外務委員会

1991-08-02 衆議院 全203発言

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会議録情報#0
平成三年八月二日(金曜日)
    午後一時三十一分開議
 出席委員
   委員長 牧野 隆守君
   理事 新井 将敬君 理事 園田 博之君
   理事 中村喜四郎君 理事 浜野  剛君
   理事 上原 康助君 理事 高沢 寅男君
      麻生 太郎君    甘利  明君
      伊東 正義君    小渕 恵三君
      奥田 敬和君    福田 康夫君
      山本  拓君    岡田 利春君
      川崎 寛治君    松原 脩雄君
      玉城 栄一君    古堅 実吉君
      和田 一仁君
 出席国務大臣
        外 務 大 臣 中山 太郎君
 委員外の出席者
        防衛庁防衛局防
        衛課長     藤島 正之君
        外務大臣官房審
        議官      竹中 繁雄君
        外務大臣官房領
        事移住部長   久米 邦貞君
        外務省アジア局
        長       谷野作太郎君
        外務省北米局長 松浦晃一郎君
        外務省中南米局
        長       瀬木 博基君
        外務省欧亜局長 兵藤 長雄君
        外務省経済協力
        局長      川上 隆朗君
        外務省条約局長 柳井 俊二君
        大蔵省銀行局保
        険部保険第一課
        長       北村 歳治君
        労働省労働基準
        局補償課長   出村 能延君
        参  考  人
        (国際協力事業
        団理事)    中村 順一君
        外務委員会調査
        室長      市岡 克博君
    ─────────────
委員の異動
八月二日
 辞任         補欠選任
  宮下 創平君     山本  拓君
  山口 敏夫君     甘利  明君
同日
 辞任         補欠選任
  甘利  明君     山口 敏夫君
  山本  拓君     宮下 創平君
    ─────────────
五月八日
 一、国際情勢に関する件
の閉会中審査を本委員会に付託された。
    ─────────────
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 国際情勢に関する件
 国際協力に従事する要員の安全確保等に関する件
     ────◇─────
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牧野隆守#1
○牧野委員長 これより会議を開きます。
 今般、国際協力事業団の農業技術指導者がペルーにおいて犠牲になられました。まことに痛惜の念にたえません。
 ここに、謹んで委員各位とともに哀悼の意を表し、御冥福をお祈りし、黙祷をささげたいと存じます。
 御起立をお願いいたします。——黙祷。
    〔総員起立、黙祷〕
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牧野隆守#2
○牧野委員長 黙祷を終わります。御着席をお願いいたします。
     ────◇─────
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牧野隆守#3
○牧野委員長 国際情勢に関する件について調査を進めます。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 本件調査のため、本日、参考人として国際協力事業団理事中村順一君の出席を求め、意見を聴取することといたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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牧野隆守#4
○牧野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ─────────────
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牧野隆守#5
○牧野委員長 この際、外務大臣より発言を求められておりますので、これを許します。中山外務大臣。
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中山太郎#6
