文部科学委員会
⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。
会
会議録情報#0
平成二十九年三月十七日(金曜日)
午前九時三十分開議
出席委員
委員長 永岡 桂子君
理事 上川 陽子君 理事 亀岡 偉民君
理事 前田 一男君 理事 宮川 典子君
理事 山本ともひろ君 理事 菊田真紀子君
理事 長島 昭久君 理事 富田 茂之君
あべ 俊子君 青山 周平君
安藤 裕君 池田 佳隆君
尾身 朝子君 大串 正樹君
門山 宏哲君 神山 佐市君
工藤 彰三君 小林 史明君
櫻田 義孝君 下村 博文君
田野瀬太道君 谷川 とむ君
馳 浩君 福井 照君
船田 元君 古田 圭一君
松本 剛明君 宮崎 政久君
村井 英樹君 太田 和美君
坂本祐之輔君 高木 義明君
玉木雄一郎君 平野 博文君
牧 義夫君 笠 浩史君
樋口 尚也君 吉田 宣弘君
大平 喜信君 畑野 君枝君
足立 康史君 伊東 信久君
吉川 元君
…………………………………
文部科学大臣 松野 博一君
文部科学大臣政務官 樋口 尚也君
文部科学大臣政務官
兼内閣府大臣政務官 田野瀬太道君
政府参考人
(内閣府地方創生推進事務局審議官) 藤原 豊君
政府参考人
(財務省理財局次長) 中尾 睦君
政府参考人
(文部科学省大臣官房サイバーセキュリティ・政策評価審議官) 中川 健朗君
政府参考人
(文部科学省初等中等教育局長) 藤原 誠君
政府参考人
(文部科学省高等教育局長) 常盤 豊君
政府参考人
(文部科学省高等教育局私学部長) 村田 善則君
政府参考人
(農林水産省政策統括官付参事官) 小川 良介君
参考人
(東京大学大学総合教育研究センター教授) 小林 雅之君
参考人
(公益財団法人あすのば理事) 久波 孝典君
参考人
(労働者福祉中央協議会事務局長) 花井 圭子君
参考人
(京都大学大学院人間・環境学研究科准教授) 柴田 悠君
文部科学委員会専門員 行平 克也君
—————————————
委員の異動
三月十七日
辞任 補欠選任
小林 史明君 村井 英樹君
高木 義明君 玉木雄一郎君
伊東 信久君 足立 康史君
同日
辞任 補欠選任
村井 英樹君 宮崎 政久君
玉木雄一郎君 高木 義明君
足立 康史君 伊東 信久君
同日
辞任 補欠選任
宮崎 政久君 小林 史明君
—————————————
本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
独立行政法人日本学生支援機構法の一部を改正する法律案(内閣提出第二号)
————◇—————
この発言だけを見る →午前九時三十分開議
出席委員
委員長 永岡 桂子君
理事 上川 陽子君 理事 亀岡 偉民君
理事 前田 一男君 理事 宮川 典子君
理事 山本ともひろ君 理事 菊田真紀子君
理事 長島 昭久君 理事 富田 茂之君
あべ 俊子君 青山 周平君
安藤 裕君 池田 佳隆君
尾身 朝子君 大串 正樹君
門山 宏哲君 神山 佐市君
工藤 彰三君 小林 史明君
櫻田 義孝君 下村 博文君
田野瀬太道君 谷川 とむ君
馳 浩君 福井 照君
船田 元君 古田 圭一君
松本 剛明君 宮崎 政久君
村井 英樹君 太田 和美君
坂本祐之輔君 高木 義明君
玉木雄一郎君 平野 博文君
牧 義夫君 笠 浩史君
樋口 尚也君 吉田 宣弘君
大平 喜信君 畑野 君枝君
足立 康史君 伊東 信久君
吉川 元君
…………………………………
文部科学大臣 松野 博一君
文部科学大臣政務官 樋口 尚也君
文部科学大臣政務官
兼内閣府大臣政務官 田野瀬太道君
政府参考人
(内閣府地方創生推進事務局審議官) 藤原 豊君
政府参考人
(財務省理財局次長) 中尾 睦君
政府参考人
(文部科学省大臣官房サイバーセキュリティ・政策評価審議官) 中川 健朗君
政府参考人
(文部科学省初等中等教育局長) 藤原 誠君
政府参考人
(文部科学省高等教育局長) 常盤 豊君
政府参考人
(文部科学省高等教育局私学部長) 村田 善則君
政府参考人
(農林水産省政策統括官付参事官) 小川 良介君
参考人
(東京大学大学総合教育研究センター教授) 小林 雅之君
参考人
(公益財団法人あすのば理事) 久波 孝典君
参考人
(労働者福祉中央協議会事務局長) 花井 圭子君
参考人
(京都大学大学院人間・環境学研究科准教授) 柴田 悠君
文部科学委員会専門員 行平 克也君
—————————————
委員の異動
三月十七日
辞任 補欠選任
小林 史明君 村井 英樹君
高木 義明君 玉木雄一郎君
伊東 信久君 足立 康史君
同日
辞任 補欠選任
村井 英樹君 宮崎 政久君
玉木雄一郎君 高木 義明君
足立 康史君 伊東 信久君
同日
辞任 補欠選任
宮崎 政久君 小林 史明君
—————————————
本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
独立行政法人日本学生支援機構法の一部を改正する法律案(内閣提出第二号)
————◇—————
永
永岡桂子#1
○永岡委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、独立行政法人日本学生支援機構法の一部を改正する法律案を議題といたします。
本日は、本案審査のため、参考人として、東京大学大学総合教育研究センター教授小林雅之君、公益財団法人あすのば理事久波孝典君、労働者福祉中央協議会事務局長花井圭子君及び京都大学大学院人間・環境学研究科准教授柴田悠君、以上四名の方々に御出席をいただいております。
この際、参考人各位に一言申し上げます。
本日は、御多用中のところ本委員会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。本案につきまして、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお聞かせいただきたいと思います。審査の参考にさせていただきたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。
次に、議事の順序について申し上げます。
まず、参考人各位から一人十分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑に対してお答えをいただきたいと存じます。
なお、御発言の際はその都度委員長の許可を得て御発言くださいますようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑をすることはできないこととなっておりますので、あらかじめ御了承ください。
それでは、まず小林参考人にお願いいたします。
この発言だけを見る →内閣提出、独立行政法人日本学生支援機構法の一部を改正する法律案を議題といたします。
本日は、本案審査のため、参考人として、東京大学大学総合教育研究センター教授小林雅之君、公益財団法人あすのば理事久波孝典君、労働者福祉中央協議会事務局長花井圭子君及び京都大学大学院人間・環境学研究科准教授柴田悠君、以上四名の方々に御出席をいただいております。
この際、参考人各位に一言申し上げます。
本日は、御多用中のところ本委員会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。本案につきまして、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお聞かせいただきたいと思います。審査の参考にさせていただきたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。
次に、議事の順序について申し上げます。
まず、参考人各位から一人十分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑に対してお答えをいただきたいと存じます。
なお、御発言の際はその都度委員長の許可を得て御発言くださいますようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑をすることはできないこととなっておりますので、あらかじめ御了承ください。
