緊急経済対策に関する特別委員会

1998-05-18 衆議院 全310発言

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会議録情報#0
平成十年五月十八日(月曜日)
    午前十時開議
出席委員
  委員長 中川 秀直君
   理事 甘利  明君 理事 中山 成彬君
   理事 村井  仁君 理事 村田 吉隆君
   理事 上田 清司君 理事 岡田 克也君
   理事 太田 昭宏君 理事 谷口 隆義君
      浅野 勝人君    飯島 忠義君
      石崎  岳君    遠藤 利明君
      佐藤  勉君    阪上 善秀君
      桜井 郁三君    下村 博文君
      菅  義偉君    鈴木 恒夫君
      園田 修光君    田中 和徳君
      田村 憲久君    谷畑  孝君
      西川 公也君    穂積 良行君
      目片  信君    山口 泰明君
      池田 元久君    岩國 哲人君
      生方 幸夫君    海江田万里君
      金田 誠一君    北脇 保之君
      島   聡君    古川 元久君
      松崎 公昭君    松本 惟子君
      石井 啓一君    西川 知雄君
      桝屋 敬悟君    佐藤 茂樹君
      鈴木 淑夫君    児玉 健次君
      佐々木憲昭君    矢島 恒夫君
      秋葉 忠利君    濱田 健一君
      笹木 竜三君
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  橋本龍太郎君
        法 務 大 臣 下稲葉耕吉君
        外 務 大 臣 小渕 恵三君
        大 蔵 大 臣 松永  光君
        文 部 大 臣 町村 信孝君
        厚 生 大 臣 小泉純一郎君
        農林水産大臣  島村 宜伸君
        通商産業大臣  堀内 光雄君
        運 輸 大 臣 藤井 孝男君
        郵 政 大 臣 自見庄三郎君
        労 働 大 臣 伊吹 文明君
        建 設 大 臣 瓦   力君
        自 治 大 臣
        国家公安委員会
        委員長     上杉 光弘君
        国 務 大 臣
        (内閣官房長) 村岡 兼造君
        国 務 大 臣
        (総務庁長官) 小里 貞利君
        国 務 大 臣
        (北海道開発庁
        長官)
        (沖縄開発庁長
        官)      鈴木 宗男君
        国 務 大 臣
        (防衛庁長官) 久間 章生君
        国 務 大 臣
        (経済企画庁長
        官)      尾身 幸次君
        国 務 大 臣
        (科学技術庁長
        官)      谷垣 禎一君
        国 務 大 臣
        (環境庁長官) 大木  浩君
        国 務 大 臣
        (国土庁長官) 亀井 久興君
 出席政府委員
       内閣官房内閣広
       報官室内閣広報
       官
       兼内閣総理大臣
       官房広報室長   上村 知昭君
       内閣法制局長官  大森 政輔君
       総務庁長官官房
       審議官      西村 正紀君
       経済企画庁調整
       局長       塩谷 隆英君
       経済企画庁調整
       局審議官     小林 勇造君
       経済企画庁国民
       生活局長     井出 亜夫君
       経済企画庁総合
       計画局長     中名生 隆君
       経済企画庁調査
       局長       新保 生二君
       科学技術庁長官
       官房長      沖村 憲樹君
       外務省総合外交
       政策局軍備管
       理・科学審議官  阿部 信泰君
       外務省アジア局
       長        阿南 惟茂君
       外務省条約局長  竹内 行夫君
       大蔵大臣官房総
       務審議官     溝口善兵衛君
       大蔵省主計局長  涌井 洋治君
       大蔵省主税局長  尾原 榮夫君
       大蔵省理財局長  伏屋 和彦君
       大蔵省銀行局長  山口 公生君
       国税庁次長    船橋 晴雄君
       文部大臣官房長  小野 元之君
       厚生大臣官房総
       務審議官     田中 泰弘君
       厚生省保健医療
       局長       小林 秀資君
       厚生省児童家庭
       局長       横田 吉男君
       厚生省保険局長  高木 俊明君
       厚生省年金局長  矢野 朝水君
       農林水産大臣官  堤  英隆君
       房長
       中小企業庁長官  林  康夫君
       中小企業庁次長  中村 利雄君
       運輸省港湾局長  木本 英明君
       郵政大臣官房総
       務審議官     濱田 弘二君
       郵政省貯金局長  安岡 裕幸君
       郵政省簡易保険
       局長       金澤  薫君
       労働大臣官房長  渡邊  信君
       労働省職業安定
       局長       征矢 紀臣君
       建設大臣官房長  小野 邦久君
       自治省財政局長  二橋 正弘君
       自治省税務局長  成瀬 宣孝君
 委員外の出席者
       衆議院調査局緊
       急経済対策に関
       する特別調査室
       長        大久保 晄君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月十八日
辞任          補欠選任
  小野 晋也君     阪上 善秀君
  杉浦 正健君     下村 博文君
  森  英介君     遠藤 利明君
  池田 元久君     古川 元久君
