安全保障委員会

2001-11-29 衆議院 全176発言

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会議録情報#0
平成十三年十一月二十九日(木曜日)
    午後三時開議
 出席委員
   委員長 玉置 一弥君
   理事 石破  茂君 理事 園田 博之君
   理事 浜田 靖一君 理事 水野 賢一君
   理事 末松 義規君 理事 渡辺  周君
   理事 田端 正広君 理事 藤島 正之君
      岩崎 忠夫君    岩屋  毅君
      臼井日出男君    嘉数 知賢君
      金子 一義君    瓦   力君
      下地 幹郎君    中山 利生君
      平沢 勝栄君    吉川 貴盛君
      米田 建三君    江崎洋一郎君
      小林 憲司君    今野  東君
      島   聡君    前田 雄吉君
      前原 誠司君    河合 正智君
      赤嶺 政賢君    今川 正美君
      小池百合子君    粟屋 敏信君
    …………………………………
   議員           東  祥三君
   議員           中塚 一宏君
   外務大臣         田中眞紀子君
   国務大臣
   (内閣官房長官)     福田 康夫君
   国務大臣
   (防衛庁長官)      中谷  元君
   内閣官房副長官      安倍 晋三君
   外務副大臣        杉浦 正健君
   防衛庁長官政務官     嘉数 知賢君
   防衛庁長官政務官     平沢 勝栄君
   政府特別補佐人
   (内閣法制局長官)    津野  修君
   政府参考人
   (防衛施設庁長官)    伊藤 康成君
   政府参考人
   (外務省大臣官房長)   小町 恭士君
   政府参考人
   (外務省北米局長)    藤崎 一郎君
   政府参考人
   (外務省中東アフリカ局長
   )            重家 俊範君
   安全保障委員会専門員   鈴木 明夫君
    —————————————
委員の異動
十一月二十九日
 辞任         補欠選任
  宮下 創平君     岩崎 忠夫君
  伊藤 英成君     島   聡君
  江崎洋一郎君     前田 雄吉君
同日
 辞任         補欠選任
  岩崎 忠夫君     宮下 創平君
  島   聡君     伊藤 英成君
  前田 雄吉君     江崎洋一郎君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第二八号)
 国際平和協力法案(東祥三君外一名提出、衆法第一三号)
 防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案(東祥三君外一名提出、衆法第一四号)

     ————◇—————
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玉置一弥#1
○玉置委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律の一部を改正する法律案並びに東祥三君外一名提出、国際平和協力法案及び東祥三君外一名提出、防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案の各案を一括して議題といたします。
 各案審査のため、本日、政府参考人として防衛施設庁長官伊藤康成君、外務省大臣官房長小町恭士君、外務省北米局長藤崎一郎君、外務省中東アフリカ局長重家俊範君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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玉置一弥#2
○玉置委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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玉置一弥#3
○玉置委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。江崎洋一郎君。
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江崎洋一郎#4
○江崎委員 民主党の江崎洋一郎でございます。今回提出されておりますPKO法改正案につきまして質問をさせていただきます。
 既に、一昨日の質疑におきまして、この改正案につきましてはかなり活発に論議された経緯もございます。本日は、PKO活動の今後の展望を踏まえて、PKO法の今後の方向につき、私からの質問とさせていただきたいと思っております。
 今次改正は、PKO参加五原則の抜本的見直しについては触れられておりません。PKO法制定以来、PKO活動そのもののあり方が変容してきている昨今でございます。その中で、五原則の見直しも当然必要な時期に来ていると思われます。以下、PKO参加五原則につきまして質問をさせていただきたいと思います。
