地方分権に関する特別委員会

1996-02-28 衆議院 全76発言

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会議録情報#0
平成八年二月二十八日(水曜日)
    午前十時開議
出席委員
  委員長 月原 茂皓君
   理事 野田 聖子君 理事 蓮実  進君
   理事 山本 公一君 理事 岩浅 嘉仁君
   理事 谷口 隆義君 理事 永井 英慈君
   理事 畠山健治郎君 理事 田中  甲君
      遠藤 利明君    小此木八郎君
      佐田玄一郎君    中馬 弘毅君
      西田  司君    浜田 靖一君
      林  幹雄君    若林 正俊君
      青木 宏之君    今井  宏君
      佐藤 茂樹君    富田 茂之君
      山崎広太郎君    五十嵐広三君
      山口 鶴男君    穀田 恵二君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 倉田 寛之君
        国 務 大 臣 
        (総務庁長官) 中西 績介君
 出席政府委員
        地方分権推進委
        員会事務局長  東田 親司君
        総務庁行政管理
        局長      陶山  晧君
        自治大臣官房総
        務審議官    湊  和夫君
        自治省行政局長 松本 英昭君
        自治省財政局長 遠藤 安彦君
        消防庁長官   秋本 敏文君
 委員外の出席者
        大蔵省主計局主
        計企画官    飯原 一樹君
        厚生大臣官房政
        策課長     江利川 毅君
        農林水産大臣官
        房文書課長   宮本 晶二君
        建設大臣官房文
        書課長     藤田  真君
        地方分権に関す
        る特別委員会調
        査室長     黒沢  宥君
    ―――――――――――――
委員の異動
二月二十八日
 辞任         補欠選任
  古賀 敬章君     山崎広太郎君
同日
 辞任         補欠選任
  山崎広太郎君     古賀 敬章君
    ―――――――――――――
二月二十二日
 地方分権の推進に関する陳情書外三件
 (第一二三号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 地方分権の推進に関する件
     ――――◇―――――
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月原茂皓#1
○月原委員長 これより会議を開きます。
 地方分権の推進に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。畠山健治郎君。
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畠山健治郎#2
○畠山委員 地方分権推進法が昨年春成立して以来、間もなく一年になろうとしております。この間、地方分権推進委員会は、去年の秋に基本的な考え方、十二月末には検討試案をまとめ、現在、三月の中間報告に向けて精力的に検討されておると承っております。
 そこで本日は、総務、自治両大臣の所信表明を中心に、推進委員会における現在の論点について幾つか御質問申し上げたいと存じます。時間が極めて限られてございますので、手短にひとつお願いを申し上げたいと思います。
 まず第一は、地方分権推進法の審議の際、機関委任事務制度の取り扱いについて、同法第五条に定める「その他所要の措置」は、廃止を含むものであると当時の村山総理並びに山口総務庁長官が答弁しております。この政府見解は今も変わりありませんでしょうか。お承りをいたしたいと存じます。総務庁長官お願いします。
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中西績介#3
○中西国務大臣 地方分権推進法を制定するに当たりまして、並びに検討の過程におきまして、畠山委員、大変御努力、御迷惑をおかけしました。この点は、推進法を制定する過程の中における大変な御貢献に対して、お礼を申し上げたいと思っています。
 で、今ありました内容については、村山総理並びに山口当時長官の答弁とは全く変わりがないことをここでお答え申し上げたいと存じます。
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畠山健治郎#4
○畠山委員 昨年十二月、推進委員会は、機関委任事務の制度を廃止した場合の従前の機関委任事務取り扱いに関する検討試案を示しております。その大要は、廃止するものは廃止し、それ以外の事務は自治事務、法定受託事務とするというもので、これは機関委任事務制度に取ってかわる具体的結論という政府見解にこたえるものと言えます。しかも、中央政府と自治体間の責任分化を明確にする地方分権にふさわしい新しい事務概念として説得力があるものと考えます。これをどのように評価しておるか、総務、自治両大臣の見解を承りたいと存じます。
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倉田寛之#5