  島   聡君     松崎 公昭君
  矢島 恒夫君     佐々木憲昭君
  濱田 健一君     秋葉 忠利君
  河村たかし君     笹木 竜三君
同日
 辞任         補欠選任
  阪上 善秀君     飯島 忠義君
  下村 博文君     鈴木 恒夫君
  古川 元久君     松本 惟子君
  松崎 公昭君     島   聡君
  佐々木憲昭君     矢島 恒夫君
  秋葉 忠利君     濱田 健一君
  笹木 竜三君     河村たかし君
同日
 辞任         補欠選任
  飯島 忠義君     小野 晋也君
  鈴木 恒夫君     杉浦 正健君
  松本 惟子君     岩國 哲人君
同日
 辞任         補欠選任
  岩國 哲人君     池田 元久君
    ―――――――――――――
五月十五日
 景気回復のための積極的な経済対策に関する請
 願(北沢清功君紹介)(第二六三二号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 財政構造改革の推進に関する特別措置法の一部
 を改正する法律案(内閣提出第一一二号)
 平成十年分所得税の特別減税のための臨時措置
 法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案
 (内閣提出第一一三号)
 中小企業信用保険法等の一部を改正する法律案
 (内閣提出第一一四号)
 地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律
 案(内閣提出第一一五号)
 地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣
 提出第一一六号)
     ――――◇―――――
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中川秀直#1
○中川委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、財政構造改革の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案、平成十年分所得税の特別減税のための臨時措置法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案、中小企業信用保険法等の一部を改正する法律案、地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の各案を一括して議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。海江田万里君。
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海江田万里#2
○海江田委員 おはようございます。民主党の海江田でございます。
 総理は、十五日に、当委員会での質疑を終えてすぐ政府専用機に乗りまして、バーミンガムに飛んで、日米首脳会談、日ロ首脳会談、そしてバーミンガム・サミットと、大変お疲れさまでございました。特にけさは、八時半ごろですか、羽田にお帰りになって、そしてすぐこの委員会ということでございますから、大変お疲れだろうとは思いますが、この委員会、大変重要な委員会でございますので、おつき合いをいただきたいと思います。
 さて、このサミットあるいはアメリカのクリントン大統領との日米首脳会談でございますが、私は日本にいまして、新聞報道あるいは昨晩の総理の会見なども最近は中継で見られるようになりましたので見ておりましたが、どうも、アメリカあるいは日本を除きましたG7各国の日本の経済に対する関心が、今度のサミットを契機に、これまでの減税を中心としました財政出動から、どちらかといいますと中長期的な日本の不良債権の処理策あるいは金融システムの強化という方向へ移っていったんではないだろうか、いわば短期的な景気対策から中長期的な日本の構造改革の方へ関心が移っていったんではないだろうか、私はそういう見方をしておるんですが、この見方はそのとおりでしょうか、それとも違うという見方がございますでしょうか、総理のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
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橋本龍太郎#3
○橋本内閣総理大臣 私は、今議員が御指摘になられた感覚というものは、恐らく間違いのない方向ではないかと思います。
 首脳会合に先立って開かれた外務大臣会合あるいは大蔵大臣会合においては、確かに短期的な議論が行われた部分も相当あったようです。そして、ある程度そういう雰囲気を引き継いだ形になるという思いで私も現地に参りました。しかし、これについては、むしろ総合経済対策、既に国会で御論議をいただいている減税にせよ補正予算にせよ、そういう状況で、できるだけ早く国会の御同意をいただいて実行に移してくれという話はございましたけれども、むしろ、やはり金融機関の不良債権の処理というものが非常に強い関心を持たれた状況になっている。
 そして、その意味におきましては、今回の三月決算でSEC基準並みの決算を求めた。それは、当然ながら情報開示においてもそれだけ従来より拡大をする、そうしたものを踏まえて当然ながら対応が行われるであろうという、そうした期待感というものは随所にうかがわれたと考えております。
 これは日米、日ロ、そのほかに日独、日英、そして、これは本当にチャンスがありましたのでイタリアとも首脳会談を持つことができましたけれども、そうしたもの全体を通して、議員が言われたような方向に向かいつつある、その印象は間違いなく私も受けました。
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海江田万里#4
○海江田委員 そこで、G7の国々がそういう日本の構造改革に大きな関心を持っているということで、そこでの総理の説明、これは新聞報道などもございますが、もう一度、改めて総理の口から直接お話をいただきたいと思います。
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橋本龍太郎#5