 まず最初に、PKO参加五原則制定時におきましては、PKO活動への派遣の経験を生かした上で、三年後に運用上の見直しは過去行われてまいりました。しかし、この間、PKO活動そのものが内戦型の紛争等に対応しなければいけないというように実質変容してきた中で、これに対応したような形で抜本的な見直しというのはいまだ行われておりません。
 来年はPKO活動開始以来十年目に当たるわけでありますが、例えば停戦合意に関しても、内戦型の紛争にも対応できないような現状のままでいいのかどうか、五原則全体について抜本的見直しのお考えをお持ちか、まず防衛庁長官にお伺いしたいと思います。
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中谷元#5
○中谷国務大臣 このPKO参加五原則というのは、我が国が国際平和協力隊に参加するに当たって、憲法で禁じられた武力行使をするとの評価を受けることがないように担保される意味で策定された国際平和協力法の重要な骨格でありまして、今後ともこの認識については変わりはございませんが、常に、どうあるべきかという観点での御議論を続けていただき、検討していく必要はあるというふうに思っております。
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江崎洋一郎#6
○江崎委員 きょうは、五原則を中心に、一つ一つ、現状における問題点というものについて少し質問を加えさせていただきますが、その前に、憲法上の問題と五原則の見直しの関係ということについてお伺いをしたいと思っております。
 ここに、平成三年十一月二十一日におきます委員会質疑における政府答弁、また加えて、同じく十一月二十七日におきます当時の宮澤総理大臣の答弁というものがございます。PKO参加五原則の中のとりわけ四原則と五原則というものが、憲法に抵触しない、憲法を順守する根拠となっておるというような御答弁がございます。
 平成三年ということでございますので、かれこれ十年近くたつわけでございますが、この間、PKOそのものが変わっている中で、現在もこの答弁が基礎となるのでしょうか、内閣法制局長官にお伺いしたいと思います。
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津野修#7
○津野政府特別補佐人 お答えいたします。
 平成三年十一月二十一日と二十七日に、私どもの先輩であります工藤法制局長官と、当時の宮澤総理大臣から御答弁がございました。そして、政府としては、当時の答弁をもう一度読むことは避けますが、御指摘された答弁と同様だと現在も考えております。(江崎委員「一部読んでいただけますか」と呼ぶ)はい。
 考え方を言いますと、すなわち、仮に我が国が参加する国連の平和維持隊が武力の行使に至ることがあったとしても、我が国は、国際平和協力法に基づいて、武器の使用は要員の生命等の防護のために必要な最小限のものに限られること、それから、紛争当事者間の停戦合意が破れるなどして我が国が平和維持隊に参加して活動する前提が崩れ、短期間にかかる前提が回復しない場合には、我が国から参加した部隊の派遣を終了させることなどの前提を設けて参加することとなりますので、我が国としては、みずから武力行使をせず、かつ、当該平和維持隊の行う武力行使と一体化しないことが確保されるということから、我が国が武力行使をするとの評価を受けることはないものと考えている、そういうことで憲法との関係を整理しているわけでございます。
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江崎洋一郎#8
○江崎委員 今法制局長官から、確認ということで、前回と変わっていないという御見解かと思っております。
 その上で、今回の改正案の中で一つございましたのが、PKFの解除とともに武器使用基準の緩和、この関係につきまして御質問をさせていただきます。
 先ほど内閣法制局長官からもございましたように、いわゆる第五原則におきます武器使用というものにつきましては今までと立場は変わらないということでございますが、一方で、PKFという任務を今回解除するということで、このPKFの業務の中には現行の武器使用基準でたえ切れるのかどうか、果たして任務として日本からの協力隊が引き受け切れるかどうか。要するに、今の武器使用基準ではまだ危険が伴うのではないか、そのように私自身は個人的な見解を考えております。
 現行の法の解釈の中では、自然権の拡大ということで、相手からの一つの危険を感じたときに武器使用というものが認められると解釈しておりますが、これは基本的にはアクシデントへの対応にはなると思うのです。任務遂行上で、例えば巡回ですとかあるいは停戦監視といった任務に当たるときには、果たして現在の武器使用基準ということで引き受け切れるのかどうか。また、現地に行く協力隊員の思いからすれば、他国部隊との武器使用基準の相違から、PKF解除後もなかなか他国部隊との足並みがそろわなくて、円滑な業務がなされないのではないかと私は危惧をしております。
