行政改革に関する特別委員会

2006-04-17 衆議院 全196発言

⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

会議録情報#0
平成十八年四月十七日(月曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 伊吹 文明君
   理事 今津  寛君 理事 園田 博之君
   理事 谷  公一君 理事 谷川 弥一君
   理事 山本 有二君 理事 大島  敦君
   理事 北橋 健治君 理事 桝屋 敬悟君
      あかま二郎君    秋葉 賢也君
      井上 喜一君    稲田 朋美君
      小野寺五典君    大野 功統君
      加藤 勝信君    小杉  隆君
      坂井  学君    菅原 一秀君
      鈴木 淳司君    薗浦健太郎君
      並木 正芳君    西銘恒三郎君
      西本 勝子君    葉梨 康弘君
      林   潤君    広津 素子君
      福岡 資麿君    松本 洋平君
      三ッ矢憲生君    水野 賢一君
      矢野 隆司君    安井潤一郎君
      若宮 健嗣君    大串 博志君
      神風 英男君    高山 智司君
      武正 公一君    鉢呂 吉雄君
      馬淵 澄夫君    渡辺  周君
      石井 啓一君    谷口 和史君
      塩川 鉄也君    菅野 哲雄君
      滝   実君
    …………………………………
   参考人
   (中央大学法学部教授)  富田 俊基君
   参考人
   (日本労働組合総連合会副事務局長)        逢見 直人君
   参考人
   (東京大学大学院経済学研究科教授)        井堀 利宏君
   参考人
   (株式会社希望社代表取締役社長)         桑原 耕司君
   参考人
   (財団法人公益法人協会理事長)          太田 達男君
   参考人
   (全日本自治団体労働組合副中央執行委員長)    君島 一宇君
   参考人
   (全国商工会連合会会長) 清家  孝君
   参考人
   (日本大学商学部教授)  永山 利和君
   衆議院調査局行政改革に関する特別調査室長     大竹 顕一君
    —————————————
委員の異動
四月十七日
 辞任         補欠選任
  秋葉 賢也君     坂井  学君
  衛藤征士郎君     若宮 健嗣君
  岡本 芳郎君     西銘恒三郎君
  加藤 勝信君     あかま二郎君
  佐藤  錬君     矢野 隆司君
  菅原 一秀君     福岡 資麿君
  薗浦健太郎君     稲田 朋美君
  西本 勝子君     安井潤一郎君
  近藤 洋介君     神風 英男君
同日
 辞任         補欠選任
  あかま二郎君     加藤 勝信君
  稲田 朋美君     井上 信治君
  坂井  学君     秋葉 賢也君
  西銘恒三郎君     岡本 芳郎君
  福岡 資麿君     菅原 一秀君
  矢野 隆司君     佐藤  錬君
  安井潤一郎君     林   潤君
  若宮 健嗣君     衛藤征士郎君
  神風 英男君     高山 智司君
同日
 辞任         補欠選任
  林   潤君     西本 勝子君
  高山 智司君     近藤 洋介君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律案(内閣提出第七四号)
 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律案(内閣提出第七一号)
 公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律案(内閣提出第七二号)
 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出第七三号)
 競争の導入による公共サービスの改革に関する法律案(内閣提出第三四号)
     ————◇—————
この発言だけを見る →
伊吹文明#1
○伊吹委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律案、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律案、公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律案、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案及び競争の導入による公共サービスの改革に関する法律案の各案を一括して議題といたします。
 本日は、各案審査のため、午前の参考人として、中央大学法学部教授富田俊基君、日本労働組合総連合会副事務局長逢見直人君、東京大学大学院経済学研究科教授井堀利宏君、株式会社希望社代表取締役社長桑原耕司君、以上四名の方々に御出席をいただいております。
 この際、委員長より参考人の先生方に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、御多用のところにもかかわりませず本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございました。それぞれのお立場からどうぞ忌憚のない御意見をお述べいただき、審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしく御協力のほどをお願いいたします。どうぞよろしくお願いします。
 次に、議事の順序について申し上げます。
 最初に、参考人の方々から御意見をそれぞれ十五分以内でお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。
 なお、発言する際は委員長の許可を受けることになっておりますので、御了解をお願いいたします。また、参考人は委員に対し質疑することはできないことになっておりますので、あらかじめ御承知おき願いたいと存じます。
 それでは、まず富田参考人にお願いいたします。
この発言だけを見る →
富田俊基#2
○富田参考人 参考人の御指名をいただきました中央大学の富田俊基です。行政改革推進法案について意見を申し述べさせていただきます。お手元に二種類、一枚ずつ資料を用意しておりますので、御参照ください。
 我が国の経済は、バブル崩壊後の設備、雇用、債務の三つの過剰を克服し、順調な拡大を続けております。民間部門が、需要の減少する部門から需要の増大する部門へと資源をシフトさせ、生産性の向上を図ってきた結果と言えます。
 二十一世紀のグローバル時代の企業は、情報通信技術を駆使し、徹底したコスト削減と飛躍的なサービスの質向上とを同時に達成し、多様化し高度化した消費者のニーズに対応を進めております。
 一方、公的部門にはこうした自律的な資源配分のダイナミズムは作用しないので、国民のニーズに対応できないばかりか、行政コストは増大の傾向をたどってきました。
 行政サービスのコスト削減、生産性向上には、財政事情のいかんにかかわらず、政治のリーダーシップによる行政改革が不可欠であります。このことから、今後の行政改革のよるべき規範を定める本法案の意義は極めて重要であります。特に、我が国財政が、第二次世界大戦末期を除いて明治以降の我が国の歴史において最悪の状態で、しかも、人口が減少し始め、急速な高齢化が進展する中で、簡素で効率的な政府に対する国民の期待には非常に大きいものがあります。まず官が身を切り、無駄を徹底的に省くことを国民は強く求めています。
 簡素で効率的な政府の実現には、国だけではなく、地方自治体や独立行政法人などを含めた公的部門全体の見直しが必要です。本法案も、総人件費改革、特別会計改革、独立行政法人改革、政策金融改革、資産・負債改革と、官全体をカバーしています。
 そこで、企業会計原則に準拠して作成された国の財務書類をごらんいただきながら、本法案についての私見をお聞きいただきたく存じます。
 まず総人件費改革ですが、国の行政機関定員の五%以上純減は、官の中心である政府自身が身を切ることによって、行政改革に対する政府の断固たる取り組み姿勢を国民に示すという象徴的な課題です。官僚の強い抵抗にめげることなく、絶対に実現する必要があります。定員削減は、省庁一律ではなく、行政ニーズの変化を織り込み、事業の主体について仕分けを行い、農林統計、北海道開発関係などで大胆な整理を行うこととされています。
 この国の定員純減を、財務書類の業務費用計算書で見ることにしましょう。
