税制改革に関する特別委員会公聴会
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会
会議録情報#0
平成六年十一月七日(月曜日)
午前十時開議
出席委員
委員長 高鳥 修君
理事 石原 伸晃君 理事 江藤 隆美君
理事 中馬 弘毅君 理事 町村 信孝君
理事 加藤 六月君 理事 津島 雄二君
理事 二見 伸明君 理事 早川 勝君
甘利 明君 金子 一義君
岸田 文雄君 栗原 裕康君
塩谷 立君 谷 洋一君
西田 司君 野田 実君
藤井 孝男君 穂積 良行君
堀之内久男君 山中 貞則君
安倍 基雄君 石田 勝之君
今井 宏君 上田 清司君
太田 誠一君 北側 一雄君
北橋 健治君 佐藤 静雄君
須藤 浩君 竹内 譲君
谷口 隆義君 村井 仁君
山本 幸三君 山本 孝史君
吉田 公一君 伊東 秀子君
池田 隆一君 北沢 清功君
永井 哲男君 渡辺 嘉藏君
五十嵐ふみひこ君 田中 甲君
穀田 恵二君 佐々木陸海君
出席公述人
慶応義塾大学経
済学部教授 島田 晴雄君
一橋大学経済研
究所教授 高山 憲之君
福井県知事 栗田 幸雄君
慶応義塾大学総
合政策学部教授 丸尾 直美君
日本労働組合総
連合会総合政策
局長 中川 宏一君
社団法人日本自
動車連盟専務理
事 犬丸 令門君
委員外の出席者
地方行政委員会
調査室長 前川 尚美君
大蔵委員会調査
室長 中川 浩扶君
―――――――――――――
本日の公聴会で意見を聞いた案件
所得税法及び消費税法の一部を改正する法律の
施行等による租税収入の減少を補うための平成
六年度から平成八年度までの公債の発行の特例
等に関する法律案(内閣提出第二号)
所得税法及び消費税法の一部を改正する法律案
(内閣提出第三号)
平成七年分所得税の特別減税のための臨時措置
法案(内閣提出第四号)
地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提出
第五号)
――――◇―――――
この発言だけを見る →午前十時開議
出席委員
委員長 高鳥 修君
理事 石原 伸晃君 理事 江藤 隆美君
理事 中馬 弘毅君 理事 町村 信孝君
理事 加藤 六月君 理事 津島 雄二君
理事 二見 伸明君 理事 早川 勝君
甘利 明君 金子 一義君
岸田 文雄君 栗原 裕康君
塩谷 立君 谷 洋一君
西田 司君 野田 実君
藤井 孝男君 穂積 良行君
堀之内久男君 山中 貞則君
安倍 基雄君 石田 勝之君
今井 宏君 上田 清司君
太田 誠一君 北側 一雄君
北橋 健治君 佐藤 静雄君
須藤 浩君 竹内 譲君
谷口 隆義君 村井 仁君
山本 幸三君 山本 孝史君
吉田 公一君 伊東 秀子君
池田 隆一君 北沢 清功君
永井 哲男君 渡辺 嘉藏君
五十嵐ふみひこ君 田中 甲君
穀田 恵二君 佐々木陸海君
出席公述人
慶応義塾大学経
済学部教授 島田 晴雄君
一橋大学経済研
究所教授 高山 憲之君
福井県知事 栗田 幸雄君
慶応義塾大学総
合政策学部教授 丸尾 直美君
日本労働組合総
連合会総合政策
局長 中川 宏一君
社団法人日本自
動車連盟専務理
事 犬丸 令門君
委員外の出席者
地方行政委員会
調査室長 前川 尚美君
大蔵委員会調査
室長 中川 浩扶君
―――――――――――――
本日の公聴会で意見を聞いた案件
所得税法及び消費税法の一部を改正する法律の
施行等による租税収入の減少を補うための平成
六年度から平成八年度までの公債の発行の特例
等に関する法律案(内閣提出第二号)
所得税法及び消費税法の一部を改正する法律案
(内閣提出第三号)
平成七年分所得税の特別減税のための臨時措置
法案(内閣提出第四号)
地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提出
第五号)
――――◇―――――
高
高鳥修#1
○高鳥委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、所得税法及び消費税法の一部を改正する法律の施行等による租税収入の減少を補うための平成六年度から平成八年度までの公債の発行の特例等に関する法律案、所得税法及び消費税法の一部を改正する法律案、平成七年分所得税の特別減税のための臨時措置法案、地方税法等の一部を改正する法律案の各案について公聴会を開きます。
この際、御出席の公述人各位に一言ごあいさつを申し上げます。
公述人各位におかれましては、御多用中のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。審査中の各案に対する御意見を拝聴し、審査の参考にいたしたいと存じますので、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。
なお、御意見は、島田公述人、高山公述人、栗田公述人、丸尾公述人、中川公述人、犬丸公述人の順序で、お一人十五分程度お述べいただき、その後、委員からの質疑に対してお答えをいただきたいと存じます。
また、公述人は委員に対して質疑をすることができないことになっておりますので、あらかじめ御承知おきください。
それでは、最初に島田公述人からお願いをいたします。
この発言だけを見る →内閣提出、所得税法及び消費税法の一部を改正する法律の施行等による租税収入の減少を補うための平成六年度から平成八年度までの公債の発行の特例等に関する法律案、所得税法及び消費税法の一部を改正する法律案、平成七年分所得税の特別減税のための臨時措置法案、地方税法等の一部を改正する法律案の各案について公聴会を開きます。
この際、御出席の公述人各位に一言ごあいさつを申し上げます。
公述人各位におかれましては、御多用中のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。審査中の各案に対する御意見を拝聴し、審査の参考にいたしたいと存じますので、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。
なお、御意見は、島田公述人、高山公述人、栗田公述人、丸尾公述人、中川公述人、犬丸公述人の順序で、お一人十五分程度お述べいただき、その後、委員からの質疑に対してお答えをいただきたいと存じます。
また、公述人は委員に対して質疑をすることができないことになっておりますので、あらかじめ御承知おきください。
それでは、最初に島田公述人からお願いをいたします。
島
島田晴雄#2
○島田公述人 ただいま御紹介にあずかりました島田でございます。
早速、今次税制改革について所見を申し上げたいと思います。
大きく二つに分けて申し上げたいと思いますが、一つは、今次税制改革の関連法案についての評価、いま一つは、今次税制改革が直面している課題の本質的な意味といいますか、本格的に取り組むべき課題といいますか、そういったことについて申し上げたいと思います。
まず、評価については三点ほど申し上げたいと思いますが、一つは、所得税及び個人住民税の改正について、いわゆる制度減税でございます。
現行の所得税の税率構造が、中堅所得層の階層の税率の急勾配がある、つまり限界税率が非常に高くなっていくということが勤労意欲を阻害するという懸念があったことはつとに指摘されておるところでありますが、今回税率ブラケットを拡大するという形で中堅所得層の限界税率の上昇をある程度抑制したということは、働きがいを確保するという意味でそれなりに評価できるというふうに思います。
他方、消費税率の引き上げということもありまして、低所得者層への影響を配慮するということから課税の最低限を引き上げておりますが、私は、個人的な意見としては、税は本来万民が広く負担すべきものだというふうに考えておりますけれども、これによって約一兆円程度の減収に抑えているということはそれなりに評価ができるのではないかと思います。
第二番目に、消費税の改革について申し上げたいと思います。
消費税の改革について、その前提条件として大きな問題となっておりますのは益税問題でございます。この益税問題にかかわる不公平がつとに指摘されておりますが、消費税を導入した際の社会的な抵抗感を和らげるために、便宜的な措置で幾つかの措置が導入されておったわけでありますが、このことが不公平であるということで、消費税に関する信頼について大きな問題がございました。
消費税率を上げていくというようなことを展望いたしますと、この問題はとりわけ重要な問題になろうかと思いますが、今回の改正では、限界控除制度を廃止する、簡易課税制度適用の上限を四億円から二億円に引き下げる、免税点制度について、特に新規法人の条件をやや厳しくするといったようなことで改善を試みているのは評価できます。
私の個人的な見方としては、もっとこれは厳格にしてもいいのではないか、とりわけ免税点制度の中身の問題、業者番号つきの税額票を導入するといったようなことまで考えてもよかったのではないかと思いますが、しかし、一応評価できるというふうに思います。
また、もう一つの重要な問題であります消費税率でございますが、平成九年の四月から四%にする、それから地方消費税を加えると五%ということになるわけですが、まず、所得税の減税と消費税の税率引き上げについての一体的な法案化をするということになったことについては、私は大いに評価をしたいというふうに思います。民主主義の政治体制というのは税制改革については非常に難しいものを含んでいるというのは、先生方だれよりもよく御存じだと思いますが、選挙民に負担の増加を受け入れてもらうということがどれだけ難しいかということがございます。その意味で、この一体処理というのは極めて重要な決断であったというふうに思います。
しかし、税率そのものについては今回はこういうことでございますが、将来の税率をどう定めるかについてはまだまだ多くの検討を要すべき課題があるのではないかと思います。適切な税率は何なのかということについて幾つかの条件を明確にしておかなくてはならないかと思います。
一つは、経済成長がどうなるか、それをどう見るかということでございますが、今回の特別減税をどのように扱うかといった問題もこれに密接にかかわります。
また、大きな問題として、国民の共感、賛同を得るために、とりわけ行政改革ということが重要でございます。どれだけ歳費の削減ができるのか、これを国民は注視をしているわけでございまして、全力でこれは進めていただきたいというふうに思います。
それから、高齢化社会に備えてどれだけの社会的費用がかかっていくのかということについてもまだまだ検討の余地があろうかと思います。後段、申し上げたいと思います。
そして、もう一つ触れておきたいのは、公共投資の財源をどのようにするのかということでございます。今後十年間で六百二十兆円という大枠が出ておりますけれども、これをどうするのか。こういった条件というものを大いに議論をして、明確にルールを定めていただきたい。これは国民全体が望んでいることではないかというふうに思います。
三番目のポイントは、地方消費税の創設に関してでございますが、消費税額の二五%を地方消費税とするということで、今回四%ということになりますと、一%が地方消費税に回るということでございますが、まあ地方分権が重要であるということが言われております。その真意は、責任のある地方自治を実現することだというふうに私は考えておりますけれども、地方自治体が独自の裁量で安定した税源を確保するということはそれなりに望ましいのではないか。
ただ、地方分権、責任ある地方自治というものを支える税制のあり方として、本来これが長期的な意味でベストかどうかというと、私は個人的には、地方自治体の公共サービスの質を反映するような付加価値に基づいた税といいますか、含めて、事業税をもっと検討する必要があろうかと思いますし、固定資産税のあり方、住民税とのバランス、こういったものを総合的に将来は大いに検討する余地があるのではないかというふうに思います。
ただ、今次の税制改革は、今申し上げたような三点ほどの理由でそれなりに評価をできる、重要な一歩ではないかというふうに思います。
さて、第二番目の大きな話題に入りたいと思いますが、本質的な課題として、一体この税制改革に求められているものは何なのかということでございます。それは一言で言えば、高齢化が進み、産業空洞化が懸念されるようなこういう経済社会状況の中で、いかに活力がある社会をつくるか、そして安心して暮らせる社会をつくるかということであろうかと思います。
この点に関して、本質的な問題として二点ほど指摘をしておきたいと思います。
第一点は、負担の公平公正ということでございます。
社会的な費用が高齢化に伴って非常にふえていくということは避けられません。それに応じて人々がより多くの負担をしていかなくてはならない、これはもう自明なことでございますが、その中でなお活力を維持していくためにはどうするかということで、一番重要なことは、負担が公平であり公正であるということであろうかと思います。
その意味で、今回の税制改革の中で、中堅所得層の負担が過度に高いのではないかという懸念が抱かれておって、そのことに関して、限界税率急上昇を抑制する手段がとられたということも一つでございますが、より大きな問題としては、世代間の不公平の問題、それから水平的な不公平、自営業者と給与所得者の間の不公平の問題といったような問題にどう取り組むかということでございます。
これまでのような所得税中心の税制でございますと、この矛盾と不公平は拡大する一方であったというふうに思います。そこで、消費税のような税の比重を高めていくということは、この矛盾を解決する、あるいは解決できないまでも緩和するという方向で大いに進めていく必要があることではないかというふうに思っております。
さらに言うならば、資産所得と勤労所得の不公平ということも将来考えていかなくてはならない。たまたまそこに土地を持っていたから、あるいは親から遺産相続を受けたからというような所得で朝からゴルフをしても大丈夫というような人々と、額に汗して働く人々との間の格差が税制上あるというようなことがあると、これは将来の日本の社会の活力として大変な問題でございます。この問題は、土地税制、相続税、これらを含めた資産税制の問題だと思っておりますが、本日の課題ではないと思いますので、しかしながら将来これは非常に大きな課題にならざるを得ないというふうに思います。
最後に申し上げたいのは、安心して暮らせる社会をどう築くかということに関して、社会保障の問題でございます。
今回の税制改革につきましては、緊急性の高い老人介護対策、少子化対策として〇・五兆ほど計上されているわけでございますけれども、先生方よく御存じのように、本年三月に発表されました厚生省の福祉ビジョン、これはこういった問題に関しての公的な非常に数少ない数量的な手がかりの一つということが言えようかと思います。これは、今の社会保障体制をいかに改善していくかということについて幾つかのケースを挙げているわけでございますが、その中でよく使われておりますのはケースの1というものでございます。
これについては三つのポイントがございまして、一つは、先般成立いたしました年金改革法の中に含まれておりますように、これまで名目所得にスライドしていた年金のスライドをネット所得にスライドさせるという制度の合理化、これは大変重要な合理化でございます。それから医療の効率化。それから福祉については、これまで以上に介護対策、少子化対策を充実させる、こういう方向で組まれたケースでございます。
この方向性は大変よろしいんでございますけれども、税制の議論でさんざん問題になりましたのは、二〇〇〇年といったあたりをターゲットにいたしますと、こういうことを実現していくだけでも、公費負担の増加分が現状の数字で評価いたしまして五・五兆ぐらいの負担増になる、これをどうするのかということでございます。
この点が税制改革との関係で非常に議論されたわけでございますが、このビジョンそのものはむしろ二〇〇〇年よりもターゲットを二〇二五年あたりに、高齢化のピークに置いておりまして、そのときの社会保障の給付費の国民所得比は、現在が一六%ぐらいであるとしますと二八%にもなるという大変な問題を提起していたわけでございます。
こういった問題をどのように、負担をどのように賄っていくのかということが非常に大きな問題でございまして、少し落ちついて考えるとわかるんですが、これはとても消費税の増額で賄えるような問題ではないのではないかと思います。
一橋大学の野口悠紀雄教授が、消費税で賄うなら二けたの消費税にしなければならない、こういうことを言っておられますが、単純に考えるとそういうことになります。したがって、野口先生のような方は、土地資産を活用したいわばリバースモーゲージといいますか、武蔵野市なんかで行われている方法もその一つだと思いますが、そういったことをやってはどうかというくらいの提言をしているわけでございます。
そういったことを考えますと、本当にこの社会保障で安心して暮らせる社会を制度的に構築するとなるとどうしたらいいのかという問題が、税制との絡みではまだ、私は大変評価できる一歩だと申し上げましたが、もっと実は国民の関心からすれば議論を詰めていただきたい、こういう感じがいたします。
年金について言いますと、年金は積立方式で、保険ではございますけれども、事実上大部分が次の世代に賦課をする賦課方式になっているのは万人承知しているところでございます。とすれば、これは事実上の税金でございまして、請求権があるとはいっても、基礎年金部分についてはそれは請求権があるでしょうけれども、報酬比例部分についてまで、請求権がもちろんあるんでしょうけれども、将来の世代との関連でそれが納得させられるものなのか、将来世代が十分にそれを負担しましょうと言ってくれるものなのか、もう一つ明らかでないところが残るんではないかと思います。
したがって、そんなことも考えますと、少なくとも基礎年金部分についてはシビルミニマムでございますから、事実上の税金として負担することはこれは動かしがたいわけですが、報酬比例部分のようなものについてはもっと自助努力があってもいいのかな、私的年金というようなことももっとあってもいいのかなというふうに思います。それこそ土地資産の流動化というようなことまでも含めて考えなくてはならないのではないかとすら思います。
また、医療につきましては、老人医療費が非常に高額になるということは周知のことでございますが、これについてももっともっと創造的な改革の余地はないのかなというふうに思います。