 今回のPKF解除に当たっても、協力隊員の生命の安全を確保した上で十分な任務を遂行していくことが望ましいと考えておりますが、防衛庁長官、このPKF解除と武器使用基準の緩和の関係につきまして御見解をいただきたいと思います。
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中谷元#9
○中谷国務大臣 今回、PKFの凍結解除及び武器使用緩和の二つの内容を行うわけでございますが、武器使用緩和といいますと、現在PKO活動を行っておりますけれども、隊員が安全かつ効果的に任務を達成し得るというためには重要な意義があるというふうに考えておりますし、また、状況によっては他国のPKO要員をも武器を使用して防衛することができるようになるということで、国際的にもそれなりの評価が得られるというふうに考えております。
 また、凍結解除につきましては、最初のPKO活動でもあるということで、幅広い理解が得られるまでは凍結を実施するという観点で、現在まで凍結をされていたわけでございますが、この内容につきましては、委員おっしゃるように、停戦また武装解除等の監視、駐留・巡回また停戦線の設定の援助という新たな任務が加えられるわけでありまして、本当にこのレベルでの武器の使用の内容でいいかと言われれば、まだまだ今後検討すべき課題もあるわけでございます。
 今回凍結解除をされるわけでありますが、実施に際しましては、定められた法の枠組みに従って実施をするわけでございますので、隊員の安全また任務の遂行等を十分勘案して、慎重に判断して行っていきたいというふうに思っております。
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江崎洋一郎#10
○江崎委員 PKF解除によりまして、今まで以上に隊員にとっては、過大という言い方が適切かどうかわかりませんが、かなりのボリュームの仕事と同時に、リスクも負わなければいけないということではないかと思います。一方で、限られた範囲での武器使用、また権限の問題にも非常に制限があるということでございます。
 ぜひともこのPKF解除後の任務に当たっては十分な吟味を行っていただいて、安全であることを確認した上で任命していただきたいと思いますし、また、十分な任務が果たせるような形、環境を、ぜひとも隊員のためにもつくっていただきたいというふうに考えている次第でございます。
 次に、今回の改正法案におきましては、警護任務というものがあえてはつけ加えられなかったわけでございます。その点につきまして、他方で国連のPKOにおける防衛対象ということにつきまして考えてみますと、人の防衛、物の防衛、任務の防衛というものを挙げておるわけでございます。日本の現行PKO法の枠組みの中ではこれらは限定的に取り扱われているとは思いますが、しかし、今のような形で、拡大解釈のもとにこの警護任務に近い行動をとるというのは、いかにもちょっと中途半端ではないかと思います。ぜひとも、今後の展望としましても、警護任務につきましては付与していく必要があるのではないかと考えておりますが、防衛庁長官の御見解をお示しいただきたいと思います。
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中谷元#11
○中谷国務大臣 警護業務を追加することにつきましてはさまざまな議論があるというふうに承知をいたしておりまして、今後とも、武器使用のあり方につきましては十分に検討をしていく必要があるというふうに思っております。
 なお、今回の改正により、仮に国連や我が国の要人がPKOの現場の視察のために自衛隊の宿営地を訪れる場合、また、宿営地外であっても視察等のために自衛官が同行している場合に、来訪者が自衛官とともに不測の攻撃を受けて自衛官と共通の危険にさらされたときは、来訪者を自衛官が武器を使用して防御することが可能となる場合があり得るということで、そういう面において、今回の改正によって対処してまいりたいというふうに思っております。
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江崎洋一郎#12
○江崎委員 国連のPKF下での要請としましては、先ほどの人の防衛の中でも、今長官お答えの日本からの要人ということもあろうかと思いますが、また、極めて想定されやすい問題としましては、国連要人の警護というものも十分考えられるのではないかと思います。その点につき我が国の部隊だけが全く対応できないというのも、現地に送られる部隊の皆さんの気持ちからすると、やはり内心じくじたる思いというのがあるのではないかと思います。
 そういった意味でも、警護業務というものにつきまして、国連のPKF下における要請と我が国における制約というものをどう調整し、また整合性を持たせていくかということについては、今後大いに議論を深め、さらに活動がしやすいような環境づくりに努めていただきたいというふうに考えております。
