労働委員会

1997-05-09 衆議院 全301発言

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会議録情報#0
平成九年五月九日(金曜日)
    午前九時三十一分開議
出席委員
  委員長 青山  丘君
   理事 荒井 広幸君 理事 大野 功統君
   理事 佐藤 剛男君 理事 森  英介君
   理事 河上 覃雄君 理事 桝屋 敬悟君
   理事 金子 満広君
      飯島 忠義君    大石 秀政君
      河井 克行君    小林 興起君
      竹本 直一君    棚橋 泰文君
      能勢 和子君    藤波 孝生君
      綿貫 民輔君    鍵田 節哉君
      塩田  晋君    武山百合子君
      西田  猛君    吉田  治君
      近藤 昭一君    中桐 伸五君
      松本 惟子君    大森  猛君
      辻元 清美君    畑 英次郎君
 出席国務大臣
        労 働 大 臣 岡野  裕君
 出席政府委員
        労働政務次官  小林 興起君
        労働大臣官房長 渡邊  信君
        労働省労働基準
        局長      伊藤 庄平君
        労働省婦人局長 太田 芳枝君
        労働省職業安定
        局長      征矢 紀臣君
        労働省職業能力
        開発局長    山中 秀樹君
 委員外の出席者
        大蔵省主税局税
        制第一課長   伏見 泰治君
        文部省初等中等
        教育局職業教育
        課長      池田 大祐君
        労働委員会調査
        室長      中島  勝君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月九日
辞任          補欠選任
  福岡 宗也君     武山百合子君
  村山 富市君     辻元 清美君
同日
辞任          補欠選任
  武山百合子君     福岡 宗也君
  辻元 清美君     村山 富市君
    ―――――――――――――
五月九日
 労働法制の改悪反対等に関する請願(木島日出
 夫君紹介)(第二四七八号)
 同(穀田恵二君紹介)(第二四七九号)
 労働基準法の女子保護規定の撤廃反対に関する
 請願(大森猛君紹介)(第二四八〇号)
 同(金子満広君紹介)(第二四八一号)
 同(佐々木陸海君紹介)(第二四八二号)
 同(中路雅弘君紹介)(第二五五七号)
 同(中島武敏君紹介)(第二五五八号)
 男女雇用機会均等法及び労働基準法改正に関す
 る請願(秋葉忠利君紹介)(第二五五五号)
 同(畠山健治郎君紹介)(第二五五六号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
五月九日
 季節労働者の雇用と生活安定に関する陳情書外
 一件
 (第二八九号)
 男女雇用機会均等法及び労働基準法改正に関す
 る陳情書
 (第二九〇号)
 実効ある男女雇用平等の法整備に関する陳情書
 (第二九一号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇
 の確保等のための労働省関係法律の整備に関す
 る法律案(内閣提出第二九号)
     ――――◇―――――
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青山丘#1
○青山委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等のための労働省関係法律の整備に関する法律案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。飯島忠義君。
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飯島忠義#2
○飯島委員 おはようございます。自由民主党の飯島忠義でございます。
 ただいま上程になっております雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等のための労働省関係法律の整備に関する法律案関係について、質疑を行います。
 御案内のとおり、今、私どもの日本を取り巻く就職環境は大変厳しいものがあります。私自身もこういう立場におりますので、とりわけ、女子大学生からの就職相談というものが大変多いわけでございますけれども、それらも含めてでございますけれども、非常に雇用の分野における女性に対する差別というものがあるのではないか、それらを含めてお伺いしてまいりたいと思います。
 企業活動のグローバル化が進む中で、国際的に見た公正な競争の確保という観点から、雇用・労働の分野においてもグローバルスタンダードという考え方が重要であります。我が国の法制が企業活動を阻害するものでないかどうか、改めて検討していく必要があると考えます。
