行財政改革に関する特別委員会

1981-10-13 衆議院 全417発言

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会議録情報#0
昭和五十六年十月十三日(火曜日)
    午前九時三十分開議
 出席委員
   委員長 金丸  信君
   理事 小渕 恵三君 理事 海部 俊樹君
   理事 藤波 孝生君 理事 三塚  博君
   理事 佐藤 敬治君 理事 山口 鶴男君
   理事 正木 良明君 理事 大内 啓伍君
      天野 光晴君   稻村左近四郎君
      小里 貞利君    加藤 六月君
      梶山 静六君    木野 晴夫君
      佐藤  隆君    齋藤 邦吉君
      塩崎  潤君    塩谷 一夫君
      澁谷 直藏君    竹下  登君
      玉沢徳一郎君    中村喜四郎君
      丹羽 雄哉君    橋本龍太郎君
      松永  光君    三原 朝雄君
      上原 康助君    木間  章君
      沢田  広君    中村  茂君
      森井 忠良君    安井 吉典君
      湯山  勇君    横山 利秋君
      有島 重武君    鈴切 康雄君
     平石磨作太郎君    岡田 正勝君
      米沢  隆君    安藤  巖君
      東中 光雄君    藤田 スミ君
      簑輪 幸代君    小杉  隆君
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  鈴木 善幸君
        法 務 大 臣 奥野 誠亮君
        大 蔵 大 臣 渡辺美智雄君
        厚 生 大 臣 村山 達雄君
        農林水産大臣  亀岡 高夫君
        通商産業大臣  田中 六助君
        運 輸 大 臣 塩川正十郎君
        労 働 大 臣 藤尾 正行君
        建 設 大 臣 斉藤滋与史君
        自 治 大 臣
        国家公安委員会
        委員長     安孫子藤吉君
        国 務 大 臣
        (総理府総務長
        官)
        (沖繩開発庁長
        官)      中山 太郎君
        国 務 大 臣
        (行政管理庁長
        官)      中曽根康弘君
        国 務 大 臣
        (防衛庁長官) 大村 襄治君
        国 務 大 臣
        (経済企画庁長
        官)      河本 敏夫君
        国 務 大 臣
        (国土庁長官)
        (北海道開発庁
        長官)     原 健三郎君
 出席政府委員
        内閣法制局長官 角田禮次郎君
        人事院総裁   藤井 貞夫君
        人事院事務総局
        管理局長    加藤 圭朗君
        人事院事務総局
        給与局長    長橋  進君
        人事院事務総局
        職員局長    金井 八郎君
        総理府人事局長 山地  進君
        総理府恩給局長 島村 史郎君
        総理府統計局長 永山 貞則君
        総理府臨時行政
        調査会事務局次
        長       佐々木晴夫君
        公正取引委員会
        委員長     橋口  收君
        公正取引委員会
        事務局経済部長 佐藤徳太郎君
        警察庁長官官房
        長       金澤 昭雄君
        警察庁刑事局保
        安部長     谷口 守正君
        警察庁交通局長 久本 禮一君
        行政管理政務次
        官       堀内 光雄君
        行政管理庁長官
        官房審議官   門田 英郎君
        行政管理庁行政
        管理局長    佐倉  尚君
        行政管理庁行政
        管理局審議官  古橋源六郎君
        行政管理庁行政
        監察局長    中  庄二君
        防衛庁参事官  上野 隆史君
        防衛庁参事官  番匠 敦彦君
        防衛庁防衛局長 塩田  章君
        防衛庁装備局長 和田  裕君
        防衛施設庁長官 吉野  実君
        防衛施設庁総務
        部長      森山  武君
        防衛施設庁施設
        部長      伊藤 参午君
        経済企画庁国民
        生活局長    小金 芳弘君
        経済企画庁物価
        局長      廣江 運弘君
        経済企画庁総合
        計画局長    谷村 昭一君
        経済企画庁総合
        計画局審議官
        兼物価局審議官 川合 英一君
        経済企画庁調査
        局長      田中誠一郎君
        国土庁長官官房
        長       福島 量一君
        国土庁長官官房
        審議官     川俣 芳郎君
        国土庁計画・調
        整局長     白井 和徳君
        国土庁土地局長 小笠原正男君
        国土庁地方振興
        局長      柴田 啓次君
        法務省民事局長 中島 一郎君
        法務省刑事局長 前田  宏君
        法務省矯正局長 豊島英次郎君
        法務省入国管理
        局長      大鷹  弘君
        外務省アジア局
        長       木内 昭胤君
        外務省条約局長 栗山 尚一君
        大蔵大臣官房日
        本専売公社監理
        官       高倉  建君
        大蔵大臣官房審
        議官      矢澤富太郎君
        大蔵省主計局次
        長       西垣  昭君