○中山国務大臣 本日は、最近のペルー情勢について申し述べます。
 去る七月十二日、ペルー共和国の首都リマから北北西約八十キロに位置するワラル所在の野菜生産技術センターがテロリストに襲撃され、国際協力事業団から派遣されている日本人専門家三名が射殺されました。まことに悲しく、かつ非道な事件であります。宮川清忠、中西浩、金良清文、三氏がこの残虐なテロリストの行為で亡くなられたことに対し、謹んで哀悼の意を表しますとともに、御遺族の方々に対し、衷心よりお悔やみを申し上げます。
 襲われた野菜生産技術センターは、ペルーにおける野菜の生産技術の向上と安定供給に寄与することを目的に、我が国の無償資金協力により建設され、我が国が技術協力を行ってきた施設であります。このような施設を攻撃し、ペルーの発展のため尽力されてこられた農業技術者の方々を殺害するという野蛮な行為は、天人ともに許さざるものであります。フジモリ大統領も、殉職専門家追悼式に寄せられた弔辞の中で、「たった一握りの集団が、卑劣な反逆行為を行った」と申されておりますが、まさにそのとおりだと思います。亡くなられた三名の方々に報いることはもはやできませんが、残された御遺族の方々へのせめてもの策として、補償についてはできる限りのことをしてまいる所存であります。
 この事件に引き続き、有力な日系人の誘拐、殺害という衝撃的な事件が発生し、政府としても極めて重大なことと受けとめております。これらの事件の犯人はいずれもペルーのテロ組織と見られていますが、このようなテロ組織が活動する背景には、ペルーの深刻な経済状況及び貧困の問題があります。すなわち、貧困の解決なしにはテロを含めた社会問題の解決もないのであります。昨年七月二十八日、フジモリ大統領が就任したときに、前政権から引き継いだ経済状況はまさに危機的とも言い得るものでありました。昨年のインフレ率は対前年比七六五〇%、失業率は潜在失業率を含めると約七〇%、対外債務残高は二百億ドルにも達し、貧困に起因する犯罪やテロによる深刻な治安の悪化という、まさに惨状を呈していました。
 この状況に対し、フジモリ大統領は敢然と戦いを挑み、国民には一時の耐乏を求めつつも、経済再建に向け思い切った経済安定化政策を実施し、また、毅然としたテロ対策及び麻薬問題対策を実
施してきました。フジモリ大統領のかかる努力の結果、現在では、インフレ収束は一応の成果をおさめ、財政の均衡も達成され、国際金融社会への復帰も軌道に乗りつつあります。また、テロに対しては、軍、警察による治安維持活動を進めるほか、農民自警団への武器の供与、テログループの大学からの一掃等の対策を実施し、テロ組織幹部の逮捕等の成果を上げています。
 我が国といたしましては、フジモリ政権の真摯な経済再建努力を高く評価し、昨年度はペルーへの無償資金協力を大幅に拡充いたしました。また、同国が国際金融機関への延滞を解消し、また、国際収支の均衡を達成するための対ペルー国際支援体制の早期構築に向け、積極的に協力を行ってきております。
 かかる中、今回のJICA専門家殺害事件が起きましたことは、まことに残念なことであります。今回の事件発生後、我が国は速やかに外務省及びJICA職員をペルーに派遣いたしました。その調査結果を踏まえて、安全確保の見地から、残念ながら今般、我が国経済協力関係者をとりあえず一時帰国せしめることといたしました。しかし、我が国としてペルーの経済再建努力を支援していくとの基本姿勢には何ら変更はありません。ペルーに対し、人員の派遣を要する協力については当面慎重に対応せざるを得ませんが、これからもその他の形でできる限りの協力を行っていく所存であります。
 本事件や日系人の誘拐、殺害事件等の背景は依然不明でありますが、近時、我が国はペルーで注目を引く存在になっていることもあり、同国の在留邦人に対するテロの危険は遺憾ながら無視できません。外務省としても、かかる認識のもと、本事件発生後、本省においては在京ペルー大使に対し、また、ペルーにおいては在ペルー妹尾大使がフジモリ大統領や内務大臣に対し、在留邦人の安全のため最大限の措置をとるよう、累次にわたりペルー側に強く要請してまいりました。
 ペルーの在留邦人社会は、従来からも大使館とも協議しつつ安全対策の強化に努めてきておられます。今次事件の発生に伴い、在ペルー大使館では、改めて在留邦人社会と頻繁に連絡、協議を実施し、所要の注意喚起及び在留邦人おのおのの事情に応じたきめ細かな助言を行ってきており、おのおのの在留邦人もその立場に相応した対応策をとっています。さらに、本省におきましても、現地進出企業の親企業に対し情勢説明会を開催いたしました。また、当分の間、同国への渡航は差し控えることが望ましい旨の渡航情報を発出し、一般国民に対する注意喚起も行っております。