 ところで、今回、いわゆる武器使用の基準に際して、国連から、実際我が国の部隊がなかなか機能しないのではないか、そういった観点から、むしろ他国部隊の防護に当たった方がいいのではないかといった具体的要請というのはあったのでしょうか。防衛庁長官に伺います。
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中谷元#13
○中谷国務大臣 この要請等につきましては、私もことしの六月に国連に行った折には、PKO局長並びに国連の事務次長からも、そのような制約がつけばおのずと行動も限られてくるし、また、ともに所在している要員との協力関係等もあって、見直しを検討したらどうかというお話もありましたし、また、ことしの九月、与党の調査団が東ティモールに行った際にも、国連の現地の代表者並びに司令官等から、現地におけるPKOにおける武器使用のあり方、警護のあり方に対して国連の側から期待が表明されたというふうに伺っております。
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江崎洋一郎#14
○江崎委員 その際に、国際基準にしてほしいという具体的な要請まではあったのでしょうか。
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中谷元#15
○中谷国務大臣 これはおのずと我が国が決定するわけでありまして、具体的にどのレベルまでというふうな要請を受けたというふうに承知をいたしておりません。
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江崎洋一郎#16
○江崎委員 ただ、一方で、先ほどちょっと申し上げました国連PKOにおける武器使用基準と国際平和協力法第二十四条による武器使用、これを比べてみますと、国連側では、人の防衛については、自己または他の要員、国連職員を含む、また、他の国際機関の要員も含む、そしてNGOも含むということでございますが、日本の場合は極めて限定的に、主たる自己ということがうたわれているわけでございますよね。また、武器使用に際しても、人の防衛に際しては日本人のみに可能であり、他の国際機関の要員あるいはNGOにも警護業務ができないわけでございますので、武器使用が結果としてできないという非常に狭い範疇になっているわけでございます。
 そういった意味では、本来、国連からの一つの要請というものにはまだまだ今の段階では十分にこたえ切れていないのかなとも客観的には見えるのですが、他方で、日本の憲法上の制約ももちろんあるわけでございます。この辺につきまして、防衛庁長官、将来の展望としてはいかがお考えなんでしょうか。
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中谷元#17
○中谷国務大臣 改正後の二十四条によって、状況によっては他国のPKO要員また国連職員を武器を使用して防衛することができるようになるというわけでございますが、今後こういった点についてさらなる充実を図っていくべきだというふうに私は思っておりますし、また、今後十分に検討しなければならない課題であるというふうに思っております。
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江崎洋一郎#18
○江崎委員 加えて、物の防衛につきましても、今回、国連の設備、備品につきましては防護対象にならなかったわけでございますが、おとといでしたか、答弁の中で、自衛隊員が中で働いていて、国連のトラックであっても、それは共通に考えられるという御見解もございましたが、拡大解釈よりは、やはり明記をしていった方が外に向けてもよりわかりやすいのではないかというふうに考えておる次第でございます。
 また、警護任務がなぜできないのかということにつきましても、現場に派遣された隊員たちによれば、相手を理解させることが大変難解であるという意見も聞いております。日本の憲法上の制約だと申し上げてもなかなか、国連平和維持協力隊に参加している中で、また日本の憲法の問題との整合性ということについては、他国部隊の、例えば司令官クラスなら理解は進んでいるのかもしれませんが、隊員クラスでお互いに警備をしていこうじゃないかといったときにも、一々説明をし、さらには理解を得るのに相当な努力を要しているようでございます。こういった実態も反映しながら、ぜひ法整備の方をお願いしたいというふうに思っております。
 続きまして、いわゆる二重指揮権の問題についてお尋ねを申し上げたいと思っております。
 PKO参加五原則にかかわる第四原則におきまして、独自撤収と協力隊における指揮権という問題が出てまいります。PKO参加五原則の一つであります独自撤収ができますように、指揮監督権は、PKO協力法第五条第二項に基づきまして、協力隊については総理大臣である本部長にあり、また、第九条第四項に基づき、自衛隊の部隊等については防衛庁長官にあると理解しております。また、国連の指示、コマンドに適合するように、第八条第二項に基づき、実施要領を作成することとしているというふうに認識しております。しかし、実際には直接国連から指揮を受けていても、法的には間に日本政府を介して、間接的に指揮を受ける形にしてあると理解しております。
