交通・情報通信委員会

1998-04-23 参議院 全209発言

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会議録情報#0
平成十年四月二十三日(木曜日)
   午前十時二分開会
    —————————————
   委員の異動
 四月二十一日
    辞任         補欠選任
     吉川 春子君     上田耕一郎君
 四月二十二日
    辞任         補欠選任
     瀬谷 英行君     渕上 貞雄君
 四月二十三日
    辞任         補欠選任
     渕上 貞雄君     瀬谷 英行君
    —————————————
  出席者は左のとおり。
    委員長         川橋 幸子君
    理 事
                景山俊太郎君
                亀谷 博昭君
                陣内 孝雄君
                寺崎 昭久君
                但馬 久美君
    委 員
                加藤 紀文君
                高木 正明君
                保坂 三蔵君
                溝手 顕正君
                守住 有信君
                山本 一太君
                中尾 則幸君
                松前 達郎君
                及川 一夫君
                瀬谷 英行君
                上田耕一郎君
                筆坂 秀世君
                戸田 邦司君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  藤井 孝男君
       郵 政 大 臣  自見庄三郎君
   政府委員
       大蔵省主計局次
       長        寺澤 辰麿君
       運輸省運輸政策
       局長       土井 勝二君
       運輸省海上交通
       局長       岩村  敬君
       運輸省海上技術
       安全局長     山本  孝君
       運輸省港湾局長  木本 英明君
       海上保安庁長官  相原  力君
       郵政大臣官房総
       務審議官     濱田 弘二君
       郵政省通信政策
       局長       木村  強君
       郵政省電気通信
       局長       谷  公士君
       郵政省放送行政
       局長       品川 萬里君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        舘野 忠男君
   説明員
       文部省教育助成
       局財務課長    加茂川幸夫君
   参考人
       通信・放送機構
       理事長      森本 哲夫君
    —————————————
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一
 部を改正する法律案(内閣提出)
○特定公共電気通信システム開発関連技術に関す
 る研究開発の推進に関する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
    —————————————
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川橋幸子#1
○委員長(川橋幸子君) ただいまから交通・情報通信委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 本日、渕上貞雄さんが委員を辞任され、その補欠として瀬谷英行さんが選任されました。
    —————————————
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川橋幸子#2
○委員長(川橋幸子君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 特定公共電気通信システム開発関連技術に関する研究開発の推進に関する法律案の審査のため、本日、参考人として通信・放送機構理事長森本哲夫さんの出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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川橋幸子#3
○委員長(川橋幸子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    —————————————
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川橋幸子#4