        大蔵省主計局次
        長       窪田  弘君
        大蔵省銀行局長 宮本 保孝君
        国税庁直税部長 吉田 哲朗君
        国税庁間税部長 篠原 忠良君
        文部大臣官房長 鈴木  勲君
        文部省初等中等
        教育局長    三角 哲生君
        厚生大臣官房総
        務審議官    正木  馨君
        厚生省公衆衛生
        局長      大谷 藤郎君
        厚生省児童家庭
        局長      幸田 正孝君
        厚生省保険局長 大和田 潔君
        厚生省年金局長 山口新一郎君
        社会保険庁医療
        保険部長    入江  慧君
        農林水産大臣官
        房長      角道 謙一君
        農林水産省構造
        改善局長    森実 孝郎君
        農林水産省農蚕
        園芸局長    小島 和義君
        水産庁長官   松浦  昭君
        通商産業大臣官
        房審議官    斉藤 成雄君
        資源エネルギー
        庁長官     小松 国男君
        資源エネルギー
        庁石炭部長   福川 伸次君
        資源エネルギー
        庁公益事業部長 石井 賢吾君
        中小企業庁次長 木下 博生君
        運輸大臣官房長 角田 達郎君
        運輸省港湾局長 吉村 眞事君
        運輸省鉄道監督
        局長      杉浦 喬也君
        運輸省自動車局
        長       飯島  篤君
        運輸省自動車局
        整備部長    宇野 則義君
        運輸省航空局長 松井 和治君
        労働大臣官房長 松井 達郎君
        労働省職業安定
        局長      関  英夫君
        建設大臣官房長 丸山 良仁君
        建設省計画局長 吉田 公二君
        建設省都市局長 加瀬 正蔵君
        建設省道路局長 渡辺 修自君
        建設省住宅局長 豊蔵  一君
        自治大臣官房審
        議官      小林 悦夫君
        自治省行政局長 砂子田 隆君
        自治省行政局公
        務員部長    大嶋  孝君
        自治省財政局長 土屋 佳照君
        自治省税務局長 関根 則之君
 委員外の出席者
        内閣官房内閣参
        事官      中村  徹君
        外務大臣官房領
        事移住部長   藤本 芳男君
        会計検査院長  大村 筆雄君
        日本国有鉄道総
        裁       高木 文雄君
        日本国有鉄道常
        務理事     吉井  浩君
        行財政改革に関
        する特別委員会
        調査室長    石川 健一君
    —————————————
委員の異動
十月十三日
 辞任         補欠選任
  森井 忠良君     木間  章君
  安井 吉典君     中村  茂君
 平石磨作太郎君     有島 重武君
  小沢 和秋君     安藤  巖君
  寺前  巖君     東中 光雄君
同日
 辞任         補欠選任
  木間  章君     森井 忠良君
  中村  茂君     安井 吉典君
  有島 重武君    平石磨作太郎君
  安藤  巖君     簑輪 幸代君
同日
 辞任         補欠選任
  簑輪 幸代君     藤田 スミ君
同日
 辞任         補欠選任
  藤田 スミ君     正森 成二君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 行政改革を推進するため当面講ずべき措置の一
 環としての国の補助金等の縮減その他の臨時の
 特例措置に関する法律案(内閣提出第一号)
     ————◇—————
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金丸信#1
○金丸委員長 これより会議を開きます。
 行政改革を推進するため当面講ずべき措置の一環としての国の補助金等の縮減その他の臨時の特例措置に関する法律案を議題とし、質疑を行います。質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐藤敬治君。
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佐藤敬治#2
○佐藤(敬)委員 この臨調の第一次答申の中に第二というところがありまして、「緊急に取り組むべき改革方策」、その中の三の(三)というところに「中央と地方」という項がございます。これはそれの十二ページにあります。この中に「国、地方を通ずる行財政の簡素・効率化を図るために、地方自治の原則に立脚しつつ、地方における行政の効率化及び支出の節減合理化を国に準じて行う。」こういうふうに書いてあります。
 私は、それと今度のこの行革案というものを二つ比べてみまして大変矛盾を感じるのです。というのは、この国会に提出されておりますこの法案、これは行政の効率化あるいはまた合理化をやるという趣旨とは、法案自体が大変かけ離れたものだ、こういうふうに感じるのです。
