地方行政委員会

1993-05-31 参議院 全75発言

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会議録情報#0
平成五年五月三十一日(月曜日)
   午後五時十八分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月二十一日
    辞任         補欠選任
     関根 則之君     井上  裕君
 五月二十五日
    辞任         補欠選任
     下村  泰君     西川  潔君
 五月二十六日
    辞任         補欠選任
     井上  裕君     関根 則之君
 五月二十八日
    辞任         補欠選任
     西川  潔君     下村  泰君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         佐藤 三吾君
    理 事
                石渡 清元君
                久世 公堯君
                岩本 久人君
                有働 正治君
    委 員
                狩野  安君
                釘宮  磐君
                坂野 重信君
                須藤良太郎君
                関根 則之君
                林田悠紀夫君
                上野 雄文君
                大渕 絹子君
                山口 哲夫君
                渡辺 四郎君
                続  訓弘君
                長谷川 清君
                下村  泰君
                細川 護煕君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  林  義郎君
       自 治 大 臣  村田敬次郎君
   政府委員
       警察庁長官官房  垣見  隆君
       長
       大蔵大臣官房総  日高 壮平君
       務審議官
       大蔵大臣官房審  田波 耕治君
       議官
       大蔵大臣官房審  薄井 信明君
       議官
       大蔵省主計局次  竹島 一彦君
       長
       自治大臣官房長  吉田 弘正君
       自治大臣官房審  松本 英昭君
       議官
       自治省財政局長  湯浅 利夫君
       自治省税務局長  滝   実君
   事務局側
       常任委員会専門  佐藤  勝君
       員
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
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佐藤三吾#1
○委員長(佐藤三吾君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 地方交付税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 前回に引き続き、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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釘宮磐#2
○釘宮磐君 予算委員会で大変お疲れのところでございますけれども、両大臣、どうぞよろしくお願いいたします。
 私は、まず地方財政についてお伺いをいたしたいと思います。
 近年、地方財政の重要性がますます高まっています。例えば先ごろ公表されました地方財政白書を見ますと、国民経済計算上は、政府部門の総支出七十二兆六千億円のうち地方団体のウエートは実に七六%に相当しております。昭和五十年以前が六〇%台であったことから見ましても、公的支出に占める地方の割合がいかに高まってきているかがわかるわけであります。また、投資的経費の構造を見ましても、昭和五十年においては地方単独事業は二兆九千億円余りと国庫補助事業費の三分の二のボリュームにすぎなかったものが、ここ五年間における地方単独事業が二けたの高い伸びで推移した結果、平成三年度には十四兆六千億円余りと国庫補助事業の約一・七倍にもなっております。
 このような状況はまさに身近な施設整備などの地域づくりが積極的に行われていることを物語るものであり、地方の自立へ向けてまことに結構なことだと思います。生活関連のインフラの充足率を考えても、地方団体が行うべき事業が山積みしており、今後さらに地方団体の役割を増していかなければならないと思います。