 国の人件費と退職給与引当金を合わせて十五年度決算で五兆六千億円、国の業務費用の四・六%相当です。このため、五%の定員削減と給与制度改革による人件費の削減額は年間数百億円程度にすぎません。また、業務を担う主体が国家公務員から独立行政法人の職員に移るだけでは、連結ベースの人件費の削減は、国民が期待するようには進みません。また、民間への単純なアウトソーシングでは、人件費が減った分、委託費がふえてしまいます。
 こうした抜け穴がないようにと、この法案は、独立行政法人等に対しても五年間で五%以上の総人件費削減への取り組みを定めています。その際、特に、中期目標期間が終了する独立行政法人については、国の歳出削減と自己収入の増加を図るという観点から、業務の廃止、縮小、重点化など、徹底した見直しを進めるべきであります。
 さらに、本法案は、地方公共団体に対しても厳格な職員数の管理を要請しています。職員数が三百万人を超え、給与が二十八・九兆円と巨額ですので、地方の総人件費改革の効果は大きく、地方財政の健全化と同時に、国の業務経費である地方交付税などの削減につながります。過去大幅にふえてきた地方公務員については、四・六%以上の純減確保と同時に、給与については、地域地域の民間給与の反映と、不適切な諸手当の廃止が求められます。
 次に、特別会計の改革についてです。
 三十一すべての特別会計について、それぞれの制度趣旨、事業の必要性にまでさかのぼり、個別論の検討を積み重ね、各特別会計の見直しの方針が定められました。もとより数合わせのための改革ではないのですが、この法案によって、特別会計の数は現行の二分の一から三分の一程度へと、明治二十三年の制度発足以来、最少の数となる見込みです。
 さらに、特別会計の会計情報を統一的に開示するとともに、五年ごとに設置の要否を見直すことも定められました。そして、平成十九年をめどに、各特別会計の改革を具体的に盛り込み、各特別会計法に定められた例外的な規定の整理のための法制上の措置が講じられることとなっています。
 特別会計の歳出規模は、グロスでは四百兆円を上回り、重複分を除いても二百兆円を超えているので大規模なスリム化が可能との指摘がしばしば見られますが、企業会計基準では、百兆円の国債の償還費は業務費用ではありませんし、その削減は日本国債のデフォルトを意味します。
 このため、左の表でごらんのように、一般会計と特別会計とを純計した国の業務費用は、十五年度決算で百二十三兆円です。このうち、施設費と事務費を除き直接国民に給付される五十兆円の社会保障給付や、地方交付税十九兆円、そして財政融資資金二十七兆円が極めて大きなウエートを占めていますが、これらは、行政改革の課題というよりも、社会保障制度改革、地方交付税制度改革そして財投改革として取り組まれるべき課題であります。
 本法案には、特別会計の廃止及び統合の推進に加えて、財政健全化への大きな寄与という点では、道路特定財源について一般財源化を図るという見直しの方向性が定められ、雇用三事業については廃止を含めた見直しが行われることなどが含まれていることに大きな意義があると思います。
 さらに、本法案には、将来の国民負担増の抑制に向けて、特別会計の資産、負債並びに剰余金、積立金の縮減によって、今後五年間で二十兆円程度の寄与を行うという目標が明記されております。
 政策金融改革では、その機能が明確に限定され、貸出残高も平成二十年度までにGDP比で半減することが明記されました。そして、政策金融機関は一つに統合され、日本政策投資銀行と商工組合中央金庫は完全民営化、公営企業金融公庫は廃止を定めています。新政策金融機関については、改革の趣旨を踏まえて、政策の的確な遂行、国の関与のあり方、効率的な事業運営などについての制度設計が今後検討されねばなりません。
 完全民営化される機関については、これまでの経営資源を最大限活用した、持続可能な民間金融機関としてのビジネスモデルを確立し、企業価値を維持向上することによって、政府出資の売却収入に大きく寄与することが期待されます。
 次に、資産・債務改革について、お手元の貸借対照表で御確認ください。
 一般会計と特別会計で、十五年度末六百九十六兆円の資産があります。このうち、外為会計と年金運用資金そして公共用財産を除いた四百三十兆円について、十年間でGDP比を半減させるという長期的な目安を念頭に置きながら資産売却を促進することとされています。
 このため、資産としては二百九十兆円の貸付金が大きなウエートを占めておりますが、このうち財投残高は、既に財投改革によってピーク比で三〇%も減少しており、今後も、本法案を受けた政策金融改革の推進とともに貸付金は減少していくことが期待できます。
 また、貸付金の証券化の適否を検討することとされています。民間銀行は、自己資本比率規制をクリアしたり銀行本体よりも低い金利で資金を調達するために、証券化の手法を活用してきました。国も、財政健全化に資するものがあれば証券化の手法を用いるべきです。ただし、貸付金は、日本国内で最も信用力の高い財投債、つまり国債で調達されたものですので、証券化の適否については慎重な検討が必要です。
 次に、有形固定資産については、国民に行政サービスを供給することを目的に保有している道路、河川、港湾などの公共用財産百三十一兆円や防衛施設などの国有財産は、行政サービスを廃止しない限り売却することはできませんが、物納財産などの未利用国有地については売却可能な資産を徹底して売却し、さらに、一般庁舎、宿舎については効率的な活用を促進し、不用となる不動産の売却や、国以外の者に貸し付けることとされています。
 政府の資産として出資金が三十六兆円ありますが、このうち、日本郵政に加えて、本法案にある日本政策投資銀行、商工組合中央金庫を初め民営化法人や民営化が決定している法人への出資の売却収入は、国庫、つまり国民に返納すべきです。これらの資産売却収入などで普通国債残高を削減することによって、将来にわたる利払い費を抑制することができます。
 また、本法案は、地方公共団体に対して、資産、債務の実態把握と改革の推進を要請しています。
 このように、本法案は、国だけではなく公共部門全体について、フローだけではなくストックをも対象とした広範に及ぶ行政改革の確実な履行を担保するという重要な意味を持っています。とはいえ、行政改革で、社会保障制度を初めとする財政の持続可能性を確保できるものではありません。それには、行政改革と同時に歳出入一体改革を進めねばなりません。歳出入一体改革についての国民の理解を得るためにも、本法案を成立させ、行政改革をしっかりと推進すべきであります。
 御清聴ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →
伊吹文明#3
○伊吹委員長 富田参考人、ありがとうございました。
 次に、逢見参考人にお願いいたします。
この発言だけを見る →
逢見直人#4
○逢見参考人 おはようございます。連合で副事務局長をしております逢見です。よろしくお願いいたします。
 本日は、政府が提出いたしました行革推進法案並びに市場化テスト法案につきまして意見を申し述べさせていただきたいと思います。
 最初に、公共サービスのあり方について意見を申し述べたいと思います。
 核家族化や雇用就労形態の多様化、地域コミュニティーの弱まりなどによって個人のリスクが高まっており、将来不安が蔓延しております。こうした時代であるからこそ、公共、パブリックの機能は重要性を増しており、公共サービスの果たす役割を明確にし、機能させることが必要であると考えております。
 公共サービスは、国民の生活の質を確保し、企業が有効に活動するための基盤でもありますから、社会的インフラと社会的セーフティーネットの確立によって、国民に安心と安全を提供できるものでなければなりません。ただし、公共サービスは、すべて官が行うというものとは考えておりません。国、地方自治体、公益法人やNPO、民間企業など、多様な提供主体によるベストミックスによって、ニーズに応じた豊かなサービスが効率的に提供される必要があります。
 政府が提出している行革推進法案は、削減数値目標ありきという印象が免れないと感じております。政府が言う簡素で効率的な政府というのが何を指標としているのか、明らかではありません。国民に安心、安全な社会を提供するための公共とは何か、これを再定義して、それをいかに効率的に提供できるかを考えるべきではないかと思います。
 市場万能主義あるいはリスク対応の個人化という流れの中で、さまざまな格差が拡大しており、国民の不安感が増しております。にもかかわらず、法案第二条では、国民生活の安全については配慮という表現がなされておりますが、これは配慮ではなく、安全の確保であるべきだと思います。国民、利用者にとってのサービスの質という数値化できない重要な観点について抜け落ちていることについても問題であると考えております。
 これらを踏まえまして、歳出の削減、改革については、まず、国民に安心、安全、信頼を保障する政府と公共サービスを確立することを基本目的に置くべきであります。その上で、それを実現するために、硬直的な予算配分を抜本的に見直し、特別会計の改革、政策、事業に関する厳格な検証と政策評価、不要不急の事業や不適正な支出の見直しを通じて歳出改革を行い、無駄があれば着実に削減していく、このことが必要だと思います。これは、最初に削減目標ありきというものとは手法が全く異なるものであると考えております。