○委員長(川橋幸子君) 海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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中尾則幸#5
○中尾則幸君 おはようございます。民主党・新緑風会の中尾でございます。
 今回の海防法の法律改正は、言うまでもなく昨年一月のロシアのタンカー、ナホトカ号の事故、さらには七月のダイヤモンドグレース号の事故等々、日本近海における油防除体制をいかに迅速にするかという目的で改正がなされたと思っております。
 さて、昨年私は当委員会でナホトカ号に関して油防除体制のあり方、政府の危機管理のあり方等々質問をさせていただきました。今回の海洋汚染防止法の改正にも大変かかわる問題でございますので、昨年のナホトカ号の政府の対応策がいかにおくれていたか等々について若干振り返ってみたいと思います。
 ナホトカ号の事故は、御存じのように昨年の一月二日発生いたしました。それで一月五日になって、海防法に業務等が明記されている海上災害防止センターが当法律第四十二条の三十六第一項第二号に基づいて船主からの委託業務を発動しております。これは原因者からの委託ということで、二号業務と言うそうでございます。さらには、事故発生から十二日たってようやく海上保安庁長官が海上災害防止センターに対して当法律第四十二条の三十七に基づいて緊急的措置を指示してございます。
 この四十二条の三十七というのは一号業務に当たるそうでございますが、ちょっと読んでみます。「海上保安庁長官は、緊急に排出特定油の防除のための措置を講ずる必要がある場合において、」この緊急措置を「指示することができる。」というふうになっております。
 しかし、当時のことを振り返ってみますと、もう既に事故発生から五日目の一月七日、私も現場に行ってまいりましたが、福井県の三国町に油が漂着しております。その後、加賀海岸等々で油汚染が大変深刻な状態にございました。こんな状態の中で、なぜ事故後十二日もたった一月十四日にいわゆる一号業務が発動されたのか。私は、これは重大な事故を目の当たりにしながら海上災害防止センターの役割である海上災害の発生及び拡大の防止という認識に欠けていたのではないかというふうに思っております。
 このほか、私は、二月二十日の委員会でございますが、なぜ災害対策本部の設置がおくれたのかということも指摘させていただきました。つまり、ナホトカ号事故関係省庁連絡会議、これは十八省庁から成っておりますが、開催したのが一月六日月曜日、それから一月十日金曜日になってようやく運輸大臣を本部長とする災害対策本部を設けたということでございます。
 さて、こうした指摘の中で、私なりに当時の海防法をじっくり読ませていただきました。これは法律に欠陥があるのではないかという指摘をさせていただきました。こうした指摘に対して、当時の海上保安庁長官はこのように答えております。一月五日に船主とセンターとの間に正式契約ができた、これが委託業務である。つまり、原因者下ある船主が防除するというのはこれはもう当たり前のことですが、ようやく一月五日になって船主との間に正式契約ができたということでございます。
 じゃ、なぜ一月十四日になったのかということについて、当時の海上保安庁長官は私の質問に対して、法律の不備ということを明確にはお答えいただけませんでした。しかし、この海上災害防止センターというのは、言うまでもなく海防法に明記されている任務、役割を負っているわけでございますが、こういうふうに緊急出動ができないような法律の欠陥がどこにあるか、海防法の見直しも必要でないかと私は指摘いたしました。
 この指摘に対して、当時の古賀運輸大臣はこう答弁してございます。「今御指摘いただいておりますこの海防法、確かに原因者による防除措置を基本といたしておりますが、今回のような事故を考えた場合に、」「相手国によってはなかなか我々が期待するどおりのことをやっていただけない。こういうことを踏まえますと、やはりこうした見直しという観点からも検討する必要はある」とお答えいただきました。恐らくこうした質疑を通してこの海防法の改正に至ったということは、去年の委員会で大臣が約束していただきました見直しに早速着手されたということについては私は大変敬意を表するものでございます。
 それでは、今回の法改正でこうした問題点は具体的にどう改善されるのか、まず簡潔に運輸大臣からお答えいただきたいと思います。
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藤井孝男#6
○国務大臣(藤井孝男君) 詳しくは政府委員の方、海上保安庁長官の方から申し上げたいと思います。
 今回の改正によりまして、今御指摘ありました原因者側の防除義務の有無にかかわらずセンターに対して必要な措置を指示することができる、こういうことにいたしたものであります。これによりまして、ナホトカ号の事故のような領海外において外国船舶から大規模な油流出事故が起こった場合におきましても、より迅速、的確な防除体制の整備が図られるものと認識をいたしているところでございます。