 一方、先日我が党の久世議員からもお話がありましたように、お父さんの大蔵省はもっとしっかりすべきであるとの指摘がなされました。まことにもっともなことで、中央政府は中央政府らしい仕事、例えば国土のビジョンの作成や環境、福祉などの長期構想、グランドデザイン、外交さらには安全保障といった国家経営の根幹的課題に積極的に取り組むべきであると思います。県会議員として地方行政の経験がある私といたしましては、特に実感として住民に身近な課題についてはもっと地方を信頼して任せてほしい、そんな考えを持つところであります。
 このような観点から、国、地方を通じる役割を十分念頭に置いて、地方分権や権限の移譲、国庫補助金の一般財源化などを推進しつつ個性豊かな潤いのある地域づくりを推進するため、地方の果たすべき役割をもっと増大させていくべきであると考えます。地方財政についての大蔵大臣のお考えと取り組む基本方針について、まずお伺いをいたします。
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林義郎#3
○国務大臣(林義郎君) 釘宮委員から広範にわたる、また基本的な問題についての御提起がございました。
 憲法にありますように、地方自治の本旨に基づいていろいろとやっていかなければならない。その下におきまして我々としてもいろんなことを努力していかなければならないと思っておるところでございます。戦後の時代をずっと見ておりまして、戦後の時代はなかなか日本も疲弊が進んでおった、地方財源もなかなか難しい、こういうことてございました。しかし、豊かな社会になってきますと、そこでいろんな状況が私は変わってきたと思いますし、その状況に適切に対処していくためには新たな国づくりという方向も考えていかなければならない私は時期に来ているように思っているところでございます。
 御指摘がありましたように、地方単独事業などというのは随分な勢いで伸びてきている。補助金率なんかよりは大変伸びてきているということも事実でございますし、これからやはり地方の独自の仕事というものもやっていかなければならない。特にいわゆる社会資本の充実というようなことを考えてみますと、今までは道路であるとか港
湾であるとかというような国全体のような話というものが非常に多かったわけでありますが、昨今では、それぞれの地方におきましていろんなことを考えていかなければならない、生活に密着したような仕事をやっていかなければならない、こういうふうな仕事が私は随分ふえてぎていると思うんです。そういったものはやはり景気対策におきましても地方財政の役割というのがますます重要になってきておるだろうと思っておりますし、そういった点もいろいろ考えてやっていかなければならないんじゃないか。
 ただ、いずれにいたしましても、国の方も財政でありますし地方も地方財政でありまして、やっぱり財政という公経済をどういうふうな形で運用していくかというのが大きな問題でありまして、両方相まってやっていかなければならない。車の両輪のごとしと申しますけれども、そういった基本的な考え方に立って運営をしていくのが基本ではないだろうか、こういうふうに考えているところでございます。
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釘宮磐#4
○釘宮磐君 きょうは大蔵大臣に質問ができるということでございます。せっかくの機会でありますので、関連して私は二つほど大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思うんです。
 まず、その一つは、最近地方の首長選挙、市町村長の選挙ですが、これが大きくさま変わりをしてきておりす。以前は、国や県の補助金をできるだけたくさん獲得するために市町村長の手腕はいわゆる補助金をいかにたくさん取れるかということでありましたけれども、そのために国や県の官僚OBがそのパイプの太さを強調して当選を果たしてきております。しかし、最近はいわゆる独自の町づくり構想を訴えて若い首長が続々当選をしてきておる。このことはいわば住民が何を願っておるか、この傾向というものをどのように受けとめられるか、私は大臣にぜひお伺いをしたい。
 もう一つは、いわゆる地方分権という問題について、最近特にいろんなところでこれを推進すべきということが強く言われております。このことについて今や否定をする人はどなたもいらっしゃらないわけでありますけれども、しかし、それが遅々として進まないということは一体どこに原因があるのか。そしてまた、どこからまず手をつければこの地方分権という問題がこれから進んでいく、いわゆるスタートとなっていくのか。その糸口は何なのか。その辺のところを大臣の口からぜひお聞かせいただきたい。
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林義郎#5