 政府といたしましては、平和で安定したペルーが実現し、我が国経済協力関係者が同国の発展のため安全に活動できる状況が一日も早く到来することを心から希望いたしますとともに、同国における在留邦人の安全対策につきましては、今後とも万全を期していく所存であります。
    ─────────────
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牧野隆守#7
○牧野委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。新井将敬君。
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新井将敬#8
○新井委員 このたびの七月十二日にペルーの首都のリマからわずか八十キロのワラルというところで野菜生産技術センター、そこでペルーの技術協力に携わっていた日本人専門家三人を反政府ゲリラが、しかも特に日本人であるかどうかということを名指しをして、日本人を標的にして殺害をした。私は本当に犠牲になられた専門家の皆様方や御遺族に心から哀悼の念を表しますと同時に、やはりこういうゲリラ、テロに対する怒りというものを本当に抑えることができない気持ちでいっぱいでございます。
 まず最初に、在ペルー大使館あるいはJICAに危険性の認識というものがあったのかどうか。といいますのも、六月一カ月だけでペルーにおいて五百四十人の殺害事件が起きています。まさに現地の反政府ゲリラによる殺人が起きている。一日に二十人です。現地人やフランス人の観光客が現にゲリラによって殺されているわけです。そういう事態の認識があれば、もう少し安全確保というものに力を注げたんじゃないかという気がするのですが、そのあたりを、危険性の認識というものがあったのかないのか、そのことをまず外務省、JICAの方にお聞きしたいと思います。
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瀬木博基#9
○瀬木説明員 ただいま先生御指摘のとおり、この七月十二日の日本人専門家殺害事件というものは、まことに悲しい、かつ我々としても憤激にたえない事件でございます。こういうことは二度と起こってはならない、まことに悲しい事件であったと私どもも考えております。
 ただいま先生お尋ねのペルーという土地についての危険の認識でございますが、これは当然のことながら大使館といたしましてもペルーという土地柄が決して安全でないという認識は持っております。事実、現在においてはペルーが二十四県から成り立っておりますが、そのうち十四県について政府としても危険であるという宣言をいたしておるわけでございます。しかしながら、この中でどういう地域がテロの目標になっているかを判断するということは、これはテロの性格上非常に難しいものでございますし、またいついかなるときにテロに襲われるか、これは判断することは不可能と言えるのではないかと思います。
 そこで、大使館及びJICAの事務所では日ごろからテロというものがあり得ることを考えながら注意するようにということを、大使館員はもちろん在留邦人の方々、JICAの仕事でいらっしゃっておられる専門家の方々に常日ごろから注意をしておったということでございます。
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中村順一#10
○中村参考人 御説明を申し上げます。
 私どもJICAといたしましても、私どもの事業を推進するに当たりまして専門家の方々の安全確保ということは事業遂行の大前提であるというふうに認識しております。そういう観点から、従来から専門家を派遣するに当たりまして専門家等の安全確保のために最大限の努力を行ってまいったところでございます。本件プロジェクトについてもJICAとして安全確保についていろいろな配慮、努力を行ってきたところでございますけれども、それにもかかわらず今度のような事件が引き起こされ三名の専門家が亡くなられたということにつきましては、JICAとしてまことに痛恨のきわみという感じでございます。
 ペルーの安全状態についての認識という点につきましては、ただいま外務省の瀬木局長から御説明のありましたとおりでございます。私どもも、ペルーというのが一九八〇年代の後半から経済危機というものに直面いたしまして、インフレ、失業等による社会不安が増大し、盗難等のいろいろな犯罪が多くなってきていることから、安全対策上十分に注意を要する国であるということを認識いたしまして、JICA関係者に注意を行ってまいったところでございます。今件の野菜生産技術センターの所在しますワラル地域につきましても、一般犯罪に対する安全対策が必要な地区であるということで認識しておりまして、直接テロの危険ということにつきましては、ペルー側の判断としては専門家が派遣できないほど差し迫ったテロの危険はないという認識でございます。私どももいろいろな調査を行ったわけですけれども、日本側といたしましてもこのワラル地区につきましてはペルー側が示していたような認識と同じような認識を有していたということは申し上げられるかと存じます。
