法務委員会

2001-11-20 参議院 全256発言

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会議録情報#0
平成十三年十一月二十日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月十五日
    辞任         補欠選任
     三浦 一水君     坂野 重信君
     鈴木  寛君     小川 敏夫君
     高橋 千秋君     江田 五月君
 十一月十六日
    辞任         補欠選任
     坂野 重信君     三浦 一水君
 十一月十九日
    辞任         補欠選任
     片山虎之助君     山下 英利君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         高野 博師君
    理 事
                市川 一朗君
                服部三男雄君
                千葉 景子君
                日笠 勝之君
                井上 哲士君
    委 員
                青木 幹雄君
                岩井 國臣君
                佐々木知子君
                陣内 孝雄君
                中川 義雄君
                三浦 一水君
                山下 英利君
                江田 五月君
                小川 敏夫君
                角田 義一君
                浜四津敏子君
                福島 瑞穂君
                平野 貞夫君
                柏村 武昭君
   国務大臣
       法務大臣     森山 眞弓君
   副大臣
       内閣府副大臣   村田 吉隆君
       法務副大臣    横内 正明君
   大臣政務官
       法務大臣政務官  中川 義雄君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        加藤 一宇君
   政府参考人
       金融庁総務企画
       局審議官     三國谷勝範君
       金融庁証券取引
       等監視委員会事
       務局長      渡辺 達郎君
       法務大臣官房訟
       務総括審議官   都築  弘君
       法務大臣官房司
       法法制部長    房村 精一君
       法務省民事局長  山崎  潮君
       財務大臣官房審
       議官       木村 幸俊君
       財務省国際局次
       長        岩下  正君
       厚生労働大臣官
       房審議官     鈴木 直和君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○商法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
 議院送付)
○商法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係
 法律の整備に関する法律案(内閣提出、衆議院
 送付)
○刑法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議
 院送付)
○刑事訴訟法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○参考人の出席要求に関する件

    ─────────────
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高野博師#1
○委員長(高野博師君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十五日、高橋千秋君及び鈴木寛君が委員を辞任され、その補欠として江田五月君及び小川敏夫君が選任されました。
 また、昨十九日、片山虎之助君が委員を辞任され、その補欠として山下英利君が選任されました。
    ─────────────
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高野博師#2
○委員長(高野博師君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 商法等の一部を改正する法律案及び商法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案の審査のため、本日の委員会に金融庁総務企画局審議官三國谷勝範君、金融庁証券取引等監視委員会事務局長渡辺達郎君、法務大臣官房訟務総括審議官都築弘君、法務大臣官房司法法制部長房村精一君、法務省民事局長山崎潮君、財務大臣官房審議官木村幸俊君、財務省国際局次長岩下正君及び厚生労働大臣官房審議官鈴木直和君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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高野博師#3
○委員長(高野博師君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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高野博師#4
