手当てが必要になるという問題が一つ。それから二番目に、たとえば先ほどちょっと例を引きましたタイの米を、どこでもよろしいのでございますが、たとえばタイの米をインドネシアに回すというようなことをいたしますと、食糧不足に悩んでいるインドネシアが喜ぶばかりでなくて、お米を輸出したがっているタイの方も喜ぶ、両方の開発途上国に喜んでいただけるという二重の効果があるということがございます。
それからまた、国によりましては、お米につきましてもいろいろ好みがございまして、私よく存じませんのですが、お米にも丸いお米とか長いお米とかいろいろありますし、国によってはどっちの方がいい、どっちの方は余り要らないというたぐいのこともあるということでございますので、先ほど私がちょっと申し上げました、相手国が希望しないものを押しつけるわけにもいかないというような考慮もございまして、必ずしも日本のお米だけを援助に回すというわけにはいかないわけでございますけれども、具体的な例といたしましては申し上げましたが、日本のお米が援助に使われたという例がございます。最近の例では、昨年の十月から十一月ごろにかけまして、インドネシアが日本のお米を欲しいと言ってまいりまして、これは借款でございますけれども、九万トン幾らを借款で日本のお米をインドネシアに供与したという例がございます。これも、インドネシアの方は本当はタイ米が欲しかったらしいのでございますが、たまたまそのときにはタイの方に急の輸出余力がないということで、大変急ぐので日本のお米を供与してほしいというインドネシアの強い希望があったものでございますから、日本のお米を供与したわけでございます。
そういうようにいたしまして、相手国の希望がございますれば、それからまた所要の財政資金を講ずる余地がございますれば、日本のお米を援助に使うということも考えてまいりたいと思っているわけでございます。
この発言だけを見る →ただ、問題が一つ、二つございまして、一つは、よく御承知のとおり日本のお米というのは大変高いものでございますから、国際価格に比べて高いということのために、日本の米を援助に回すためにはそれなりに追加の資金の手当てが必要になるという問題が一つ。それから二番目に、たとえば先ほどちょっと例を引きましたタイの米を、どこでもよろしいのでございますが、たとえばタイの米をインドネシアに回すというようなことをいたしますと、食糧不足に悩んでいるインドネシアが喜ぶばかりでなくて、お米を輸出したがっているタイの方も喜ぶ、両方の開発途上国に喜んでいただけるという二重の効果があるということがございます。
それからまた、国によりましては、お米につきましてもいろいろ好みがございまして、私よく存じませんのですが、お米にも丸いお米とか長いお米とかいろいろありますし、国によってはどっちの方がいい、どっちの方は余り要らないというたぐいのこともあるということでございますので、先ほど私がちょっと申し上げました、相手国が希望しないものを押しつけるわけにもいかないというような考慮もございまして、必ずしも日本のお米だけを援助に回すというわけにはいかないわけでございますけれども、具体的な例といたしましては申し上げましたが、日本のお米が援助に使われたという例がございます。最近の例では、昨年の十月から十一月ごろにかけまして、インドネシアが日本のお米を欲しいと言ってまいりまして、これは借款でございますけれども、九万トン幾らを借款で日本のお米をインドネシアに供与したという例がございます。これも、インドネシアの方は本当はタイ米が欲しかったらしいのでございますが、たまたまそのときにはタイの方に急の輸出余力がないということで、大変急ぐので日本のお米を供与してほしいというインドネシアの強い希望があったものでございますから、日本のお米を供与したわけでございます。
そういうようにいたしまして、相手国の希望がございますれば、それからまた所要の財政資金を講ずる余地がございますれば、日本のお米を援助に使うということも考えてまいりたいと思っているわけでございます。
美
美濃政市#24
○美濃委員 私はこの価格上の問題は処理されると思うわけです。ただ、その好みの問題はもちろんあると思いますけれども、これはやはり積極的に日本の余剰米を使うべきである。ということは、価格上の問題については、これは食管で処理するかどこで処理するかは別として、国益上からいっても——去年買い付けた米は、援助は金で出しておると言うが、トンでどのくらいになっておりますか。
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美
武
武藤利昭#27
○武藤政府委員 私が承知しております価格は、これはタイ米の場合でございますけれども、昨年の平均価格、これはFOBと申しております輸出価格でございますが、これが一〇%ブロークン、私はよく存じませんが一〇%砕米が入っているという数字だろうと思いますが、これを基準といたしまして、これはまたドルとの換算率があるわけでございますが、当時のレートの一ドル二百六十二円というものを用いますと、一トン当たり五万九千円という数字が出ております。これがまた、最近のように円が高くなりまして一ドル二百四十円を割るというようなことになりますと、この円建ての値段もさらに下がることになるかと思いますが、五十二年の平均ということで五万九千円という数字が出ております。
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武