外務委員会

1978-05-30 参議院 全55発言

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会議録情報#0
昭和五十三年五月三十日(火曜日)
   午前十時十七分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         安孫子藤吉君
    理 事
                稲嶺 一郎君
                鳩山威一郎君
                戸叶  武君
                渋谷 邦彦君
    委 員
                大鷹 淑子君
                亀井 久興君
                永野 嚴雄君
                秦野  章君
                町村 金五君
                小野  明君
                田中寿美子君
                矢追 秀彦君
                和田 春生君
   政府委員
       外務政務次官   愛野興一郎君
       外務省アメリカ
       局長       中島敏次郎君
       外務省中近東ア
       フリカ局長    千葉 一夫君
       運輸省航空局次
       長        松本  操君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山本 義彰君
   説明員
       運輸省航空局監
       理部国際課長   山田 隆英君
   参考人
       新東京国際空港
       公団理事     角坂 仁忠君
       新東京国際空港
       公団理事     増村啓一郎君
       新東京国際空港
       公団運用局副局
       長        山口 豊生君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○航空業務に関する日本国とイラク共和国との間
 の協定の締結について承認を求めるの件(内閣
 提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
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安孫子藤吉#1
○委員長(安孫子藤吉君) ただいまから外務委員会を開会いたします。
 この際、参考への出席要求に関する件について、お諮りをいたします。
 航空業務に関する日本国とイラク共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件審査中、必要に応じ、新東京国際空港公団の役職員に参考人として出席を求めることにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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安孫子藤吉#2
○委員長(安孫子藤吉君) 御異議ないと認め、さように決定をいたします。
    ―――――――――――――
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安孫子藤吉#3
○委員長(安孫子藤吉君) 航空業務に関する日本国とイラク共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件を議題といたします。
 本件につきましては、すでに趣旨説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
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戸叶武#4
○戸叶武君 この協定に関しては、衆議院で非常に慎重審議されたので、参議院ではそれに従って簡略にという意見本ありましたが、何しろあのように成田空港における異常な出来事もありますし、成田空港が開かれたらばすぐにというようなお話もあって、この協定は幾つかの国からの要請かあったか、イの一番にイラクということになったんだということですか、えらく骨が折れた事件でしたけれども、これから安全かどうかということも心配なので、その点を含めていままでの経緯において各国とのそれとそれほど違わないものとは思いますが、イラクを特に早く選んだ根拠はどこにあるのですか、承りたいと思います。
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愛野興一郎#5
