経済産業委員会
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会
会議録情報#0
平成二十一年四月二十四日(金曜日)
午前九時開議
出席委員
委員長 東 順治君
理事 梶山 弘志君 理事 岸田 文雄君
理事 櫻田 義孝君 理事 中野 正志君
理事 やまぎわ大志郎君 理事 大島 敦君
理事 古川 元久君 理事 赤羽 一嘉君
小此木八郎君 岡部 英明君
片山さつき君 木挽 司君
高村 正彦君 近藤三津枝君
佐藤ゆかり君 清水清一朗君
新藤 義孝君 平 将明君
谷畑 孝君 土井 真樹君
中野 清君 西本 勝子君
橋本 岳君 林 幹雄君
平口 洋君 藤井 勇治君
牧原 秀樹君 宮下 一郎君
武藤 容治君 安井潤一郎君
山本 明彦君 太田 和美君
北神 圭朗君 後藤 斎君
近藤 洋介君 下条 みつ君
田村 謙治君 牧 義夫君
三谷 光男君 高木美智代君
古屋 範子君 吉井 英勝君
…………………………………
国務大臣
(内閣官房長官) 河村 建夫君
政府特別補佐人
(公正取引委員会委員長) 竹島 一彦君
政府参考人
(公正取引委員会事務総局経済取引局長) 舟橋 和幸君
政府参考人
(公正取引委員会事務総局経済取引局取引部長) 中島 秀夫君
政府参考人
(公正取引委員会事務総局審査局長) 山本 和史君
参考人
(一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授) 村上 政博君
参考人
(日本弁護士連合会独占禁止法改正問題ワーキンググループ委員) 出井 直樹君
参考人
(社団法人日本経済団体連合会経済法規委員会競争法部会長代行) 齋藤 憲道君
参考人
(全国電機商業組合連合会会長代行) 北原 國人君
経済産業委員会専門員 大竹 顕一君
—————————————
委員の異動
四月二十四日
辞任 補欠選任
川条 志嘉君 西本 勝子君
牧原 秀樹君 平口 洋君
山本 明彦君 宮下 一郎君
高木美智代君 古屋 範子君
同日
辞任 補欠選任
西本 勝子君 川条 志嘉君
平口 洋君 牧原 秀樹君
宮下 一郎君 山本 明彦君
古屋 範子君 高木美智代君
—————————————
四月二十三日
エネルギー供給事業者による非化石エネルギー源の利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律案(内閣提出第五五号)
石油代替エネルギーの開発及び導入の促進に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出第五六号)
は本委員会に付託された。
—————————————
本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第三六号)
————◇—————
この発言だけを見る →午前九時開議
出席委員
委員長 東 順治君
理事 梶山 弘志君 理事 岸田 文雄君
理事 櫻田 義孝君 理事 中野 正志君
理事 やまぎわ大志郎君 理事 大島 敦君
理事 古川 元久君 理事 赤羽 一嘉君
小此木八郎君 岡部 英明君
片山さつき君 木挽 司君
高村 正彦君 近藤三津枝君
佐藤ゆかり君 清水清一朗君
新藤 義孝君 平 将明君
谷畑 孝君 土井 真樹君
中野 清君 西本 勝子君
橋本 岳君 林 幹雄君
平口 洋君 藤井 勇治君
牧原 秀樹君 宮下 一郎君
武藤 容治君 安井潤一郎君
山本 明彦君 太田 和美君
北神 圭朗君 後藤 斎君
近藤 洋介君 下条 みつ君
田村 謙治君 牧 義夫君
三谷 光男君 高木美智代君
古屋 範子君 吉井 英勝君
…………………………………
国務大臣
(内閣官房長官) 河村 建夫君
政府特別補佐人
(公正取引委員会委員長) 竹島 一彦君
政府参考人
(公正取引委員会事務総局経済取引局長) 舟橋 和幸君
政府参考人
(公正取引委員会事務総局経済取引局取引部長) 中島 秀夫君
政府参考人
(公正取引委員会事務総局審査局長) 山本 和史君
参考人
(一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授) 村上 政博君
参考人
(日本弁護士連合会独占禁止法改正問題ワーキンググループ委員) 出井 直樹君
参考人
(社団法人日本経済団体連合会経済法規委員会競争法部会長代行) 齋藤 憲道君
参考人
(全国電機商業組合連合会会長代行) 北原 國人君
経済産業委員会専門員 大竹 顕一君
—————————————
委員の異動
四月二十四日
辞任 補欠選任
川条 志嘉君 西本 勝子君
牧原 秀樹君 平口 洋君
山本 明彦君 宮下 一郎君
高木美智代君 古屋 範子君
同日
辞任 補欠選任
西本 勝子君 川条 志嘉君
平口 洋君 牧原 秀樹君
宮下 一郎君 山本 明彦君
古屋 範子君 高木美智代君
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四月二十三日
エネルギー供給事業者による非化石エネルギー源の利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律案(内閣提出第五五号)
石油代替エネルギーの開発及び導入の促進に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出第五六号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第三六号)
————◇—————
東
東順治#1
○東委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
本日は、参考人として、一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授村上政博君、日本弁護士連合会独占禁止法改正問題ワーキンググループ委員出井直樹君、社団法人日本経済団体連合会経済法規委員会競争法部会長代行齋藤憲道君、全国電機商業組合連合会会長代行北原國人君、以上四名の方々に御出席をいただいております。
この際、参考人各位に一言ごあいさつ申し上げます。
本日は、御多用のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。
次に、議事の順序について申し上げます。
まず、参考人各位からお一人十五分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。
なお、念のため申し上げますが、御発言の際にはその都度委員長の許可を得て御発言くださいますようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、御了承願います。
それでは、まず村上参考人にお願いいたします。
この発言だけを見る →内閣提出、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
本日は、参考人として、一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授村上政博君、日本弁護士連合会独占禁止法改正問題ワーキンググループ委員出井直樹君、社団法人日本経済団体連合会経済法規委員会競争法部会長代行齋藤憲道君、全国電機商業組合連合会会長代行北原國人君、以上四名の方々に御出席をいただいております。
この際、参考人各位に一言ごあいさつ申し上げます。
本日は、御多用のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。
次に、議事の順序について申し上げます。
まず、参考人各位からお一人十五分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。
なお、念のため申し上げますが、御発言の際にはその都度委員長の許可を得て御発言くださいますようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、御了承願います。
それでは、まず村上参考人にお願いいたします。
村
村上政博#2
○村上参考人 一橋大学の村上でございます。
本日は、このような貴重な機会を与えていただき、まことにありがとうございます。独占禁止法を専門に研究している者として、率直に私の意見を申し上げたいと考えております。
まず、基本的な認識でございますが、御承知のとおり、国際的には競争法のハーモナイゼーションが進み、現在では、先進国市場を中心に、競争法のルールが国際的な共通事業活動ルールとなっております。現実には日本企業も、そのような市場において競争ルールに従って事業活動を行っております。
その意味で、独占禁止法も、実体ルール、手続法ともに世界の共通ルールに合わせていくことが、日本経済、さらには世界経済の発展に貢献するものと確信しております。中でも、本日議論の対象になります課徴金制度のあり方、行政手続につきましては、欧州の制度が、同じ大陸法体系である日本にとって参考になると考えております。
このような観点から、私は、今回の改正法案に基本的に賛成であります。
本日意見を述べたい具体的な論点は四点になります。第一に、企業結合規制の届け出制度、第二に、課徴金の対象違反行為の拡大であります。次いで、第三に、裁量型課徴金を導入するべきこと、第四に、審判制度を廃止することであります。
まず、企業結合規制につきましては、今日では世界各国とも、重大な企業結合については届け出を事前に出させて、速やかに審査、判断を行うという法制を採用しております。届け出のための売上高基準及び企業集団概念は、ともに今日では主要先進国が採用しているものであります。
このような届け出制度の整備によって、日本市場に悪影響を及ぼすおそれのある外国企業同士の企業結合についても、外国会社から届け出を受けて規制することを可能にするものであります。いわば、今回の改正はむしろこの点では遅過ぎた法改正と言えるものであって、一刻も早い施行が望まれる事項と考えております。
第二に、国際的に見ますと、競争ルール全般にわたって、行政制裁金によってそのルールの実効性を確保していくことが世界の潮流となっております。日本の課徴金制度は、行政上の制裁である、すなわち行政制裁金であると位置づけられます。そこで、今回のように排除型私的独占、優越的地位の濫用などへ課徴金を課して実効性を確保することは、国際的な法制やその動向と合致していることになります。
今回の改正法案は、カルテル規制を強化するとともに、排除型私的独占を新たに課徴金の対象行為とすることによって、新規参入阻害行為などへの規制を強化し、市場における競争を一層促進させるものであります。他方、優越的地位の濫用や不当廉売などを新たに課徴金の対象行為とすることによって、中小企業の保護も強化するものとなっております。そのようにして、全体として独占禁止法上の各規制のバランスをとったものであると評価されます。
さらに、効率的かつ迅速な法執行を行うために、排除型私的独占に対する算定率を六%、優越的地位の濫用に対する算定率を一%などとしております。この点についても、これから課徴金を賦課するという現時点においては、妥当な相場観に立つものではないかと考えております。
次に、第三の論点について申し上げます。
ただ、現行の課徴金制度には大きな問題点がございます。現行課徴金は、一定の算定率を乗じて算定した課徴金額を義務的に違反事業者に課さなければならないものであります。幾らの課徴金を課すか、課徴金を課すか否かについて、公正取引委員会には一切裁量権はございません。このような課徴金制度は、比較法的には、日本にしか存在しないと言える行政制裁金制度であります。
国際水準の制裁金制度というものは、違反事業者の前年度売上額の一〇%程度を上限とした上で、違反行為の悪質度、重大度に応じて適正な課徴金額を決定するというものであります。制裁金である以上、ある程度まで競争当局が裁量権を持つことは当然であるとし、当該事案の重大性、違法度に即した適正な課徴金額を決定させようというものになります。
今回の改正で、日本で初めて排除型私的独占を課徴金の対象行為といたしました。しかし、排除型私的独占は、独占禁止法違反で問題となる実にさまざまな行為を含むものであります。正当な行為と不当な行為の見きわめも容易にできるものではありません。そこで、現行課徴金のように一律に六%の算定率を乗じることによって本当に適正な課徴金額を算定できるのかについては疑問があります。
そのため、今回の法改正が実現しますと、国際標準の上限方式の裁量型課徴金を導入することが緊急の課題になると考えております。具体的には、今回の改正法案を前提として、関連商品売上高二〇%程度を上限とする裁量型課徴金を創設することを真剣に検討するべきであると考えております。
やはり制裁金であるという本質にかんがみますと、違反行為との関係で均衡を欠くとか過大な制裁金額であるというような印象を与えるような、そういう高額な課徴金を課すことは避けるような法制とするべきであります。
また、公正取引委員会は、ことし二月に、日本音楽著作権協会、以下、JASRACと申しますけれども、その音楽著作権の使用料の包括徴収の方法が独占禁止法の排除型私的独占に該当するとして排除措置命令を下しております。このような法的評価が極めて微妙な事例については課徴金を課さないという選択肢も認めるべきであります。
現実にも、EU競争法の課徴金でも、それまでルールが明らかになっていない行為に対して初めて措置をとる場合には、課徴金までは課さないという形の実務が行われております。
したがいまして、制裁のレベルは、当面、現行改正法程度にとどめた上で、第一に、公正取引委員会が積極的に事件に取り組んでいくためにも、第二に、事業者に過大な負担を負わせないためにも、本改正後に上限方式の裁量型課徴金を導入することが望ましいと考えている次第であります。
最後の論点について申し上げます。
私は、審判制度は廃止して、直接裁判所に提訴するようにすべきであると考えております。
行政審判というものは、第一審の裁判所と同様な慎重な手続を採用せざるを得ないため、審決まで通常二年、三年、その程度の期間はかかるという欠点がございます。さらに、公正取引委員会が検事役と裁判官役、その両方を兼ねるものであるために、本質的に公正さを欠く側面があります。
その上、国際的な状況を見ますと、今日では、競争法を有する国というのは百カ国を超えます。ただ、事前行政審判制度がとられているのは、アメリカにおける連邦取引委員会のもとでの行政審判しかございません。その上、アメリカを見ても、違反事件処理手続の主たるものは、司法省が民事裁判や刑事裁判を求めて裁判所に提訴する手続であります。そのため、行政審判というのは二、三件しか係属しておらず、余り使われない手続となっております。そういう意味で、たとえ審判官の独立性が保障されている米国であっても、事前行政審判の評価は低いと言わざるを得ないものになっております。
他方、日本を含む大陸法系の諸国では、行政庁が告知、聴聞を経て行政処分を下し、不服のある者は裁判所に取り消し訴訟を提起するという手続が基本的な行政手続であります。この取り消し訴訟方式が欧州連合それからEU加盟各国、アジア諸国、中南米諸国で採用されており、この手続が競争法違反についての国際標準的な行政手続となります。
この取り消し訴訟方式のもとで行政聴聞制度を整備し、東京地裁に専属管轄を付与すると、独占禁止法違反を処理するための理想的な行政手続になると考えております。現実には、事前聴聞手続を整備していくと、行政審判とそれほど変わらない事前手続を実現できます。
これが、欧州における事前行政聴聞手続となります。この手続では、競争当局が事前通知をする時点で、違反事実などを裏づける証拠をすべて相手方に開示します。その上で、相手方に書面で、さらには必要に応じて口頭で、反論の機会を与えることにします。
さらには、EU競争法と同様に、聴聞官制度を創設することも考えられます。この場合、聴聞官は口頭の聴聞手続を主宰するとともに、聴聞の結果を公正取引委員会に報告することになります。公正取引委員会は、その報告を受けて最終的に命令を決定することになりますが、そこでの違反事実などの内容については、正式審決と同様に、詳しく記載することもできるわけです。繰り返しますが、このような行政聴聞手続を充実させていきますと、取り消し訴訟方式のもとでも審判と変わらないような事前手続を実施できるということになります。
