厚生労働委員会

2017-03-24 衆議院 全244発言

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会議録情報#0
平成二十九年三月二十四日(金曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 丹羽 秀樹君
   理事 後藤 茂之君 理事 田村 憲久君
   理事 高鳥 修一君 理事 とかしきなおみ君
   理事 三ッ林裕巳君 理事 井坂 信彦君
   理事 柚木 道義君 理事 桝屋 敬悟君
      赤枝 恒雄君    秋葉 賢也君
      穴見 陽一君    江渡 聡徳君
      大隈 和英君    大野敬太郎君
      勝沼 栄明君    金子万寿夫君
      木原 誠二君    小松  裕君
      國場幸之助君    白須賀貴樹君
      新谷 正義君    田中 英之君
      高橋ひなこ君    谷川 とむ君
      冨岡  勉君    豊田真由子君
      中川 郁子君    長尾  敬君
      丹羽 雄哉君    福山  守君
      堀内 詔子君    務台 俊介君
      村井 英樹君    山下 貴司君
      阿部 知子君    大西 健介君
      岡本 充功君    郡  和子君
      中島 克仁君    長妻  昭君
      初鹿 明博君    水戸 将史君
      伊佐 進一君    角田 秀穂君
      中野 洋昌君    高橋千鶴子君
      堀内 照文君    河野 正美君
    …………………………………
   厚生労働大臣       塩崎 恭久君
   厚生労働副大臣      橋本  岳君
   厚生労働副大臣      古屋 範子君
   内閣府大臣政務官     豊田 俊郎君
   文部科学大臣政務官    樋口 尚也君
   厚生労働大臣政務官    堀内 詔子君
   厚生労働大臣政務官    馬場 成志君
   政府参考人
   (内閣官房働き方改革実現推進室次長)       小林 洋司君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房総括審議官)         義本 博司君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房年金管理審議官)       伊原 和人君
   政府参考人
   (厚生労働省医政局長)  神田 裕二君
   政府参考人
   (厚生労働省健康局長)  福島 靖正君
   政府参考人
   (厚生労働省医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全部長)           北島 智子君
   政府参考人
   (厚生労働省労働基準局長)            山越 敬一君
   政府参考人
   (厚生労働省労働基準局安全衛生部長)       田中 誠二君
   政府参考人
   (厚生労働省雇用均等・児童家庭局長)       吉田  学君
   政府参考人
   (厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長)    堀江  裕君
   政府参考人
   (厚生労働省保険局長)  鈴木 康裕君
   政府参考人
   (農林水産省政策統括官付参事官)         小川 良介君
   政府参考人
   (観光庁次長)      蝦名 邦晴君
   厚生労働委員会専門員   中村  実君
    —————————————
委員の異動
三月二十四日
 辞任         補欠選任
  赤枝 恒雄君     金子万寿夫君
  木原 誠二君     國場幸之助君
  村井 英樹君     大野敬太郎君
同日
 辞任         補欠選任
  大野敬太郎君     村井 英樹君
  金子万寿夫君     勝沼 栄明君
  國場幸之助君     木原 誠二君
同日
 辞任         補欠選任
  勝沼 栄明君     赤枝 恒雄君
    —————————————
三月二十三日
 新たな患者負担増をやめ、窓口負担の大幅軽減を求めることに関する請願(堀内照文君紹介)(第四八八号)
 さらなる患者負担増計画の中止に関する請願(堀内照文君紹介)(第四八九号)
 同(近藤昭一君紹介)(第五五〇号)
 介護保険制度の見直しに関する請願(堀内照文君紹介)(第四九〇号)
 子供のための予算を大幅にふやし安心できる保育・学童保育の実現を求めることに関する請願(大平喜信君紹介)(第四九一号)
 同(堀内照文君紹介)(第四九二号)
 同(吉川元君紹介)(第四九三号)
 同(中川正春君紹介)(第五〇七号)
 同(畠山和也君紹介)(第五四二号)