○倉田国務大臣 畠山委員御指摘のように、機関委任事務制度につきましては、地方六団体を初めまして、地方制度調査会などにおきましても、「地方自治の本旨」との関係、地方公共団体の自主性・自立性の確保、事務処理責任の所在の明確化などの観点から、制度自体を見直していく必要がある旨の指摘が行われたところでもございます。
 御指摘の、地方分権推進委員会が昨年の十二月の二十二日に発表いたしました機関委任事務制度に係る検討試案につきましては、地方団体からの機関委任事務制度の廃止に向けての強い改革の意見の表明に沿ったものであるというふうに存じております。機関委任事務制度を廃止した場合におきまする新たな地方公共団体の事務のあり方にまで踏み込んだものでございまして、評価をいたしているところでございます。
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中西績介#6
○中西国務大臣 先般、検討試案が出されましたけれども、今後地方分権推進委員会が検討を進めるに当たっての大まかな枠組みを示したものであると思います。
 一口に機関委任事務といいましても、その内容が極めて多種多様でございますので、検討試案の考え方を現実の行政事務に適用するといたしますと、具体的な事務の振り分けの考え方や基準をどのように設定をするのか、現行の行政運営の実態がどのように変わってどのような問題が生ずるか、あるいは生じないのか等々、具体的に検証してみる必要があろうかと思っております。
 そうした中で、機関委任事務制度の改革については、国と地方の役割分担の根幹にかかわる問題でもありますが、個々の事務、所管する各省庁はもとより、関係各方面の意見を聴取し検討すべき事柄であろうと思っております。
 以上です。
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畠山健治郎#7
○畠山委員 法第十五条に基づいて、推進委員会は検討試案に関する省庁の資料の提出、意見の開陳、説明を求めたと聞いておりますが、これに対する省庁の評価はどのようなものであったのか。積極的か消極的か、説明をいただきたいと思います。
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東田親司#8
○東田政府委員 お答え申し上げます。
 検討試案につきましては、先生御指摘のとおり昨年の末に公表いたしまして、ことしに入りましてから、地方六団体それから関係省庁等のヒアリングを重ねているところでございます。
 これに対する評価でございますけれども、地方六団体と一部の省庁からは、新たな地方公共団体の事務のあり方にまで踏み込んだ画期的なものであるという御評価をいただいておりますが、一方で、大方の省庁からは、三点ほどに要約できるかと思いますが、次のような御意見をいただいております。
 一点は、現行の機関委任事務が多種多様であって、そのすべてを検討試案では自治事務と法定受託事務の二種類に当てはめようとしているけれども、これは難しい面があるのではないかという懸念が一点でございます。
 それからもう一点は、したがって、国と地方の共同事務という概念もあり得るのではないだろうかというのが二点目でございます。
 それから三点目は、仮に二類型の中の自治事務にした場合に、この案で提案されている国の関与の手法が幾つかあるわけでございますけれども、この関与の手法だけでは、全国的な統一性、公平性を要する事務を的確に執行できないおそれがあるのではないか。
 以上、三点の懸念といいますか意見が出されておるところでございます。
 ただしかしながら、各省庁からは、今回のこの検討試案の基本的考え方におよそ反対である、評価に値しないというような意見が出されているわけではございませんで、委員会といたしましては、今提起されております懸念、意見等をも勘案しながら、国民の皆様にわかりやすく、また、対等・協力の国対地方の関係にふさわしい制度へと改革できるようさらに詳細な細部を詰めてまいりたいというのが現在の委員会の考え方でございます。
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畠山健治郎#9
○畠山委員 ただいまの説明では積極的に評価したのはどうも自治省だけのようでございまして、他省庁は軒並みに消極的のようであります。これはどういうことでしょうか。立法意義や政府見解の否定とつながるものではないだろうかと考えます。総務庁長官の見解をまずお伺いをいたしたいと思います。
 続きまして、推進委員会の詳報を読みますと、高く評価した自治省といえども、個別具体の話となると、どうもそうではありません。総論賛成、各論反対の面があります。この点、自治大臣の見解を承りたいと存じます。
 また、機関委任事務を比較的多く抱えていると思われる省庁のうち、差し当たり建設、農水、厚生各省庁にお伺いしたいと思います。
 まず第一点は、消極的評価の理由について、第二点は、推進委員会に意見開陳するに当たっての最終的省内意思決定レベルについて、具体的にお答えをいただきたいと思います。
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中西績介#10
○中西国務大臣 お答えします。
 私といたしましては、各省庁におきまして、委員会からの求めに応じまして、検討試案に対して所管省庁が問題意識を率直に述べられたと思っております。こうした議論は、委員会の提言が真に実効性のあるものになるために必要かつ有益なものだと私は思っております。