前回の独占禁止法改正では、違反行為を早期に排除し競争状態を早期に回復させるために、事前審判制を廃止しました。その理由としては、入札談合においては、違反事業者が指名停止時期を先送りするために審判手続を濫用するので、それを防ぐことが強調されました。しかしながら、違反行為を早期に排除して競争状態を早期に回復させる必要があることは、入札談合に限らず、私的独占の禁止、不公正な取引方法の禁止など、ほかの規制についても同じであります。
先ほど言いましたJASRACの行為のような法律的な評価が難しい行為につきましては、事前行政審判のもとでは審判手続に何年もかけないと執行段階には入れず、競争状態の回復はかなりおくれることになります。法律上は、それに対処するため、東京高裁による緊急停止命令が設けられていますが、たとえどれほど優秀な裁判所であっても、法的判断が微妙で社会的な影響が大きい事件では、緊急停止命令をそう簡単に出すわけにもいかず、結果的に命令がなされないことも多くなると考えられます。
それから、当然、このような違反行為を早期に排除する必要があるということは、不当廉売に該当する行為について法的措置をとろうとする場合についても同じであります。この点からも、取り消し訴訟方式がすぐれていると評価されるものであります。
私は、このほかに、現在、事後審判と取り消し訴訟のいずれかを命令の名あて人が選択できるという選択制が選択肢として残っていると聞いております。これは、基本的には私の言う取り消し訴訟方式と本質的な差はない案であると理解しております。しかし、同一違反行為については同一確定を目標とするというのが大陸法系における基本的な制度設計となります。すなわち、同一カルテル事件の名あて人十名のうち、五名は公正取引委員会に事後審判を請求し、五名は取り消し訴訟を裁判所に提起するというような事態が発生し、同一行為について異なる法的結論が出ることを助長するような手続をとることは避けるべきであると考えております。その点から、やはり裁判所に直接提起する方式に一本化すべきであるというふうに考えております。
結論となりますが、内閣府基本問題懇談会では、私もその一員ではありましたが、事前審判、事後審判を問わず、とにかく行政審判を残すべきであるという立場をとる者が多数派でありました。しかし、今日では、本日お話ししましたような議論の結果、むしろ社会的には取り消し訴訟方式をとる者が多数派であると考えられます。行政審判を廃止すべきことは諸外国の法制やその運用からも裏づけられるのであって、恒久的な行政手続として、速やかに、直接裁判所に提訴する取り消し訴訟型に移行すべきであると考えている次第であります。
以上、私の考えを述べさせていただきました。どうもありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →本日は、このような貴重な機会を与えていただき、まことにありがとうございます。独占禁止法を専門に研究している者として、率直に私の意見を申し上げたいと考えております。
まず、基本的な認識でございますが、御承知のとおり、国際的には競争法のハーモナイゼーションが進み、現在では、先進国市場を中心に、競争法のルールが国際的な共通事業活動ルールとなっております。現実には日本企業も、そのような市場において競争ルールに従って事業活動を行っております。
その意味で、独占禁止法も、実体ルール、手続法ともに世界の共通ルールに合わせていくことが、日本経済、さらには世界経済の発展に貢献するものと確信しております。中でも、本日議論の対象になります課徴金制度のあり方、行政手続につきましては、欧州の制度が、同じ大陸法体系である日本にとって参考になると考えております。
このような観点から、私は、今回の改正法案に基本的に賛成であります。
本日意見を述べたい具体的な論点は四点になります。第一に、企業結合規制の届け出制度、第二に、課徴金の対象違反行為の拡大であります。次いで、第三に、裁量型課徴金を導入するべきこと、第四に、審判制度を廃止することであります。
まず、企業結合規制につきましては、今日では世界各国とも、重大な企業結合については届け出を事前に出させて、速やかに審査、判断を行うという法制を採用しております。届け出のための売上高基準及び企業集団概念は、ともに今日では主要先進国が採用しているものであります。
このような届け出制度の整備によって、日本市場に悪影響を及ぼすおそれのある外国企業同士の企業結合についても、外国会社から届け出を受けて規制することを可能にするものであります。いわば、今回の改正はむしろこの点では遅過ぎた法改正と言えるものであって、一刻も早い施行が望まれる事項と考えております。
第二に、国際的に見ますと、競争ルール全般にわたって、行政制裁金によってそのルールの実効性を確保していくことが世界の潮流となっております。日本の課徴金制度は、行政上の制裁である、すなわち行政制裁金であると位置づけられます。そこで、今回のように排除型私的独占、優越的地位の濫用などへ課徴金を課して実効性を確保することは、国際的な法制やその動向と合致していることになります。
今回の改正法案は、カルテル規制を強化するとともに、排除型私的独占を新たに課徴金の対象行為とすることによって、新規参入阻害行為などへの規制を強化し、市場における競争を一層促進させるものであります。他方、優越的地位の濫用や不当廉売などを新たに課徴金の対象行為とすることによって、中小企業の保護も強化するものとなっております。そのようにして、全体として独占禁止法上の各規制のバランスをとったものであると評価されます。
さらに、効率的かつ迅速な法執行を行うために、排除型私的独占に対する算定率を六%、優越的地位の濫用に対する算定率を一%などとしております。この点についても、これから課徴金を賦課するという現時点においては、妥当な相場観に立つものではないかと考えております。
次に、第三の論点について申し上げます。
ただ、現行の課徴金制度には大きな問題点がございます。現行課徴金は、一定の算定率を乗じて算定した課徴金額を義務的に違反事業者に課さなければならないものであります。幾らの課徴金を課すか、課徴金を課すか否かについて、公正取引委員会には一切裁量権はございません。このような課徴金制度は、比較法的には、日本にしか存在しないと言える行政制裁金制度であります。
国際水準の制裁金制度というものは、違反事業者の前年度売上額の一〇%程度を上限とした上で、違反行為の悪質度、重大度に応じて適正な課徴金額を決定するというものであります。制裁金である以上、ある程度まで競争当局が裁量権を持つことは当然であるとし、当該事案の重大性、違法度に即した適正な課徴金額を決定させようというものになります。
今回の改正で、日本で初めて排除型私的独占を課徴金の対象行為といたしました。しかし、排除型私的独占は、独占禁止法違反で問題となる実にさまざまな行為を含むものであります。正当な行為と不当な行為の見きわめも容易にできるものではありません。そこで、現行課徴金のように一律に六%の算定率を乗じることによって本当に適正な課徴金額を算定できるのかについては疑問があります。
そのため、今回の法改正が実現しますと、国際標準の上限方式の裁量型課徴金を導入することが緊急の課題になると考えております。具体的には、今回の改正法案を前提として、関連商品売上高二〇%程度を上限とする裁量型課徴金を創設することを真剣に検討するべきであると考えております。
やはり制裁金であるという本質にかんがみますと、違反行為との関係で均衡を欠くとか過大な制裁金額であるというような印象を与えるような、そういう高額な課徴金を課すことは避けるような法制とするべきであります。
また、公正取引委員会は、ことし二月に、日本音楽著作権協会、以下、JASRACと申しますけれども、その音楽著作権の使用料の包括徴収の方法が独占禁止法の排除型私的独占に該当するとして排除措置命令を下しております。このような法的評価が極めて微妙な事例については課徴金を課さないという選択肢も認めるべきであります。
現実にも、EU競争法の課徴金でも、それまでルールが明らかになっていない行為に対して初めて措置をとる場合には、課徴金までは課さないという形の実務が行われております。
したがいまして、制裁のレベルは、当面、現行改正法程度にとどめた上で、第一に、公正取引委員会が積極的に事件に取り組んでいくためにも、第二に、事業者に過大な負担を負わせないためにも、本改正後に上限方式の裁量型課徴金を導入することが望ましいと考えている次第であります。
最後の論点について申し上げます。
私は、審判制度は廃止して、直接裁判所に提訴するようにすべきであると考えております。
行政審判というものは、第一審の裁判所と同様な慎重な手続を採用せざるを得ないため、審決まで通常二年、三年、その程度の期間はかかるという欠点がございます。さらに、公正取引委員会が検事役と裁判官役、その両方を兼ねるものであるために、本質的に公正さを欠く側面があります。
その上、国際的な状況を見ますと、今日では、競争法を有する国というのは百カ国を超えます。ただ、事前行政審判制度がとられているのは、アメリカにおける連邦取引委員会のもとでの行政審判しかございません。その上、アメリカを見ても、違反事件処理手続の主たるものは、司法省が民事裁判や刑事裁判を求めて裁判所に提訴する手続であります。そのため、行政審判というのは二、三件しか係属しておらず、余り使われない手続となっております。そういう意味で、たとえ審判官の独立性が保障されている米国であっても、事前行政審判の評価は低いと言わざるを得ないものになっております。
他方、日本を含む大陸法系の諸国では、行政庁が告知、聴聞を経て行政処分を下し、不服のある者は裁判所に取り消し訴訟を提起するという手続が基本的な行政手続であります。この取り消し訴訟方式が欧州連合それからEU加盟各国、アジア諸国、中南米諸国で採用されており、この手続が競争法違反についての国際標準的な行政手続となります。
この取り消し訴訟方式のもとで行政聴聞制度を整備し、東京地裁に専属管轄を付与すると、独占禁止法違反を処理するための理想的な行政手続になると考えております。現実には、事前聴聞手続を整備していくと、行政審判とそれほど変わらない事前手続を実現できます。
これが、欧州における事前行政聴聞手続となります。この手続では、競争当局が事前通知をする時点で、違反事実などを裏づける証拠をすべて相手方に開示します。その上で、相手方に書面で、さらには必要に応じて口頭で、反論の機会を与えることにします。
さらには、EU競争法と同様に、聴聞官制度を創設することも考えられます。この場合、聴聞官は口頭の聴聞手続を主宰するとともに、聴聞の結果を公正取引委員会に報告することになります。公正取引委員会は、その報告を受けて最終的に命令を決定することになりますが、そこでの違反事実などの内容については、正式審決と同様に、詳しく記載することもできるわけです。繰り返しますが、このような行政聴聞手続を充実させていきますと、取り消し訴訟方式のもとでも審判と変わらないような事前手続を実施できるということになります。
前回の独占禁止法改正では、違反行為を早期に排除し競争状態を早期に回復させるために、事前審判制を廃止しました。その理由としては、入札談合においては、違反事業者が指名停止時期を先送りするために審判手続を濫用するので、それを防ぐことが強調されました。しかしながら、違反行為を早期に排除して競争状態を早期に回復させる必要があることは、入札談合に限らず、私的独占の禁止、不公正な取引方法の禁止など、ほかの規制についても同じであります。
先ほど言いましたJASRACの行為のような法律的な評価が難しい行為につきましては、事前行政審判のもとでは審判手続に何年もかけないと執行段階には入れず、競争状態の回復はかなりおくれることになります。法律上は、それに対処するため、東京高裁による緊急停止命令が設けられていますが、たとえどれほど優秀な裁判所であっても、法的判断が微妙で社会的な影響が大きい事件では、緊急停止命令をそう簡単に出すわけにもいかず、結果的に命令がなされないことも多くなると考えられます。
それから、当然、このような違反行為を早期に排除する必要があるということは、不当廉売に該当する行為について法的措置をとろうとする場合についても同じであります。この点からも、取り消し訴訟方式がすぐれていると評価されるものであります。
私は、このほかに、現在、事後審判と取り消し訴訟のいずれかを命令の名あて人が選択できるという選択制が選択肢として残っていると聞いております。これは、基本的には私の言う取り消し訴訟方式と本質的な差はない案であると理解しております。しかし、同一違反行為については同一確定を目標とするというのが大陸法系における基本的な制度設計となります。すなわち、同一カルテル事件の名あて人十名のうち、五名は公正取引委員会に事後審判を請求し、五名は取り消し訴訟を裁判所に提起するというような事態が発生し、同一行為について異なる法的結論が出ることを助長するような手続をとることは避けるべきであると考えております。その点から、やはり裁判所に直接提起する方式に一本化すべきであるというふうに考えております。
結論となりますが、内閣府基本問題懇談会では、私もその一員ではありましたが、事前審判、事後審判を問わず、とにかく行政審判を残すべきであるという立場をとる者が多数派でありました。しかし、今日では、本日お話ししましたような議論の結果、むしろ社会的には取り消し訴訟方式をとる者が多数派であると考えられます。行政審判を廃止すべきことは諸外国の法制やその運用からも裏づけられるのであって、恒久的な行政手続として、速やかに、直接裁判所に提訴する取り消し訴訟型に移行すべきであると考えている次第であります。
以上、私の考えを述べさせていただきました。どうもありがとうございました。拍手
東
出
出井直樹#4
○出井参考人 おはようございます。日本弁護士連合会の出井直樹でございます。よろしくお願いいたします。
本日は、こういう機会を設けていただきまして、ありがとうございます。
村上参考人から、今回の改正案それから独禁法全般についてかなり包括的なお話がございました。私は、日ごろ、企業あるいは消費者を代理して独禁法関係の実務を扱う弁護士の立場から、実務家の立場から、数点に絞ってお話を申し上げたいと思います。お配りしてありますレジュメに基本的に従ってお話しいたします。
まず、独禁法についての考え方でございますが、ここを最初に押さえておきたいと思います。
市場における事業者、これは中小事業者を当然含むわけでございますが、事業者の公正かつ自由な競争を促進し、それによって一般消費者の利益を確保することを目的とする、これが法律に書いてある独禁法の目的でございます。
ここを押さえた上で、一九九〇年代以降ということになりますが、行政規制による競争政策、産業政策から、我が国は一般経済法、これは独占禁止法を経済憲法と言われておりますけれども、これを中心とする一般経済法による事後規制による競争政策へ大きく転換しているというふうに認識しております。したがって、独占禁止法の役割というのは、戦後長いスパンを見ますと、ここ十年あるいは十五年で大きく社会における地位、重要性を増しているという認識でございます。すなわち大きな独禁法へというのが基本的な認識です。
私ども弁護士あるいは日本弁護士連合会といたしましても、そのような独禁法の役割を増す、それによって事業者あるいは消費者の利益に資するということについては基本的に賛成をしております。大きな独禁法、独禁法の執行力を強化するということは、これは追求すべき目的であるというふうに考えております。
一方、そのように大きな独禁法、強い独禁法ということになりますと、やはり手続の適正、独禁法執行過程あるいは事実認定の過程における手続の適正ということを十分に考えていかなければいけない、このバランスである、これが私どもの基本的な認識でございます。