○委員長(高野博師君) 商法等の一部を改正する法律案及び商法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案を一括して議題といたします。
 両案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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山下英利#5
○山下英利君 おはようございます。自由民主党の山下でございます。
 今回審議されます商法等の一部を改正する法律案につきまして、トップバッターとして御質問させていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 まず、今回の法案の中のストックオプションについての質問をさせていただきたいと思います。
 長引く景気の低迷、そして失業者が増加というところで、いかに雇用を守っていくかというところは大変大きな課題になっているところでございますけれども、今回のストックオプションというものは、従来から比べて、従業員に対する使命づけ、インセンティブというところで大きな前進があるんだと、私はそのように理解をしております。
 ここで、大臣に御質問をさせていただきます。
 今回の改正の大まかな概要、そして改正の目的をお聞かせいただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
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森山眞弓#6
○国務大臣(森山眞弓君) 今度の改正法案におきましては主な改正事項が二つございます。
 その一つは、会社の資金調達の需要が拡大してその方法が多様化した現状のもとで、会社の円滑な資金調達を可能にして、また新規企業の育成等に資するために、新株発行に関する規制の緩和、種類株式の内容の拡大、新株予約権制度の創設など、株式制度の見直しを行うことでございます。今、先生がお話しされましたストックオプションというのもこの部分に属します。
 その二は、高度情報化社会の到来に対応しまして、会社の作成する書類を電磁的記録で作成し、また株主が議決権を電磁的方法によって行使することなどを可能にすることによって会社運営の合理化を図り、株主の権利行使の機会を確保するため、商法、有限会社法及び株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律の規定に所要の手直しをしようとするものでございます。
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山下英利#7
○山下英利君 ありがとうございました。
 公開会社、非公開会社、それぞれにおいて期待する点も違っているのではないかと、そう思いますけれども、それに対する御手当てをされているんだと、そのように期待をいたしております。
 経営者とそれから直接経営責任のない一般の従業員の人にとってそれぞれインセンティブは違っていると、そのように思います。もちろん、このストックオプション制度、株価が上昇しなければ自己責任ということは言いつつも、株価低迷になると従業員のモラルの低下ということにもつながるのではないかなと、そのような点も含めて、今回ストックオプションに関する改正の概要を御当局にお聞かせいただきたいと思います。
 今までは個別具体的に別個商法の中で設けられていた、その制度が今回は新株予約権という形でその中の有利発行という形に改正された点があるわけですが、その辺を含めまして御答弁をお願いいたします。
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山崎潮#8
○政府参考人(山崎潮君) ただいま御指摘のように、現行法ではストックオプション制度につきまして特別の規定を設けて規律をしているということになるわけでございます。その一定の制限のもとで取締役及び従業員への付与を認めているということになるわけでございます。
 この改正案におきましては、このストックオプションについて特別の規定は設けておりません。新株予約権の有利発行と位置づけをいたしまして、株主総会の特別決議による授権があれば新株の有利発行の場合と同じように取締役会の決議によって発行をすることができるという位置づけにしているわけでございます。
 このような新株の有利発行と同様の規制に服するということになりますと、その必要性がある限りだれに対してでも発行をすることができるということで、まず対象が広がったということでございます。
 現在、自社の取締役及び従業員に限定されておりますけれども、これが広がることによりまして、社会的に需要がございます子会社の取締役やその使用人に親会社のストックオプションを付与するということも可能になるわけでございますし、あるいは弁護士、経営コンサルタント等の会社の経営上必要な知識を有する人たち、それからあるいは融資機関や業務提携先の法人等についても付与することができるということになるわけでございます。
 また、現行のストックオプション制度では、これを与えられる者の氏名それからその対象の株式の種類、数、発行価額につきまして株主総会の決議を経なければならないということになっているわけでございますけれども、改正法案のもとでは、新株の有利発行の場合と同様に、株主総会の授権の範囲内で、授権は要るわけでございますけれども、取締役会で定めることができるというふうにされております。
 それ以外にも、ストックオプションなどの現在発行できる数、これが発行済み株式総数の十分の一、それからあるいは権利行使の期間は十年と、さまざまな規制がされておりますけれども、この規制も廃止をしたと。これは新株発行の場合と同じように考えて、それからさきの通常国会で自己株式取得及びその保有に関する規制が大幅に緩和されたわけでございまして、これに倣いましてそのような規制も取り払ったと、これが大体の概要でございます。