○橋本内閣総理大臣 今、国会で御審議をいただいております補正予算あるいは減税、さらに関連する施策として、一連のものに対して私は言及をいたしましたけれども、特に、金融機関の抱えております不良債権の処理というものは、これは腰を据えて我々はやらなければならないが、そんなに時間をかけていられるものではない。そしてその処理とは、バランスシートから消してしまう。そのためには譲渡もあり得るでしょうし、担保証券といった形態での処理もあり得るでしょうし、そのための権利義務関係を確定させるための仕組みとしての委員会の設置あるいは市場の育成、こうしたポイントを我々として今手がけようとしている。そして、これは当然のことながら、都市の開発あるいは土地利用の活性化といった方向にも結びついていき、金融機関の持っております不良債権の処理という一点だけではなく、こうした分野からも市場が活性化することが期待される、そのような形で整理をし、話をしてまいりました。
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海江田万里#6
○海江田委員 そうした総理の説明がG7の他の諸国の大変強い支持を得たというのが評価なわけでございますが、ただ私は、特に昨夜の、サミットが終わった後の記者会見を見ておりまして、そういう総理の決意が強い支持を得られたということを本当にそのまま額面どおりに受け取りていいのかどうなのかという疑問を若干持ちました。
 それは、記者会見の一番最後のところで、カナダの女性の、ハリスさんといいましたかね、記者の方が、総理に向かってこういう質問をしました。総理は冒頭のスピーチの中で、ドラスチックな金融改革を進めると言っていましたが、それは弱い金融機関の破綻も含めるのですか、こういうお尋ねをしたはずでございます。そうしましたところ、総理が逆に質問しまして、それは弱い金融機関も守るということですかということを聞き返しをしまして、そして、それは違うよということを言ったわけでございます。弱い金融機関は守らないんだよということを言ったわけですけれども、それに対しても、このカナダの女性の記者は比較的けげんな顔つきをしていた。カメラが映しておりましたから見ておりました。
 それからもう一つ、私は昨日、最近は便利になりまして、インターネットでいろんな国の新聞をたちどころにとることができるわけでございますが、ワシントン・ポストのこのサミットに関係します記事をインターネットで引きまして、そしてそれを私なりにつたない翻訳をしてみたわけでございます。インドネシアの暴動の問題と、それからインドの核実験の問題がありまして、その後に日本についてこの記事は、論説でございますが、書いております。
 それはどういうことかといいますと、日本の大蔵当局は、日本の不良債権問題を解決するに当たって、アメリカ政府が一九八〇年代にSアンドLの問題を解決するときにとったような適者生存の原則を採用することに抵抗しているという書き方をしているんですね。
 このワシントン・ポストの記事と、それから先ほどお話をしましたカナダの女性記者の観点というのは同じではないだろうかというふうに私は思うわけですね。それはどういうことかといいますと、確かに総理は、みずからのスピーチの中で、大変力を込めて金融改革をドラスチックに進めるということを言っているわけですけれども、ところが、じゃ、現実に、本当に金融改革をドラスチックに進めるおつもりがあるのかどうなのか。とりわけこの場合は適者生存の原則で、つまりこの不良債権をこれから償却していかなければいけないわけですけれども、金融機関で不良債権の償却ができない、不良債権の償却のできるような体力を持っていない金融機関があるわけですね。その場合、そういう金融機関に対して、カナダの女性記者が言っているように、弱い金融機関の破綻も当然のことながら含めるのですかと。そういう体力の弱い金融機関の破綻というものは、これは当然のことながら適者生存の原則で破綻をさせていいのじゃないだろうかというようなことをやはり言っているわけですね。
 それに対して、総理のお答え、きのうのでは私は若干ずれていたというふうに思いますので、そういうような適者生存の原則を採用して、そして破綻するべき金融機関というものは破綻するということでいいのかどうなのか、改めてお尋ねをします。
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橋本龍太郎#7
○橋本内閣総理大臣 そのワシントン・ポストの記事は私は存じませんけれども、彼女が質問をしたその疑問は、恐らく各国の記者の中に共通して、だれかが聞きたい問題であっただろうと思います。そして、ずれていたと言われましたが、確かに私は少しずらして、むきになった答え方はいたしませんでした。
 ただ、そこでお聞きをいただいていたように、十七兆円の、預金者を保護するためのフレームが既にあります、これは、どういう事態があっても預金者に対して、その預金を心配しないで済むということですと。裏返して言えば、そういうケースが全くないと想定するなら、そういう用意は必要がない。同時に、私がむしろ意識的にずらしたのは資本注入の部分で、倒れるべきものにはという言い方は、やはり私はあそこでは避けるべきだと思いました。その上で、いいものを支えていくと。
 当然ながら、私は、破綻という形ばかりが処理ではないと思います。不良債権部分を切り離した上で、合併をするところもあるかもしれませんし、あるいは業態を変更するものもあり得るでしょうし。ただ、いずれにしても、バランスシートから不良債権を消していかなければ、そうした内容の悪い、しかもSEC基準で公表となりますと、そこは非常にはっきり出てくるわけですから、道はいろいろな道がありましようと。私は、全部、要するに、破綻という形ばかりがその大半だとは思いませんし、それが必ずしもいいことだとも思いませんけれども、統合されるケースもあるでしょうし、提携をされるといったケースがあるでしょうし、あるいはスリムになって自分の進むべき方向を特化していかれるといった方針、いろいろな方針があると思うのです。その上で、意識的にずらして、預金者保護以外の部分についてはお答えをしたことになることは事実です。
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海江田万里#8
○海江田委員 意識的にずらしたということ、私は今のお話を聞いて、そういう意味では、私も何度も総理とこうやって議論をしておりますので、総理のなかなか巧みなずらし方というのは、一つの答弁のテクニックとしてよくわかるわけでございますが、ただ、これがアメリカやその他の国々の記者に通用するのかどうなのかということは、一つ問題があると思います。