最後に、福祉でございますが、福祉の最大の問題点は、これが税金で賄われていることでございまして、公的福祉が。したがって、措置主義ということになります。そうしますと、どうしてもセーフティーネットが優先する。そうしますと、これはこれで重要なことなんですが、一般の普通の所得を持っている人たちのアクセスが、特に都会地では公的福祉に対するアクセスが極めて限られてくるという現実がございます。
したがって、これをどうするのか。これをすべて公的な施設の拡充で賄おうとすれば、野口先生が言うように二けたということになってきますでしょうし、介護保険ということも本格的に考えなくてはならないかもしれない。しかし、とにかく民間の活力を導入するということが重要だろうと思います。そして、特にマンパワーをどう確保するのか、どういうふうな制度整備をしていくのかということが大きな問題でございます。
このように考えますと、厚生省のビジョンは非常に重要な手がかりではございますが、唯一の考え方ではないというふうに思います。したがって、公的負担を重視して、そこに軸足を置いた福祉を展開するのか、あるいは自助努力をもっと重視した形で軸足を展開するのか、あるいはもっとこれまでとは違った社会的な仕組みというようなことを考えるのかといったような問題をぜひ先生方に徹底的に議論をしていただいて、その中で根本理念の違いも浮き上がらせていただきたい、そういう中で国民に選択肢を与えていただきたい、このように思います。
今回の税制改革は、私は、繰り返して申し上げますが、大変難しい状況の中で大変重要な第一歩であったというふうに評価させていただきますが、しかし、非常に大きな問題は将来に幾つも残しておかれたという感じがいたします。そういう意味で、皮肉ですけれども、そういう意味でも重要な一歩であるというふうに思います。大いに頑張っていただきたいと思います。
どうもありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →早速、今次税制改革について所見を申し上げたいと思います。
大きく二つに分けて申し上げたいと思いますが、一つは、今次税制改革の関連法案についての評価、いま一つは、今次税制改革が直面している課題の本質的な意味といいますか、本格的に取り組むべき課題といいますか、そういったことについて申し上げたいと思います。
まず、評価については三点ほど申し上げたいと思いますが、一つは、所得税及び個人住民税の改正について、いわゆる制度減税でございます。
現行の所得税の税率構造が、中堅所得層の階層の税率の急勾配がある、つまり限界税率が非常に高くなっていくということが勤労意欲を阻害するという懸念があったことはつとに指摘されておるところでありますが、今回税率ブラケットを拡大するという形で中堅所得層の限界税率の上昇をある程度抑制したということは、働きがいを確保するという意味でそれなりに評価できるというふうに思います。
他方、消費税率の引き上げということもありまして、低所得者層への影響を配慮するということから課税の最低限を引き上げておりますが、私は、個人的な意見としては、税は本来万民が広く負担すべきものだというふうに考えておりますけれども、これによって約一兆円程度の減収に抑えているということはそれなりに評価ができるのではないかと思います。
第二番目に、消費税の改革について申し上げたいと思います。
消費税の改革について、その前提条件として大きな問題となっておりますのは益税問題でございます。この益税問題にかかわる不公平がつとに指摘されておりますが、消費税を導入した際の社会的な抵抗感を和らげるために、便宜的な措置で幾つかの措置が導入されておったわけでありますが、このことが不公平であるということで、消費税に関する信頼について大きな問題がございました。
消費税率を上げていくというようなことを展望いたしますと、この問題はとりわけ重要な問題になろうかと思いますが、今回の改正では、限界控除制度を廃止する、簡易課税制度適用の上限を四億円から二億円に引き下げる、免税点制度について、特に新規法人の条件をやや厳しくするといったようなことで改善を試みているのは評価できます。
私の個人的な見方としては、もっとこれは厳格にしてもいいのではないか、とりわけ免税点制度の中身の問題、業者番号つきの税額票を導入するといったようなことまで考えてもよかったのではないかと思いますが、しかし、一応評価できるというふうに思います。
また、もう一つの重要な問題であります消費税率でございますが、平成九年の四月から四%にする、それから地方消費税を加えると五%ということになるわけですが、まず、所得税の減税と消費税の税率引き上げについての一体的な法案化をするということになったことについては、私は大いに評価をしたいというふうに思います。民主主義の政治体制というのは税制改革については非常に難しいものを含んでいるというのは、先生方だれよりもよく御存じだと思いますが、選挙民に負担の増加を受け入れてもらうということがどれだけ難しいかということがございます。その意味で、この一体処理というのは極めて重要な決断であったというふうに思います。
しかし、税率そのものについては今回はこういうことでございますが、将来の税率をどう定めるかについてはまだまだ多くの検討を要すべき課題があるのではないかと思います。適切な税率は何なのかということについて幾つかの条件を明確にしておかなくてはならないかと思います。
一つは、経済成長がどうなるか、それをどう見るかということでございますが、今回の特別減税をどのように扱うかといった問題もこれに密接にかかわります。
また、大きな問題として、国民の共感、賛同を得るために、とりわけ行政改革ということが重要でございます。どれだけ歳費の削減ができるのか、これを国民は注視をしているわけでございまして、全力でこれは進めていただきたいというふうに思います。
それから、高齢化社会に備えてどれだけの社会的費用がかかっていくのかということについてもまだまだ検討の余地があろうかと思います。後段、申し上げたいと思います。
そして、もう一つ触れておきたいのは、公共投資の財源をどのようにするのかということでございます。今後十年間で六百二十兆円という大枠が出ておりますけれども、これをどうするのか。こういった条件というものを大いに議論をして、明確にルールを定めていただきたい。これは国民全体が望んでいることではないかというふうに思います。
三番目のポイントは、地方消費税の創設に関してでございますが、消費税額の二五%を地方消費税とするということで、今回四%ということになりますと、一%が地方消費税に回るということでございますが、まあ地方分権が重要であるということが言われております。その真意は、責任のある地方自治を実現することだというふうに私は考えておりますけれども、地方自治体が独自の裁量で安定した税源を確保するということはそれなりに望ましいのではないか。
ただ、地方分権、責任ある地方自治というものを支える税制のあり方として、本来これが長期的な意味でベストかどうかというと、私は個人的には、地方自治体の公共サービスの質を反映するような付加価値に基づいた税といいますか、含めて、事業税をもっと検討する必要があろうかと思いますし、固定資産税のあり方、住民税とのバランス、こういったものを総合的に将来は大いに検討する余地があるのではないかというふうに思います。
ただ、今次の税制改革は、今申し上げたような三点ほどの理由でそれなりに評価をできる、重要な一歩ではないかというふうに思います。
さて、第二番目の大きな話題に入りたいと思いますが、本質的な課題として、一体この税制改革に求められているものは何なのかということでございます。それは一言で言えば、高齢化が進み、産業空洞化が懸念されるようなこういう経済社会状況の中で、いかに活力がある社会をつくるか、そして安心して暮らせる社会をつくるかということであろうかと思います。
この点に関して、本質的な問題として二点ほど指摘をしておきたいと思います。
第一点は、負担の公平公正ということでございます。
社会的な費用が高齢化に伴って非常にふえていくということは避けられません。それに応じて人々がより多くの負担をしていかなくてはならない、これはもう自明なことでございますが、その中でなお活力を維持していくためにはどうするかということで、一番重要なことは、負担が公平であり公正であるということであろうかと思います。
その意味で、今回の税制改革の中で、中堅所得層の負担が過度に高いのではないかという懸念が抱かれておって、そのことに関して、限界税率急上昇を抑制する手段がとられたということも一つでございますが、より大きな問題としては、世代間の不公平の問題、それから水平的な不公平、自営業者と給与所得者の間の不公平の問題といったような問題にどう取り組むかということでございます。
これまでのような所得税中心の税制でございますと、この矛盾と不公平は拡大する一方であったというふうに思います。そこで、消費税のような税の比重を高めていくということは、この矛盾を解決する、あるいは解決できないまでも緩和するという方向で大いに進めていく必要があることではないかというふうに思っております。
さらに言うならば、資産所得と勤労所得の不公平ということも将来考えていかなくてはならない。たまたまそこに土地を持っていたから、あるいは親から遺産相続を受けたからというような所得で朝からゴルフをしても大丈夫というような人々と、額に汗して働く人々との間の格差が税制上あるというようなことがあると、これは将来の日本の社会の活力として大変な問題でございます。この問題は、土地税制、相続税、これらを含めた資産税制の問題だと思っておりますが、本日の課題ではないと思いますので、しかしながら将来これは非常に大きな課題にならざるを得ないというふうに思います。
最後に申し上げたいのは、安心して暮らせる社会をどう築くかということに関して、社会保障の問題でございます。
今回の税制改革につきましては、緊急性の高い老人介護対策、少子化対策として〇・五兆ほど計上されているわけでございますけれども、先生方よく御存じのように、本年三月に発表されました厚生省の福祉ビジョン、これはこういった問題に関しての公的な非常に数少ない数量的な手がかりの一つということが言えようかと思います。これは、今の社会保障体制をいかに改善していくかということについて幾つかのケースを挙げているわけでございますが、その中でよく使われておりますのはケースの1というものでございます。
これについては三つのポイントがございまして、一つは、先般成立いたしました年金改革法の中に含まれておりますように、これまで名目所得にスライドしていた年金のスライドをネット所得にスライドさせるという制度の合理化、これは大変重要な合理化でございます。それから医療の効率化。それから福祉については、これまで以上に介護対策、少子化対策を充実させる、こういう方向で組まれたケースでございます。
この方向性は大変よろしいんでございますけれども、税制の議論でさんざん問題になりましたのは、二〇〇〇年といったあたりをターゲットにいたしますと、こういうことを実現していくだけでも、公費負担の増加分が現状の数字で評価いたしまして五・五兆ぐらいの負担増になる、これをどうするのかということでございます。
この点が税制改革との関係で非常に議論されたわけでございますが、このビジョンそのものはむしろ二〇〇〇年よりもターゲットを二〇二五年あたりに、高齢化のピークに置いておりまして、そのときの社会保障の給付費の国民所得比は、現在が一六%ぐらいであるとしますと二八%にもなるという大変な問題を提起していたわけでございます。
こういった問題をどのように、負担をどのように賄っていくのかということが非常に大きな問題でございまして、少し落ちついて考えるとわかるんですが、これはとても消費税の増額で賄えるような問題ではないのではないかと思います。
一橋大学の野口悠紀雄教授が、消費税で賄うなら二けたの消費税にしなければならない、こういうことを言っておられますが、単純に考えるとそういうことになります。したがって、野口先生のような方は、土地資産を活用したいわばリバースモーゲージといいますか、武蔵野市なんかで行われている方法もその一つだと思いますが、そういったことをやってはどうかというくらいの提言をしているわけでございます。
そういったことを考えますと、本当にこの社会保障で安心して暮らせる社会を制度的に構築するとなるとどうしたらいいのかという問題が、税制との絡みではまだ、私は大変評価できる一歩だと申し上げましたが、もっと実は国民の関心からすれば議論を詰めていただきたい、こういう感じがいたします。
年金について言いますと、年金は積立方式で、保険ではございますけれども、事実上大部分が次の世代に賦課をする賦課方式になっているのは万人承知しているところでございます。とすれば、これは事実上の税金でございまして、請求権があるとはいっても、基礎年金部分についてはそれは請求権があるでしょうけれども、報酬比例部分についてまで、請求権がもちろんあるんでしょうけれども、将来の世代との関連でそれが納得させられるものなのか、将来世代が十分にそれを負担しましょうと言ってくれるものなのか、もう一つ明らかでないところが残るんではないかと思います。
したがって、そんなことも考えますと、少なくとも基礎年金部分についてはシビルミニマムでございますから、事実上の税金として負担することはこれは動かしがたいわけですが、報酬比例部分のようなものについてはもっと自助努力があってもいいのかな、私的年金というようなことももっとあってもいいのかなというふうに思います。それこそ土地資産の流動化というようなことまでも含めて考えなくてはならないのではないかとすら思います。
また、医療につきましては、老人医療費が非常に高額になるということは周知のことでございますが、これについてももっともっと創造的な改革の余地はないのかなというふうに思います。
最後に、福祉でございますが、福祉の最大の問題点は、これが税金で賄われていることでございまして、公的福祉が。したがって、措置主義ということになります。そうしますと、どうしてもセーフティーネットが優先する。そうしますと、これはこれで重要なことなんですが、一般の普通の所得を持っている人たちのアクセスが、特に都会地では公的福祉に対するアクセスが極めて限られてくるという現実がございます。
したがって、これをどうするのか。これをすべて公的な施設の拡充で賄おうとすれば、野口先生が言うように二けたということになってきますでしょうし、介護保険ということも本格的に考えなくてはならないかもしれない。しかし、とにかく民間の活力を導入するということが重要だろうと思います。そして、特にマンパワーをどう確保するのか、どういうふうな制度整備をしていくのかということが大きな問題でございます。
このように考えますと、厚生省のビジョンは非常に重要な手がかりではございますが、唯一の考え方ではないというふうに思います。したがって、公的負担を重視して、そこに軸足を置いた福祉を展開するのか、あるいは自助努力をもっと重視した形で軸足を展開するのか、あるいはもっとこれまでとは違った社会的な仕組みというようなことを考えるのかといったような問題をぜひ先生方に徹底的に議論をしていただいて、その中で根本理念の違いも浮き上がらせていただきたい、そういう中で国民に選択肢を与えていただきたい、このように思います。
今回の税制改革は、私は、繰り返して申し上げますが、大変難しい状況の中で大変重要な第一歩であったというふうに評価させていただきますが、しかし、非常に大きな問題は将来に幾つも残しておかれたという感じがいたします。そういう意味で、皮肉ですけれども、そういう意味でも重要な一歩であるというふうに思います。大いに頑張っていただきたいと思います。
どうもありがとうございました。拍手
高
高
高山憲之#4
○高山公述人 高山でございます。
本日は、税制改革案につきまして意見を申し述べる機会に恵まれましたことを大変光栄に存じます。
今回の税制改革は、所得減税の恒久化を実現させる一方、消費税の定着に向けて第一歩を踏み出した点におきましてそれなりの評価に値する内容を有しております。取りまとめに当たった関係者の皆様方の労を歩といたしたく存じます。ただし、コメントすべき点も少なくございません。
以下、四つのポイントに絞って小生の所見を申し述べます。
第一点目。税負担は社会保険料負担とワンセットで考える必要がございます。
社会保険料は、強制徴収の対象となっており、税金と基本的に違いがございません。特に、年金保険料は拠出と給付の関係が一対一に対応しておらず、実質的にはそのときどきの高齢者の生活をサポートするための主要な財源として機能しております。民間保険の掛金とは明らかに性格が異なっております。負担する者にとって年金保険料の引き上げは増税と実質的に変わりがございません。今回、年金保険料をこの十一月分から引き上げることになりました。その引き上げに当たって税制改革との整合性を問題にする動きが国会内において全くなかったことはまことに遺憾でございます。
社会保険料をなぜ問題とするかと申し上げますと、社会保険料の方が消費税よりもはるかに逆進的であり、かつ経済成長の阻害度が大きいからでございます。また、今回の年金保険料引き上げにより、民間部門から政府部門へ平年度ベースで三兆円台の資金が移転いたします。恒久減税分の三兆五千億円はこの年金保険料の引き上げによってほとんど帳消しになってしまいます。今は景気回復を一層力強いものにすることが最も重要な経済政策のはずでございます。年金保険料の引き上げを考慮いたしますと、恒久減税分の規模に物足りなさを覚えざるを得ません。
さらに、税負担だけでなく、社会保険料も考慮する一方、年金給付や教育サービス、医療給付等の政府移転を含む再分配後所得を調べてみますと、最近では三十代が最も割を食う形になっております。厳しい生活を強いられているのは年齢別に見ると三十歳代でございます。出生率が低下し続け、早晩技術革新の担い手である若手の労働力が急激に減り始めると予想されている現在、中堅所得層だけでなく出産や子育てで苦労している者に対しても政策的に特別の配慮をするように切にお願い申し上げる次第でございます。
第二点目。消費税率五%の是非についてでございます。