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山下英利#9
○山下英利君 ありがとうございました。
 従来の従業員それから会社の役員以外に一般にもこのストックオプションを売れるという、間口を広げ、より証券市場の活性化に資するという点は大いに評価をさせていただきたいと、そのように思っております。
 次に、御質問をさせていただきますが、疑似ストックオプションという言葉がございます。この疑似ストックオプション、これはどういった問題があるのかという点につきましてちょっと御説明をいただけますでしょうか。
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山崎潮#10
○政府参考人(山崎潮君) ただいま御指摘のとおり、現実の実務の中では疑似ストックオプションというものが出回っているというふうに聞いております。
 これは、現在の実務で新株予約権、新株引受権付社債でございますけれども、これをセットとして発行するわけでございます。発行した後にその新株引受権と社債を分離するわけでございます。その社債を償還いたしまして分離されました新株引受権、これを買い戻すわけでございます。これを子会社の取締役等、現行法上、ストックオプションの付与の対象者とされていない者に事実上ストックオプションとして付与する、こういう取り扱いがされているわけでございまして、これが疑似ストックオプションというものでございます。
 この点につきましては、問題点としまして、本来は、こういうふうに分離して単独で付与するということになれば、社債とセットにすること自体がそれほど意味がないことじゃないか、すぐ償還してしまうわけでございますので、手続が煩瑣だということが一つ指摘されております。それから、商法上は現在、ストックオプションの付与については株主総会の決議が必要であるというのに対しまして、この疑似ストックオプションにつきましては取締役会の決議だけで付与することが可能であるということでございまして、株主総会の決議の回避のために脱法的な手段として用いられるなどの指摘がされているところでございまして、今回は、そういう指摘も踏まえまして、それを正規なものとしてきちっと対応したいということで改正案を設けたわけでございます。
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山下英利#11
○山下英利君 ありがとうございました。
 従来、海外、欧米の市場においては、今御説明のあった新株発行権付社債、要するにワラントですね、このワラントと社債の部分、別々に切り離してマーケットで流通するといったことがされていたわけで、ストックオプションについても同様に、オプションとそれからそれに付随するものとは切り離すというようなやり方でマーケットにおける商品構成といいますか、証券を多様化、これは言ってみれば運用の多様化というふうなところで市場が形成されてきたわけであります。日本の場合には、そういった新しい商品に対して市場がどのように対応できるかというところもこれからの課題ではないかと、私はそのように思っております。
 そんな中で、現行法がストックオプションの付与に関して、付与対象者、付与できる株式数を今まで規制してきたというところの理由を御説明いただきたいと思います。
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山崎潮#12
○政府参考人(山崎潮君) 限定しているのは、まず付与対象者、それから数の問題等がございますけれども、まず付与の対象者についてでございます。
 現行法では、その会社の取締役または使用人に限定しているということでございます。この理由は、新株引受権の単独発行というのは原則として認めないというのが現行法でございまして、例外的にストックオプションだけは認めると、こういう扱いをするわけでございます。そのような非常に例外的な制度を認めるということから、その範囲は極めて限定的にした方がいいだろうという考え方から、その対象者の範囲を絞ったというのが第一点でございます。
 それから、発行できる数それから権利行使ができる期間でございます。これは、発行済み株式総数の十分の一と、権利行使期間は十年間というふうに定められているわけでございます。
 これらの制限は、ストックオプションの態様としてもう一つ、自己株式の取得、自己株式方式によるストックオプションがございましたけれども、その制度が設けられている当時は、自己株式の取得及び保有は原則としては禁止がされていたということで、例外的に認められていたと。そういう中でストックオプションをその後導入したわけでございます。そういうことから例外的に、その数も例外、それから権利行使の期間も限定をする、こういう扱いがされていたわけでございまして、それとの関係でこの新株引受権方式のストックオプションについても同様な規制が設けられていたということでございます。
 それから、株主総会で付与の対象者あるいは株式の種類、数、発行価額、これを決議するということに現行法なっているわけでございますが、やはりこれも極めて例外的に認められるべきものであるということからその正当な理由を要求しておりまして、その正当な理由は株主総会で判断をするということで設けられたと、こういうことでございます。
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山下英利#13
○山下英利君 ありがとうございます。
 そうしますと、ストックオプションの付与対象者が拡大することによって具体的にどんな利用形態というものが考えられるんでしょうか。お知らせ願います。
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山崎潮#14