今回提案されております独占禁止法改正案につきましては、先ほど村上参考人からお話がございましたように、課徴金の対象となる違反行為の拡大、これは私どもは規制対象を法律で明確にした上でということを申し上げておりましたが、それもかなりの程度取り入れられておりますし、それから、これも私どもが申し上げていたことですが、文書提出命令の特則の導入、それによって独禁法の執行力を強化するという側面がございますので、そのような導入がなされていること、そういうことで、部分的にではありますけれども、独禁法の執行の強化がなされている、また、国際標準に合わせて株式取得を事前届け出制とするなど、そのような措置もなされておりますので、全体的には評価できるものであるというふうに考えております。
以下は、そのような評価、一般的な評価を前提にしまして、幾つか問題点を指摘したいと思います。今回の改正法自体についての問題点もございますし、また次の改正に向けた問題点の指摘もございます。
第一点は、審判制度の見直しについてでございます。この点は、先ほど村上参考人がかなり詳しくお話しになりましたので、私の方は簡単に済ませたいと思います。
基本的な認識としましては、村上参考人のお示しになった認識と共通でございます。摘発者である公正取引委員会がその判断の適否についてもう一度審判という形で判断をする、その後裁判所に持っていくといいましても、東京高等裁判所になってしまう。
それから、裁判所で公正取引委員会の事実認定がなかなか覆りにくい証拠法則が独禁法上とられております。公正取引委員会の事実認定で実質的な証拠があると認められるものについては、裁判所はその判断に拘束されるという、一般の行政訴訟にはない特異なシステムがとられておりまして、私どもはやはりそこは一般の行政訴訟と同じような仕組みにすべきであるというふうに考えております。ということで、この点につきましては、先ほどの村上参考人と意見はほぼ同じです。
ただ一点、若干違うのは、私どもは、いきなり現在の公正取引委員会の審判を全部なくして、それで取り消し訴訟一本にするということには、もしかしたらそこは慎重に考えなければいけないかもしれないということで、選択制というものを一つの案として出しております。すなわち、処分を受けた人が審判にも持っていけるし、取り消し訴訟にも、裁判所にも持っていける、どちらかを選べる、オプションを広げるということを提言しております。
これに対しては、先ほど御指摘ありましたように、同一事件についてばらばらの判断が出たらどうするのかという問題があります。ただ、これは、こういう事件に限らず、裁判所でも違う裁判所に係属するときはそういう問題が起こりますし、最終的には最高裁判所で統一がされる、そういう仕組みになっておりますので、これは本質的な欠陥ではないというふうに考えております。
ただ、問題は、取り消し訴訟と審判と両方になりますと、人的リソースの点で果たしてそれは効率的なのかどうかという問題の指摘もありまして、そのあたりを踏まえて、今後一年間ですか、審判制度をどうするのかということは国会でも検討をいただくことになりますし、私どももそのあたりはよく考えてみたいと思っております。
以上が、審判制の見直しについて、これは次の改正に向けたお話でございます。
次の問題ですけれども、適正手続の保障がまだ十分ではないのではないかということでございます。四点ほど、制度の面について指摘しております。
第一は、公正取引委員会が事件について収集した証拠、これは他の事業者の営業秘密を除くことになりますが、そういう証拠をすべての被疑者、被審人に開示していただくということ、そういう制度を導入すべきであると考えております。これは、国際的にもそれがスタンダードになっていると思いますので、それに合わせていただきたいということです。
第二、弁護士との相談内容の秘密性の確保。これは、弁護士守秘特権という、特権というのは余りいい言葉ではございませんが、やはり企業の方々が弁護士に相談することをちゅうちょさせるような、そういうシステムは基本的にまずいのではないか。特に、国際的には弁護士の守秘特権というのはスタンダードになっておりまして、日本でこれが破られてしまうと、外国でもやはり一たん出てしまったものはもう特権がないというふうにされておりますので、外国での守秘特権も全部一律に破られてしまうという非常な不都合が生じております。このあたりは早急に手当てをしていただくことが、国際的にも喫緊の課題かと思います。
第三、調査、事情聴取への弁護士立ち会い権の確保。これも手続適正の観点から御検討いただきたいと思っております。
第四ですけれども、今回の法律案に利害関係人による審判の事件記録謄写、閲覧等の制限の規定がございます。要件としては第三者の利益を害するおそれという要件で、これを制限するという規定が入っておりますが、これにつきましては、やはり民事訴訟法と同一の要件、すなわち個人の生活上の秘密や営業秘密が記載されている場合に限るという規定にすべきではなかったかと思っておりまして、そこらあたりは今後法改正、あるいは、少なくとも運用につきましてはそのような運用をお願いしたいというふうに考えております。
以上が制度問題ですけれども、もう一つ、これは法改正自体、法律自体の問題ではございませんが、やはり公正取引委員会での調査手続、さらに審判制度が存続する場合には審判手続、これも審判官だけではなく、そこの部門の事務局に法曹資格者を入れていただく。これはいろいろな機会にお願いしていることですけれども、やはり準司法手続ですので、そこは法曹資格者を登用していただくということをお考えいただければと思っております。
最後でございますが、これまで公正取引委員会、すなわち行政を通じた独禁法執行ということを私も申し上げてまいりました。村上参考人からもそういうお話がございました。ただ、もう一つ考えていただきたいのは、行政による法執行だけではなく、私人による法執行ということも両輪のもう一つの輪として考えていただきたいということでございます。公正取引委員会等の行政によるエンフォースメントと、民事訴訟を通じた私人によるエンフォースメントの両輪の強化が必要である、これも大きな独禁法の一つの側面でございます。
具体的には、独占禁止法二十四条、差しとめ請求権がございますが、この対象を拡大していただく、それから、要件をもう少し差しとめが認められやすい要件に変えていただくということが必要であるということを申し上げているところです。
それから、二番目ですけれども、独占禁止法違反の損害賠償請求訴訟を行いやすくするための措置を御検討いただきたいということで、消費者団体訴訟の導入であるとか、損害額推定規定の検討を、これまで意見を述べてきたところでございます。ただ、この点につきましては、別のところで議論されている消費者庁の設置法の関係で今後検討されるということでございますので、そちらの方の御検討にゆだねることになるかと思います。
最後に、これは独占禁止法関係の訴訟のことを問題にしているわけですが、独占禁止法に関係する訴訟というのは、別に独禁法上の訴訟だけではありません。一般の不法行為あるいは契約違反の訴訟でも、独占禁止法違反が問題になることは多々あります。したがって、民事訴訟一般をやりやすくする方策というのを考えていただきたいということでございます。
具体的には、提訴手数料の見直しですとか、文書提出命令、今回、独禁法について手当てがなされましたけれども、文書提出命令のルールを民事訴訟一般について考え直す必要があるのではないか。さらに、損害賠償制度一般についても御検討いただく必要があるのではないかということです。
今、幾つか述べましたけれども、そういう総合的な施策を、今後、大きな独禁法かつ手続の適正を確保した独禁法ということを国の大きな政策として、今後立法でもお考えいただければと思います。
以上でございます。ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →本日は、こういう機会を設けていただきまして、ありがとうございます。
村上参考人から、今回の改正案それから独禁法全般についてかなり包括的なお話がございました。私は、日ごろ、企業あるいは消費者を代理して独禁法関係の実務を扱う弁護士の立場から、実務家の立場から、数点に絞ってお話を申し上げたいと思います。お配りしてありますレジュメに基本的に従ってお話しいたします。
まず、独禁法についての考え方でございますが、ここを最初に押さえておきたいと思います。
市場における事業者、これは中小事業者を当然含むわけでございますが、事業者の公正かつ自由な競争を促進し、それによって一般消費者の利益を確保することを目的とする、これが法律に書いてある独禁法の目的でございます。
ここを押さえた上で、一九九〇年代以降ということになりますが、行政規制による競争政策、産業政策から、我が国は一般経済法、これは独占禁止法を経済憲法と言われておりますけれども、これを中心とする一般経済法による事後規制による競争政策へ大きく転換しているというふうに認識しております。したがって、独占禁止法の役割というのは、戦後長いスパンを見ますと、ここ十年あるいは十五年で大きく社会における地位、重要性を増しているという認識でございます。すなわち大きな独禁法へというのが基本的な認識です。
私ども弁護士あるいは日本弁護士連合会といたしましても、そのような独禁法の役割を増す、それによって事業者あるいは消費者の利益に資するということについては基本的に賛成をしております。大きな独禁法、独禁法の執行力を強化するということは、これは追求すべき目的であるというふうに考えております。
一方、そのように大きな独禁法、強い独禁法ということになりますと、やはり手続の適正、独禁法執行過程あるいは事実認定の過程における手続の適正ということを十分に考えていかなければいけない、このバランスである、これが私どもの基本的な認識でございます。
今回提案されております独占禁止法改正案につきましては、先ほど村上参考人からお話がございましたように、課徴金の対象となる違反行為の拡大、これは私どもは規制対象を法律で明確にした上でということを申し上げておりましたが、それもかなりの程度取り入れられておりますし、それから、これも私どもが申し上げていたことですが、文書提出命令の特則の導入、それによって独禁法の執行力を強化するという側面がございますので、そのような導入がなされていること、そういうことで、部分的にではありますけれども、独禁法の執行の強化がなされている、また、国際標準に合わせて株式取得を事前届け出制とするなど、そのような措置もなされておりますので、全体的には評価できるものであるというふうに考えております。
以下は、そのような評価、一般的な評価を前提にしまして、幾つか問題点を指摘したいと思います。今回の改正法自体についての問題点もございますし、また次の改正に向けた問題点の指摘もございます。
第一点は、審判制度の見直しについてでございます。この点は、先ほど村上参考人がかなり詳しくお話しになりましたので、私の方は簡単に済ませたいと思います。
基本的な認識としましては、村上参考人のお示しになった認識と共通でございます。摘発者である公正取引委員会がその判断の適否についてもう一度審判という形で判断をする、その後裁判所に持っていくといいましても、東京高等裁判所になってしまう。
それから、裁判所で公正取引委員会の事実認定がなかなか覆りにくい証拠法則が独禁法上とられております。公正取引委員会の事実認定で実質的な証拠があると認められるものについては、裁判所はその判断に拘束されるという、一般の行政訴訟にはない特異なシステムがとられておりまして、私どもはやはりそこは一般の行政訴訟と同じような仕組みにすべきであるというふうに考えております。ということで、この点につきましては、先ほどの村上参考人と意見はほぼ同じです。
ただ一点、若干違うのは、私どもは、いきなり現在の公正取引委員会の審判を全部なくして、それで取り消し訴訟一本にするということには、もしかしたらそこは慎重に考えなければいけないかもしれないということで、選択制というものを一つの案として出しております。すなわち、処分を受けた人が審判にも持っていけるし、取り消し訴訟にも、裁判所にも持っていける、どちらかを選べる、オプションを広げるということを提言しております。
これに対しては、先ほど御指摘ありましたように、同一事件についてばらばらの判断が出たらどうするのかという問題があります。ただ、これは、こういう事件に限らず、裁判所でも違う裁判所に係属するときはそういう問題が起こりますし、最終的には最高裁判所で統一がされる、そういう仕組みになっておりますので、これは本質的な欠陥ではないというふうに考えております。
ただ、問題は、取り消し訴訟と審判と両方になりますと、人的リソースの点で果たしてそれは効率的なのかどうかという問題の指摘もありまして、そのあたりを踏まえて、今後一年間ですか、審判制度をどうするのかということは国会でも検討をいただくことになりますし、私どももそのあたりはよく考えてみたいと思っております。
以上が、審判制の見直しについて、これは次の改正に向けたお話でございます。
次の問題ですけれども、適正手続の保障がまだ十分ではないのではないかということでございます。四点ほど、制度の面について指摘しております。
第一は、公正取引委員会が事件について収集した証拠、これは他の事業者の営業秘密を除くことになりますが、そういう証拠をすべての被疑者、被審人に開示していただくということ、そういう制度を導入すべきであると考えております。これは、国際的にもそれがスタンダードになっていると思いますので、それに合わせていただきたいということです。
第二、弁護士との相談内容の秘密性の確保。これは、弁護士守秘特権という、特権というのは余りいい言葉ではございませんが、やはり企業の方々が弁護士に相談することをちゅうちょさせるような、そういうシステムは基本的にまずいのではないか。特に、国際的には弁護士の守秘特権というのはスタンダードになっておりまして、日本でこれが破られてしまうと、外国でもやはり一たん出てしまったものはもう特権がないというふうにされておりますので、外国での守秘特権も全部一律に破られてしまうという非常な不都合が生じております。このあたりは早急に手当てをしていただくことが、国際的にも喫緊の課題かと思います。
第三、調査、事情聴取への弁護士立ち会い権の確保。これも手続適正の観点から御検討いただきたいと思っております。
第四ですけれども、今回の法律案に利害関係人による審判の事件記録謄写、閲覧等の制限の規定がございます。要件としては第三者の利益を害するおそれという要件で、これを制限するという規定が入っておりますが、これにつきましては、やはり民事訴訟法と同一の要件、すなわち個人の生活上の秘密や営業秘密が記載されている場合に限るという規定にすべきではなかったかと思っておりまして、そこらあたりは今後法改正、あるいは、少なくとも運用につきましてはそのような運用をお願いしたいというふうに考えております。
以上が制度問題ですけれども、もう一つ、これは法改正自体、法律自体の問題ではございませんが、やはり公正取引委員会での調査手続、さらに審判制度が存続する場合には審判手続、これも審判官だけではなく、そこの部門の事務局に法曹資格者を入れていただく。これはいろいろな機会にお願いしていることですけれども、やはり準司法手続ですので、そこは法曹資格者を登用していただくということをお考えいただければと思っております。
最後でございますが、これまで公正取引委員会、すなわち行政を通じた独禁法執行ということを私も申し上げてまいりました。村上参考人からもそういうお話がございました。ただ、もう一つ考えていただきたいのは、行政による法執行だけではなく、私人による法執行ということも両輪のもう一つの輪として考えていただきたいということでございます。公正取引委員会等の行政によるエンフォースメントと、民事訴訟を通じた私人によるエンフォースメントの両輪の強化が必要である、これも大きな独禁法の一つの側面でございます。
具体的には、独占禁止法二十四条、差しとめ請求権がございますが、この対象を拡大していただく、それから、要件をもう少し差しとめが認められやすい要件に変えていただくということが必要であるということを申し上げているところです。