 次に、法案の個別課題について何点か意見を申し述べたいと思います。
 最初に、独立行政法人の見直しについてであります。
 独立行政法人につきましては、財務内容を含めた情報公開や経営責任の明確化を徹底し、加えて、公正取引や労働法制を遵守しつつ、経費の透明化と事務の効率化を進めることが基本であると思います。
 法案では非特定独立行政法人の人件費についても五%削減義務づけの対象となっておりますが、非特定独立行政法人の制度設計の基本に照らし、労使交渉による賃金制度、水準、定員改廃の決定を最大限尊重すべきだと思います。
 独立行政法人等の融資業務の見直しに当たっては、特に教育、雇用、中小企業などに関する分野については、その効果や、廃止を行った際の影響に関し、定量的な判断だけではなく、特にそうした社会的なセーフティーネットを必要とする低所得者や中小企業事業者への影響を十分踏まえた上で、慎重に検討すべきだと考えます。
 次に、特別会計改革でございます。
 特別会計の改革に当たっては、第一に、仕組みを簡素化してわかりやすい構造にすること、第二に、毎年見直しを行ってその財務活動を国民にわかりやすく明示すること、第三に、原則として時限立法化し、役割を終えた特別会計は原則として廃止あるいは縮小を促すこと、この三つを前提に行うべきと考えます。
 特別会計は多岐にわたりますが、ここでは特に労働保険特別会計の見直しについて意見を申し上げたいと思います。
 雇用保険制度は、雇用面におけるセーフティーネットの中核を担っております。憲法二十七条は勤労権を規定しているわけですが、これを保障するものとして雇用保険制度があるというふうに私どもは考えております。雇用保険制度の国庫負担は、そういった国民に対する政府の雇用保障責任を具体化、具現化するものであり、単に財政面からのみ論じられるべきものではないと思います。
 雇用保険三事業が我が国の雇用対策の中心的な役割を担っているという現状からすれば、これを一般会計に移すことによって、果たして我が国の雇用対策全部を行うことができるのか、非常に不安であります。雇用対策には、働く人とその家族の生活がかかっており、景気の動向に対応した機動性が求められるものでありますので、特別会計で扱うべきと思います。
 労働福祉事業につきましては、廃止も含めた徹底的な見直しを行うとしております。確かに箱物など見直しが必要なものもありますが、労働福祉事業は、労働災害の被災労働者の円滑な社会復帰の促進や遺族の援護事業、最近問題になっておりますアスベスト対策、過労死・メンタルヘルス対策など、労働災害の防止事業も行っております。
 さらに、未払い賃金立てかえ払い制度も労働福祉事業として運営しておりますが、これは、企業が倒産した際に、賃金や退職金が未払いの状態にある労働者に対するセーフティーネットとなっております。これらの事業は労働者にとって必要不可欠なものであって、単にコストの感覚だけで廃止または見直しの対象とすべきものではないと思います。
 しかし、三事業については、政策効果が不明確なものあるいは無駄なものもありますので、個々の事業に関する調整や効率的な事業運営が十分になされていない点で問題があると考えております。その意味で、外部評価などチェック機能を強化し、抜本的な見直しを進めていくべきであると思います。
 次に、規制改革についてであります。
 規制行政や許認可行政については、認可に当たっての行政の裁量の余地が大きいなどの問題があり、不明確かつ不透明な許認可基準や参入規制など、裁量型行政を抜本的に見直していくことは当然であります。また、先端技術など、競争力強化や新たな雇用、産業の機会創出につながる分野についての規制緩和は積極的に行うべきであると考えます。
 しかし、現在、国民生活の安心、安全が問われていることを踏まえれば、国民、消費者の安全と健康の確保、環境保全、公正労働基準の維持など、社会の質にかかわる規制はむしろ強化すべきであると思います。
 この間、市場開放や自由化中心の規制改革が進む一方で、それらに伴う負の側面を回避、解消する社会的規制の検討が放置され、その結果、不安定で低賃金の労働が拡大してまいりました。社会の安定のベースである雇用労働の基盤が揺らいでしまっている。さらに、市民、国民の財産生命を脅かすような事件、事故も起こっており、事後チェック体制の甘さなどが社会的問題になっていることを軽視すべきではないと思います。このような規制改革がもたらした影の部分を重視し、規制改革された結果に対する検証システムが必要であると考えます。
 次に、市場化テスト法についてであります。
 市場化テスト法案については、公共サービスの質を確保した上で、より効率化を図る必要があります。その観点からいえば、サービス、事業のあり方や評価の仕方など、本質的な議論が行われていないことは極めて残念であります。
 最近、一部の雑誌等において、この間の行革・規制改革論議に着目し、盛んに、官業開放で生まれるビジネスチャンスをあおる論調が見られます。あらゆる公共サービスを営利目的の事業に変質させるための手段としての市場化テストであってはならないと思います。このことを基本的な視点に据えないと、結果として、参入したがっている事業者のための改革となってしまって国民のための行政改革にならないという、本来の意義に反することになりかねないと思います。
 このようなことから、市場化テストに当たっては、良質な公共サービスの安定的な供給と確保、ユーザー、国民によるコントロールが担保されるための制度、そして、公共サービスに従事する者がひとしく仕事に誇りが持てる雇用労働条件の担保の三つの原則を最低維持すべきであります。
 次に、総人件費改革についてであります。
 私ども連合は、歳出構造全体を抜本的に改革するのであれば、公務員の総人件費についても課題とならざるを得ないと認識しております。しかし、中長期的視点に立って、政府、自治体は、どのような政策、事務事業に重点を置くべきか、そのもとで公共サービスの水準や質を確保できる適正な公務員総額人件費とはどのようなものであるかという観点が必要なのではないかと思います。
 特に、政府、自治体が行う事務事業の中には、国民の安全に直接かかわるようなものが多いことに注意しなければなりません。食や住の安全、環境に対する国民の関心は極めて高いものがあります。一方、民間参入が進行、拡大する中で、ルールが適正に守られているのか、事後チェックがどうなっているのかなどが問われているような事件も起こっております。
 そのため、現在国民が求めるのは、安心、安全、信頼を国民に保障する行政と公共サービスであると認識すべきであり、事務事業の見直しに当たってはこのことを基本的視点に置くことが必要であります。
 また、労働組合としては、公務労働者であろうと民間労働者であろうと、雇用不安が惹起するような事態は避けなければならないと思います。連合は、当該の公務労働者がこの問題で強い不安感を持ち、士気にも影響しかねない状況にあることを指摘し、政府には万全の対策をとるよう強く要請したいと思います。
 政府は、総人件費改革に当たって、配置転換等その他の方法により雇用を確保するとの見解を表明しております。当該の職員が納得し、また、職場の士気低下につながらないような方策を確立し、当該組合と十分な交渉協議をしていただくよう要請したいと思います。
 次に、公務員制度改革であります。
 連合と傘下の公務組合は、新たな社会のニーズに適切にこたえる公務部門の改革と、そのもとでの公務員制度の抜本改革は、避けて通れない課題であると認識しております。折しも防衛施設庁における官製談合問題がまたもや再発し、天下りと深く結びついた政官業癒着の構造が改めて問われております。今こそ、公務部門、公務員制度の抜本改革を行うべきときであります。
 今必要なことは、公務員の働きがいやモラールを向上させ、多様な公共サービスの需要にこたえるための公務員制度をいかに構築するかであります。職員をサービスや事務事業の決定過程の各段階に参加させ、全体としてサービスの豊富化と効率化を図り、公正で公平な公共サービスの実現を図らなければなりません。そのためにも、公務に対する労働基本権の付与は必要であります。
 また、民間では、団体交渉とは別に労使協議制が普及、定着しており、公務分野においても、労使がパートナーとして話し合う労使協議制を導入することが求められています。これにより、労使が決定した事項については、双方が納税者と社会に対して説明責任を果たす体制を確立することが必要だと思います。
 公務員制度には、そのほかにも改革すべきことがたくさんあります。例えば、職階制を廃止して、仕事の種類、職務内容と責任範囲を明確化した新たな職務給制度を確立すること、公正、公平、透明で納得性のある新たな評価制度を確立すること、また、複線型人事システムを活用しながら定年まで勤務できるシステムを整備した上で、天下りに関する規制を強化、透明化することなど、さまざまな改革が必要です。