日本の消費税には今のところ後ろめたさが何となくつきまとっております。いわば日陰者のような扱いになっており、正当な価値が認められておりません。しかし、消費税にはプラスの評価に値する点が幾つかございます。経済成長の阻害度が所得課税や社会保険料よりも小さいこと、ライフステージ別の負担が平準化し世代間負担が公平になること、税収の安定が期待できること等でございます。むしろ今後は消費税を税制の主要な柱の一つとして扱っていく必要がございます。
特に高齢化の進行に伴って発生する公的負担増につきましては、主たる財源を消費税に求めざるを得ません。今国会で成立いたしました年金改正法ではいわゆるネットスライド制が導入され、事実上費用負担原則が変わりました。高齢化に伴って発生する公的負担増は高齢者も現役と並んでひとしく引き受けていく、これが新しい負担原則でございます。日本共産党を除く全政党がこの新しい原則への切りかえを一致して支持なさいましたことは、まさに画期的でございます。税制におきましてもこの新原則をぜひとも御参照なさっていただきたく、切にお願いを申し上げる次第でございます。
今回、消費税の引き上げ幅は二%にとどめ、税率を五%にすることが提案されております。しかし、これでは所得課税偏重システムが依然として残ることになります。中堅所得層の減税も極めて不十分なものにならざるを得ません。年金保険料の引き上げで恒久減税分がほぼ相殺されてしまうことも先ほど申し上げたとおりでございます。恒久減税分を拡大することをさらに検討なさっていただけないでしょうか。
なお、五%の消費税ではこれから必要となる福祉財源を賄うことができません。将来の福祉ビジョンを早急に策定する一方、国際貢献等をも考慮に入れた新しい財政支出計画、財政ビジョンに基づいて消費税率の見直しを進めていただきたく存じます。
第三点。増税をする際には、あわせて財政のスリム化をさらに徹底して進めていただきたく存じます。
申し上げるまでもなく、増税に納得し、それを受け入れるためには二つの条件が必要でございます。一つは、財政支出が適正であること、もう一つは、負担が公平であることでございます。先般の消費税導入に際しましては財政支出の見直しか大規模に進められました。旧三公社の民営化を初めとする土光さんの臨調・行革路線に国民の広範な支持があり、行財政改革にそれなりの成果があったことは皆様御案内のとおりでございます。消費税率の引き上げに際しましても、財政のスリム化、財政支出における優先順位の変更を大胆に進めていただきたく存じます。これは国民すべての切なる願いであると存じます。
ところが、最近伝わってまいります話は、部分利益の代弁者が財政支出をふやすものばかりでございます。財政支出をスリムにする具体的な話はほとんど耳にいたしません。部分利益の代弁者ばかりが目立つ今日、社会全体の利益という観点から部分利益の相互調整を政治家の皆様に御期待申し上げることは無意味なことなのでしょうか。部分利益の代弁ばかりに熱中していますと財政支出の合理化は一向に進まないことになります。結果的に国民は公的な高負担を求められる一方、経済は停滞を余儀なくされます。やがて子供や孫の世代は親の世代より豊かになれなくなる、そういうおそれが強まってまいります。
現に、高福祉の先進国であるスウェーデンでは、経済が三年連続でマイナス成長となり、財政は事実上破綻いたしました。この七月には、スウェーデン最大の生命保険会社であるスカンディアが国の発行する国債の引き受けを拒否するという悲しむべき事態にまで至ってしまいました。
現在の政治システムでは、未来世代の利害が正しく反映されておりません。自分の子供や孫の世代の負担にぜひとも思いをはせていただき、財政支出のスリム化に積極的に取り組んでいただきたく存じます。
例えば、個別の財政支出を拡大なさる場合、原則として他の具体的な支出項目をどれだけスリムにするかということとワンセットにして御提案なさるという方法もございます。それを政治家の皆様の新しい行動原則としてお考えいただけないでしょうか。過去において意味のあった財政支出であっても、時代の流れの中でその存在意義を低下させたり喪失させたりしているものが少なくございません。財政支出の部分的スクラップ化は財政合理化のために避けて通れません。それは政治家の皆様の重要な責務の一つだと存じます。皆様方の間で財政支出合理化競争を御展開なさっていただけないでしょうか。
申し上げるまでもなく、財政支出の裏側には財政負担が必ずついて回ります。財政支出を拡大する際には、その財源を増税で賄うのか、経費の節減で賄うのかを同時に御議論なさっていただきたい。財政支出の拡大を痛みなしで約束することはもうやめていただきたいと存じます。
第四点目。公的負担の公平化をさらに進めていただきたく存じます。
まず、資産課税の強化でございます。
相続税につきましては、税負担の軽減に向けた大合唱ばかりが聞こえてまいりますが、相続税を減税いたしますと、減税分は所得課税や消費税を増税して穴埋めせざるを得ません。相続税を減税することは、所得税や消費税を増税することと結局同じです。現行の所得課税偏重システムを改めるためには相続税を増税することが不可欠です。また、地方住民税の負担を軽減するためには固定資産税を強化する必要がございます。さらに、資産課税の強化に当たっては、納税者番号を導入し、資産を適切に把握する必要がございます。
次に、所得課税についても見直すべき点が少なくございません。特に公的年金等控除の制度は問題が大きいと存じます。
高齢者の所得は年金だけに限られているわけではございません。それにもかかわらず公的年金給付だけを特別に取り上げ、課税上優遇いたしますと不公平が生じることになります。年金受給者の間では結果的に高額年金の受給者が税負担を軽減することができることになります。夫婦で四百五十万円の年金を毎年受給していても所得税は負担しないという例が現にございます。所得が四百五十万円であっても年金給付が七十万円で残りが年金以外の所得であるケースでは、当然のことながら所得税を負担することになります。一方、若い夫婦の場合、賃金収入が二百五十万円もあれば所得税を負担することになるはずです。
世代と世代の助け合いとおっしゃいながら、年金受給者を税制上ここまで優遇する必要があるでしょうか。老後生活に対する特別の公的支援に当たっては、一般的な人的控除や支出控除で対応し、公的年金等控除は廃止を含め、御検討をお願い申し上げる次第でございます。
次に、消費税の構造改革についても着手なさっていただきたく存じます。
消費税の税率を引き上げる際には、現行の消費税にまつわる不公平感を払拭しておくことがどうしても必要でございます。今回の改革において限界控除制度を廃止するなど幾つかの点で前進が図られましたが、見直しについての御努力を惜しまずにさらに続けていただきたく存じます。
特に、課税業者証明を最寄りの税務署で発行し店頭表示を義務づけること、業者番号つきのインボイスを導入すること、免税点を引き下げること、簡易課税制度をさらに見直すこと、住宅課税の合理化を進めること等につき御検討をお願い申し上げる次第です。
中長期的には、消費税率を二けた台に引き上げざるを得ないと存じます。社会保険料を過度に引き上げ、企業いじめをしたり現役のサラリーマンいじめをしたりすると、一部のヨーロッパ諸国の二の舞になります。現にフランスやスウェーデンでは、社会保険料の引き上げではなく、その引き下げが最も重要な政策課題の一つとなっております。税制改革におきましても、社会保険料問題をあわせて御議論いただきたい、この点を重ねてお願い申し上げます。
以上でございます。御清聴ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →本日は、税制改革案につきまして意見を申し述べる機会に恵まれましたことを大変光栄に存じます。
今回の税制改革は、所得減税の恒久化を実現させる一方、消費税の定着に向けて第一歩を踏み出した点におきましてそれなりの評価に値する内容を有しております。取りまとめに当たった関係者の皆様方の労を歩といたしたく存じます。ただし、コメントすべき点も少なくございません。
以下、四つのポイントに絞って小生の所見を申し述べます。
第一点目。税負担は社会保険料負担とワンセットで考える必要がございます。
社会保険料は、強制徴収の対象となっており、税金と基本的に違いがございません。特に、年金保険料は拠出と給付の関係が一対一に対応しておらず、実質的にはそのときどきの高齢者の生活をサポートするための主要な財源として機能しております。民間保険の掛金とは明らかに性格が異なっております。負担する者にとって年金保険料の引き上げは増税と実質的に変わりがございません。今回、年金保険料をこの十一月分から引き上げることになりました。その引き上げに当たって税制改革との整合性を問題にする動きが国会内において全くなかったことはまことに遺憾でございます。
社会保険料をなぜ問題とするかと申し上げますと、社会保険料の方が消費税よりもはるかに逆進的であり、かつ経済成長の阻害度が大きいからでございます。また、今回の年金保険料引き上げにより、民間部門から政府部門へ平年度ベースで三兆円台の資金が移転いたします。恒久減税分の三兆五千億円はこの年金保険料の引き上げによってほとんど帳消しになってしまいます。今は景気回復を一層力強いものにすることが最も重要な経済政策のはずでございます。年金保険料の引き上げを考慮いたしますと、恒久減税分の規模に物足りなさを覚えざるを得ません。
さらに、税負担だけでなく、社会保険料も考慮する一方、年金給付や教育サービス、医療給付等の政府移転を含む再分配後所得を調べてみますと、最近では三十代が最も割を食う形になっております。厳しい生活を強いられているのは年齢別に見ると三十歳代でございます。出生率が低下し続け、早晩技術革新の担い手である若手の労働力が急激に減り始めると予想されている現在、中堅所得層だけでなく出産や子育てで苦労している者に対しても政策的に特別の配慮をするように切にお願い申し上げる次第でございます。
第二点目。消費税率五%の是非についてでございます。
日本の消費税には今のところ後ろめたさが何となくつきまとっております。いわば日陰者のような扱いになっており、正当な価値が認められておりません。しかし、消費税にはプラスの評価に値する点が幾つかございます。経済成長の阻害度が所得課税や社会保険料よりも小さいこと、ライフステージ別の負担が平準化し世代間負担が公平になること、税収の安定が期待できること等でございます。むしろ今後は消費税を税制の主要な柱の一つとして扱っていく必要がございます。
特に高齢化の進行に伴って発生する公的負担増につきましては、主たる財源を消費税に求めざるを得ません。今国会で成立いたしました年金改正法ではいわゆるネットスライド制が導入され、事実上費用負担原則が変わりました。高齢化に伴って発生する公的負担増は高齢者も現役と並んでひとしく引き受けていく、これが新しい負担原則でございます。日本共産党を除く全政党がこの新しい原則への切りかえを一致して支持なさいましたことは、まさに画期的でございます。税制におきましてもこの新原則をぜひとも御参照なさっていただきたく、切にお願いを申し上げる次第でございます。
今回、消費税の引き上げ幅は二%にとどめ、税率を五%にすることが提案されております。しかし、これでは所得課税偏重システムが依然として残ることになります。中堅所得層の減税も極めて不十分なものにならざるを得ません。年金保険料の引き上げで恒久減税分がほぼ相殺されてしまうことも先ほど申し上げたとおりでございます。恒久減税分を拡大することをさらに検討なさっていただけないでしょうか。
なお、五%の消費税ではこれから必要となる福祉財源を賄うことができません。将来の福祉ビジョンを早急に策定する一方、国際貢献等をも考慮に入れた新しい財政支出計画、財政ビジョンに基づいて消費税率の見直しを進めていただきたく存じます。
第三点。増税をする際には、あわせて財政のスリム化をさらに徹底して進めていただきたく存じます。
申し上げるまでもなく、増税に納得し、それを受け入れるためには二つの条件が必要でございます。一つは、財政支出が適正であること、もう一つは、負担が公平であることでございます。先般の消費税導入に際しましては財政支出の見直しか大規模に進められました。旧三公社の民営化を初めとする土光さんの臨調・行革路線に国民の広範な支持があり、行財政改革にそれなりの成果があったことは皆様御案内のとおりでございます。消費税率の引き上げに際しましても、財政のスリム化、財政支出における優先順位の変更を大胆に進めていただきたく存じます。これは国民すべての切なる願いであると存じます。
ところが、最近伝わってまいります話は、部分利益の代弁者が財政支出をふやすものばかりでございます。財政支出をスリムにする具体的な話はほとんど耳にいたしません。部分利益の代弁者ばかりが目立つ今日、社会全体の利益という観点から部分利益の相互調整を政治家の皆様に御期待申し上げることは無意味なことなのでしょうか。部分利益の代弁ばかりに熱中していますと財政支出の合理化は一向に進まないことになります。結果的に国民は公的な高負担を求められる一方、経済は停滞を余儀なくされます。やがて子供や孫の世代は親の世代より豊かになれなくなる、そういうおそれが強まってまいります。
現に、高福祉の先進国であるスウェーデンでは、経済が三年連続でマイナス成長となり、財政は事実上破綻いたしました。この七月には、スウェーデン最大の生命保険会社であるスカンディアが国の発行する国債の引き受けを拒否するという悲しむべき事態にまで至ってしまいました。
現在の政治システムでは、未来世代の利害が正しく反映されておりません。自分の子供や孫の世代の負担にぜひとも思いをはせていただき、財政支出のスリム化に積極的に取り組んでいただきたく存じます。
例えば、個別の財政支出を拡大なさる場合、原則として他の具体的な支出項目をどれだけスリムにするかということとワンセットにして御提案なさるという方法もございます。それを政治家の皆様の新しい行動原則としてお考えいただけないでしょうか。過去において意味のあった財政支出であっても、時代の流れの中でその存在意義を低下させたり喪失させたりしているものが少なくございません。財政支出の部分的スクラップ化は財政合理化のために避けて通れません。それは政治家の皆様の重要な責務の一つだと存じます。皆様方の間で財政支出合理化競争を御展開なさっていただけないでしょうか。
申し上げるまでもなく、財政支出の裏側には財政負担が必ずついて回ります。財政支出を拡大する際には、その財源を増税で賄うのか、経費の節減で賄うのかを同時に御議論なさっていただきたい。財政支出の拡大を痛みなしで約束することはもうやめていただきたいと存じます。
第四点目。公的負担の公平化をさらに進めていただきたく存じます。
まず、資産課税の強化でございます。
相続税につきましては、税負担の軽減に向けた大合唱ばかりが聞こえてまいりますが、相続税を減税いたしますと、減税分は所得課税や消費税を増税して穴埋めせざるを得ません。相続税を減税することは、所得税や消費税を増税することと結局同じです。現行の所得課税偏重システムを改めるためには相続税を増税することが不可欠です。また、地方住民税の負担を軽減するためには固定資産税を強化する必要がございます。さらに、資産課税の強化に当たっては、納税者番号を導入し、資産を適切に把握する必要がございます。
次に、所得課税についても見直すべき点が少なくございません。特に公的年金等控除の制度は問題が大きいと存じます。
高齢者の所得は年金だけに限られているわけではございません。それにもかかわらず公的年金給付だけを特別に取り上げ、課税上優遇いたしますと不公平が生じることになります。年金受給者の間では結果的に高額年金の受給者が税負担を軽減することができることになります。夫婦で四百五十万円の年金を毎年受給していても所得税は負担しないという例が現にございます。所得が四百五十万円であっても年金給付が七十万円で残りが年金以外の所得であるケースでは、当然のことながら所得税を負担することになります。一方、若い夫婦の場合、賃金収入が二百五十万円もあれば所得税を負担することになるはずです。
世代と世代の助け合いとおっしゃいながら、年金受給者を税制上ここまで優遇する必要があるでしょうか。老後生活に対する特別の公的支援に当たっては、一般的な人的控除や支出控除で対応し、公的年金等控除は廃止を含め、御検討をお願い申し上げる次第でございます。
次に、消費税の構造改革についても着手なさっていただきたく存じます。
消費税の税率を引き上げる際には、現行の消費税にまつわる不公平感を払拭しておくことがどうしても必要でございます。今回の改革において限界控除制度を廃止するなど幾つかの点で前進が図られましたが、見直しについての御努力を惜しまずにさらに続けていただきたく存じます。
特に、課税業者証明を最寄りの税務署で発行し店頭表示を義務づけること、業者番号つきのインボイスを導入すること、免税点を引き下げること、簡易課税制度をさらに見直すこと、住宅課税の合理化を進めること等につき御検討をお願い申し上げる次第です。
中長期的には、消費税率を二けた台に引き上げざるを得ないと存じます。社会保険料を過度に引き上げ、企業いじめをしたり現役のサラリーマンいじめをしたりすると、一部のヨーロッパ諸国の二の舞になります。現にフランスやスウェーデンでは、社会保険料の引き上げではなく、その引き下げが最も重要な政策課題の一つとなっております。税制改革におきましても、社会保険料問題をあわせて御議論いただきたい、この点を重ねてお願い申し上げます。
以上でございます。御清聴ありがとうございました。拍手
高
栗
栗田幸雄#6
○栗田公述人 福井県知事の栗田でございます。
諸先生方におかれましては、常日ごろから地方税財政に深い御理解を賜っておりまして、心から感謝を申し上げる次第でございます。また、本日はこのような重要な場で発言をさせていただく機会を与えていただきまして、ありがたく存じているところでございます。
さて、昨年来継続されてまいりました税制改革の論議が結実いたしまして、ここに成案が得られ、法案が国会に提出されたわけでございまして、まことに喜ばしいことでございます。
今回の税制改革は、二十一世紀の高齢化社会の到来を控えまして、所得、消費、資産等の間でバランスのとれた税体系というものを構築することによりまして、高齢化社会を支える費用というものを社会全体で負担し合うようにする、そういう仕組みをつくり上げていくことを主眼として行われたものと理解いたしております。