それでは、まず小林参考人にお願いいたします。
小
小林雅之#2
○小林参考人 皆さん、おはようございます。
きょうは、このような場で意見を述べる機会をいただきまして、まことにありがとうございます。
私は、給付型奨学金並びに新しい所得連動型返還制度について創設にかかわってまいりました、その立場から少し意見を述べたいと思っております。
初めに、この二つの制度は、日本の奨学金制度の中で画期的な転換であるということを申したいと思います。その理由は後で申しますが、ただ、この二つの制度は目的が全く異なっております。対象も違います。給付型奨学金制度は、あくまで低所得層の進学を促進するため、背中を押すための制度です。それに対しまして新所得連動型返還制度は、中所得層の返還の負担を軽減するものであり、ローン回避と言われる現象を防止する、そういう目的を持っているものであります。ただ、この二つの制度は、創設にかかわった者としましてはちょっと手前みそになりますが、本当に画期的な制度だというふうに思っております。
制度改革の背景なんですが、第一に申し上げたいのは、日本では長い間、教育費の負担は親の責任であるという考え方が非常に強く、このために、なかなかこういった公的負担という考え方が根づかなかった、そういうことがあるかと思います。これは、福祉国家的な考え方をするヨーロッパ、あるいは個人主義的なアングロサクソン系の国、アメリカとかイギリス、オーストラリアというような国とは全く異なっているということであります。
そういった背景がありまして、授業料が非常に高騰いたしまして、これは委員の皆様よく御存じだと思いますので詳しくは申し述べませんが、国立大学の授業料は、私が入った一九七二年当時は一・二万円だったのですが、現在は五十四万円にまではね上がっているというようなことがございます。
それから三番目に、有利子奨学金が爆発的に拡大しているということでありまして、これはグラフで示してありますように、一九九八年以降非常に、特に第二種奨学金が爆発的に拡大しているということがあります。現在、奨学金の受給率は、日本学生支援機構のものでは約四割というような状況になっております。
それから、制度改革の背景として挙げなければいけないこととして、やはり大卒労働市場が非常に雇用が不安定になっているということ、大卒の三人に一人が三年以内に離職するというような状況になっているということが挙げられます。
それから、返還の負担が非常に重くなっているということ、ローン回避の傾向が発生していることでありまして、これは私たちの調査ですが、次の二ページ目をごらんください。これはまだ確定値ではありませんで、現在行っている調査でありますけれども、それほど大きな傾向の違いはないと思いますが、所得の低い人ほど、将来返済できるかどうかが不安であるということ、それから、もう一つ問題だと思うのは、よく知らなかったという人が多いということでありまして、この点については後でまた触れます。
それから、社会経済的な格差が拡大する中で、教育の格差も拡大しております。地域間につきましては、きょうは詳しくは申し上げられませんが、一番高い東京と低い鹿児島では四〇%もの大学進学率の格差があります。そして、男女間あるいは所得階層間の格差も非常に大きなものがあります。
ここでは所得階層間格差だけ取り上げますが、二〇〇六年当時、左側の図三のように、私立大学については非常に大きな格差がありましたが、国公立大学についてはそれほど格差がありませんでした。ただ、私たちの最新の調査によりますと、やはり国公立大学で低所得層の進学率が低くなっている、そういう状況があります。
それから、今までの日本の学生支援機構の奨学金というものは、教育的な配慮がついた学生ローンと言っていいかと思います。第一種は完全無利子で、これは国際的にも非常に珍しい制度ですし、十年間の返還猶予あるいは減額返還といった措置、それから国際的にも実は返還率はかなり高いものであります。ただ、こうした配慮がついていることが、逆に給付型奨学金の創設を残念ながらおくらせてきたという側面もあるのではないかというふうには考えております。
ただ、今までの奨学金というのが非常に進学にとって役に立ってきたことは、図の五でお示ししましたように、奨学金なしでは進学が不可能だったという層が、所得が低い層でも六割、実は高い層でも四割近くいる。つまり、教育費の負担の軽減には非常に役に立っているということであります。
給付奨学金の対象ですが、これは住民税非課税世帯ということで、一つの明確な基準であるというふうに考えております。私たちの調査でも、そこに図の六で示しましたように、経済的に困難な者で、給付奨学金があれば進学したいという者は大体二万人程度いるということがわかっておりますので、その数字から比べましても、一つの根拠になっているかと思います。
ただ、個人的な意見といたしましては、将来についてはいろいろな課題があるというふうに思っております。
まず、在学時の学生への支援であります。これは特に、家計急変と言われるように、親がリストラされたり病気になったりということで授業料が払えない、その結果、中退になるという学生がふえているということは、文部科学省の調査あるいは私たちの調査でもわかっております。こういった学生を救う公的な支援が現在乏しいということであります。
それから、給付型奨学金の拡大ですけれども、私の個人的な考え方といたしましては、将来的には段階的な制度にするべきだと思っております。図の七をごらんください。諸外国の場合には、こうした段階的な制度をとっている国が多いわけでありまして、中には、連続的に奨学金の額が変わるというような制度をとっている国もあります。これに比べますと、日本の場合には、まだまだ、三段階でありますので、将来的には改善の余地があるかと思っております。
それから、新所得連動型については有利子に拡大するということが必要でありますし、新所得連動型については機関保証のみでありますけれども、従来の定額返還型については人的保証と機関保証の両方がついております。ということは、学生にとっては、この三種類の中から選ばなければいけないという、非常に難しい選択を迫るということになります。
そのためには、情報の周知、ガイダンスというものが絶対に必要であります。これについては、スカラシップアドバイザー制度という、仮称ですけれども、これを新設していくということで制度的な充実を図っていただけるというふうにお聞きしておりますが、このことはぜひ強調しておきたいと思います。
これはいわゆる情報ギャップと言われる問題でありまして、知っている者と知らない者で非常に差がついてしまう、こういった問題が非常に大きくなっております。もっと広く言えば、金融リテラシー、金融教育というものが必要ではないかということであります。
それから、これは残念ながら今回の制度では実現しなかったんですけれども、源泉徴収ということが国際的には広く行われておりまして、これができますと回収のコストが大幅に削減できる、あるいは延滞が防止できるということがございます。
それから次に、教育のための寄附の増加策と教育費負担の再検討ということで、これは将来的な大きな課題であるというふうに思っておりまして、例えば、孫への教育資金に対する相続税の非課税というのは現在一兆円の市場規模になっているというふうに聞いております。そうしますと、この相続税、自分の孫のためでしたら節税したいということでありますけれども、これは先ほど申しました親の教育費負担主義ということと関係しておりますが、こういったものを少しでも公的なものに回していただければ、それだけで十分な財源ができるわけでありまして、〇・一%でも十億円、一%なら百億円ということになりますので、ぜひこういったことも考えていく必要があると思っております。
それから、もっと大きな問題といたしましては、教育費の家族主義の転換、あるいは、教育費は公的に負担するということがどういう意味を持っているかということを改めて国民が問い直すことが必要であるというふうに思っております。