それから、二番目ですけれども、独占禁止法違反の損害賠償請求訴訟を行いやすくするための措置を御検討いただきたいということで、消費者団体訴訟の導入であるとか、損害額推定規定の検討を、これまで意見を述べてきたところでございます。ただ、この点につきましては、別のところで議論されている消費者庁の設置法の関係で今後検討されるということでございますので、そちらの方の御検討にゆだねることになるかと思います。
最後に、これは独占禁止法関係の訴訟のことを問題にしているわけですが、独占禁止法に関係する訴訟というのは、別に独禁法上の訴訟だけではありません。一般の不法行為あるいは契約違反の訴訟でも、独占禁止法違反が問題になることは多々あります。したがって、民事訴訟一般をやりやすくする方策というのを考えていただきたいということでございます。
具体的には、提訴手数料の見直しですとか、文書提出命令、今回、独禁法について手当てがなされましたけれども、文書提出命令のルールを民事訴訟一般について考え直す必要があるのではないか。さらに、損害賠償制度一般についても御検討いただく必要があるのではないかということです。
今、幾つか述べましたけれども、そういう総合的な施策を、今後、大きな独禁法かつ手続の適正を確保した独禁法ということを国の大きな政策として、今後立法でもお考えいただければと思います。
以上でございます。ありがとうございました。拍手
東
齋
齋藤憲道#6
○齋藤参考人 おはようございます。日本経団連の競争法部会長代行を務めております齋藤憲道です。
本日は、このような意見陳述の機会を与えていただきまして、まことにありがとうございます。
私からは、独占禁止法改正案につきまして、経団連の考え方を述べさせていただきます。
初めに、今回、国会に提出されております政府の独禁法改正案につきましては、経団連としては基本的に賛成であるということを申し上げておきます。今回の法案には、課徴金の対象範囲の拡大や刑事罰強化などが盛り込まれております。これらを含めて、経団連として異論はございません。
しかし、今後、法律を実際に運用されるに当たってお願いしたいこと、それからさらに、今回の法案に十分に盛り込まれていない事項について、今後の検討をお願いしたい点がございますので、ここで述べさせていただきます。
第一は、法律の運用基準の明確化のお願いです。
今回の改正が実現しますと、これまで課徴金の対象ではなかった排除型私的独占を初め、不当廉売、差別対価、共同の取引拒絶、それから再販売価格の拘束、優越的地位の濫用などの不公正な取引方法に対しても課徴金が新たに課されます。
ところが、これらの行為は、日常のビジネスの中で、どこまでが適法で、どこからが違法になるのかという境界が必ずしも明らかというわけではありません。
改正法案の関係条文を見ましても、正当な理由がないのに、あるいは不当に、さらには正常な商慣行に照らして不当になどと規定されておりまして、どの一線を超えたら違法になるのかがよくわかりません。
独禁法違反を犯して課徴金を課されることになれば、公共入札の指名停止や株主代表訴訟などが問題として付随的に発生します。本当に今重要なことであります。
もちろん、悪質な行為は何としても排除しなければなりません。ただ、適法と違法の境界線がよく見えないために、真っ当な事業活動が無用に萎縮したり、取引がいたずらに混乱することにならないよう、ガイドラインなどで構成要件を明確にしていただきたいと思います。どのような行為が課徴金の対象になるのか、現場で実務を行っているだれもがわかるようにしていただきたいのです。
予測可能性や法的安定性を確保することは、健全な市場を形成するための必要条件であります。
第二に、今回の法案で具体的に取り上げられていない審判制度の見直しと審査の適正化のお願いであります。
まず、審判制度の見直しにつきましては、現行の公正取引委員会の審判制度を廃止し、公正取引委員会の処分に対する不服申し立てを、直接、地方裁判所に対して行うようにすることが必要であると考えております。
現在の審査、審判の手続は、まず、公正取引委員会が、カルテルなどの独禁法違反の疑いのある企業を調査し、違反していると判断すると、排除措置命令や課徴金納付命令などの処分を下します。
その処分に納得のできない企業は、公正取引委員会の中にある審判手続で、公取の判断に対する不服を申し立てることになります。
この仕組みは、いわば検事と裁判官とを同じ公正取引委員会が兼ねる状態で、著しく不公平かつ中立性を欠いております。
国内の他の行政審判を見ても、処分をする主体と不服審判をする主体が全く同一である機関はほかにありません。外国にもこのような制度はありません。海外の企業の方から、これが日本で活動することをちゅうちょする要因の一つになると聞くこともあります。
そこで、私どもでは、公正取引委員会の審判制度を廃止し、不服申し立てについては、取り消し訴訟として、直接、地方裁判所に訴える制度にすべきだと考えております。
この点について、政府の法案の附則に、「審判手続に係る規定について、全面にわたって見直すものとし、平成二十一年度中に検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずる」と規定されております。
ぜひとも、審判制度を廃止するという私どもの考えをお酌みいただき、早期に、この方向での法改正を検討され、実現されるようにお願いいたします。
もう一つは、国際水準にかなう新たな審査制度の構築です。
現在の公正取引委員会の審査では、欧米では当たり前になっている、審査を受ける側の基本的な権利が認められておりません。
例えば、自己負罪拒否特権というのがあります。これは、自己に不利益な供述を強要されない権利のことで、日本国憲法第三十八条に規定があります。ただ、これは刑事事件の場合だけだそうで、独禁法違反のような行政事件についてこれを保障する規定はないということです。
公正取引委員会の取り調べは、通常、任意で行われます。しかし、任意の調査であることが明らかにされていない、あるいは、取り調べが公取の密室の中で長時間にわたる、さらには、弁護士の同席は認められないなどのために、防御権を行使できないという体験談を幾つも聞きます。
その上、取り調べを受けた者は、そこで作成された供述調書のコピーを持ち帰って確認することもできません。
現在、警察における犯罪者の取り調べですら、可視化が進められています。まして、任意の手続において許されるべきではないと思います。
日米欧の競争法当局による取り調べを経験した企業が、欧米の弁護士から、日本では適正手続、デュープロセスが確保されていないと知って驚いた、どのように弁護すればいいか迷っているということを言われております。
欧米で当たり前とされている程度の適正手続の確保をお願いいたします。
以上、法律の運用基準の明確化、それから審判制度の抜本的な見直し、適正手続の確保の三つを申し上げました。ぜひ、具体的に進展いたしますようにお願いいたします。
以上で私からの説明を終わります。どうもありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →本日は、このような意見陳述の機会を与えていただきまして、まことにありがとうございます。
私からは、独占禁止法改正案につきまして、経団連の考え方を述べさせていただきます。
初めに、今回、国会に提出されております政府の独禁法改正案につきましては、経団連としては基本的に賛成であるということを申し上げておきます。今回の法案には、課徴金の対象範囲の拡大や刑事罰強化などが盛り込まれております。これらを含めて、経団連として異論はございません。
しかし、今後、法律を実際に運用されるに当たってお願いしたいこと、それからさらに、今回の法案に十分に盛り込まれていない事項について、今後の検討をお願いしたい点がございますので、ここで述べさせていただきます。
第一は、法律の運用基準の明確化のお願いです。
今回の改正が実現しますと、これまで課徴金の対象ではなかった排除型私的独占を初め、不当廉売、差別対価、共同の取引拒絶、それから再販売価格の拘束、優越的地位の濫用などの不公正な取引方法に対しても課徴金が新たに課されます。
ところが、これらの行為は、日常のビジネスの中で、どこまでが適法で、どこからが違法になるのかという境界が必ずしも明らかというわけではありません。
改正法案の関係条文を見ましても、正当な理由がないのに、あるいは不当に、さらには正常な商慣行に照らして不当になどと規定されておりまして、どの一線を超えたら違法になるのかがよくわかりません。
独禁法違反を犯して課徴金を課されることになれば、公共入札の指名停止や株主代表訴訟などが問題として付随的に発生します。本当に今重要なことであります。
もちろん、悪質な行為は何としても排除しなければなりません。ただ、適法と違法の境界線がよく見えないために、真っ当な事業活動が無用に萎縮したり、取引がいたずらに混乱することにならないよう、ガイドラインなどで構成要件を明確にしていただきたいと思います。どのような行為が課徴金の対象になるのか、現場で実務を行っているだれもがわかるようにしていただきたいのです。
予測可能性や法的安定性を確保することは、健全な市場を形成するための必要条件であります。
第二に、今回の法案で具体的に取り上げられていない審判制度の見直しと審査の適正化のお願いであります。
まず、審判制度の見直しにつきましては、現行の公正取引委員会の審判制度を廃止し、公正取引委員会の処分に対する不服申し立てを、直接、地方裁判所に対して行うようにすることが必要であると考えております。
現在の審査、審判の手続は、まず、公正取引委員会が、カルテルなどの独禁法違反の疑いのある企業を調査し、違反していると判断すると、排除措置命令や課徴金納付命令などの処分を下します。
その処分に納得のできない企業は、公正取引委員会の中にある審判手続で、公取の判断に対する不服を申し立てることになります。
この仕組みは、いわば検事と裁判官とを同じ公正取引委員会が兼ねる状態で、著しく不公平かつ中立性を欠いております。
国内の他の行政審判を見ても、処分をする主体と不服審判をする主体が全く同一である機関はほかにありません。外国にもこのような制度はありません。海外の企業の方から、これが日本で活動することをちゅうちょする要因の一つになると聞くこともあります。
そこで、私どもでは、公正取引委員会の審判制度を廃止し、不服申し立てについては、取り消し訴訟として、直接、地方裁判所に訴える制度にすべきだと考えております。
この点について、政府の法案の附則に、「審判手続に係る規定について、全面にわたって見直すものとし、平成二十一年度中に検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずる」と規定されております。
ぜひとも、審判制度を廃止するという私どもの考えをお酌みいただき、早期に、この方向での法改正を検討され、実現されるようにお願いいたします。
もう一つは、国際水準にかなう新たな審査制度の構築です。
現在の公正取引委員会の審査では、欧米では当たり前になっている、審査を受ける側の基本的な権利が認められておりません。
例えば、自己負罪拒否特権というのがあります。これは、自己に不利益な供述を強要されない権利のことで、日本国憲法第三十八条に規定があります。ただ、これは刑事事件の場合だけだそうで、独禁法違反のような行政事件についてこれを保障する規定はないということです。
公正取引委員会の取り調べは、通常、任意で行われます。しかし、任意の調査であることが明らかにされていない、あるいは、取り調べが公取の密室の中で長時間にわたる、さらには、弁護士の同席は認められないなどのために、防御権を行使できないという体験談を幾つも聞きます。
その上、取り調べを受けた者は、そこで作成された供述調書のコピーを持ち帰って確認することもできません。
現在、警察における犯罪者の取り調べですら、可視化が進められています。まして、任意の手続において許されるべきではないと思います。
日米欧の競争法当局による取り調べを経験した企業が、欧米の弁護士から、日本では適正手続、デュープロセスが確保されていないと知って驚いた、どのように弁護すればいいか迷っているということを言われております。
欧米で当たり前とされている程度の適正手続の確保をお願いいたします。
以上、法律の運用基準の明確化、それから審判制度の抜本的な見直し、適正手続の確保の三つを申し上げました。ぜひ、具体的に進展いたしますようにお願いいたします。
以上で私からの説明を終わります。どうもありがとうございました。拍手
東
北
北原國人#8
○北原参考人 おはようございます。
私は、ただいま紹介をいただきましたように、全国の家電販売店、中小の家電販売店の二万三千の組合員の組織を持ちます全国電機商業組合連合会の会長代行の北原でございます。今回、こうした席での私どもの陳述をさせていただけることを大変感謝申し上げるところであります。
私どもは、今回の独占禁止法の改正については基本的に賛成をさせていただきます。ただし、私どもの幾つかの経験の中から、運用に際しては、現実をまず直視していただいて、そして迅速な、適正な処理をお願いしたいということを申し添えさせていただきたいと思います。
私どもは小さなものの組織でありますので、ちょっと現実に即し過ぎるかもしれませんけれども、まず家電流通業界の実態を御理解いただきたいというふうに思って、お手元に差し上げた資料のような状況で私どもの電機業界というのは推移をしてきた、こういうことであります。
最近の量販店の台頭は、物すごい勢いで市場を席巻しております。そのはざまにあって、私どもの地域店が大変な苦境の中で商売をしているというのは、この数字に出ているとおりでございます。組合員の推移を見ましても、平成七年から十九年、この間に六千二百店余の店が閉めております。したがって、地域のインフラ等も考えながら、小回りのきく地域店の存在が危うい状態になってきているのも、この表でご覧のとおりでございます。
なお、流通チャンネルの状況を申し上げますと、量販店またはカメラ業界からの量販店を含めて市場のほぼ六二%、これは二〇〇七年の数字でございまして、最近の数字はもっと強いものになってきているわけであります。
そういう中で、地域で生業としてやっているような地域店を含めて、私たちは、二〇一一年の地デジの移行に関する役割、量販店でできない地域店の役割、それから高齢化社会が進んできております。この高齢化社会に対応するのに、地域の電気店の役割は大きいだろう。また、地域のインフラとも言えるような活動をしているのも地域店の存在であります。こうした店がなくなるような寡占化が進んでいるということを、まず皆さんに御理解をちょうだいしたなというふうに思います。
そうした中で、今の市場の価格というのは、余りにも量販店と地域店の格差が大きいということでございます。このことについて、私どもはいろいろの生き残り策を組織としてはやっておりますけれども、皆さんの資料の中にもありますような「漂流する地域店 量販店FCは救えるか」、これはある雑誌の広告でありますけれども、こういうようなことが現実の姿として、量販店の中に吸収されたり、ほかのルートからの仕入れルートで、地域店の存在が全く怪しげな状況になっているのが現状でございます。
そうした中で、家電ガイドラインというのを、十八年の六月二十九日、公正取引委員会さんが出していただきました。その資料も皆さんのお手元にあると思いますけれども、家電ガイドラインというのは、酒の業界それからガソリンの業界に次いで三番目に、家電業界の現況を憂えるというか、不当な競争がなされているという中で、地域店の存在すら危ないということで、公正取引委員会さんがこうしたガイドラインを発付されたわけであります。
それに対しては、その当時私どもは、大変ありがたい策であり、地域店の生き残りをかける守りになるかなというような思いでおりましたけれども、ここにもありますように、家電製品の流通においては、「近年、小売市場における家電量販店の成長が目覚しく、メーカーの家電量販店への販売依存度が高まる傾向にある中で、大手の家電量販店間の激しい低価格競争により、地域家電小売店の事業活動に与える影響が深刻化している。」、この文言で、私どもは、これに基づいて申告活動を行ってきたわけであります。