 同(近藤昭一君紹介)(第五四九号)
 同(菊田真紀子君紹介)(第五六三号)
 同(水戸将史君紹介)(第五六四号)
 同(小川淳也君紹介)(第六一二号)
 同(宮崎岳志君紹介)(第六一三号)
 難病患者が安心して生き、働ける社会の実現に関する請願(石田祝稔君紹介)(第五〇六号)
 若い人も高齢者も安心できる年金を求めることに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第五一二号)
 同(池内さおり君紹介)(第五一三号)
 同(梅村さえこ君紹介)(第五一四号)
 同(大平喜信君紹介)(第五一五号)
 同(笠井亮君紹介)(第五一六号)
 同(穀田恵二君紹介)(第五一七号)
 同(斉藤和子君紹介)(第五一八号)
 同(志位和夫君紹介)(第五一九号)
 同(清水忠史君紹介)(第五二〇号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第五二一号)
 同(島津幸広君紹介)(第五二二号)
 同(田村貴昭君紹介)(第五二三号)
 同(高橋千鶴子君紹介)(第五二四号)
 同(畑野君枝君紹介)(第五二五号)
 同(畠山和也君紹介)(第五二六号)
 同(藤野保史君紹介)(第五二七号)
 同(堀内照文君紹介)(第五二八号)
 同(真島省三君紹介)(第五二九号)
 同(宮本岳志君紹介)(第五三〇号)
 同(宮本徹君紹介)(第五三一号)
 同(本村伸子君紹介)(第五三二号)
 安全・安心の医療・介護の実現と夜勤交代制労働の改善に関する請願(岡本充功君紹介)(第五三八号)
 同(黒岩宇洋君紹介)(第五三九号)
 同(畠山和也君紹介)(第五四〇号)
 同(小沢一郎君紹介)(第五五一号)
 同(吉良州司君紹介)(第五五二号)
 同(近藤洋介君紹介)(第五五三号)
 同(松木けんこう君紹介)(第五五四号)
 同(宮本徹君紹介)(第五五五号)
 同(大平喜信君紹介)(第五六五号)
 同(笠井亮君紹介)(第五六六号)
 同(菊田真紀子君紹介)(第五六七号)
 同(穀田恵二君紹介)(第五六八号)
 同(斉藤和子君紹介)(第五六九号)
 同(斎藤洋明君紹介)(第五七〇号)
 同(志位和夫君紹介)(第五七一号)
 同(清水忠史君紹介)(第五七二号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第五七三号)
 同(島津幸広君紹介)(第五七四号)
 同(田村貴昭君紹介)(第五七五号)
 同(高橋千鶴子君紹介)(第五七六号)
 同(照屋寛徳君紹介)(第五七七号)
 同(畑野君枝君紹介)(第五七八号)
 同(畠山和也君紹介)(第五七九号)
 同(藤野保史君紹介)(第五八〇号)
 同(堀内照文君紹介)(第五八一号)
 同(黄川田徹君紹介)(第六一四号)
 同(赤嶺政賢君紹介)(第六一八号)
 高齢者福祉の充実に関する請願(篠原孝君紹介)(第五四一号)
は本委員会に付託された。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 厚生労働関係の基本施策に関する件
     ————◇—————
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丹羽秀樹#1
○丹羽委員長 これより会議を開きます。
 厚生労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房働き方改革実現推進室次長小林洋司君、文部科学省大臣官房総括審議官義本博司君、厚生労働省大臣官房年金管理審議官伊原和人君、医政局長神田裕二君、健康局長福島靖正君、医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全部長北島智子君、労働基準局長山越敬一君、労働基準局安全衛生部長田中誠二君、雇用均等・児童家庭局長吉田学君、社会・援護局障害保健福祉部長堀江裕君、保険局長鈴木康裕君、農林水産省政策統括官付参事官小川良介君、観光庁次長蝦名邦晴君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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丹羽秀樹#2
○丹羽委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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丹羽秀樹#3
○丹羽委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。角田秀穂君。
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角田秀穂#4
○角田委員 おはようございます。