 一方、国連の国際労働機関であるILOの理事会が、三月二十九日に、日本の公務員案件に対し三回目の勧告を出しました。勧告は、公務員法制に関する改正が関係者間の協議を通じて早急に合意されるよう、関係者のさらなる努力を督励しております。政府が国際社会からの勧告を重く受けとめて、労働基本権の付与を明確にした改革を断行すべきと考えます。
 この間、連合は、政府と公務員制度改革に関する政労協議を続けており、既に、労働基本権を付与する公務員の範囲について検討を行う場を設置することについて合意しております。連合は、この間の政府の対応を評価し、合意内容について前進であると受けとめており、引き続き誠意を持って協議を続けていきたいと考えております。
 この検討の場については、何らか法律において設置を明記していただくことを強く要望し、私の参考人としての意見表明とさせていただきます。
 ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →
伊吹文明#5
○伊吹委員長 逢見参考人、ありがとうございました。
 次に、井堀参考人にお願いいたします。
この発言だけを見る →
井堀利宏#6
○井堀参考人 おはようございます。東京大学の井堀です。よろしくお願いします。
 私のきょうお話しするテーマは、事務局の方から特別会計改革についてというテーマで何かしゃべれと言われていましたので、その点に限定してお話しさせていただきたいと思います。それで、皆様のお手元に簡単なレジュメがあると思いますが、それに従って始めます。
 特別会計、御存じのように、基本的に三つの分類が行われているわけですけれども、国が行う特定の事業を経理する会計、これは社会保険とか公共事業関係の特別会計ですね。それから、特定の資金の管理運用の会計、これは財政融資あるいは外国為替の会計等です。それから三番目が、特定の収支を区分して経理する会計、これは交付税の会計とか、それから国債整理基金のようなものです。
 幾つか性格が分かれているわけですが、特別会計の改革が、今度の政府案でも、それから民主党の方でも法案を出されたようですけれども、問題になっているのは、一般的に予算の議論というのが一般会計を中心に行われていて、歳出の効率化の圧力が特別会計に向けられていないのではないか、そういう疑問とか、あるいは、特別会計であるがゆえに、固有の財源で、必ずしも必要でない事業が自己増殖的に行われているのではないか、そういう懸念があるんだろうと思います。
 そこで、そもそも特別会計に本来どういうメリット、意義があるのかという点からお話しさせていただきたいと思います。
 一般会計とのこれは比較になるわけです。つまり、特別会計に何らかの問題点があったとしても、それを、特別会計をやめてすべて一般会計にしてしまうと完全に問題が解決するかというと、では、一般会計が、国民の選好、国民のニーズを完璧に的確に反映した一〇〇%十分な予算が常にできているかというと必ずしもそうでない面がありますので、これは、どちらの会計を用いることが相対的に有利かどうかという問題だろうと思います。
 それで、すべての経費を一般会計でまとめて計上すると、経費の性質によっては、効率性の面から見ても、あるいは情報開示の面から見ても有益でないものもあるので、その場合には特別会計を使って別勘定で計上する方が資金の流れがより明確に開示されて、結果として国民にもプラスになる。
 その一つの大きな点というのは、予算の中で、税金や、保険料あるいはその他の使用料等の料金などの収入と、それから実際の歳出活動あるいは政府の公共的な活動との間に一定の対応関係、リンクが実際にある場合には、それを会計情報として開示する方が、国民にとっては、こういった形の負担が直接こういった形のサービスに使われている、そういうことが実際に行われている場合には、それを会計情報として開示する方が望ましい。
 これは特定財源等の場合も出てくるわけですし、あるいは社会保険のように、保険料は社会保険として一定のサービスに充てるという場合には特別会計としてやる方が一般会計でやるよりは資金の流れはより明確になる。その結果として受益と負担の関係がより国民に明確に開示されるので、国民としてもそれが納得いくものかどうかに関して監視が働きやすくなって、結果として、効率的な運営をする圧力としてうまく機能するということです。
 それから、国債整理基金とかそれ以外の会計にしても、別勘定で資金の流れを明確に開示することができるとすれば、それによって予算の中身が国民にとってより明確になれば、それがどういう形で行われるべきかに関する監視も強くなる。その意味では、ある程度受益と負担に一定のリンクがあるのか、あるいは、資金としてそれなりの性質を持っているものについては特別会計でした方がいいんじゃないか、こういう議論はそれなりに意味があるんだろうと思うんですね。
 特に、最後ですけれども、一つ例として道路特定財源を挙げていますけれども、仮に一般会計にしないであえて特別会計なら、受益と負担のリンクで縛るということは、逆に言いますと、政策の選択の幅をあらかじめ縛っているわけですね。要するに、ガソリン税で上がってきたものは必ず道路の整備にしか上げないということですから、道路以外のものに使えないということで選択の幅を縛っているわけですけれども、縛るということはそれだけ自由度が狭くなりますから、完全に一般会計で最適に予算編成ができるというのが一つの反対側の基準とすれば、それに比べればセカンドベストにならざるを得ないので問題なんですけれども。
 問題は、特別会計をやめて一般会計にして完全に自由に財源を使えるときに、道路整備よりももっと国民にとって望ましくないサービスにも使われる可能性はあるわけですね。自由度があるということは、逆に言うと悪い方に使われる可能性もあるので、そこはどの程度政治がきちんと一般会計で予算をコントロールできるか、そこにかかってきているので、そこに対する有権者なり納税者の不信感がある程度ある場合には、特定財源というのはそれなりに有権者から見ると安心できる。逆に、政治の場が、一般財源でも予算を編成してちゃんとやっています、社会経済環境が変わったときにきちんと既得権にかかわる見直しができていますということであれば、これは一般財源にした方がいい。程度問題だろうと思います。その後どうしたらいいかというのはケース・バイ・ケースだと思います。
 その意味では、特別会計の問題点、特に最近これが出てきたというのは、やはり特別会計の数が、過去の経緯もあってたくさん設置されてきたことで、予算全体の仕組みが複雑でわかりにくくなった。会計が分立することで全体の効率性が損なわれるではないか、そういう点があるのだろうと思います。
 特に、特別会計で、一般会計とは違って受益と負担の関係にリンクをつけたとすると、問題は、道路でいいますと、ガソリン税の税率が高どまっているとか、あるいは保険料なり料金収入がある程度あって、ところが歳出の方は、社会的な需要が落ちて減ってしまって剰余金が出てしまった。その場合は、収入があるから特別会計をつくらざるを得ないという形で、結果として無駄なものもできやすいわけですね。そのときに、当然、特別会計なり特定財源の場合であっても、それに対応する税率を下げたり保険料を下げたりしていけばそれで対応ができるんですけれども、そこがなかなか難しいときにはそういう問題が起きる。
 その意味では、特別会計で政府の行動がどのぐらいまで効率的になるかというのは、ある程度社会経済環境が変化したときにどの程度見直しを柔軟にできるのかという、そこの問題になると思うんです。
 ただ、従来は、硬直的な予算編成が、特に特別会計の場合は、一般会計に比べるとそこを見直すのが難しい、各省庁の既得権益化の一つの温床になっている、こういう問題がありますので、その意味では、特別会計というのを抜本的に見直すいい機会だろうと思います。
 それで、政府案ですけれども、特別会計の数を、富田参考人の方からも御紹介ありましたけれども、二分の一から三分の一程度に削減するということ、それから、今後五年間において合計二十兆程度、これは一般会計の方へ財政健全化の貢献を目指す、それから、十八年度予算においては一三・八兆円活用するという点で、小さいのがいいのかどうかは別にして、確かに、無駄を省いて効率的な政府を目指すという意味での第一歩としては評価できる案だと思います。
 ただ、これで十分かどうかというのは、もちろん今後の課題です。大胆に特別会計の問題点を見直すところは見直す必要はあるんだろうと思います。
 特に、剰余金等が出ているということは見直しをする場合のシグナルとしては意味があって、剰余金が発生しているということは、今まで特別会計が想定したことが、社会経済環境が変わってうまくそれが処理し切れていないということですね。そういうシグナルを出しているわけですから、それがどういうものかというのを精査して、必要なものだけを取り込む。