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新井将敬#11
○新井委員 報道によりますと、要するに野菜生産技術センターも非常事態宣言地域ではなかったが、危険なので昨年末まではちゃんとテロ対策の警備員がいたというじゃないですか。その昨年末に予算がないということで警備員を削ってしまった。そのことについて、これは六十一年から十億円のお金をかけて、無償プロジェクトですよね、日本から毎年一億円無償ODAを出しているわけでしょう。それで警備員の予算もないで昨年末に削ってしまった。そういうことは外務省等はこれ了解していたのでしょうか、知らなかったのでしょうか。
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川上隆朗#12
○川上説明員 お答え申し上げます。
 先生御指摘の点でございますが、ペルー側が予算上の問題があって、当初武器を携行していた警備員を雇っていたにもかかわらず、その後警備員をいわゆる民間の警備員にかえた事実があるということは承知いたしておりました。
 他方、我が方のペルー大使は、本件プロジェクトがまさに孤立した地域にございますものですから、数度にわたりまして安全対策を講ずるよう、これは基本的にはペルーの施設でございますので安全の責任はペルー側にあるという観点から数度にわたって申し入れを行っておりまして、今例示的に申し上げますと、ペルー側も二カ所のチェックポイントに六名程度の警備員を配置して不審者を入れないようにしていたというような措置をとっておりましたほか、鉄さくの設置だとか警察によるパトロールを行っていたというふうに了解いたしております。鉄さくの設置につきましては、これは我が国の無償資金協力の一環としてこれを設置するということもやった経緯があるわけでございますが、にもかかわらずこのような不幸な事件が起きたということは、もう我々にとっても先ほどから御指摘のとおり大変痛恨のきわみというふうに認識いたしております。
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新井将敬#13
○新井委員 外務省を責めるわけではありませんけれども、これからやはり低開発国へ技術協力を行ったりするときに、こちらの善意はともかくとして反政府ゲリラ等から非常に敵扱いを受ける、そういう危険は伴っていると思うのですね。ですから、そういう無償で援助を出したり、お金を出しているわけですから、やはり当然警備というものに対してはしっかりお金を使うようにこちらの日本からしっかり相手国の政府に申し添える、それがなければもう引き揚げるというぐらいの強硬な考えでこれからやっていくべきだと私は思うのですけれども、大臣どうでしょうか。
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中山太郎#14
○中山国務大臣 委員御指摘の点は、私は十分これから相手国政府に援助国として申し入れを行うべきだというふうに考えております。
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新井将敬#15
○新井委員 それではその次に、これは大臣からもJICAの総裁に指示があったということですが、何よりもやはりこの補償問題というものを真剣に考えなければ、善意で行っている最も義務感の強い良質な日本の若者や専門家が本当に無念残念で、家族を残したまま不幸に遭うという危険性を少しでもなくすためには、やはり補償問題を充足させていくしかないと思うのです。
 これは大臣、宮川さん、中西さん、金良さん、それぞれ奥さんもみんなおられて、宮川さんは三人成人ですけれども中学生が一人、中西さんはまだ五歳、三歳、おなかの中にまだ赤ちゃんがおられる、それから金良さんは一歳の子がおられる。それで突然御主人がこういう惨劇に遭われた、これで一体どれぐらいの補償がされているか、大体大臣御存じでしょうか。
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中山太郎#16
○中山国務大臣 細部にわたりましては政府委員から御答弁申し上げますけれども、まず私は、今回の事件は国際協力の中でも人的貢献を行うということが強く求められている日本の立場として、今回のような発展途上国に協力をするために派遣された日本の方々が相手国で不慮の死を遂げられるといったような場合に、残された家族たちがそれで生活が困るというようなことであってはならない。また、この仕事に従事される御本人も、自分がもしも事故に遭った場合には政府がそれなりの家族への補償をするといった基本的なことをこの際確立すべきであるということをJICAの総裁に強く指示をいたしました。現在この方針に基づいていろいろと政府関係の共済組合、あるいはまた労災の適用の問題等につきましても鋭意努力しているところでございますが、細部につきましては政府委員の方からお答えをさせていただきたいと思います。