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相原力#7
○政府委員(相原力君) 補足して御説明をさせていただきます。
 ただいま中尾先生から御指摘があったとおりでございまして、昨年の二月二十日に運輸委員会におきまして先生から御指摘をいただいた。私どもナホトカ号の教訓、それから昨年七月二日のダイヤモンドグレース号の教訓を生かして、即応体制をいかにするかということでいろいろ検討を行ってまいったわけでございます。
 なお、先生の御質問の中で、一月二日に発生したのになぜ指示がおくれたかという観点でございます。
 これは当時の長官もお答えしているので繰り返しになるかとも思いますが、当時の事情といたしましては、先生御指摘ございましたように、一月五日、この時点ではまだ三国沖約六十キロメートルの外に船首部が浮流していたわけでございますが、この一月五日の時点では、先生御指摘の二号業務が既にナホトカ号の方とセンターの方で契約ができていたということでございます。
 それで、センターに海上保安庁長官が指示をしたのは十四日になったわけでございますが、これにつきましては、三国に船首部が漂着したのが一月七日の時点でございますが、非常に不安定な状態で船首部が漂着したということで、場合によっては船首部から油が大量に流出するおそれもある。その撤去については技術上非常に難しい問題がございまして、そういう観点での、潜水調査によって抜き取り措置をどういうふうにしたらいいかというような検討が必要である、あるいは専門家により工法の検討も必要である、あるいは関係自治体との調整も必要である、こういうようなことを行った上でセンターに指示する必要があるということで、結果的に十四日に指示をしたということでございます。
 そういう状況でございますが、法律上の問題としては、先生御指摘のとおり、あるいは大臣からも御説明したとおりでございまして、領海外にある外国船舶については現行法では海上保安庁長官がセンターに対する指示ができないようになっておりますので、今回、即応体制を十分にしようという観点から、領海外における外国船舶についても海上保安庁長官がセンターに対して措置をするように指示することができるというような改正を盛り込みたいということで御審議をお願いしているところでございます。
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中尾則幸#8
○中尾則幸君 今の説明でもありましたが、領海外で起こったので現海防法では手出しができない、こういうことなんですね。よくよく読みましたら、現海防法の三十九条三項の縛りがあるということであります。ですから、当時の海上保安庁長官の答弁も、三国沖に着いた船首をいろいろ調査して、これでは船主に任せては大変なことになるということでようやく指示業務を出したというふうに答えでございます。長々と申し上げません。
 それでは、もう一度確認したいんですが、この法改正が成りましたら、例えば十二日後ということは全くなく直ちにこれは油防除体制を海上災害防止センターに海上保安庁長官が指示できる、こういうふうに理解してよろしいですか、今回の法律改正では。
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相原力#9
○政府委員(相原力君) 海上保安庁長官が指示できる業務、いわゆる一号業務でございますが、これは法律上要件がございまして、船舶所有者等が油防除措置を講ずべきことを命じてもその措置を講じていない場合、または措置を講ずべきことを命ずるいとまがないと認められる場合に長官がセンターに対して指示できるということになっておりますので、そういう要件に合致する限り直ちに指示することは可能でございます。また、そういう状況においては適切な、速やかな指示を行うつもりでございます。
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中尾則幸#10
○中尾則幸君 それでは、原因者からの委託により行う防除措置、先ほど言った二号業務と海上保安庁長官の指示により行う一号業務がございますが、状況によっては一号業務の方が先行するということもあり得るわけですか、長官。
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相原力#11
○政府委員(相原力君) 先ほどお答え申し上げましたように、一定の要件がございまして、緊急に防除措置を講ずる必要がある場合で防除措置を講じていないと認められるとき、あるいは講ずることを命ずるいとまがないと認められるときに適用されるものでございます。したがって、こういう要件に該当する場合には、いわゆる二号業務の契約の前であっても適用される場合がございます。また、そういう場合には速やかに指示をするつもりでございます。
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中尾則幸#12