○政府参考人(山崎潮君) 限定がなくなったわけでございますので、その中で典型的なものは、例えばある大企業がその傘下のベンチャー企業に人材をスカウトするというためにその大企業が発行する株式を目的とするストックオプション、これを当該ベンチャー企業に移籍した人に付与するというタイプが一つ考えられます。それから、創業から間がない、いわゆる資金繰りに苦しむベンチャー企業でございますけれども、そういう企業が弁護士や経営コンサルタントに報酬のかわりにストックオプションを付与するということで会社のいろいろ経営に関するアドバイスを受けるという場合が考えられます。それから、そういうタイプとは少し違いまして、また中小企業等が銀行に対してストックオプションを付与するということによって貸し出しの金利を軽減してもらうとか、そういう目的にも使うということが可能になる。その経営の形態によってさまざまな利用ができる、こういうことでございます。
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山下英利#15
○山下英利君 ありがとうございます。
 ただ、中小企業あるいはベンチャー企業などの場合でありますと、株式自体まだ公開されていないということもあって、それが果たしてオプションとしてどれだけの価値を持つのかというところは不透明な部分があるということは言えると思います。もちろん、これ公開会社ですとストックオプションというのはそのもの自体がすぐに価値を持てるというふうに実感ができるわけですけれども、その辺の違いのところも考えた体制を進めていかなければいけない、そのように思っております。
 続きまして、諸外国における今までのストックオプション制度に関する法制の実情をお聞かせいただきたいと思います。
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山崎潮#16
○政府参考人(山崎潮君) 主要国の御紹介ということになろうかと思います。
 この制度を設けているところでございますが、アメリカ、イギリス、フランスはかなり以前から導入がされていたという状況でございます。ドイツが一九九八年に立法がされたということでございます。
 各国のストックオプション制度の内容でございますけれども、まず付与の対象者に関しましては、アメリカは基本的に無限定でございます。ドイツは会社とその結合会社の役員及び従業員に限定をしているという状況でございます。
 それから、権利行使の期間についてですけれども、アメリカ、フランスは法律上の制限はございません。それから、ドイツは取締役の任期中は行使ができるという形をとっているわけでございます。
 それから、数量的なものでございますけれども、アメリカでは基本的には制限はございません。フランスは会社の株主資本の三分の一というふうにされております。
 それから、手続に関してでございますけれども、アメリカでは基本的に取締役会の決議のみで付与が可能であるということでございます。イギリスではオプションの付与対象者が会社の従業員等であれば原則として取締役会によってストックオプションの付与を行うことができるということで、制度を設けているところ、それぞれさまざまな態様があるという状況でございます。
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山下英利#17
○山下英利君 ありがとうございます。
 今回の改正を拝見して、今の諸外国の事情等をお聞きいたしますと、資本市場が非常に発達している米国の制度により近づいていくという印象を受けるものであります。米国の市場により近づいていくということは、株式のマネー化が進んでいくというふうなところを頭に置かなければいけないんじゃないかなと、そのように思っております。経営者は企業価値を高めないとこれからは市場から見放されていく、そういう基本を忘れてはいけないというようなことを言っているのかなと、そのように思っておりますが、その辺はいかがでございましょうか。
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山崎潮#18
○政府参考人(山崎潮君) 確かに、企業等がグローバル化してきている時代でございます。アメリカ等がそういうような考え方に変わっているということの中で日本の企業も生きていかなければならないという状況でございまして、やはりそこの意識を変えて行動していかなければならないということを物語っているというふうに理解をしております。
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山下英利#19
○山下英利君 ありがとうございます。
 確かにそういう一面があるんですけれども、一方、株主の立場に立った経営がより求められると同時に、新しいコーポレートガバナンス、企業統治というものが求められていくということで、株価でもうけることばかり考えて会社の経営をしていっては、これはいかがなものかという考えも私はございます。
 確かに、さっき弁護士あるいは会計士といった外部の機関の方にこれは一般的に今回与えられる、付与できるという条件になりますと、会社がもうかるために何をするのかというふうなところがポイントになってその会社のコンサルティングあるいは指導を進めていくということは、ある意味においては企業の活性化につながるでしょうし、ある意味においては企業が間違った方向に行くこともあり得るというふうに私は考えています。
 資本市場の改革と厳しいコーポレートガバナンスという二つの問題点をこれからの経済は克服していかなければいけない、そういう状況にあると思いますが、資本市場のそういった面での管理のチェック体制、これについての強化がさらに必要であろうと私は思っております。証券市場についてのチェック体制、いわゆるインサイダートレーディングに代表されるような不正な取引、これに対する監視というのはますます強めていかなければこういった運用の多様化についていけないのではないかな、そのように思っておるところであります。