○政府委員(愛野興一郎君) まず、イラクと航空協定を締結するに至った理由は、もう先生御承知のように、一九七二年十二月以来イラク共和国から申し入れがあったのを、羽田の逼迫した事情から今日まで再三にわたり向こう側は要請をしておったわけでありますが、延び延びになってきておったわけであります。
 先にイラクと締結した理由といたしましては、日本・イラク間の経済及び経済協力関係の重要性、それから両国間の航空輸送需要が定期航空業務の開設を正当化するものであること、年間約六千人のイラクからの需要があるわけであります。また、わが国際航空企業もイラクへの乗り入れ計画を有しておるというようなことを考慮いたしまして、今回、他国に優先をいたしまして日本・イラク間の航空協定を結んだ、こういうわけであります。
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戸叶武#6
○戸叶武君 去年の十二月に仮署名をして、ことしの三月バグダッドで本署名をやり、三月三十日からというのがおくれて今日に至ったのですが、イラクからの航空便はいつから事実上開始されておりますか。
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山田隆英#7
○説明員(山田隆英君) イラク航空は四月の二十二日から東京へ週一便乗り入れております。
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戸叶武#8
○戸叶武君 イラクからは週一度でしょうか、二度ですか。日本航空はヨーロッパ便が一度寄るということですが、それも一度寄るのでしょうか、二度寄るのでしょうか、それはどうなっておりますか。
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山田隆英#9
○説明員(山田隆英君) イラク航空は週一便でございます。
 それから、日本航空に、現在、南回り欧州線というのを週五便やっておりますが、ことしの秋ごろから、そのうちの便もしくは二便をバグダッドへ寄港させる予定にしております。
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戸叶武#10
○戸叶武君 政務次官の御報告によるとお客は六千人の予想といいますか、いままでは五千人前後というふうに予想しておったのですが、六千人と上乗せしたのは、現在においてそういう五千人を突破して六千人に至る公算があるのでしょうか。
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山田隆英#11
○説明員(山田隆英君) 日本とイラク間の航空輸送需要につきましては算定の根拠がいろいろあるわけでございますが、一応、従来の直接の航空路がなかった時代、日本からイラクへ行く人及びイラクから日本へ来る人がどれくらいあったかということを見ますと、一九七五年に約二千二百人、それから一九七六年に四千人、一九七七年に約四千七百人となっております。この傾向が続きますと、ことしはさらにふえるであろうということ。さらに、それからまた直通航空路か開かれることによって従来の傾向以上にふえるであろうというようなことを勘案いたしまして、大体、本年は六千人程度ではないか、こういうふうに考えたわけでございます。
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戸叶武#12
○戸叶武君 航空協定の際に、いつも問題になるのは、日本とアメリカとの航空協定の条件のアンバランスな面をとういうふうに是正するかということがいままでも懸案になっているんですが、それとこれとは違うとは言いながらも、やはり航空協定というものをノーマルな形において是正していかなければならない段階に来ていると思いますが、それに対しては当局はどのように対処しようと考えておりますか。
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中島敏次郎#13
○政府委員(中島敏次郎君) お尋ねの日米の航空交渉につきましては、御指摘のように、日米間の航空権益の不均衡というものが存在しておるというのがわが方の立場でありまして、この不均衡を是正するために、昭和五十一年十月以来、累次にわたる交渉を行ってきております。最近におきましては、ことしの三月十五日から約一週間ワシントンにおきまして第六回目の協議を行った次第でございます。
 しかしながら、まことに遺憾なことでありますが、いままでのところ、その不均衡是正のための交渉の妥協には至っておらないわけでございますが、前回までの交渉において明らかになりました双方の立場をお互いにそれぞれ検討して、ことしの秋に改めて交渉を再開するということになっております。政府といたしましては、来る秋の再開交渉におきまして、何とかこの不均衡の是正のために全力を挙げたい、毅然とした態度で交渉を続けたいというふうに考えておる次第でございます。