○中尾則幸君 今回の法改正は、ああいうナホトカ号等々の事故があって、いろいろ海防法はそろえておったんですけれどもなかなか機能しない場合もあったということで、今回の法改正で一段と迅速な防除体制ができるかなと私は思っております。
 次でございますが、領海外の外国船舶がナホトカ号のように油流出事故を起こした場合に、費用請求の問題をお伺いしたいと思いますが、補償についてはどうなっているか、費用請求についてはどうなっているか、お答えください。
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相原力#13
○政府委員(相原力君) 一般的に費用請求につきましては、油タンカーの場合とそれ以外の船舶の場合と場合分けをして法律上も考えているところでございます。
 油タンカーの流出事故につきましては、発生した汚染による損害の賠償を保障する国際的な制度が確立されておりまして、油濁の条約があるわけでございますが、我が国においては油濁損害賠償保障法が国内法化されております。これに基づきまして、防除措置が相当の措置に要する費用、要するに適切な措置に要する費用と認められれば、国際油濁補償基金という国際的な基金がございますが、そういうところから補償がなされることになっております。
 一方、油タンカー以外の船舶、貨物船等から油が流出した場合の防除措置費用の請求についてでございますが、これは海洋汚染防止法につきましては現在、海上保安庁、そして海上災害防止センターについてはその補償請求についての明確な規定が設けられておりますが、それ以外についてははっきりと書かれておりません。今般、原因者負担の原則の観点から、関係行政機関に対して海上保安庁長官が出動の要請をするという規定を改正案でお願いしているわけでございますが、そういう場合、関係行政機関等が防除のために要した費用等についても原因者側に請求できることを法令上明記するということでお願いをしているところでございます。
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中尾則幸#14
○中尾則幸君 ナホトカ号の問題点を振り返ってみたんですが、補償問題についてちょっと一点伺いたいんです。
 関係団体あるいは地方自治体などから出されている、今長官から御説明のありました国際油濁補償基金への補償請求額が報道によりますと三百億円を超えておると。御存じのように補償限度額が二百三十一億円となっておりまして、限度額を七十五億円以上上回っているということでございます。
 基金の査定については今なおいつ終了するかはわからないということでございますが、自治体あるいは旅館業者、漁業者等々いろいろ大変な負担を強いられてきたわけでございますけれども、政府としてこういった補償あるいは支援措置についてどのように取り組んでこられたのか、今後どうするのか、一点お答え願いたいと思います。
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岩村敬#15
○政府委員(岩村敬君) 先生御指摘のとおり、今回の油の流出事故、非常に油濁の損害額が大きいということで、国際油濁補償基金の方で最終的な補償をするという段取りになっております。
 そこで、今御指摘のとおり、基金に対しては三百十四億円の補償請求が出ておるところでございます。ただ、この補償請求につきましては、国際油濁補償基金と被害者との間で交渉をして最終的に民事的に額を決めていくということになります。そういうことで時間がかかっておるわけでございますが、被害者の事情も考慮いたしまして既に補償金の一部として四十五億円をお支払いしたというふうに承知をいたしておるところでございます。
 それから、これが最終的にどう、いつごろ決着するんだというお尋ねだと思いますが、この点については、今申し上げたように、油濁補償基金が被害者の方といろいろ交渉を進めておるわけで、さらにそこに保険会社の査定作業等が入っておるわけでございます。ただ、この査定作業自体については民事上の手続で進んでまいりますので、その終了めどについてははっきりとしたことを申し上げられないわけでございますが、我々の情報では、基金の事務局の情報として、ことしの夏ごろまでにはというようなことを福井県知事の方にお話をしたという情報は承知をしておるところでございます。
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中尾則幸#16
○中尾則幸君 政府としても昨年の委員会でもいろいろお約束いただきまして、でき得る限りの支援をとらせていただくということについて、今後ともぜひともお願い申し上げたいと思っております。
 続いて、昨年の七月二日、東京湾で起きました大型タンカー、ダイヤモンドグレース号事故に関して何点か御質問申し上げます。