○国務大臣(林義郎君) 先ほどお話を申し上げましたように、戦後の時代あるいは日本の経済成長の時代というのはやはりどうしても中央集権的な形で収入その他もやらなければならなかった。金融にいたしましてもやはり中央銀行のコントロールでやらなくちゃならなかったというようなことがありました。私はそういった一つの経済的な発展段階においてそれぞれの問題があるだろうと思います。豊かな時代になってきたということでありますし、いろいろな財源その他の問題を考えてみると、地方その他のものがありますとこういうふうな時代になってきた。
 先ほどもお話ししましたように、地方単独事業なんかも先生が御指摘のように非常にふえてきた、こういうことであります。そういったところを反映しますと、いかにして各地方でうまくやっていくかということをそれぞれ独立して考えていくということが一つの大きな柱になってきた。地方において身近な話というものをこれから考えていくというのがやはり住民が一番関心を持っているところじゃないかと思うんです。外交であるとか防衛であるとか、これは国の全体の話でありますけれども、身近なところの問題が非常に出てきた。基礎的なものにつきましては大分充実されてきましたから、より身近なものをどうやっていくかということについて住民がいろいろと関心を持ってきたということも私は事実だろうと思います。
 そういった意味におきまして、いろんな首長選挙なんかも出てきますし、釘宮先生のところのお話を申し上げて恐縮ですが、平松さんなんかも一品一村運動なんということをやっておられるわけであります。そういったような形で独自性を持ったようなことというものがだんだん出てくる。これは単に地方自治ということでなくて、自由主義体制という中でも私は非常に望ましい方向だろうと思っておるところでございまして、そういった形でのいろんな新しい動きというものが出てくるということは望ましいことだろうと思っておるところでございます。
 そういったことをこれからどうやっていくかというのは、やはり政治家としてもいろいろな方面のことを考えて着実に持っていかなければならない。それをどうしていくかというのは、いろいろなことをお互いがまさにこの地方行政委員会その他のところにおかれまして御議論をしていくことが大切なことじゃないか、こう思っておるところでございます。
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釘宮磐#6
○釘宮磐君 ただいま大臣から、地方の考えはまず地方の身近な問題を自分たちで考えるそういう時代が来たというような御答弁でございましたが、二十一世紀に向けて新しい日本の体制というものをつくっていくためには、政治改革とあわせて地方分権というのは絶対にやっていかなければならない問題だと思いますので、ぜひお願いをしたい。我々も一生懸命それに取り組んでいきたいというふうに思います。
 私は実は政治の世界に入る前まで精神薄弱の子供たちの施設で施設長をしておりました。私自身、生まれたときは施設の中で生まれたわけでありまして、そういう意味では福祉という問題を実は私は政治の世界ではライフワークにしてきているわけであります。そこで、先ほどまでの論点に立って今後の福祉行政についてお伺いをしていきたいというふうに思います。
 御承知のように、福祉措置費というものが施設において運営費に充てられております。この福祉措置費は従来十分の八という国の負担の中からスタートをいたしましたけれども、平成元年には、児童、老人、精薄、身障の福祉については機関委任事務から団体委任事務に移行されました。その際に、国庫負担は従来の十分の八から二分の一とされ、いわゆる地方にその権限が移されたわけであります。そして、さらにことしの四月からは、老人福祉さらには身体障害者福祉の措置権が県から市町村に移譲をされました。今年度中に市町村に地域保健福祉計画も策定が義務づけられておるところであります。
 こうした福祉を身近な地方団体である市町村が積極的に展開するという方向は、福祉が画一的なものでなく、その地域の実情に合った形で伸び伸びと展開されていくということが望ましいわけでありまして、私はこの考え方は非常に時宜を得たものだというふうに考えるわけであります。
 そこで、福祉という大きな枠組みで地方団体に今後は財源をぜひ保障していっていただきたい。権限だけをおろして金目はおろしていかない。また、金目を地方団体にすべて任せて、あとは地方でやりなさいということでは地方は非常に不安になっていくわけであります。特に過疎地域等ではこれからお年寄りはどんどんふえていくわけであります。そういった問題等を含めると、いわゆる地方単独福祉施策にかかわる地方財源の充実が非常に必要になってくるというふうに思うわけでありますが、この点について、大蔵大臣そして自治大臣にお伺いをいたしたいと思います。
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竹島一彦#7
○政府委員(竹島一彦君) 福祉につきましては、御指摘のように大変大きな行政需要が地方にあるわけでございまして、そういったことを適正に行っていくためには、福祉に限りませんで、いわゆる一般財源というものを十分に手当てしていくということが必要であるということは私どもも同じように理解をしているわけでございます。ただ、現実問題、今回の予算におきましてもお願い申し上げていますように、国と地方の公経済のバランスという観点に立ちまして、自治省を含め地方公共団体ともよく協議した結果、交付税につきましては特例減額ということをお願い申し上げておりますけれども、基本的には一般財源について十分