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新井将敬#17
○新井委員 政府委員の答弁の数字はわかっていますから私の方からちょっと申し上げますけれども、これはJICAの職員であった宮川さんは海外共済から三千八百万円、一時金です。それプラス退職金がやはりその海外共済から三千万円出ますから、労災の問題はこれからとして、大体六千八百万円ですね。ところが、この中西さんと金良さんはJICAの正式職員じゃないということで、海外共済からの一時金の三千八百万円は出ますが、この三千万円、宮川さんに支払われている退職金というのは出ないのです。
 ところが、中西さんや金良さんの経歴を見ますと、この人たちはそれぞれ大学卒業後に、東京農大や琉球大学を出た後すぐに海外青年協力隊員として世界の低開発国を回り農業指導に当たってきた、本当に純粋に、職員であるとかなんかにかかわらずも長年鋭意海外の低開発国へ行って日本人の力で外国のために働いてきた人たちなんですね。それがたまたま、職員である、ないだけで三千万円という退職金が一方では出る、一方では出ない。これは余りにも大きな差があると思うのです。
 この退職金について、これは残りの中西、金良さんにもぜひ特別の措置をとって、最低でも退職金一千五百万、それぐらいのものは当然出すべきだと思いますけれども、どうですか。
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川上隆朗#18
○川上説明員 お答え申し上げます。
 先生御指摘のまずJICAの海外共済会からの弔慰金としての三千八百万、この点でございますが、この点につきましては、今回の非常に特殊な……(新井委員「わかっていることはいいですから、退職金の方を言ってください」と呼ぶ)退職金につきましては、御指摘のとおりJICAの中西、金良両専門家がJICAの職員ではないということのために退職金が支給されないという点で宮川専門家と差異があるということは事実なわけでございますが、我々といたしましては、このような差異をできるだけ縮めるように手だてを考えるということで、今鋭意検討をさしていただいているところでございます。できるだけ早く結論を出したいと思います。金額についてはちょっとまだ結論を得るには至っておりません。
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新井将敬#19
○新井委員 退職金は特例を要求していただけるということですね。
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川上隆朗#20
○川上説明員 退職金ということでは支給されないかもしれませんけれども、なるべくギャップを埋めるような形での支給を検討してもらっている、これはJICAの方でございますが、そういう状況でございます。
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新井将敬#21
○新井委員 それはよろしくお願いします。
 その次に、これは一時金をもらっても生活はできないと思うのです。結局、残された遺族にとって必要なものはやはり年金だと思うのです。海外共済には、まずこの年金がないのですね。宮川さん、この人が、一応労災の話は後で伺いますけれども、労災は抜きにして、一体年金幾らでこれから人生を送っていくのかと考えますと、これは厚生年金だけしかありません。すると、宮川さんの御家族、奥さん一人、お子さん四人で、一年間百八十万円ぐらい、月十四万円か五万円足らずで生活をしなければいけない。中西さん、奥さん一人、これからお子さん三人、この方なんかは、細かい計算はわかりませんが、大体の私のもくろみですと一年間百二十万円、月十万円にも足りないお金で生活するしか手がないのです。これは金良さんも同じなんです。厚生年金のわずか年間百二十万程度のお金でこれから生活していくしかない。こういう年金の方の不備というのが目立つのですね。一時金の方も確かに少ないと思いますけれども、年金の不備が目立つ。これは海外共済の方での年金的支払いというような可能性は全くないのでしょうか。
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中村順一#22
○中村参考人 御説明申し上げます。