 このダイヤモンドグレース号事故発生の直後に迅速に災害対策本部を設けたというのは、私はナホトカ号の教訓が生かされていたなと。それで、油の流出量、いろいろ報道されていました。油の流出量を過大に見積もったんじゃないかと。私は、結果的に小さければ問題はない、少なくとも大災害を前提とした取り組みについてはそう問題はなかったんじゃないか。小さく見積もって大きな災害に対処するよりも、その点については、取り組みについてはそう間違ってはいなかったんじゃないかと私は思っております。
 ただ一つ、いろいろ指摘されている中で、オイルフェンス等の防除資機材がなかなか集まらなかったということが指摘されております。確かに民間の方々の応援も得たり、それから輸送ルートをどうするかということもこれありで、簡単にはいかないと思うんですが、これらの反省に立って今運輸省としてはどのような対策をとっておられるのか、簡単に御説明願います。
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相原力#17
○政府委員(相原力君) お答え申し上げます。
 ただいま中尾先生から御指摘がありましたとおり、ダイヤモンドグレース号の事故の対応につきましても、私どもいろいろ反省点があろうかと思っております。それに対応して適切な措置を講じたいというふうに考えているところでございます。
 東京湾につきましては、従来から防除体制の強化を図ってきたわけでございまして、ダイヤモンドグレース号の事故に際しましてもできる限りの対応を図ったつもりでございましたが、非常に関係者も多数であるということ等から、結果的に対応が我々が当初やらなければならないと考えている基準からしてもなかなか速やかにはできなかったという問題はあったかと思います。
 こういうことを反省材料、教訓にいたしまして、海上保安庁といたしましても、事故後直ちに、全国の管区海上保安本部に対しまして、防除資機材の配備の状況等について把握を徹底するように改めて指示を行いました。
 また、各管区本部におきましては、特に資機材についての配備状況とか性能限界あるいは使用条件等を明確に把握すること、そして資機材の輸送方法あるいは作業船等の必要な体制を確認して、これらをリストに整理して、事故が発生した場合には迅速に対応が図られるように体制を整えたところでございます。
 それから、特に東京湾のように多数の関係機関への情報伝達を必要とするような場合には、速やかな連絡ができるように連絡体制を見直しまして、一斉に伝達できるような体制整備も図ったところでございます。
 あるいは、関係機関、特に国の関係機関、地方自治体、関係民間団体等から成ります排出油防除のための協議会というのがございますが、これを東京湾で一本化するとか、あるいは対象海域を広域化するというようなこともやっているところでございます。
 東京湾におきましては、特に油流出事故を想定したマニュアルに基づきまして、情報伝達あるいは資機材の動員を含む大規模な訓練を昨年の十二月にも実施したところでございまして、今後とも、関係者の連携を強めて迅速な対応が図られるように努めてまいりたいというふうに思っております。
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中尾則幸#18
○中尾則幸君 全国的に防除資機材の状況の把握あるいは輸送ルートの確保等、ぜひとも現実に即応した体制で取り組んでいただきたいと思っております。
 ダイヤモンドグレース号についてもう一点お尋ね申し上げます。
 ダイヤモンドグレース号の原油流出事故、これは日本一のタンカー銀座と言われている東京湾周辺海域で起きたわけでございます。事故の原因は、海難審判の裁決が十二月二十五日に出されて、水先案内人には業務停止一カ月、船長は罪は不問に付されたということでございます。
 いずれにしても、船長と水先案内人の操船ミスではないかと言われておりますけれども、東京湾に入る難所と言われている中ノ瀬航路付近ではこれまでもたびたび事故が起きております。航路の安全確保が大きな問題ではないかと思っております。
 私は現場海上には実際行っていないんですが、中ノ瀬航路は、今回のような事故を避けるために、西の端にA、B、Cと三つのブイを浮かべておって、パイロットがこのブイを右に見ながら五百メートルの安全距離を保って航行するというふうになっておるようでございます。水深は所によって十二、三メートルという非常に浅いところがあるというふうにも指摘されております。
 運輸省に伺いたいんですが、この中ノ瀬航路での事故を未然に防止するためにも、航路の安全確保というのは大事じゃないかと思っておりますが、どんな対策を立てているのか。聞くところによるとしゅんせつ計画もあったやに聞いておりますけれども、航路の安全対策についての取り組みを簡単に御説明願います。
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土井勝二#19
○政府委員(土井勝二君) ただいまの中ノ瀬航路に関連する航路の安全確保対策でございますが、運輸省では、このダイヤモンドグレース号の事故の直後に、昨年の七月に、海上保安庁長官あるいは関係局長から成る東京湾等輻輳海域における大型タンカー輸送の安全対策に関する検討委員会を直ちに省内に設けまして、ただいまの中ノ瀬の問題も含めまして事故の再発防止策及び油防除体制の強化について検討いたしまして、本年一月に報告書を取りまとめてございます。