消費税につきましては、これまで各方面から指摘されておりましたいわゆる益税問題につきまして、制度の見直しか行われ、例えば簡易課税制度の適用上限を、現行売上高四億円から売上高二億円に引き下げるといったようなことがされているなど、国民にとりましてより公正な税制として受けとめられるのではないか、このように考えております。
他方、今回の税制改革で特筆すべきことは、地方税源の充実にも目が向けられたという点でございます。従来、ややもいたしますと、毎年の税制改革の中で、地方税は国税の陰に隠れていたうらみがあったわけでございますが、高齢化社会の到来はすなわち地域社会の役割の増大であるということでございまして、その意味するところは、地方の住民にとりまして最も身近な地方公共団体が、これまで以上に重要な役割を担うことになるということでございます。こうした中で、時代の要請に沿うよう、今回、消費課税の見直しの中で地方消費税の創設が提案されましたことは、これからの地方公共団体の役割の増加に見合うよう、その税源を充実するという政治の強い意思のあらわれであり、大きな意義があるものと考えております。
地方消費税の賦課徴収につきましては、当分の間税務署に委託することとされている点につきましては、さまざまな意見があるところでございます。本来、地方税につきましては、地方公共団体みずからが額に汗するというところに大きな意義があると考えられるところでございますが、私どもといたしましては、従来譲与税であったものが新税に組みかえられるという経緯の中にありまして、納税者の事務負担等を勘案いたしますと、地方消費税の導入に当たりましては、当分の間の徴収委託ということを行うのも一つの選択ではなかろうか、このように考えているところでございます。ただ、将来的には地方税本来の姿に戻していただきたいと考えております。
ところで、地方公共団体にとりましては、教育、福祉、生活基盤の整備など、その遂行する仕事の性格上、より安定的な税収構造が望まれております。特に私ども都道府県にとりましては、法人関係税に偏った税収構造になっているわけでございまして、かねてからその不安定性が指摘されていたところでございます。地方消費税の導入は、その意味でも、都道府県の税収の安定化に寄与するものといたしましても意味があるもの、このように考えているところでございます。
いずれにいたしましても、私どもは、今回の税制改革は、昨年六月に衆参両院でそれぞれ行われました全会一致による分権決議の趣旨を直ちに具体化していただいたものである、このように感謝をいたしているところでございます。また、これは地方税制にとりまして本格的な間接税の導入を実現するものでございまして、シャウプ税制以来の大きな改革ではないかと考えております。そして、当然のことながら、今回の税制改革が最終目的ではなくて、今後の地方分権の流れに沿った地方税制の見直し、地方税源の一層の充実に向けての論議の始まりになるであろうと期待をいたしているところでございます。
地方分権につきましては、外交、防衛、司法といったようなことは国で行われ、またそれ以外のことは地方公共団体に任せていただく、そういう意味での幅広い権限の移譲を我々期待しているところでございまして、その権限の移譲とあわせまして、地方財源の充実というものを期待いたしているところでございまして、今後、地方財源の一層の充実に向けて論議が高められることを期待しているわけでございます。
一方、個人住民税でございますが、はっきり申し上げまして、これだけ地方財政が苦しい中での減税は厳しいものがございます。しかし、日本経済の実情を考えますと、当面の景気に配慮する観点から、個人住民税におきましても所得税と同様の措置を講ずることはやむを得ないものと考えているところでございます。ただし、減税先行に伴う地方債発行等につきましては、その負担につきまして、後年度適切に措置していただくことが何としても必要でございまして、今回の地方財政措置は、その点よく御配慮いただいたものと受けとめているところでございます。
今回の税制改革につきましては、国民の各所得階層ごとの損得が云々されているわけでございます。この点につきましては、税制改革の影響を受ける個々の地方公共団体にとってみましても同じことでございます。しかし、およそ税制改革の議論にありましては、二十一世紀に向けての安定した税制を構築していく上で、あるべき税制とは何かという観点から、単なる目先の損得にとらわれることなく考えていくことが必要であると思われます。こうした観点からの税制改革論議が行われることを期待しているところでございます。
ところで、税制改革に関連いたしまして、ぜひとも行政改革を推し進めなければならない、このように考えているところでございまして、このことは国・地方を通じて必要なことでございまして、行政改革が進められるということがこの税制改革についての国民の理解を深めることになるわけでございまして、そしてまた、行政改革の実施の状況を国民の前に明らかにし、行政改革についての国民の理解を得ることが大事ではなかろうか、このように考えているところでございます。
なお、最後になりましたが、特別地方消費税につきまして、その存廃の議論が出ております。
この税につきましては、平成元年度の抜本改革におきまして、課税対象とされている消費行為と個別の地方公共団体の行政サービスとの間に緊密な対応関係があること等から、地方の独自財源として存続し、税負担の調整を行った上で消費税と併課することとされたものでございまして、地方公共団体にとりまして重要な税収となっているわけであります。また、特に観光県さらには温泉所在市町村にとりましては大きな意味を持っているものでございます。
こうした点を踏まえますと、何らの代替税源の検討なしに単に廃止という議論が行われるようなことにつきましては、我々といたしましても慎重な立場をとらざるを得ないところでございまして、今後地方消費税の実施時までに幅広い視点からよろしく御検討をいただきますようにお願いを申し上げる次第でございます。
今回の税制改正につきまして、法案審議の上、速やかに御決議を賜りまして、安定した地方税制の構築にも資していただきますように心から期待をいたしまして、私の発言とさせていただきます。
ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →諸先生方におかれましては、常日ごろから地方税財政に深い御理解を賜っておりまして、心から感謝を申し上げる次第でございます。また、本日はこのような重要な場で発言をさせていただく機会を与えていただきまして、ありがたく存じているところでございます。
さて、昨年来継続されてまいりました税制改革の論議が結実いたしまして、ここに成案が得られ、法案が国会に提出されたわけでございまして、まことに喜ばしいことでございます。
今回の税制改革は、二十一世紀の高齢化社会の到来を控えまして、所得、消費、資産等の間でバランスのとれた税体系というものを構築することによりまして、高齢化社会を支える費用というものを社会全体で負担し合うようにする、そういう仕組みをつくり上げていくことを主眼として行われたものと理解いたしております。
消費税につきましては、これまで各方面から指摘されておりましたいわゆる益税問題につきまして、制度の見直しか行われ、例えば簡易課税制度の適用上限を、現行売上高四億円から売上高二億円に引き下げるといったようなことがされているなど、国民にとりましてより公正な税制として受けとめられるのではないか、このように考えております。
他方、今回の税制改革で特筆すべきことは、地方税源の充実にも目が向けられたという点でございます。従来、ややもいたしますと、毎年の税制改革の中で、地方税は国税の陰に隠れていたうらみがあったわけでございますが、高齢化社会の到来はすなわち地域社会の役割の増大であるということでございまして、その意味するところは、地方の住民にとりまして最も身近な地方公共団体が、これまで以上に重要な役割を担うことになるということでございます。こうした中で、時代の要請に沿うよう、今回、消費課税の見直しの中で地方消費税の創設が提案されましたことは、これからの地方公共団体の役割の増加に見合うよう、その税源を充実するという政治の強い意思のあらわれであり、大きな意義があるものと考えております。
地方消費税の賦課徴収につきましては、当分の間税務署に委託することとされている点につきましては、さまざまな意見があるところでございます。本来、地方税につきましては、地方公共団体みずからが額に汗するというところに大きな意義があると考えられるところでございますが、私どもといたしましては、従来譲与税であったものが新税に組みかえられるという経緯の中にありまして、納税者の事務負担等を勘案いたしますと、地方消費税の導入に当たりましては、当分の間の徴収委託ということを行うのも一つの選択ではなかろうか、このように考えているところでございます。ただ、将来的には地方税本来の姿に戻していただきたいと考えております。
ところで、地方公共団体にとりましては、教育、福祉、生活基盤の整備など、その遂行する仕事の性格上、より安定的な税収構造が望まれております。特に私ども都道府県にとりましては、法人関係税に偏った税収構造になっているわけでございまして、かねてからその不安定性が指摘されていたところでございます。地方消費税の導入は、その意味でも、都道府県の税収の安定化に寄与するものといたしましても意味があるもの、このように考えているところでございます。
いずれにいたしましても、私どもは、今回の税制改革は、昨年六月に衆参両院でそれぞれ行われました全会一致による分権決議の趣旨を直ちに具体化していただいたものである、このように感謝をいたしているところでございます。また、これは地方税制にとりまして本格的な間接税の導入を実現するものでございまして、シャウプ税制以来の大きな改革ではないかと考えております。そして、当然のことながら、今回の税制改革が最終目的ではなくて、今後の地方分権の流れに沿った地方税制の見直し、地方税源の一層の充実に向けての論議の始まりになるであろうと期待をいたしているところでございます。
地方分権につきましては、外交、防衛、司法といったようなことは国で行われ、またそれ以外のことは地方公共団体に任せていただく、そういう意味での幅広い権限の移譲を我々期待しているところでございまして、その権限の移譲とあわせまして、地方財源の充実というものを期待いたしているところでございまして、今後、地方財源の一層の充実に向けて論議が高められることを期待しているわけでございます。
一方、個人住民税でございますが、はっきり申し上げまして、これだけ地方財政が苦しい中での減税は厳しいものがございます。しかし、日本経済の実情を考えますと、当面の景気に配慮する観点から、個人住民税におきましても所得税と同様の措置を講ずることはやむを得ないものと考えているところでございます。ただし、減税先行に伴う地方債発行等につきましては、その負担につきまして、後年度適切に措置していただくことが何としても必要でございまして、今回の地方財政措置は、その点よく御配慮いただいたものと受けとめているところでございます。
今回の税制改革につきましては、国民の各所得階層ごとの損得が云々されているわけでございます。この点につきましては、税制改革の影響を受ける個々の地方公共団体にとってみましても同じことでございます。しかし、およそ税制改革の議論にありましては、二十一世紀に向けての安定した税制を構築していく上で、あるべき税制とは何かという観点から、単なる目先の損得にとらわれることなく考えていくことが必要であると思われます。こうした観点からの税制改革論議が行われることを期待しているところでございます。
ところで、税制改革に関連いたしまして、ぜひとも行政改革を推し進めなければならない、このように考えているところでございまして、このことは国・地方を通じて必要なことでございまして、行政改革が進められるということがこの税制改革についての国民の理解を深めることになるわけでございまして、そしてまた、行政改革の実施の状況を国民の前に明らかにし、行政改革についての国民の理解を得ることが大事ではなかろうか、このように考えているところでございます。
なお、最後になりましたが、特別地方消費税につきまして、その存廃の議論が出ております。
この税につきましては、平成元年度の抜本改革におきまして、課税対象とされている消費行為と個別の地方公共団体の行政サービスとの間に緊密な対応関係があること等から、地方の独自財源として存続し、税負担の調整を行った上で消費税と併課することとされたものでございまして、地方公共団体にとりまして重要な税収となっているわけであります。また、特に観光県さらには温泉所在市町村にとりましては大きな意味を持っているものでございます。
こうした点を踏まえますと、何らの代替税源の検討なしに単に廃止という議論が行われるようなことにつきましては、我々といたしましても慎重な立場をとらざるを得ないところでございまして、今後地方消費税の実施時までに幅広い視点からよろしく御検討をいただきますようにお願いを申し上げる次第でございます。
今回の税制改正につきまして、法案審議の上、速やかに御決議を賜りまして、安定した地方税制の構築にも資していただきますように心から期待をいたしまして、私の発言とさせていただきます。
ありがとうございました。拍手
高
丸
高
丸
丸尾直美#10
○丸尾公述人 慶応大学の丸尾です。こういう機会をいただきまして、大変光栄に思っております。
資料にありますように、私の考えは、今回の税制改革全般についての評価と福祉ビジョン実現との関係の問題、それから国債発行、世代間分配に関する問題、三点に関しまして意見を述べさせていただきたいと思います。
まず第一に、今回の税制改革は、欧米諸国において、アメリカのレーガン政権下、イギリスのサッチャー政権下、スウェーデンの保守中道政権下等々で行われてきました税制改革の方向に沿うものであり、所得税の簡素化と累進度の緩和、タックスベースの拡大、勤労者資産形成への税制上の助成等の税制改革が欧米諸国では行われてきましたけれども、その背景には、市場機構の機能の回復、政府の市場への規制の緩和、勤労意欲の回復、税制の国際的コーディネーションなどへの要請がありました。我が国の場合にも、同様な要請を持っている以上、この方向への改革ということは必要であり、賛成であります。
このほか、日本の場合には、所得税、消費税、資産税の構成比の不均衡を是正すること、世界に例を見ない今後の人口高齢化に対処するための財源の確保というねらいもあるものと理解されます。
以上のような国際的動向を考慮し、また図表一にありますように、我が国の場合、所得税はOECD主要国中最も高く、最も高くというのは構成比ですね、税に対する比重が最も高く、税に対する消費税の構成比が最も低いといったことを考えますと、消費税の構成比を所得税に対して高くする今回の税制改革は妥当な方向への改革であると思います。
次に、次のページを見ていただきますと、しかし、所得と消費の税のバランスの是正という点はこれでいいかと思いますが、資産との関係のバランスがほとんど考慮されなかったという点が遺憾であります。
資産は、確かに税全体の中での構成比は特に低いわけではございませんし、低下しているというわけではございませんが、図表二にありますように、GDPを一としてそれに対する比で見ますと、資産の方は顕著に上昇しています。それに対して消費支出の方は、一九六〇年の五八%から九三年五七%とほとんど動いていないわけです。
そういう点を考えますと、資産のウエートというものがGDPに対して非常に高くなっているということですね。そういうことを考えますと、税の構成比が高まらなくていいのかという点につきまして若干問題があるということですね。バランスの公正とは、税の中での構成比が一定なのか、それとも税の対象となる対象物が非常に大きくなれば、むしろ構成比は変わってもいいんではないか、そういうことです。
しかし、かといって、現在は資産不況であり、逆資産効果と、そして企業におきましても資産の価値低下が不況の原因になっておりますから、こういうときにはむしろ資産に関しては減税が必要かもしれませんが、長期的には資産課税に関しましては、まさに私が言いましたような意味での均衡を回復するような税制上の改革が必要であるかと思います。
資産に対する税制上の不公正を是正するもう一つの対策は、資産に課税するというよりも、資産を持たない人に対して資産を助成するというやり方であります。レーガンの政権下でも、サッチャーの政権下でも、所得税の平準化をして累進度を下げた、その見返りとして、勤労者に対する資産形成を税制上助成しています。特にサッチャー政権はそうです。日本の場合は、そちらが欠けているという点において、欧米の流れに沿っているとはいえ、そういう肝心なところで欠如しておるということを感じます。
そのほか、若干の評価をしますと、企業、特に赤字企業と公益法人に対する課税上の不公正に関して是正政策がまたも見送られたのは遺憾であるということ。税制上の不公正として問題とされる消費税の益税の問題に関しては、具体的に対応策がとられたことは評価したいと思います。
年金課税に関しまして、今高山公述人が年金に関しても税金を課してもいいんではないかということですが、私も方向としてはそれでいいと思います。
しかし、その場合には、今回の年金改正法で改正されましたスライド基準に関しまして、三ページ目の式に書いてあるように、スライド基準を改めなければならない、つまり、賃金上昇率から賃金の可処分所得の変化率を引くだけではなくて、それに今度は年金の可処分所得の変化率を品さないと、その場合は年金改革法と整合しなくなります。今回の年金スライドがどういう方式でそこまで考慮して行われているかどうか知りませんが、年金の税率が高くなる場合、社会保険料含めてですね、その点を考慮することが必要であるということを申し添えておきます。
それから、今回の税制改革は、短期的には所得税減税に伴うその財源を埋めるために景気回復を待って消費税率を引き上げるということであります。そのための消費税率の引き上げということが要請されているわけでありますが、しかし、所得税減税がどちらかといいますと、税金をある程度以上たくさん払っている方に有利になり、他方、消費税引き上げの方は、すべての人にかかりますし、低所得者の方が相対的に消費の比率が高いから、そういう意味で逆進的だということがよく言われます。