 現場の部隊としては、政府はそのような事態はないと御見解をおっしゃっておられますが、国連と日本政府の意思が仮に異なったときに、どちらに従うべきなのかというのは大変迷うところだと思います。また、判断の迷いによっては混乱が生じかねないということも言えるのではないでしょうか。また、協力業務にない業務を国連から求められた場合、従えば不法行為になりますし、従わなければ日本の国際的評価をおとしめる可能性もあるわけでございます。これは、現地に、国連協力隊に参加している以上はという意味ですよ。現場としては、苦渋の判断を求められる可能性が常にあるわけであります。
 例えば、カンボジアにおきますUNTACにおけるPKO活動にて亡くなりました高田警部補は、協力業務にない警護活動をしている中での御不幸だったというふうに認識しております。したがって、このような二重指揮権は、派遣された方々にとっての心理的な苦痛というのは大変なものではないかなというふうに思っております。
 また、憲法上、この独自撤収というものをあえて四原則に加えたと理解しておりますが、仮にこの独自撤収の道をつくったとしても、実際に過去にあった事例としまして、先ほど申し上げました高田さんのときには、国内的世論としては、独自撤収をすべきだという声がかなり挙がっていたと思います。しかし、受け入れ側の国連あるいはその他の参加国、国際社会の意見に押されて、実際には当時の日本政府は独自撤収できなかったという事例もございます。
 こういった過去の事例にかんがみますと、今次PKO法改正にはもちろんこの見直しは載っていないわけでございますが、果たして今後ともこの条項というものが絶対必要なものなのかどうか、また検討の余地があるものなのか、十分議論を深めていく必要もあろうかと思いますが、防衛庁長官の御見解を承りたいと思います。
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中谷元#19
○中谷国務大臣 PKO要員の安全の責任を一体だれが持つかという問題にもなりますが、現状におきましては、基本的に、派遣をした国の政府が派遣した要員の安全面また補償面の責任を負うという認識のもとに、各国がPKOに要員を派遣しているというふうに思っております。
 我が国独自で判断をするのかどうかということでございますが、基本的には、国連のPKO自体が中立また同意、合意の三原則のもとに運営をされておりますし、我が国のPKO法案もこの中立、合意、同意という国連と共通の認識で行っておりまして、基本的には、業務の中断、撤収をする場合に、我が国だけが勝手に撤収をするというような事態になれば、国連のPKO自体もその存在が危うくなるようなケースだというふうに思っております。
 しかし、国連のもとに運営をされているわけでありまして、我が国が独自にそのような決定をした場合におきましては、国連に連絡をした上で、我が国の派遣終了をすることができるという仕組みのもとに、我が国政府としてそのような判断をすることはあり得るというふうに思っております。
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江崎洋一郎#20
○江崎委員 国連からの要請を受け、また政府の判断として隊員を送り込むわけでございますので、もちろん危険な状態のままでいつまでも置いておくということは避けなければいけませんが、一方的に撤収をしてくるような、例えば、PKO活動の中でも、各国がグループで業務分担をして活動するということも多々あろうかと思います。その中で、三カ国で、例えばオーストラリアとポーランドと日本とで協力部隊を組んでいて、その中で一気に日本が撤収してしまうということになると、残された二国には大変な負担が強いられるわけでございます。
 そういったことがないような十分な情報収集と、また送られた隊員たちの立場、また日本国のさらなる立場というものを十分考えた上での御判断、ぜひ独自撤収というものを軽々には使わないでいただきたいというふうに考えておる次第でございます。
 続きまして、関連して、この協力法、そもそもなぜ協力法と呼ばれているかということにつきまして、ここでは考えさせていただきたいと思います。
 国連平和維持活動につきましては、参加と協力という形態があるというふうに認識しております。ここに、平成二年十月三十一日付の政府統一見解ということで、手元にございますので、参加と協力の定義について簡単に朗読させていただきます。
  昭和五五年一〇月二八日付政府答弁書にいう「参加」とは、当該「国連軍」の司令官の指揮下に入り、その一員として行動することを意味し、平和協力隊が当該「国連軍」に参加することは、当該「国連軍」の目的・任務が武力行使を伴うものであれば、自衛隊が当該「国連軍」に参加する場合と同様、自衛のための必要最小限度の範囲を超えるものであって、憲法上許されないと考えている。
  これに対し、「協力」とは、「国連軍」に対する右の「参加」を含む広い意味での関与形態を表すものであり、当該「国連軍」の組織の外にあって行う「参加」に至らない各種の支援をも含むと解される。