 その中で、当面の施策と今後の施策、大きく言うと短期、中長期と二つ含まれるかと思いますが、当面の施策といたしましては、東京湾の航行経路の指導を海上保安庁におきまして徹底をする、先生も今お話しになりました灯浮標を結んだ線から一定の距離を離して航行するといったような指導を徹底するということと、それから同じく海上保安庁の東京湾海上交通センターにおける監視指導を強化する、こういった航行安全対策を講じてございます。また、当然、日本パイロット協会に対しましても、事故の再発防止について指導をするということでございます。また、十年度の予算におきまして、灯浮標の大型化等によりまして東京湾における航路標識の視認性を向上させるという措置も実施する予定でございます。
 それから、中長期的には、先生も今お触れになりましたけれども、中ノ瀬航路のしゅんせつ工事、これを検討し実施してまいりたい。また、航海用電子海図の整備、普及なども推進していくということを検討しております。このしゅんせつ工事につきましては、漁業関係者等関係者がたくさんおられますので、それらの関係者との調整も鋭意進めてまいりたいというふうに考えてございます。
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中尾則幸#20
○中尾則幸君 しゅんせつといっても漁業者との関係がありまして、そこら辺は十分に配慮しながらいろいろな角度から検討していただきたいなと思っております。
 油流出事故対策は、航路の問題だとか今の法整備の問題、いろいろありますけれども、一つには船体構造がほとんどの船がいわゆるシングルハル、一重底であるわけです。ダブルハルになれば問題はないんですが、なかなか進まないということでございます。
 運輸省は、こうした老朽船、ナホトカ号もそうであったわけですけれども、老朽船排除に向けてPSC、ポートステートコントロールの強化をIMO、国際海事機関に呼びかけておりますけれども、具体的にどんなふうに取り組んでいらっしゃるのか、お聞かせ願います。
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山本孝#21
○政府委員(山本孝君) ポートステートコントロールの強化の件でございますが、先生お尋ねのとおり、我が国は昨年五月にPSCの強化につきまして提案を行っております。今後、この提案は具体的実施の方向に向けて鋭意検討が進められることになっております。
 現在の国際的な枠組みでは、船舶の安全性そのものは一義的には旗国、その登録国が担保する責任を有しておりますので、この提案におきましては、ポートステートコントロールで船体構造に問題があるというふうにされました船舶について、通報を受けました旗国が一定期間内に是正措置を講じ、その旨をIMOに通報することとする制度を導入すべく提案をしているところでございます。
 この提案は、さらに本年六月に、関係の旗国小委員会というのがございまして、そこで審議が深められることになっております。我が国といたしましては、その早期の実現に鋭意努力をしてまいりたいと思っております。
 このほか、ポートステートコントロールは、一国のみ、我が国のみが一国のみでやってもなかなかその実効が上がりにくいところもございますので、既にこれにつきましてはアジア太平洋地域におきましてポートステートコントロールに関します連携、協力を図るという趣旨で関係国の一つの集まりをつくっておるところでございますが、ほかにも欧州とか米州とか、それぞれの地域にございますので、こういったところがまたさらにグループ同士でも連携を深める必要がございますので、本年三月に欧州大西洋地区とアジア太平洋地域の各国のポートステートコントロールの強化について関係閣僚会議が持たれまして、そこでこのポートステートコントロールを一層強化していく旨の共同宣言が行われておるところでございます。
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中尾則幸#22
○中尾則幸君 海洋国日本の立場として運輸省が積極的にリーダーシップをとっていく、PSCの強化に向けてIMOを通じてやっていくということは、私は大変日本の果たす役割として大事じゃないかなと思ってございますので、ぜひとも国際会議の場においてしっかりとした対策を提言していただきたいと思っております。
 時間も余りありませんが、今もお話ししましたタンカーのダブルハル化について若干御質問申し上げます。
 IMOは、油流出事故の防止策として、九三年七月六日以降に建造契約を結んだタンカー、船齢二十五年以上のタンカーなどにダブルハル化を義務づけておると思っております。
 ところで、日本が事実上所有しているタンカー、これは二百二十隻あるそうでございますが、この状況、それから今後の取り組み、あるいは世界各国の一万トン以上のタンカーのダブルハル化はどうなっているのか、これについてお答え願います。