 それから、総理が今の答弁の中ではしなくもおっしゃいましたけれども、資本注入の問題でございます。私は、大胆な、金融システムのドラスチックな改革をやるということを言いましても、とりわけヨーロッパやアメリカのエコノミストというのは、ことしの春の公的資金による資本注入、しかもそれが横並びで行われたということに対して、やはり大変大きな不信感を持っているわけですね。この春から金融ビッグバンということもあり、日本はそういう金融改革に乗り出すということを言いながら、実際にやっているのはどうも違うのじゃないだろうか。相変わらず横並びの護送船団方式。アメリカの新聞なんかを読んでおりますと、コンボイですとかエスコーテッドフリートでありますとか、まさに護送船団ですね、こういう言葉が相変わらず出てくるわけです。
 それからもう一つは、やはり一昨日、十五日ですね、総理がまさに日本をお立ちになったときのみどり銀行の二度目の破綻でございます。これは、総理はもうお出かけになっておりましたから詳しいニュースは御存じないかもしれませんが、大蔵大臣あるいは日銀がこの経緯についてはよく御存じのはずでございます。
 一度みどり銀行を、これは旧兵庫銀行でございますけれども、旧兵庫銀行が九五年の八月に破綻をするに当たって、九六年の一月からわざわざみどり銀行というものをつくったわけでございますが、そのみどり銀行が、実は今度の三月の決算でもう既に債務超過になっている。この債務超過になっているみどり銀行を阪神銀行との間で合併救済をするというやり方でございますね。
 この問題については、そういう意味では、総理が今し方おっしゃったようなドラスチックな金融システムの改革ではなくて、相変わらずここにも護送船団方式がつながっているのではないだろうか、こういうような印象を与えると思うのですが、このみどり銀行の問題につきましては、銀行局長でよろしゅうございます、経緯を御説明いただきたいと思います。
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山口公生#9
○山口政府委員 お答え申し上げます。
 先生御承知のように、当地区は七年の一月の十七日に大震災に見舞われました。その後、同じ年の八月の三十日でございますが、旧兵庫銀行が、その震災の影響もあったと思いますが、破綻をいたしました。そこで、その後、十月になりまして、七年の十月でございますが、受け皿銀行としてみどり銀行を設立させていただいたわけでございます。
 ちょうどそのころ、金融の三法というものを視野に入れておりましたが、それは、成立したのは翌年八年の六月でございます。金融三法が成立した後に処理をいたしますれば、これは全額保護という形で資金援助がフルにできるわけでございます。しかし、そこまで待てない、つまり、当時の状況からして、震災で非常に苦しんでおられた地元のために早く新しい銀行をつくって、その取引先等を守ってあげなければいけないということで、当時の金融界あるいは地元の財界等に出資を仰ぎまして、旧兵庫銀行を破綻させた上で新しい銀行に引き継いだ。引き継いだときに、金融三法の以前の処理でございますので、ペイオフコストの以内でなければ資金援助を出せないという法律の制約がありました。したがって、赤字部分を営業権という形で十年間ぐらいかけてだんだん償却をして、立派な銀行にするという計画でございました。それから、不良債権も一部は引き継いで、そのままスタートしたわけでございます。
 しばらくは、兵庫県の経済状況もよくなりました。このままうまくなるかなという感じでございましたが、不幸なことに、その後かなり経済状況も思わしくないということで、その計画どおりに進まなかった。したがって、そういった重荷を背負って出発しましたみどり銀行が、残念なことでございますけれども、債務超過に陥りそうになった。したがって、今あります金融三法のスキームで、もしそれが適用できていれば資金援助できた部分を資金贈与してあげますよと、それは合併ができる形になるということで、阪神銀行が受け皿になり、ちょうど同じ地区の銀行でございますので、県民銀行として兵庫県のために力を合わせて再出発するという形になりましたので、私どもとしてもそれは支援をしてまいりたいというふうに考えております。
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海江田万里#10
○海江田委員 今淡々と事実経過をお話しいただいたわけですが、その程度の事実経過というのは私どもも知っているわけでございまして、やはり私が聞きたいのは、当初、二年四カ月前ですか、このみどり銀行がスタートをしたときには、今局長もおっしゃっていましたけれども、十年かけて立派な銀行にするというつもりだったわけですが、その十年かけて立派な銀行にするつもりが、わずか二年四カ月後にまた再び破綻をしなければいけない。しかも、今度破綻をした場合は、これはまさに金融三法、私どもは反対をしたわけでございますが、金融三法でもって、一つの地域の中における金融機関の破綻に際しては二つを合併をさせて、そしてそれで地域の金融機関を、地域の信用システムを何とか維持をしていこうということでございますけれども、もちろん、そこに当たっては、これは金額はまだ確定はしておりませんけれども、四千億から六千億円の贈与つきで、預金保険機構からのその贈与があるものだから、これは阪神銀行が受けるわけですね。
 結果的にみどり銀行がそういうことで生き延びてしまうということ、これは、先ほども私がお話をしましたけれども、アメリカが考えておりますRTCを介在をさせてそして適者生存の原則でつぶすべきところはつぶすということとはやはり百八十度違うのではないだろうか。総理がバーミンガムで一生懸命になってこの金融システムを抜本的に、ドラスチックに改革をしなければいけないということを言っているやさきに、日本の国内で、やはりそういうような処理策がまたしてもここで組み立てられているということ、このことに対する外国からの目というもの、相変わらず日本はまだまだちっとも変わっていないのだという目で見られてしまうというような見解を私は持っておるわけでございますが、その点について、総理、あるいは大蔵大臣でもよろしゅうございますが、あるいはもし何か言うことがあれば銀行局長でもよろしゅうございます、いかがでしょうか。
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山口公生#11
○山口政府委員 お答え申し上げます。