 まず、本日、質問の機会を与えていただいたことを心から感謝申し上げたいと思います。
 それでは、早速、順次質問をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 初めに、年金の受給資格期間短縮に関して質問をいたします。
 昨年十一月に成立をした改正年金機能強化法により、無年金者対策として、公的年金の受給資格を得るのに必要な加入期間、受給資格期間が、ことし八月以降、二十五年から十年に短縮をされ、十月支給分から新たな受給対象者に年金が支給をされるということになりました。
 日本年金機構から対象者への請求手続の書類の郵送が開始をされておりますが、新たに対象となられた方が漏れなく年金が受け取れるよう準備段階から万全の体制を整えて臨んでいただきたいと本委員会でも要望をさせていただきましたが、まず、現在までの作業の状況について、申請書類の発送件数、予約受け付け件数、申請件数と今後のスケジュールについて伺いたいと思います。またあわせて、これまで郵送したもののうち、宛先に尋ね当たらずに返ってきたものがあるのか、あればその件数についてもお伺いしたいと思います。
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伊原和人#5
○伊原政府参考人 お答え申し上げます。
 二月末に年金請求書の郵送を開始いたしまして、先週までに、生年月日が大正十五年四月から昭和十七年四月までの方、合計約十一万人の方に送付をいたしました。
 その結果、今週前半までに、年金事務所の窓口の予約件数は累計約五千人、それから、既に年金請求書の受け付けを行いました方は累計約五千人となっております。
 請求書の提出に当たりましては、戸籍謄本や住民票など必要な書類をそろえていただくことが必要でございまして、今後、書類が整い次第、請求手続をされる方がふえてくる、このように考えております。
 今後の郵送スケジュールでございますけれども、生年月日の古い方から順次、七月上旬までかけまして、段階的に年金請求書を送付することといたしております。
 なお、御質問のございました未送達の件でございますけれども、郵送した約十一万件のうち、未送達となったものは約四百件ございます。これらの方々につきましては、これから住民基本台帳の住所情報をもう一度再確認いたしまして、住所がわかり次第再送付するというふうにしていきたいと考えております。
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角田秀穂#6
○角田委員 今回の対象者のうち、全ての期間を通じて一号被保険者だった方は市町村でも手続できるということになっておりますが、それ以外の方も、ただいまのお話にもありましたように、申請に必要な戸籍や住民票、課税証明書など、市区町村の窓口に出向いてとらなければいけない方も多数いると思われます。
 一方で、新たに対象となった方のうち最も高齢の方は何歳なのか、また年代別の割合を、昨年の委員会で質問した際には調べていないということでしたが、その後お聞きしたところでは、最高齢は九十九歳、全体の三割以上が七十歳以上の方だということでした。
 まず、この年齢構成は間違いないかどうか、確認をさせていただきたいと思います。
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伊原和人#7
○伊原政府参考人 お答えいたします。
 今回の年金受給資格期間の短縮によりまして初めて老齢基礎年金を受けられると思われる方の年齢の構成ですけれども、六十歳代の方は約六九%、それから七十歳代の方は二七%、八十歳以上の方は約四%と考えております。
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角田秀穂#8
○角田委員 これらの全ての方が、足腰も達者で、私が読んでも難解な申請書類を仕上げることができて、その他必要な書類を整えて、ねんきんダイヤルで申請の予約をして、年金事務所に出向いて申請手続できればよいと思いますけれども、やはり、特に地方においては年金事務所まで行くことも一苦労であって、そもそも年金事務所がどこにあるかよくわからないという方も多数いらっしゃるのではないかと思います。
 そうした方にも漏れなく申請をしていただくために、市町村にも協力を仰ぐべきではないかと申し上げたわけですけれども、この点について市区町村との連携はどのように図っているのか、お伺いをしたいと思います。
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伊原和人#9
○伊原政府参考人 市区町村との連携についてのお尋ねでございますけれども、今回の受給資格期間短縮に当たりまして、市区町村におきましては、全ての加入期間が国民年金の第一号被保険者期間の方の年金請求書の受け付け事務をやっていただく必要がございますし、あるいは、先ほど先生から御指摘のありました方を含めて、例えば生活保護の受給者の方の年金裁定請求手続、こうした方々への支援、これをやっていただくことが必要であると考えております。