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岩村敬#23
○政府委員(岩村敬君) ちょっと順序が逆になるかもしれませんが、まず、世界でどれだけダブルハル化が進んでいるかということからお答えを申し上げたいと思います。
 一九九七年七月現在、昨年七月現在でございますが、一万載貨重量トン、すなわち一万デッドウエートトン以上の外航油タンカーの合計の隻数は三千百十一隻ございます。そのうちダブルハルとなっておるものが五百二隻、率で申しますと全体の一六%がダブルハル化をしておるわけでございます。
 一方、我が国の商船隊のやはり一万デッドウエートトン以上の外航油タンカーでございますが、先生今二百二十隻とおっしゃいましたけれども、正確には二百十九隻でございます。そして、そのうちダブルハルタンカーは四十二隻、全体の一九%を占めておるところでございます。
 ただ、今御指摘いただいたように、なかなかこれが進まないじゃないかという点があるわけでございますが、一つには、日本の商船隊の船につきましては比較的船齢が若い船が多うございまして、なかなか代替建造の時期が来ないということもありまして、このまま放置しておればなかなか進みにくいという、日本についてはそういう状況にございます。
 したがいまして、昨年の事故の経験も踏まえまして、本年度より財政投融資計画で開発銀行によります融資制度を拡充いたしまして、二重構造タンカーに対する融資比率を五〇%から六〇%に拡大する、また税制改正において特別償却制度を外航の二重構造タンカーにつきまして認めることとし、一九%の特別償却が認められたところでございます。
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中尾則幸#24
○中尾則幸君 もう残り一分しかありません。
 最後に、運輸大臣に伺いたいんですが、今の二重底の問題、これは船によって二十億から四十億ぐらい改造費がかかるという。あるいは税制の問題点からもいろいろ優遇措置等も講じていただきたいと思っています。この法律改正を契機に、油汚染防除に対する運輸大臣の決意を一言伺って、私の質問を終わります。
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藤井孝男#25
○国務大臣(藤井孝男君) 今回のナホトカ号の事故を通じまして、私どもはいろんな教訓を得たと思います。そして、昨年のこの委員会におきましても、また今般におきましても、それぞれの先生方、委員各位からいろんな御指摘があったわけであります。
 言ってみますと、我が国というのは非常に資源の乏しい国でございますから、とりわけ油、石油、化石燃料油というものは九九・八%外国から輸入して成り立っておる。言いかえれば、日本という国はまさに油の上に浮かんでいる国と言っても過言ではないんではないか。
 そういうことから考えますと、今般のナホトカ号あるいはダイヤモンドグレース号の事故というものは、常にそうした危険と背中合わせに我々は生活している。そういうことを踏まえますと、今般のこの法改正において万全を期しておりますけれども、今後ともなお一層危機管理、これはこうした油等の流出による災害はもとよりでありますけれども、振り返ってみますと、日本の場合には雲仙・普賢岳の火山の噴火による大災害、あるいは台風による大災害、いわゆる地震等による阪神・淡路大震災等々、常にそういった危機とまさに隣り合わせで生活している中で、やはり海洋国家として宿命的な存在である我が国、そうした中で運輸行政の基本である安全で安心して暮らせる運輸行政を目指すためにも、今回の法改正で万全と私は言い切れるかどうか、そこまでの自信は持ち得ておりませんけれども、より一層的確な対応はとれる体制ができたのではないかなと、このように思っているところでございます。
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但馬久美#26
○但馬久美君 公明の但馬久美でございます。
 今の大臣の決意を伺っておりまして、本当にいよいよこの日本が海洋国として責任がある、またこれから担っていかなくてはならない時代が来ていると思います。そういう中で質問させていただきます。
 私自身も、昨年の一月のナホトカ号の流出事故の現場に行かせていただきました。当時の率直な思いは、まず、冬の日本海でやっぱり荒れ狂っている、そしてまたいつもお天気がどんよりしたああいう中でのあの事故でありました。現場を見ておりますと、自衛隊の方々が本当に首まで水につかって油の防除の作業に携わっていらっしゃったわけなんです。そしてまた住民の方々、またボランティアの方々がひしゃくで油をすくって、バケツに入れて、そのバケツからまたドラム缶へと、あの作業を一日見ておりまして、本当に寒い中で、この文明が発達した中でああいう形でしか油の防除ができなかったのかと。当時まだまだ混乱していた状態のところで、私も一日だったんですけれども、行かせていただいて手伝わせていただいた部分もありましたけれども、そういう中で今回、このナホトカ号の流出事故を契機にこの法律の一部を改正することになりました。再発防止のためにどのような対策を講じてこられたのか、その点からお伺いしたいと思います。