 しかし、一方で、ただいま申し上げましたとおり、雇用の分野における女性に対する差別は、新聞報道にも見られますように、女子学生の就職差別問題など、依然として根強いものがあると聞いております。男女雇用機会均等法の強化は、その意味では時代の要請であると思われます。
 そこで、まず、雇用の分野における男女均等取り扱いに関する諸外国の法制はどのようになっているのか、お伺いをしておきたいと思います。
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太田芳枝#3
○太田(芳)政府委員 お答えいたします。
 諸外国におきましても、雇用の分野における性差別については法律で禁止規定を設けております。
 例えば、アメリカにおきましては、アメリカの公民権法第七編におきまして、募集・採用、雇用条件、解雇などについての差別が禁止されておるところでございます。
 イギリスでは、性差別禁止法におきまして、雇用の機会の提供、配転、昇進、訓練等について差別が禁止されております。
 フランスでは、労働法典におきまして、採用の拒否、配属、配置がえ、昇進、職業訓練、労働契約の更新の拒否などについて性差別が禁止されております。
 ドイツ民法におきましては、募集、雇用契約の締結、昇進、職務上の指示、解雇等について、これまた性差別が禁止されているところでございます。
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飯島忠義#4
○飯島委員 一九七五年のイギリスにおける性差別禁止法等々を含めてでございますけれども、性差別の禁止を規定することは国際水準とも言えるのですが、そのような中で、今回、募集・採用、配置・昇進について差別を禁止する規定とした趣
旨について、改めて伺っておきたいと思います。また、これによって女性の雇用にどのような効果を生ずると考えているか、二点について伺っておきます。
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太田芳枝#5
○太田(芳)政府委員 性差別の禁止は、均等法施行後十年が経過したわけでございますが、この間、女性の雇用者数は大幅に増加いたしましたし、勤続年数も伸びております。また、職域も拡大をしておりまして、女性労働者の就業実態は、やはり、募集・採用、配置・昇進について努力義務規定とすることが適当と判断した十年前の現行の均等法制定当時と比べまして、大きく変化してきたというふうに考えておるわけでございますが、一方、先生御指摘のように、女子学生の就職問題に見られますように、女性が男性と均等な取り扱いを受けていない事例というのも、やはり依然として多く見受けられるところでございます。
 今回の改正におきましては、このような状況に適切に対応いたしまして、女性が性別により差別されることなくその能力を有効に発揮できる環境を整備するという観点から、募集・採用、配置・昇進について女性に対する差別を禁止するというような法律の強化を行ったところでございます。
 この改正によりまして、女性が性別により差別されることなく、男女同一の労働条件の基盤に立って働くことができることになるというふうに考えておりまして、女性の職場進出、能力の有効発揮が一層促進されるというふうに判断をしております。
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飯島忠義#6
○飯島委員 禁止規定化でございますけれども、禁止規定化が企業の雇用管理に与える影響というものは大変大きいものがあろうと思います。とりわけ中小零細企業においてはその影響が大だと考えております。中小零細企業が今回の改正に対して雇用管理面において十分な対応ができるのかどうか、行政としても十分な配慮が必要だと思われます。労働省の見解についてはいかがでございますでしょうか。
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太田芳枝#7
○太田(芳)政府委員 お答えいたします。
 今回の改正は、先生御指摘のように、中小企業に、もちろん大企業も含めてですが、企業の雇用管理にやはり大きな影響を与えるものであるというふうに考えております。特に中小零細企業につきましては、やはり事前に十分な周知や準備が必要でございまして、法の施行に向けてきめ細かい配慮が必要であるということにつきましては、婦人少年問題審議会の議論の中でも指摘をいただいているところでございます。
 このため、労働省といたしましては、事業主が法の内容に沿った雇用管理の見直しを速やかに行うことができますよう、中小企業団体とか各種業種団体、地方公共団体などと十分に連携を図りまして、中小零細企業に対するPRを中心といたしまして、特別啓発活動というものを展開したいというふうに思っておるところでございます。
 具体的に申しますと、改正法ができましたら、速やかに法律とか指針、通達の内容をわかりやすく解説いたしましたパンフレットを作成いたしまして地域別、また業種別の集団説明会を実施したり、それから事務所訪問をいたしますときなど、あらゆる機会をとらえて周知を図りたいと思います。また、中小零細企業において雇用管理の見直しとか就業環境の整備が円滑に行われるように、サポートはできるだけやっていきたいというふうに思っております。