 続きまして、今回の改正によりましてストックオプションに関する規制が大幅に緩和をされるわけです。今、私が申し上げた点に関しましての質問なんですが、これによって株主の利益が害されるおそれはないのかという点でございます。
 端的に考えますと、ストックオプションがふえることによって発行株数がふえ、一株当たりの価値が下がると株主の利益を害するというふうなことは考えられると思うんですが、この点につきましてこの改正法案はどのような手当てをされているのか、御説明を願います。
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山崎潮#20
○政府参考人(山崎潮君) ただいま委員御指摘の点、やはりコーポレートガバナンスという問題はきちっと押さえなければならないということはまことに御指摘のとおりでございます。
 そういう観点から、今回かなり規制緩和をするわけでございますけれども、その中でポイントになる点を、株主の利益が害されないようにするポイントを申し上げたいと思いますけれども、これは新株発行の有利発行と同じ新株予約権の有利発行というふうに位置づけるわけでございまして、その機能としては新株の発行と同じような法規制にするということでございます。新株発行は現在発行するものをいうわけでございますけれども、新株予約権の発行というのはある一定期間に一定の価格で行使することができる権利でございます。そういう意味で将来、株になるというものでございますけれども、将来か現在かという違いはございますけれども、やはり新株の有利発行と同じように今考えていくということでございます。
 そうなりますと、現在の新株の有利発行につきましていろいろ規制を設けているわけでございますけれども、まず有利発行をする理由を開示しなければならない、株主総会で。これがどうして必要なのかということをやっぱり開示して、そして三分の二の多数決、いわゆる特別決議による承認を得るということでございまして、まず第一のチェックがそこで行われるということでございます。
 そのほか、取締役等がストックオプションの付与を通じて株主の利益を不当に圧迫しようとするような場合、こういうような場合には現行法の商法でも取締役等の違法行為等の差しとめ請求権というのが認められておりますけれども、この改正法案でも、これに加えまして、ストックオプションの違法発行等につきましても株主にその差しとめ請求権を付与しているということでチェックをするということでございます。
 また、一般的な企業統治、コーポレートガバナンスにつきましては現在、法制審議会で審議中でございまして、次期通常国会にはまた御審議をお願いするということで、その問題はその問題で別途に検討をしているということで御理解をいただきたいと思います。
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山下英利#21
○山下英利君 どうもありがとうございます。
 商法につきましては、経済環境、そして会社の形態、そういった世の中が変わるにつれてそれへの対応をしていかなければいけないということで、割と細切れといいますか、都度の新しい法的な措置、これが求められるわけで、そういった面では商法の改正、会社法の改正等、ちょこちょことというか、部分部分で行われていかなければいけないというような状況にあるかと思います。
 ここで、私、改めて大臣にお伺いをしたいんですけれども、会社法、商法、今の現状をかんがみまして、これから将来どのような格好でこういった改正等をお考えになっていらっしゃるか、ちょっとお聞かせいただけますでしょうか。
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森山眞弓#22
○国務大臣(森山眞弓君) 先生御指摘のように、生きた社会経済を対象としている商法、会社法その他は、その経済の情勢の変化に応じて役に立つものに変えていかなければならないという宿命にあるわけでございまして、昭和五十年ごろから新しい時代に即応するべき商法の改正について基本的な考え方を検討してまいりまして、折々そのような手だてを講じてまいったところでございますが、それで一段落したんでございますけれども、またまた経済が非常に新たな動きを激しく見せまして、引き続き今回のような、あるいは前回のような、また近いうちにいろいろなことが必要であろうというふうに思われております。
 しかし、商法というのは、御存じのとおり、昔からある古い法律でございまして、片仮名で書いてあるんでございますね。これはそもそも基本的に全部初めから見直すべきではないかという御意見も非常に強くございまして、それも大きな課題でございます。
 ですから、差し当たって迫られている緊急の課題に一つ一つ対応しながら、片仮名を平仮名に直す、読みやすい文章に直すというような基本的な大問題にも応じていかなければいけない。とりあえず、当面ぜひ必要なものを先にやらせていただいて、それが一通り片づきました後で基本的な書き方を変えるというようなことも考えていかなければいけない、大変大きな課題を抱えているテーマでございます。
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山下英利#23
○山下英利君 ありがとうございます。
 今、大臣おっしゃるとおり、やはり世の中の環境に合わせた取り組みというのが一番必要な法律ではないか、そのように思っております。時期を逸しないで、都度対応して経済を支えられる法体制の構築に御尽力いただきたい、そのように思っております。
 今の大臣の御意見に追加してもう一言お聞きをしたいんですが、先ほどちょっと私がお聞きをした資本市場の管理のチェック体制、それからコーポレートガバナンス、そういった問題につきまして法務当局ではどのようなお考えをお持ちですか。何かございましたら、一言お聞かせいただきたいと思うんですが。
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森山眞弓#24