これは、言いかえれば教育の公共性ということでありまして、例えば、大学は公的な補助を非常に受けているわけでありますから、公共性についても考えていく、あるいは社会的貢献を高めていくということは、これは大学にも求められている責務であるというふうに考えております。そのためには、大学は、アカウンタビリティーを果たす、あるいは説明責任を果たすということが必要であります。それから、情報公開も十分していかなければいけないというふうに考えております。
私たちのところで、東京大学の学生に卒業時に調査をしているんですが、国立大学で税金で教育を受けたという意識があるという学生は、残念ながら、毎年行ってもちょうど半分ずつです。変わりません。学生に聞きますと、授業料が高いので税金で教育を受けているという意識が持てないということでありますけれども、こういったことは非常に問題ではないかというふうに思っております。
以上、早口で恐縮ですが、私の意見を述べさせていただきました。どうもありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →きょうは、このような場で意見を述べる機会をいただきまして、まことにありがとうございます。
私は、給付型奨学金並びに新しい所得連動型返還制度について創設にかかわってまいりました、その立場から少し意見を述べたいと思っております。
初めに、この二つの制度は、日本の奨学金制度の中で画期的な転換であるということを申したいと思います。その理由は後で申しますが、ただ、この二つの制度は目的が全く異なっております。対象も違います。給付型奨学金制度は、あくまで低所得層の進学を促進するため、背中を押すための制度です。それに対しまして新所得連動型返還制度は、中所得層の返還の負担を軽減するものであり、ローン回避と言われる現象を防止する、そういう目的を持っているものであります。ただ、この二つの制度は、創設にかかわった者としましてはちょっと手前みそになりますが、本当に画期的な制度だというふうに思っております。
制度改革の背景なんですが、第一に申し上げたいのは、日本では長い間、教育費の負担は親の責任であるという考え方が非常に強く、このために、なかなかこういった公的負担という考え方が根づかなかった、そういうことがあるかと思います。これは、福祉国家的な考え方をするヨーロッパ、あるいは個人主義的なアングロサクソン系の国、アメリカとかイギリス、オーストラリアというような国とは全く異なっているということであります。
そういった背景がありまして、授業料が非常に高騰いたしまして、これは委員の皆様よく御存じだと思いますので詳しくは申し述べませんが、国立大学の授業料は、私が入った一九七二年当時は一・二万円だったのですが、現在は五十四万円にまではね上がっているというようなことがございます。
それから三番目に、有利子奨学金が爆発的に拡大しているということでありまして、これはグラフで示してありますように、一九九八年以降非常に、特に第二種奨学金が爆発的に拡大しているということがあります。現在、奨学金の受給率は、日本学生支援機構のものでは約四割というような状況になっております。
それから、制度改革の背景として挙げなければいけないこととして、やはり大卒労働市場が非常に雇用が不安定になっているということ、大卒の三人に一人が三年以内に離職するというような状況になっているということが挙げられます。
それから、返還の負担が非常に重くなっているということ、ローン回避の傾向が発生していることでありまして、これは私たちの調査ですが、次の二ページ目をごらんください。これはまだ確定値ではありませんで、現在行っている調査でありますけれども、それほど大きな傾向の違いはないと思いますが、所得の低い人ほど、将来返済できるかどうかが不安であるということ、それから、もう一つ問題だと思うのは、よく知らなかったという人が多いということでありまして、この点については後でまた触れます。
それから、社会経済的な格差が拡大する中で、教育の格差も拡大しております。地域間につきましては、きょうは詳しくは申し上げられませんが、一番高い東京と低い鹿児島では四〇%もの大学進学率の格差があります。そして、男女間あるいは所得階層間の格差も非常に大きなものがあります。
ここでは所得階層間格差だけ取り上げますが、二〇〇六年当時、左側の図三のように、私立大学については非常に大きな格差がありましたが、国公立大学についてはそれほど格差がありませんでした。ただ、私たちの最新の調査によりますと、やはり国公立大学で低所得層の進学率が低くなっている、そういう状況があります。
それから、今までの日本の学生支援機構の奨学金というものは、教育的な配慮がついた学生ローンと言っていいかと思います。第一種は完全無利子で、これは国際的にも非常に珍しい制度ですし、十年間の返還猶予あるいは減額返還といった措置、それから国際的にも実は返還率はかなり高いものであります。ただ、こうした配慮がついていることが、逆に給付型奨学金の創設を残念ながらおくらせてきたという側面もあるのではないかというふうには考えております。
ただ、今までの奨学金というのが非常に進学にとって役に立ってきたことは、図の五でお示ししましたように、奨学金なしでは進学が不可能だったという層が、所得が低い層でも六割、実は高い層でも四割近くいる。つまり、教育費の負担の軽減には非常に役に立っているということであります。
給付奨学金の対象ですが、これは住民税非課税世帯ということで、一つの明確な基準であるというふうに考えております。私たちの調査でも、そこに図の六で示しましたように、経済的に困難な者で、給付奨学金があれば進学したいという者は大体二万人程度いるということがわかっておりますので、その数字から比べましても、一つの根拠になっているかと思います。
ただ、個人的な意見といたしましては、将来についてはいろいろな課題があるというふうに思っております。
まず、在学時の学生への支援であります。これは特に、家計急変と言われるように、親がリストラされたり病気になったりということで授業料が払えない、その結果、中退になるという学生がふえているということは、文部科学省の調査あるいは私たちの調査でもわかっております。こういった学生を救う公的な支援が現在乏しいということであります。
それから、給付型奨学金の拡大ですけれども、私の個人的な考え方といたしましては、将来的には段階的な制度にするべきだと思っております。図の七をごらんください。諸外国の場合には、こうした段階的な制度をとっている国が多いわけでありまして、中には、連続的に奨学金の額が変わるというような制度をとっている国もあります。これに比べますと、日本の場合には、まだまだ、三段階でありますので、将来的には改善の余地があるかと思っております。
それから、新所得連動型については有利子に拡大するということが必要でありますし、新所得連動型については機関保証のみでありますけれども、従来の定額返還型については人的保証と機関保証の両方がついております。ということは、学生にとっては、この三種類の中から選ばなければいけないという、非常に難しい選択を迫るということになります。
そのためには、情報の周知、ガイダンスというものが絶対に必要であります。これについては、スカラシップアドバイザー制度という、仮称ですけれども、これを新設していくということで制度的な充実を図っていただけるというふうにお聞きしておりますが、このことはぜひ強調しておきたいと思います。
これはいわゆる情報ギャップと言われる問題でありまして、知っている者と知らない者で非常に差がついてしまう、こういった問題が非常に大きくなっております。もっと広く言えば、金融リテラシー、金融教育というものが必要ではないかということであります。
それから、これは残念ながら今回の制度では実現しなかったんですけれども、源泉徴収ということが国際的には広く行われておりまして、これができますと回収のコストが大幅に削減できる、あるいは延滞が防止できるということがございます。