 こうしたことを踏まえまして、まず、市区町村の国民年金担当部局に対しましては、受給資格期間短縮に伴うこうした手続についての職員向けの手引というものを送付させていただいております。それから、生活保護担当部局に対しましては、生活保護受給者の方の手続が円滑に進むように協力の依頼、要請などを行わせていただいております。
 それから、こうした市区町村の取り組みを効果的に進めるためには、日本年金機構の年金事務所の方と市区町村の間がよく連携していただく必要がございます。そういう中で、年金請求書の、実際どういう人に送付したかといった情報を市区町村に提供するなど、緊密な連携を図るように指示を行っております。
 さらに、市区町村を通じまして、今回の制度の改正の趣旨とか手続について、きめ細かな点につきまして住民の方に御理解いただけますように、市区町村に対しましてリーフレットを約四十六万部、ポスターを約三万部配布しましてPRを行っているところでございます。
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角田秀穂#10
○角田委員 対象者の中には、要介護であるとか、そうしたことから本人が申請に出向くことは難しい方も相当数いるのではないかと思われます。そうした方の場合は家族等が代理で手続を行うことになろうかと思いますが、平日は仕事等で時間がとれない方のためにも、土日、休日も対応できる体制を整えることも必要ではないかと考えておりますが、現状の体制はどのようになっているのか、お伺いをしたいと思います。
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伊原和人#11
○伊原政府参考人 お答えいたします。
 全国に年金事務所は三百十二カ所ございます。その受け付け時間につきましては、平日は八時三十分から十七時十五分となっておりますけれども、お勤めの方などの便宜を考えまして、毎週月曜日は全て十九時まで延長して行っております。
 さらに、御家族でというお話もございましたけれども、ウイークデーでの手続が難しい方を考慮しまして、毎月第二土曜日につきましても九時半から十六時まで開庁し、対応を行っております。予約相談につきましては、延長時間帯や第二土曜日でも行っております。
 現時点におきましては受給資格期間短縮措置に伴う混雑というものは見られておりませんが、円滑な相談対応には予約相談が効果的であるということを踏まえまして、これをまず周知したいと思います。その上で、受け付け状況や年金事務所の窓口の混雑状況などを見きわめながら、受け付け時間を延ばすというようなことが必要かどうか、そうしたことも見きわめてまいりたい、このように考えております。
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角田秀穂#12
○角田委員 これから順次申請件数もふえてくると思います。そうしたことにしっかりと対応していくためにも、土日についても受け付けできるように体制の充実を図っていただきたいと要望させていただきます。
 さらに、みずから動くことが困難で、代理で手続してくれるような身寄りもいないといった方への対応も真剣に考えていただきたいと思います。
 年金に限らず、こうした制度の変わり目で必ず出てくるのが詐欺で、この注意喚起もしっかりやっていただきたいと望みますが、移動が困難で身寄りもない高齢者のために、こうしてくださいとか、こうしますといった具体的な答弁を求めることは、かえって悪意を持った人間に利用されるおそれもありますので、あえて申し上げませんが、要は、無年金の解消が確実に進むよう、対象者が一人も漏れなく申請をして年金を受給できるよう、しっかり体制を整えていただきたいということを強く要望させていただきたいと思います。
 具体的なお答えは今申し上げたように結構ですので、そうした対応をしっかり整えるということについて、今後に向けての御決意を最後にお伺いできればと思います。
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伊原和人#13
○伊原政府参考人 御指摘いただきましたように、今回の受給資格期間短縮に際しまして、年金請求書が送付される対象者の方の中には、相当御高齢の方もいらっしゃいます。こうした御高齢な方も含めまして、必要な手続が円滑に進み、年金を受給していただくことが何より重要な課題だと認識しております。
 そうしたことから、まず、お一人お一人に確実に年金請求書をお送りするとともに、日ごろから高齢者と接する機会が多い市区町村や介護事業者の御協力も得て、対象となる方の手続が円滑に行われるよう、万全な配慮、きめ細かな対応を進めていきたい、このように考えております。