 たとえば、厚生年金を国が四分の一カットする、ところがそれを今度は補てんする方法が——きのうもわが党の森井委員からお話がありました、何が何やらさっぱりわからないような方法でやる、しかもそして後年度に複雑な影響を残す。あるいはまた、これから論じますけれども、地域特例の問題に関しましても、削って、さらにそれを地方債で埋め合わせして、そしてさらにそれを半分は交付税に入れる、そしてまた残りの半分を交付税で見るような見ないような、非常に漠然とした、ややこしい、こういうような措置が至るところでとられておるわけでございます。これを見ますと、一体臨調の答申にあるような、国、地方を通じての行財政の簡素化、効率化、これを図るための趣旨というものが、この法案自体でどこで一体生かされているのか、これを非常に疑問に思うのです。効率化、合理化どころか、かえってこの事後処理が複雑でわかりにくくて手間がかかって、大変な、いわばへんてこな法案になっておる。この国会はいままでの国会と違うのです。これは行革の国会なんですね。行政改革をする国会。その意図するところは、いま言いましたように国、地方を通じての行政の簡素化、能率化、これを図らなければいけないこの国会に出してきた法案というものが、まことに複雑で、後年度に大変な手間のかかる、災いを残すような法案であります。国会の趣旨というものと出している法案というものの非常な矛盾を私どもは感ずるのですが、一体これでいいと思うのか。本来ならば、こんな法案を行革国会と名のつく国会に出してきたならば、とてもわれわれは審議されるようなしろものじゃない、こういうふうに思うのですが、総理と担当する行政管理庁長官の御答弁を願います。
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鈴木善幸#3
○鈴木内閣総理大臣 臨調の答申を見てまいりまして、国と地方の行政の機能分担、この問題に触れておるわけでございますが、国と地方の行政上の機能の分担ということは、行政の円滑な、また効率的な運営をする上から非常に大事なことである、このように思うわけでございます。一般的に申し上げますならば、その際におきましてはできるだけ地方住民に密着した行政はこれを地方に移譲する、こういうことを考えておるわけでございます。
 いま佐藤さんは、この国会に提案をされておる特例法案の内容を見てみると、その趣旨に沿うかどうか、こういう疑問を投げかけておいでになります。しばしば当委員会でも私申し上げておりますように、臨調の第一次答申の中で私どもが緊急を要するものとして取り上げましたものは、五十七年度の予算編成に当たりまして増税のない予算の編成をしたい、五十九年度特例公債からの脱却ということを目指して増税のない財政再建を進めたい、こういう観点から、臨調に対しましてそのような緊急を要する問題についての御答申をお願いをしたわけでございます。その第一次答申を受けましてまとめたものが、今回御提案を申し上げておる法案でございます。佐藤さんが御指摘になっておりますような諸問題につきましては、逐次臨調の方から答申が出ると思います。これらを尊重いたしまして、中央地方の機能分担、そして簡素で効率的な行政の運営ができますように措置してまいりたい、このように考えております。
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中曽根康弘#4
○中曽根国務大臣 今回の法案は、八月二十五日の閣議決定を受けまして、その閣議決定で当面緊急に行う行財政改革の大綱を決めました、その法律に関する部分が国会に上程されたわけであります。八月二十五日の閣議決定は七月十日の第一次答申を受けてつくったものでございますが、その中には、この補助金の整理統合の問題のほかに、たとえば、国家公務員の五年間五%削減とかあるいは地方公務員、あるいは地方公務員の給与問題に関しても措置を決めて自治省が指導することになっております。あるいは特殊法人に対する役員の削減等々決めておりまして、その一環として今回法律事項に当たる部分をお願いをしてまいっておるわけでございます。
 それで、臨調といたしましては来年の初夏に向かって第二次答申を急いでおりまして、そのところでいよいよ本番である中央地方、あるいは官業民業、あるいは中央行政組織等々が答申として出てくる予定でございます。
 そのように仕事の区分けをして、当面は緊急財政対策が一つの焦点でございまして、それで調整を行いつつ、その財政状況の展望を見ながら諸般の政策を次に展開していく、そういう考えに立って今回の法案をお願いしているものでございます。
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佐藤敬治#5
○佐藤(敬)委員 何でもかんでも土光大明神の御宣託を鞠躬如として守っている、こういうようなお話でありますけれども、私はそんなことを言っているのじゃないのです。簡単に言いますと、いま出しているこの法律そのものが改革しなければいけないような法律なんです。元来、こんなでたらめというか複雑というか、わけのわからないようなものを出して、そして、わけのわからないような償還をいつ、どうして、どう返すかもわからないような、きのうもさんざん議論がありましたので申し上げませんけれども、ああいうようないわばでたらめなような方法で返すとか、こういうことを言っているのです。それが年金でもあるいは特例措置の問題でも随所にあるのですね。ああいうようなことは、本来ならば行政改革でもって改革しなければいけない部面なんです、こんなことをやっちゃいかぬと。それを、いやしくも行政改革の国会と名がつくこの行革国会にそれ自体改革しなければいけないような法案を出してくる、これは少し私は不見識だと思うのです。どうですか。
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中曽根康弘#6
○中曽根国務大臣 行政改革を進行させるにつきまして、いろいろ諸般の情勢も配慮いたしまして、地方に対しても急激な変動やショックを与えないように配慮しているところもあります。また、中央地方の調整をある程度時間をかけて合理的にうまくやっていこうという配慮もございます。
 そういうような関係から、必ずしも一刀両断のもとに事態は解決されておりませんが、しかし、これはやはり大きな前進でございまして、総理も申されましたが、補助金を削減するという大きな法案は昭和二十九年の補助金削減一括法案以来初めてのことなのでございまして、削減というか調整というか、そういう行為に出ることができましたのは、やはり国民や各党の御協力のたまものでできたもので、感謝しておる次第なのであります。
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佐藤敬治#7
○佐藤(敬)委員 私は、やり方にしても、こういうようなわけのわからないようなやり方じゃなくて、もっときちんとしたやり方があるのではないか、こういうふうに思います。いつまでもこれをやっているわけにいきませんので、これで一応終わります。