 いずれにいたしましても、政府といたしましては、機関委任事務制度のあり方を含めまして地方分権推進委員会から具体的な指針の勧告を受けまして、なるべく速やかに地方分権推進計画の策定に取りかかり、地方分権の流れを思い切って加速をさせなくてはならぬと私は思っています。
 特に、私といたしましては、地方分権推進委員会というのは、戦後あるいは戦前から考えましても、多くの問題を中央に集中するということが問題視されておりましただけに、もう後退するわけにはいきませんので、積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
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倉田寛之#11
○倉田国務大臣 委員御案内のように、地方分権の推進につきましては、もはや実行の段階にあるという認識をいたしているところでございます。
 そこで、自治省といたしましても、分権型行政システムへの転換を進めるために、現在全省的に鋭意検討を進めているところであり、個別具体の問題につきましてはいまだ結論を得るに至っておりませんが、機関委任事務の廃止、国の関与の廃止、緩和、地方税財源の充実などに取り組んでまいりますとともに、地方分権推進委員会から具体的な指針の勧告を受けた場合には、それを尊重して作成をされます政府の地方分権推進計画に基づきましてこれを着実に実施をしてまいりたい、こういうふうに考えているところでございます。
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藤田真#12
○藤田説明員 建設省の関連いたします行政につきましては、例えば国道や河川の管理でありますとか、あるいは都市計画制度、土地収用制度などございますけれども、これらにつきましては、国が全国的なあるいは広域的な視点から、また、地方が身近な住民の視点から、それぞれ協力をしながら適切な役割分担のもとに進めることが重要である、こういうふうに認識をしております。また、このことにつきましては、地方分権推進法の第四条の趣旨に照らしても、それの方向に沿うものというふうに認識をしているところでございます。
 このような観点から、地方分権推進委員会からの依頼を受けまして、この委員長見解あるいは検討試案につきまして、建設行政の実態につきまして御説明をさせていただいたところでございます。
 もとより建設省といたしましては、地方分権の推進が必要である、こういうふうな認識を持っておるところでございまして、個々の事務ごとに検討を加えながら従来から権限の移譲あるいは補助金の整理合理化などに努めておるところでございますが、今後につきましても地方分権推進委員会の御指導をいただきながら進めてまいりたい、こういうふうに考えております。
 なお、地方分権の推進につきましては、さきの建設委員会におきまして、所信表明の中で建設大臣自身も取り組むべき課題として述べられておるところでございまして、この検討につきましては、建設大臣の御指導もいただきながら省を挙げて行っておるところでございます。
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宮本晶二#13
○宮本説明員 農林水産省といたしましては、地方分権推進法の趣旨に従いまして地方分権を推進する必要があると考えてございまして、そのような考えから地方分権推進委員会での検討に参加させていただいているところでございます。したがいまして、農林水産省が地方分権に反対しているというわけではございません。
 そこで、地方分権推進委員会のお示しいただいた検討試案でございますけれども、これは機関委任事務を廃止してその大部分を地方公共団体の自治事務とするということを主要な内容とするものと承ってございますけれども、現在農林水産省が所管しております機関委任事務、これは数十年にわたりまして国と地方公共団体との協力関係のもとで共同で処理されてきたものでございます。これを新しい仕組みに移行させるためには、農林水産行政の執行に支障を来すことのないよう慎重に検討する必要があるというふうに考えてございます。
 したがいまして、検討試案につきましては、このような考えに基づきまして、個々の事務の実態に応じて事務執行の具体的なあり方について検討をする必要があること、特に農林水産関係の諸制度から要請されます全国的統一性ないし公平性の確保とか、あるいは国の政策方向との整合性の確保、それから広域的調整、そういったようなことのために必要な国の関与の仕組み等について十分な検討が必要である旨、地方分権推進委員会におきまして申し上げたところでございます。
 なお、この地方分権への対応につきましては、随時大臣に御報告しつつ、省としての考えを示しているということでございます。
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江利川毅#14
○江利川説明員 厚生省の関係でございますが、厚生省はかねてより、福祉八法の改正とか地域保健法の改正とかということで、住民に対するサービスは市町村において行ってもらうということで、何度か法改正を重ねてきたところでございます。