 特に歳出の削減に関して言いますと、特別会計を一般会計化することが歳出の削減に特効薬になるかどうかというのは、それぞれの性質によって必ずしも明確ではないと思いますが、一般会計にするにしても特別会計でやるにしても、いずれにしても、政府がどこまで本来の公的なサービスにきちんとコミットするのか、民間なり政府との役割分担をまず明確にするということが必要で、そのもとで、特別会計で仮にやるとした場合にどういった形でやるのがよりその事業の効率化に必要かという観点から見直しを今後とも進めていただきたいと思います。
 最後ですけれども、今後の課題として三つほど私見を入れておきましたが、一つは交付税特別会計、御存じのように、五十兆の借入金を抱えています。これは今は多少落ちついているわけですけれども、要するに、特別会計で借金がじゃんじゃんできてしまった、こういうシステムは非常に問題が多いと思います。今後も特別会計で借金をできるということになりますと、ややソフトな予算制約の問題が出てきますので、ここは見直していただきたい。
 それから、社会保険関係は国庫補助という形で税金を入れているわけですけれども、御存じのように、基礎年金の国庫補助が三分の一から二分の一に上がるわけですが、本当に社会保険関係に税金をどんどんつぎ込むのがいいのかどうかという問題です。
 保険料で給付を賄うというのが社会保険の基本的な性質ですので、このようにじゃんじゃん税金を入れるというのは、ある意味では、税金を入れるといいながら、一般会計では結果として財政赤字で対応しているわけですから、これは先送りの不安があり得ると思います。
 それから、最後ですけれども、剰余金、積立金は常に一般会計に活用するのが望ましいかというと、これは必ずしもそうではないだろう。原則としては、剰余金なり積立金が余っていれば、特別会計に入る収入を抑えて特別会計自体をスリム化するのが本筋だろうと思うんですね。要するに、特別会計の剰余金というのは一般会計の財源調達としてそもそも設立したわけじゃないですから、財源調達は基幹税でやるのが筋であって、もちろん、余ってどこにも使い道がないんだったら国債の償還に充てるのが今はいいと思いますけれども、本筋は、やはり特別会計自体も業務をスリム化して、それに見合って収入サイドをきちんと見直すというのが必要だろうと思います。
 そういった形で、財政への貢献というのは、本当に中長期的に特別会計の中でお金が余って、ほかに使い道がないという場合に限定されるときも、一時的なギフトとして考えるぐらいにしておいた方が望ましいのかなと思います。
 時間が来ましたので、以上で私の説明を終わらせていただきたいと思います。
 どうもありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →
伊吹文明#7
○伊吹委員長 井堀参考人、まことにありがとうございました。
 次に、桑原参考人にお願いいたします。
この発言だけを見る →
桑原耕司#8
○桑原参考人 おはようございます。私は、希望社という会社の社長であります。中小企業のおやじであります。
 私は、行政改革にとって、公共工事の発注や工事監理、そういう内容を改革していくことがとても重要だと考えておりますが、この改革を押しとどめているものが、建設業者ではなくて行政職員、すなわち官僚である、この点を強くきょうは皆さんに御報告しながら、わずかな提案をさせてもらう、そんなつもりで来ております。
 公共工事の改革の視点は、よいものを安くつくることであります。安くという、これがとても重要なことでありますが、今これが社会の風潮として、悪くというふうに読みかえられている面があります。もう一度繰り返します。公共工事改革の視点は、よいものを安くつくることであります。
 しかし、行政職員は、それに反した対策を継続して実施し続けています。この事実を、私は、会社経営者としての体験をもとに御報告することにします。ここでは岐阜市の問題を取り上げますが、全国各地で同様な実態がありますので、岐阜市の問題というふうにとらえずに、これを全国的な問題という視点でお聞きいただいたらありがたいと思っています。
 お手元にわずかなレジュメをお渡ししてあります。急なことで何にも準備ができませんでした。そのレジュメに沿って少し話をさせていただきますが、「公共工事の談合問題について」というレジュメであります。この表紙の写真は当社の本社であります。正面の垂れ幕には「談合しない。」それから左下のパネルには「建築費は二割前後安くなる」こういうふうな表示がされています。これは宣伝のためのものではありません。これが私たちの真意であります。
 この談合をしない真意を表明している会社が岐阜市の公共工事に参画しようとするとどんな処置がとられてきたか、これを報告します。
 当社は、平成十三年度から、建築工事の指名願を市に提出してきました。その経過を見てみますと、平成十三年から今日に至るまで五年の間に、四十件以上の指名を受けている会社は三十五社前後あります。ところが、当社は、いまだかつて一度も指名を受けておりません。指名がないので指名競争入札には参加できないわけですので、公共工事を競争的にする役割を負えません。
 したがいまして、当社は、一般競争入札それから公募型指名入札にまた参加せざるを得ないんですが、そのような行為を起こしていくときにどのようなことがなされてきたのか、それを少し話したいと思います。
 レジュメをめくってください。「談合しない建設会社の岐阜市公共工事における実態」というふうに書いてあります。この報告は、一般競争入札と公募型指名入札に限ったものです。
 平成十三年に岐阜市に指名願を出しました。それから指名は一度も来ない。そして、平成十五年五月に一般競争入札が、北東部コミュニティーセンター建築主体工事というのが発注されました。当社と丸泰というJVで落札しました。十六年四月になると、西郷小学校及び則武小学校という工事の発注がありまして、その際に、入札応募資格及び条件というものが示されました。今までなかったわけですが、その中に、岐阜市発注の請負金額四千五百万円以上の建築工事を受注し、今施工している会社はこの入札から外すというふうに初めてうたわれました。これによって受注のチャンスを失っております。それがその下の内容であります。
 平成十六年五月に、今の西郷小学校増築工事と則武小学校、それで失っております。それから、十七年五月になると、七郷小学校増築工事というのが発注されました。これは私どもが今工事をしておりませんので、公募型で参加する資格を持っておりまして、入札に参加しました。そして、当社と村瀬建築というJVで落札しております。その後に芥見健康増進施設というのが一般競争入札で発注されましたが、同じように、四千五百万円以上の工事を施工中ということで、この入札には参加できませんでした。
 平成十八年、ことしであります、四月一日から岐阜市の入札契約制度が改定されました。これは品質確保のための業者選定方式の確立として、総合評価方式が導入された。ここでは一般競争入札と公募型指名入札に限るわけですが、過去二年の工事の成績評価の平均点が六十五点を切った者は入札参加させないという仕組みであります。
 私どもは、この三月に竣工した七郷小学校で、この評価点を、五十四点という今までだれも得たことのない低い点数をいただいておりまして、これによって、二年間、入札のチャンスを今失っております。
 それから、五年間一貫して、きょうに至るまで、まだ指名入札のチャンスは得ていません。これについてちょっとだけ補足します。
 工事成績が五十四点については、これはどういう根拠によって五十四点をつけたのか、今、市にその回答を求めています。岐阜市に本社を置く指定工事会社は百二十社ほどありますが、当社はその中で経審の点数では十番以内に入る位置にありまして、こんなひどい仕事をする会社ではないというふうに自負しております。それから同時に、私どもと二回JVを組んだ会社は、私たちと組むたびに、後の指名がされないという状態が今あります。
 こういうふうな今のやり方がどんな行政姿勢に結びついているのか。次のページをお開きください。
 これは、平成十三年度以降の岐阜市建築工事の一般競争入札と公募型の結果であります。とても指名競争入札が多いのは事実でありまして、この左側を見ていただきますと、平成十五年と十七年に当社が落札した、これは青字で記入してありますが、落札率が七六・二八と八三・三一であります。当社を外してやった結果の落札率は赤で記入されておりまして、この落札率の平均値は九七・一%であります。このことが、現状の談合を行政自身が維持しながら進めているやり方であります。
 右のページは、当社が入札した際の数字であります。平成十五年の北東部コミュニティーセンターでは、二番手にある会社が業界の代表選手で、私たちに競争を挑んだ結果が出ております。七六・二八%と七九・三六であります。その右は十七年度で、二年たったときのやり方です。二番手は私どもに競争を挑みません。単独で当社だけが安い数字を入れるというような結果になってしまっております。
 このような状況から判断して、今、談合しない会社を排除しなければ、公共工事に依存して存在している建設業が成り立たないのは事実であります。事実であります。その業界要求をもとに、官民が一体になって、談合しない会社の参入を押しとどめる、こういう形で今の行政がなされております。この点については、立法権限を持つ議員諸氏の意思と判断がこの問題を決めていくことになろう、こう思っております。行政職員には行政改革をする資格はありません。