 ことしの七月三十一日に、地方制度調査会は、この第二臨調一次答申の地方財政に関する問題について、行政改革の理念に合致しない、こういう趣旨でもって異例の意見書を総理に提出いたしました。これを受けて、総理はどういうふうに思いますか。いかなる点が行政改革の理念に合致しないのだというふうに思いますか。
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中曽根康弘#8
○中曽根国務大臣 地方制度調査会は独自の法律に基づいて、その法律の趣旨に基づく観点からいろいろ勧告をなさっておりますが、やはり名前が地方制度調査会でありますように、非常に地方を中心に地方に重点を置いたお考えからお考えになっておられる。これは憲法上、「地方自治の本旨」という言葉がございますから、その線に忠実に沿った御見解であるだろうと思います。
 しかし、また一方において国政全体の統合を考えてみますと、必ずしもその「地方自治の本旨」という考え方において解釈が一致しているとは限らない点もございます。それは地方事務官制度の問題とか、そのほか地方支分部局の問題とか、いろいろいままでそういう懸案事項があったわけでございます。それらの問題につきまして、臨調でいろいろ大局的見地から判断を願って、そして今回はそれを実行しよう、尊重しよう、そういう考えに立脚しておりますので、地方制度調査会のお考えはお考えとしてわれわれも理解しつつ、最終的に国政全体の中にそれを位置づけるという考えで進めてまいりたいと思っておる次第です。
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佐藤敬治#9
○佐藤(敬)委員 私どもはそういうふうに考えてはおりません。この意見書というものはもっと大変意味が深いものじゃないか、こう思います。同じものを二つの審議会でどんどんやって意見の食い違いができてくると、これは大変なことになります。
 この意見書の提出というものは、五十六年三月二日に、臨時行政調査会と地方制度調査会との間に、自治大臣と行政管理庁長官との申し合わせがありました。「臨時行政調査会と地方制度調査会との関係について」という文書であります。この中に、「臨時行政調査会は、行政制度及び行政運営の改善合理化について調査審議する機関として設置されるものであり、地方制度調査会との関係におけるその調査審議の範囲は、前回の臨時行政調査会におけると同様であり、地方自治の本旨を尊重し、地方自治の問題については、国の行政との関連において調査審議するものであること。」こういうふうに言われております。
 このことはいわば臨調の守備範囲を示したものでありまして、臨調がやるべきことは、地方自治に関して言うならば、国、地方を通ずる行政事務の再配分だとか、国の出先機関の調整だとか整理だとか、国庫補助に絡む国の縦割り行政の弊害を除くとか、あるいは国と地方の財源の再配分だとか、あくまで行政制度及び行政運営の改善に関する基本的な事項を調査審議する、こういうふうな形でもって第一臨調で取り上げておるのでありまして、私はこういう意味から、したがって、国保の国の負担金をぶった切るとか、あるいはまた児童扶養手当、特別児童扶養手当を県に負担させるとか、地域特例を引き上げるとか、補助金の一律削減だとか、こういうのは一つの越権行為ではないかというふうに考えます。特にこの前の国会で継続審議になりました地方公務員の定年法、こんなものは早く通してしまえ、こういうようなことは臨調として言うべき筋合いではない、私はこういうふうに思います。特にこういうような、あれも削れ、これも削れということになりますと、地方団体としては仕事をそのままにして金だけを削ってしまう、こういうことについては、行政サービスの低下につながるというので、これは本末転倒だ、こう考えて猛烈な反発をしているのはあたりまえのことであります。
 またさらに、第一次答申でいろいろなことを取り上げておりますけれども、この中で一番大きく取り上げているのは公務員制度についてであります。私、勘定してみましたら、まるまる四ページほとんど地方公務員のことだけ書いてある。数を抑制しろとか、あるいは給与を抑制しろとか、そういうことばかり書いてあるのです。まさに、これを見ますと、何か公務員を抑えつけるためにこれが出てきたような感じさえします。そうなりますと、公務員から猛烈な反発を食らうのは当然であります。そしてそこにイデオロギーが持ち込まれる。いろいろな問題で国民的な合意を得なければ達成できないところのこの行革の問題が、国民的な合意どころか分裂をもたらす、こういうような危険性が非常に出てきて、いま国論がかなり分裂しておるのじゃないか。
 たとえば第一臨調ではこういうことを考えています。この第一臨調ですね、調査会設置法の成立に当たり、衆参両院で、行政改革は公務員の人員整理や身分変更を目的としているものでないこと、重要事項については全員の意見の一致を必要とするという附帯決議が行われ、これにおいて運営されている。これは、この行政改革は非常にむずかしいものであるから、国論を統一してやらなければなかなかいかない、皆さんもそう言っている。国民の理解がなければできないと言っているのです。その国民の理解を求めなければいけないのに、わざわざ公務員を刺激したり知事会を刺激して反対をさせたり、こういうようなことは、この第二臨調というものが自分の守備範囲を逸脱して、余り細かい、末梢のことにどんどんささってきたのでこういう結果になったのではないか、こういうふうに私は強く感ずるわけでございます。いかがでありますか。
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中曽根康弘#10
○中曽根国務大臣 第二臨調も、われわれ政府当局も地方自治の本旨を尊重するという点は十分配慮してやってまいりたいと思っております。ただ、国の行政と地方の行政とのかかわり合いに関する部面においては、全国的な統一性とかあるいは均衡や公平性ということが要請されるわけでありますから、そういう面から地方制度の問題も対象として扱われるということになります。
 その中で、いろいろな問題がございますが、従来いろいろ叫ばれて、特に第一次臨調のときでもわりあいにその点は指摘されておりました中で、今回のように積極的にそれを唱えるというところまでいきませんでしたけれども、その後の情勢から見て、非常に大きくふくれてきた地方公務員の問題も看過すべからざる情勢に立ち至った。そういうわけで、過去十二年間にたとえば国家公務員の場合は総定員法を設けまして、その結果、たとえば一般行政職においてはネットで約二万七千人減っておるわけであります。しかし地方公務員の場合は、それがネットで九万五千人もふえてきておる。あるいはほかの職分まで入れますと、国家公務員は約一万人弱減っておるのに対して、地方公務員は約八十万人も増員されておる。それにはそれぞれの理由もございますけれども、これは精査をして簡素、効率化すべき分野でもあります。そういう面から今回はその点はかなり早く改革を要する部面として臨調でも取り上げたのでございまして、別に他意があってやっているわけではございません。