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飯島忠義#8
○飯島委員 中小零細について申し上げれば、人的にそこまでの体制というか、なかなかとりにくい状況下にあろうと思います。そういう面で、啓発活動については十分な努力をお願いしたいと思います。
 さて、この法律の中で企業名の公表制度、先日も論議になっておりましたけれども、差別禁止の実効性を確保する措置として新設されますところの企業名公表の制度でございますけれども、社会的制裁としてかなり大きな効果を持つものと思われます。
 労働省においては、過去にも内定取り消しを行った企業名を公表したところでありますけれども、その際に、これは最終的にそうなったということでやむを得ないところだったと思うのですけれども、結局、公表された企業というものは、経営が苦しくて、やむにやまれず内定というものを取り消した。つまり、悪意のない企業が多かったと思うわけでございます。また、それについての、マスコミも含めた批判というものが大変多かったという話を聞いております。
 今般の企業名公表制度も、行政指導の効果を高めるものとして有効に活用されることが重要である一方、雇用管理体制の弱い中小零細企業ばかりがその対象となることのないよう、公正な運営がなされることが必要だと考えております。労働省としての方針はいかがでございますか。
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太田芳枝#9
○太田(芳)政府委員 お答えいたします。
 公表制度でございますが、今回の均等法の公表制度は、労働大臣または女性少年室長の勧告に従わなかった法違反の企業につきまして、法違反の速やかな是正を求めるというための行政指導の効果を高めることを目的といたしましてつくったものでございます。
 この公表は、先生おっしゃいますようにやはり社会的な制裁措置でもございますので、その前の段階の、労働大臣または女性少年室長の助言、指導、勧告、一連のそういうものを含めまして、公正な手続それから基準により実施されるべきということは当然のことであるというふうに考えるわけでございます。今後、この基準、手続を定めるわけでございますけれども、定めました手続に従いまして適切な運用を図っていきたいというふうに考えておるところでございます。
 また、公表制度を発動することがないようにするということがやはり非常に重要であるというふうに思っておりますので、中小零細企業も含めまして事業主に対しまして、法の内容につきまして十分な周知啓発を図りまして、法違反に当たるような差別的取り扱いが行われることがないように、そちらの方をまずは徹底していきたいというふうに考えておるところでございます。
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飯島忠義#10
○飯島委員 そういう面で格段の配慮をお願いしたいと思っております。
 さて、ポジティブアクションについてでございますけれども、新しい課題への対応としての規定が新設されるわけでございますが、均等法上の差別禁止規定を遵守するだけでは解消できない男女労働者間に事実上生じている格差の解消は、実質的な男女均等の実現のためには欠かせないものであります。
 しかしながら、これに関しては、審議会でも使用者側から、ポジティブアクションの必要性を認めつつも、あくまでも自主的に取り組むものであり、行政が関与することや法律上の規定を設けることまでは必要ないとの意見も強かったと聞いております。この規定についても、企業活動を制約するものであってはならないと考えるわけでありますすれども、諸外国ではどのような規定が設けられているのか、伺っておきたいと思います。
 また、男女労働者間の事実上の格差の是正、解消を図るため、新しい規定に基づき、労働省としては今後どのように取り組んでいくのか、伺っておきます。
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太田芳枝#11
○太田(芳)政府委員 諸外国におけるポジティブアクションでございますが、具体的な取り組みといたしましては、イギリスは、これは全く各企業の任意にゆだねている国でございます。それから、フランス、カナダは、一定規模以上の事業主に対しまして、男女労働者の雇用状況の分析についての報告を義務づけておるわけでございます。それから、アメリカ、オーストラリア、スウェーデンは、一定の事業主に対しましてポジティブアクションに関する計画の策定を義務づけておるわけでございます。そして、フランスにおきましては、ポジティブアクションに関する計画を作成した事業主に対して国の資金援助を行っているというふうに、国によってさまざまな形でポジティブアクションに取り組んでいるわけでございます。
 今回の法律にポジティブアクションを規定したわけでございますが、労働省といたしましては、