 時間がなくなりましたので、あと要点だけ話します。
 まず、改革の要点でありますが、圧倒的に多い指名競争入札を縮小して一般競争入札を限りなく拡大することだ。
 それから、入札参加対象地域がとても狭い中でやっております、これを拡大すべきだ。
 それから、入札制限につながっている共同企業体の編成をやめさせるべきだ。
 それから、現在とても問題になっているのが総合評価制度の導入であります。総合評価制度というのは、従来、金額が安いだけで落札して、いい仕事をしない、あるいは、優良な仕事をする人がはみ出してしまう、これを制限する仕組みで議論がなされてきました。それならいいんですが、今、国交省の見解を聞いていますと、安い金額で入札した会社には、要するにいろいろの制限を加えて、それが悪いように扱う方針が示されてきております。この点については緊急な再考が必要だと思っております。
 わけのわからぬ話を中小企業のおやじがやりました。ぜひ立法の参考にしていただけたらありがたいと思っております。
 それから、皆さんにお配りするだけなかったものですから、各会派に一部ずつ、私どもが繰り返し公共工事の改革を訴えておる「飛翔」という冊子をお渡ししてありますから、興味のある方はぜひお読みいただきたい。
 期待するのは先生方であります。よろしくお願いします。
 ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →
伊吹文明#9
○伊吹委員長 桑原参考人、まことにありがとうございました。
 以上で参考人の方々の御意見の開陳は終わりました。
    —————————————
この発言だけを見る →
伊吹文明#10
○伊吹委員長 これより各参考人に対する質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許可します。菅原一秀君。
    〔委員長退席、今津委員長代理着席〕
この発言だけを見る →
菅原一秀#11
○菅原委員 おはようございます。自由民主党の菅原一秀でございます。
 五十時間以上にわたりますこの行革推進法案の審議、一般質疑、集中審議を経て、いよいよ本日の参考人質疑に至ったわけでございますが、本日おいでの四名の参考人の皆様におかれましては、新年度何かと御煩多の中、お運びをいただき、ただいまは大変行革に関しての重要な御意見を御開陳賜りましたことに心から感謝を申し上げたいと思います。
 今日、我が国は、世界的に見ても、大変スピードあふれる高齢化、あわせて少子化、この人口減少社会に突入をしているわけでありまして、少子化対策は、国家の社会保障三本柱とあわせて喫緊の課題であります。
 しかし、最もその根底として重要なことは、財政再建、財政の健全化を力強くなし遂げていくこと。国、地方の長期債務残高は、言うまでもなく、七百七十五兆円、国民一人当たり六百十六万円にも及ぶ額に上っているわけでありまして、GDP比も一五〇%、まさに先進国最悪の状況にあるわけであります。また、国債の国際金融市場における信用につきましても大変懸念が高まっているわけでありまして、この財政再建、健全化のためには、まずは経済の成長力強化で税の自然増、そして徹底した歳出の削減で政府部門をスリム化していく、そしてその上で国民に行政サービスのカットあるいは負担増を選択していただく、これが自然の流れであると思っております。
 こうした中での簡素で効率的な政府を目指す今回の行革推進法、総人件費の改革、政策金融の改革、特別会計の改革、そして独立行政法人の改革、さらには政府の資産、債務の改革、この五本柱から成っているわけでありまして、これまで議論を重ねてきたところであります。
 そこで、まず富田参考人に、富田参考人は国債の専門家でもございますので、この国債の危機的状況と、行革のいわば一番の本丸といいますかプライオリティー、これをまずお示しいただきたい、こう思うわけでございます。
この発言だけを見る →
富田俊基#12
○富田参考人 ただいま菅原先生御指摘のように、日本の国、地方を合わせました、税金で将来、将来というのは長い先も含めてでありますけれども、償還しなければならない政府債務残高は、経済規模の一・五倍にも達しております。他の先進国におきましては、やはり財政の、そして社会制度の持続可能性という観点から、およそ大体六割、経済規模の六割前後で推移しているわけですけれども、非常に政府債務残高は大きい。
 そういう中で、やはり日本国債の信用というのも、日本国内にいては気がつかないことなんですけれども、国際金融市場では、菅原先生御指摘のように、若干信用が揺らいだ状態が九八年の夏以降続いておるという状態でございます。しかも、これから我が国の人口も減少する、急速な高齢化が進むという中におきまして、国民も、社会保障制度を初めセーフティーネットの持続可能性を非常に心配しておるわけであります。
 したがいまして、私は、今回の行政改革の法案によりまして、まず官がみずからの身を切るということが、これからの大きな、国民が期待するところの改革を行っていく上で非常に重要であるというふうに存じます。
この発言だけを見る →
菅原一秀#13
○菅原委員 今御答弁がございましたように、官がみずから身を切る、まさにそのとおりでありまして、徹底した無駄を省くということは万般にわたって遂行していかなければいけない、こう思っております。
 そこで、富田参考人に、総人件費改革についてお尋ねをいたします。
 今回の行革推進法案においては、国家公務員五年で五%、そして地方公務員四・六%純減ということを数値目標にしておりまして、かつ、これから十年間で国家公務員の総人件費をGDP比二分の一に近づけていくという目安も設定しているわけであります。
 こうして目標を持ちながら、今回、農林統計関係あるいは食糧管理関係など、行政ニーズが変化しているところについては大胆に見直しをする、一方で、出入国管理あるいは行刑施設といった国民の安心、安全のための部門については残す、あるいはややふやしていくといった、いわゆるめり張りのついた改革が求められているわけでございます。
 そこで、富田参考人は、行政減量・効率化有識者会議で人件費改革の先頭に立っておられるわけでございますが、先般の有識者会議からの各省庁へのヒアリングを見ておりましても、一部省庁においてはゼロ回答、合わせると六千八百名ぐらいの数値しか上がってきていない。
 目標としては、実数で一万六千六百人を目標にしているにもかかわらず、ある意味では半分にも及んでいない。全くもって、先ほどおっしゃったように、官僚の抵抗、あるまじき、言語道断の状況があると思っていますが、この点について、先ほどは、地方公務員の削減をすれば、ひいては、それが地方交付税の削減にもつながって、全体の効率をよくしていくというお話もございました。
 改めて、この五%、四・六%についての御見解と、今後の、当然これは政治のリーダーシップにかかわってくると思いますが、この点についての御見解をお示しいただきたいと思います。
この発言だけを見る →
富田俊基#14
○富田参考人 国家公務員の定員につきましては、昭和四十年代からずっと抑制されてきておりまして、そういう中でさらに五%ということでもって、官僚の抵抗というのも非常に強いことも先生御指摘のとおり事実でございます。
 しかし、先生御指摘のように、社会のニーズの大きな変化というもの、そして民間企業では情報通信技術の大きな発展を利用して非常に効率的な運営がなされている、そういうものをやはり行政にも持ち込む必要があろうということであります。そうした技術を活用するとともに、業務のそれぞれを、本当に国家公務員が担うべきものかどうか。定型的な業務であれば、それを民間に委託するという方法も考えられるわけでありますし、また、独立行政法人が効率的に業務を行うということも現在の仕組みにおいて可能なわけです。
 したがいまして、業務の性格にまで踏み込んで行政減量有識者会議におきまして検討させていただいております。御指摘のように、ゼロ回答のところが多かったわけですけれども、法務省、財務省におきましては具体的な数字で回答をいただいております。
 やはり、これは先生方の強い御意思がありませんと、有識者会議というところだけでできるものではなくて、国民の強い支持を背景に遂行すべきことだと存じます。
この発言だけを見る →
菅原一秀#15
○菅原委員 ありがとうございます。
 いずれにしても、五%、四・六%、なし遂げなければいけない、こう思っております。
 逢見参考人にお尋ねをしたいと思います。
 この法案に対して、先般、民主党さんも対案を出されました。その対案、総人件費改革については人件費を三年間で二〇%削減する、こう銘打っているわけでございますが、この実現可能性について、労働組合の立場から御所見をお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →
逢見直人#16