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佐藤敬治#11
○佐藤(敬)委員 要するにこの臨調はもっともっとやるべき本来的な任務がたくさんある。そういうのを全然手をつけないで、やらなくてもいい、たとえば大蔵大臣がやればいい、あるいは地方制度調査会がやればいいような補助金の打ち切りとか、そういう個々の問題に余りに深く過度に介入し過ぎるのは筋違いだ、こういう批判が地方制度調査会からの意見となって出たのだと私は思います。(「これは総理大臣の諮問機関だよ」と呼ぶ者あり)いま両方とも総理大臣の諮問機関ですからね。それで、いま管理庁長官から、地方は人数がよけいだ、こういうことを言っています。私はこれに対して別に反発するつもりはなかったのですけれども、余りにも、国家公務員だけが少なくなって地方公務員だけがどんどん多くなった、こういうようなことを言われておりますので、後でまた詳しく申し上げますけれども、一言言っておきます。
 機関委任事務が県のものは二倍半にもなっている。市町村に関しても二倍にもふえておる。さらにいろいろな問題がどんどんふえておる。警察、消防、教育、いろいろなもの、そのために上がったのです。だから単に上がったからこれを第二臨調のこれでもって一番多く取り上げなければいけない理由にならぬと私は思う。むしろ改正すべきは、国がこういうような行政改革をもっと早くやって、そして機関委任事務であるとか、補助金の煩雑な手続を軽減するとか、いろいろなことをやっておればこんなにふえなかったのです。自分でやっておきながら、あたかも地方が悪いかのごとく事あるごとに批判するという態度は、地方の反発を招いて行政改革にも余りいい効果を及ぼさないのではないか、こういうように考えるわけでございます。
 今回、臨調は初めから行政改革と個々の政策が全く混同されて、行政改革の名前さえつければ何を取り上げてもいいというような風潮がみなぎっておる。しかし、行政改革というのは行財政上の制度や運営を刷新することでありまして、それをしないで歳出を単に削る、これは行政サービスの切り捨てであって、行政改革などという名前で呼ばれるものではない、こういうような混同というものがいま総論賛成、各論反対だと言って無用の摩擦を起こしている原因になっておる、こう私は思います。国民の期待している行政改革は、まず官僚機構自体の抱えているむだを徹底的に省いて、それによる経費の節減で増税をやめたり行政サービスの低下を防ぐことであると私は思います。けちな補助金を削って大衆を苦しめても——それ以外に臨調のやることは数限りなくたくさんあるはずなんです。その追及をおろそかにして政府の隠れみのの役割りを果たすなどということは、国民の期待を著しく裏切るものである、私はそう言わなければいけないと思います。答弁は要りませんけれども、今後の臨調のあり方について一言警告して、本来の任務に戻るようにお願いいたしたいと思います。
 そこで、それに関連しましてちょっと申し上げたいのですが、八月十四日付の某紙の行革討論会で、財界の代表として臨調の委員になっております旭化成工業の社長宮崎輝氏と鈴木都知事の対談が載っております。これをちょっと要点だけ読み上げてみますと、私どもから見ると大変びっくりするようなことが書いてある。宮崎さんはこう言っておる。
 民間人の立場からいうと、国と地方という言葉は奇異な感じがする。われわれは全国に工場を持っている。ところがいろんな法令に縛られて許認可手続きは複雑。住民や議員とのつながりもある。小さな市では、われわれが事務処理を手伝わないといけない。スピードが遅くて、民間の活力が鈍らされている。地方制度調査会が三十二年に道州制を答申していますが、もう少し広域行政にできないものか。知事も官選にすれば、国の出先機関との関係も今よりうまくいくと思う。
こういうような発言をしております。さらに、国も地方も人員整理をやりなさい。国の総定員法、あれは地方にもできないか。あるいはまた、私は驚いているんだが、どうも日本の中に国と地方という独立国が二つあるという感じだ、こういうようなことも言っておる。それから革新系の首長になるとどうしても人が多くなったり給料が上がったりします。それから人も仕事も法律もできるだけ減らし、一番欠けているところ、たとえば防衛の強化、通商、外交、そして道路政策と産業政策、このバランスをとって、そういう総合政策に国はもっと力を入れるべきです、こういうようなことを言っておる。あるいは財政的には地方の方が中央よりずっといい、こういうようなことをたくさん並べておるのですが、こういうことを見ますと、臨調というものは財界出身者が非常に多い。
 たとえば臨調の委員九人のうちの五人が大企業の社長とかそういう人ばかり出ておるわけです。したがって、こんな考え方でこの臨調が進められて、第二次報告が一体どういうものが出てくるかということに私どもは非常に危惧を感ずる。まさに財界主導、財界のための行革になるような気がするのです。こういう人たちが行政の効率化を急ぐ余り中央支配を強化せよというのだから、私どもは非常に心配でございます。現に、臨調の中には地方交付税率を切り下げて中央の財政指導を強化しろ、こういうような意見も非常に強くあるわけです。こんなことを考えてみますと、どうも臨調の人選というものが、もう少し広く各層から集めてやらなければ、よく世間で言われておりますように、財界主導の財界のための行政改革になるのではないか、こういうふうな批判も当たらないわけでもないという気がします。これに対して総理、行管庁長官の御意見を求めます。
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中曽根康弘#12
○中曽根国務大臣 宮崎さんは長い間監理委員もしておられまして、日本の行政機構に対する研究者としては非常に高い水準の権威者でございます。自分でも会社を経営して合理的な大改革をやった方でありますが、その経験から見ても、というところから長い間の見識に基づいて御発言をなすったものであり、日本は憲法で言論の自由が保障されておるのでありますから、その範囲内におきましたら、そういう声をわれわれは十分よく聞いて政策の資にしなければならぬと思っております。