に目配りをしていかなきゃならぬということを心得ているつもりでございます。
 なお、地方単独事業の分野におきましても福祉につきましてはいろいろな施策が講じられておりますけれども、それらにつきましては地域福祉基金といったような特別の工夫もいたしまして対応しているところでございます。
 今後とも、全体との兼ね合いがございますけれども、御趣旨に沿う形で努力をしていきたいと考えております。
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湯浅利夫#8
○政府委員(湯浅利夫君) 福祉につきましては基本的にはやはり人に対する行政ということでございますから、その身近にございます地方団体の行政というものが基本になるということだと思います。そして、それぞれの地域の実情に応じた施策ということを自主的にやっていくためには地方の自主財源の強化というものが必要ではないかと思っております。
 そういう観点から、今年度におきましても地方財政計画の策定に当たりまして、社会福祉関係の単独施策につきまして大幅な増加を確保いたしましたし、また先ほど御指摘の地域福祉基金の積み増しというようなこともやってまいったわけでございまして、今後とも大蔵省ともよく御協議をしながら地方団体の実情に応じた単独施策ができますような財源措置を私どもも努めてまいりたいというふうに考えております。
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釘宮磐#9
○釘宮磐君 福祉の財源について一般財源化という議論もあるようでありますが、やはり地域に見合った福祉、これは先ほど来論議になっておりますように、市町村の町づくりとあわせて、いわゆる画一的な形のものではなくて、それぞれが知恵を絞ってやるそういう福祉施策というのが私は必要であるというふうに思います。したがって、財源についてはこれを確保してやるということにしないと、ただやれと言っても財源がなければこれはできないわけでありますし、その部分についてはぜひここでお願いをしておきたいというふうに思います。
 そこで、昨年、公立保育所の人件費を地方負担にしてはどうかという話題がありました。私は国費も地方費も同じ公費でありますから国庫負担のある措置費という形をとらなければならないという硬直的な考えを持つものではございません。ある意味では、措置費を福祉の現場において安住させることによって真に求められる福祉の取り組みの多様性が損なわれる可能性があることも危惧するものでありますから、そういう意味で私はこれを否定するものではありません。中には、市町村によって福祉サービスに格差が生じるようになっては大変だというようなことも言われているようでありますけれども、逆に言えば、隣の町と隣の町が比べたときに福祉施策が悪いんだというような話になれば、そういう行政を進めていく首長さんはこれからは生き残っていけないというふうに思うわけであります。そういう意味からすれば、そこにサービスの競争原理が生じて私はある意味ではいい結果が出てくるんではないかというふうに思うわけであります。
 しかし、そうは言っても、今回の公立保育所の人件費あたりの取り扱いの話を聞いてみましても、そこにはどうもそういう福祉の今後のあり方というようなものがどこかに置かれて、ただお金のつじつま合わせみたいな形でやられてくる可能性をちょっと感じるわけでありまして、その辺を一つは危惧するところであります。
 こうした保育行政にとどまらず、福祉全般について、住民のニーズ及び第一線で活動する福祉の現場の意向を十分に踏まえ、地についた論議を展開し積極的に福祉を推進させるべきと考えるものでありますけれども、福祉についての取り組みの決意を両大臣にお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
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林義郎#10
○国務大臣(林義郎君) 福祉の問題というのは広範多岐にわたるような問題でございまして、私はある程度まで全国一律に考えていかなければならない分野もあると思うんです。そういった形でやるところと、それぞれの地域の実情に応じまして、また福祉のいろんな仕事をやっておられる方々のいろんなニーズがありますから、そういったものに配慮してやっていかなければならない点が多々あるだろうと思うんです。基本的には、どこでどうするかとかということではなくて、本当にいい福祉社会をどうつくり上げていくかというのが私はねらいだろうと思います。