それから次に、教育のための寄附の増加策と教育費負担の再検討ということで、これは将来的な大きな課題であるというふうに思っておりまして、例えば、孫への教育資金に対する相続税の非課税というのは現在一兆円の市場規模になっているというふうに聞いております。そうしますと、この相続税、自分の孫のためでしたら節税したいということでありますけれども、これは先ほど申しました親の教育費負担主義ということと関係しておりますが、こういったものを少しでも公的なものに回していただければ、それだけで十分な財源ができるわけでありまして、〇・一%でも十億円、一%なら百億円ということになりますので、ぜひこういったことも考えていく必要があると思っております。
それから、もっと大きな問題といたしましては、教育費の家族主義の転換、あるいは、教育費は公的に負担するということがどういう意味を持っているかということを改めて国民が問い直すことが必要であるというふうに思っております。
これは、言いかえれば教育の公共性ということでありまして、例えば、大学は公的な補助を非常に受けているわけでありますから、公共性についても考えていく、あるいは社会的貢献を高めていくということは、これは大学にも求められている責務であるというふうに考えております。そのためには、大学は、アカウンタビリティーを果たす、あるいは説明責任を果たすということが必要であります。それから、情報公開も十分していかなければいけないというふうに考えております。
私たちのところで、東京大学の学生に卒業時に調査をしているんですが、国立大学で税金で教育を受けたという意識があるという学生は、残念ながら、毎年行ってもちょうど半分ずつです。変わりません。学生に聞きますと、授業料が高いので税金で教育を受けているという意識が持てないということでありますけれども、こういったことは非常に問題ではないかというふうに思っております。
以上、早口で恐縮ですが、私の意見を述べさせていただきました。どうもありがとうございました。拍手
永
久
久波孝典#4
○久波参考人 おはようございます。
大変に緊張しておりまして、私の話は、客観的なデータ等ではなく、給付型奨学金を受けている一人として、その有効性といいますか、裏打ちの部分をお話しさせていただきたいと思いますので、ぜひ、資料を余り気にせず、お話を聞いていただければなというふうに思います。
私ですけれども、東洋大学の夜間学部に通っている四年生になります。小学校五年生から高校三年生までを児童養護施設の方で過ごしました。現在は、民間の給付型奨学金のみで学費を納めておりまして、生活費の方は、昼のNPOでのインターンをしながら生活をしているというふうな実態になります。
大学進学に対してなんですけれども、私は、高校が進学校だったことから、周りのみんなが進学するというのが当たり前という環境におりましたので、何となく大学進学を自分もするだろうというふうに考えていました。しかし、高校二年生以降、周りがオープンキャンパスですとかそういった機会にだんだんと身を投じていく中で、周りの友達の会話でだんだん経済的な話が出てくるんですね。入学金が幾らで、初年度に幾らかかって、そういった話が飛び交う中で、これはどうも自分には無理そうだぞというところをだんだんと認識してまいります。
高校生、アルバイトができる年齢ではあると思うんですけれども、幾ら何でも、初年度百万円みたいな話をされたら、なかなかそれが実感として持てない、アルバイトでどうにかなるようなものではないというようなことを何となく思ってしまう人の方が圧倒的に多いのではないかと思います。
高卒と大卒で生涯年収が大きく違うということはわかっていたんですけれども、それでも、私は、余り卒業後の歩みが想像できないことですとか、高校に通い続ける意味がわからなくなった。それはやはり、将来がイメージできないからというところですね。そこが理由となって、高校に通い続ける意味を見出せなくなってしまったりして、三年生は欠席がちだったり、卒業時の成績表は本当に真っ赤っかというような状態でもありました。
先ほどお話ししたように、高卒と大卒で大きく立場が異なるということはすごくわかってはいるんですけれども、それが、経済的な壁によって、具体的な行動を起こすためのモチベーションに余りつながらなかったというところが、経済的な壁として物すごく子供たちが実感するところだと思います。
学校に行くということは、夢や目標を持って、学校をある種一つの手段として考える、夢や目標達成のための手段として実行していく、そのために経済的なものがかかる、そういった構図があるかと思うんですけれども、僕の場合は、その行動を起こすまでの気になれなかった。それは、経済的なものが高過ぎて、イメージがつかなくて、そういったところで僕は挫折をしてしまいました。
貸与型の奨学金があるじゃないかというふうにお話をされる方が何人かいらっしゃるんですけれども、これは、いずれ返さなければならないというもので、自分の借金、デメリットの部分をどんどんふやしていくという作業になってしまいますので、余り選びたくない、選ばざるを得ないような状態というのは正直フェアじゃないというふうに高校生ながらにも思っていた部分がありました。
自分の場合は、いざというときの身寄りがない。養護施設に行っていた過去がありますので、親とも疎遠な環境ということで、身寄りがないというときに、自分が返せなくなった場合どうしたらいいのか、そこがはっきりしていないのに借りることに対して、ある意味無責任ではないかというようなことも考えたりはしました。
そういうことを思ってしまうような制度状態にあるということだけ意識していただければと思います。
貸与型の奨学金は厳しくて、借りてでも進学したいというふうに思っている気持ちを、拍車をかけて進学の後押しにならないというふうに僕は考えています。
そんな僕が進学に至るまでなんですけれども、高校三年生のときに、養護施設の退所者向けに民間の給付型奨学金がありまして、そちらの方に応募していたんですね。
ただ、そちらの方は、それぞれ審査があったり、額も、一括で、これさえ受かればというような状態ではなく、幾つかの支援をかき合わせてというような金額状況にありまして、数字的には月額で二万円から三万円程度のものが多くありまして、それを幾つも集めないと、進学という一つの目標を達成することは難しいというような状態にあります。目標の金額に届かなければ、それら幾つか受かった奨学金、そちらの方もある意味無駄になってしまう、進学を諦めざるを得ないというような、そういう構図も発生しております。
これは、僕はもう一つフェアじゃないというふうに思っているのが、給付型奨学金の申請ですね。こちらの方に手間がかかる都合上、多くの受験生たちは受験勉強にだけ集中すればいいというような環境があるかと思いますが、そうではない学生たちにとっては、申請の手間もある、作文ですとか申請書、そういった課題もあるというような状態ができてしまっています。
結局、自分は、高校三年生のときには、大学進学への意識は持ちながらも、進路未定のまま、自立援助ホームという新たな社会的養護の環境下に入りました。
高校卒業後も進路を決めかねておりまして、進学には経済的な壁があることから、自分にはできないということを卒業後もずっと考えておりましたが、あるとき、社会起業家の方たちの、夢を語るイベントに出会いました。
そこで、自分はできないという発想が頭にしみついていたんですね。制約が多い状況下にありますので、その制約ばかりを気にして、自分の現時点で選べる選択肢は何なんだろうという発想で、自分の将来設計ですとかそういった進路選択を決めていたんですけれども、それを一旦フラットにして、自分でやりたい目標を設定し、そこから起こる壁というものを一つの障害と考えて、障害が生まれた際にはそれに対する有効な手段をとっていこうというふうに発想を転換することができたために、進学できているという状況にあります。
当たり前の話かもしれないんですけれども、競争に勝つというようなところは、信念というところはもちろんなんですけれども、経済状況ですとか文化資本とか社会階層とか、そういったところの差異から、生まれやすかったり、生まれにくかったりというようなところが存在しています。これが経済的なものであるならば、社会的なコンセンサスがとれてきてはおりますけれども、なかなかそこの理解を得られないというようなところがありますので、何とかしていただきたいというふうに思っています。