各地域において、経営者団体とか各種業界の団体との連携を図りながら、まず、このようなポジティブアクションのそもそも持つ重要性、それからやり方等につきまして、事業主の理解を深めるような周知を図っていきたいというふうに思うわけでございます。
 例えば、企業のトップの方がこういうことをよく理解してくださるということが非常に重要だと思いますので、トップセミナーを開催したり、それから、各地域における業種別使用者会議を開催することなどによりまして、企業のポジティブアクションの具体的な取り組みを援助申し上げていきたいというふうに思っているわけでございます。
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飯島忠義#12
○飯島委員 大変大事な事業でございますし、その事業の運営について御配慮をお願いしておきたいと思います。
 さて、女性の社会参加というものが進む中で、女性が十分に能力を発揮することができるようにするためには、働きながら安心して子供を産むことができる環境をつくることも重要な課題であります。少子化が叫ばれて久しいわけでございますけれども、少子化への対応という観点からも母性保護の充実というものは大事な点でございます。その意味で、今回の改正において、妊娠中や出産後の女性労働者の健康管理について事業主に一定の措置を義務づけるなど、母性保護に関する規定が強化されたことは高く評価できるところでございます。
 今回の規定の強化は、産婦人科医などの専門家の研究会による検討結果を踏まえたものと聞いておりますけれども、この研究会においては、どのような項目についてどのような検討が行われたのか、伺っておきたいと考えます。
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太田芳枝#13
○太田(芳)政府委員 先生御指摘の専門家会議でございますがこれは、男女雇用機会均等法の見直しを検討していただいておりました婦人少年問題審議会婦人部会におきまして、医学的検討が必要な事項については専門家による検討を速やかに行うべきであるという指摘がなされたことを踏まえまして、産婦人科の先生方、合計九名を構成員といたしまして設置したものでございます。
 この会議での主要検討項目は三点ございまして、一つは、産前産後休業のあり方、二つ目が、女性の妊娠及び出産に係る機能に有害である業務の範囲でございます。それから三つ目が、母性保護の範囲というようなことを検討したわけでございます。
 具体的に申しますと、一番目の産前産後休業につきましては、内外の医学的データをもとにいたしまして産前産後休業のあり方の検討を行ったわけでございます。また、有害業務の範囲につきましては、重量物取り扱いの業務とか有害物が発散する場所における業務について、内外における近年の状況を踏まえ、これまでの考え方について吟味を行ったわけでございます。さらに、母性保護の範囲につきましては、医学的知見の状況をもとに、妊娠前における母性保護のあり方を中心に検討を行ったわけでございます。
 その結果といたしまして、改正法案でお示ししていますように、産前休業につきまして、多胎妊娠の場合ですけれども、現行の十週間を十四週に改正する必要があることなどを内容とする報告書をいただいたという次第でございます。
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飯島忠義#14
○飯島委員 私もその報告書を手元にしているのですけれども、武田座長さんほか九名ということで、熱心に審議されての報告を受けてこういうことであろうと思うのですけれども、女子保護規定の解消についてはいろいろな意見があると私も承知しております。私のところにも、そういう方々からの御意見、要望という形でいただいているわけでございますけれども、そもそも、今回の女子保護規定の解消というものはどのような趣旨に基づくのか。基本的な問題なので、確認の意味で再度伺っておきたいと思います。
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太田芳枝#15
○太田(芳)政府委員 均等法が昭和六十一年に施行されましてから十年余りが経過したわけでございますが、この間、女性の職場進出も進みましたし、女性の就業に関する意識とか国民一般の意識、また企業の取り組みというものも大きく変化をしてきたわけでございます。また一方、これまでの労働時間短縮の取り組みによりまして年間の総実労働時間は減少いたしまして、本年四月からは既に週四十時間の労働制が全面的に実施されているわけでございます。また、この間、育児休業や介護休業の法制化を初めといたしまして、職業生活と家庭生活との両立を可能にする条件整備というものも進んできたというふうに考えておるわけでございます。
 このような中で、女性に対する時間外・休日労働、深夜業の規制につきましては、女性の職域の拡大を図り、均等取り扱いを一層進める観点から、労使双方からその撤廃ないし見直しを求める声が多くなってきたというふうに思っております。