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戸叶武#14
○戸叶武君 その交渉の難問題になっている点は、一言にして言えば、どういう点ですか、以遠権の問題ですか。
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中島敏次郎#15
○政府委員(中島敏次郎君) まず、現在の航空権益の不均衡と申します点につきまして、私どもといたしまして主として三つの点で不均衡が存在すると考えております。
 一つは、まず路線権につきまして、アメリカ側の企業が米国内の十一の地点からわが国に乗り入れておりますけれども、わが企業は米国内の七地点にしか乗り入れられていない、こういう点が第一点であります。
 それから第二点といたしまして以遠権の問題でありますけれども、米側の企業はわが国から無制限の以遠権を認められている。これに対してわが国の企業はニューヨーク以遠欧州の以遠権しか認められていないというのが現状であります。
 第三の問題といたしまして、輸送力の問題につきまして、基本的に輸送力は各航空会社の判断にゆだねられているために複数の企業を有する米側に有利な状況がある、こういうのが主たる問題点でございます。
 ところで、この三月の交渉におきましては、これらの不均衡の問題を勘案しながら、かつ、当面、成田の新空港におきますところの離着陸の能力、枠が向こう三年間ぐらいはほぼ拡大しない、現状から余り変わらないという事態を前提におきまして、その三年間程度の暫定的な取り決めをつくって、そこでわが方の若干の米側地点への乗り入れを認めさせることによって暫定的な取り決めをつくろうということを交渉したわけでございます。しかしながら、アメリカ側では成田の空港における増便枠の明確な保証を欲しいというようなこと、また、さらにはもっと基本的にアメリカ側はチャーター便の自由化とか低運賃の実現という政策の変更を求めておりまして、ついに暫定的な取り決めに関する三月の交渉は妥結に至らなかった、こういう状況でございます。
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戸叶武#16
○戸叶武君 航空協定の問題で、日本とアメリカには過去の経緯もあるでしょうが、余りに不均衡な状態が是正されないまま放置されておくと、今後において日本はアメリカに対しては非常に卑屈たが、よその国に対しては非常に強い要求を出しているおかしな国だという印象を私は受けないとも限らないと思うのですが、見通しはどうですか。
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中島敏次郎#17
○政府委員(中島敏次郎君) アメリカ側の航空政策は日本に関するのみたらず、グローバリに世界どの国に対しても非常な自由化という立場に基づいた航空交渉を行っておると理解いたしておりまして、そういう意味で、たとえばいま申しましたチャーター便の自由化とか、それから低運賃の実現などという点につきましてはそれぞれにメリットがあるとは言うものの、わが国といたしまして、そういう徹底した政策に踏み切るためには相当の問題点と時間が必要でありますし、そういう意味でアメリカ側との交渉妥結がそう簡単でないという、また従来の権益の不均衡の是正の点につきましても、彼我の市場がそう簡単に接近し得ないという事態がございます。
 しかしながら、わが国といたしましてに、アメリカもことしの秋に交渉を再開するということに同意している次第でもございますし、今後とも、この不均衡の是正、日米間のその交渉の妥結に向かって最大限の努力をいたしたいというふうに考えております。
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戸叶武#18
○戸叶武君 この不均衡の是正というものは、たかだか過去のいろいろな実績の経緯もあって一朝一夕には簡単にいかない面もあるかと思いますが、アメリカはグローバルな時代において世界に向かって関税障壁を設けないように自由化の方向へ積極的に取り組めという命令をしておりながら、自国においては必ずしもそうではない。
 貿易関係の不均衡是正のために、日本がドルを蓄積し過ぎるからドル減らしをやれ、アメリカの穀物か余っているから日本では麦なんかつくらないてアメリカの麦を買え、肉の方もそうだ、果物もそうだ、黙っていりゃ際限ない一つの他国に対する干渉がましいことをやる。そのときの大義名分は自由化を守ることだと言っておりますが、日本の歴代内閣が余りにも卑屈にアメリカの言うなりになってきたので今日の事態を招いてきたんじゃないかと思うんです。