○国務大臣(森山眞弓君) 御指摘の点も非常に重大な課題でございまして、いろいろ検討させていただいております。その内容の詳細については専門家の方がよろしいかと思いますが、御指摘のような問題も重要な課題でございまして、できるだけ早い時期にそういうことも御審議いただけるようになるかなというふうには思っておりますが、まだはっきりしたことは申し上げられない状況でございます。
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山下英利#25
○山下英利君 ありがとうございます。
 市場の方がどんどん移り変わる中で、やはりさっき私がちょっと申し上げたように、非常にアメリカ型の自由経済的な市場がどんどん入ってきている、市場慣行が入ってきているという中にあって、私たちの日本の取引慣行、それとうまくマッチをさせる、うまく合わせていくということは非常に日本の経済の底支えのためには大事ではないかなと、私はそのように思っておる次第であります。
 それで、先ほどの質問に続きましてもう一点お聞きをしたいんですが、今このストックオプションについての現行の税制面でちょっと御質問をさせていただきたいんですが、いかがでしょうか、税制面と申しますか、付与対象者が今回拡大するということに対して考慮した新しい税制の必要というものをお考えになっていらっしゃるかどうか、それをお聞きしたいと思います。
 なぜこういうことをお聞きするかと申しますと、ストックオプションの場合には、そのときの株価より安値で購入した場合は差額を給与所得でやる、そして今度、売却して利益を得た場合は譲渡所得というようなことで、それぞれ課税はされます。課税の状況、現行の状況を踏まえますと、これからこういった新しい仕組みができ上がったときに、従来の税制というものももう一回見直していかなければいけないんじゃないかなと、私もそのように個人的には思っておるんですが、御当局はどういうふうに思っていらっしゃるでしょうか。
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山崎潮#26
○政府参考人(山崎潮君) 所管ではないものですから、その点、具体的に余り踏み込んで言えないかもしれませんけれども、現在の法制については、委員の方は御案内のとおりだと思いますけれども、これに関しましては、税制がある程度優遇されるストックオプションと、そうでないものというふうに分かれているようでございまして、どういう税制になるかという点も、権利行使の期間に行使した際にそこで税金がかけられるものと、それから将来、行使した後に、売ったときにまで繰り延べされるもの、いろいろな取り扱いの差がございます。今回は付与の対象者がふえるわけでございます。そういうものに関して従来の法制度をどういうふうに適用していくか、税制をどういうふうに適用していくかという問題がございます。
 この点につきましては、最終的には所管の省庁において御検討いただくということになるわけでございますが、現在、経団連から、現行の取締役及び使用人に対するストックオプションについての税の特例措置を子会社及びその関連会社の取締役及び使用人にまで拡大してほしいという旨の要望が提出されているところでございまして、この要望を踏まえまして税務当局の方で検討をしていくと、こういう段取りになっているところでございます。
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山下英利#27
○山下英利君 ありがとうございます。
 今回、その付与対象者がふえた、あるいはグループ会社といいますか、対象が拡大しているということにかんがみて、連結納税制度それから損益の通算といった問題からまた発生してくる問題だと思いますので、またそれはそれで状況を追いながら注視していっていただきたいと思っております。
 続きまして、今回の新株予約権の公募発行という形での条件がございますけれども、この公募発行というのはどういった場合になされるのか、これをちょっと御説明いただきたいと思います。
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山崎潮#28
○政府参考人(山崎潮君) 確かに、今回、新株予約権、単独で発行できるということにしておりますので、これ単独で公募発行すること、これも可能になるわけでございます。一般的に、我々、これ、どういう場合にという想定でございますけれども、これは大量にその時点で新株を発行いたしますとやっぱり株価が下がるというような問題等も抱えるわけでございまして、この新株予約権を発行するということになりますと、その段階では直ちに発行済み株式総数が増加するわけではございません。新株予約権者がその権利行使をするごとに徐々にふえていく、増加していくという形になるわけでございます。
 そういうことで、株価の急激な変動を引き起こすことがないという、そういうタイプの資金調達であるということでございまして、会社の方はその時々のいろいろな事情に合わせて発行をするということになりまして、どういう場合にやるかというのは必ずしも特定できるわけではございませんけれども、そういう利点があるので、それをうまく会社の方で利用をしてもらうと、こういうことでございます。
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山下英利#29
○山下英利君 どうもありがとうございます。
 公募発行ができる、ますます投資家にとっては運用の手段が広がっていくということでございますけれども、このストックオプションというものだけでなくて、今回の制度の見直しにおいては種類株式制度の見直しということがうたってございます。この概要をちょっと御説明いただけますでしょうか。
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