 先ほど来申し上げておりますように、だんだんと国民のニーズというものが身辺の問題に近づいてきた。基本的なものよりは、そういった身辺に近いようなもののニーズが出てきておりますから、そういったものが自由にできるような形での地方制度の仕組みである地方財政であり地方行政の仕組みというものも私は考えていかなければならない話だろうと思うんです。
 そういった中で、全国的にやっぱりやっていかなければならないような問題もあるだろうと思います。例えて申しますと、生活保護というのも私は福祉の一つだろうと思うんです。これはいろんなことがありますけれども、全国的なやっぱりレベルというのは一つどうしても置かなければならないだろう。しかしながら、その実施に当たりましては、それぞれの地域の特性もございますから、地域の市町村においていろいろと配慮してやっていかなければならないような問題だろうと思っていますので、さらに実態に合うようにこれからも努力をしていくべきものだろう、こういうふうに考えているところでございます。
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村田敬次郎#11
○国務大臣(村田敬次郎君) 釘宮委員の御質問を先ほどから拝聴しておりまして、大変若々しい理想に燃えたいい考え方だと思っております。
 要は、中央政府は小さなしなやかな政府、地方政府は住民に直結したいろいろな生活関連のサービスをする政府という考え方でいいと思いますし、それから福祉、保育所その他全般についての御経験からのいろいろな実感というのはよくわかります。ただ、福祉行政はナショナルミニマムというものがありまして、これは大蔵大臣も御答弁されたように、全国的な基準は必要であります。それからまた、福祉行政についての各地方公共団体の過度のサービスというのは、これは控えなきゃいけないと思います。
 現在は生活大国の時代でありますから、いわゆる生活基盤の投資というものが非常に大事な時代になって、産業基盤整備よりも生活基盤整備というものがだんだんと進んでいかなきゃならない。そういった意味で、釘宮委員の心は、要は愛情を持って住民に接する、そしてこれからの政治行政をよくするということであろうと思いまして、こういった点は私は大賛成でありますから、地方自治の充実強化に向けて、また福祉施策の充実強化について、委員とともに努力をしてまいりたいと思います。
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岩本久人#12
○岩本久人君 林大蔵大臣のお隣、島根県選出の岩本でございます。大蔵大臣には初めて質問いたします。よろしくお願いいたします。
 さて私は、今ここに、昨年の五月二十八日に本委員会で行いました特別決議、題して「地方行財政の拡充強化に関する決議」というものを持っております。今ごらんのようでありますが、あえてさわりの部分だけちょっと読んでみたいと思うんです。
  政府は、地方行財政の課題に的確に対応するとともに、地方行財政の長期的な安定と発展を図り、もって地域の振興と地域福祉の増進を図るため、左記の事項について善処すべきである。
 一、地方交付税が、国と地方の事務分担、経費負担区分に基づき、国と地方との税源配分の一環として設けられている地方団体の固有の財源であることにかんがみ、国の財政事情の都合によってその税率の変更等を厳に行わないこと。
  また、地方交付税法附則第三条に基づく特例措置については、昭和五十九年度改正の経緯及び地方交付税制度の趣旨にかんがみ、地方交付税総額の安定的な確保に資する観点から、その慎重かつ適正な運用に努めること。
というのがあり、そして、第二が地方財政計画の
策定云々、三つ目は自治・分権云々ということが書いてありますが、大蔵大臣はこれをごらんになったことがありますか。
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林義郎#13
○国務大臣(林義郎君) 拝見させていただいておりますし、国会での御決議でございますから、政府の方からは自治大臣から「御趣旨を尊重し、善処してまいりたい」、こういうことで言っているわけでございますから、内閣の一体性として当然私たちも同じような考えであることは申し上げておいていいと思います。
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岩本久人#14
○岩本久人君 私がごらんになったことがありますかと言うのは、つい今し方、ここへ来る前にちらっと見たということじゃなくて、いつごろ見られましたかと。少なくとも地方財政計画の審議の前、議案をつくられる前ぐらいに見られたのか。今見たというんでは、これは私が言うところの見たことにならない。こういうことで、再度お願いいたします。
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林義郎#15
○国務大臣(林義郎君) この官報を見たのはそんなに昔じゃありませんけれども、内容的には大議論をされているところでございますし、かねがねこれは議論されているような諸問題でございますから、内容については承知をしているということでございます。