 今回の処理におきましても、阪神銀行が救済銀行となり、みどり銀行は破綻銀行という認定になります。したがいまして、みどり銀行は、これは俗に言えばつぶれる、こういうことになります。したがって、海外からつぶすべきものが云々という話がありますけれども、この場合におきましてもみどり銀行そのものは存続をしないということであります。
 なお、新聞に最近は小さくしか出ておりませんが、信用組合、アメリカで言うSアンドLよりは若干小さいかもしれません、そういった信用組合の破綻処理も相当進んでおります。この間も十信組、大阪地区での再編計画、これはそういった信組を破綻という形、破綻という言葉のイメージが非常に荒っぽいのでございますけれども、消滅させるという形でやっております。
 私どもがねらっておりますのは、金融機関がそうやって淘汰される間におきましても、取引先との関係あるいは地域経済への影響、システミックリスクを起こさないためにいかにするかということを預金者保護にプラスして考えているということでございます。海外からその取引先の保護すら護送船団だという批判、そういう理解があるとすれば、それは私は誤解があるのではないかというふうに思っております。
 現実に私どもが行っている行政自身は、そういう適者生存の形を原則とし、マーケットメカニズムを中心として考えておる次第でございます。
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海江田万里#12
○海江田委員 今、破綻をさせる、つぶすのだということをお話になりましたけれども、十五日にこの阪神銀行とみどり銀行の両頭取が会見をしておりまして、そこではみどり銀行役員の総退陣はないというようなことを言っておりまして、これはつぶれたのなら当然のことながら役員は総退陣をするわけでございますけれども、リストラはもちろん将来にわたってはやるけれども、スタートのところではみどり銀行の役員がそのまま残るよというようなことを言っておるわけですから、これはだれが見たって、破綻をさせたということではなしに、むしろ救済合併をさせたというふうに受け取られていたし方ないわけでございます。
 それから、その局長のお話の中で、この旧兵庫銀行の処理計画をつくったところで、先ほども局長自身の口から出ましたけれども、十年たてば何とか立派な銀行になるのじゃないだろうかというようなもくろみが二年四カ月で破綻をしてしまったということ、このことに対する責任というものか、あるいは失敗の、見通しが甘かったということについての釈明があってしかるべきだと思いますが、その点はいかがでしょうか。
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山口公生#13
○山口政府委員 お答え申し上げます。
 二点の御指摘がございました。
 みどり銀行の経営陣の問題でございます。しかし、旧兵庫銀行の破綻の後に地元の財界等から役員が選ばれております。地元の再建のために新しくなられた方々でございます。したがって、そういう方々にどこまで責任を追及すべきかという問題が一つあると思います。したがって、ずっと以前から、そういった不良債権問題を抱えるときからの経営陣はもういらっしゃらないわけで、そういうことが今回特殊事情としてあることをぜひ御理解いただきたい。
 それから、十年の計画であったことが二年数カ月でという御指摘でございます。
 これは、確かに、そういった御批判があるということは私どもも謙虚に受けとめるべきだと思いますが、当地区の震災復興事業の後の一時的な好況がその後予想以上に思わしくない状態であったということで、不良債権の重荷が大きくなったという事情も勘案すべき事項かと思います。
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海江田万里#14
○海江田委員 これ以上議論してもしようがありません。少しまた前の、総理の不良債権の処理策についてでございますが、政府は今回の総合経済対策の中で、「土地・債権の流動化と土地の有効利用」という項目を設けております。それを私も読みました。それから、不良債権処理トータルプランというものをつくっておるということですが、この経済対策閣僚会議が四月二十四日にまとめました総合経済対策の「土地・債権の流動化と土地の有効利用」というものを読みましても、総花的で、一体具体的にどこから手をつけていくのかということがなかなかはっきりしてこないのですね。これはもちろん各方面にわたった手当てというものが必要なわけですけれども、まず具体的にどこから手をつけていくのだよということをやはりお話をしていただかないと具体的なイメージが伝わってこないということもありますので、まずどこから手をつけていくのかということ、例えば金融機関に対して不良債権の償却を無税償却にさせるのだ、そこのところが、今条件がきついからこれを緩めるのだとか、何か具体的に、まずすぐに議論をしてスタートをしなければいけないというのが那辺にあるかということをお聞かせいただきたいと思います。これは、大臣か総理か、どちらかからお話をいただきたいと思います。
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松永光#15
○松永国務大臣 先ほどからの委員の御質問の中で、今回のサミットについて、日本の新たな経済対策についての評価は得られたものの、金融機関の不良債権の処理が進んでいないということについての要望があったということは、実はその前のG7蔵相会議でも、新経済対策についての評価をした上で、金融機関の強化あるいは構造改革ということを私も言われたわけであります、そのことについて私なりに説明をいたしましたが。
 今度の総合経済対策の中での不良債権処理を加速化させるという政策、これは非常に大事な政策として私どもはその遂行にこれから全力で取り組んでいきたい、こう考えております。
 どれから手をつけていくのかという話でございますが、できることなら優先順位を決めるのではなくして、できるものから先に手をつけていく。その一つが、この償却の場合の損金参入をどこまで認めてやるのかという税との関連が一つ。もう一つは、先般衆議院で通過をさせていただきましたSPC法、これを参議院で成立させていただきましたならば、速やかにこの特定目的会社という仕組みをスタートすることができれば、不良債権処理についての実務的な作業が進むようになるだろう、こういうふうに思うわけであります。
 それから、さらに、これは今後のことでありましょうけれども、サービサーという形での不良債権処理の仕組みというものも、実はこれは法律も要るのだと聞いておりますけれども、そういった法制度も整えて、あらゆる手段を通じて不良債権の処理の加速化を図っていきたい、こう考えているわけでございます。