 海外共済会と申しますのは、JICAから派遣いたします専門家あるいは調査団員等々の勤務中病気になりましたりあるいは事故に遭遇いたしましたりする場合の医療費とか弔慰金とかいうものを手当てするという趣旨でつくられたものでございます。
 現在、主なものは、医療給付と弔慰金あるいは災害の場合の見舞い金等が主な内容になっております。海外共済会の中の仕組みとしては年金のようなものはないわけでございますけれども、先ほど来川上経済協力局長が御説明されているよう
に、中西あるいは金良専門家の御遺族に対してはでき得る限り最大限の努力、配慮をさせていただくということで、私ども現在、外務省とも打ち合わせしながら考えているというところでございます。
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新井将敬#23
○新井委員 海外共済の年金制度が全然整っていないことをカバーするというなら、やはり宮川さんも含めた一時金の三千八百万円、これの方もぜひ五千万円ぐらいに引き上げるように要求をしていただきたい。これは予算要求ですから、外務省、どうですか。
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川上隆朗#24
○川上説明員 先生今御指摘の点につきましては、本件、今回につきましても相当程度、三千八百万円よりも増額するということでぜひ手当てさせていただきたいというふうに考えております。
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新井将敬#25
○新井委員 これは我々もぜひ予算を応援して、やはりこういうことはぜひ実現したいと思いますので、外務省の方もしっかりこれをやってください。
 それから、労働省にちょっとお伺いしますが、海外で専門家やそういう方が災害に遭った場合に遺族から申請が出る。そのときに労災適用というのは非常に厳しい条件があることは存じ上げていますが、これは労災の適用を受けないと年金が全然だめなんですよ。労災が適用されないと厚生年金だけで、この中西さんや金良さんは年間百二十万円でしかないのです、子供三人も四人も抱えて。労災の適用になりますと年金が二百四十万ぐらいつくそうですから、下の二人の方でも三百六十万、大体月に手取り二十万から二十五万ぐらいは入る。それなら何とかめども立っていくんじゃないかという気もします。労災の一時金は四百万円ぐらいだそうですから大したことありませんが、この年金はどうしても必要ですし、この場合、遺族から出た場合に、これは遺族の方から労災請求を出しますから、そのときに労働省として労災適用をするのかしないのか、それについてはっきり答えていただきたい。
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出村能延#26
○出村説明員 請求書が提出され次第、私どもとして速やかに調査を行いまして、可能な限り現実的な対処をしてまいりたいというふうに考えております。
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新井将敬#27
○新井委員 これは課長さん、頼みますよ。七時二十分、まさに職務中の事件ですし、特別加入の意味がこういうところに発揮されないと労災の意味がありませんから、ぜひ全力で労災の認定はお願いいたします。
 あと、これはきょうは実は関係者がだれかよくわからないのですが、個人で掛けている生命保険、これも戦争地域だとかいうことになって生命保険会社がこれをボイコットすることがあるのです。これは戦争地域に何も好んで行ったわけじゃなく、政府の職員として行っていてたまたま反政府ゲリラのテロに遭うなんてことは戦争でも何でもないので、民間生保の方もぜひそこを戦争やなんかという形で逃げないように、これはどなたについてもお答えいただくわけじゃありませんけれども、私の意見としてこの席をかりて申し上げておきたいというふうに思います。
 それから補償についてもう一つ、この遺児の問題ですね。これは金良さんが一歳の子が一人。中西さんが五歳、三歳、これから生まれてくる子が一人。宮川さんは中学生がまだ一人未成年でいる。こういう海外共済の中に遺児育英金、遺児育英会、こういうものはやはりつくった方がいいんじゃないかと思うのです。子供がどれだけいるか、私のところだって四人もいますから何かあったらどうなるかわからない、そういう心配が常にあるのですね。やはり一般的補償じゃなくて、遺児の数において手当がふえる、年金が出る、そういう遺児育英会、そういうものを、委員長ともこの間お話ししたところなんですけれども、そういうものに向けてどうしてもつくっていただきたい。これについて御返事いただきたいのです。
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中村順一#28