ここから先の話は、別の添付の資料があると思いますけれども、法政大学の湯浅教授の方から、一度私を記事として取り上げていただいたことがありまして、そちらの方にも載っている話になるんですけれども、自分には努力するエンジンが備わっていないというふうに考えていました。
人は、努力の対価として勝利ですとか何か努力が報われた経験というのがあって初めて、努力のサイクルというものに入っていけるんだと思うんですけれども、苦しい環境で生活する子供は、そういった困難な状況の中で、初めから、努力が報われるということを知らない、あるいは疲れ切ってしまっていてなかなかそこを踏み出せないというような人も中にはいます。そういった子供たちは、努力することを思いつきすらしない、そういった発想を持っています。
頑張っている子のスタートラインをそろえるという意味でのコンセンサスは、先ほども言わせていただいたように、とれているかと思うんですけれども、進学したい、何かになりたい、あれをやりたいとか、そういう純粋な気持ち、意欲をそのまま子供たちが、障害を感じることなく、そのまま夢をかなえられるような社会になればいいなというふうに私は考えています。
給付型奨学金等は、進学の経済的な壁というところだけでなく、意欲の壁というところも大きく取り払ってもらえるような措置だと思います。
私の話は以上になります。ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →大変に緊張しておりまして、私の話は、客観的なデータ等ではなく、給付型奨学金を受けている一人として、その有効性といいますか、裏打ちの部分をお話しさせていただきたいと思いますので、ぜひ、資料を余り気にせず、お話を聞いていただければなというふうに思います。
私ですけれども、東洋大学の夜間学部に通っている四年生になります。小学校五年生から高校三年生までを児童養護施設の方で過ごしました。現在は、民間の給付型奨学金のみで学費を納めておりまして、生活費の方は、昼のNPOでのインターンをしながら生活をしているというふうな実態になります。
大学進学に対してなんですけれども、私は、高校が進学校だったことから、周りのみんなが進学するというのが当たり前という環境におりましたので、何となく大学進学を自分もするだろうというふうに考えていました。しかし、高校二年生以降、周りがオープンキャンパスですとかそういった機会にだんだんと身を投じていく中で、周りの友達の会話でだんだん経済的な話が出てくるんですね。入学金が幾らで、初年度に幾らかかって、そういった話が飛び交う中で、これはどうも自分には無理そうだぞというところをだんだんと認識してまいります。
高校生、アルバイトができる年齢ではあると思うんですけれども、幾ら何でも、初年度百万円みたいな話をされたら、なかなかそれが実感として持てない、アルバイトでどうにかなるようなものではないというようなことを何となく思ってしまう人の方が圧倒的に多いのではないかと思います。
高卒と大卒で生涯年収が大きく違うということはわかっていたんですけれども、それでも、私は、余り卒業後の歩みが想像できないことですとか、高校に通い続ける意味がわからなくなった。それはやはり、将来がイメージできないからというところですね。そこが理由となって、高校に通い続ける意味を見出せなくなってしまったりして、三年生は欠席がちだったり、卒業時の成績表は本当に真っ赤っかというような状態でもありました。
先ほどお話ししたように、高卒と大卒で大きく立場が異なるということはすごくわかってはいるんですけれども、それが、経済的な壁によって、具体的な行動を起こすためのモチベーションに余りつながらなかったというところが、経済的な壁として物すごく子供たちが実感するところだと思います。
学校に行くということは、夢や目標を持って、学校をある種一つの手段として考える、夢や目標達成のための手段として実行していく、そのために経済的なものがかかる、そういった構図があるかと思うんですけれども、僕の場合は、その行動を起こすまでの気になれなかった。それは、経済的なものが高過ぎて、イメージがつかなくて、そういったところで僕は挫折をしてしまいました。
貸与型の奨学金があるじゃないかというふうにお話をされる方が何人かいらっしゃるんですけれども、これは、いずれ返さなければならないというもので、自分の借金、デメリットの部分をどんどんふやしていくという作業になってしまいますので、余り選びたくない、選ばざるを得ないような状態というのは正直フェアじゃないというふうに高校生ながらにも思っていた部分がありました。
自分の場合は、いざというときの身寄りがない。養護施設に行っていた過去がありますので、親とも疎遠な環境ということで、身寄りがないというときに、自分が返せなくなった場合どうしたらいいのか、そこがはっきりしていないのに借りることに対して、ある意味無責任ではないかというようなことも考えたりはしました。
そういうことを思ってしまうような制度状態にあるということだけ意識していただければと思います。
貸与型の奨学金は厳しくて、借りてでも進学したいというふうに思っている気持ちを、拍車をかけて進学の後押しにならないというふうに僕は考えています。
そんな僕が進学に至るまでなんですけれども、高校三年生のときに、養護施設の退所者向けに民間の給付型奨学金がありまして、そちらの方に応募していたんですね。
ただ、そちらの方は、それぞれ審査があったり、額も、一括で、これさえ受かればというような状態ではなく、幾つかの支援をかき合わせてというような金額状況にありまして、数字的には月額で二万円から三万円程度のものが多くありまして、それを幾つも集めないと、進学という一つの目標を達成することは難しいというような状態にあります。目標の金額に届かなければ、それら幾つか受かった奨学金、そちらの方もある意味無駄になってしまう、進学を諦めざるを得ないというような、そういう構図も発生しております。
これは、僕はもう一つフェアじゃないというふうに思っているのが、給付型奨学金の申請ですね。こちらの方に手間がかかる都合上、多くの受験生たちは受験勉強にだけ集中すればいいというような環境があるかと思いますが、そうではない学生たちにとっては、申請の手間もある、作文ですとか申請書、そういった課題もあるというような状態ができてしまっています。
結局、自分は、高校三年生のときには、大学進学への意識は持ちながらも、進路未定のまま、自立援助ホームという新たな社会的養護の環境下に入りました。
高校卒業後も進路を決めかねておりまして、進学には経済的な壁があることから、自分にはできないということを卒業後もずっと考えておりましたが、あるとき、社会起業家の方たちの、夢を語るイベントに出会いました。
そこで、自分はできないという発想が頭にしみついていたんですね。制約が多い状況下にありますので、その制約ばかりを気にして、自分の現時点で選べる選択肢は何なんだろうという発想で、自分の将来設計ですとかそういった進路選択を決めていたんですけれども、それを一旦フラットにして、自分でやりたい目標を設定し、そこから起こる壁というものを一つの障害と考えて、障害が生まれた際にはそれに対する有効な手段をとっていこうというふうに発想を転換することができたために、進学できているという状況にあります。
当たり前の話かもしれないんですけれども、競争に勝つというようなところは、信念というところはもちろんなんですけれども、経済状況ですとか文化資本とか社会階層とか、そういったところの差異から、生まれやすかったり、生まれにくかったりというようなところが存在しています。これが経済的なものであるならば、社会的なコンセンサスがとれてきてはおりますけれども、なかなかそこの理解を得られないというようなところがありますので、何とかしていただきたいというふうに思っています。
ここから先の話は、別の添付の資料があると思いますけれども、法政大学の湯浅教授の方から、一度私を記事として取り上げていただいたことがありまして、そちらの方にも載っている話になるんですけれども、自分には努力するエンジンが備わっていないというふうに考えていました。