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海江田万里#16
○海江田委員 今のお話で、一つ私がこれは何だろうと思いましたのは、臨時不動産関係権利調整委員会というものをつくるというようなお話があるのですが、私どもは、日本版のRTC、整理信託公社のようなものをつくって、ここで厳しく債権の整理を行うことがいいのではないだろうかということを考えておるわけですけれども、この臨時不動産関係権利調整委員会というものはどんな性格になるのか、もし今の段階でわかっていることがあったら教えていただきたいと思います。これは経済企画庁長官ですか。
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尾身幸次#17
○尾身国務大臣 これはまだ詳細は決まっておりませんが、土地に係る複雑な債権債務関係をあっせん、調停等により解きほぐして、担保不動産が有効利用できるような特別委員会を設置する、こういうことが決まっているわけでございます。
 ちょっとつけ加えさせていただきますが、先ほど大蔵大臣から御答弁申し上げました、資産担保証券の発行によります不動産等の証券化を図るということは、現在国会に提出をされておりますし、なお、住都公団におきます土地取得のための公的資金を活用する新たな仕組みの整備、あるいは都市再開発に対する民間からの資金に関しまして、開銀の融資保証業務を行うとか住宅金融公庫の融資保証業務の拡充をするというようなこと、さらには防災、福祉、あるいは中心市街地等の公的土地の需要に対しまして、国、地方公共団体の公共用地の先行取得を行う、あるいは都市再開発についてPFIの手法により進めるという、いろいろなことをやりまして不良債権の処理を総合的、立体的に進めていくという基本方針だけは固まっているということでございます。なお、詳細につきましては、これを総合的に進めてまいりたいと考えている次第でございます。
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海江田万里#18
○海江田委員 総理は、大変時差があって、質問を別の大臣にやっておりますと眠くなるのではないだろうかという気がいたしますので、少しここで総理と議論をしたいわけでございますが、減税の問題でございます。
 この減税の問題では、総理もきのうの記者会見でわざわざ、ここには外国の記者さんもいるので聞いていただこうということを言いまして、我が国の課税最低限が、第一次の特別減税前、この二月、三月の特別減税前が夫婦子供二人で三百六十一万六千円、これが、この前の特別減税で現在は課税最低限が四百二十三万二千円に引き上げになった、こういうことでございますが、それが、新たにまた特別減税をやりますと、今度は四百九十一万七千円になるわけでございますね。この我が国の課税最低限が、もともとの三百六十一万六千円でも、きのうの記者会見ではイギリスの例を引いておりましたけれども、イギリスは百五万円、それからアメリカでも二百四十四万円、こういう世界的な基準と比べると大変高いということ、このことをおっしゃりたかったと思います。もともと高いところへもってきて、定額減税という形での第一次の減税をやった。そして、そこにさらに今度はまた同じ特別減税をやりますから、四百九十一万七千円になるということ。
 私が以前、二月二十六日の委員会で、このような特別減税を継続するのは愚の骨頂だと言いましたら、総理も、幾つか条件をつけてではありますけれども、そのとき、その考えはそのとおりだということを言ってくれましたけれども、私はまさに、一度やってもともと高いのをさらに高くしたのをまたもう一回やってさらにさらに高くするというのは、これはやはりどう考えてもおかしいのではないだろうか。
 そして、その後の抜本的な税制改正というのは、これは当然のことながら課税最低限を引き下げをするわけでございますから、わざわざ一回上げて、正確に言うと二回上げておいて、そしてその次の税制改正で引き下げるというのは、これはどうにも納得がいかないわけでございますね。
 今ならまだ間に合うわけですよ、税制改正をやって恒久減税にするということが。あるいは恒久的な税制改正をやるということが今ならまだ間に合うわけですけれども、それでもあえて総理は、ただでさえも高いところへもってきて、さらに高くして、またさらに高くするおつもりなのかどうなのか。その愚かさというものを認識しておられるのかどうなのかということをお尋ねしたいと思います。
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橋本龍太郎#19
○橋本内閣総理大臣 愚かと言われれば愚かかもしれません。しかし、今やはり私は、減税というものが必要だと思いましたし、同時に、恒久的な税制改革の観点から所得課税について議論をしている、その時間が果たしてあるだろうかと。あるだろうかというのは、特別減税をしないでです。そういう意味では、私は、特別減税、議員のお言葉に対して、愚の骨頂だと言われたとき、確かにそういう答弁を私しましたけれども、今、それでもこの時期、景気対策という意味からは必要だと判断をいたしました。
 その上で、もうこれは議員に申し上げるまでもなく、御承知のように、今、二度の抜本的な税制改革の中で、例えばサラリーマンの方々は一〇ないし二〇の税率適用ということで、フラットになった構造というものは既に存在しています。そういう意味では、実は、むしろ所得の高い方々の税率がほかの国に比べて高いということはこれは事実問題として存在しますが、課税最低限を考えてみますと、所得課税全体、これは日本は負担としては各国に比べて非常に低いわけです。同時に、各種の控除のあり方、これも当然ながら、恒久的な税制改革をするとすれば考えなければなりません。あるいは資産性の所得課税、あるいは年金課税のあり方、そういう意味では、実は個人所得課税についてはさまざまな議論が現に存在しているわけです。
 だからこそ、そうした問題について幅広くきちんとした議論を行いたい。公正、透明なという言葉を使わせていただきますが、国民の意欲を引き出せるような税制を考えていくには私は時間が多少は必要だと。しかし、その間、減税なしでいい、景気回復が図れるか。心理的なものも含めると、やはり特別減税は必要だという判断をいたしました。