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岩本久人#16
○岩本久人君 それでは、この委員会決議は大蔵大臣にとってどのような意味を持つのか。位置づけはどうなっているのか。
 御案内のように、大蔵大臣ということになれば、G7から、私たちが予想をはるかに超える大変な仕事が次々に山積しておって、とてもそれは大変なお仕事だということを十分認識しているから聞いておるわけでありますが、そういう大蔵大臣の立場から見て、この決議はとても重要なものなのか、まあそれなりのものなのか、あるいはそれよりもっと下なのかというこの三つで分けると、どこのところに位置づけられますか。
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林義郎#17
○国務大臣(林義郎君) 三つに位置づけすることもございません。やはり国会の御決議でございますから、当時の自治大臣からも発言をしておりますように、「その御趣旨を尊重し、善処してまいりたい」、これがやっぱり政府の立場でございますから、その立場は当然に今の内閣としても継承してまいらなければならないものだ、こういうふうに考えておるところでございます。
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岩本久人#18
○岩本久人君 趣旨を尊重し善処というのはどこでも使われる言葉であり、それがどの程度の効果を発揮するのかということについても、ここにおる方全員が大体その程度と、こうわかることなんです、その中身というのは。
 それで、さっき大臣が言われた大議論されたことなのでというかなりの御関心と意欲と位置づけがあるのならば、なぜことしの地方財政計画がこういうことになっているのかということをどうしても問わなければならないということなんですね。
 例えば今ここに明確に書いてあることについてですが、ことしの地方財政計画ではどうなっているのか。今提案をしていただいて、今まさに審議をしておるこの中身はどうなっておるのかといいますと、あれほど厳に慎めと言われた特例措置を四千億円きっちり減額しておる。それから、附則第四条四項に基づく加算額合計三千二百九十四億円のうち実に二千九百二十四億円、ほとんど全部と言ってもいいほど、先送りをされている。それから、総額に加算することとしていた額の四千三百十七億円についても平成九年度以降というふうに先送りしておる。
 このようなことを思うと、大蔵大臣にとってこの委員会決議といったようなものはほとんど限りなくゼロに等しいという位置づけしか持ってもらっていないのではないかと危惧するわけですが、こういったことが現実に処理されておるということについて大蔵大臣はどのようなお考えを持っておられるか。また、それでいいのかどうか、大蔵大臣がおられる前で自治大臣の見解も聞いてみたいと思うんです。
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竹島一彦#19
○政府委員(竹島一彦君) 地方財政につきましては、まさに地方交付税法等の法律に基づいて毎年度自治省との間で協議が行われまして具体的な措置が決められているということでございます。五年度におきましては、御案内のような厳しい財政事情、これは国、地方を通じまして言えることでございますが、そういう中で、よりよい内容の施策をお互いにやっていかなきゃいかぬ、特に地方財政については円滑な運営が確保されなきゃならぬということで、五年度の予算編成に当たりましても大変濃密な協議が行われたわけでございます。
 御指摘の点でございますけれども、五年度に関しましては、これはいわゆる国の財政と地方財政の両方をよくにらみ合わせまして両方がうまくいくようにと、いわゆる公経済の車の両輪論に立ちまして交渉させていただきました結果、特例減額をさせていただくと。それは当然、その裏側といたしまして、五年度の地方交付税の総枠につきましてはお願い申し上げておりますような金額で何とかやっていける、こういうことでございまして、そういった協議の結果、特例減額ということをさせていただきました。
 それから、法定加算、特例加算等の後年度への繰り延べでございますけれども、これも同様に国の厳しい財政事情にかんがみまして、遺憾ながらと申し上げるべきでございますけれども、これも法律に基づきまして後年度に送らせていただいているということでございます。
 いずれにいたしましても、このようなぎりぎりの措置を講じまして、国の財政、地方財政の両方が何とか適正にいくようにということで講じられている措置というふうに御理解いただければ幸いと思います。
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岩本久人#20
○岩本久人君 あなた、名前は何というんですか。肩書は何ですか。私は大蔵大臣に質問したんですよ。
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竹島一彦#21
○政府委員(竹島一彦君) 地方財政担当の主計局次長の竹島でございます。