 私は、いまでは岸さんは評判が芳しくないけれども、総理大臣になった当初のときのダレスとの交渉に乗り込んだときにははっきり物を言っているので、私はやはり岸というのは頭がいいだけじゃなく腹もなかなかできた男かなと錯覚を感じたほどでありますが、そのときに岸さんの言った主張というものは、第一に、日米間の貿易のアンバランスを是正してもらいたい、このアンバランスを是正しないと日本の経済は立ち直らない。それから、貿易関係の不均衡の是正だけでなく、たとえば日本においては輸送に必要な船腹もある。アメリカからの品物をアメリカの船で送って、そうして往復ともやるというのでなくて、少なくとも帰りには日本の船を使うとか何とかという形において、日本の貿易外収入としての船の問題も考慮してもらいたいと、具体的に列挙して日米間の不平等の是正ということを説いたんです。
 そのとき、ダレスという男と、あれはダッチ系統ですから、岸さんを見ると、片方は何か山口県あたりの小人のような感じで、片方はダッチ特有の大柄な男で、スズメがタカに見おろされているようなかっこうで、これじゃ岸さんも体の改造をやらないうちはなかなかダレスと取り組めないんじゃないかとすら私は感じたんです。
 しかも、私はちょうどセネター・グリーンとセネター・ワイレーが外務委員長をやっていた関係で知っておりますから、案内で国会の中で聞いておりましたが、国会だけでなくて、ニューヨークの日米協会においても、あるいはプレスクラブの演説においても、岸さんのは、いままで私はアメリカを訪問した列国の首脳者の中であれほどシャープに物を表現できる人は少ないんじゃないかと、そのときに岸というものも捨てたもんじゃないなと思っておりましたが、いつの間にか岸さんも向こう岸の方へ漂流してしまって、そうして結局岸さんのそのときの演説でも三カ条ほどの不平等の是正を要求した後で拍手が一つも起きない、どっからも起きない。そうしてダレスの威圧のもとに小スズメのような、小バトのような――ハトにしちゃ余り上品じゃないが、そういう状態だ。それがこれじゃだめだと岸さんが感じてか、国際共産主義の脅威に対しては日本は断固として自由主義国家にくみしてこれを防衛するという演説と、やはり防衛に対する協力を誓う安保への方向づけを言ったときにのみ拍手です。
 アメリカは自分の要請するものが入れられればいい、これはアメリカとしては当然でありましょうが、日本の外交というものは、強いものに巻かれろ、仕方ないやという卑屈な形で、自分の初心を貫くという性格がない。これが日本外交の一番アメリカにばかにされた原因じゃないかと思うんですか、私は今日においては、なかなか牛場さんなんかもおとなしい顔をしているが、言うべきところは言っている。言っているけれども、何か押しが足りない。また、福田さんが大切な出るべきところへは出ないで、出なくてもいいようなところへはちょこちょこ出る。この出処進退において、一国の政治家として、たとえば今度の国連の軍縮会議のようなとき、戦争への危機を払いのけるために全世界が協力してアメリカとソ連のひとりよがりと妥協を抑えようというところ衣で気合いがかかったときに、大切なとぎには空気が抜けて、福田さんは何か中学時代の修学旅行のような思い出が飛鳥のあたりであったなんて、何をのんきなことを言っているか、こういう状態。
 私は、どこか日本の政治の中枢にいる人の焦点がぼけちゃっているんじゃないかと思うんですが、今度のこれはいろいろな問題がありますが、いまのようなぶざまで、アメリカの言うことに道理があるならばそれに従っていくべきであるし、また道理に合わないようなことに対しては、アメリカのためにも日本が強くそれを――パートナーというのは相手の立場をもやはり考慮しながら物申すだけの気魄と見識を持たなければ、アメリカのためにもならないし日本のためにもならない。航空の問題なんか当然是正さるべきであるが、いまだに是正されない根本的な理由はどこにあるんですか。
 アメリカの政治は、あのロッキードとグラマンの競争を見てもわかりますように、ニクソンだってロッキードから援助を受けていて踊っていた政治家である。ニクソンと田中さんか組めば天下にこの秘密は漏れないと思っても、ちゃんと秘密は漏れていくようになっている。いろいろな奇っ怪な出来事がいま世界を揺すぶっているんですが、飛行機の問題はアメリカにおいてはエネルギーの問題と同様に非常に重要であります。一番アメリカとの間の不均衡か是正できないという理由をもっと明快に私はお伝え願いたいと思います。
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中島敏次郎#19