 地方分権推進委員会から出ました機関委任事務の見直しについての検討試案につきましては、今までの御答弁の中にもありましたが、機関委任事務を大きく二つに分類するということで案が示されているわけでございます。ただ、この二つの分類でいろいろな仕事が円滑に実施できるのかどうかという点につきまして心配がございまして、私どもが事務執行上一体どうなるのだろうかという疑念を幾つか委員会では表明させていただいております。委員会の方では各省庁の意見や地方団体の意見を踏まえてこの検討試案をさらに検討するというふうに聞いておりますので、またそういうものを踏まえながら私どもも積極的に対応してまいりたいというふうに思っているわけでございます。
 大臣には何度か御説明をしておりまして、大臣もまた、では検討試案の見直しがあるのならそれを踏まえて大いに議論しようというようなことを私どもに言っているわけでございまして、省を挙げてこの問題に取り組むということで内部の検討、調整を進めているところでございます。
 以上でございます。
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畠山健治郎#15
○畠山委員 ただいまの省庁の説明では、省内意思の決定過程に大臣の存在は極めて希薄だと言わざるを得ないと思います。これでは内閣の政治責任はどうなるのか。しかも与党は、村山及び橋本政権発足に当たり、機関委任事務制度の廃止に合意しておるわけであります。総務、自治両大臣は直接の所管大臣であります。地方分権法ではなくて、「推進」なる言葉を殊さらにつけ加えた法の積極的な意義を踏まえ、閣内で対応されるよう強く要請したいと存じます。
 推進委員会の詳報でも、ただいまの省庁の説明でも、余り聞きなれない言葉が使われております。それは共同の事務論とでも言ったらよいのでしょうか。厚生省しかり、建設、農林省しかり、まるで省庁が一斉に、申し合わせたかのようにこの言葉を使っております。特に農水省は、機関委任事務は国と地方の共同作業的性格を有すると言い切っております。
 私なりに理解すれば、現状の中央政府と自治体は対等関係にあり、だから対等な団体間の事務としての機関委任事務は共同の事務である、こうなると思います。機関委任事務制度の廃止が迫られると、制度的、実態的上下関係を黙殺して対等を言うのは一体どういうことですか。これでは地方分権推進法の制定の積極的意義を否定することに等しいのではないでしょうか。
 そこで、自治大臣にお伺いをいたします。現在の中央、地方は対等な関係にあるのかどうか、率直にお答えをいただきたいと思います。
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倉田寛之#16
○倉田国務大臣 国と地方公共団体は、国民の皆様の福祉の増進に向かいまして相互に協力をしていくことは必要でございますが、個性豊かで活力に満ちた地域社会を実現をしてまいりますには、地域の総合的な行政主体であります、住民の皆様に身近な存在であります地方公共団体が地域のさまざまな課題に責任を持って対応できますように、地方分権を強力に推進をして、その自主性・自立性を高めていくことがまず重要であるというふうに考えております。
 地方分権推進委員会におきまする意見の聴取の場におきまして、地方団体からは、さまざまな行政分野にわたって機関委任事務制度が採用され国の関与が広範に行われているなど、国と地方の関係は上下関係になっているのが実態であるとの認識が示されております。昨年の十二月二十二日に、地方分権推進委員会の委員長見解として、分権型社会における国と地方の関係は上下・主従の関係から対等・協力の関係に変わるとの考え方が示されているところでございます。
 いずれにいたしましても、地方分権の推進につきましては、これらの見解を踏まえまして国と地方の新たな関係の構築を目指すものでございまして、私といたしましても、実りある成果を上げることができますように強い決意で臨んでまいりたい、こういうふうに考えているところでございます。
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畠山健治郎#17
○畠山委員 共同の事務論の意味するものは、機関委任事務制度が廃止され新しい事務概念に取ってかわっても、実態上従前の機関委任事務制度と同様な機能を保持すること、省庁の考え方はこれに尽きるのではありませんか。しかも、今さら統一性や効率性を持ち出すのは機関委任事務制度の廃止に反対するのと同じことであり、与党として厳重に注意しておきたいと思います。
 そこで、質問いたします。
 検討試案で示された新しい概念で機関委任事務を整理しても、国の関与が従前のように維持されるなら、実態は何ら変わらないことになります。したがって、国の関与などは原則廃止を前提とし、新たな法定受託事務とされる事務であっても極めて抑制する手続が必要と考えます。これが機関委任事務制度に取ってかわる新しい事務概念とその保障措置だと考えますが、両大臣の見解を承りたいと思います。
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倉田寛之#18
○倉田国務大臣 地方分権推進委員会が昨年の十二月に発表いたしました機関委任事務制度に係る検討試案は、機関委任事務制度を廃止した場合における新たな地方公共団体の事務のあり方にまで踏み込んだものでありまして、これとあわせまして、国の関与につきましては、法令の定めによらないものは原則として廃止するとともに、存置する場合におきましても、基本的な事項は法律で定める方針で具体的な検討を行うとの委員長見解が示されておるところでございます。