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岩本久人#22
○岩本久人君 それは大蔵大臣の代行ですか。何ですか。大蔵大臣に失礼じゃありませんか、私は大蔵大臣に質問したのに。
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林義郎#23
○国務大臣(林義郎君) ただいま主計局の次長が申しましたように、いろいろな点を配慮いたしまして予算を組んでいるところでございます。
 先ほど来御説明申し上げておりますように、公経済車の両輪のごとし、こういうことでいろいろと工面をしながらやってきておったところでございまして、私は決してこの決議を無視したり何かするというような感じでやっているところでは全然ございません。いろんな御決議がありますが、苦しい財政事情の中でどういうふうな形でやっていったならいいか、こういうことを考えながら検討しているところでございます。
 いろいろな点で、「慎重かつ適正な運用に努めること。」とか「厳に行わないこと。」とかいうようないろんな規定がありますから、そういったことを十分に考えまして配慮して今やっておるのが竹島君が御説明したところの話でございます。御理解を賜りたいと思います。
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村田敬次郎#24
○国務大臣(村田敬次郎君) 今岩本委員が御指摘になった平成四年五月二十八日の決議、これには諸先生の大変な願いとそして大きなねらいが込められておると思います。地方行政委員会はそういった意味で本当に長い間の労苦の積み重ねでございますので、きょうは大蔵大臣によくその話を聞いてもらう会だ、こういうふうに思って出席をしております。
 公経済の両翼という意味で、大蔵大臣の担う国家財政そして私の担っております地方財政、これは国家を成り立たせていくためによく御相談を申し上げて協力をし合わねばならない、こういう立場だと思っております。特に今は、本当に国家財政も地方財政も極めて厳しい状況でありますだけに、私どもは心を引き締めてしっかりと対応していかなきゃならぬ。地方行政委員会の委員の各位とともにそれをしっかりと進めていく決意でございます。
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岩本久人#25
○岩本久人君 自治大臣が今言われた、大蔵大臣にいろいろ意見を聞いてもらう場だと。それはそ
れなりにわからないではありませんが、ただ聞きおくでは困るんです。それで、大蔵大臣はいろいろ述べられて御理解を得たいと言われますが、理解できないから今質問しておるわけでございます。まだ審議中ですから、済んだわけではありません。まだ今後ともいろいろやりたいと思っております。あしたも含めて。
 それで、私が一番言いたいのは、全く責任のないところで、次々大臣が交代される。大蔵大臣は自治大臣ほどでないにしても、自治大臣の場合はこの四年間で五人がわっているわけですね。大蔵大臣は何回かわっておられるかわかりませんが、いずれにしても、重要な仕事をされるわけですが、ごく限られた期間で次々かわられる。だからせっかくの、例えばこういった特例減額なんかの問題でも、毎年自治大臣と大蔵大臣とで今後このことがないように、ことしのことは前例にしないといったような意味のことを書きながら、決議というものもなされておるわけでありますが、結果としては、例えばと言ってさっき言ったようなこと等について約束がほごにされているということをとても残念に思うという立場から質問させていただきました。
 ことしも今のところ、見通しとしてはあした委員会決議をやるように各会派で鋭意相談中でありますが、この委員会決議を完成させるためには大変なエネルギーが実は要るんです、それぞれがそれぞれの主張を持って政党が出ておるわけですから。それを全会一致で一つの決議をつくるということの意味はとても大きいんです。重たいんです。どうか、来年のときにもまた同じことを聞かせないようにきっちり対応してもらいたいということを特に要望しておきます。
 時間がだんだんなくなりますが、もう一つ、附帯決議の中にあることで交付税の特別会計への直入の問題があるんです。これはどういうことになっておるんですか。これは無理に大蔵大臣でなくてもいいですが、よろしくお願いいたします。
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林義郎#26
○国務大臣(林義郎君) 直入の問題につきましてはこの二にございまして、「繰り入れる制度を積極的に検討する」という表現をいただいております。まさに私は積極的に検討はいたしておるわけでございますが、この制度はいろいろと長い経緯があることは先生先刻御承知のとおりでございまして、交付税の特会が二十九年にできましてからずっと続いている制度でございまして、いろいろな問題があるところでございます。