○政府委員(中島敏次郎君) 航空交渉は、御承知のように、伝統的に他の二国間の関係の分野から切り離して、航空権益に関するそれぞれの国の利害関係を相当赤裸々にぶつけ合って交渉を行う、こういう分野であろうかと思います。そういう意味におきまして、いまこの航空交渉におけるわが方の態度が何かわが国の対米関係の一般的な姿勢に根差すものではないかというような種類のお尋ねではあったのでございますが、私どもは、この航空交渉は日米関係に――もちろん日米関係の一端ではございますけれども、航空交渉におけるところの航空権益の不均衡は、それなりに不均衡としてこれを是正するという態度で従来交渉に臨んできているわけでございます。
 もちろん、その不均衡が基本的に現存の航空協定が平和条約の発効前後に最初の交渉が行われてでき上がったというような点に根差すところの問題がないわけではありませんけれども、一般的に言いまして、この不均衡の問題は不均衡の問題として何とか是正するという態度で従来交渉を行ってきたわけで、されば昭和五十一年に交渉を始めて以来六回にわたる協議を行ってきたわけでありまして、私どもといたしましては、わが方の立場は強力にこれを主張して、その主張の実現のために努力をしてきたつもりでございます。ただ、先ほども申し上げましたように、双方の利害関係、それから双方の考え方というものが相当開いているということがありまして、この妥結がまことに容易でない、見通しといたしましても簡単にこの見通しがつけ得る状況ではないということはまことに遺憾だとは思いますが、私どもといたしましては、この交渉の妥結のために今後とも毅然とした態度で粘り強い交渉を続けていきたいというふうに考えて、いるわけでございます。
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戸叶武#20
○戸叶武君 それはこれ以上いくと押し問答になるから注意の喚起にとどめておきましょう。
 航空事業において一番重要なのは、人命の尊重の問題であり、安全性の問題でありますが、成田空港の問題は予想しないような出来事がいろいろ起きてきていると言うが、今後も私は起きないとは断言できないんじゃないかと思います。起きないほどよいことはないのでありますが、なぜあのような話し合いを十分しないで――話し合いはやったと言っておりますが、安全性を確保するためにも、非常な不自由さと悪い条件が累積しているような地帯に無理押しをしてどうしてああいうふうな空港をつくり上げたか、このことはあなたたちに聞いてみても過去のいろいろな経緯で答えられないと思いますが、問題は将来への転換と展望でありますが、簡単に言うならば、あんなごたごたな騒ぎをするぐらいなら、後から出た考えと言われるかもしれないけれども、当初からわれわれは主張しておったんですが、羽田空港を東京湾の埋め立てによって十分拡大することは可能であり、それによって空港の安全性をも保ち得るのに、いろんな連中があそこの土地の利権と絡みついて、そうして成田空港に定着させた。
 土地のたたりというのは、神代の昔から神話にもあるように必ずたたりがあるんです。そういう形において成田空港におけるたたりというものは、人間の政治か腐敗陥落したたたりを地の神から授かったたたりでありまして、今後も、私は、これは佐倉宗吾どころの騒ぎじゃない、あの荒い神様の成田山の不動さんもあるんだから、不動の明王ですらこれを容認しているんでしょうから、とにかく容易なことじゃないと思うんです。これは神様だってわからないことだから私もそれ以上は言いませんが、できたことは仕方がないと言えばそれも一つの論理です。
 しかしながら、万一のことをいつも考え、将来の航空事業の発展ということをも考え、日本が陸から追い詰められ、海をも封じ込められ、空を飛ぶより手がないというそらぞらしい時代にわれわれはいま到来しておるんですが、空の自由だけでも確保するためには、羽田空港の拡張ということを断念しないで、やはり羽田をして国際空港として十分間に合うような施設、この間の新聞をにぎわしているのでも、ごみを捨ててためただけでも日比谷公園の何十倍大きい埋め立てが可能だという時代に、そういうことをやらないで、べらぼうなむだ金を使って、そして人命を損ねて、得るものは何もないというようなばかげた政治はそろそろもうはやらなくなるんじゃないかと思いますが、そういう点もどういうふうな配慮を持って対処しておりますか。
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山田隆英#21
○説明員(山田隆英君) ただいまの御質問について、大変恐縮ですが、私直接担当でないものですから多少正確を欠く点があるかと思いますが、お答えいたします。
 現在、航空局といたしましては、国際空港としては成田を整備していくという考えに立っております。また、羽田につきましても拡張計画はございますが、これは現存の羽田空港か国内線だけでもやがていっぱいになるのではないかということで、今後、羽田を拡張いたしましても、それはやはり主として国内線に使用するということで考えております。御承知のように、成田は現在は滑走路が一本でございますか、将来、これを三本にいたしまして今後の国際線の需要増に対応していきたい、こういうふうに考えております。