 確かに、その結果として課税最低限は引き上がるわけでありますが、これはやはり景気対策という意味で採用した施策であって、根本的に個人所得課税のあり方を検討する時点では、やはり標準世帯でありますなら三百六十一万円というベースから考えていくべきだ、特別減税の結果上がってしまった課税最低限をベースに議論をすべきではない、私はそう思うのです。
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海江田万里#20
○海江田委員 景気対策という考えで採用した、いわば緊急避難的に採用したということだろうと思います。
 私が冒頭に今度のサミットの位置づけを、まさに日本の構造改革が注視をされているんだということを改めて確認をしたのは、これから打っていく一つ一つの手が、たとえそれが景気対策ということでありましても、やはりそれは日本の構造改革につながっていくものでなければいけないということでございます。これは公共事業などについてもそうでございますし、減税などについてもそうでありまして、これが日本の構造改革につながらない、構造改革をむしろ後戻りさせるような対策であれば、幾ら緊急避難だからといっても、これはやはりその議論にたえられないものではないだろうか、私はそういうふうに考えるわけでございます。
 一つだけ確認をしておきたい。これは大蔵当局でよろしゅうございますが、課税最低限をそもそもの三百六十一万六千円から今度の、既に第一次はやっておりますが、第二次の特別減税で四百九十一万円まで引き上げることによってどのくらいの人が課税対象から外れるのか、非課税になるのかという数字、大体何百万人ぐらいなのか、あるいは何千万人かもしれませんけれども、その数字をお聞かせいただきたいと思います。
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尾原榮夫#21
○尾原政府委員 お答え申し上げます。
 今回の特別減税も、追加分を実施いたしますと、納税人員は前回の分と合わせまして約七百万人程度減少するものと見込んでおります。
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海江田万里#22
○海江田委員 今七百万人程度が減少をするということですけれども、そうなりますと、この人たちは、特別減税で七百万人は税金がかからないわけですからいいわけですけれども、ただ、この後抜本的な税制改正をやる、私たちは恒久減税ということを主張しておりますが、総理はなかなか恒久減税ということは言わない、ただ抜本的な税制の見直しをやると。その抜本的な税制の見直しの一つの重要なポイントというのは、やはり課税最低限の問題だろう。
 先ほどもお話がありましたけれども、それを三百六十一万六千円のところにとどめるのか、あるいはそれよりもう少し低いところへ持っていくのか。いずれにしましても、この七百万の人たちにとっては、仮にネット減税が行われても、今までは二度の特別減税で税金はゼロになったわけですから、トータルなネット減税をやったところで、この七百万人の人たちというのは、当然のことながらこれは増税になるわけですね、税金の負担をしていただくことになるわけですね、これまで税金の負担がゼロだったのが。
 そうしますと、果たしてこの人たちは、そういう意味では、特別減税をやったところで、それはつまりこの後抜本的な税制改正が間近に迫っておる、しかもそれは何度も総理初め大蔵大臣も言っているように、どうもこれは課税最低限を引き下げるところにそのねらいがあるようだということになれば、これは、いわばその人たちにとってみれば増税の予告つきでありますから、減税をしたところでそのお金をきちっと消費に回すことになりますでしょうか、どうでしょうか。この考え方はいかがでしょうか。
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橋本龍太郎#23
○橋本内閣総理大臣 私、課税最低限を引き下げるという発言をしたことは一度もないと思います。議論すべき問題点として、標準世帯における課税最低限が諸外国に比して高いということは私はしばしば例示で言ってきました。そして、当然ながら、私は、根本的に議論をしていけばその問題も論議の対象になると思います。あるいは先ほど来申し上げているように、資産性のもの、年金課税の問題、いろいろな角度の議論が現にあるわけです。ですから、そういう例示は私は申し上げてきましたけれども、課税最低限を引き下げるという言葉を私は使ったことはないはずです。ここは誤解のないようにしていただきたい。
 そして、議論の中で、私はさまざまな議論があり得ると思います。ですから、先ほど私は、控除のあり方についても言及をいたしました。いろいろな角度の検討というものは必要なわけですし、そういう議論を私は一方に押しつけた形で申し上げた覚えはないと思います。
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海江田万里#24
○海江田委員 引き下げるということは一度も言っていないということですけれども、これは確かに言葉としては引き下げるということは一度も言わなくても、その意味するところ、あるいは総理の考えでおりますこの税制改正というのは、当然のことながら課税最低限を今より上げるものではないでしょうし、あるいは今のままでいいのでしたら、今のままというのはまさに三百六十一万六千円のレベルでございますが、わざわざこれはきのうのサミットの後の記者会見などでもその点に触れて、この細かな数字を挙げて説明をする必要はないと思うのですね。
 私は、それは確かに言葉として言わなくたって、当然のことながら、お考えになっておるのはこれは課税最低限の引き下げである。しかも、控除のあり方も見直しをするということでありますと、控除の額を広げたらさらに課税最低限は上がりますから、そこは当然のことながら控除の額をだんだん切り詰めをしていく、それによって課税最低限を引き下げていく、そういうことだろうと思うのですが、違いますか。
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橋本龍太郎#25
○橋本内閣総理大臣 まず第一に、外国の方々のいる席でどういう説明をするかというのは、私はある程度工夫を必要とするものだと思っています。そして、今回、私は、幾つかの点で今まで日本のPRが足りなかったなということを感じさせられましたけれども、その一つは、まさに日本の所得課税における課税最低限の問題でありました。議論していて、課税最低限はこうなっている、え、おれのところよりよほど高いな、そこから議論がとまってしまうわけですね。