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角田秀穂#14
○角田委員 次の質問に移らせていただきたいと思います。
 ここで、医療費の返還について少し質問をさせていただきたいと思います。
 後期高齢者の方の具体的な事例を挙げて質問をさせていただきたいと思いますけれども、後期高齢者が広域連合の保険証を使って医療機関を受診した場合、原則一割、場合によっては三割の自己負担分を支払う、こういう仕組みになっております。
 例えばここで、高齢者の方が他県に住む子供と同居するために引っ越した、まだ転出の届けは出さないうちに、もともと住んでいた広域連合の保険証を使って引っ越した先の医療機関を受診した、その後、引っ越した日にさかのぼって転出と転入の届けを出して、引っ越した先で新しい保険証の発行前に古い保険証を使ってしまう、こういう事例は決して珍しくはないことだと思います。
 このような場合、不当利得として、旧住居地の後期高齢者医療広域連合から、本人に対して保険者が負担した分の返還が請求をされる、この請求に対して本人が支払った分は、引っ越し先の広域連合に申請することで本人に返還をされる、こういう仕組みになっておりますが、ここで、本人に請求書が送られてきたのは平成二十八年三月で、請求の内容は、引っ越した直後の平成二十三年五月に医療機関を受診した際の保険者負担分を返還せよというものでありました。
 そこで、まず伺いますが、不当利得返還請求で本人が支払った保険者負担分を現住居地の広域連合に請求できるかどうか、時効の関係を御説明いただきたいと思います。
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鈴木康裕#15
○鈴木政府参考人 後期高齢者が引っ越した後、古い保険証を使用した場合の新旧の広域連合に対する支払いと請求の関係についてお尋ねがございました。
 関係につきましては、先生御指摘のとおりでございます。
 具体的に申し上げますと、引っ越し直後の平成二十三年五月に旧住居地の広域連合の発行した保険証を用いて受診した際の保険給付分の返還請求が四年十カ月後の平成二十八年三月に行われたとするとというお尋ねでございますが、不当利得返還請求の時効は五年間であるために、被保険者は返還金を支払わなくてはならないということになっておりますけれども、保険給付を受ける権利の時効は二年間でございますので、返還金として支払った分を現居住地の広域連合に療養費として請求することはできないということになっております。
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角田秀穂#16
○角田委員 結局、この場合、医療費十割全額自己負担しなければいけないということになってしまうわけですね。こうしたことは後期高齢者の医療保険に限った話ではありませんが、そもそも、なぜ受診してから五年近くもたって請求書が送られてきたのか。
 こちらでお話を伺ったところでは、制度がスタートをした平成二十年度当初、後期高齢者医療広域連合の中にはこうした不当利得をチェックして請求する仕組みが未整備だったところもあって、このことについて会計検査院の検査の際に指摘をされた。この広域連合では、法令にのっとって、時効にかかっていない医療給付費分の返還を請求した結果、五年近くも前の請求が届いた。どうやらそういうことのようです。
 この広域連合の場合、既に時効が完成して回収できない平成二十年から約三カ年の件数が約一千件あったとのことですから、請求書を送付した件数も相当数に上るのではないかと推測をされます。中には百万円の請求を受けたという方もいます。しかも、この場合、請求の時点で本人は亡くなっておりまして、話はさらにややこしくなると思います。
 これはあくまでも一つの広域連合に限った話ですが、全国的にも同様の事例はあるのではないかと推測します。厚労省としてはこうした実態を把握しているか、把握していればお答えいただきたいと思います。
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鈴木康裕#17
○鈴木政府参考人 お尋ねの実態把握でございますけれども、実態を把握していないというのが現状でございます。
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角田秀穂#18
○角田委員 ぜひとも実態を一度調べてほしいと思います。
 ただ、これは件数が少なければよいというものでもありません。そもそも、七十五歳、八十歳の高齢者に支払いを求めて、改めてレセプトの写しを添付して、加入している保険者に払った分を本人にまた請求させるという煩わしい手続を強いていること自体、早急に見直す必要があると考えます。本人を通さずに返還金を保険者の間で調整できるようにすれば、こうした問題もクリアできると思います。