とあります。
 現行は、この協力という立場をとっておるわけでございます。しかし、活動を開始して既に十年近くたつわけでございます。加えて、今後、我が国外交の柱としてこのPKO活動を位置づけようということであれば、我が国のPKOに対する取り組みというものが協力という姿勢のままでいいのか、また参加にすべきなのか、これは十分に検討に値すると思いますし、また、再三申し上げますが、派遣された隊員たちが業務に対して存分に力を発揮できる、そういった環境をつくっていく必要があろうかと思います。
 この点につきましては、防衛庁長官、いかがでございましょうか。
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中谷元#21
○中谷国務大臣 確かにおっしゃるように、参加となりますと、メンバー意識がありまして、強い団結と結束のもとに力を発揮できるわけでありますが、他方、協力といいますと、参加よりは広い意味での関与形態を示すものでありまして、この協力の中に参加が含まれるという意味だと考えますと、参加に至らないけれども、物資を提供したりする協力も可能になってまいりまして、意味合いとしては、参加よりも幅広い概念として、協力というふうにすることが最もふさわしいというふうに考えております。
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江崎洋一郎#22
○江崎委員 ぜひとも、やはり法律名というのも象徴的なものでございますので、また、日本における国際貢献の位置づけということから考えましても、一歩進んで、また将来展望としてはぜひ十分な検討をいただけないかというふうに考えている次第でございます。
 続きまして、PKO協力法三条三号の協力業務についてちょっとお尋ね申し上げたいと思うんです。
 現行では、協力できるものにつきましてイからレまで列挙してあるわけでございますが、この中に、いろいろ範疇として入らないものが出てきていると聞いております。複合的なPKOの形態になって、どんどんこの範疇に入り切らないものも出てきている。一方で、憲法の制約上、やはり我々が協力できないものというのも明らかにあるわけでございます。
 この法の立て方として、現行のいろいろ変容するPKO活動の中から考えますと、むしろ、できないことを限定列挙して明確にした方がわかりやすいんではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。これは現場に派遣された方々のまた意見もあるわけですが、やはり相手方に、何は我々はできないんだと具体的に明示した方が、相手に意思としても伝わりやすい。我々は何ができるといったときに、どこまではできてどこから先はできなくなるとか、いろいろまた説明の現状は複雑になっているようでございます。
 そういった意味では、法の考え方として成り立つのかどうかは私もまだまだ不勉強ですから研究しなきゃいかぬですが、一つの考えとしてこういうものが成り立つのかどうか、防衛庁長官、いかがでございましょうか。
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中谷元#23
○中谷国務大臣 これは法律のつくり方ということで、まさにこの法律の根幹議論に類するものだというふうに思っております。同様に、自衛隊法におきましても、憲法を検討する関係で、一つ一つできることを積み上げてきたというような類型で来ておりまして、これもひとえに、我が国の憲法の範囲内で何ができるかというような議論によって積み上がってきたわけでございます。
 現在、このような法律のもとにPKO活動を実施しておりますし、また、諸外国に対しても国連に対してもこのような法律ぶりを説明してきたわけでございますが、先生のおっしゃるように、今後のPKOのあり方等に関しましては、この法のあり方も含めて検討していくことも必要ではないかというふうに思っておりますので、大いに今後検討してまいりたいというふうに思っております。
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江崎洋一郎#24
○江崎委員 ぜひとも十分な御検討をお願いしたいと思います。
 このできる、できないということについての関連でございますが、ここに資料としまして、国連による資料でございますが、国連待機制度の組織装備表という一表がございます。一番から九番まで項目があるわけでございますが、実はこれが、国連がどこかの国に対する、どこかと言うと変ですけれども、各国に対してどういう準備をして待機していてほしいか、具体的に一覧にしたものでございます。
 しかしながら、この中で、日本が現在受け入れ可能な業務というのは三つにとどまっております。申し上げますと、「対立党派間に緩衝地帯の確立」、二番目が「対立党派間の地域、境界又は分離線の監視及び支配」、三つ目が「停戦違反の監視及びその報告」とございまして、その他六項目につきましては、現状、日本の枠組みでは、PKFが凍結解除になってもできないという状態のようでございます。