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戸叶武#22
○戸叶武君 この問題は、また大臣でも出たときに突き詰めて追求することにいたします。
 イラクに転じますが、中近東から油が出る、砂漠から油が出る、日本は油がないから大抵無理をしても油の国と結びついていかなけりゃならないというので、みんな油、油ということで綱渡りしながらそれを求めていくようですが、中にはイランやイラクなんかの中近東の国情も知らないで、日本の天皇家とそれらの国々とを結びつけてきわめて不穏当な言動を大臣あたりもやるので、私は何が愛国者か何があれだかわからないが、その後においてエチオピアの王室も吹っ飛んじゃったり、イラクの王様もたしか殺されたんでしょうな、それからまたいまのアフガニスタンにおいてもえらい出来事か起きているでしょう。イランにおいてもアメリカの留学生は王様に反対している。だからごっちゃにしたらえらいことになるので、私はいつか衆議院の内閣委員会で中曽根君の不見識な言動を聞いて、参議院であんなことを言ったらおれは引きずりおろしてやるからそのつもりでいろということを自民党の理事の人に通告したら、苦労人がいて中曽根さんは珍しく非常に謙虚な形で参議院では答弁に当たりましたが、私は日本のいまの、世界が右向けになったから右向けになって天下取りするんだなんてヒトラーのような気違いみたいのまねをするような政治家には危なくて一本は預けておけないと思っています。
 いまファシズムの台頭期で、思想検事上がりの人がもう一度夢を復活して、一高、東大の秀才だったなんてエリート意識を持って日本の新憲法の持っている意義というものがわからないで、べらぼうな発言をすると同様、政治家の中においても憲法を無視する非常に不見識な言動というものがはやっておるし、福田さんもどっち向いているのかわからないような、群馬あたりの変なだるまがはやっていますか、全くこれは不見議です。一国の総理大臣としてこんな不見識な総理大臣は私はいまだかつて見ないと思うんですが、こんなことで私は国際外交ができると思ったら大間違いだと思うんです。みずからの主体性を確立して――革新陣営の中においても主体性という言葉だけ言っているけれども、一つの言動において主体性を持たないようでは主権者としての国民からの支持は私は受けられたいと思います。これは自民党たると革新政党たるとを問わず、どういう形において日本が対外政策をやっていかなけりゃならないか、小細工の権謀術策でなくて、再びわれわれは戦争にしないんだ、軍備は拡大しないんだ、軍縮の方に踏み切るんだ、平和憲法なり非核三原則なり拡散防止条約によってわれわれは外交の基本的な方向づけを内外に示しているんだ、こういううそをつかない国民としての見識を示さないと、私はいまこのあらしの中において突風にさらわれて日本はえらいところへ吹っ飛ばされる危険性があると思うんです。心配で夜もろくに眠れないから朝の四時から起きているんですが、これは本当に困ったものです。もう愛国を押しつけているやつが亡国の一番最初の旗振りです。これは全く困って、もうすでに天皇が退位しなくても元号の何とか令なんて昔は電光石火で問題が片づいたんだが、よけいなことをかついでは波乱を起こして選挙運動に幾らかなるかなというようなこの卑しさが日本をしていよいよ混迷に陥れるんだと思いますが、これは少し問題を広げ過ぎたからもっと翼を折って結論の方へ入ります。
 やはり先ほどの政務次官の答弁の中にも正直にあったように、石油産油国として日本との経済関係もきわめて大切なところだから、特に配慮してイラク航空協定もやったんだという、このことはいいと思いますが、いまのイラクにおける言動を見ても、表と裏とは違うからそのまま言葉を受け取れないが、えらい反米主義的な言動です。何かアメリカがやはり恨まれるようなこともあったんでしょう。それと同時に、いま宥和政策の方向へ踏み切ったPLOの動きなりサダトの動きなんかに対して猛烈な攻撃をも加えております。私はびっくりして日本も幅が広くなったたあ、こういうふうに右からでも左からでもどっちからでもこいという形でイデオロギー抜きに構えができているならば安心だが、知らないでいろいろなことの混迷の中にいろんな足を突っ込んじゃって動きがとれないようなことになったら大変だがなあという心配もありますが、その方向は何の心配もありませんか。この間、外務省の専門家からいろんな知識を聞きましたが、外務省は外務省なりに慎重に正確に物を見ているようですが、航空関係のつかさの方においては翼の方は安全ですか、そこいらの情報は正確に――問題が起きてからじゃ間に合いませんからね。中近東は問題が起きる本場ですから、台風の起きる。どうですか、そういうときにはどう対処するかという万端の準備ができておりますか。