○中村参考人 御説明申し上げます。
 ただいま新井先生御指摘の遺児に対する育英資金でございますけれども、今回の大変残念な事件を契機といたしまして、私どももどういう形でそれができるか、海外共済会の中でどういう対応ができるかということを早急に検討いたしました。そして、でき得る限り海外共済会の中でそういった遺児育英基金制度というものをつくるということで現在詰めを行っているところでございます。
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新井将敬#29
○新井委員 それはぜひ進めてください、これも我々も全力で応援いたしますので。
 それにさらに、これは問題提起だけですが、これからもこういうことが起きますので、例えば国家公務員災害補償の中に、防衛庁ですと防衛庁訓令で賞じゅつ金というのがございます、特別な任務につくときに。これをやはり海外共済の中でもそろそろ、日本もこれくらいの経済大国になり、こっちが好意と思っても相手は敵だと思っているのもたくさんいる、こういう中を要するに生きていかなければいけない、経済協力、技術協力をしていかなければいけない、やはり海外危険地域特別賞じゅつ金というようなものも海外共済の中につくっていって、危険地域—─テロ勃発の数とかそんなの簡単です、認定はそれは難しいというけれども、テロの勃発数とかを考えればある程度認定できますから、そういう特別な措置もつくっていただきたい。これはもう御返事要りませんけれども、そういうすべての見直し、これから危険な地域に向かわれるような善意の協力者、専門家、隊員に対する、もう全力で日本国はあなた方のことは最後まで考えるんだよという意味で、ひとつ全力でこの機会に検討をお願いしたいというふうに思います。
 それから、時間が来たようですので最後になりますけれども、最後は実は、ロンドン・サミットと米ソ首脳会談のことで一つだけまとめて大臣にお聞きしたいのですが、サミットと米ソ会談における対ソ支援と、日本の対ソ政策というのはやはり一線を画さなければいけないと思うのですよ。これは、北方領土問題がもう世界の世論であるということは、このG7プラス1でほとんどもう認知されたことなんですね。しかし、米ソ首脳会談で例えばブッシュ大統領がゴルバチョフ大統領と北方領土の討論をやろうとするとゴルバチョフ大統領は拒否する、要するにゴルバチョフ大統領のある意味では対日軽視、日本に対しての外交に十分な敬意を払っていない、これが欧米諸国に対するゴルバチョフ大統領の態度と見て、かなりこのアジア、特に日本に対する態度には一種の敬意を失ったものがあるという印象を私は避けることができないのです。
 それは、この間四月にゴルバチョフ大統領が見えたときにも、シベリア抑留の六十万人の同胞に対するわびの言葉やそういうものは一切なかった。これはどう言いわけをつけても、私はずっと聞いていましたけれどもなかった。こういうことはやはり、スターリン時代の国内における過ちをすべて訂正していっているわけですし、それからポーランドにだって赤軍がやった犯罪的行為をもう認めていっている。そしてドイツの統一にも手をかしていっている。ところが、事日本になるとシベリア抑留、戦争はもうやめましたといって国に侵略してきて、六十万人を連れていって六万人を殺してしまう、そして北方領土は侵略して取ってしまう。ゴルバチョフ大統領自身の責任ではないにしても、スターリンがやった拡張政策や侵略政策に対して、ゴルバチョフ大統領が日本国に対してしかるべき敬意を払わないことには、やはり日本国としてソ連と本当の意味で戦後の外交というものは私はスタートしないと思うのです。
 北方領土問題は、大臣、ドイツの新聞なんかに、例えば小さい島のことにこだわるなとか書いておるところもありますけれども、これは小さな島にこだわる問題じゃなくて国家の名誉と正義が回復されるかどうかという問題なので、私は大いにこだわるべきだと思うのです。ここで世界がどうこう言うからこだわらない——対ソ支援から金融支援までは紙一重ですよ。このままぐるぐるといって、STARTも始まりましたし、来年のミュンヘンあたりには立派な金融支援メニューが
出てきて、おい、のめという話になりかねないのです。そのタイムリミットも余りないのです。
 ですから、ここでやはり北方領土問題には外交を一元化して、私は対ソ支援策にあるように蔵相や通産相が余り簡単に、安易に訪ソをするというようなことはやめてもらいたい、これは必ず大きな失敗をするかもしれないのです。要するに、ここでこそ外交を一元化して北方領土問題について全力で解決すべき正念場に差しかかるだろう、そういうふうに思いますけれども、外務大臣、どうでしょうか。
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