 このような状況の変化にかんがみまして、昨年十二月の婦人少年問題審議会の全会一致の建議を踏まえまして、雇用の分野における男女の均等取り扱いと女性の職域の拡大を図るという観点から、男女雇用機会均等法の改正とあわせて女子保護規定の解消をすることとしたものでございます。
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飯島忠義#16
○飯島委員 今の答弁はそれで理解をするわけでございますけれども、寄せられた意見の中には、とりわけ、特に深夜業の規制の解消というものが女性労働者の健康に与える影響、これについての懸念というものが少なからずあるように見受けたところでございます。先日の委員会の審議でも議論がありましたように、現在の我が国では、企業活動のグローバル化に伴い、また国民生活上も生産技術上も、さまざまな分野においてどうしても必要な深夜業があることも事実であろうと思います。
 このような状況のもとで、男女均等の確保、女性の職域の拡大という観点からも深夜業の規制の解消は必要と考えるわけでございますけれども、深夜業が女性労働者の健康に与える影響についてどのように認識し、どのような対策が講じられているのか、伺っておきます。
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太田芳枝#17
○太田(芳)政府委員 お答えいたします。
 深夜業が、昼間の労働に比べまして男女双方に健康面で影響があるという指摘があること、及び抵抗力の低下しております妊産婦にとって問題があるということは承知しているところでございます。労働省といたしましては、深夜業は生産技術上の必要とか国民生活の利便性などの点で不可欠な面もございますので、深夜業に従事する労働者につきましては、その健康や社会生活に対する影響をできるだけ少なくすることが必要であるというふうに考えておるわけでございます。
 このため、従来から労働安全衛生法に基づきまして、労働者の健康確保や妊産婦の深夜業の就業制限など、労働基準法の母性保護のための諸規定も整備充実をしてきたところでございますし、今般の改正法案におきましても、育児・介護休業法を改正いたしまして、育児や介護を行う必要のある一定範囲の男女労働者が請求をした場合には深夜業に従事させてはならないということとする予定をしておるところでございます。
 いずれにいたしましても、男女がともにバランスのとれました職業生活と家庭生活を送ることができるようにするという対策の推進には引き続き努めてまいりたいと思っております。
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飯島忠義#18
○飯島委員 外国においても、女子保護規定の見直し、解消というものが男女平等法の整備と並行して進められていると聞いておりますけれども、その経緯についてお示しをいただきたいと思います。
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太田芳枝#19
○太田(芳)政府委員 諸外国におきましても、男女平等法制の整備を行うとともに女子保護規定の見直し、解消を行っている国は多いわけでございます。
 その経緯といたしましては、まず男女平等法制の制定が先に行われまして、その後女子保護規定の解消が行われた国、これは例といたしましてはイギリスとかフランスとかドイツがございます
が、そういうやり方をした国と、それから、女子保護規定の解消が先に行われ、その後男女平等法制の制定が行われた国、これはカナダ、スウェーデンなどがございますが、国によって異なっておりますけれども、両方の、男女平等法制の整備、女子保護規定の見直し、解消を行っているというような状況でございます。
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飯島忠義#20
○飯島委員 平等法の施行、それから後に女子保護規定の撤廃、イギリス、フランス、ドイツ、それらはそういうことだと思います。
 例えば、イギリスは一九七五年に性差別禁止法、保護規定は一九八六年に廃止。フランスは労働法典で一九八三年が平等法の施行、廃止規定が一九八七年ですか、それから同様に、EC裁判所による深夜業禁止規定は違憲とされたことを受けて深夜業の合法化を発表したということで、これは一九九一年ですか。ドイツは民法で平等法の施行が一九八〇年、それで一九九四年には女子保護規定の廃止、こういう流れ。あるいは、女子保護規定の解消が先に行われた国はカナダ、スウェーデンとあるわけでございますけれども、このような経緯にかんがみますと、女子保護規定の解消もまたグローバルスタンダードであると思います。
 このように考えていきますと、今回の法改正というものは、雇用の分野における男女均等の実現を目指した総合的な内容を持つものと言えるのではないかと考えます。この法改正によって、我が国の働く女性を取り巻く環境は、また一段と改善されると考えております。しかしながら、そのためには、この法改正に伴って、各企業における雇用管理の見直しが円滑かつ的確に行われることが重要であろうと考えます。