 これは、新たな国、地方のパートナーシップのもとにおきまする国の関与は、従来の上下関係を基本としたものから、透明公正を旨とする対等な関係に移行すべきであるという考え方に立っているものと理解をいたしております。
 地方分権推進委員会におきましては、三月の中間報告に向けて精力的に御審議をいただいているところでございますが、御指摘の国の関与、機関委任事務制度の抜本的な見直しなど、各般にわたる課題につきましても積極的に検討が深められて、法定受託事務についてもそのあり方について論議が行われるものと考えております。具体的な指針の勧告をお願い申し上げているところでございます。
 先刻も申し上げましたように、地方分権の推進をしてまいりますのは今や時代の流れでありますので、地方分権推進法に即しまして実りある成果を上げ得るよう強力に進めてまいりたい、こういうふうに考えているところでございます。
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中西績介#19
○中西国務大臣 地方分権を推進するに当たりまして、地方公共団体の自主性と自立性を高める、そのためには地方公共団体への権限移譲、もとより国の関与の整理合理化に積極的に取り組んでいかなくてはならぬと思っています。
 政府といたしましては、地方分権大綱に基づきまして、御指摘の問題については必要最小限のものに整理合理化を図っていく、このことが前提でなくてはならぬと思っております。積極的に推進をしてまいりたいと思います。
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畠山健治郎#20
○畠山委員 推進委員会が、地方分権の重要なかぎである機関委任事務制度の検討にまず着手したことは十分理解できます。しかしながら、自治体の首長の皆さんからすれば、特に財政の厳しい状況では、財源の分権化に注目するのは当然と言えましょう。
 そこで、地方六団体は、奨励補助金約四兆円を廃止し、税と交付税で折半保障する改革案を提起しております。財源移譲の一方策として、これは重要な改革手法だと考えます。自治大臣並びに大蔵省の考えをお伺いいたしたいと思います。
 そして最後に、三月の中間報告あるいは指針勧告は、地方分権の具体像を国民に示す重要な機会であろうかと思います。特に、官官分権に陥りがちのこの課題を国民的関心の中に置くためには、何よりも、利益集団に支配されない推進委員会の自主的・主体的検討が必須条件であり、そこで得られた結論を着実かつ速やかに計画化することが推進委員会の自主性を保障する道だと考えます。この点、総務庁長官の決意のほどを承りたいと存じます。
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倉田寛之#21
○倉田国務大臣 地方六団体が御指摘のような提言を行いましたことは聞いております。国庫補助負担金の整理合理化につきまして具体的な提言をなされたことには敬意を表したいと存じます。
 国庫補助金等につきましては、一般財源などにより、これまでも整理合理化を進めてきたところでございますが、今後さらにこれを推進してまいりますには、地方六団体の提言のように、目標を量的に設定いたしまして、その計画的な整理を促すことも一つの考え方であろうと思います。
 何よりも重要なことは、これに伴いまして、地方への税源移譲などにより、地方の財源への振りかえを行う必要があるわけでございますが、これについても提言をされていることを高く評価いたしているところでございます。
 自治省といたしましては、今後、地方分権推進委員会における審議などを踏まえまして、国庫補助金等の整理合理化に積極的に取り組んでまいりますとともに、これに伴います地方税財源の充実強化につきましても検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。
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飯原一樹#22
○飯原説明員 地方交付税等の一般財源についての御質問でございますが、国と地方の財源にかかわる問題につきましては、国と都道府県、市町村の税源配分、地方交付税や個々の補助金制度等、種々の制度のあり方にかかわる問題でございまして、今後、国と地方の機能分担、費用負担のあり方の見直しや、御承知のような国の財政事情もございますので、国と地方の財政状況等も踏まえながら、幅広い見地から検討を行っていくべき課題であるというふうに考えております。
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中西績介#23
○中西国務大臣 地方分権推進委員会の勧告を尊重するということは、地方分権推進法に明記されておる事柄であります。したがって、政府といたしましては、委員会勧告を受けまして、速やかに実効ある計画を作成し、積極的に推進したいと思っています。
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畠山健治郎#24
○畠山委員 終わります。ありがとうございました。
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月原茂皓#25
○月原委員長 今井宏君。
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今井宏#26
○今井委員 おはようございます。今井宏でございます。