 地方問題についていろいろいま御意見を承りましたけれども、そういう御意見があることもまた知っております。そういうさまざまな多角的な意見を総合しながら、一つの大きな国民的合意に再形成していこうというのが今回の臨調の趣旨でありまして、委員にいたしましても財界に偏っていることはございません。委員長の土光さんほか瀬島さんと宮崎さんが委員であります。三人でありますが、土光さんは会長で、ほとんど主宰するだけであります。それで、あとは官界とか、労働組合からは今回一人ふやしまして二人お願いしてあり、ジャーナリストであるとか、そういう方面で大体日本の各界各層を代表し得るようにバランスをとってつくっておるのでありまして、決して財界主導であるとか財界のための行革であるということはないのであります。
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佐藤敬治#13
○佐藤(敬)委員 まあそれは見方でしょうけれども、私の見るところでは九人のうち五人が財界の出身である、こう思います。
 それはともかくとして、第二臨調の掲げる課題の中には行政の民主化ということが確かに入っております。しかし、こういう市場原理にとらわれている財界出身の委員たちがこの点をどれだけ理解しているかということは、私は非常に心もとないと思う。こんなように人たちには、いまこれを見てもわかりますように、地方分権などという思想はさらさらない、むしろ地方自治体に対する不信感の方が非常に強い、私はそう思います。しかし、今回の行政改革、地方を無視しては改革は絶対にできませんので、その点について十分留意しながらこれからひとつ進めていくように私からもお願いしておきたいと思います。
 第二番目は、国と地方を通じての行政制度の改革の問題について多少論じてみたいと思います。
 先ほど申し上げましたように、今日大多数の国民が期待している行政改革は、官僚機構が抱えるむだを徹底的に省いて、それによる経費の節減で減税を行い、行政サービスの低下を防ぐということであります。だとすれば、国と地方を通じての行財政の簡素化、効率化は今度の行政改革の最大の眼目にならなければいけないと思いますが、どう思いますか。
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中曽根康弘#14
○中曽根国務大臣 お示しのとおり、国と地方とをよく調和分合させて国民全体が行政に対して恩恵を感じ、また感謝してくれるような体系につくっていくことが大事であると思います。
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佐藤敬治#15
○佐藤(敬)委員 今日、国全体の仕事のうちの七割を大体地方が実施しておる。国は三割の仕事の担当をしておる。しかし財源から見ますと、逆に国が七割持っていて地方が三割を分配されているということはすでに大体の常識となっております。つまり、金と仕事、七割と七割の金と仕事がオーバーラップしているこの四割の中に国と地方の仕事と金、これが複雑に交錯している分野であります。この分野の中で地方はいろいろな制度によって国からがんじがらめに支配されている、こういう形がいまの地方と国を通じての形だと思います。その典型的な道具として使われておるのが補助金であり、あるいは委任事務、特に機関委任事務であり、起債であり、許認可の問題である、こういうふうに思います。この三つの、たとえばこういう制度こそが、余りにも繁雑な手続のために国と地方とに、特に地方に対して人と金の膨大な浪費を強いている元凶である、こういうふうに私どもは考えております。したがって、今回の行政改革に対する国民の期待にこたえるためには、この繁雑な事務手続を簡素で効率的なものに変えなければいけない、これが一番大事なところではないか、私はこう思っておりますが、総理と長官、それからもう一つ大蔵大臣、自治大臣のお考えを述べてください。
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中曽根康弘#16
○中曽根国務大臣 その点は同感でございまして、そういう方向で改革していきたいと思っております。
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渡辺美智雄#17
○渡辺国務大臣 私も同感でございます。
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安孫子藤吉#18
○安孫子国務大臣 私も同感でございます。そのとおりだと思っております。
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佐藤敬治#19
○佐藤(敬)委員 各大臣、政府の皆さん、こんなことは百も承知であることは私も百も承知であります。しかし、知っているということと実行するということは別のことであります。釈迦に説法であるはずの政府は、これまで第一臨調や第十七次地方制度調査会等、大変りっぱな国、地方を通じてのいろいろな提言がされております。大変りっぱな答申がすでに出ております。しかし、それにもかかわらず、百も承知のそう思いますという同感をしている皆さんが、結局何もやらなかった。何をやりました。何にもやらなかった。
 そこで私はこのときに当たって、いまやるべきこの煩瑣な事務手続、これをどういうふうにしたらいいか、この問題についてもう一遍、わかりながらあえて取り上げてみたいと思います。
 私は、常任委員会が地方行政委員会でありますので、こういう問題にかなりな興味を持っております。(「興味じゃない、関心だよ」と呼ぶ者あり)関心を持っております。ただ、急にこの行革委員に入ってまいりましたので、いささか勉強不足なところがありますが、いろいろな議論をしても、これは百も承知のことでありますのでしようがありません。そこで、勉強不足で自分の資料を余り持っておりませんので、幸いにして各新聞がこの問題をたくさん取り上げて新聞に掲載されております。この新聞記者の皆さんの労作をひとつおかりいたしまして、この問題を論じていきたいと思います。
 まず、補助金の問題であります。