 あえて申し上げますと、現行方式の中では短所ばっかしではありませんで長所もあるわけでございまして、歳入面では、税制の根幹をなす所得税、法人税等の税負担の状況、また歳出面では、中央、地方相互間の財源配分の状況を一覧性のある格好で示すことができる。そういったことによりまして、国及び地方を通ずるところの財政運営の総合的調整を図るために有効な資料を提出することができるということでございます。
 また、交付税特会へ直入するということになりますと、交付時期につきましても実際に税の収納をいたしましたものしか払えないなどというような状況もあるわけでございまして、そういった点で地方財政に与えるところの影響も少なくないんだろうと思っているところでございます。私どもの方は、なかなかこの問題は難しいけれども積極的に検討しろと、こういうふうな決議でございますから、さらに検討はいたしてみたい、こういうところでございます。
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岩本久人#27
○岩本久人君 申し述べられました二つの理由はそれぞれ反論がすぐできるんです。一般会計だけじゃなくて特別会計も一緒に見ればすぐわかることであるし、地方団体が一時的な借り入れをするということは日常茶飯にやっているわけですから、そうすれば後段のことについてもクリアできる、こういうことです。それをやりとりしとってもしようがありません。さらに検討せいということなら検討するということをおっしゃいましたから、では検討された結果来年度以降どうなるかということをしっかり見きわめていきたいと思っておりますので、お願いいたします。
 ところで、昨年度のここの委員会における議論で、なぜ八千五百億特例減額がといったときに、地方財政余剰論というのがあったわけであります。このことについては、昨年も大蔵大臣に来てもらっていろんなことをする中で、確かに余剰という言葉は適当でないかもわからないということで、衆参の委員会におけるいろいろな議論を踏まえた上で平成五年度の地方財政計画については書き方をちょっと検討してみたい、こう言っておられますが、では、五年度はどういうスタンスでやられたのか、お伺いしたいと思います。
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林義郎#28
○国務大臣(林義郎君) 何か財源余剰ということが昨年、その前からいろいろと御議論があった、このように拝見しております。
 私は、国の財政、地方の財政それぞれありまして、車の両輪というような格好でバランスをとってやらなければ公経済全体がおかしくなるであろう、こういうふうな基本的な考え方を持っておりまして、特に地方が余剰といいますと何か金が余っているというような語弊があるのでということだろうと思いますが、そういったことではなくて、地方財政の収入見通しをいたしますと歳入が歳出を大幅に超過している状況であったというのをそういった余剰という言葉で言ったんだろうと思うんです。余剰というと何か余って余ってしょうがない、どこでもというような感じが出ているんだろうと思いますから、そういった点でおかしかったということがあれば、それは私は明らかにそうだろうと、こう思います。
 いずれにいたしましても、今回は表現を変えまして、公経済を担う車の両輪としての立場という形で財投計画その他におきましても御説明をしているところでございます。御審議のいろいろなことを頭に置きながらこういうふうな形にしたところでございます。
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岩本久人#29
○岩本久人君 今、大臣が言われたいわゆる公経済バランス論というのは、いろいろな解釈をしている人もありますが、少なくともそれが成り立つ大前提は、私はいわゆる国と地方というものが完全にいろんな意味で対等の立場にあるということでなければならないと思うんです。しかし、御案内のように、極度な一極集中の中で、ではそれが可能かといえば、とてもそのようなことになっていないというのが現実です。
 さっき釘宮議員さんも言われましたが、この間の久世委員の言っておられた、私はあのときには、国がお父さんで自治省がお母さんで子供が地方だと、このように聞いておったんですが、そうじゃなかったですか。そうしたら大蔵省がお父さんで自治省がお母さんでということのようなんですが、いずれにしても、私はそういった議論を是としないんです。子供が地方では困るんです。それが反対、まあ反対というのもおかしいですが、そういう比較論自体に非常に疑問が残るということなんです。
 いずれにしても、公経済バランス論の大前提としては、何度も言って恐縮ですが、いろんな意味で対等な関係というものが堅持されているということなくしてそれは成り立たないと思っておるんです。細かいことを言えばたくさんあるわけですが、時間がありませんので、その点についてどのようにお考えか、大蔵大臣と自治大臣のお考えを聞きたいと思います。
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