 この油防除作業において、人員あるいはまた船舶の作業の効率面の悪かった部分、そしてまた作業機器の操作あるいはメンテナンスになれていなかった、そしてまた苦労された部分、さらにロシアやシンガポールからもいろいろ助けをいただいて、その方々、メンバーとの意思疎通や共回生活また共同作業、そういうものがうまくいかなかった部分、また各自治体の作業もばらばらで統一された作業の手順がなかった点などが指摘されております。これらはみんな緊急時の対応計画の不備が問われているのではないか、いわゆる統一された国家の危機管理対策が明らかに無視されていた悲劇であったような気がいたします。この点どう考えていらっしゃるのか、どう対応されてこられたのか、まずお伺いいたします。
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相原力#27
○政府委員(相原力君) ただいま但馬先生から御指摘があったとおり、昨年一月二日のナホトカ号の事故への対応、これは私ども、日本海側の百キロ以上の外洋で、特に冬場大変気象条件が厳しいところで、事故が起こったときには六メートル以上も高い波があったというそういうような状況下での大規模な油流出災害、これへの対応が非常におくれていたというのは率直に言って非常に反省しているところでございます。それから、ソフト面におきましてもいろいろな反省材料がございました。
 これらを教訓に適切な対策を講じていく必要があるということで、ナホトカ号の事故直後、政府でも関係閣僚会議も設けられました。また、運輸省でも運輸技術審議会等々の場でいろいろな検討が行われたところでございます。
 政府全体といたしましては、昨年六月に防災基本計画の見直しを行いました。また、十二月には油流出事故に対するいわゆる国家的緊急時計画を全面的に改定いたしまして、関係行政機関等の具体的な役割分担あるいは連携の強化等々、先ほど但馬先生から御指摘がありました点を含めまして、改めて明確にしたところでございます。
 海上保安庁といたしましては、関係行政機関等とも十分連携を図って適切に対応を図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
 具体的に少し申し上げますと、先ほど油回収の方法がひしゃくですくっている非常に原始的な方法というような御指摘もございましたが、平成九年度の補正予算と平成十年度予算におきまして、外洋においても対応可能な大型油回収装置の整備とか、あるいは大規模な油流出事故に対応すべく必要な防除資機材の整備、特に高粘度の油に対応できるような資機材の整備も図っております。また、これは運輸省の港湾局の予算でございますが、平成十年度予算において新たな大型のしゅんせつ兼油回収船の整備も図ることとしたところでございます。
 また、現在御審議をいただいております海洋汚染防止法の改正によりますと、領海外で外国の船舶から油の流出があった場合にも海上災害防止センターに対して防除措置の実施を指示することができるようになるなど、一層我が国の油防除体制が強化されることになると考えております。
 このような措置を講じまして、日本近海における油流出事故に対して、海上保安庁といたしましても的確な対応を図ってまいりたいというふうに考えております。
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但馬久美#28
○但馬久美君 ナホトカ号の油流出事故のときに各自治体の非効率な対応が浮かび上がったわけなんですけれども、現在の防災基本計画の中に海上災害対策編を追加する方向で再発防止を図ろうとするものでもありますけれども、このことによって各自治体の対応においては具体的にどういう点が改善されたのでしょうか。
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相原力#29
○政府委員(相原力君) 先生御指摘のとおり、昨年のナホトカ号の事故が起こった時点におきましては、防災基本計画におきましても今回のような油流出災害については明確な規定がなかったわけでございます。したがいまして、自治体についてもどういう義務といいますか役割分担かという明確な規定がなかったわけでございますが、昨年六月に、先ほども申し上げましたように防災基本計画が改定されまして、そこで海上災害対策編ということで油流出災害についても規定を整備したわけでございます。その中で関係機関のとるべき対応について明確化を図りました。当然、地方公共団体についても具体的な役割が明確に規定されたところでございます。
 こういう防災基本計画の改定を受けまして、現在、各自治体が地域防災計画の見直しを行っております。一部は既に済んでいるところもございますが、そういう地域防災計画の中で海上災害の防止に関する必要な体制の整備が図られているものというふうに考えております。
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