 一つは、零細補助金の問題でございます。こういう例が書いてあります。大阪府豊中市は、五十五年五月、児童福祉法に基づく事務費、五十四年度補助金五万八千七百十円を国から受け取った。施設に入っている子供たちの医療費の支払い、府との連絡、研修会などの事務費をもらうために、同市福祉事務所が府に提出した書類は、まず、交付申請書、交付申請内訳表、歳入歳出予算抄本、年度末には事業実績報告書、精算書、事業報告書、歳入歳出決算見込み抄本、計七つの書類は一つ一つ厳しくチェックされた。その結果、十九万二千円を申請して、認められたのは事業費にはほど遠い三分の一である、こういうふうに書いてあります。また、大阪府の場合に、三十二市町に平均三万三千六百二十五円が支払われた。泉大津市など四市の補助金はたったの一万円。各市町とも事務手続は府を通して行われたので出張旅費はかからなかったが、自治体はこの補助金をもらうために人件費相当額約二万円と紙、コピー代などの需用費約千円を支出しており、これらの経費を差し引くと自治体がこの事業で受け取った金額は平均一万二千円、泉大津市などは赤字となり、なぜ補助金を申請したのかよくわからない結果となった、こういうふうに出ております。
 こういうふうに零細補助金というものは手間がかかって、どうも実効がない。これが大変たくさんあるのに、さっぱり実効が上がる補助金になっていない。各地方から零細補助金の打ち切りということが非常に強く唱えられております。全国市長会は昨年の七月に国庫補助金の整理合理化に関する改善策を提言し、この中で一般財源とすべき国庫補助金として三十一件を挙げている。婦人、更生相談所の事務費、結核、法定伝染病の予防費、予防接種費補助金、こういうものが主なもので、いずれも額が少なく事務手続が複雑である。また、建設省の街路事業費などをやり玉に上げて、手続の簡素化を要求している。こういうような要求があちこちにたくさんあります。神奈川県の例では、八十九万円を獲得するのに経費が五十六万円もかかった。こういう例が各市に枚挙できないほどたくさんあるわけであります。
 さらにこういうような手続上の不満を訴えているのもあります。建設省関係の補助金でいいますと、補助金をもらうために、まず前年度の六月に交付方針の説明をし、地方で事業計画を作成し、省庁と地方の第一次の事前協議をし、省庁の大蔵省への概算要求をし、省庁、大蔵省へ陳情し、国の予算原案を決定し、地方が事業別に二次要求し、省庁による内示、地方が交付申請、省庁の審査、交付決定、事業の承認、事業の執行の概算払いの請求、省庁が概算払い、事業の変更申請、承認、省庁への実績報告提出、省庁による審査、現地調査、地方に対する確定通知、省庁の地方に対する精算払い、会計検査院の検査、これは挙げてみますと大変な手続なんです。読むだけでも大変な手続になってきておるわけです。(「もらわなければいいんだよ」と呼ぶ者あり)そうなんです。もらわなければいいんです。ところが、これをもらわなければその次のものがもらえない。実績をつくっておかなければくれない、だからこれをどうしてももらわなければいけない、こういうような形になっておるわけです。
 補助金を出す側にとって、何というか、地方に金をやれば何をするかわからない、むだ遣いをするかもしれないという地方に対する一つの不信感がこの中にあるのじゃないか。何でもいいからがんじがらめに縛っておかなければ地方などというものは何をやるかわからないという一つの不信感があるんじゃないか、こういうふうに私は思っております。
 しかし、必ずしもそうだと私は思いません。最近の地方自治体というものは決してそんな昔の役場のようなものではないと私は思います。確かに敗戦後のときにはそういうことが、事務能力がない、不足のあったこともあるかもしれませんけれども、いまは村の役場でさえも大変な事務機械を備え、課制をしき、きちっとした体制を整えて大変な事務能力を持っておるわけで、ある意味では最近では国よりも先取りをしていろいろなことをやり、国が後からそれを追っかけている、こういうようなところさえ次から次と出てきております。
 たとえば、武蔵野における日照権の問題、マンション規制の問題、あるいは私どものいま参議院の議員をやっておりますところの池田町のワイン町長と言われております丸谷さん、これは企業経営まで成功させておるというようなりっぱな経営の業績を残しております。また私どもの同僚である社会党の衆議院議員、前旭川市長の五十嵐さんは皆さん御承知のようにりっぱな町をつくって、全国の模範となっている。(「ここにいる」と呼ぶ者あり)あそこにおります。そういうような大変な行政能力を持っておりまして、皆さんから不信感を買われるいわれはないと私は思いまして、もっともっと地方を信用して、こういうことに対して積極的に煩瑣な手続というものをなくするように取り組む必要があるのではないかと私は思います。
 さらに、これに対していろいろなあれが報告されております。たとえば複合施設の問題に関しまして、こういうおもしろい報告がされております。ある町で総合文化センターみたいなのをつくった。ところが、そこへ行ってみますと、そこの係長は大変いろいろな名前を持っておる。教育委員会の社会教育課の社会体育係長兼管理係長、中央公民館防火管理者、老人福祉センター、働く婦人の家、勤労青少年ホームの各主査を兼ねている。なぜこういうふうになったかというと、ある一つのものをつくるために、官庁のセクトがあってどうしても総合的なものをつくれない。ところが、財政力の乏しい市町村にとっては、こういう文化施設というものをばらばらにつくることはとてもできない。そこで何とかしてこれをまとめるためにというので、こういうへんてこりんなものができ上がったわけであります。中央公民館は文部省の所管、老人福祉センターは厚生省、働く婦人の家と勤労青少年ホームとは、ともに労働省であるけれども、前者が婦人局、後者が少年局と全部担当が違う。国から補助金をもらうためには、一つのものをつくるのにその設備ごとにいろいろな条件がついて、その設備ごとに大変な書類を出さなければいけない。同じ労働省の施設であるのに担当の局が違うと、両方に図書館をつくれ、料理室をつくれ、便所をつくれ、こう言ってくる。こういうようなことを何とか一つにしてほしいと希望してもなかなか認めてくれない、こういうようなことも報告されておるわけでございます。
    〔委員長退席、海部委員長代理着席〕