○逢見参考人 民主党の考え方についてのコメントでございますが、これは現行のシステムの延長線上で考えると、なかなか、この三年二割というのは非常に難しい数字だと思います。民主党の場合は、それを大胆な分権ということで、国から地方に移すという中で考えておられるんだろうと思います。そういうふうに理解をしております。
 私も富田先生と一緒に有識者会議の中で今ヒアリングをやっておりますけれども、なかなか五%という数字も、達成することは非常に難しいなと。まして、その中でも国民の負託ということでその努力をしなければならないと思っておりますが、そういったことを考えますと、現行のシステムの延長線上では非常に厳しい数字だというふうに思っております。
この発言だけを見る →
菅原一秀#17
○菅原委員 五%もなかなか難しい、ましてや三年で二〇%は厳しい、そういう御見解でございました。
 時間がないので次の質問に入りますが、いずれにしましても、今の総人件費に関しては、一億二千万人我が国に人口がいて、公務員が国、地方合わせて約四百万人、人口でいえば三・三%。国民感情とか国民感覚、国民の判断基準というのは、やはりある意味では九割以上の一般の民間人になるのではないかなと。
 例えば、三菱自動車は三年間で二三%リストラをしました。日産自動車も三年間で一四%、神戸製鋼一七%、東芝、NECに関してはそれぞれ一〇%、大手の銀行十五行に関しても四年間で一四%人員をカットしてきたわけでありまして、もちろん民と官の単純比較は難しいと思いますが、いずれにしても、国民感覚というものはそこら辺にあるのではないかということで、これは官民一体、官のための官による改革ではなくて、私ども政治のリーダーシップはもちろん必要でありますが、ともに歩んでいかなければいけない、こう思っております。
 次に、特別会計の改革につきまして、井堀参考人にお伺いをしたいと思います。
 井堀参考人は財政審の特会小委のメンバーでもございまして、ただいまるる御説明をいただきました。特会は事業ごとの受益と負担の関係や収支を明確にするというメリットが当然そこにあるわけでございますが、しかし、その特会が年々肥大化をして、複雑化して、国民から見たら大変見づらくなっている、こういう現状にあるわけでございます。したがって、昨今、あるいはもうかねてから、省庁の財布であるとか、あるいは利権の温床や天下りの受け皿機関としての指摘ということも免れないわけであります。今日、平成十八年度予算、三十一特会の歳出総額は全体で約四百六十兆円、大変な額に及ぶわけでありまして、特会間の重複部分を除けば二百二十五兆円と、それでも一般会計の倍以上のボリュームになっているわけであります。
 今回の行革推進法案の中では、三十一特会を二分の一から三分の一に減らして、特会にある資産、負債並びに剰余金や積立金を縮減することで財政健全化に目標値として約二十兆円を役立てよう、こういう政策目標を立てたわけでありまして、既に十八年度予算では十三・八兆円、財政融資資金十二兆、外為資金一・六兆、産業投資、電源特会あるいは農業基盤特会等々、合わせて十三・八兆円の措置をとったわけであります。ところが、実際問題、特会の大部分は、国債の償還、ここに百十六兆円、あるいは社会保障四十九・九兆円、地方交付税十九・二兆円を占めているわけでありまして、言ってみれば、意外と無駄を削減する部分というのは小さいわけであります。
 こうなりますと、やはり特会のスリム化ということを考えますと、先ほど来御説明にもございましたように、社会保障関係あるいは地方財政関係、この改革なくして、あるいはこの改革と同時に進めていかなければいけない。当然のことであると思うんですが、この点、どのあたりに改革を切り込んでいくことがまさにベターなのか、井堀参考人にお示しをいただきたいと思います。
この発言だけを見る →
井堀利宏#18
○井堀参考人 今非常に重要な御質問をいただきましたけれども、特別会計の会計制度を改革することでどのくらい行政改革につながるのか、あるいはそれが結果として財政の健全化、具体的に言いますと財政赤字を縮小する方向に行くのかというのは、今御指摘いただいたようになかなか難しいところがあります。
 要するに、特別会計というのはいろいろなものがまじっていますから、国債整理基金をスリム化するといっても財政的にそこでお金が出てくるわけではありませんので、その意味では、本来特別会計がやっている事業のところをターゲットにして改革をするというのが今回の政府案で、そこですと、十二・三兆の中をどれだけ事務効率化のところで効率化するかということと、それから、今まで特別会計にたまっている剰余金をどこまで一般会計の方に持っていくことができるかという、そこが一つのターゲットになっているわけですけれども、それはそれで第一歩として当然やるべきことだろうと思います。
 本来特別会計として計上してきたものの中で余っているもの、あるいは積立金が、将来それが特別会計の中で使われる可能性が少ないものは当然一般会計の方に繰り入れて財政健全化の方に使うのが望ましいわけですし、それから、特別会計の中の事業を徹底的に見直してスリム化して、そこで事業の効率化をするというのも必要なわけですけれども、ただ、金額からいいますと、今御指摘いただいたように、年金とかを含めた社会保険、あるいは地方交付税等国と地方のいわゆる三位一体改革、それから、国債整理基金の場合には国債のトータルな管理政策をどういうぐあいに行うか。
 これは、特別会計改革とはある意味で次元の異なる地方財政なり社会保障なり国債の管理政策の問題なんですけれども、実はそういったところをより徹底的に進めることが、結果として、特別会計自体が今複雑になっているわけですけれども、そこをより透明にして、さらに全体として日本の財政再建にも役立つという意味では非常に重要な点ですので、今回、特別会計改革ということで、ある意味で、特別会計の全体像がどういった形で絡み合っているのか、あるいはどこが複雑でどこが入り組んでいるのかということが、ある程度国民の目にもいろいろな形でその情報が開示されたというのは、いいきっかけになったと思うんですね。
 これを一つのきっかけにして、特別会計本体の改革ももちろん必要ですけれども、同時に、特別会計と一般会計との絡みであるところの地方交付税の改革であるとか、それから少子高齢化を迎えたところの社会保障、特に保険料と税のあり方をどういうぐあいにするのか、このあたりはぜひ徹底的に、この場で議論するべきかどうかは別にしても、徹底的に国会あるいは政府の場で議論していただいて、本当に必要な、官がやるべきところがどの程度必要なのかということを本当にゼロベースから見直して議論していただければと思います。
この発言だけを見る →
菅原一秀#19
○菅原委員 どうもありがとうございました。
 最後に、富田参考人に国の資産・債務改革についてお尋ねをしたいと思います。
 これまで議論してきましたように、大変深刻な財政状況、先ほども御説明あったように、やはり国の資産については売却可能なものは積極的に売却をして、財政再建に最大限役立てていくということは極めて重要だと思います。
 平成十五年度の国の状況では資産約七百兆円、こう言われておりますが、資産圧縮の対象外となっている外為資金、あるいは年金資金運用基金への預託金、あるいは道路、河川などの公共用財産を除くと、よく四百三十兆ということが言われるわけでありますが、これも大変議論の分かれるところであります。
 それはそれといたしまして、先般、経済財政諮問会議で、谷垣財務大臣から売却可能な資産十一・五兆円分の提示がなされました。一方で、我が自民党の財政改革研究会においては百十二兆円の圧縮案を提示したわけでございますが、国有財産として庁舎、官舎あるいは未利用地などの売却等について約十二兆円、一方で、百兆円については貸付金の証券化の案が盛り込まれているわけでありまして、このこともいろいろな場面で議論になってきていることは御案内のとおりであります。
 こうした中で、その論議の中で、どうしても普通国債と財投債は償還財源が異なりますから、仮に売却して証券化したとしても、国の財政状況の改善にはつながらない、こういう意見もある。あるいは一方で、いやいや、見合いの負債である財投債が結局減る、落ちるわけですから、国全体で見れば利払いの低減につながるから、これは重要なことだ、こういう意見もあるわけでございます。
 この法案の六十条には、「国の貸付金については、幅広い観点からその証券化の適否を検討する」、こう銘打っているわけでございまして、今日、貸付金約二百九十兆、このほとんどを占める財政融資資金の貸付金、これを証券化することについて、あるいはその他の分野においても証券化することによって財政再建に資していく、この点の御所見、御見解をいただければと思います。
この発言だけを見る →
富田俊基#20
○富田参考人 貸付金の証券化について、その適否を検討するということが法案にございまして、今菅原先生お尋ねの件でありますけれども、これまで企業、銀行におきましては、自分自身の本体で借金をするよりも、証券化をして、いい資産だけ切り出して、それを担保にして借金をするとより低い金利でお金を借りることができるというのが証券化のメリットでございました。これを国の場合に適用いたしますと、非常に難しい問題に遭遇いたします。