人は、努力の対価として勝利ですとか何か努力が報われた経験というのがあって初めて、努力のサイクルというものに入っていけるんだと思うんですけれども、苦しい環境で生活する子供は、そういった困難な状況の中で、初めから、努力が報われるということを知らない、あるいは疲れ切ってしまっていてなかなかそこを踏み出せないというような人も中にはいます。そういった子供たちは、努力することを思いつきすらしない、そういった発想を持っています。
頑張っている子のスタートラインをそろえるという意味でのコンセンサスは、先ほども言わせていただいたように、とれているかと思うんですけれども、進学したい、何かになりたい、あれをやりたいとか、そういう純粋な気持ち、意欲をそのまま子供たちが、障害を感じることなく、そのまま夢をかなえられるような社会になればいいなというふうに私は考えています。
給付型奨学金等は、進学の経済的な壁というところだけでなく、意欲の壁というところも大きく取り払ってもらえるような措置だと思います。
私の話は以上になります。ありがとうございました。拍手
永
花
花井圭子#6
○花井参考人 おはようございます。中央労福協事務局長の花井と申します。
本日は、このような機会をいただきまして、まことにありがとうございます。
中央労福協は、二〇一五年より、給付型奨学金制度の創設、奨学金制度の改善、学費を含む教育費負担の軽減に取り組んでまいりました。その立場から、今回の法案並びに関連する奨学金制度の課題について意見を述べさせていただきたいと思います。
初めに、奨学金問題の基本的な認識についてお話ししたいと思います。
この間の取り組みを通じて実感したことは、この問題が極めて深刻であり、もはや個人の努力の限界を超えて、社会の構造的な問題となっているということです。
中央労福協では、奨学金の利用実態を把握するために、二〇一五年の七月から八月にアンケート調査を実施し、一万三千三百四十二名から回答を得ることができました。資料の「アンケートから見えてきた奨学金問題」というミニ冊子をごらんいただきたいと思います。
表紙にありますが、奨学金の平均的な借入額が三百十二・九万円、毎月の返済額が一万七千二百六円、返還期間は十四・一年となっています。
五ページ下のグラフで返済の負担感を見ると、苦しいが四割弱、非正規労働者では五六%に達しています。
六ページをごらんください。奨学金返済は、結婚、出産、子育てなどにも大きく影響を及ぼしていることがわかります。
授業料の高騰や家計収入の低下により、今や大学生の二人に一人以上が奨学金を利用しなければ進学できず、卒業後も不安定雇用や低賃金で返済に苦しんでいます。無理をして返している人も、結婚や出産にちゅうちょしてしまう。こうした事態を放置しておけば、貧困の連鎖や少子化をさらに加速し、日本社会自体が持続不可能となってしまいます。奨学金問題は、教育の機会均等確保の問題だけではなく、社会の存続にかかわる問題でもあるのです。
こうした中で、給付型奨学金の創設や、奨学金制度の改善、教育費負担の軽減は、勤労者、国民の切実な願いとなっています。そのことは、約三百四万筆にも及ぶ署名や、お手元に配付しております大変分厚い冊子でございますが、アピールへの賛同がさまざまな分野を超えて共感を呼び、大きく広がったことにあらわれています。
また、奨学金制度についてあなたの声を聞かせてくださいと呼びかけたところ、全国から千四通のメッセージが寄せられました。お手元の冊子にその一部を抜粋しておりますが、結婚、出産は無理、ブラックリストに載ってしまう、子供に借金を負わせたようなもの、このまま夢を諦めたくない、勉学よりもアルバイトに追われる毎日などなど、読むと本当に胸が痛みます。ぜひとも、こうした声を国会議員の先生の皆様たちに受けとめていただきたいと思います。
本法案で、これまで貸与型しかなかった日本において給付型の奨学金ができることは大きな前進であり、評価をしております。とりわけ与野党の先生の皆様たちの御尽力に対しまして、心より感謝申し上げたいと思います。しかし、規模は余りにも小さく、対象者も限定的です。今回の制度創設はあくまでもスタートラインであって、将来に向けて拡充し、大きく育てていただきたいと思います。
以下、法案の内容及び関連する課題について意見を申し上げます。
第一に、給付対象者についてです。
一学年二万人では、高等教育の進学者に対してわずか二・六%です。非課税世帯の進学者も三分の一しかカバーできていません。また、学費の高騰や家計収入の低下により、中間層を含む多くの世帯にとって、子供の学費を負担することが困難となっています。ごく一部の貧困層のみを救うという視点だけでは、現在の教育費問題を解決することはできません。当面は住民税非課税世帯の進学者六・一万人全員に対象を広げつつ、将来的には中間層にまで広げていただきたいと思います。
第二に、給付額についてです。
月額二万から四万円では、やはり不十分と言わざるを得ません。文部科学省の検討チームの試算でも、アルバイト、仕送り、その他の収入を見込んでも一万から二万円不足しており、その分の増額は必要であると思います。また、授業料減免と給付型奨学金を併用する場合、減額調整を行うと言われておりますが、再考をお願いいたします。進学を後押しするためには、学費の軽減と生活費の両面からの支援が必要です。
第三に、学業成績不良の場合には、そこに至った事情を総合的に判断し、可能な限り学業を継続できるよう、支給打ち切りや返還については慎重な運用を行うべきです。月額二万から四万円では、依然としてアルバイトに追われ、学業に集中できません。個々の学生の抱える事情を把握して、丁寧な相談対応を行っていただきたいと思います。
第四に、制度導入後も不断の検証と見直しが必要です。
法案の附則で施行五年後の見直しが盛り込まれましたことは、大変評価しております。ただ、それ以前であっても、ニーズの充足状況の調査や運用に伴う問題点の実態把握を行って、必要な改善については早期に対応していただきたいと思います。また、実施状況や検証結果については、国会に定期的に報告すべきであると考えています。
第五に、制度を円滑に運用するには実施体制の整備が不可欠です。
四月から給付型奨学金や所得連動返還型奨学金がスタートし、日本学生支援機構の業務量も相当に増大します。現在でも、返済に関する相談や学校現場からの問い合わせの電話がなかなかつながらないと言われています。業務量に見合う十分な人員の確保や、制度の周知、広報体制の整備を国の責任で行っていただきたいと思います。
第六に、無利子奨学金についてはここ数年拡充されてきておりますが、依然として、貸与奨学金の六割超が有利子です。将来は全て無利子にすることを目標に、少なくとも無利子が有利子を上回るよう拡充を図っていただきたいと思います。
第七に、新たに給付や貸与を受ける人だけではなく、既存の返済者の負担軽減や救済制度の改善、拡充も忘れてはなりません。新所得連動返還型奨学金制度のさらなる改善、拡充とともに、猶予期間の延長、一定期間経過後の返還免除制度の導入、延滞金賦課率の引き下げについても早急に検討し、改善していただきますよう要請いたします。
最後になりますが、奨学金制度の拡充や学費の引き下げは国民の関心が高いテーマです。しかし、文部科学省の検討過程が非公開とされ、国民的な議論ができなかったことは残念です。ぜひとも、奨学金や学費に関して検討を行う際には、情報の公開は言うまでもなく、検討過程に利用者、勤労者の代表や学校現場からの参画を図り、国民世論を味方につける形で進めていただきたいと思います。
ぜひとも、この国会審議を通じて、有利子から無利子へ、貸与から給付への流れをより確かなものとし、将来に向けて拡充していく方向性を国会の意思として明らかにしていただくことを強く要望し、意見陳述とさせていただきます。
御清聴ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →本日は、このような機会をいただきまして、まことにありがとうございます。