その点を相殺するという意味もありまして、福祉ビジョンがつくられ、相対的に低所得者や高齢者にとって有利な政策を行うというそういうセットになっているわけですね。それに加えまして、規制緩和と行政改革、こういった四つの政策が今回の政策ミックスであると私は理解しておるわけですが、その問題のセットとして行われる福祉ビジョンが、今回の消費税率引き上げで十分かどうかということに若干の疑問があるということであります。
当初七%の消費税率を議論されていたようですが、それが五%になるという過程で、あるところの議論によりますと、その二%は行政改革と規制緩和とで公的支出を抑制することによって捻出するということで、それはまことに結構なことで、それができれば一番結構でございますが、どうもそれを具体的に納得させるような改革の見通しが見えていない。国の税調会長の加藤寛慶応大学名誉教授も指摘されておりますように、行政財政改革の効果というのは数年間でそんなに大きく出るものではない。そういうことを考えますと、結局消費税率引き上げは所得税減税の穴埋めをすることで終わり、福祉ビジョンの実現ということが結局ネグレクトされていくおそれがあるのではないか。
そうしますと、三点のセットで、所得税減税、消費税率引き上げ、福祉ビジョンの実現という三点セットで納得を得ている今回の税制改革に対する大変な約束の違反になるのではないかと心配するわけです。今年度は何とか予算上の措置が新ゴールドプラン等についてついているようでございますが、この点について懸念があるということです。
恐らく財源が福祉ビジョンの実現に足りなくなります。福祉ビジョンの中で中心的なものは老人介護ですけれども、恐らくこの点で消費税の引き上げ分を回さないで済ます一つの方法は、介護保険化することであります。しかし、これを介護保険化してしまって、そこで公費が回らなければちょっとうそを言ったことになりますから、仮に介護保険化する場合には、少なくとも介護保険の公費負担分を五〇%以上消費税引き上げ等によって捻出される財源から出すということをはっきりとさせていただきたいと思います。
それから、今回の所得税減税、それを埋めるための消費税引き上げは景気の回復を待ってから行うというのは、これはマクロ経済政策として当然のことであります。そのために国債発行が必要になるわけでございますが、国債発行は、人口高齢化等に伴う国民負担率の上昇等と相まって、後の世代に大きな負担を負わせるおそれがあります。そこで、将来の税の負担の上昇等々を考慮に入れて、現代世代と将来世代との分配上のバランスを十分に考慮しておく必要があると思います。
ただ、私の考えでは、五ページにありますように、国民負担率が、二十一世紀福祉ビジョンのケースーⅡですと五〇%以上になる可能性が非常にあるということ、社会保障給付費の対国民所得比も二八%から三〇%を超す可能性があるということ、これは二〇二五年ですね。そういう点から計算していきますと、勤労世帯に対する税・社会保険料の負担も現在の一六%程度から三〇%近くなる可能性があるわけです。
そういう場合に、果たして勤労世帯は税金や社会保険料を払った以後も豊かになっていくだろうか、現在の世代と比べてどうであろうか、そういうことを示したのが五ページの図表です。
それによりますと、今のような場合ですと、大体年平均で実質賃金の上昇率と手取りの実質賃金の上昇率との差額は〇・五五一%になります。ですから、賃金が一・五%で実質上昇しましても、手取りは一%切るわけです。しかし、それでも上昇をし続ける。この計算には消費税率の上昇を考慮に入れておりませんので、ここでは少し多目に見て、消費税率が将来一五%になるという、今の考え方じゃ大変なことですけれども、そういうことを想定して計算も出しておりますけれども、それでも手取りは、実質賃金が一・五%ずつ平均上昇していけば手取りは〇・六二%上昇するという計算になります。このプリント、けさ仕上げてコピーしてきたものですから若干ミスプリがありますけれども、大体今言ったような計算になります。
そういったようなことをある程度頭に置かれまして、税制改革を行う場合には世代間の分配の公正というものを十分考慮する。私の言う公正は、例えば年金に関しまして、払った分と将来の給付の比率がすべての世代について同じにならなくてはならないというようなことではありません。動態的基準と私は呼んでいますけれども、要するに現世代に対して将来世代が実質所得の上で手取り。でも十分豊かになっていく、そして資産も生活の質も向上していくならば、それは決して世代間の不公正ということにはならないという考えですけれども。
少なくとも、そういう観点から見て、将来の世代を窮乏化させないように、将来の世代が着実に実質手取りの所得や資産をふやしていく、そういう展望を十分に明示した税制改革にしていただきたいというふうに思っております。
以上です。拍手
この発言だけを見る →資料にありますように、私の考えは、今回の税制改革全般についての評価と福祉ビジョン実現との関係の問題、それから国債発行、世代間分配に関する問題、三点に関しまして意見を述べさせていただきたいと思います。
まず第一に、今回の税制改革は、欧米諸国において、アメリカのレーガン政権下、イギリスのサッチャー政権下、スウェーデンの保守中道政権下等々で行われてきました税制改革の方向に沿うものであり、所得税の簡素化と累進度の緩和、タックスベースの拡大、勤労者資産形成への税制上の助成等の税制改革が欧米諸国では行われてきましたけれども、その背景には、市場機構の機能の回復、政府の市場への規制の緩和、勤労意欲の回復、税制の国際的コーディネーションなどへの要請がありました。我が国の場合にも、同様な要請を持っている以上、この方向への改革ということは必要であり、賛成であります。
このほか、日本の場合には、所得税、消費税、資産税の構成比の不均衡を是正すること、世界に例を見ない今後の人口高齢化に対処するための財源の確保というねらいもあるものと理解されます。
以上のような国際的動向を考慮し、また図表一にありますように、我が国の場合、所得税はOECD主要国中最も高く、最も高くというのは構成比ですね、税に対する比重が最も高く、税に対する消費税の構成比が最も低いといったことを考えますと、消費税の構成比を所得税に対して高くする今回の税制改革は妥当な方向への改革であると思います。
次に、次のページを見ていただきますと、しかし、所得と消費の税のバランスの是正という点はこれでいいかと思いますが、資産との関係のバランスがほとんど考慮されなかったという点が遺憾であります。
資産は、確かに税全体の中での構成比は特に低いわけではございませんし、低下しているというわけではございませんが、図表二にありますように、GDPを一としてそれに対する比で見ますと、資産の方は顕著に上昇しています。それに対して消費支出の方は、一九六〇年の五八%から九三年五七%とほとんど動いていないわけです。
そういう点を考えますと、資産のウエートというものがGDPに対して非常に高くなっているということですね。そういうことを考えますと、税の構成比が高まらなくていいのかという点につきまして若干問題があるということですね。バランスの公正とは、税の中での構成比が一定なのか、それとも税の対象となる対象物が非常に大きくなれば、むしろ構成比は変わってもいいんではないか、そういうことです。
しかし、かといって、現在は資産不況であり、逆資産効果と、そして企業におきましても資産の価値低下が不況の原因になっておりますから、こういうときにはむしろ資産に関しては減税が必要かもしれませんが、長期的には資産課税に関しましては、まさに私が言いましたような意味での均衡を回復するような税制上の改革が必要であるかと思います。
資産に対する税制上の不公正を是正するもう一つの対策は、資産に課税するというよりも、資産を持たない人に対して資産を助成するというやり方であります。レーガンの政権下でも、サッチャーの政権下でも、所得税の平準化をして累進度を下げた、その見返りとして、勤労者に対する資産形成を税制上助成しています。特にサッチャー政権はそうです。日本の場合は、そちらが欠けているという点において、欧米の流れに沿っているとはいえ、そういう肝心なところで欠如しておるということを感じます。
そのほか、若干の評価をしますと、企業、特に赤字企業と公益法人に対する課税上の不公正に関して是正政策がまたも見送られたのは遺憾であるということ。税制上の不公正として問題とされる消費税の益税の問題に関しては、具体的に対応策がとられたことは評価したいと思います。
年金課税に関しまして、今高山公述人が年金に関しても税金を課してもいいんではないかということですが、私も方向としてはそれでいいと思います。
しかし、その場合には、今回の年金改正法で改正されましたスライド基準に関しまして、三ページ目の式に書いてあるように、スライド基準を改めなければならない、つまり、賃金上昇率から賃金の可処分所得の変化率を引くだけではなくて、それに今度は年金の可処分所得の変化率を品さないと、その場合は年金改革法と整合しなくなります。今回の年金スライドがどういう方式でそこまで考慮して行われているかどうか知りませんが、年金の税率が高くなる場合、社会保険料含めてですね、その点を考慮することが必要であるということを申し添えておきます。
それから、今回の税制改革は、短期的には所得税減税に伴うその財源を埋めるために景気回復を待って消費税率を引き上げるということであります。そのための消費税率の引き上げということが要請されているわけでありますが、しかし、所得税減税がどちらかといいますと、税金をある程度以上たくさん払っている方に有利になり、他方、消費税引き上げの方は、すべての人にかかりますし、低所得者の方が相対的に消費の比率が高いから、そういう意味で逆進的だということがよく言われます。
その点を相殺するという意味もありまして、福祉ビジョンがつくられ、相対的に低所得者や高齢者にとって有利な政策を行うというそういうセットになっているわけですね。それに加えまして、規制緩和と行政改革、こういった四つの政策が今回の政策ミックスであると私は理解しておるわけですが、その問題のセットとして行われる福祉ビジョンが、今回の消費税率引き上げで十分かどうかということに若干の疑問があるということであります。
当初七%の消費税率を議論されていたようですが、それが五%になるという過程で、あるところの議論によりますと、その二%は行政改革と規制緩和とで公的支出を抑制することによって捻出するということで、それはまことに結構なことで、それができれば一番結構でございますが、どうもそれを具体的に納得させるような改革の見通しが見えていない。国の税調会長の加藤寛慶応大学名誉教授も指摘されておりますように、行政財政改革の効果というのは数年間でそんなに大きく出るものではない。そういうことを考えますと、結局消費税率引き上げは所得税減税の穴埋めをすることで終わり、福祉ビジョンの実現ということが結局ネグレクトされていくおそれがあるのではないか。
そうしますと、三点のセットで、所得税減税、消費税率引き上げ、福祉ビジョンの実現という三点セットで納得を得ている今回の税制改革に対する大変な約束の違反になるのではないかと心配するわけです。今年度は何とか予算上の措置が新ゴールドプラン等についてついているようでございますが、この点について懸念があるということです。
恐らく財源が福祉ビジョンの実現に足りなくなります。福祉ビジョンの中で中心的なものは老人介護ですけれども、恐らくこの点で消費税の引き上げ分を回さないで済ます一つの方法は、介護保険化することであります。しかし、これを介護保険化してしまって、そこで公費が回らなければちょっとうそを言ったことになりますから、仮に介護保険化する場合には、少なくとも介護保険の公費負担分を五〇%以上消費税引き上げ等によって捻出される財源から出すということをはっきりとさせていただきたいと思います。
それから、今回の所得税減税、それを埋めるための消費税引き上げは景気の回復を待ってから行うというのは、これはマクロ経済政策として当然のことであります。そのために国債発行が必要になるわけでございますが、国債発行は、人口高齢化等に伴う国民負担率の上昇等と相まって、後の世代に大きな負担を負わせるおそれがあります。そこで、将来の税の負担の上昇等々を考慮に入れて、現代世代と将来世代との分配上のバランスを十分に考慮しておく必要があると思います。
ただ、私の考えでは、五ページにありますように、国民負担率が、二十一世紀福祉ビジョンのケースーⅡですと五〇%以上になる可能性が非常にあるということ、社会保障給付費の対国民所得比も二八%から三〇%を超す可能性があるということ、これは二〇二五年ですね。そういう点から計算していきますと、勤労世帯に対する税・社会保険料の負担も現在の一六%程度から三〇%近くなる可能性があるわけです。
そういう場合に、果たして勤労世帯は税金や社会保険料を払った以後も豊かになっていくだろうか、現在の世代と比べてどうであろうか、そういうことを示したのが五ページの図表です。
それによりますと、今のような場合ですと、大体年平均で実質賃金の上昇率と手取りの実質賃金の上昇率との差額は〇・五五一%になります。ですから、賃金が一・五%で実質上昇しましても、手取りは一%切るわけです。しかし、それでも上昇をし続ける。この計算には消費税率の上昇を考慮に入れておりませんので、ここでは少し多目に見て、消費税率が将来一五%になるという、今の考え方じゃ大変なことですけれども、そういうことを想定して計算も出しておりますけれども、それでも手取りは、実質賃金が一・五%ずつ平均上昇していけば手取りは〇・六二%上昇するという計算になります。このプリント、けさ仕上げてコピーしてきたものですから若干ミスプリがありますけれども、大体今言ったような計算になります。
そういったようなことをある程度頭に置かれまして、税制改革を行う場合には世代間の分配の公正というものを十分考慮する。私の言う公正は、例えば年金に関しまして、払った分と将来の給付の比率がすべての世代について同じにならなくてはならないというようなことではありません。動態的基準と私は呼んでいますけれども、要するに現世代に対して将来世代が実質所得の上で手取り。でも十分豊かになっていく、そして資産も生活の質も向上していくならば、それは決して世代間の不公正ということにはならないという考えですけれども。
少なくとも、そういう観点から見て、将来の世代を窮乏化させないように、将来の世代が着実に実質手取りの所得や資産をふやしていく、そういう展望を十分に明示した税制改革にしていただきたいというふうに思っております。
以上です。拍手
高
中
中川宏一#12
○中川公述人 連合の中川でございます。
まず、私どもにこのような機会を与えていただきましたことに厚くお礼を申し上げたいと思います。
お手元に私どもの意見要旨を配付させていただいています。十五分間という時間的制約がありますので十分お話ができないかなと懸念しておりますので、不十分な点は意見要旨を御参照いただきたいと思います。
私どもの基本的な考え方は次のようなものであったわけです。連合は減税を要求してきましたが、景気対策としての減税を二、三年先行させながら、景気動向も見ながら、本格的な税制改革、とりわけサラリーマンの重税構造に抜本的にメスを入れながら高齢化社会の福祉や負担のあり方を含めて十分時間をかけて議論をし、国民的な合意を形成していくべきだ、そうした中で税制改革を実施すべきだというふうな考え方を我々は主張してまいりました。そのために、とりわけ、一体処理と言われ、あるいは財源を消費税率アップのみに焦点を当てていく、こういうふうな考え方には基本的には納得できないというふうに考えてきたわけであります。
ただ、お断りをしておきますが、連合は、今日の状況のもとで福祉のあり方その他を考えたときに、間接税に一定の比重を置くことに必ずしも反対ではありません。しかし、今国民が税制に対していろいろな不満を持っている、不公平税制と感じている多くの課題に結論を出すとか、あるいは方向性を明らかにするということがまず先ではないかという立場をとってまいりました。こういう観点から、連合として税制改革大綱や高齢化社会に向けての福祉と負担のあり方についても論議をしてまいりまして、一定の結論と組織内の合意形成を図っているところであります。そういう立場で旧連立時代にも、あるいは現在の与党政権にも、同じことを申し上げてきたわけであります。
以上の考え方、基本的な立場を申し上げまして、意見陳述の要旨を御参照いただきたいと思います。
その中に、年収別の税と保険料の負担割合の一覧表が出ております。これを見ておりますと、九四年度こそ負担は下がっていますが、九五年度から社会保険料なども上がって、九七年度からは間違いなくあらゆる年収でアップしていくわけであります。年収、年四%増を前提にしているわけですが、これに見合う可処分所得の増加が図られなければならないということであります。あるいは社会福祉など国民が払った負担に見合う社会的な還元、住みよい、暮らしよい社会が実現し、社会的公正と実質生活が向上しているという実感が国民に持てることが重要になってきていると思います。労働組合としての連合の役割もまた重要であるということを痛感する次第です。
さて、今回の税制改革について、総括的評価について申し上げたいと思います。
旧連立時代から通じて、確かに幾つかの前進面があります。減税の継続、それから消費税の益税の是正、さらには地方消費税の創設、税率区分を広げ大多数のサラリーマンが税率一〇%から二○%でおさまるということ、旧連立ては最高税率引き下げが検討されていましたけれども、据え置かれたということであります。また、寝たきり老人などへの配慮が見られるなど、村山政権の「人にやさしい政治」ということが若干は見られるというふうに我々も感じております。
しかし、行財政改革や福祉ビジョンの具体化が不明確になっていること、国民が一番感じている不公平税制などが先送りとなり、減税財源の担保として消費税五%アップなどが明らかになった、財源対策のみが先行しているという意味では、国民の期待には十分沿い得ていないと考えているわけであります。