その申告活動の内容については、皆さんのお手元に資料があると思いますけれども、十八年度が百五十八件、十九年度が四百二十七件、二十年度は千二百三十四件、こうした公正取引委員会から注意を受けた実態が出ておりますけれども、私どもは、それに対する申告で、この程度の注意で終わるのかなということが一番の問題でございます。
というのは、私どもは、せっかくいいガイドラインを出していただいても、実行、それを適用してもらわなければ生きた法律にならないであろう。今回も、課徴金制度等を踏まえたいろいろの改善策をされて、基本的に賛成でありますけれども、私どもの業界のこのガイドラインに対する申告ですが、本当に適正に運用されているのかという疑いを持っている、不満を持っているところでありますので、今後、こうした新しい法に基づくものの運用をしっかりとやっていただきたいというのが、私どもが今これを述べている一番の問題であります。
不当廉売に関する運用で、要望がございます。
私どもは二十年度は二万数千件の申告をしておりますけれども、十九年度の回答は、まことに寂しい回答が公正取引委員会で出ております。実態に即さないような回答をいただいておるというのが実態でございます。それに対しては大変に不満です。
それというのは、注意をしたというような文書で返ってきているわけであります。疑いがあるので注意しましたということですが、その注意の仕方は口頭である。文書でなくて、口頭で行っている。何回同じことをやっても、それは注意で、口頭で終わっている。これはやはり、罪を犯した者を厳罰に処する、そういう公正取引委員会の本来の姿勢があらわれていない。せっかく地域店が、価格競争で大変な市況になって、不当差別対価があるという申告をしているのに、それを取り上げていただいていない。そして、実際には、調査も聞き取り調査であって、表面的な価格のみが表へ出て、本当の実態の価格の調査がされていないということに私どもは不満を持っているわけであります。
そして、何回か注意をすれば、当然それに対してはその上の警告であるとか排除命令というものが出るべきだというふうに私どもは思っておりますけれども、現実にはそれが運用されていない、そういうことに対する不満がある。どんな法でも、運用する公正取引委員会さんが厳格にその法の運用をしていただかなければ、形だけのものに終わってしまう、そしていい法律も生かされない、こういうことに私どもは不満を覚えているところであります。
さて、今、公正取引委員会に申告をしても、この市場というのは価格が動いております。非常にスピードの速い業界であります。生鮮食料品と同じような価格体系かと思われるくらい速いスピードで動いておりますので、これに対する公正取引委員会さんのこのガイドラインができたときの説明は、二カ月以内に必ず結論、申告書に返答するということでございましたけれども、三カ月、長期に至っては半年後でなければ返答が来ない、こういうような現状であります。
いろいろな事情はあるでしょうけれども、非常に、功をなさない、時間がたち過ぎている。今、家電製品は、一週間で価格がどんどん下がったり、どんどん変化をしております。それを六カ月たって回答をいただいても、やった業者はやり得というようなことで、業界は、血で血を洗うような競争をしている。
そのはざまにあって、大手と言われる日本の家電メーカーが、家電製品でほとんどのメーカーが赤字になっております。これは、地域店はメーカーの思うままの価格、量販店は毎週商談会が開かれ、そのたびに、卸価格はないにも等しい、メーカー同士の競争のもとで強要された、強要されたと言うと語弊があるかもしれませんけれども、競争場裏の中でどんどん安くなっている、地域店はそうした商談すらできない、メーカーの決められた価格で買っている、そこに格差が出てきてしまうわけであります。
私どものような業界は、耐久消費財でありながら、野菜と同じような市況の価格になっている。この実態を公取さんにぜひ調べていただきたい、聞き取りでなくて現実を調べていただきたいということをきょうの機会にお願いしておきます。ということは、今度の改正の法ができても、立派なのができても、運用や活用や思い切った踏み込みをしない限り法が生きてこないということを、私はきょうの機会にぜひお訴えをしておきたいというふうに思います。
なお、差別対価について先ほど少しく申し上げましたけれども、この差別対価というのは、私どもは、基本的には卸価格というものがあるわけであります。そして、今回二万件からの申告をしている中で、公取さんは、メーカーの、卸だけの表面的な価格しか聞いていないわけであります。したがって、これには差別対価はないというような報告をいただいているわけであります。現実を調べない、ここに、ある面、一生懸命申告をしている組合員からは、これは何のガイドラインなのよという声が聞かれるわけであります。
どうか、量販店それからメーカーの調査をしていただきたい。聞き取りであるならばメーカーは何も問題のない答弁をされるけれども、そういう実態がない。
皆さん方のお手元に資料として差し上げてある価格調査分析の結果でありますけれども、これについてちょっと説明をさせていただきます。
これは量販ごとに調査をした中の抜粋でございますので御理解をいただきたいと思いますけれども、一番下の欄のブルーの色のかかっている逆ざやの問題であります。
逆ざやというのは、地域店の卸価格で売ったら量販店の小売より高くなるという数字であります。私どもの仕入れの価格が、量販店が広告で出している価格、小売されている価格よりかも高い、量販店が五万で売るものを地域店は五万五千で仕入れている、六万で仕入れているという現実のものであります。したがって、これでは商売にならないわけであります。
もっと言えば、逆ざやは出なくても、卸と小売ととんとんならこの表の数字に出てきません。そういう考え方をしますと、半分以上の商品が、地域店は量販店と入り口の価格で対抗ができない、こういう状況になっているわけであります。
その実態を幾ら訴えても不当差別対価なしというような返答をいただいていることに地域の電気店はいたたまれなくなって、先ほど申し上げたこういう組織に入って、本来自営業でしっかりやらなきゃいけないものが、最近は量販店のFCというような形またはVCというような形で、量販店から仕入れた方が正規のメーカーから仕入れるより安い。この現実を一つ見ても、いかに差別対価が大きいかということを公取の皆さんに調べていただきたいというのが私どもの思いであります。
優越的地位の濫用があるかないかは別にして、全くかけ離れた価格で商売をされる。電気製品は、今、新製品が出た次の週から、卸値はないに等しい価格で商談が進んでいるのが実態であります。どうか、一度公取さんは、メーカーに対し、量販店に対し調査をしていただきたい。聞き取りでなくて、本当の意味の立入調査をしていただいたら実態がおわかりいただけるというふうに思っております。
時間の都合もありますので、公取さんは、量販店と地域店の平均的な価格差は一四・七%から三%の事実開きがありますということを書かれておりますけれども、これは大きな数字のあやであります。
今、ポイント政策というのが量販店ではやっておりますけれども、ポイントとは何ぞやといったら、これはまさしく、公正取引委員会さんは値引きであるという法解釈をされております。私どもは、ポイントというのはおまけであるというふうに理解をしておったところでありますし、そういう性質のものではないでしょうか。多額なポイントがどんどんつけられることによって、消費者は、必要以上の高いお金を払って、後は拘束された金でその企業から買わなければならないようなポイント政策になっている。このたび出たエコ・アクション・ポイントはそれに似たような誤解を受けやすい状況にもなっておるというのが、今の家電業界のポイント政策であります。
どうか、この省エネポイント政策もうまく活用して、景気浮揚になったり、または消費者のプラスになったり、エコの推進ができれば私ども業界としては大変ありがたいわけでありますけれども、ある意味では、そのエコポイントすら、量販店の大きな二〇、三〇というようなポイントが出てくれば五%のエコポイントは影が薄くなる、そういうことを心配している私どもでございますので、その辺も御理解をいただければ大変ありがたいと思います。
最後に、この価格格差、今、実態の仕入れ価格との差もしかりでありますけれども、いま一つ大きなのは、派遣員というヘルパーでございます。メーカーが量販店に出しているヘルパーは、想像を絶する数が出ておるわけであります。毎週土日は当たり前であります。これは、優越的地位濫用に基づいたところの、公正取引委員会さんからあるメーカーには排除、注意文書が出ました。
ところが、その反面、出た後で、またまた、これはメーカーが使ってくれと言っているんだ、メーカーが商売を伸ばすために使ってくれと言うから、私どもは優越的地位の濫用じゃない、メーカーがもうかるためにやっているんだというような、そんな反論すら出てきているようなこの家電業界でございます。
これはまさしく、皆さん方のところに資料が行っていると思いますけれども、百貨店法に基づくところの運用の、「大規模小売業者による納入業者との取引における特定の不公正な取引方法」の中で、「納入業者の従業員等の不当使用等」ということが出ております。これには、「自己等の業務に従事させるため、納入業者の従業員等を派遣させ、又は自己等が雇用する従業員等の人件費を負担させることを原則として禁止。」しているというこの項目であります。
この原則として禁止しているものを、百貨店の例えば化粧品売り場のようなところと同じような感覚で家電業界に派遣を認めていること自体がおかしい、私はこういうふうに思いますので、この辺についても公取さんにいろいろな面で研究をいただきたいということであります。
というのは、デパートへ出てくるところの化粧品会社等は、実際には自分の売り場が決まっているわけであります。そこで自分のブランド品を売るわけでありますけれども、家電の場合は、ずらっと並んだ中で、例えばパナソニック、シャープが出ていっても、自分の商品の説明だけではないんです。よその商品も、聞かれればそれを説明して売っているのが現状であります。まさしく量販店のバイイングパワーにつながる、大きな仕入れ格差につながる要素を持っておりますが、今のところ、これは非常に計算が難しいということもあるでしょうけれども、公正取引委員会さんは現下の差別対価には見ておらないのが実態であります。こういうものも、難しくても禁止をするべきであって、それを対価の計算ができないからといって外すべきものではないというふうに僕は思っております。
したがって、大型量販店が、優越的地位の濫用はなくても、商談の中で大きな力でメーカーさんにぶつかっていく。メーカーは、シェア競争の中でその言い分を聞かざるを得ない。毎週のように開かれる商談会がくせ者であります。
こういうことを独禁法の中でいま一度見直していただくことができれば、私どもの小さな店が社会的に貢献をしていける場がなくならないように、ひとつ、法の適正な運用、そして適正な、迅速な処理を最後にくれぐれもお願いをする次第であります。
どんないい法律でも、これを実行しなければ死んだものになってしまいます。私どもがガイドラインに大変な期待をかけているだけに、今、組合員からの大変な不満が起きて、組織すら危なくなるような状況にあります。量販店の寡占化はますます進んでいる。この寡占化でどうすることもできないかどうか知りませんけれども、私どもは、力がない者は負ければいい、そういう理論でなくて、これからの高齢化社会に地域で一生懸命やる電気店の存続のためにも、この法律の適用を厳正、迅速に行っていただくことをお願い申し上げまして、少しくきょうの議論とも外れているかもしれませんけれども、私どもの業界の実態をお訴え申し上げて、私の説明を終わらせていただきます。
ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →私は、ただいま紹介をいただきましたように、全国の家電販売店、中小の家電販売店の二万三千の組合員の組織を持ちます全国電機商業組合連合会の会長代行の北原でございます。今回、こうした席での私どもの陳述をさせていただけることを大変感謝申し上げるところであります。
私どもは、今回の独占禁止法の改正については基本的に賛成をさせていただきます。ただし、私どもの幾つかの経験の中から、運用に際しては、現実をまず直視していただいて、そして迅速な、適正な処理をお願いしたいということを申し添えさせていただきたいと思います。
私どもは小さなものの組織でありますので、ちょっと現実に即し過ぎるかもしれませんけれども、まず家電流通業界の実態を御理解いただきたいというふうに思って、お手元に差し上げた資料のような状況で私どもの電機業界というのは推移をしてきた、こういうことであります。
最近の量販店の台頭は、物すごい勢いで市場を席巻しております。そのはざまにあって、私どもの地域店が大変な苦境の中で商売をしているというのは、この数字に出ているとおりでございます。組合員の推移を見ましても、平成七年から十九年、この間に六千二百店余の店が閉めております。したがって、地域のインフラ等も考えながら、小回りのきく地域店の存在が危うい状態になってきているのも、この表でご覧のとおりでございます。
なお、流通チャンネルの状況を申し上げますと、量販店またはカメラ業界からの量販店を含めて市場のほぼ六二%、これは二〇〇七年の数字でございまして、最近の数字はもっと強いものになってきているわけであります。
そういう中で、地域で生業としてやっているような地域店を含めて、私たちは、二〇一一年の地デジの移行に関する役割、量販店でできない地域店の役割、それから高齢化社会が進んできております。この高齢化社会に対応するのに、地域の電気店の役割は大きいだろう。また、地域のインフラとも言えるような活動をしているのも地域店の存在であります。こうした店がなくなるような寡占化が進んでいるということを、まず皆さんに御理解をちょうだいしたなというふうに思います。
そうした中で、今の市場の価格というのは、余りにも量販店と地域店の格差が大きいということでございます。このことについて、私どもはいろいろの生き残り策を組織としてはやっておりますけれども、皆さんの資料の中にもありますような「漂流する地域店 量販店FCは救えるか」、これはある雑誌の広告でありますけれども、こういうようなことが現実の姿として、量販店の中に吸収されたり、ほかのルートからの仕入れルートで、地域店の存在が全く怪しげな状況になっているのが現状でございます。
そうした中で、家電ガイドラインというのを、十八年の六月二十九日、公正取引委員会さんが出していただきました。その資料も皆さんのお手元にあると思いますけれども、家電ガイドラインというのは、酒の業界それからガソリンの業界に次いで三番目に、家電業界の現況を憂えるというか、不当な競争がなされているという中で、地域店の存在すら危ないということで、公正取引委員会さんがこうしたガイドラインを発付されたわけであります。
それに対しては、その当時私どもは、大変ありがたい策であり、地域店の生き残りをかける守りになるかなというような思いでおりましたけれども、ここにもありますように、家電製品の流通においては、「近年、小売市場における家電量販店の成長が目覚しく、メーカーの家電量販店への販売依存度が高まる傾向にある中で、大手の家電量販店間の激しい低価格競争により、地域家電小売店の事業活動に与える影響が深刻化している。」、この文言で、私どもは、これに基づいて申告活動を行ってきたわけであります。
その申告活動の内容については、皆さんのお手元に資料があると思いますけれども、十八年度が百五十八件、十九年度が四百二十七件、二十年度は千二百三十四件、こうした公正取引委員会から注意を受けた実態が出ておりますけれども、私どもは、それに対する申告で、この程度の注意で終わるのかなということが一番の問題でございます。