 実際、会計検査院の平成二十五年三月二十六日付、厚生労働大臣宛て意見表示の中で、実地検査で、百八十四保険者のうち百三十八保険者で、被保険者資格喪失後の受診等によって発生した返還金に係る債権の把握、管理が適切に行われなかった結果、国庫負担金の算定が適正に行われていなかったということから、このうち、二十六広域連合のうち二十三の広域連合で返還金に係る債権の把握、管理が行われていなかったとなっております。
 こうしたことから、保険者に対する周知とともに、被保険者資格喪失後の受診等による返還金に係る医療費相当額を保険者等の間で相互に調整できる体制を整備することについて、関係府省とも調整するなどして、具体的な検討に着手するということを求められておりますけれども、こうした意見に対してその後どうなったのか、対応についてお伺いしたいと思います。
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鈴木康裕#19
○鈴木政府参考人 保険者間の調整についてお尋ねがございました。
 御指摘のとおり、平成二十五年三月の会計検査院による意見表示におきまして、被保険者資格喪失後の受診等により発生した返還金について、医療費相当額を保険者等の間で相互に調整する体制を整備するよう、具体的な検討に着手するよう求められたところでございます。
 厚生労働省としては、この意見表示を受けまして、平成二十六年十二月五日に後期高齢者医療主管課もしくは部長等に対して通知を出しまして、当該返還金に係る医療費相当額を保険者の間で調整できるように体制を整備したところでございます。
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角田秀穂#20
○角田委員 体制を整備したということで、そもそもこの時効の問題がクリアされない限りは、なかなか体制を完全に整備するということは難しいと思うんですね。
 やはりこの時効の問題というのはみんなおかしいと感じていることでありまして、保険者の側も、二年以上経過していれば本人は保険者に請求できないことはわかっているけれども、請求しなければ不作為に問われるから、請求書を送って、その後督促をするなどして、やらなければいけないことをやって、最終的に不納欠損で落とすことはやむなしと考えているから、本人に対して、払いたくなければ払わなくて結構ですと答えたりしているわけです。
 ただ一方で、請求されたら、当然のこととして医療給付費分を支払っている人もいる、これも考えられますし、こうした現状を放置しておくことはやはりおかしいと思います。悪意もなく、保険料もちゃんと納め続けてきた人が、ある意味、保険者側の怠慢によって医療費を十割負担しなければならないことになってしまうことを改めるため、制度を早急に見直していただき、さらに保険者間の調整で全て完結できるよう、早急に対応を求めたいと思いますけれども、このことについての御見解をお伺いしたいと思います。
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馬場成志#21
○馬場大臣政務官 お答えします。
 不当利得返還請求権の時効が五年なのに対し、被保険者の保険給付請求権の時効が二年とされていることから、この違いによって委員御指摘のような事例が生じること自体は承知しておりますので、厚生労働省としては、保険者等の事務負担も考慮しつつ、債権の把握、管理及び回収を速やかに適切に行うためにどのような対応が可能か、不当利得返還請求権の時効を見直すことでどのような影響があるかについて、しっかりと検討してまいりたいと存じます。
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角田秀穂#22
○角田委員 しっかりと検討していただいて、早急に対応を図っていただきたいということを要望させていただきたいと思います。
 次の質問に移らせていただきます。
 児童相談所について質問をさせていただきます。
 昨年の児童福祉法改正では、児童相談所設置自治体を拡大できるよう、政令で定める特別区においても児相を設置できる旨の規定を追加されました。
 そもそも、児童相談所の設置義務が課されていたのは都道府県、政令指定都市だったものを、平成十六年の児童福祉法改正で、平成十八年四月から、それ以外の市でも、政令で定める市、これは中核市程度、人口三十万人以上を念頭に設置できるようにしたわけですが、このときの法改正に呼応して児相を設置したのは金沢市と横須賀市の二市のみで、その後十年以上、後に続く自治体は出ておりません。最近、一団体が、中核市移行後に、平成三十一年になりますかね、児相を開設する方針を示していますが、それ以外では具体的な動きは見られていないようであります。