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愛野興一郎#23
○政府委員(愛野興一郎君) ただいまの先生の御心配はまことに御識見の高いことでありますけれども、少なくとも両国間の航空協定を結ぶということは、根本的に日本が平和と民主主義に徹した基礎を根底といたしまして、そうしてあらゆる情勢分析、それから両国間の航空上の権益の問題等々万全の確信を持って結んだというふうに確信をいたしておりますので、十分今後ともそういうアラブ中近東の情勢を分析しながら遺憾のないように努めていきたい、こういうふうに考えておるところであります。
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戸叶武#24
○戸叶武君 バグダッドはかつて赤軍の舞台ともなったところであります。いつ何どき、日本からじゃなくて、いろいろなヨーロッパにも大分感染度が強くなっておりますが、ゲリラその他の襲撃が行われたような場合においても、先のことまで余り心配すると頭がはげてしまうかもしれませんか、万一に備えて、日本は謝りさえすればいいという形で安全確保のための対策というものが十分できていないというと非常に笑われますが、向こうは向こうであり、成田は成田、できたことはしようがない、そういう自由放任的な、処置なき、できたことはできたことでしようがないというふうに成り行き任せで、いま流れるに任して対処しているんでしょうか、そうじゃないでしょう。どういうふうに安全確保に対して日本は考えているか、その点も私は責任ある答弁を求めたいんですが、きょうは大臣が来ていないから無理でしょう、よろしゅうございます、答えるべき責任者がいないんですから、後で改めて質問いたします。
 お役所仕事で、ただこういうふうに流れ作業でスムーズにものをやったというのはかっこうはいいけれども、かっこうだけできて魂のできない協定ですから、後で問題が起きたときにはそこに混乱が起きることは必至でありますから、われわれ政治家としては万一ということを考えたときに、それを無責任体制の航空行政のあり方に対して一つの注文も出さないでこれを見逃したというそしりを受けないために、やはり改めてまた、この問題だけのことじゃありませんから、航空行政に対しては、決まりのない、成田空港の開設に対しても示されたような、あるいは問題か起きたときにおいてもそれに対処する姿勢ができていないようないいかげんな態度というものは、いままでは許されたかしれないが、今後、国際的な信義にももとるのであって、なかなか厳しくなると思いますので、そういう問題に対してもしかと構えができてほしいと思っているんですが、大体、抽象的ですが、万端それだけの心得は心得て対処しているのでしょうか、どうでしょうか。その程度の質問でとどめますが、どうですか。
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愛野興一郎#25
○政府委員(愛野興一郎君) この航空協定の締結に当たりましては、将来ハイジャックあるいはゲリラ事件等々が起きた場合の相互の警戒、保障措置と申しますか、そういったものを相互に確認をしてやっておる問題でありますから、将来ともにそういったことのないよう両国間で十分連絡を緊密にしながら、この航空協定にのっとって安全なる航空輸送をやっていくというふうな努力をしていきたい、こういうふうに考えておるところであります。
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戸叶武#26
○戸叶武君 最後に、人事交流と文化交流というものがやはり親善とってはなくてならない一つの動きになっておりますが、技術協力、経済協力と同時に、いろんな文化協力の問題では、航空協定に結びついて、当面、何をいま考えておりますか。それは役所としては別な役割りですか。
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千葉一夫#27
○政府委員(千葉一夫君) 先般、日本とイラクの間の文化協定を国会で御承認いただいたわけでございますが、たまたまこの航空協定の交渉と並行いたしまして文化協定の交渉もやっておった次第でございます。別に両者を特に結びつけたわけではございませんが、やはりイラクと日本との間には、ただいま御指摘のとおり、ただ単に経済ないしは運輸だけではなくて、そういう文化面の方の関係も深めていきたい、そういう意図で締結したわけでございます。
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戸叶武#28