 こういうことをいろいろ考えてみますと、これは大変ないわゆる繁文褥礼、いま、はやりませんけれども、大変な煩瑣な手続があるということがわかります。こんな補助金はきっぱりとなくしてしまえば非常にさっぱりすることになりますけれども、なかなかそうきっぱりとさっぱりするわけにはいきません。特に問題になるのは財源の配分の問題で、これは大変むずかしい問題なので簡単にはいかないと思います。だから、余りむずかしいことをやれと言っても、皆さんやる気がないでしょうから、しかしせっかく今回行政改革を命を張ってやると総理は言って、やる気になっておりますので、やる気にさえなれば簡単にやれることを私は二つ申し上げてみたいと思います。
 私がこれから言うことは本当にばかみたいな簡単なことです。しかし、さっきも言いましたように、簡単だけれども決してつまらないものではございません。これをやっただけでも大変な効果があることだ、こう思っていま御提言申し上げます。
 一つは、補助金問題について、すでに意義は認められないけれども惰性でやっている補助金、あるいはこれに近いもの、こういうものをこの際断固として整理してしまう。非常に簡単でしょう。しかし、やれますか。各省に全部ありますから各大臣にお尋ねしますが、おたくの役所にこういうような補助金がありませんか。大抵一つや二つ必ずあると思いますが、どうか行管庁長官からひとつ話してください。
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中曽根康弘#20
○中曽根国務大臣 今回の七月十日の第一次答申の中におきましても補助金整理の標準をつくっておりますが、その中にいまお示しのような項目がございまして、それらにつきまして各省ともウの目タカの目でいま探しておる、そして臨調と協力して思い切ってそういう惰性的なものをこの際掃除しよう、そう考えておるところでございます。
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佐藤敬治#21
○佐藤(敬)委員 私は、あなたの役所に、こういうような惰性でやっているような、切ってもいいような補助金がありませんかと言って聞いているのですよ。
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中曽根康弘#22
○中曽根国務大臣 ないとは限らないと思います。目下、大いにそれを検索中でございます。
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渡辺美智雄#23
○渡辺国務大臣 大蔵省にはないと思います。
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田中六助#24
○田中(六)国務大臣 私の方は産炭地振興法という法律がございまして、これは十年延長になったわけでございます。これに関連いたしまして、八道府県に対しまして地方債の起債を許しておりまして、これを産炭地振興法の十条で利子補給をやっております。それから十一条で政令都市、たとえば北九州市とか福岡市、こういうところに事業の促進のためのかさ上げ制度という二つの制度を設けておりまして、それは六分の一だけいままでの補給金あるいはかさ上げ制度を縮小するという案でございます。
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村山達雄#25
○村山国務大臣 厚生省は、五十六年度すでに三十五本廃止ないしメニュー化をいたしました。なお、今後もその線で検討してまいりたいと思います。
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安孫子藤吉#26
○安孫子国務大臣 自治省は非常に補助金の少ないところでございまして、惰性でやっておるというようなものはございません。
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亀岡高夫#27
○亀岡国務大臣 不急不要の要らなくなったような補助金というものはわが省に限ってございません。いままで毎年、行政改革、補助金の近代化、合理化というものをやってきておるわけでありますから、そういうものはいままでの間においてカットをし、統合をし、メニュー化をいたしております。今回も千二百件ほどある補助金も、もっと合理化し、もっと近代化して効率的に使おうということで、総合的にこれをまとめまして六百件にいたして概算要求をしてあるところであります。
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斉藤滋与史#28
○斉藤国務大臣 お答えいたします。
 建設省関係はすべて公共事業費でございますので、そうした関係に類することはありません。
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佐藤敬治#29
○佐藤(敬)委員 いま聞いてみますと、ほとんどこういうものはない、したがってこういうものを改革する必要はないということなんですね。しかし、私どもから言いますと、こういうような意義が認められない惰性でやっているようなものはたくさんあると思います、後から出てくるでしょうけれども。まあこういう認識がなくて、いま行管庁長官はないことはないでしょうと言っているけれども、各省から聞いてみるとほとんどこれはないようでありまして、これからの展開がかなり見ものでありますけれども、まあこれはこれでいいでしょう。とにかく、こういうものを切るということが非常に大きな繁文縟礼をなくする。一方では金は出ていき、一方では経費の節減という面で、必ずやらなければいけないことだと思います。
 それからもう一つ二番目は、特にこれは廃止した方がいいのは、いま新聞をかりて申し上げました零細補助金であります。これはもう絶対に排除すべきであると私は思います。そのかわり地方には、一々ひものついた金ではなくて、地方税あるいは交付税、こういうような財源を付与して、この零細補助金は莫大な数に上りますので、絶対に切った方がいい。あるいは人口段階でこの額を分けて、ある人口以下の都市には、ある金額以下のものは許可しないとか、何かこういう形で、絶対にこの零細補助金というものは切るべきです。これは先ほど申し上げましたように実効は何もない、しかしながら金は大変かかる、こういうような行革には一番やらなければいけない問題でありますので、ぜひひとつこれはやった方がいいと思います。
 もう一遍各大臣にお尋ねしますが、あなたの役所にはこういうような零細補助金がありますか。
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