 最後に大臣から、改正法の円滑な施行に向けた決意のほどを伺っておきたいと思います。
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岡野裕#21
○岡野国務大臣 本法が施行されますについては、雇用管理についての徹底的な見直しが必要だ、まことに先生がおっしゃるとおりだと思います。
 したがいまして、私どもは、どういうような管理をしていかなければならないかというようなことで、本法の内容につきまして一大キャンペーンを実施してまいりたい。パンフレット等も大量に配りてまいりたい、婦人少年室長総動員で、また講習会その他等々というようなことをやり、片方ではこういうことはいけないよ、もしかするとこれは公表するよというようなことで前向きに取り組むと同時に、立派な施策、ポジティブアクション等については表彰をするというような両様の手だても講じまして、ひとつぜひ、男女が雇用関係においては平等だということが徹底できますように我々としては頑張ってまいりたい。よろしくまた御支援賜りますよう、お願いをいたします。
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飯島忠義#22
○飯島委員 時間が参りましたので質問を終えたいと思いますけれども、今、大臣の答弁にもありましたけれども、企業名の公表制度、これは労働省のかつての何かつらい歴史というものを申し上げるのもどうかと思うのですけれども、企業名の公表については、中小零細、つまり、そういうやむにやまれすというふうなところが公表されることのないよう、指導についても十分にお進めをいただきたいということを申し上げて、私の質問を終えさせていただきます。
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青山丘#23
○青山委員長 これにて飯島忠義君の質疑は終了いたしました。
 次に、大石秀政君。
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大石秀政#24
○大石委員 引き続き自由民主党の枠内で質問させていただきます大石でございます。
 本会議を初めとして先日の委員会でも、この件に関しましては審議が行われているわけでございます。男女間の平等あるいは共同参画社会につきましては、この労働省関係のみならず、例えば総理府ですとか他の省庁でもいろいろと政策が進められておりまして、そういったものの全体像の中でというような意味もあるわけでございますけれども、どちらかというと、雇用あるいは職業を中心にというふうに問題を絞った方がわかりやすいということで、そのような趣旨で本日は質問をさせていただきたいと思います。
 まず、私は今三十三歳なわけでございますけれども、世代ということでくくってしまうというのはちょっとどうかと思いますけれども、もともと職業について男女間というような意識というものは大変に薄い世代であると思います。また、時代の方もそのような雰囲気の流れになっていると思います。ですから、今回の改正というものは、私は極めて自然なことと考えているわけでございます。
 ここで、今一番私ども政治家が考えなければいけないことというのは、特に私は強く感じるわけですけれども、女性の仕事に対する責任感あるいはプライドというものが年々非常に強くなってきている、このことは非常に大切に考えなければいけないことであると思っております。また、これから採用される、まあ女子学生ということになると思いますけれども、それまでに、もちろん勉強もそうですけれども、その人生経験の中でそれなりのプライドを持って採用試験等に当たってくる、そういったこともやはり真剣に考えていかなければならないと思っているところでございます。
 それで、そういうふうな状況のもとで今回の均等法の強化というものがあるわけでございますけれども、今回の改正が女性の働き方にどのような影響を与えていくと考えているのか、少し確認の意味も含めまして尋ねさせていただきたいと思います。
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太田芳枝#25
○太田(芳)政府委員 お答えいたします。
 今回の均等法の改正は、働く女性たちが性別により差別されることなく、その能力を十分に発揮できる雇用環境を整備することを目的としているわけでございます。したがって、本法案が成立いたしました後は、その周知徹底を図りまして、男女の均等な機会と待遇の確保を真に実効あるものにしていくことによって、女性の職域の拡大、そして管理職として活躍する女性の増加などが一層促進され、女性が男性の中でその持てる能力を十分に発揮して、まさにプライドを持って生き生きと働けることが当然のようになっていくというように考えているわけでございます。
 また、労働省といたしましては、均等対策とあわせまして、職業生活と家庭生活との両立支援対策、またパートタイム労働対策も一層充実させていくこととしておるわけでございます。
 これらの施策が相まって、女性の労働者が、多くの女性たちが多様な生き方を主体的に選択できる社会が実現していくものというふうに考えている次第でございます。