○戸叶武君 私は、バビロン文化をフランスで研究した人から、バビロンの塔の、バビロンの町の入り口にあった大きな十六の菊の紋の紋章が汽車で運べないので五個を船で運んで、アメリカのシカゴ大学の博物館にあるから、それを見てきてくれというように頼まれて、二度ほど、シカゴ大学にいる私の門下生の一人の文化人類学を勉強している夫婦の案内でそれを見てきたんですが、私は、十六の菊の紋も、菊を表徴したものかヒマワリを表徴したものか、いろんな説があるが、私の見るところでは、やはり十六弁の菊の紋であるが、アラビア的な数字、紋章学の発達から四、四、十六という形で割り切った一つの紋章であり、菊の花とか、あるいはキリの花とか、あるいはその他いろいろなバビロンからトルコ、ギリシャにかけて、十字軍の後でナイトたちの盾の紋章としてヨーロッパにも入りましたけれども、非常にチグリス・ユーフラテス一文化というものが、もうすでに奈良朝の時代に正倉院にまで通ずるガンダーラ文化だけでなく一つの流れがあった。
 いまのそりの問題たんかでも騒いでおりますが、古代の舟なり、石を運ぶのには皆あのそりの様式で、コンスタンチノープルを陥れビザンチン帝国を陥れたときのトルコの戦略というものは、山を舟で乗って、背面から入ったということで、やはり海洋族と騎馬民族と合体した一つの攻略作戦が成功したのが事実でありますが、日本だけの狭い領域における人類学やあるいは考古学の字句的な解釈だけでなく、日本も考古学が非常に発達しておって、やはり米でも麦でもブドウ酒でもビールでも皆淵源がチグリス・ユーフラテスにあったと言われるあの人類の源流にメスを入れて、もっと世界――さっきもグローバルという言葉か出ましたが、グローバルな時代に世知辛い日本人としてでなく、雄大な世界的気宇を持っての一つの文化交流を活発にさせて、そうしてもう一度、ああいうふうにあれだけの文化を持って、あれだけの美人がいながら、どうして滅んでいってしまったのか、停滞した政治、権力に依存して発想力のない政治、働くことを忘れて怠けた習慣、賄賂政治、いまの日本と同じようなものが文明破壊の源流であったということを発掘するだけでも、日本の自覚めとして非常に参考になるんじゃないかと思いますが、この間の民族衣装を着ての美人の、流行の何かを見せびらかすような踊りにはどこに芸術があるんか、何でこんなになっちゃったのか、魅力のない美人、何でこういうふうになってしまったのかと憤りを感ぜざるを得ないようなものに私は打たれました。それでいいんだと、人形遣い的な意味において、芸者やキーサンを観賞すような眼で、古代の貴族文化を鑑賞するのも趣味としては結構かと思いますが、何か日本自身も大切なものが抜けてきちゃったんじゃないかという感じがしますが、秀才の多い外務省の方の人たちやなにかはあれを見て美人だなあと感じただけでしょうか、私は非常にわびしさを感じました。民族が滅びていくときはこういうものかなという何か寒々としたものを感じましたが、それを感じるだけでも非常に参考にはなったと思います。
 どうですか、これはもっと本格的なバビロン文化と日本の原点に戻っての文化交流の仕方もあるんじゃないか。それぞれの言語学者なり考古学者が日本にも出ているんだから、文化人類学なんかでは私のところの田中さんなんかもなかなかの権威ですけれども、やっぱりそういうふうにひとつ真剣になって憂いをともにして、あれほどのバビロンの文化がなぜ崩壊していったのかということにまでメスを入れるぐらいの見識を持たないと、日本も笑われるんじゃないですか。いろいろな発掘物をイギリスやフランスやアメリカに運んじゃって博物館に並べておいただけじゃ、あの化石が今度は目を見開いて、おまえたち略奪者にだまされないぞというような一喝をくれる時代が必ず私は出てくると思うので、参考のためにいまのうちにフランスやロシアやアメリカの略奪職のまねをしないで、もっとアラブの文化の中に埋没していった文明に生気を与えるような一つの文化交流を私はしてほしいと思うんですが、まだそこまではいきませんかな。
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千葉一夫#29
○政府委員(千葉一夫君) ただいま御指摘のとおり、イラクの歴史は深くかつ非常に豊かなものでございまして、私ともも今日の先生御指摘のアラブ文化の所産でありますイラクとの文化交流を通じまして、その奥にあります巨大な世界にも目を向けていかねばならないと思っております。幸い、日本には世界的なオリエント学者あるいは考古学者の方もおられますし、外務省にも長年養成いたしましたアラビストも多数おりますので、できるだけただいまの先生のお教えに沿いまして、深くかつ豊かなつき合いをやっていきたいと思っております。
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