 金沢市と横須賀市、二市が児相を開設した平成十八年当時、児童虐待件数は現在の三分の一程度でありました。その後、虐待の件数は右肩上がりでふえ続けている状況に対して、各地への児相の整備も急がれなければならないと考えますが、そのために、一方では、財政的な問題、さらには専門的人材の確保、育成といった課題など、越えなければならないかなり高いハードルが存在するために、今後の国の検討の推移を見守っているというのが実情ではないかとも思います。そうしたことから考えても、国としても、早急に財政、人材確保のための支援充実を図る必要があると考えます。
 そこでまず、財政的支援の現状について伺いたいと思いますが、例えば人口規模が三十万人程度の市が児童相談所を開設するとした場合、当初の施設建設費は除くとして、運営のために毎年どれだけの費用が新たにかかるようになるのか、大ざっぱなところで構いませんので、お示しいただきたいと思います。その上で、そのうち交付税が措置されている金額は大体どの程度になるのか、また、そのほかの児童相談所の運営に係る補助金はどの程度かという点をお示しいただきたいと思います。
 さらに、今後のこうした支援の充実に向けてのお考えをあわせてお伺いしたいと思います。
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吉田学#23
○吉田政府参考人 お答えいたします。
 私どもといたしましても、地域における虐待問題を初め子供、家庭の問題にきめ細かく対応するためには、児童相談所の設置を進めていくことが大変重要だというふうに思っております。
 その上で、お尋ねの費用の問題でございますが、児相、児童相談所の運営に係る年間の費用につきまして、先ほども御指摘いただきました中核市で先行して設置をしている金沢、ここは人口四十六万六千人と聞いておりますし、横須賀、ここは人口四十万七千人と承知をしておりますが、伺ったところ、金沢において児相に係る経費が年間約十一億、横須賀市が児相において約十三億円の支出があるというふうに承知をしております。
 これら、どういう形で財源内訳をしているかというところ、あるいは全国の児相一カ所当たりの平均的な運営費用というところについては、現在把握できておりませんで、いろいろと分析が今後課題だと思っておりますけれども、全国規模の支出を想定いたしますと、まず一つには、今御指摘いただきました交付税、措置されております二十八年度の地方交付税におきまして、人口百七十万人当たりを前提にした場合、児童福祉司等が三十九人分、児童心理司が十五人分、保健師が三人分、その他職員十人分という合計六十七人分の人件費を計上しているところでございます。
 また、交付税以外に補助金という形で、児童相談所が配置をしております弁護士さんの費用、あるいは安全確認を行う費用、その他専門性を確保するための研修の費用などなど、一時保護の運営費用に関しての国庫補助につきましては、二十九年度予算案におきまして、これは、メニュー化予算として千三百八十一億円を計上しておりますその内数として執行させていただいているところでございます。
 今後どうするかという御指摘もございました。
 それぞれ、二十九年度予算においては、この移行を進めるという意味で、移行を進めるに当たって準備のための職員を抱えていただかなきゃいけない方の費用ですとか、あるいは、人材の専門性を高めるという意味では、今後、設置を希望されているところが、その地域の、例えば都道府県とか地域の近隣のところに人事交流をして学んでいただくということも必要だと思っておりまして、そのための代替職員補助の費用などを新規に盛り込んでおります。
 また、児童相談所そのもの、これは全国でございますけれども、今の虐待例の増加も含めまして、児童相談所の強化プランという形で交付税においても逐年強化をさせていただくようなことを進めておりまして、こういう取り組みを通じ、また、個別の中核市あるいは特別区のお話も伺って、どういう課題があるのか、またどう克服されているのかということを聞いて丁寧に対応させていただきながら、できるだけ多くの中核市、特別区ができるだけ早く進めていく、我々としては、全ての中核市、特例市、そして特別区が設置をしていただくように向けて取り組んでまいりたいと思っております。
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角田秀穂#24
○角田委員 これは、これまで日本経済が厳しい中で財政運営を強いられてきたということもあると思うんですけれども、なかなか財政の見通しというものが将来的に立たないために児相開設に踏み出すことをためらっているという声も聞きます。そうした中で、開設を後押ししていくためにも、財政的な支援をどれだけ講じられるのか、講じてもらえるのか、そうしたさまざまな支援というのをパッケージ化して、はっきりとわかる形で示す工夫も必要だろうと思いますので、ぜひこの点も検討いただきたいと思います。
 それから、もう一点、最後になりますけれども、専門的な人材の確保と育成ということについてお伺いしたいと思います。