というのは、私どもは、せっかくいいガイドラインを出していただいても、実行、それを適用してもらわなければ生きた法律にならないであろう。今回も、課徴金制度等を踏まえたいろいろの改善策をされて、基本的に賛成でありますけれども、私どもの業界のこのガイドラインに対する申告ですが、本当に適正に運用されているのかという疑いを持っている、不満を持っているところでありますので、今後、こうした新しい法に基づくものの運用をしっかりとやっていただきたいというのが、私どもが今これを述べている一番の問題であります。
不当廉売に関する運用で、要望がございます。
私どもは二十年度は二万数千件の申告をしておりますけれども、十九年度の回答は、まことに寂しい回答が公正取引委員会で出ております。実態に即さないような回答をいただいておるというのが実態でございます。それに対しては大変に不満です。
それというのは、注意をしたというような文書で返ってきているわけであります。疑いがあるので注意しましたということですが、その注意の仕方は口頭である。文書でなくて、口頭で行っている。何回同じことをやっても、それは注意で、口頭で終わっている。これはやはり、罪を犯した者を厳罰に処する、そういう公正取引委員会の本来の姿勢があらわれていない。せっかく地域店が、価格競争で大変な市況になって、不当差別対価があるという申告をしているのに、それを取り上げていただいていない。そして、実際には、調査も聞き取り調査であって、表面的な価格のみが表へ出て、本当の実態の価格の調査がされていないということに私どもは不満を持っているわけであります。
そして、何回か注意をすれば、当然それに対してはその上の警告であるとか排除命令というものが出るべきだというふうに私どもは思っておりますけれども、現実にはそれが運用されていない、そういうことに対する不満がある。どんな法でも、運用する公正取引委員会さんが厳格にその法の運用をしていただかなければ、形だけのものに終わってしまう、そしていい法律も生かされない、こういうことに私どもは不満を覚えているところであります。
さて、今、公正取引委員会に申告をしても、この市場というのは価格が動いております。非常にスピードの速い業界であります。生鮮食料品と同じような価格体系かと思われるくらい速いスピードで動いておりますので、これに対する公正取引委員会さんのこのガイドラインができたときの説明は、二カ月以内に必ず結論、申告書に返答するということでございましたけれども、三カ月、長期に至っては半年後でなければ返答が来ない、こういうような現状であります。
いろいろな事情はあるでしょうけれども、非常に、功をなさない、時間がたち過ぎている。今、家電製品は、一週間で価格がどんどん下がったり、どんどん変化をしております。それを六カ月たって回答をいただいても、やった業者はやり得というようなことで、業界は、血で血を洗うような競争をしている。
そのはざまにあって、大手と言われる日本の家電メーカーが、家電製品でほとんどのメーカーが赤字になっております。これは、地域店はメーカーの思うままの価格、量販店は毎週商談会が開かれ、そのたびに、卸価格はないにも等しい、メーカー同士の競争のもとで強要された、強要されたと言うと語弊があるかもしれませんけれども、競争場裏の中でどんどん安くなっている、地域店はそうした商談すらできない、メーカーの決められた価格で買っている、そこに格差が出てきてしまうわけであります。
私どものような業界は、耐久消費財でありながら、野菜と同じような市況の価格になっている。この実態を公取さんにぜひ調べていただきたい、聞き取りでなくて現実を調べていただきたいということをきょうの機会にお願いしておきます。ということは、今度の改正の法ができても、立派なのができても、運用や活用や思い切った踏み込みをしない限り法が生きてこないということを、私はきょうの機会にぜひお訴えをしておきたいというふうに思います。
なお、差別対価について先ほど少しく申し上げましたけれども、この差別対価というのは、私どもは、基本的には卸価格というものがあるわけであります。そして、今回二万件からの申告をしている中で、公取さんは、メーカーの、卸だけの表面的な価格しか聞いていないわけであります。したがって、これには差別対価はないというような報告をいただいているわけであります。現実を調べない、ここに、ある面、一生懸命申告をしている組合員からは、これは何のガイドラインなのよという声が聞かれるわけであります。
どうか、量販店それからメーカーの調査をしていただきたい。聞き取りであるならばメーカーは何も問題のない答弁をされるけれども、そういう実態がない。
皆さん方のお手元に資料として差し上げてある価格調査分析の結果でありますけれども、これについてちょっと説明をさせていただきます。
これは量販ごとに調査をした中の抜粋でございますので御理解をいただきたいと思いますけれども、一番下の欄のブルーの色のかかっている逆ざやの問題であります。
逆ざやというのは、地域店の卸価格で売ったら量販店の小売より高くなるという数字であります。私どもの仕入れの価格が、量販店が広告で出している価格、小売されている価格よりかも高い、量販店が五万で売るものを地域店は五万五千で仕入れている、六万で仕入れているという現実のものであります。したがって、これでは商売にならないわけであります。
もっと言えば、逆ざやは出なくても、卸と小売ととんとんならこの表の数字に出てきません。そういう考え方をしますと、半分以上の商品が、地域店は量販店と入り口の価格で対抗ができない、こういう状況になっているわけであります。
その実態を幾ら訴えても不当差別対価なしというような返答をいただいていることに地域の電気店はいたたまれなくなって、先ほど申し上げたこういう組織に入って、本来自営業でしっかりやらなきゃいけないものが、最近は量販店のFCというような形またはVCというような形で、量販店から仕入れた方が正規のメーカーから仕入れるより安い。この現実を一つ見ても、いかに差別対価が大きいかということを公取の皆さんに調べていただきたいというのが私どもの思いであります。
優越的地位の濫用があるかないかは別にして、全くかけ離れた価格で商売をされる。電気製品は、今、新製品が出た次の週から、卸値はないに等しい価格で商談が進んでいるのが実態であります。どうか、一度公取さんは、メーカーに対し、量販店に対し調査をしていただきたい。聞き取りでなくて、本当の意味の立入調査をしていただいたら実態がおわかりいただけるというふうに思っております。
時間の都合もありますので、公取さんは、量販店と地域店の平均的な価格差は一四・七%から三%の事実開きがありますということを書かれておりますけれども、これは大きな数字のあやであります。
今、ポイント政策というのが量販店ではやっておりますけれども、ポイントとは何ぞやといったら、これはまさしく、公正取引委員会さんは値引きであるという法解釈をされております。私どもは、ポイントというのはおまけであるというふうに理解をしておったところでありますし、そういう性質のものではないでしょうか。多額なポイントがどんどんつけられることによって、消費者は、必要以上の高いお金を払って、後は拘束された金でその企業から買わなければならないようなポイント政策になっている。このたび出たエコ・アクション・ポイントはそれに似たような誤解を受けやすい状況にもなっておるというのが、今の家電業界のポイント政策であります。
どうか、この省エネポイント政策もうまく活用して、景気浮揚になったり、または消費者のプラスになったり、エコの推進ができれば私ども業界としては大変ありがたいわけでありますけれども、ある意味では、そのエコポイントすら、量販店の大きな二〇、三〇というようなポイントが出てくれば五%のエコポイントは影が薄くなる、そういうことを心配している私どもでございますので、その辺も御理解をいただければ大変ありがたいと思います。
最後に、この価格格差、今、実態の仕入れ価格との差もしかりでありますけれども、いま一つ大きなのは、派遣員というヘルパーでございます。メーカーが量販店に出しているヘルパーは、想像を絶する数が出ておるわけであります。毎週土日は当たり前であります。これは、優越的地位濫用に基づいたところの、公正取引委員会さんからあるメーカーには排除、注意文書が出ました。
ところが、その反面、出た後で、またまた、これはメーカーが使ってくれと言っているんだ、メーカーが商売を伸ばすために使ってくれと言うから、私どもは優越的地位の濫用じゃない、メーカーがもうかるためにやっているんだというような、そんな反論すら出てきているようなこの家電業界でございます。
これはまさしく、皆さん方のところに資料が行っていると思いますけれども、百貨店法に基づくところの運用の、「大規模小売業者による納入業者との取引における特定の不公正な取引方法」の中で、「納入業者の従業員等の不当使用等」ということが出ております。これには、「自己等の業務に従事させるため、納入業者の従業員等を派遣させ、又は自己等が雇用する従業員等の人件費を負担させることを原則として禁止。」しているというこの項目であります。
この原則として禁止しているものを、百貨店の例えば化粧品売り場のようなところと同じような感覚で家電業界に派遣を認めていること自体がおかしい、私はこういうふうに思いますので、この辺についても公取さんにいろいろな面で研究をいただきたいということであります。
というのは、デパートへ出てくるところの化粧品会社等は、実際には自分の売り場が決まっているわけであります。そこで自分のブランド品を売るわけでありますけれども、家電の場合は、ずらっと並んだ中で、例えばパナソニック、シャープが出ていっても、自分の商品の説明だけではないんです。よその商品も、聞かれればそれを説明して売っているのが現状であります。まさしく量販店のバイイングパワーにつながる、大きな仕入れ格差につながる要素を持っておりますが、今のところ、これは非常に計算が難しいということもあるでしょうけれども、公正取引委員会さんは現下の差別対価には見ておらないのが実態であります。こういうものも、難しくても禁止をするべきであって、それを対価の計算ができないからといって外すべきものではないというふうに僕は思っております。
したがって、大型量販店が、優越的地位の濫用はなくても、商談の中で大きな力でメーカーさんにぶつかっていく。メーカーは、シェア競争の中でその言い分を聞かざるを得ない。毎週のように開かれる商談会がくせ者であります。
こういうことを独禁法の中でいま一度見直していただくことができれば、私どもの小さな店が社会的に貢献をしていける場がなくならないように、ひとつ、法の適正な運用、そして適正な、迅速な処理を最後にくれぐれもお願いをする次第であります。
どんないい法律でも、これを実行しなければ死んだものになってしまいます。私どもがガイドラインに大変な期待をかけているだけに、今、組合員からの大変な不満が起きて、組織すら危なくなるような状況にあります。量販店の寡占化はますます進んでいる。この寡占化でどうすることもできないかどうか知りませんけれども、私どもは、力がない者は負ければいい、そういう理論でなくて、これからの高齢化社会に地域で一生懸命やる電気店の存続のためにも、この法律の適用を厳正、迅速に行っていただくことをお願い申し上げまして、少しくきょうの議論とも外れているかもしれませんけれども、私どもの業界の実態をお訴え申し上げて、私の説明を終わらせていただきます。
ありがとうございました。拍手
東
東
清
清水清一朗#11
○清水(清)委員 自由民主党の清水清一朗と申します。
本日は、大変お忙しい中、貴重な御意見をお聞かせいただきまして、まことにありがとうございます。
時間の関係で早速始めさせていただきますけれども、私ども、既に御意見を開陳されたものに沿ったものが多いのでございます。つまり、重なっている部分が多いものでございますから、お答えの方もぜひ簡潔に、そして長くとも一分以内にお願いをさせていただきたいと思います。そしてまた、時間の関係上、全般的にお伺いすることはできません。少し小さなところ、細かいところ、そしてまた素人の思い入れのところもございますので、それはお許しをいただきたい、こう思っております。
独禁法につきましては、沿革として、高いものを不当に買わされるという庶民の被害、そしてまた暴利をむさぼる悪徳商人に対する取り締まりというようなところから始まっておられる、つまりカルテルとかトラストとか談合とかということになりますけれども。最近は、優越的な地位を利用して不当に安く品物を納入させる、あるいは不当に安く労働力を提供させる、あるいはそのことによって競争相手を疲弊させることを目的にそれを行うというようなことが多くなってきたように思っております。
この分野について今回の改正も沿っているのではないかと思っておるわけでございますが、これらの問題の中でやはり問題とすべきものは、弱者が得べかりし利益の損失をさせられる、あるいは搾取をさせられるということがあるのではないかと思っております。
今、最大多数の最大幸福というようなことを考えますと、世の中に百の利益があるとして、その五十を削除してしまう。そのうちの四十を大規模店舗あるいは流通業者が得て、そしてあとの五を、あるいは十を小規模の店舗、その他を代表とする参加者の利益とする。五十については実は消費者の利益があるわけでございますけれども、これは余りカウントされません。
社会全体としての利益を百から五十にしてしまう、しかし、これは是であるという考え方があるわけでありますね、消費者の利益が実現されるからということになるわけでございますけれども。
こういう商業形態が是とされる、安売り、あるいは物が安く買える、こういったことが善であるのだ、そういう考え方につきまして、本当に率直な、簡単な御意見で結構なんでございますが、北原参考人から簡単にお願いを申し上げたいと思います。
つまりは、利益を社会全体で享受すれば百あるかもしれない、それを五十にしてでも安く消費者に提供する、そのことによっていろいろな弊害が出る可能性があるけれども、それは是とするんだという考え方についてどうお考えになるか、お伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →本日は、大変お忙しい中、貴重な御意見をお聞かせいただきまして、まことにありがとうございます。
時間の関係で早速始めさせていただきますけれども、私ども、既に御意見を開陳されたものに沿ったものが多いのでございます。つまり、重なっている部分が多いものでございますから、お答えの方もぜひ簡潔に、そして長くとも一分以内にお願いをさせていただきたいと思います。そしてまた、時間の関係上、全般的にお伺いすることはできません。少し小さなところ、細かいところ、そしてまた素人の思い入れのところもございますので、それはお許しをいただきたい、こう思っております。
独禁法につきましては、沿革として、高いものを不当に買わされるという庶民の被害、そしてまた暴利をむさぼる悪徳商人に対する取り締まりというようなところから始まっておられる、つまりカルテルとかトラストとか談合とかということになりますけれども。最近は、優越的な地位を利用して不当に安く品物を納入させる、あるいは不当に安く労働力を提供させる、あるいはそのことによって競争相手を疲弊させることを目的にそれを行うというようなことが多くなってきたように思っております。
この分野について今回の改正も沿っているのではないかと思っておるわけでございますが、これらの問題の中でやはり問題とすべきものは、弱者が得べかりし利益の損失をさせられる、あるいは搾取をさせられるということがあるのではないかと思っております。
今、最大多数の最大幸福というようなことを考えますと、世の中に百の利益があるとして、その五十を削除してしまう。そのうちの四十を大規模店舗あるいは流通業者が得て、そしてあとの五を、あるいは十を小規模の店舗、その他を代表とする参加者の利益とする。五十については実は消費者の利益があるわけでございますけれども、これは余りカウントされません。
社会全体としての利益を百から五十にしてしまう、しかし、これは是であるという考え方があるわけでありますね、消費者の利益が実現されるからということになるわけでございますけれども。