 早速、質問に入らせていただきます。
 第一点目は、地方分権推進委員会の事務局体制の充実について何点か御質問をさせていただきますが、この委員会が発足いたしまして既に半年も過ぎたわけでございます。この間、三十数回にわたりまして極めて精力的な審議検討をしていただいております委員会の委員の先生やあるいは部会の専門委員の先生方の御努力に対しまして、高く評価をさせていただきます。今後とも、着実確実な分権社会の実現へ向けて、意欲的に取り組まれております先生方のより一層の御指導と御奮闘を期待しておきたいと思うわけでございます。
 また、地方六団体におかれましても、二百五十ページに及ぶ事例集や十一項目にわたる制度的課題について整理をするなど、その積極的な取り組みが推進委員会の審議を深めていくために大きく貢献していること、そして、地方の分権へ向けての改革への熱意、これを私たちは忘れてはならないし、しっかり受けとめなければならないことだと思っております。特に自治省におかれましては、このような地方の自発的な活動を尊重いたしまして、その意向の反映に大いに努力していただきたい、このように要望しておきたいと思うわけであります。
 さらに、地方分権推進法、私ども新進党も議員立法をいたしまして、閣法を修正いたしまして全会一致で成立させたわけでございますので、国会としても、国会の機能としての責任を改めて強く深く認識をしていかなければならない、このように考えておるわけでございます。
 さて、この委員会の活動を支えていくのは何といっても事務局であるわけでございますが、私もこの場から再三御質問申し上げましたように、事務局の独立性と充実した体制の必要性が最も強く求められなければならないと強く要求してきたところでございます。地方分権が最大の行政改革である、このようなことも再三申し上げました。あわせて言えば、最大の政治改革でもあるわけであります。
 本来ならば、小選挙区比例制の選挙制度と分権が同時に行われるのが望ましいというふうに私も考えておるのですが、その件はまた別にいたしましても、この委員会の事務局体制は、十分ふさわしい体制で臨んでいかなければならないわけでございます。現在、局長以下三人の参事官のもとで三十人体制をとっている、こういうふうに聞いておるところでございますが、これで十分なのでしょうか。大変心配しております。その辺につきまして御答弁をいただきたいと思います。
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東田親司#27
○東田政府委員 お答え申し上げます。
 事務局は、先生御指摘のとおり、事務局長、事務局次長それから参事官三人、これが幹部でございまして、そのもとに、本日現在三十人の体制をいただいております。委員会の発足時、昨年七月三日時点では二十一人で発足いたしましたけれども、その後、部会の発足と審議の状況を踏まえまして、必要な増員の配慮をさせていただいたところでございます。
 この三十人の職員によりまして親委員会と二つの部会の事務処理を行っておるところでございますけれども、現在、三月末の中間報告に向けて鋭意審議が進められておりまして、中間報告後どのような審議体制になるのか、現在の体制を変更するのかどうかという点については、まだ委員会としての議論が行われておりませんので、今後、特に中間報告が終わった後の委員会の審議の状況を見つつ、必要に応じて事務局体制の充実に努力してまいりたいというふうに思っております。
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今井宏#28
○今井委員 実は、心配しておりますのは、今局長が御答弁いただきましたように、十二月の勧告に向けての体制の充実強化であります。親委員会で担当しております制度的課題への対応あるいは税財源問題への対応を考えますと、あと二つ程度のチームの編成が必要ではないだろうかと考えております。財源と権限はセットとされなければ本当の分権ができないわけでしょうし、この法律が五カ年間という時限立法であるのは御承知のとおりでありますが、全体の作業のスケジュールに合わせた事務局体制の整備計画、そういった全体の計画みたいなものは持っていないのでしょうか。
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東田親司#29
○東田政府委員 お答え申し上げます。
 現在、親委員会と二つの部会で分担をしておるわけでございますが、その分担の考え方は、親委員会におきましては機関委任事務、補助金などのいわば制度的課題を最終的に検討する場である、それから地域づくり部会とくらしづくり部会は、それぞれ、地域づくり部会の方は地域社会の基盤に関する行政分野を担当する、くらしづくり部会の方は住民の日常生活に近い行政分野を担当するという考え方で今分担をしているわけでございます。
 中間報告が終わった後、先生御指摘のように、税財政問題等も本格的にやらなければならないということは十分認識しておりますので、現在の親委員会・二部会という体制のままでいくのかどうかにつきましては、当然議論をしなければならないことだろうと思っております。その段階にまだ本日時点では至っておりませんので、親委員会における議論をしていただいて、その動向を踏まえまして必要な事務局体制も考えていかなければならないというふうに思っております。
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