中央労福協は、二〇一五年より、給付型奨学金制度の創設、奨学金制度の改善、学費を含む教育費負担の軽減に取り組んでまいりました。その立場から、今回の法案並びに関連する奨学金制度の課題について意見を述べさせていただきたいと思います。
初めに、奨学金問題の基本的な認識についてお話ししたいと思います。
この間の取り組みを通じて実感したことは、この問題が極めて深刻であり、もはや個人の努力の限界を超えて、社会の構造的な問題となっているということです。
中央労福協では、奨学金の利用実態を把握するために、二〇一五年の七月から八月にアンケート調査を実施し、一万三千三百四十二名から回答を得ることができました。資料の「アンケートから見えてきた奨学金問題」というミニ冊子をごらんいただきたいと思います。
表紙にありますが、奨学金の平均的な借入額が三百十二・九万円、毎月の返済額が一万七千二百六円、返還期間は十四・一年となっています。
五ページ下のグラフで返済の負担感を見ると、苦しいが四割弱、非正規労働者では五六%に達しています。
六ページをごらんください。奨学金返済は、結婚、出産、子育てなどにも大きく影響を及ぼしていることがわかります。
授業料の高騰や家計収入の低下により、今や大学生の二人に一人以上が奨学金を利用しなければ進学できず、卒業後も不安定雇用や低賃金で返済に苦しんでいます。無理をして返している人も、結婚や出産にちゅうちょしてしまう。こうした事態を放置しておけば、貧困の連鎖や少子化をさらに加速し、日本社会自体が持続不可能となってしまいます。奨学金問題は、教育の機会均等確保の問題だけではなく、社会の存続にかかわる問題でもあるのです。
こうした中で、給付型奨学金の創設や、奨学金制度の改善、教育費負担の軽減は、勤労者、国民の切実な願いとなっています。そのことは、約三百四万筆にも及ぶ署名や、お手元に配付しております大変分厚い冊子でございますが、アピールへの賛同がさまざまな分野を超えて共感を呼び、大きく広がったことにあらわれています。
また、奨学金制度についてあなたの声を聞かせてくださいと呼びかけたところ、全国から千四通のメッセージが寄せられました。お手元の冊子にその一部を抜粋しておりますが、結婚、出産は無理、ブラックリストに載ってしまう、子供に借金を負わせたようなもの、このまま夢を諦めたくない、勉学よりもアルバイトに追われる毎日などなど、読むと本当に胸が痛みます。ぜひとも、こうした声を国会議員の先生の皆様たちに受けとめていただきたいと思います。
本法案で、これまで貸与型しかなかった日本において給付型の奨学金ができることは大きな前進であり、評価をしております。とりわけ与野党の先生の皆様たちの御尽力に対しまして、心より感謝申し上げたいと思います。しかし、規模は余りにも小さく、対象者も限定的です。今回の制度創設はあくまでもスタートラインであって、将来に向けて拡充し、大きく育てていただきたいと思います。
以下、法案の内容及び関連する課題について意見を申し上げます。
第一に、給付対象者についてです。
一学年二万人では、高等教育の進学者に対してわずか二・六%です。非課税世帯の進学者も三分の一しかカバーできていません。また、学費の高騰や家計収入の低下により、中間層を含む多くの世帯にとって、子供の学費を負担することが困難となっています。ごく一部の貧困層のみを救うという視点だけでは、現在の教育費問題を解決することはできません。当面は住民税非課税世帯の進学者六・一万人全員に対象を広げつつ、将来的には中間層にまで広げていただきたいと思います。
第二に、給付額についてです。
月額二万から四万円では、やはり不十分と言わざるを得ません。文部科学省の検討チームの試算でも、アルバイト、仕送り、その他の収入を見込んでも一万から二万円不足しており、その分の増額は必要であると思います。また、授業料減免と給付型奨学金を併用する場合、減額調整を行うと言われておりますが、再考をお願いいたします。進学を後押しするためには、学費の軽減と生活費の両面からの支援が必要です。
第三に、学業成績不良の場合には、そこに至った事情を総合的に判断し、可能な限り学業を継続できるよう、支給打ち切りや返還については慎重な運用を行うべきです。月額二万から四万円では、依然としてアルバイトに追われ、学業に集中できません。個々の学生の抱える事情を把握して、丁寧な相談対応を行っていただきたいと思います。
第四に、制度導入後も不断の検証と見直しが必要です。
法案の附則で施行五年後の見直しが盛り込まれましたことは、大変評価しております。ただ、それ以前であっても、ニーズの充足状況の調査や運用に伴う問題点の実態把握を行って、必要な改善については早期に対応していただきたいと思います。また、実施状況や検証結果については、国会に定期的に報告すべきであると考えています。
第五に、制度を円滑に運用するには実施体制の整備が不可欠です。
四月から給付型奨学金や所得連動返還型奨学金がスタートし、日本学生支援機構の業務量も相当に増大します。現在でも、返済に関する相談や学校現場からの問い合わせの電話がなかなかつながらないと言われています。業務量に見合う十分な人員の確保や、制度の周知、広報体制の整備を国の責任で行っていただきたいと思います。
第六に、無利子奨学金についてはここ数年拡充されてきておりますが、依然として、貸与奨学金の六割超が有利子です。将来は全て無利子にすることを目標に、少なくとも無利子が有利子を上回るよう拡充を図っていただきたいと思います。
第七に、新たに給付や貸与を受ける人だけではなく、既存の返済者の負担軽減や救済制度の改善、拡充も忘れてはなりません。新所得連動返還型奨学金制度のさらなる改善、拡充とともに、猶予期間の延長、一定期間経過後の返還免除制度の導入、延滞金賦課率の引き下げについても早急に検討し、改善していただきますよう要請いたします。
最後になりますが、奨学金制度の拡充や学費の引き下げは国民の関心が高いテーマです。しかし、文部科学省の検討過程が非公開とされ、国民的な議論ができなかったことは残念です。ぜひとも、奨学金や学費に関して検討を行う際には、情報の公開は言うまでもなく、検討過程に利用者、勤労者の代表や学校現場からの参画を図り、国民世論を味方につける形で進めていただきたいと思います。
ぜひとも、この国会審議を通じて、有利子から無利子へ、貸与から給付への流れをより確かなものとし、将来に向けて拡充していく方向性を国会の意思として明らかにしていただくことを強く要望し、意見陳述とさせていただきます。
御清聴ありがとうございました。拍手
永
柴
柴田悠#8
○柴田参考人 皆様、おはようございます。柴田でございます。
先ほどの花井さんからの現場の話、そして久波さんからの当事者のお話、非常に重い話でして、特に久波さんからの当事者のお話、ぜひ重く受けとめていただければと思います。
お手元に配付資料がございます、こういうA4のものですけれども、私はどういう立場で御発言するかと申しますと、データ分析をしてきた、とりわけ先進諸国のマクロデータを分析してきた立場からお話しさせていただきます。
ただ、私の分析、まだまだ粗い分析でして、まだまだ改善の余地があります。ですので、結論としましては、ぜひこういったマクロデータの分析をもっと進めていただきたい、できれば、政府の研究機関だとか、あるいは民間の研究機関に委託するなりだとかいろいろな方法がありますので、そういったことをお願いしたいと思います。
今回の私の分析の結論がタイトルになっておりますけれども、大学の学費の軽減は、出生率の上昇と労働生産性の上昇、この二つをもたらすのではないかという可能性が見えてきたというのが今回お話ししたいことでございます。
細かく言いますと、ポイントというところにまとめているんですけれども、特に下線部を引いたところですね。大学の学費の軽減によって、希望出生率一・八だとか、あとは労働生産性の上昇によるGDP六百兆円といったものは実現できる可能性があるんじゃないかということです。