そういう意味では、今回の税制改革の目的は、景気対策あるいは国際公約を最優先し、あるいは中堅所得者層、ここの点で政府は中堅を年収一千万円ぐらいを考えておられるようですが、我々の組合員、男子平均では五、六百万ぐらいです。そういう意味ではちょっと中堅所得者層というのについては若干の我々の感覚と違いがありますが、税負担の軽減といったものにしかなっていないと感じております。
また、二階建て減税方式について申し上げてみたいと思います。
先ほども申し上げましたように、減税財源の明記、担保という制約条件を前提にすれば、この二階建て方式も一つの選択肢であると思います。ただ、後述しますように、制度改正の中身を含めてこの問題について連合として納得しているわけではありません。特にこの制度改正の中身では、各種人的控除、配偶者特別控除、特定扶養控除の一律引き上げは女性の社会進出や税の公平、簡素化に逆行しているのではないかというふうに考えております。そういう意味で、基本的には、基礎控除、給与所得控除などを中心に課税最低限の引き上げを図る必要があるというふうに考えております。
四番目の消費税率の五%の引き上げについてでございますが、ここにありますように、また申し上げましたように、五%明記は若干急ぎ過ぎではないかというふうに考えているわけであります。当然、減税財源は、景気回復による税収増や、あるいはこれから抜本的な税制改正をやるために資産課税の適正化や総合課税化、あるいは少し前進しましたが消費税の益税是正、行政改革による歳出削減などで賄うべきであるというふうに考えているわけであります。そういう意味で、今後の検討を期待するところ大でございます。
五番目の地方消費税の創設についてでありますが、これは連合も強力に要求してきたことであり、一歩前進であるというふうに考えております。ただ、地域福祉の担い手である市町村の福祉財源への充当の明確化を連合は求めてまいりましたが、今回二分の一ということになりました。一歩前進として評価をいたしますが、さらに充実が必要であると考えております。
六番目の納税者番号制度の問題であります。これは連合がかねがねから要求してまいりました。今回、与党の税制改革大綱の中では、二十一世紀初頭をめどに導入に向け積極的な取り組みを行う、こういうふうに明記されております。従来より一歩踏み出した表現になっていることを評価をいたします。また、村山首相も導入に積極的な答弁を行っておられますので、政府としても、総合課税に向けて資産課税の強化など環境整備を促進していただきたい。しかも、二十一世紀初頭ということではなく、もっと早目に具体的な検討を進めていただきたいというふうに思います。
それから次に、我々が税制改革を、あるいはこの消費税アップの前提条件として行革や福祉ビジョン、ここにありますように、大変お世話になりましたが、基礎年金の国庫負担問題、こういった問題について明確にしていくべきであるというふうに考えております。
行財政改革の推進による歳出の抑制、これについては、これまでも強調しておりましたし、政府は行政改革推進方針を決定されていますが、その具体化を一層進めていただきたいというふうに思います。特に公共事業では、首都圏では七割が土地代だというふうに言われるように高い地価の引き下げ、この点では、地価税は定着強化という考え方を持っております。さらに公共事業費は、日米比較では三割ぐらい高い、こういうふうに言われています。こういったことについてもっとメスを入れていただきたい、こういうふうに思っております。
それから、福祉ビジョンの問題です。三月に出されました厚生省の福祉ビジョンはいまだ一懇談会の報告であります。政府の正式なビジョンになっておりません。政府としての福祉ビジョンの明示と財政計画の策定が必要であります。その点で、早急にビジョンの策定と、それに伴う財源措置の提起を求めてまいりたいと思います。
それから、基礎年金の国庫負担引き上げです。今後、年金保険料のアップに伴ってサラリーマンの保険料の負担は非常に多くなります。そういう意味で、公的年金制度の信頼と安定化に向けて、基礎年金の国庫負担の引き上げは重要な課題だと認識しております。連合は次期再計算までに二分の一に向けて段階的に引き上げることを要求しておりましたけれども、この点についての具体化を進めていただきたいというふうに思います。今回の年金改革法案の修正では国庫負担の時期や幅が不明確になっておりますが、ぜひともこの点について御尽力をいただきたいというふうに思っております。
最後に、これまで連合がこの税制改革について基本的な考え方をいろいろ出しておりました。とりわけ、賃金が上がれば税金がそれだけ上がる、それ以上に上がるというふうな仕組みについての是正を特に強調してまいりました。これが物価調整減税制度ということであります。そういう意味で、この自然増税を緩和する物価調整制度の導入をぜひともお願いをしたいというふうに思っています。
また、不公平税制の問題については、具体的な問題が七年度の年度改正に先送りをされております。しかし、消費税率アップを国民に求める以上、国民の税に対する信頼を得るためには徹底した是正が必要であります。昨年は交際費や公益法人への課税の適正化、使途不明金への課税強化、租税特別措置の合理化などが実施されました。今年度もとりわけこの点について強力な是正をしていただきたいと思います。
この点について、地価税の緩和の動きがあるやに聞いておりますが、この点については、私どもは、バブルの再燃をしないように、より定着、充実していく方向へ持っていくべきだと考えております。また、租税特別措置法についても思い切って洗い直すことについて、我々としてもぜひとも進めていただきたいというふうに思っております。
最後になりましたが、いずれにしても、納税者という表現になっておりますが、国民が税金を払うんだ、タックスペイヤーというふうな意味では、より国民が進んで税金が払えるような環境整備をぜひともお願いをしたいと思います。そういう意味で、申告納税環境の整備と執行体制の整備についてより一層の推進をお願いしたいと思います。
どうもありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →まず、私どもにこのような機会を与えていただきましたことに厚くお礼を申し上げたいと思います。
お手元に私どもの意見要旨を配付させていただいています。十五分間という時間的制約がありますので十分お話ができないかなと懸念しておりますので、不十分な点は意見要旨を御参照いただきたいと思います。
私どもの基本的な考え方は次のようなものであったわけです。連合は減税を要求してきましたが、景気対策としての減税を二、三年先行させながら、景気動向も見ながら、本格的な税制改革、とりわけサラリーマンの重税構造に抜本的にメスを入れながら高齢化社会の福祉や負担のあり方を含めて十分時間をかけて議論をし、国民的な合意を形成していくべきだ、そうした中で税制改革を実施すべきだというふうな考え方を我々は主張してまいりました。そのために、とりわけ、一体処理と言われ、あるいは財源を消費税率アップのみに焦点を当てていく、こういうふうな考え方には基本的には納得できないというふうに考えてきたわけであります。
ただ、お断りをしておきますが、連合は、今日の状況のもとで福祉のあり方その他を考えたときに、間接税に一定の比重を置くことに必ずしも反対ではありません。しかし、今国民が税制に対していろいろな不満を持っている、不公平税制と感じている多くの課題に結論を出すとか、あるいは方向性を明らかにするということがまず先ではないかという立場をとってまいりました。こういう観点から、連合として税制改革大綱や高齢化社会に向けての福祉と負担のあり方についても論議をしてまいりまして、一定の結論と組織内の合意形成を図っているところであります。そういう立場で旧連立時代にも、あるいは現在の与党政権にも、同じことを申し上げてきたわけであります。
以上の考え方、基本的な立場を申し上げまして、意見陳述の要旨を御参照いただきたいと思います。
その中に、年収別の税と保険料の負担割合の一覧表が出ております。これを見ておりますと、九四年度こそ負担は下がっていますが、九五年度から社会保険料なども上がって、九七年度からは間違いなくあらゆる年収でアップしていくわけであります。年収、年四%増を前提にしているわけですが、これに見合う可処分所得の増加が図られなければならないということであります。あるいは社会福祉など国民が払った負担に見合う社会的な還元、住みよい、暮らしよい社会が実現し、社会的公正と実質生活が向上しているという実感が国民に持てることが重要になってきていると思います。労働組合としての連合の役割もまた重要であるということを痛感する次第です。
さて、今回の税制改革について、総括的評価について申し上げたいと思います。
旧連立時代から通じて、確かに幾つかの前進面があります。減税の継続、それから消費税の益税の是正、さらには地方消費税の創設、税率区分を広げ大多数のサラリーマンが税率一〇%から二○%でおさまるということ、旧連立ては最高税率引き下げが検討されていましたけれども、据え置かれたということであります。また、寝たきり老人などへの配慮が見られるなど、村山政権の「人にやさしい政治」ということが若干は見られるというふうに我々も感じております。
しかし、行財政改革や福祉ビジョンの具体化が不明確になっていること、国民が一番感じている不公平税制などが先送りとなり、減税財源の担保として消費税五%アップなどが明らかになった、財源対策のみが先行しているという意味では、国民の期待には十分沿い得ていないと考えているわけであります。
そういう意味では、今回の税制改革の目的は、景気対策あるいは国際公約を最優先し、あるいは中堅所得者層、ここの点で政府は中堅を年収一千万円ぐらいを考えておられるようですが、我々の組合員、男子平均では五、六百万ぐらいです。そういう意味ではちょっと中堅所得者層というのについては若干の我々の感覚と違いがありますが、税負担の軽減といったものにしかなっていないと感じております。
また、二階建て減税方式について申し上げてみたいと思います。
先ほども申し上げましたように、減税財源の明記、担保という制約条件を前提にすれば、この二階建て方式も一つの選択肢であると思います。ただ、後述しますように、制度改正の中身を含めてこの問題について連合として納得しているわけではありません。特にこの制度改正の中身では、各種人的控除、配偶者特別控除、特定扶養控除の一律引き上げは女性の社会進出や税の公平、簡素化に逆行しているのではないかというふうに考えております。そういう意味で、基本的には、基礎控除、給与所得控除などを中心に課税最低限の引き上げを図る必要があるというふうに考えております。
四番目の消費税率の五%の引き上げについてでございますが、ここにありますように、また申し上げましたように、五%明記は若干急ぎ過ぎではないかというふうに考えているわけであります。当然、減税財源は、景気回復による税収増や、あるいはこれから抜本的な税制改正をやるために資産課税の適正化や総合課税化、あるいは少し前進しましたが消費税の益税是正、行政改革による歳出削減などで賄うべきであるというふうに考えているわけであります。そういう意味で、今後の検討を期待するところ大でございます。
五番目の地方消費税の創設についてでありますが、これは連合も強力に要求してきたことであり、一歩前進であるというふうに考えております。ただ、地域福祉の担い手である市町村の福祉財源への充当の明確化を連合は求めてまいりましたが、今回二分の一ということになりました。一歩前進として評価をいたしますが、さらに充実が必要であると考えております。
六番目の納税者番号制度の問題であります。これは連合がかねがねから要求してまいりました。今回、与党の税制改革大綱の中では、二十一世紀初頭をめどに導入に向け積極的な取り組みを行う、こういうふうに明記されております。従来より一歩踏み出した表現になっていることを評価をいたします。また、村山首相も導入に積極的な答弁を行っておられますので、政府としても、総合課税に向けて資産課税の強化など環境整備を促進していただきたい。しかも、二十一世紀初頭ということではなく、もっと早目に具体的な検討を進めていただきたいというふうに思います。
それから次に、我々が税制改革を、あるいはこの消費税アップの前提条件として行革や福祉ビジョン、ここにありますように、大変お世話になりましたが、基礎年金の国庫負担問題、こういった問題について明確にしていくべきであるというふうに考えております。
行財政改革の推進による歳出の抑制、これについては、これまでも強調しておりましたし、政府は行政改革推進方針を決定されていますが、その具体化を一層進めていただきたいというふうに思います。特に公共事業では、首都圏では七割が土地代だというふうに言われるように高い地価の引き下げ、この点では、地価税は定着強化という考え方を持っております。さらに公共事業費は、日米比較では三割ぐらい高い、こういうふうに言われています。こういったことについてもっとメスを入れていただきたい、こういうふうに思っております。
それから、福祉ビジョンの問題です。三月に出されました厚生省の福祉ビジョンはいまだ一懇談会の報告であります。政府の正式なビジョンになっておりません。政府としての福祉ビジョンの明示と財政計画の策定が必要であります。その点で、早急にビジョンの策定と、それに伴う財源措置の提起を求めてまいりたいと思います。
それから、基礎年金の国庫負担引き上げです。今後、年金保険料のアップに伴ってサラリーマンの保険料の負担は非常に多くなります。そういう意味で、公的年金制度の信頼と安定化に向けて、基礎年金の国庫負担の引き上げは重要な課題だと認識しております。連合は次期再計算までに二分の一に向けて段階的に引き上げることを要求しておりましたけれども、この点についての具体化を進めていただきたいというふうに思います。今回の年金改革法案の修正では国庫負担の時期や幅が不明確になっておりますが、ぜひともこの点について御尽力をいただきたいというふうに思っております。
最後に、これまで連合がこの税制改革について基本的な考え方をいろいろ出しておりました。とりわけ、賃金が上がれば税金がそれだけ上がる、それ以上に上がるというふうな仕組みについての是正を特に強調してまいりました。これが物価調整減税制度ということであります。そういう意味で、この自然増税を緩和する物価調整制度の導入をぜひともお願いをしたいというふうに思っています。
また、不公平税制の問題については、具体的な問題が七年度の年度改正に先送りをされております。しかし、消費税率アップを国民に求める以上、国民の税に対する信頼を得るためには徹底した是正が必要であります。昨年は交際費や公益法人への課税の適正化、使途不明金への課税強化、租税特別措置の合理化などが実施されました。今年度もとりわけこの点について強力な是正をしていただきたいと思います。
この点について、地価税の緩和の動きがあるやに聞いておりますが、この点については、私どもは、バブルの再燃をしないように、より定着、充実していく方向へ持っていくべきだと考えております。また、租税特別措置法についても思い切って洗い直すことについて、我々としてもぜひとも進めていただきたいというふうに思っております。
最後になりましたが、いずれにしても、納税者という表現になっておりますが、国民が税金を払うんだ、タックスペイヤーというふうな意味では、より国民が進んで税金が払えるような環境整備をぜひともお願いをしたいと思います。そういう意味で、申告納税環境の整備と執行体制の整備についてより一層の推進をお願いしたいと思います。
どうもありがとうございました。拍手
高
犬
犬丸令門#14
○犬丸公述人 社団法人日本自動車連盟の犬丸でございます。税制改革特別委員会において発言の機会をいただきまして、厚く御礼申し上げます。
今回の税制改革案に関連いたしまして、個別論で恐縮でございますが、主として自動車に関する税制について要望申し上げます。
我が国の四輪の自動車の保有台数は、現在約六千三百万台であり、我が国の経済社会において極めて重要な役割、機能を持っております。しかしながら、我が国の自動車の増加が他に例がないほど急速であったことも原因いたしまして、自動車に関する税制は不合理な面を数多く持っております。自動車関連の税金は九種類の多きを数えるとともに、他に例のないほど複雑であり、制度に内在する不合理や不公平が納税者にはわかりにくい仕組みとなっております。
第二に、特に自家用乗用車について見ると、その保有台数は四千百万台と全世帯の九〇%に普及して、庶民の生活の足ともなっているにもかかわらず、税制は自家用車はぜいたく品であるかのごとく、結果として高額の負担を強いられる構造になっております。
第三に、我が国の道路は近年かなりの改善を見ておりますが、道路容量及び質が経済社会活動に対してまだまだ不十分であり、今後高齢化社会の到来を考えるとき、今のうちに立ちおくれを取り戻すため整備を急ぐ必要があります。
以上の諸点につき、以下具体的に述べさせていただきます。
自動車の税金は、まず取得段階において消費税及び自動車取得税の二種類があり、購入後の保有段階では走行キロに関係なく自動車税、軽自動車税及び重量税の三種類、そして使用段階では揮発油税、地方道路税、軽油引取税及び石油ガス税の四種類で、合計九種類の多きを数えており、極めて複雑であるばかりでなく、同一、類似の目的による課税、乗用、貨物、排気量、重量、燃料別等による分類が複雑であり、納税者には極めて難解であります。
したがって、これらを購入段階、保有段階、使用段階で統合、簡素化する必要があります。特に今回の消費税についての税率アップに際しましては、現在の取得段階での自動車取得税と消費税の二重課税という不合理で高負担を解消するため、自動車取得税を廃止して税制の明確化を行っていただきたいと考えます。
また、ガソリンにつきましては、一リッターについて五十三・八円のガソリン税及び地方道路税がかかっておりますが、このガソリン税を含めた小売価格に対して消費税がかけられており、税金に税をかけるという不合理があります。ぜひこれを解消して、消費税はガソリン本体価格のみにかけるという形にしていただきたいと考えます。
次に、自動車諸税の不公平について申し上げます。