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大石秀政#26
○大石委員 ありがとうございました。
 次に移りますけれども、先ほど同僚の飯島委員の方からも質疑があったところでございますけれども、女子保護規定の解消について御質問をさせていただきます。
 先日といいますか以前、私は時短の促進法の方でも質問させていただいたわけでございますけれども、時短のときにはかなりいろいろな経緯というものがあったということを私も認識しておりますし、皆様方も御認識をいただいていたわけでございますけれども、この保護規定の解消について段階をどのように踏んでいるかということをちょっとここで整理をさせていただきたいと思います。
 女子保護規定は労働基準法が制定された当時からの規定であるということは承知をしておりますが、一方で、かなり以前からの見直しの議論があるということも事実でございます。その一部を緩和しながら現在に至っているわけでございますけれども、これまでの女子保護規定に関する考え方の変遷と規制の緩和の経緯について少しお尋ねをしたいと思います。
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太田芳枝#27
○太田(芳)政府委員 女性労働者の労働条件それから社会的条件が非常に低かった労働基準法制定当初は、女子保護規定は、年少者と同様に弱者である女性を保護するという意味合いが強かったわけでございまして、妊娠・出産を保護するための母性保護規定というものとも意識的に明確に区別されていなかったところでございます。
 その後、女性労働者の就業実態、意識の変化などによりまして、女子保護規定に関する考え方が見直されたわけでございます。そして、昭和五十三年の労働基準法研究会報告の中におきまして、女子に対する特別措置は、母性機能など男女の生理的機能の差から規制が最小限必要とされるものに限ることとし、それ以外の特別措置については基本的には解消を図るべきであるという報告書が出されたわけでございます。
 このような考え方を踏まえまして、昭和五十九年の婦人少年問題審議会の建議、これは現在の均等法をつくったときの建議でございますが、この中で、法のあるべき姿といたしまして、「原則として、企業の募集、採用から定年・退職・解雇に至る雇用管理における男女差別的取扱いを撤廃し、労働基準法の女子保護規定は母性保護規定を除き解消することが求められる」という建議をいただいたわけであります。
 しかしながら、当時の女性労働者の就業実態等をいろいろ考えますと、女子保護規定につきましては一部の緩和になったわけでございます。すなわち、女性の指揮命令者とか専門的業務従事者について深夜業を認めるというような、一部を緩和することにいたしたわけでございます。また、その後、平成六年にも省令改正によりまして、時間外規制の緩和とか女性で深夜業につける範囲の拡大を行ってきたということで、少しずつ規制の緩和が段階を追って進んできたのが実態でございます。
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大石秀政#28
○大石委員 私も多少勉強不足のところがあったとは思いますけれども、どうしても、女子保護規定の解消というような言葉ですと、何だかいきなり解消というような感じがいたしますけれども、そのようにきちんとした段階を踏んでいるということを改めて認識をしたわけでございます。
 また、深夜業等については、例外として規制が解除をされているものもあるわけでございます。これは時間外ですとか休日についても同じでございますけれども、具体的に、どのような職種あるいは業種が例外として規制が解除されているのか、お尋ねしたいと思います。
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太田芳枝#29
○太田(芳)政府委員 女性の深夜業規制の適用が除外されている業種といたしましては、まず農林水産業がございます。それから、病院、社会福祉施設などの保健衛生業。それから、旅館、飲食店などの接客娯楽業、電話の事業があるわけでございます。
 それから、職種で除外されているものといたしましては、航空関係の旅客取り扱い、スチュワーデス及び飛行機の運航管理、管制技術の業務、放送番組や映画の制作の業務、警察、消防、郵便物の区分等の業務、それから、総菜、調理パン、生めんなど、品質が急速に変化しやすい料理品の製造の業務、新聞配達の業務などがございます。
 そのほか、タクシー・ハイヤーの運転手、ドライバーにつきましても、労働者の申し出によりまして、労働基準監督署長の承認を受けた場合に限り深夜業が可能となっております。
 また、時間外・休日労働の適用除外と同様に、指揮命令者それから医者とか薬剤師、社会保険労務士、システムエンジニア、新聞、放送の記者、デザイナーなどの専門業務従事者についても適用が除外されているところでございます。
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