 と申しますのも、我が国は国際的には国債の信用力がやや揺らいでいるということがあるにいたしましても、国は日本国内においては最も信用力が高いわけであります。そういう意味で、民間企業そして銀行のようにその証券化をしていくということの意味があるのかどうかということについては、さらに検討をする必要がございます。
 菅原議員御指摘のとおり、国債には、種類なんですけれども、普通国債と財投債がある。それで、普通国債については将来のプライマリー黒字でもって返済していくということなんですけれども、財投債につきましては、貸出先からの回収金、これは政策金融を行っているところあるいは事業機関からの回収金でもって返済する。利子についても、政策金融機関の利子収入、そして事業機関の料金収入等でもって返済されるという形になっているわけでして、貸付金を証券化してそれで財投債が減ったといたしましても、国民負担に直接関係するかどうかということもあるわけなんです。
 したがいまして、貸付金の証券化につきましては、財政の健全化に資する、つまり普通国債の償還に寄与するかどうかという観点より検討することが非常に重要であり、いろいろな角度から広く慎重に検討する必要があるんですけれども、やはり大事なことは、国民の負担が抑制されるという観点を最優先で重視すべきであるというふうに存じます。
この発言だけを見る →
今津寛#21
○今津委員長代理 菅原君、時間ですから終えてください。
この発言だけを見る →
菅原一秀#22
○菅原委員 はい。
 景気の回復が拡大をしておりますが、景気は循環するもので、いつか下降線に至ることもあるわけでありますから、まさに不健全な財政はさらに悪化して景気後退を助長してしまいますから、この景気が好況のときにこそ、国家百年の計に立って行革推進をしっかりやっていくことが重要だと思います。
 以上です。
この発言だけを見る →
今津寛#23
○今津委員長代理 これにて菅原君の質疑は終了いたしました。
 次に、谷口和史君。
この発言だけを見る →
谷口和史#24
○谷口(和)委員 公明党の谷口和史でございます。
 まず、お忙しい中、本日の参考人質疑においでいただきまして、御礼を申し上げます。大変ありがとうございます。
 私の方から、富田先生に何点かお伺いをしたいというふうに思います。
 冒頭のお話の中で、官がまず身を切ることが必要である、無駄を徹底的に省くことを国民は求めている、こういうお話がありました。我が党としては、無駄をゼロにしていこうということで事業仕分けという手法をずっと強く求めているわけでありますけれども、まず、ちょっと総括的に、行政減量・効率化有識者会議において、この事業仕分け、つまり要らない業務の洗い出し、こういった議論はどういった議論が行われているのか、お伺いをしたいと思います。
この発言だけを見る →
富田俊基#25
○富田参考人 ただいま谷口先生御指摘のように、行政減量有識者会議におきましては、個々の事業を、現在国家公務員が担っているものについて、それを国家公務員がこれからも担っていく必要があるのかどうか、定型的なものであれば民間にアウトソースしたらどうか、そしてまた独立行政法人に効率的な仕事をやらすということはどうかということで、個別の事務事業を、先生まさにおっしゃいましたような形に区分け、仕分けしながら検討することによって国家公務員の減量ということに結びつけようとしております。
 例えばでございますけれども、例えば農林統計について、国家公務員が直接農家に出向かれていろいろ庭先調査をやられたりヒアリングをされている。その一方で、国勢調査につきましては、その時期にやはり民間の調査員にゆだねるといったことをやり、そして、その集計については地方公共団体が行っている。そういうさまざまな事業の事務フローを分析しながら、いかなる主体が担うことが一番効率的、つまり国民負担を最小化できるかという観点を非常に重視して、まさに事業の区分けという観点を踏まえながらいろいろと議論を進めております。
この発言だけを見る →
谷口和史#26
○谷口(和)委員 ありがとうございます。
 続いて、富田参考人に引き続きお伺いしたいと思います。
 次は、政策金融改革の中の商工中金についてでありますけれども、商工中金につきましては、平成十年ごろの貸し渋り、貸しはがしという中で、そういうあらしが吹く中でセーフティーネット貸し付けなどを積極的に行って中小企業を救った大切な金融機関であります。今後も、完全民営化されるわけですけれども、この中小企業に対する役割の中では非常に大きな役割を担っていくというふうに思っております。
 それで、完全民営化ということになるわけですけれども、自己資本比率を見ますと、十七年の三月現在で七・七八%、それから年間利益が九十二億円ですか、百億円に満たないということで、財政基盤としては非常に弱いというのが現状かと思います。今後、財政基盤をやはり強固なものにしていかなければならないと思いますし、党としても、政府が四千億円の出資金を出しているわけですけれども、このかなりの部分を準備金化してしっかりと財務基盤を確保していってほしいという申し入れも行っているところではありますが、今後、財政基盤を強化していく上で準備金化ということも考えられるのではないかと思うんですが、富田参考人の御意見をお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →
富田俊基#27
○富田参考人 谷口先生御指摘のように、中小企業金融ということは、これからの我が国の政策においても大きな重要性を持ったものだというふうに存じます。
 その意味で、この法案におきましては、国民生活金融公庫、中小企業金融公庫につきましては、新しく一つに統合されます政策金融機関において、業務の一部を廃止しながらも引き続き政策金融機関として事業を行っていくということとなっております。
 極めて具体的に商工中金のことをお尋ねになられたんですけれども、民営化される金融機関の新体制は平成二十年度に発足するわけですけれども、さらにその先、五年から七年かけて完全民営化されるということが法案の中に入っております。
 その際、完全民営化されたときの、お尋ねの商工中金でありますけれども、どういうビジネスモデルを構築していくべきかということを多分これからも検討しなくてはならないと思うんですけれども、やはりこれまでの、組合組織を通じ、また全国のネットワークというふうなことで培われてきた金融のノウハウということを最大限生かす形で企業価値を高めていくということだろうと思うんです。企業価値を高めるということは、完全民営化によって売却収入が国民に還元されるわけですので、やはり企業価値を高めるということが重要な方策だろうと思います。
 財務基盤の安定化という、谷口先生重要なことを御指摘になられたんですけれども、これまで商工中金は、国の機関として暗黙の政府保証があったので、非常に低い金利で資金を調達することができたわけです。これから完全民営化ということになりますと、自分自身のバランスシートで資金を調達しなければならないということになるわけでして、今谷口先生御指摘のようなことも含めて、これから民間金融機関とのイコールフッティングという面も重要でしょうし、さまざまな側面からこの詳細設計を検討する必要があろうというふうに存じます。
この発言だけを見る →
谷口和史#28
○谷口(和)委員 ありがとうございます。
 引き続き富田参考人にお伺いしたいんですが、今、資金調達のお話がありましたけれども、現在の貸付原資の資金調達につきましては、そのほとんどが今金融債によるものになっております。今後の円滑な調達という面におきましても、預金による原資の確保には限度があるのではないかというふうに思われます。党の方としても、先ほど申しました申し入れの中で、金融債の発行が資金調達のかなめであることを踏まえ、必要な期間、金融債が発行できるよう措置することというふうに申し入れをさせていただいております。
 現状を考えると、民営化後も当分の間はこの金融債を中心とした資金調達を続ける以外に道はないのではないか、こういうふうに考えるわけですけれども、富田参考人のお考えをお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →
富田俊基#29
○富田参考人 これまでの商工中金で培われてきましたさまざまなノウハウというものを生かしつつ、完全民営化後は、民間金融機関と競争し、持続可能なビジネスモデルを構築するという観点が非常に必要でありますので、多面的な検討が必要というふうに思います。
 預金による調達の方がコストが安いのか、金融債の方が低いのか、そうしたものを多面的に検討し、組合組織を中心とした中小企業金融というものから、それも含めた新たな民間業態への転換ということを安定的に行っていくということの詳細な制度設計について、多面的な検討が必要であろうというふうに思います。
この発言だけを見る →
← 戻る