自動車の保有段階の税金として自動車税と自動車重量税がありますが、自動車税について見ると、排気量二千ccの自家用乗用車については年額三万九千五百円に対し、二トン積みの自家用トラックについては一万一千五百円となっており、乗用車はトラックの四倍近い税額であります。また、重量税については、車両重量一トン当たりの税額は自家用乗用で一万二千六百円、トラックで六千三百円であり、乗用車がトラックの倍額となっております。
自動車税及び重量税はいずれも道路の利用及び道路損傷に対する受益者負担と考えられるため、このような不公平は自家用乗用車に対する著しい差別、虐待であります。トラックの走行キロは乗用車の走行キロを大幅に上回るものであること、また我が国の道路は今後、維持管理、補修のコストが次第に増大していくことを考えるときに、これらの自動車保有税の不公平は早急に見直し、改善が必要であると考えます。
次に、自動車に使用される燃料課税の不公平について申し上げます。
ガソリンに対する課税としては、揮発油税と地方道路税があり、合計して一リッター当たり五十三・八円となっており、一万軽油に対しては軽油引取税があって、一リッター当たり三十二・一円で、この税額はガソリンの○・六倍となっております。これらの税金はいずれも道路整備を目的とする特定財源であるにもかかわらず、現行のような著しい税格差は産業優先の典型であり、ガソリン車にとっては大きな不公平であります。
欧米諸国ではガソリンと軽油の税率の格差がこれほど大きな例はなく、逆にアメリカのように軽油の税の方が高いという例もあります。
燃料税は自動車諸税の中で唯一走る距離に比例する公平な税であるはずでありますから、この基本となる燃料課税の不公平を改善することがぜひ必要であると考えます。
次に、道路整備の促進について申し上げます。
道路は国民生活及び社会経済活動のかぎを握り、国土発展のための重要な社会資本であります。しかし、その整備水準はまだまだ著しく立ちおくれており、交通渋滞は全国各地に蔓延して、莫大な経済損失を生じさせているばかりでなく、交通事故発生の要因ともなっています。また、我が国は今後急速に高齢化社会を迎えることでもあり、活力ある社会の発展のためには、今のうちに道路整備を急ぐことがぜひ必要であります。
ここで、国及び地方の道路投資額について見ると、平成五年度では国及び地方合計で約九兆五千五百億円であり、これは有料道路への出資金等を含んだものでございます。一方、自動車関係諸税の税収額は合計で同じく平成五年度で七兆六千七百億円であり、また日本道路公団等の高速道路、有料道路の料金収入の合計は二兆三百億円であります。すなわち、自動車使用者の税金または高速料金としての支払い額は合計九兆七千億円となり、道路投資額の九兆五千五百億円を上回ることになります。
このことは、現在の一般道及び高速道路に対するすべての投資額は、現在走っている自動車がすべてを負担していることになるわけで、一般財源の投入は全く受けていないことになります。今後の我が国の経済社会の発展のため、一般財源からも十分な資金を投入し、道路整備を推進していただきたいと考えるものであります。
以上で終わります。ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →今回の税制改革案に関連いたしまして、個別論で恐縮でございますが、主として自動車に関する税制について要望申し上げます。
我が国の四輪の自動車の保有台数は、現在約六千三百万台であり、我が国の経済社会において極めて重要な役割、機能を持っております。しかしながら、我が国の自動車の増加が他に例がないほど急速であったことも原因いたしまして、自動車に関する税制は不合理な面を数多く持っております。自動車関連の税金は九種類の多きを数えるとともに、他に例のないほど複雑であり、制度に内在する不合理や不公平が納税者にはわかりにくい仕組みとなっております。
第二に、特に自家用乗用車について見ると、その保有台数は四千百万台と全世帯の九〇%に普及して、庶民の生活の足ともなっているにもかかわらず、税制は自家用車はぜいたく品であるかのごとく、結果として高額の負担を強いられる構造になっております。
第三に、我が国の道路は近年かなりの改善を見ておりますが、道路容量及び質が経済社会活動に対してまだまだ不十分であり、今後高齢化社会の到来を考えるとき、今のうちに立ちおくれを取り戻すため整備を急ぐ必要があります。
以上の諸点につき、以下具体的に述べさせていただきます。
自動車の税金は、まず取得段階において消費税及び自動車取得税の二種類があり、購入後の保有段階では走行キロに関係なく自動車税、軽自動車税及び重量税の三種類、そして使用段階では揮発油税、地方道路税、軽油引取税及び石油ガス税の四種類で、合計九種類の多きを数えており、極めて複雑であるばかりでなく、同一、類似の目的による課税、乗用、貨物、排気量、重量、燃料別等による分類が複雑であり、納税者には極めて難解であります。
したがって、これらを購入段階、保有段階、使用段階で統合、簡素化する必要があります。特に今回の消費税についての税率アップに際しましては、現在の取得段階での自動車取得税と消費税の二重課税という不合理で高負担を解消するため、自動車取得税を廃止して税制の明確化を行っていただきたいと考えます。
また、ガソリンにつきましては、一リッターについて五十三・八円のガソリン税及び地方道路税がかかっておりますが、このガソリン税を含めた小売価格に対して消費税がかけられており、税金に税をかけるという不合理があります。ぜひこれを解消して、消費税はガソリン本体価格のみにかけるという形にしていただきたいと考えます。
次に、自動車諸税の不公平について申し上げます。
自動車の保有段階の税金として自動車税と自動車重量税がありますが、自動車税について見ると、排気量二千ccの自家用乗用車については年額三万九千五百円に対し、二トン積みの自家用トラックについては一万一千五百円となっており、乗用車はトラックの四倍近い税額であります。また、重量税については、車両重量一トン当たりの税額は自家用乗用で一万二千六百円、トラックで六千三百円であり、乗用車がトラックの倍額となっております。
自動車税及び重量税はいずれも道路の利用及び道路損傷に対する受益者負担と考えられるため、このような不公平は自家用乗用車に対する著しい差別、虐待であります。トラックの走行キロは乗用車の走行キロを大幅に上回るものであること、また我が国の道路は今後、維持管理、補修のコストが次第に増大していくことを考えるときに、これらの自動車保有税の不公平は早急に見直し、改善が必要であると考えます。
次に、自動車に使用される燃料課税の不公平について申し上げます。
ガソリンに対する課税としては、揮発油税と地方道路税があり、合計して一リッター当たり五十三・八円となっており、一万軽油に対しては軽油引取税があって、一リッター当たり三十二・一円で、この税額はガソリンの○・六倍となっております。これらの税金はいずれも道路整備を目的とする特定財源であるにもかかわらず、現行のような著しい税格差は産業優先の典型であり、ガソリン車にとっては大きな不公平であります。
欧米諸国ではガソリンと軽油の税率の格差がこれほど大きな例はなく、逆にアメリカのように軽油の税の方が高いという例もあります。
燃料税は自動車諸税の中で唯一走る距離に比例する公平な税であるはずでありますから、この基本となる燃料課税の不公平を改善することがぜひ必要であると考えます。
次に、道路整備の促進について申し上げます。
道路は国民生活及び社会経済活動のかぎを握り、国土発展のための重要な社会資本であります。しかし、その整備水準はまだまだ著しく立ちおくれており、交通渋滞は全国各地に蔓延して、莫大な経済損失を生じさせているばかりでなく、交通事故発生の要因ともなっています。また、我が国は今後急速に高齢化社会を迎えることでもあり、活力ある社会の発展のためには、今のうちに道路整備を急ぐことがぜひ必要であります。
ここで、国及び地方の道路投資額について見ると、平成五年度では国及び地方合計で約九兆五千五百億円であり、これは有料道路への出資金等を含んだものでございます。一方、自動車関係諸税の税収額は合計で同じく平成五年度で七兆六千七百億円であり、また日本道路公団等の高速道路、有料道路の料金収入の合計は二兆三百億円であります。すなわち、自動車使用者の税金または高速料金としての支払い額は合計九兆七千億円となり、道路投資額の九兆五千五百億円を上回ることになります。
このことは、現在の一般道及び高速道路に対するすべての投資額は、現在走っている自動車がすべてを負担していることになるわけで、一般財源の投入は全く受けていないことになります。今後の我が国の経済社会の発展のため、一般財源からも十分な資金を投入し、道路整備を推進していただきたいと考えるものであります。
以上で終わります。ありがとうございました。拍手
高
高
塩
塩谷立#17
○塩谷委員 自由民主党の塩谷立てございます。
ただいまは、六名の公述人の皆様におかれましては、それぞれ大変貴重な示唆に富んだ、また細かい点にわたった要望等、御見解を御披露いただきましてまことにありがとうございました。短い時間でございますので、早速二、三の質問をさせていただきたいと思います。
今回の税制改正につきましては、厳しい不況の中で減税というものが旧連立内閣において決定され、それが先行されて、その減税に伴いまだこれからの高齢化社会、活力ある社会をつくるためにどう基本的な税制改正を行ったらいいかという観点で、まずもって第一歩を踏み出したと思うわけでございます。
特に、今回景気対策に対しての減税の継続、あるいはその財源である一体処理、そして累進課税の緩和、さらには消費税率の引き上げをもって直間比率の是正、そして地方消費税の導入ということで、いろいろと今回の税制改正については、理念がないとか、あるいはさまざまな批判があるわけでございますが、今申し上げたとおり、はっきりと今回目的に沿って税制改正をやった点においては、さらにこれから進めなければならない問題は本当に多岐にわたってあるわけですが、一応現時点で考えられる税制改正については、我々としては大変大きく評価をして、これをしっかりと国民に訴えるとともに、さらに大きな議論を巻き起こしていかなければならないのではないかなと思うわけでございます。
しかしながら、きょうそれぞれ御意見をいただきました。今回の所得税減税あるいは住民税減税、そして消費税のアップだけでは、将来予想される高齢化社会あるいは国際環境の変化、さらには経済的な大変な変革、そういうものにとても対応し切れないわけでございまして、これからそれをさらに進めていかなければならないわけであります。
例えば、消費、所得、資産の税のバランス、あるいはきょう特にお伺いして感じたのは、消費税という間接税の位置づけ、これが戦後日本の税制の場合、所得税に大きく頼っていた、それが経済成長の発展段階では機能していたわけでありますが、オイルショックとかいろんな段階において抜本的な改革が今日までなされなかったことが、今回非常に大きな荷物を背負っていかなければならない、そういう状況だと思うわけでございます。
それに対して、間接税というものがやはりもうちょっと国民にも明確な一つの税の体系としての位置づけをしていかなければならない時代がいよいよ来たんだという実感を得ているわけでございます。特にこれから所得、消費等も含めて、また資産も含めて、まずはこのバランスを考えなければならない。今回、消費税のアップで消費の部分においては約五%ぐらい、大体二二%から二七%ぐらいにアップされる、所得の部分については五四%から五〇%ぐらいに下げられるといったバランス、資産においては大体二三、四%だというバランスがあるわけですが、まずここら辺のバランスの点についてお伺いしたいと思います。
島田先生にお伺いしたいと思いますが、島田先生、やはり消費税をかなり大幅アップということも言われておると思います。例えばサラリーマンに対しての所得税、ここら辺を全くなくして、消費税で、間接税で全部賄えばいいんではないかという割合極端な議論もされているように今まで聞いておりますが、その点、島田先生の方から御意見をお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →ただいまは、六名の公述人の皆様におかれましては、それぞれ大変貴重な示唆に富んだ、また細かい点にわたった要望等、御見解を御披露いただきましてまことにありがとうございました。短い時間でございますので、早速二、三の質問をさせていただきたいと思います。
今回の税制改正につきましては、厳しい不況の中で減税というものが旧連立内閣において決定され、それが先行されて、その減税に伴いまだこれからの高齢化社会、活力ある社会をつくるためにどう基本的な税制改正を行ったらいいかという観点で、まずもって第一歩を踏み出したと思うわけでございます。
特に、今回景気対策に対しての減税の継続、あるいはその財源である一体処理、そして累進課税の緩和、さらには消費税率の引き上げをもって直間比率の是正、そして地方消費税の導入ということで、いろいろと今回の税制改正については、理念がないとか、あるいはさまざまな批判があるわけでございますが、今申し上げたとおり、はっきりと今回目的に沿って税制改正をやった点においては、さらにこれから進めなければならない問題は本当に多岐にわたってあるわけですが、一応現時点で考えられる税制改正については、我々としては大変大きく評価をして、これをしっかりと国民に訴えるとともに、さらに大きな議論を巻き起こしていかなければならないのではないかなと思うわけでございます。
しかしながら、きょうそれぞれ御意見をいただきました。今回の所得税減税あるいは住民税減税、そして消費税のアップだけでは、将来予想される高齢化社会あるいは国際環境の変化、さらには経済的な大変な変革、そういうものにとても対応し切れないわけでございまして、これからそれをさらに進めていかなければならないわけであります。
例えば、消費、所得、資産の税のバランス、あるいはきょう特にお伺いして感じたのは、消費税という間接税の位置づけ、これが戦後日本の税制の場合、所得税に大きく頼っていた、それが経済成長の発展段階では機能していたわけでありますが、オイルショックとかいろんな段階において抜本的な改革が今日までなされなかったことが、今回非常に大きな荷物を背負っていかなければならない、そういう状況だと思うわけでございます。
それに対して、間接税というものがやはりもうちょっと国民にも明確な一つの税の体系としての位置づけをしていかなければならない時代がいよいよ来たんだという実感を得ているわけでございます。特にこれから所得、消費等も含めて、また資産も含めて、まずはこのバランスを考えなければならない。今回、消費税のアップで消費の部分においては約五%ぐらい、大体二二%から二七%ぐらいにアップされる、所得の部分については五四%から五〇%ぐらいに下げられるといったバランス、資産においては大体二三、四%だというバランスがあるわけですが、まずここら辺のバランスの点についてお伺いしたいと思います。
島田先生にお伺いしたいと思いますが、島田先生、やはり消費税をかなり大幅アップということも言われておると思います。例えばサラリーマンに対しての所得税、ここら辺を全くなくして、消費税で、間接税で全部賄えばいいんではないかという割合極端な議論もされているように今まで聞いておりますが、その点、島田先生の方から御意見をお伺いしたいと思います。
島
島田晴雄#18
○島田公述人 ただいまの塩谷先生の御質問でございますが、私は、この税の体系につきましては、まさに塩谷先生御指摘のように、経済社会が高齢化し、タックスベースの構造が変わる中で、できるだけ所得税という直接税にかわって消費税のような広く負担される間接税を広げていくということが重要だと思っております。
これは先ほども申し上げましたように、世代間の公平、先ほど高山先生も御指摘になりましたが、現役世代と年金世代との将来の公平を確保するためにも、それから自営業者と給与所得者の公平を確保するためにも重要な方向であろう、そういうふうに考えております。したがって、長期的には私はもっとこの間接税の比重を高める、そういう税体系が望ましいというふうに思っております。
この発言だけを見る →これは先ほども申し上げましたように、世代間の公平、先ほど高山先生も御指摘になりましたが、現役世代と年金世代との将来の公平を確保するためにも、それから自営業者と給与所得者の公平を確保するためにも重要な方向であろう、そういうふうに考えております。したがって、長期的には私はもっとこの間接税の比重を高める、そういう税体系が望ましいというふうに思っております。
塩
塩谷立#19
○塩谷委員 ありがとうございます。
きょうのそれぞれの皆さん方からも、間接税の比率を高めなければならない。これはもちろん今後行政改革とか経済の動向とかによって、必ずしも増税ありきということで考えてはいけないわけですが、いずれにしても高齢化社会というもう現実の大変未曾有の状況が目に見えているわけでございまして、その点において税体系としてやはり間接税が重要な位置づけがされてくるんだと思うわけでございます。
しかしながら、これには、それでは何%ぐらいがいいかというような議論、これで今回もさまざまな議論がされているわけでございますが、この間接税、先ほどそれぞれの公述人から二けたという言葉も出てまいりました。この二けたということが、これから高齢化社会に向かって我々検討していかなければなりませんが、果たして消費税だけでそういう形で賄っていいのかどうなのか。
例えば目的税で国民福祉税というものも出てきたわけでございますが、その福祉に限らず、あるいは国際貢献税とかいろんな新しい税の名前が出てきております。それも含めて、当然間接税という考え方かもしれませんが、今後のあり方として今の消費税を幅を広げていくのか、あるいはこれにかわって何か新しい社会体系の中で賄うべき新しい税制といいますか、そういうものが考えられないのかどうかという点について高山先生にお伺いしたいと思います。よろしくお願いをします。
この発言だけを見る →きょうのそれぞれの皆さん方からも、間接税の比率を高めなければならない。これはもちろん今後行政改革とか経済の動向とかによって、必ずしも増税ありきということで考えてはいけないわけですが、いずれにしても高齢化社会というもう現実の大変未曾有の状況が目に見えているわけでございまして、その点において税体系としてやはり間接税が重要な位置づけがされてくるんだと思うわけでございます。