 児相を開設するに当たって必要な人材をいかに確保するか、児童福祉司を指導、教育するスーパーバイザーがやれるように、できるようになるのも五年以上はかかると言われている中で、こうした人材確保を市単独で行っていくのはやはり極めて困難なことであろうと考えます。
 こうした問題を克服していくためには、何よりも、既に児相を設置している都道府県の協力というものが不可欠になってまいると思います。開設準備段階から、これは開設した後も含めて、密接な連携が確保される枠組みづくりがぜひとも必要と考えますし、そのために法律にしっかり規定することも考えるべきと考えておりますけれども、こうした都道府県との連携確保についてどのように進めていこうとお考えになっているのか、御見解をお伺いしたいと思います。
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吉田学#25
○吉田政府参考人 お答えいたします。
 私どもとしても、中核市、特別区が児童相談所を設置する際の大きな課題が専門職員の確保ということであり、そのために都道府県あるいは先行している指定都市との間の協力あるいは交流というのは非常に重要だという認識は全く一致をしてございます。
 私ども、これまでも都道府県などに対しまして、児童相談所設置準備の段階から、設置した後も少しフォローしていただくという意味で、人事交流を実施していただくこと、あるいは研修を受け入れていただくことなど、必要な協力について依頼を行っておりますし、また、特に、設置に向けた協議の場をまず設けていただいていろいろな意見交換をしていただきたいということも、通知をもってしてお願いをしております。
 さらに、先ほどちょっと申し上げましたように、二十九年度の予算案において、人事交流をする際に必要な代替職員の確保などの手当てもさせていただいておりまして、交流が進むように、そして、都道府県、指定都市側に受け入れをしていただくようにお願いをしているところでございます。
 今後とも、あらゆる機会、いろいろな会議の場等を通じて働きかけてまいりたいと思っております。
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角田秀穂#26
○角田委員 いまだに急増している児童虐待、こうした問題に的確に対応するためにも、児相の整備がしっかりと各地で、また必要なところで進むよう、ただいま財政面の問題、財源の問題、それから人材確保の問題で質問をさせていただきましたけれども、ほかにも越えるべきハードルというのはたくさんあると思っていますし、この問題についても、きょうは時間がありませんので、改めて議論をさせていただきたいと思います。
 以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
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丹羽秀樹#27
○丹羽委員長 次に、阿部知子君。
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阿部知子#28
○阿部委員 民進党の阿部知子です。
 本日は、委員長初め与野党の筆頭理事の皆さんが一般質疑の場を設けてくださって、また感謝をいたします。
 と申しますのも、先回も申しましたが、厚生労働委員会は、時に法案をめぐって与野党の対立が激しくなることもございますが、基本的には、国民の暮らしには政治の、政党の色もないんだと思います。命をしっかりと守って、本当によい医療やあるいは保育、子供たちのためのものを提供していくということにおいて、与野党を超えた論議が行われることをまず希望しますし、委員長にはこれからもそうした御采配をお願いいたします。
 そして、さはさりながら、実は今、森友問題で昨日も証人喚問等々ございまして、私は、長年子供にかかわる者として、子供の問題、特に幼児教育、大事な幼児教育の問題が、時の総理やあるいは御夫人がそれに関与したか否かというような形で取り上げられるということは大変悲しいし、本来ではないと思っております。
 また一方で、民主党時代に進めましたこども園、これは自民党政権、自公政権になっても続けておられますが、その中で、子供の給食の量まで減らしてやっているような園がある。一体子供たちを守るということをどう思っているのだと、本当に問われております。
 ここで委員長にお願いがありますが、子供の保育とか、保育園不足もあります、保育の質もあります、内容もあります、そういうことでまた、理事とも御相談の上、集中審議等々をお考えいただきたいと思いますが、いかがでしょう。
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丹羽秀樹#29
○丹羽委員長 理事会で諮らせていただきます。
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