こういう商業形態が是とされる、安売り、あるいは物が安く買える、こういったことが善であるのだ、そういう考え方につきまして、本当に率直な、簡単な御意見で結構なんでございますが、北原参考人から簡単にお願いを申し上げたいと思います。
つまりは、利益を社会全体で享受すれば百あるかもしれない、それを五十にしてでも安く消費者に提供する、そのことによっていろいろな弊害が出る可能性があるけれども、それは是とするんだという考え方についてどうお考えになるか、お伺いしたいと思います。
北
北原國人#12
○北原参考人 私どもは、消費者に安く物が渡ることは結構なことであるというふうに基本的に思っております。ただ、私どもの業界の場合には、多少そこに、価格のほかに、アフターであるとかいろいろなものが乗ってくる要素がありますので、その範囲は御理解をいただきたいなというふうに思います。
基本的には、量販店、量を売るところの価格と地域店の仕入れ価格が極端に違うということが、市場では、一生懸命やればやるほど、地域店というのは詐欺師みたいに思われるんですね。なぜ量販で五万で買えるのに地域店は七万で売るのよ、八万で売るのよ、こういう全く信用すらなくすような状況になっている。
私どもは、どこまでも格差を縮めていただきたい。それによって消費者に物が安く行くことはいささかも問題がないと思っておりますので、競争ができない価格で、地域店が残ろうとしてもできない、これは大きな問題だろうという、不当差別対価に対しての提言をしているところでございますので、御理解をいただきたいと思います。
この発言だけを見る →基本的には、量販店、量を売るところの価格と地域店の仕入れ価格が極端に違うということが、市場では、一生懸命やればやるほど、地域店というのは詐欺師みたいに思われるんですね。なぜ量販で五万で買えるのに地域店は七万で売るのよ、八万で売るのよ、こういう全く信用すらなくすような状況になっている。
私どもは、どこまでも格差を縮めていただきたい。それによって消費者に物が安く行くことはいささかも問題がないと思っておりますので、競争ができない価格で、地域店が残ろうとしてもできない、これは大きな問題だろうという、不当差別対価に対しての提言をしているところでございますので、御理解をいただきたいと思います。
清
清水清一朗#13
○清水(清)委員 ありがとうございます。
現在の独占行政につきまして、小規模事業者の方々の、近代の社会の変化に伴う状況、無力感といいますか、あるいは不平等、不公正感、先ほどお話があった、不満を抱いているというようなことがあるのかなと私ども思っております。酒小売あるいはたばこ、家電小売、ガソリンスタンド、このような方々の心の中はまさにそのような状況なのではなかろうかと思っております。
私自身は、社会のフェアネスの実現、公正さを確保するためにも改革あるべし、こう思っておるわけでございますけれども、何が不当なのかということにつきまして、わかりやすいガイドラインが必要であるということのお話をお伺いしました。現在、ガイドラインもあるわけではございますけれども、しかし、それが信頼されているのかどうか、ちょっと私どもも心配になってまいりました。
ガイドラインのあり方について、齋藤参考人と北原参考人に大体一分以内でぜひお願いしたいと思います。
この発言だけを見る →現在の独占行政につきまして、小規模事業者の方々の、近代の社会の変化に伴う状況、無力感といいますか、あるいは不平等、不公正感、先ほどお話があった、不満を抱いているというようなことがあるのかなと私ども思っております。酒小売あるいはたばこ、家電小売、ガソリンスタンド、このような方々の心の中はまさにそのような状況なのではなかろうかと思っております。
私自身は、社会のフェアネスの実現、公正さを確保するためにも改革あるべし、こう思っておるわけでございますけれども、何が不当なのかということにつきまして、わかりやすいガイドラインが必要であるということのお話をお伺いしました。現在、ガイドラインもあるわけではございますけれども、しかし、それが信頼されているのかどうか、ちょっと私どもも心配になってまいりました。
ガイドラインのあり方について、齋藤参考人と北原参考人に大体一分以内でぜひお願いしたいと思います。
齋
齋藤憲道#14
○齋藤参考人 齋藤でございます。
ガイドラインは、末端までいろいろありますけれども、現場の者に理解できる形でできるだけ提示していただきたい、こう思います。これは、一般的にも皆そうです。
産業構造が変わる過程でどうかというようなプロセスもあろうかと思います。これは、産業政策の方で手当てしていただくとして、やはり国民の生活、消費者の視点で見たときにどうかということに最後はなると思います。
そのときに、日本の国内だけで事が完結するかというと、海外からもたくさん入ってくるわけであります。特に工業製品については関税率がほとんどゼロになっておりますので、そのあたりをどうするかという広い視点が必要かと思っております。
この発言だけを見る →ガイドラインは、末端までいろいろありますけれども、現場の者に理解できる形でできるだけ提示していただきたい、こう思います。これは、一般的にも皆そうです。
産業構造が変わる過程でどうかというようなプロセスもあろうかと思います。これは、産業政策の方で手当てしていただくとして、やはり国民の生活、消費者の視点で見たときにどうかということに最後はなると思います。
そのときに、日本の国内だけで事が完結するかというと、海外からもたくさん入ってくるわけであります。特に工業製品については関税率がほとんどゼロになっておりますので、そのあたりをどうするかという広い視点が必要かと思っております。
北
北原國人#15
○北原参考人 私どもは、先ほど申し上げましたように、ガイドラインは、家電業界向けのガイドラインをつくっていただいたというのが十八年でございますので、これに内容的には満足しているものの、ただ、運用の点で一つ御理解をいただきたい、こういうことであります。
この発言だけを見る →清
清水清一朗#16
○清水(清)委員 ありがとうございます。
資料によりますと、不当廉売に関する措置の件数、平成十六年から平成二十一年四月の二十二日まで、実は、警告が十九件、排除措置命令が三件、注意についてはたくさんあるということでございますが、二十年度だけで三千六百五十五件。
そして、先ほどお話がありましたように、注意については、注意をしましたという答えが文書で来る。そして、それは電話で、あるいは口頭で注意をしましたというようなことになってくるわけでございますけれども、私どもは、どうも不足、あるいは件数も少ないのではないかというぐあいに感じるところでございます。
そして、申告が少ないのか、あるいは公正取引委員会の扱いが少ないのかについて、公正取引委員会の職員の定数の問題もあろうかと思います。この定数が十分なのかどうかということにつきまして、簡単にでございますけれども、北原参考人にお願いしたいと思います。
この発言だけを見る →資料によりますと、不当廉売に関する措置の件数、平成十六年から平成二十一年四月の二十二日まで、実は、警告が十九件、排除措置命令が三件、注意についてはたくさんあるということでございますが、二十年度だけで三千六百五十五件。
そして、先ほどお話がありましたように、注意については、注意をしましたという答えが文書で来る。そして、それは電話で、あるいは口頭で注意をしましたというようなことになってくるわけでございますけれども、私どもは、どうも不足、あるいは件数も少ないのではないかというぐあいに感じるところでございます。
そして、申告が少ないのか、あるいは公正取引委員会の扱いが少ないのかについて、公正取引委員会の職員の定数の問題もあろうかと思います。この定数が十分なのかどうかということにつきまして、簡単にでございますけれども、北原参考人にお願いしたいと思います。
北
北原國人#17
○北原参考人 人数の問題はちょっと私どもにはよくわかりませんけれども、二十年度は二十万件の申告をいたしております。その結論は、まだ不当差別対価は一件も出ておりません。
ということは、それだけ調査が難しいということもあると思いますので、私が先ほど申し上げたように、立入調査をやらない限り、表面的な価格だけの聞き取りでは真実はつかめないだろうということで、公取さんの奮起をお願いしたいところでございます。
この発言だけを見る →ということは、それだけ調査が難しいということもあると思いますので、私が先ほど申し上げたように、立入調査をやらない限り、表面的な価格だけの聞き取りでは真実はつかめないだろうということで、公取さんの奮起をお願いしたいところでございます。
清
清水清一朗#18
○清水(清)委員 ありがとうございます。
排除命令がなされても、その後、実は得べかりし利益、または既に喪失された財産の回復のために民事上の損害賠償に踏み込む例が少ないと聞いております。これは、つまりその時点で勝負がついてしまっていて、疲弊してしまっているために、改めて費用を負担して損害賠償を図る余力がなくなってしまっているというようなこともあるんではなかろうと思っておるところでございます。
この損害賠償につきまして、審判の行われた時点で早期に、課徴金その他から事前に被害者の損害賠償に充てるという方策を考えることにつきましてはいかがでございましょうか、村上参考人にお願いしたいと思います。
もう一回言いましょうか、ちょっと素人的なことで急に言った提案でございますので。
審判が出た段階で、それから先に、損害賠償に踏み込むかどうかの問題があるということですね。その時点で実際にはもう余力を失ってしまっている被害者の方々が多いということになろうかと思うのですが、それから先に踏み込むに当たりまして、審判の出た時点で実は課徴金を財源として事前に手当てをするという方向を取り入れたらどうかということにつきまして、御意見をいただきたいと思います。
この発言だけを見る →排除命令がなされても、その後、実は得べかりし利益、または既に喪失された財産の回復のために民事上の損害賠償に踏み込む例が少ないと聞いております。これは、つまりその時点で勝負がついてしまっていて、疲弊してしまっているために、改めて費用を負担して損害賠償を図る余力がなくなってしまっているというようなこともあるんではなかろうと思っておるところでございます。
この損害賠償につきまして、審判の行われた時点で早期に、課徴金その他から事前に被害者の損害賠償に充てるという方策を考えることにつきましてはいかがでございましょうか、村上参考人にお願いしたいと思います。
もう一回言いましょうか、ちょっと素人的なことで急に言った提案でございますので。
審判が出た段階で、それから先に、損害賠償に踏み込むかどうかの問題があるということですね。その時点で実際にはもう余力を失ってしまっている被害者の方々が多いということになろうかと思うのですが、それから先に踏み込むに当たりまして、審判の出た時点で実は課徴金を財源として事前に手当てをするという方向を取り入れたらどうかということにつきまして、御意見をいただきたいと思います。
村
村上政博#19
○村上参考人 損害賠償請求をそういう不当廉売等に対してどの程度活用できるのかという質問だと受けとめまして、お答えさせていただきます。
基本的に、損害賠償請求する場合には、まず、違反事実があるかないかというものの立証をしなければなりません。公正取引委員会が、例えば排除措置命令でも、もしくは、恐らく警告にしても、一定の処理をとった場合には、やはりその行為は違反であるという強い推定が働きます。したがって、その違反行為に基づいて得べかりし利益というか損害が発生した場合にはそれを裁判所に対して請求ができる、そういう関係になります。
それで、今の質問は、それ以前にも実効的な措置がとれるか、そういう質問だと思いますが、そうすると、今度は、裁判所に取り消し訴訟を持っていく形になります。持っていく被害者の小売店が、違反があった、例えば独占禁止法に違反する不当廉売があったということを裁判所に向かって立証しなければならないのです。
今までも、そういう訴訟、不当廉売に限らず、独占禁止法違反で損害賠償請求がなされた事件は何件もございます。ただ、原告側が勝つ確率はそれほど高くはないというのが実態です。
それはなぜかというと、公正取引委員会が事件調査をして、立入検査して証拠を集めて、違反があるとして命令が出ている場合には、裁判所も認めますし、またその証拠を取り寄せて立証することもできますが、小売店が裁判所に行きまして、本当に大規模小売店が幾らで購入しているか、原価、コストを割っているか、そこを立証して、独占禁止法違反であるという立証がかなり困難であるので、実際の実務としてはそこが難しくなっているかというふうに考えております。大体そういう感じの関係になろうかと思います。
この発言だけを見る →基本的に、損害賠償請求する場合には、まず、違反事実があるかないかというものの立証をしなければなりません。公正取引委員会が、例えば排除措置命令でも、もしくは、恐らく警告にしても、一定の処理をとった場合には、やはりその行為は違反であるという強い推定が働きます。したがって、その違反行為に基づいて得べかりし利益というか損害が発生した場合にはそれを裁判所に対して請求ができる、そういう関係になります。
それで、今の質問は、それ以前にも実効的な措置がとれるか、そういう質問だと思いますが、そうすると、今度は、裁判所に取り消し訴訟を持っていく形になります。持っていく被害者の小売店が、違反があった、例えば独占禁止法に違反する不当廉売があったということを裁判所に向かって立証しなければならないのです。
今までも、そういう訴訟、不当廉売に限らず、独占禁止法違反で損害賠償請求がなされた事件は何件もございます。ただ、原告側が勝つ確率はそれほど高くはないというのが実態です。
それはなぜかというと、公正取引委員会が事件調査をして、立入検査して証拠を集めて、違反があるとして命令が出ている場合には、裁判所も認めますし、またその証拠を取り寄せて立証することもできますが、小売店が裁判所に行きまして、本当に大規模小売店が幾らで購入しているか、原価、コストを割っているか、そこを立証して、独占禁止法違反であるという立証がかなり困難であるので、実際の実務としてはそこが難しくなっているかというふうに考えております。大体そういう感じの関係になろうかと思います。
清
清水清一朗#20
○清水(清)委員 ありがとうございます。
公正取引委員会で審判が出た後であれば多少はということでございましょうけれども、なかなか手続的に難しいということだと思います。
実は、ほかに聞きたいことがあったんですが、一つ割愛をさせていただきます。
最後に、ちょっと時間的にかなりになると思いますので、一番最後の問題だけ先に聞かせていただきたいと思います。
被害を受けた方々が申告するかどうかについて、相手方との取引関係が非常に親密であったり深いということがあって、あるいはその後、不利益な取り扱いを受ける可能性も否定できないというようなことから、泣き寝入りということも往々にしてあろうかと思います。また、手続が通常の小売店の方々にとっては非常に煩雑であるというようなことも隘路になっているのかなと思うところがあるわけでございます。
そこで、素人の提案ではございますが、具体的にこういう提案があった場合にどうお考えになるかということでございます。
実際の事例に際して、事態の調査、被害の実情、あるいは書類の作成等を代行するNPOのような組織、実は私ども、数年あるいは十年ぐらい前に、オランダに、小売業者あるいは小規模の仕事をされている方が廃業されるときに、その廃業の手続、清算からすべて、法律的なものについても代行する組織があるというので、調べに行きました。現実にございまして、当時、ユーロに統一するという状況の前の年でございましたから、各EUの国々が、商業的な条件を全部統一するということで、そういうものをなくすということで動いておったところでございます。
私どもが調べたところによると、彼らは、実際にそういう仕事をして事業者の個人的負担をほとんど、債務もゼロにするような形で処理をされておりますけれども、しかし、収入は、報酬は国からの小切手だけでございました。彼らははっきり、公務員ではないんですよ、清水さん、こうおっしゃったんですが、何かおかしなところもございました。そしてまた、ドイツにはもっと手厚い措置をする組織がありますよ、こうおっしゃっておりました。