しかしながら、これには、それでは何%ぐらいがいいかというような議論、これで今回もさまざまな議論がされているわけでございますが、この間接税、先ほどそれぞれの公述人から二けたという言葉も出てまいりました。この二けたということが、これから高齢化社会に向かって我々検討していかなければなりませんが、果たして消費税だけでそういう形で賄っていいのかどうなのか。
例えば目的税で国民福祉税というものも出てきたわけでございますが、その福祉に限らず、あるいは国際貢献税とかいろんな新しい税の名前が出てきております。それも含めて、当然間接税という考え方かもしれませんが、今後のあり方として今の消費税を幅を広げていくのか、あるいはこれにかわって何か新しい社会体系の中で賄うべき新しい税制といいますか、そういうものが考えられないのかどうかという点について高山先生にお伺いしたいと思います。よろしくお願いをします。
高
高山憲之#20
○高山公述人 先ほど申し上げましたが、成長率が高い時代、このときには確かに所得税を中心とする税制にそれなりのメリットがあったということでございますが、低成長に移行し、今後なかなか経済成長を持続していくことが容易でないそういう時代、しかもいずれ高齢者が三人に一人というような時代に突入していくわけですね、そのときに本当に所得課税偏重型でみんなが納得できるかということでございます。確かにその高齢者と現役の人たちの間の負担の公平の問題、これは極めて重要でありますが、あわせて、今後とも経済成長を阻害しないような財源は何かという議論を皆様にもなさっていただきたいということです。
国民経済全体で、例えば税金と社会保険料がもう四〇%近いわけですね、国民所得比率で。将来的には五〇%にもなってしまう。そのときに財源の負担をどう選択するかによってパイのサイズ、経済のサイズがいずれにしても左右されるということです。これは、私は経済学者なんですが、経済学者の間ではこの問題は大変重大視しております。財源の中で何が成長阻害度が大きいのか小さいのかという問題です。所得に着目した課税は残念ながら成長阻害度が大変大きいというのが経済学者の共通の理解でございます。最も阻害度が小さいのは何か、それは消費支出に着目した税制であるということです。これは貯蓄や投資に課税しないからでございます。その点をあわせて考えていただきたい。
EUでは付加価値税の標準税率はとりあえず一五%というふうに設定されているようでございますが、日本もヨーロッパ以上に高齢化が進むということを考えますと、いずれ消費税率は二けた台を展望せざるを得ない時代になるのではないかということでございます。
以上でございます。
この発言だけを見る →国民経済全体で、例えば税金と社会保険料がもう四〇%近いわけですね、国民所得比率で。将来的には五〇%にもなってしまう。そのときに財源の負担をどう選択するかによってパイのサイズ、経済のサイズがいずれにしても左右されるということです。これは、私は経済学者なんですが、経済学者の間ではこの問題は大変重大視しております。財源の中で何が成長阻害度が大きいのか小さいのかという問題です。所得に着目した課税は残念ながら成長阻害度が大変大きいというのが経済学者の共通の理解でございます。最も阻害度が小さいのは何か、それは消費支出に着目した税制であるということです。これは貯蓄や投資に課税しないからでございます。その点をあわせて考えていただきたい。
EUでは付加価値税の標準税率はとりあえず一五%というふうに設定されているようでございますが、日本もヨーロッパ以上に高齢化が進むということを考えますと、いずれ消費税率は二けた台を展望せざるを得ない時代になるのではないかということでございます。
以上でございます。
塩
塩谷立#21
○塩谷委員 どうもありがとうございました。
今回の税制改正は、いわゆるシャウプ税制以来の改正ということで、大変な画期的なところもあるわけですが、特にこれから高齢化社会と同時に地方分権というものが叫ばれ、各地域においてそれぞれの責任において地方自治を行うという点においては、どうしても地方税の充実を図らなければならない。そういう中で、今回地方消費税の創設を提案しているわけでございます。
この地方分権については、大変長い間の議論の中で、まだかなり遅い速度で進んでいる段階でございますが、いよいよ、昨年の地方分権の国会決議、あわせて、これからの税制、そしてさらには福祉においても地域密着型の地方計画を立てていただき、新しいゴールドプランに反映させていくような形で今進んでいるわけですが、この地方税について、地方税源がさまざまある中で、今回消費税の創設ということで第一歩を進めたわけでございます。
しかしながら、もちろんこれでいいというわけではないと思います。これから地方分権について、ある程度段階的に進めていかなければならない。そういう中で、地方分権の進め方とあわせて、この地方税源、事業税とか固定資産税、今回は議論はされておりませんが、その点について、ある程度の将来的な見通しというものがありましたら、栗田福井県知事にお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。
この発言だけを見る →今回の税制改正は、いわゆるシャウプ税制以来の改正ということで、大変な画期的なところもあるわけですが、特にこれから高齢化社会と同時に地方分権というものが叫ばれ、各地域においてそれぞれの責任において地方自治を行うという点においては、どうしても地方税の充実を図らなければならない。そういう中で、今回地方消費税の創設を提案しているわけでございます。
この地方分権については、大変長い間の議論の中で、まだかなり遅い速度で進んでいる段階でございますが、いよいよ、昨年の地方分権の国会決議、あわせて、これからの税制、そしてさらには福祉においても地域密着型の地方計画を立てていただき、新しいゴールドプランに反映させていくような形で今進んでいるわけですが、この地方税について、地方税源がさまざまある中で、今回消費税の創設ということで第一歩を進めたわけでございます。
しかしながら、もちろんこれでいいというわけではないと思います。これから地方分権について、ある程度段階的に進めていかなければならない。そういう中で、地方分権の進め方とあわせて、この地方税源、事業税とか固定資産税、今回は議論はされておりませんが、その点について、ある程度の将来的な見通しというものがありましたら、栗田福井県知事にお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。
栗
栗田幸雄#22
○栗田公述人 地方税源と税率につきましてはいろいろな議論があるわけでございますが、今回地方消費税が創設されることになったということで我々も高く評価をいたしております。今後も地方分権が進みます場合に、権限と財源が与えられるということが必要でございまして、その意味で地方税源の充実が必要になってくるわけでございますが、要は国税と地方税とのバランスの問題でございますので、今後いろいろな課題があるかと思いますが、例えば所得税の一部を住民税に移譲するといったような方向も考えられると思われますので、そういった点につきましても十分御検討いただきたい、このように考えているところでございます。
この発言だけを見る →塩
塩谷立#23
○塩谷委員 ありがとうございました。
最後に、いわゆる一番問題な事態、これは明らかに高齢化社会だと思っております。さまざま世界の変化あるいは経済の変化、そういうことをあわせても、この高齢化ということがいまだかつてない重大な事態だと思っております。
それでは、そういう中で公的に、国がどこまで福祉政策あるいはそれにかかわる問題をやっていけばいいかという一つのルールといいますか、そういうものを検討していかなければならない。これがまた新ゴールドプランで今検討しているところでありますが、これはやはり国がどこまでやるかという問題、改めて我々真剣に討議しなければならぬと思うわけです。
そのルールづくりの中で、自助努力とかも含めて、これからの税体系あるいは国民のライフスタイルの中に非常に大きく影響するわけでありまして、その点について、島田先生も先ほどルールづくりが必要だと強調されていましたが、特に福祉の面について、これについては医療、介護等、さまざま関連があるわけです。国がどの程度福祉を進めていかなければならない、あとは自助努力でやらなければならない、そんな、ちょっと漠然とした質問でございますが、ひとつ御示唆をいただければと思います。よろしくお願いします。
この発言だけを見る →最後に、いわゆる一番問題な事態、これは明らかに高齢化社会だと思っております。さまざま世界の変化あるいは経済の変化、そういうことをあわせても、この高齢化ということがいまだかつてない重大な事態だと思っております。
それでは、そういう中で公的に、国がどこまで福祉政策あるいはそれにかかわる問題をやっていけばいいかという一つのルールといいますか、そういうものを検討していかなければならない。これがまた新ゴールドプランで今検討しているところでありますが、これはやはり国がどこまでやるかという問題、改めて我々真剣に討議しなければならぬと思うわけです。
そのルールづくりの中で、自助努力とかも含めて、これからの税体系あるいは国民のライフスタイルの中に非常に大きく影響するわけでありまして、その点について、島田先生も先ほどルールづくりが必要だと強調されていましたが、特に福祉の面について、これについては医療、介護等、さまざま関連があるわけです。国がどの程度福祉を進めていかなければならない、あとは自助努力でやらなければならない、そんな、ちょっと漠然とした質問でございますが、ひとつ御示唆をいただければと思います。よろしくお願いします。
島
島田晴雄#24
○島田公述人 税制問題は社会保障問題と実は表裏一体でございまして、年金を一つとっても、これが事実上の賦課制度になっているということを考えますと、事実上これは税金でございますね。そう考えますと、高齢社会を見通し、社会構造の変化を見通したときに、今非常に重大な歴史的な選択の岐路に立っていると私は思います。つまり、社会保障、福祉を国が全部面倒を見るという考え方がいいのか、それともできる限り民間の力を使い、自助努力を使い、そしてぎりぎり必要なセーフティーネットを国が面倒を見た方がいいのか、この考え方を明確に出していただいて議論をしていただければありがたい。
そのための一つのたたき台として私はこんなふうに申し上げたいと思います。
年金については、基礎年金というのは、これはシビルミニマムでございますから、これは公的な負担というのは当然でございますけれども、それ以上の年金については、果たして本当に国が面倒を見るとなれば、これは非常に大きな問題になる。このところに、一つのたたき台としては、これは民間自助努力ということではないかと私は思います。
それから医療については、老人医療の設計についてはいろいろ問題がございます。この点、もっと合理化できるところがないか。特に、軽度の病気に対しての医療の問題でございます。重度の疾病については、これは徹底的にセーフティーネットを張る必要があるわけですが、軽度のものについては合理化の余地がないのか。
それから福祉について言うと、重要なのは、ただいまの公的福祉はある意味では非常に世界の中でもよくできている。つまり、本当に生活の手段・のない方々については十分手厚いセーフティーネットが張られているわけなんですね。しかし、普通の勤労者あるいは普通の所得のある人がアクセスがないという問題がございます。この点について、私は、介護保険とか民間のいろいろな規制の緩和による力の導入というようなことを図るべきではないか、こんなふうに考えます。
一言ちょっと。先般の質問について一言補足させていただきたいのですが、消費税の比重の増大は避けられませんけれども、もう一つ考えることは、高齢化社会というのは資産社会なんですね、ですから、蓄積していく資産を経済活動のためにも、それからまた生活の保障のためにも使うという資産課税の充実強化ということは最大の課題の一つになってこようかというふうに思っております。
この発言だけを見る →そのための一つのたたき台として私はこんなふうに申し上げたいと思います。
年金については、基礎年金というのは、これはシビルミニマムでございますから、これは公的な負担というのは当然でございますけれども、それ以上の年金については、果たして本当に国が面倒を見るとなれば、これは非常に大きな問題になる。このところに、一つのたたき台としては、これは民間自助努力ということではないかと私は思います。
それから医療については、老人医療の設計についてはいろいろ問題がございます。この点、もっと合理化できるところがないか。特に、軽度の病気に対しての医療の問題でございます。重度の疾病については、これは徹底的にセーフティーネットを張る必要があるわけですが、軽度のものについては合理化の余地がないのか。
それから福祉について言うと、重要なのは、ただいまの公的福祉はある意味では非常に世界の中でもよくできている。つまり、本当に生活の手段・のない方々については十分手厚いセーフティーネットが張られているわけなんですね。しかし、普通の勤労者あるいは普通の所得のある人がアクセスがないという問題がございます。この点について、私は、介護保険とか民間のいろいろな規制の緩和による力の導入というようなことを図るべきではないか、こんなふうに考えます。
一言ちょっと。先般の質問について一言補足させていただきたいのですが、消費税の比重の増大は避けられませんけれども、もう一つ考えることは、高齢化社会というのは資産社会なんですね、ですから、蓄積していく資産を経済活動のためにも、それからまた生活の保障のためにも使うという資産課税の充実強化ということは最大の課題の一つになってこようかというふうに思っております。
塩
高
早
早川勝#27
○早川委員 十五分でございますので、端的に質問させていただきます。
六人の公述人の先生方、大変ありがとうございます。それぞれの観点から今回の税制改革に対する意見を披瀝いただきました。私が聞かせていただいて理解したところによりますと、今回の税制改革を契機にして、事後に残された問題等について精力的に取り組んでもらいたい、こういった趣旨の内容ではなかったかと理解いたしております。
そういった意味で、それぞれお伺いしたいと思いますが、最初に中川公述人にお伺いいたします。
拝見させていただいた「「税制改革法案」に対する意見要旨」の中で、「消費税率五%への引き上げについて」という第四番目に書いてございますが、「現時点での消費税率の五%明記は拙速すぎる。」という表現がございました。先ほど言われたように記憶いたしておりますが、今回の税制改革については、減税と、そしてその財源について責任ある態度をとらなければいけないということで時間差を置きながらも明記したわけでございます。
そういったことを考えますと、この「拙速すぎる。」という中身は、今現在書かなくてもいいという趣旨なのか、前提条件として、現行の不公平税制あるいは行政改革等を含めて精力的に取り組むべきだということが書いてございましたが、その一体処理ということの関連でいえばどういうふうに理解して正しいのかどうか、説明をお願いいたします。
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そういった意味で、それぞれお伺いしたいと思いますが、最初に中川公述人にお伺いいたします。
拝見させていただいた「「税制改革法案」に対する意見要旨」の中で、「消費税率五%への引き上げについて」という第四番目に書いてございますが、「現時点での消費税率の五%明記は拙速すぎる。」という表現がございました。先ほど言われたように記憶いたしておりますが、今回の税制改革については、減税と、そしてその財源について責任ある態度をとらなければいけないということで時間差を置きながらも明記したわけでございます。
そういったことを考えますと、この「拙速すぎる。」という中身は、今現在書かなくてもいいという趣旨なのか、前提条件として、現行の不公平税制あるいは行政改革等を含めて精力的に取り組むべきだということが書いてございましたが、その一体処理ということの関連でいえばどういうふうに理解して正しいのかどうか、説明をお願いいたします。
中
中川宏一#28
○中川公述人 お答え申し上げます。
ここに書いてありますように、我々としては、総合的に財源を精査した上で、それで足らなければ消費税という問題が出てくるだろうと思うのですが、基本的に消費税率アップで財源を見ようとしている、その考え方に我々としては納得できないものがあるということでございます。
そういう意味で、ちょっと「拙速」、こう書くと語弊があると思いますが、我々としては、もう少し精査していただくことがいっぱいあるのではないだろうか、こういう考え方を出しているということを御理解をぜひともいただきたいというふうに思っております。で、五%を書かなければ一体処理ができないとは思えないわけです。
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そういう意味で、ちょっと「拙速」、こう書くと語弊があると思いますが、我々としては、もう少し精査していただくことがいっぱいあるのではないだろうか、こういう考え方を出しているということを御理解をぜひともいただきたいというふうに思っております。で、五%を書かなければ一体処理ができないとは思えないわけです。
早
早川勝#29
○早川委員 先ほど来の議論の中に、また中川公述人にお願いしますが、見直し規定は御存じのように附則二十五条ですか、今回は書いてございます。二年間をかけて社会保障だとか行政改革を含めて取り組もう、もちろん租税特別措置等の不公平税制にも重点的に取り組む、こういういわば前提が書いてありますが、繰り返しになるかもしれませんけれども、税率、消費税率、今三%ですが、この問題についていわば条件をどういうふうに考えているのだろうか、そのアップの問題について。
それから、先ほども質問にございましたが、許容範囲、税率について、消費税率について、何か検討されているのかどうか、もしございましたら教えていただきたいと思います。
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