 あるいは、アジアに対してもっと日本は物を買えという意見があります。確かに、国別で見れば、日本はアジアからの輸入はアメリカに次ぐ第二位です。しかし、国民一人頭にすれば我々の方がはるかに多い、ああ、そんなに買っていたのか。同時に、各国の輸入の中に占めるアジアの比率を調べてみよ、日本は高いよ、そういう説明をすると、観念的にもっと買えと言っていた人たち在黙ります。
 ですから、そういう延長の中で、私は、記者会見においても、先ほど、税ではなくて金融機関に対する日本の対応についての質問が出たときにも、むしろ、預金者保護のためにこれだけの資金を用意するということは、当然それだけの理由があるからですよというような言い方をいたしました。そして、同時に、それで全部が納得したとは思っていませんけれども、やはり私は、日本の現行の税制がどうなっているのかということから言わなかったら、その情報が十分伝わっていない場合には、そういうところから議論しなければならないのは当然じゃないでしょうか。
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海江田万里#26
○海江田委員 大いにそういう日本の現状がどうなっているかということをおっしゃっていただくのは構わないわけでございますが、ただ、この話というのは、きのう、おととい急に出てきた話じゃありませんで、これまでの政府税調、あるいは御党でも党税調、それぞれ議論をやっていると思いますが、当然のことながら、ここに問題があるよということはこれまで何度も指摘をされているわけですね。
 何も、ここの問題を改めて本当にゼロから議論をし始めなければならないという話ではなくて、もう既に方向性は決まっていると私は思うのです。もしここで本当に課税最低限をさらに引き上げをするような、あるいは五百万円近い額をそのまま据え置くような税制改正というものがあったら、それは全くおかしいわけですよ。やはり経済というのは国際化をしなければいけないわけですから、片一方で法人税の実効税率の引き下げ、これは三年ぐらいかけるということでございますけれども、その問題と、この所得税の課税最低限の引き下げ、それからこの最高税率のところの引き下げでございますね、ここのところはやはり一つの大きな流れが私はできていると思うのですね。だから、そのことを私はむしろ正直におっしゃった方がいいのじゃないだろうか。ただ、正直に今この段階で言えば、当然のことながら、一度上げておってそしてその後また税金を取るのかという話になりますから、それが言えないということであります。
 これはまさに本予算と補正予算の議論のときもそうでありましたけれども、もう腹の中では補正をやらなければいけないということがわかっておる、あるいは財革法のときもそうでございますけれども、途中から財革法を変えなければにっちもさっちもいかないところに来ているということが御自分の中ではわかりながら、それをきちっと口に出して言わないということ、そして、何か一つ一つがベストである、一つ一つが最良であるということを言っていて、そのすぐ後でそういう新たな手だてを講じるということ、このことは、やはりもう国民がすっかりわかっておるということ、このことだけは申し上げておきたいと思います。
 それから、あともう一つ、消費税の引き下げということが野党からも随分議論が出ております。
 私どもは、きちっとした恒久減税をやって、そして特に今実質可処分所得が減っております三十代でありますとか四十代でありますとか、あるいは六十以上で年金をもらっている方々、この方々は低金利の影響などもあって実質可処分所得が減っているわけですけれども、そういう方たちには、高齢者に対しては年金の積み増しということで、それから子育てで大変困っておられる方々にはやはり子育ての支援の手当てという形でやはりこれは支給をすればいいというふうに考えているわけでございます。ただ、党内にも暫定的に一年や二年消費税の引き下げをやるべきではないだろうかという議論もあるわけでございますが、私は、この消費税の引き下げについて、仮に十二月一日から消費税の引き下げをやる、あるいは一月一日から消費税の引き下げをやるということになると、当然のことながら十二月一日までは物を買いませんわね、これは。それから、一度引き下げたものが未来永劫ずっとそのまま引き下げになっておればいいわけですけれども、今の財政事情から考えていくと、もちろん一生懸命になって行政改革はやるわけでございますが、それをやってもなおやはり高齢化社会というものを考えた場合、いっかは上げなきゃいけない。そうした場合、上げた後のやはりまた消費の冷え込みというものがあって、これは私は大変経済を混乱させるというふうな考え方を持っておるんですが、大蔵大臣はいかがでしょうか。
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松永光#27
○松永国務大臣 消費税の税率の問題についての委員の御所見、私はよく理解できます。もし時期を定めていつから引き下げるというようなことにすれば、当然のことながら委員御指摘のとおり、そのときまでは実は消費が極めて抑制されるということになるわけでありまして、そのことは景気回復に非常にマイナスになるということだと思います。
 我々としては、現在の状況、これは消費税等で新たな負担を重く求めるという考え方はさらさらありませんし、そういう状況ではないという認識に立っておるわけでございます。
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海江田万里#28
○海江田委員 それから、今回の財政構造改革法の改正案でございますが、目標年次を二〇〇三年から二〇〇五年にするということでございますけれども、いわゆる集中改革期間、これは二〇〇〇年までの集中改革期間ということが法律にはっきり書いてあるわけでございますが、この二〇〇〇年までの集中改革期間自体はこれは動かしをしないわけでございますか、これは変える必要がないというような認識を持っておられるわけですか。
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涌井洋治#29
○涌井政府委員 今回の財政構造改革法の改正案の御審議をお願いしているわけでございますが、この考え方は最小限の修正を行うということでございまして、この三年間については当初の案どおり改定しない、キャップはその三年間引き続き行うということでございます。
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