 これは現場からの指摘もございましてお話し申し上げておるわけでございますが、なぜこのような形態になってしまったのか。また、派遣された部隊の隊員にとっては、あらかじめ法律に明記されないことによって、国連にとって大変日本というのは使い勝手の悪い国だというふうに誤解を受けるという部分もあるようでございます。
 そういった意味で、なぜこういった、あらかじめ国連で要請のある待機活動に対して、一部、警護、防護というのはございますので、この範疇においてはできないというものもあろうかと思いますが、もともと待機組織装備表、これができたときにまた改定してもよかったんではないかと思いますが、その経緯について教えていただきたいと思います。
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中谷元#25
○中谷国務大臣 そのような計画を国連のPKO局等で実施しているというふうに思っておりますが、あくまでも、これに参加するかしないかはそれぞれの国の事情また判断に基づくものでございまして、仮に我が国が参加を検討する場合には、十分に我が国の法体系の中で実施し得るものを選定し、よく国連側と調整しながら実施してまいりたいというふうに思っております。
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江崎洋一郎#26
○江崎委員 個別個別には、また後ほど資料もお出ししますので、再度、こういった範疇に、本当にできないのかできるのかというのは、将来的な改正時点にはぜひとも御検討いただき、載せていただきたいというふうに考えております。
 次に、自衛隊法の中におきますPKO活動の扱いというものにつきまして質問させていただきます。
 現在、このPKOの活動自体は、自衛隊法の中の百条の雑則の中で扱われているわけでございます。この雑則というものを並列的に見てみますと、自衛隊員が行う土木工事ですとか外国人の研修受け入れ、あるいはオリンピック等運動競技への支援ですとか南極観測支援ということと同列でこの国際平和協力業務の実施というのがあるわけでございます。先ほどちょっと申し上げましたが、これから我が国外交の一つの柱、国際貢献ということを考えた場合に、この雑則という扱いではいかにも軽いんではないかというふうに懸念をしております。
 そういった意味で、この自衛隊法自身の見直しというものも必要な時期に来ているんではないかと思いますが、防衛庁長官の御見解をいただきたいと思います。
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中谷元#27
○中谷国務大臣 非常に、冷戦終結後の国際社会は、国連を中心に世界各国がより協調し、またともに努力しながら世界平和を守っていくという時代になってきておりますし、ことしは国連がノーベル平和賞を受賞したということで、大きく時代は変わってきつつあると思います。
 一方で、自衛隊も創設をされてから五十年を迎えまして、一つ一つ、自衛隊なりに国民の理解と信頼を得つつ活動を続けてまいりましたけれども、おっしゃるように、時代が大変変わってまいりました。
 こういった時期に、自衛隊のあり方としてどうあるべきかということを、国民の皆様方また国会でも大いに議論をしていただきたいというふうに思っておりますし、防衛庁といたしましても、防衛庁内にあり方検討会を設けまして、自衛隊が国民の期待に沿うためにどのようにあるべきかという観点で、有識者の皆様方の御意見を聞きつつ慎重に検討を行ってまいりたいというふうに思っております。
 確かに、自衛隊法の法体系自体も一つ一つ積み上げるような形になっているという点におきまして、先生の御指摘は大変重要な御認識だというふうに思っております。
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江崎洋一郎#28
○江崎委員 ぜひとも前向きにまた御検討いただきたいというふうに思っております。
 続きまして、今回の改正法案案件ではちょっと最後の質問になりますが、今回、PKF凍結解除に当たって、政府提案ということでこの法案を承っております。
 PKF凍結になった経緯を考えますと、参議院でのこの法案成立時に凍結をしてきたということで、解除するのであれば議員立法であってもおかしくなかったのかなというふうには思うんですが、あえて政府提案ということでございます。その意味合いというのは、どういう意味合いがあるのかをお尋ね申し上げたいと思います。
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中谷元#29
○中谷国務大臣 確かに、先生のおっしゃるように、議員提案によって凍結をされてきたわけでございますが、先般、与党間において凍結解除を政府案として国会に提出することが合意されたことを受けまして、政府として本改正案の提出を行うとしたものでございまして、国会内また各政党間の議論を十分参考にさせていただいて、今回の改正を行うものでございます。
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