現在も、実は名前を変えてNPOとして、企業の経営者のOBだとか弁護士さん、税理士さん、会計士さん、そういった方々を中心としたメンバーがあられて、実際に同じような仕事をされているようでございます。
そういった例もありますので、日本におきましては、公正取引委員会のこの問題につきまして、今私が申し上げましたように、実態を調べるところから書類を作成して提出するまでを代行するというようなNPOの組織を推進することができたらどうか。そしてまた、その費用は、課徴金を今よりもすべて倍に上げて、そこの収入からこれを支払うというような組織を考えていくとしたら、皆様方お一人お一人、どんな評価をされるか、あるいは評価までいかないかもしれませんけれども、お考えを持たれるか、お一人一分以内でお願いをしたいと思います。
この発言だけを見る →公正取引委員会で審判が出た後であれば多少はということでございましょうけれども、なかなか手続的に難しいということだと思います。
実は、ほかに聞きたいことがあったんですが、一つ割愛をさせていただきます。
最後に、ちょっと時間的にかなりになると思いますので、一番最後の問題だけ先に聞かせていただきたいと思います。
被害を受けた方々が申告するかどうかについて、相手方との取引関係が非常に親密であったり深いということがあって、あるいはその後、不利益な取り扱いを受ける可能性も否定できないというようなことから、泣き寝入りということも往々にしてあろうかと思います。また、手続が通常の小売店の方々にとっては非常に煩雑であるというようなことも隘路になっているのかなと思うところがあるわけでございます。
そこで、素人の提案ではございますが、具体的にこういう提案があった場合にどうお考えになるかということでございます。
実際の事例に際して、事態の調査、被害の実情、あるいは書類の作成等を代行するNPOのような組織、実は私ども、数年あるいは十年ぐらい前に、オランダに、小売業者あるいは小規模の仕事をされている方が廃業されるときに、その廃業の手続、清算からすべて、法律的なものについても代行する組織があるというので、調べに行きました。現実にございまして、当時、ユーロに統一するという状況の前の年でございましたから、各EUの国々が、商業的な条件を全部統一するということで、そういうものをなくすということで動いておったところでございます。
私どもが調べたところによると、彼らは、実際にそういう仕事をして事業者の個人的負担をほとんど、債務もゼロにするような形で処理をされておりますけれども、しかし、収入は、報酬は国からの小切手だけでございました。彼らははっきり、公務員ではないんですよ、清水さん、こうおっしゃったんですが、何かおかしなところもございました。そしてまた、ドイツにはもっと手厚い措置をする組織がありますよ、こうおっしゃっておりました。
現在も、実は名前を変えてNPOとして、企業の経営者のOBだとか弁護士さん、税理士さん、会計士さん、そういった方々を中心としたメンバーがあられて、実際に同じような仕事をされているようでございます。
そういった例もありますので、日本におきましては、公正取引委員会のこの問題につきまして、今私が申し上げましたように、実態を調べるところから書類を作成して提出するまでを代行するというようなNPOの組織を推進することができたらどうか。そしてまた、その費用は、課徴金を今よりもすべて倍に上げて、そこの収入からこれを支払うというような組織を考えていくとしたら、皆様方お一人お一人、どんな評価をされるか、あるいは評価までいかないかもしれませんけれども、お考えを持たれるか、お一人一分以内でお願いをしたいと思います。
村
村上政博#21
○村上参考人 手短に答えます。
その方策で具体的な案となるのは、むしろ事業者団体、例えば小売の組合とかそういうものに対して、差しどめの請求訴訟を認める形になるかと思います。それから、そのときには、先ほど弁護士連合会の代表の人からもありましたように、文書提出命令で証拠を集める機能を強くしなければ実際には働きません。
それから、費用の点は、むしろ直接そういう団体に対して補助金を払うという方が妥当な施策になろうかと思います。
以上でございます。
この発言だけを見る →その方策で具体的な案となるのは、むしろ事業者団体、例えば小売の組合とかそういうものに対して、差しどめの請求訴訟を認める形になるかと思います。それから、そのときには、先ほど弁護士連合会の代表の人からもありましたように、文書提出命令で証拠を集める機能を強くしなければ実際には働きません。
それから、費用の点は、むしろ直接そういう団体に対して補助金を払うという方が妥当な施策になろうかと思います。
以上でございます。
出
出井直樹#22
○出井参考人 清水委員から、非常に貴重な御提言をいただいたと思います。
実は、私ども日本弁護士連合会も、消費者の問題それから中小企業の問題は、社会のセーフティーネットという観点から非常に重視しておりまして、消費者につきましては、今般の消費者庁関係の措置である程度前進すると思います。もう一つは、やはり中小企業であると思います。
中小企業につきましては、法テラスのような、そういうものができないかということで、これから弁護士会でも検討する予定でございます。その中で、今御提言のありましたような、NPO法人がいろいろな手続を代行する。この手続というのも、裁判もあるでしょうし、公正取引委員会への申告もあるでしょうし、あるいは裁判外紛争解決、ADRもあるかと思います。
ということで、御提言いただいたものは非常に魅力のある案だと思っておりますので、私どもも可能な範囲でそこは検討をしてまいりたいと思います。
ありがとうございます。
この発言だけを見る →実は、私ども日本弁護士連合会も、消費者の問題それから中小企業の問題は、社会のセーフティーネットという観点から非常に重視しておりまして、消費者につきましては、今般の消費者庁関係の措置である程度前進すると思います。もう一つは、やはり中小企業であると思います。
中小企業につきましては、法テラスのような、そういうものができないかということで、これから弁護士会でも検討する予定でございます。その中で、今御提言のありましたような、NPO法人がいろいろな手続を代行する。この手続というのも、裁判もあるでしょうし、公正取引委員会への申告もあるでしょうし、あるいは裁判外紛争解決、ADRもあるかと思います。
ということで、御提言いただいたものは非常に魅力のある案だと思っておりますので、私どもも可能な範囲でそこは検討をしてまいりたいと思います。
ありがとうございます。
齋
齋藤憲道#23
○齋藤参考人 私の今思いついたポイントは、流通段階がいろいろございます。そこでトータルした利益がだれに還元されるべきかとかいうような観点で検討されることになると思います。ケースがたくさんあると思いますが、いろいろな業界によって当事者が変わってくる、被害の額もどう認定していいかわからないというような業界もあろうかと思います。
そうすると、広くは民事訴訟手続の中でどういうふうに位置づけるんだということを考えてこの問題を検討していかないと、大きな漏れ、それから矛盾が出てくるようになると思います。
この発言だけを見る →そうすると、広くは民事訴訟手続の中でどういうふうに位置づけるんだということを考えてこの問題を検討していかないと、大きな漏れ、それから矛盾が出てくるようになると思います。
北
北原國人#24
○北原参考人 基本的には、NPO法人等があれば、私は賛成でございます。
ただ、今のところ、私どもの申告は、事務局が代行したり、その手伝いをしているところが各県ごとにありますので、そういう組織があればできれば活用をしていきたいというふうに思っております。
それから、委員長、先ほどのことで一つだけ訂正をさせてください。私、二十万件と言いましたが、二万件の誤りでございます。資料の数字が正しゅうございますので、訂正をさせていただきます。
この発言だけを見る →ただ、今のところ、私どもの申告は、事務局が代行したり、その手伝いをしているところが各県ごとにありますので、そういう組織があればできれば活用をしていきたいというふうに思っております。
それから、委員長、先ほどのことで一つだけ訂正をさせてください。私、二十万件と言いましたが、二万件の誤りでございます。資料の数字が正しゅうございますので、訂正をさせていただきます。
清
清水清一朗#25
○清水(清)委員 ありがとうございました。
村上参考人それから出井参考人に今回の焦点であります審判制度のあり方について本当はお伺いするつもりでございましたが、時間がなくなってしまいまして、後の方に譲ります。
本当にきょうはありがとうございました。
この発言だけを見る →村上参考人それから出井参考人に今回の焦点であります審判制度のあり方について本当はお伺いするつもりでございましたが、時間がなくなってしまいまして、後の方に譲ります。
本当にきょうはありがとうございました。
東
赤
赤羽一嘉#27
○赤羽委員 公明党の赤羽一嘉でございます。
きょうは、参考人の皆様方におかれましては、大変御多忙な中にもかかわりませず、御足労賜り、また貴重な御意見をお伺いさせていただきまして、大変ありがとうございます。
時間が限られておりますが、質問させていただきたいと思います。
まず、村上先生が冒頭、競争法は国際市場における共通事業活動ルールにするべきだと。まさに経済活動はグローバルでありますから、その土俵を統一化するというか、同じルールにしていくということは、それは我が国にとっても、また国際社会においてもあるべき姿だということは、私もそう思うわけでございます。
そこで、まず最初に確認をしておきたいんですが、不公正取引方法に対する課徴金の中で、優越的地位の濫用行為に対する課徴金制度を設けて、当該行為に対する違反抑止力を高めようとするわけでありますけれども、このような行為に対して、現状、欧米では余り類似の規制がないというふうに伺っておりますが、この点に関して、冒頭申し上げました国際的整合性との観点から、規制手段の強化となる課徴金制度の導入についてどのような御見解なのか、お伺いできたらいただきたいと思いますが、よろしくお願いします。
この発言だけを見る →きょうは、参考人の皆様方におかれましては、大変御多忙な中にもかかわりませず、御足労賜り、また貴重な御意見をお伺いさせていただきまして、大変ありがとうございます。
時間が限られておりますが、質問させていただきたいと思います。
まず、村上先生が冒頭、競争法は国際市場における共通事業活動ルールにするべきだと。まさに経済活動はグローバルでありますから、その土俵を統一化するというか、同じルールにしていくということは、それは我が国にとっても、また国際社会においてもあるべき姿だということは、私もそう思うわけでございます。
そこで、まず最初に確認をしておきたいんですが、不公正取引方法に対する課徴金の中で、優越的地位の濫用行為に対する課徴金制度を設けて、当該行為に対する違反抑止力を高めようとするわけでありますけれども、このような行為に対して、現状、欧米では余り類似の規制がないというふうに伺っておりますが、この点に関して、冒頭申し上げました国際的整合性との観点から、規制手段の強化となる課徴金制度の導入についてどのような御見解なのか、お伺いできたらいただきたいと思いますが、よろしくお願いします。
村
村上政博#28
○村上参考人 お答え申し上げます。
むしろ欧米では、優越的な地位の濫用という発想よりは、一般的な購買力の濫用という感じの発想で、規制するものは規制する。大きな量販店その他がいわゆる購買市場で大きな力を持っていて、その力を濫用するという一般的な原則について規制する形になっています。
それともう一つ、今、世界的にはない規制というお話でしたが、そこは余り心配する必要はないので、競争法の中には、各国、その国独自の規制というのはそれぞれ持っております。そういう意味で、私は、日本において、独占禁止法上、優越的な地位の濫用を使うこと、それが存在することに特に問題はないと考えております。
以上でございます。
この発言だけを見る →むしろ欧米では、優越的な地位の濫用という発想よりは、一般的な購買力の濫用という感じの発想で、規制するものは規制する。大きな量販店その他がいわゆる購買市場で大きな力を持っていて、その力を濫用するという一般的な原則について規制する形になっています。
それともう一つ、今、世界的にはない規制というお話でしたが、そこは余り心配する必要はないので、競争法の中には、各国、その国独自の規制というのはそれぞれ持っております。そういう意味で、私は、日本において、独占禁止法上、優越的な地位の濫用を使うこと、それが存在することに特に問題はないと考えております。
以上でございます。
赤
赤羽一嘉#29
○赤羽委員 ありがとうございます。
また、今回の法改正では、繰り返しになりますが、課徴金の対象範囲について大幅な拡大が図られるわけでございます。
これは、先ほど北原参考人の陳述にもございましたように、私たち政治家も現場を歩いていることが多くて、さまざまな不公正な取引に対して、何らそれに対する運用というか措置が実効性が上がっていないと大変厳しいおしかりを受ける立場でございます。
電機業界もそうかもしれませんが、特にお酒の世界でも、例えばビールなんかでも、商品自体のブレークダウンというのはできるわけで、その中の三分の二ぐらいが酒税というお酒の税金があって、そこの中であり得ない小売単価というものが存在する。そこで競争させられるということは、これは私は、商売上の努力の範囲を超えている、合理性のない話だということで、以前、この委員会でもいろいろ主張をしまして、ガイドラインというものが設けられたんですが、残念ながら、北原参考人の御発言どおり、ガイドラインはあっても摘発は、現実には注意はしても実効性が上がらない、こういったことが大半でありました。
どう見ても不思議な話で、私も実家が小売のパン屋だったものですから、余りにも、こういったことを看過するということは、これはまさに不公正な、商売の努力という以前の話だというふうに考えているわけでございますが、今回、こういったものが対象となるということは、私は、正しい話、方向だというふうに思っております。
先ほどの北原参考人の陳述に対しまして、齋藤参考人の立場からは、たまたま同じ業界でもありますし、メーカー側と小売店ということであると思いますが、どのような御見解にあるのか、率直にお述べいただければと思います。
この発言だけを見る →また、今回の法改正では、繰り返しになりますが、課徴金の対象範囲について大幅な拡大が図られるわけでございます。
これは、先ほど北原参考人の陳述にもございましたように、私たち政治家も現場を歩いていることが多くて、さまざまな不公正な取引に対して、何らそれに対する運用というか措置が実効性が上がっていないと大変厳しいおしかりを受ける立場でございます。
電機業界もそうかもしれませんが、特にお酒の世界でも、例えばビールなんかでも、商品自体のブレークダウンというのはできるわけで、その中の三分の二ぐらいが酒税というお酒の税金があって、そこの中であり得ない小売単価というものが存在する。そこで競争させられるということは、これは私は、商売上の努力の範囲を超えている、合理性のない話だということで、以前、この委員会でもいろいろ主張をしまして、ガイドラインというものが設けられたんですが、残念ながら、北原参考人の御発言どおり、ガイドラインはあっても摘発は、現実には注意はしても実効性が上がらない、こういったことが大半でありました。
どう見ても不思議な話で、私も実家が小売のパン屋だったものですから、余りにも、こういったことを看過するということは、これはまさに不公正な、商売の努力という以前の話だというふうに考えているわけでございますが、今回、こういったものが対象となるということは、私は、正しい話、方向だというふうに思っております。
先ほどの北原参考人の陳述に対しまして、齋藤参考人の立場からは、たまたま同じ業界でもありますし、メーカー側と小売店ということであると思いますが、どのような御見解にあるのか、率直にお述べいただければと思います。