もう少し細かく言いますと、大学学費軽減だけではなくて、労働時間の短縮、つまり働き方改革、あとは待機児童の解消といったものも必要かとは思うんですけれども、そういったものを組み合わせれば、今の政府が目標としている数値の実現が可能ではないかということが分析から多少見えてきたということでございます。
ただ、先ほども申し上げましたように、まだ粗いところがありますので、ぜひとも今後、詳しく分析をさらにしていただきたいと思います。
詳しくは、どういった分析をしたかというのを簡単に御説明いたしますと、三ページの下のところを見ていただけますでしょうか。三ページの下のところを見ていただきますと、分析の概要が載っております。下線を引いたところですけれども、私が行った分析は、先進諸国のデータを分析したということでございます。
詳しく言いますと、先進二十八カ国の八〇年代から二〇〇〇年代のデータを分析したところ、どういった傾向が見られるのかというのを見出していきました。その結果、先進国の過去の傾向というのを今後の日本に当てはめて推計した結果が次のページに載っております。
今回のこの委員会は給付型奨学金に関するものですが、私のお話は、もう少し大きな視野で、その後、さらにどういった形で、どこら辺まで教育への投資を広げていくべきか、それが社会にどういった影響をもたらすのかというところが主眼になっておりますので、その点は御了承ください。
そして、四ページの上の方、下線を引いておりますけれども、先ほども言いましたように、あくまでこれは先進諸国の過去の傾向をそのまま今後の日本に当てはめて推計した、試算したということですので、その点は御了承ください。
また、因果関係の細かいメカニズムも、まだ明らかになっていません。あくまで、こういった政策を組むとこういったアウトプットが出てきたという傾向にすぎませんので、ぜひとも今後、さまざまな検証、分析をいろいろなところでしていただければ、それを総合的に判断して政策に生かしていただければと思います。
得られた結論がこの図に載っております。これは、先日、二月八日の日本経済新聞に「経済教室」という欄で載せた分析を若干さらに改定した数字になっております。
ここの図を簡単に御説明しますと、まず、一番左上に書いてありますものが労働時間の短縮、これを週三時間短縮するという改革ができたと仮定します。これを今後、二〇一七年から二〇二五年までの八年間で実現するという前提を置きます。
次に、大学の学費の軽減、これを国立大学相当分のみ、全ての大学生、専門学校生、短大生に国立大学授業相当分のみ学費を軽減する、方法は特には問いませんけれども、そういった大規模な学費軽減を行う、これは予算が一・七兆円ぐらい必要かと思うんですが、そういった設定をいたします。これも今後八年間で実施するという設定です。
三つ目が待機児童の解消です。これは、保育士への給与改善も含めた数字になっているんですが、保育士の給与を大幅に改善した上に、さらに保育所あるいは保育ママを拡充するといった形で保育サービスを拡充するということに一・四兆円を投入する。これによって、恐らく待機児童はかなり大幅に減少するのではないかと見込んでおりますが、この一・四兆円という数字でインプットを設定しております。
この三つのインプットを設定すると、先進諸国のこれまでの傾向から試算しますと、どういった変化が日本社会にもたらされるのかというのを推計したところ、まず、総合的に、結論、この三つの合計値が一番右のところに書いてあります。出生率がプラス〇・三六ほどということです。かなりこれは大きな数字なんですが、とりわけ働き方改革、つまり労働時間の週三時間短縮と大学学費の国立相当無償化によって、かなり大幅に出生率は上がるんじゃないか。これはもうわかりやすい話ですけれども、労働時間が短縮すれば、家庭の時間が持ちやすくなるわけです。子育てもしやすくなる。あと、学費が軽減されれば、子育てのコストが減るわけです。
こういったところから、主にこの〇・三六一、あとは待機児童解消も少し出生率を上げる効果が見込まれるという結果になっております。この〇・三六一が、もしこの分引き上がるとしますと、直近の出生率は一・四五ですので、足し合わせると一・八、希望出生率一・八が実現できるんじゃないかという試算になります。
逆を言いますと、このぐらい大胆な学費軽減や働き方改革、待機児童解消をしないと希望出生率一・八は実現できないんじゃないかというのが、現在のところ、私が持っている所感でございます。もちろん、検証は、まだまだ必要でございます。
さらに、出生率の上昇だけではなく、労働生産性の上昇も、この分析から見られたということでございます。これは労働時間の短縮がとりわけ大きな効果をもたらしているんですが、この労働生産性というのは一時間当たりの生産性です。一時間当たりに生み出される実質GDPの上昇率が上がるということでございます。労働時間短縮と学費軽減と待機児童解消によって、合計、合わせて、年平均で一・一%ぐらい労働生産性の上昇率が引き上がるという結果になっております。
さらに、待機児童の解消は、もう一つ、子供の貧困を減らすという効果も見込まれまして、これは、待機児童解消によって保育所を利用しやすくなるというところによって、まあ保育所が安くなるというところもありますけれども、それによってお母さんが働きやすくなるというところから、子供の貧困が二%ほど減るのではないかというふうに見込まれました。
以上が私の見出した分析結果なんですが、もちろん、今後検証していただきたいと思います。
最後に、労働生産性が一・一四、年平均で上がると、これは八年間続けて年平均ということなんですけれども、これをGDPに換算してみたところ、現在のGDPが五百兆円ぐらいと想定しまして、二〇二五年にGDPがどのぐらいになるのかというのを簡単に試算いたしました。
これは、これまでの労働生産性の伸び率をそのままと仮定して、四ページの一番下に書いてあるところなんですが、就業人口は変わらないと仮定します。これは難しい仮定ですけれども、とりあえず仮定いたします。そうしますと、まず、この三つの改革をしなかった場合は、GDPは五百五十兆円という計算結果になります。これまでの成長率をそのまま当てはめますと五百五十兆円。この三つの改革をした場合、GDPはどのぐらいまでふえるかといいますと、単純計算しますと六百兆円ぐらいというふうになりました。
ですので、GDP六百兆円という目標値で現在政府は取り組んでおられると思うんですけれども、その六百兆円を実現するためにいろいろな取り組みがあるかと思うんですが、一つにはこういった働き方改革はもちろんされておりますけれども、それだけじゃなくて、大学の学費の軽減によって家計が消費がしやすくなるわけですね。とりわけ、今消費が伸びていない子育て世代の消費が恐らく伸びるんじゃないか、それによってGDPはふえるんじゃないか、生産性もふえていくんじゃないかというふうに解釈しております。
ただ、何度も申し上げておりますが、この推計はまだまだ粗いものでして、今後、ぜひとも政府系の研究機関だとかあるいは民間の研究機関に委託するだとかいった形で、より専門的に、より精緻な分析をしていただいて、教育の投資というのがマクロ経済やあるいは出生率にどういうプラスの影響を与えるのかというのを検討していただきたいと思います。
一点だけ補足いたしますと、先日、三月十日の日本経済新聞の「経済教室」で、日本経済研究センターの主任研究員の河越正明さんが、教育の投資、子ども・子育てと教育に八兆円を投資するというふうにすると、実質GDPの成長率が、二〇二六年から二〇三〇年度にかけての年平均が、何もしなかった場合は〇・四%ですが、この改革、つまり八兆円を子ども・子育てと教育に投資すると二・〇%まで引き上がるというような推計も出されております。
こういったいろいろな推計、民間でも推計されていますので、こういった推計を総合的に判断しながら、教育の投資のマクロ効果というのをぜひ積極的に検証していただきたいと思います。
以上で参考人としての発言を終わらせていただきます。ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →先ほどの花井さんからの現場の話、そして久波さんからの当事者のお話、非常に重い話でして、特に久波さんからの当事者のお話、ぜひ重く受けとめていただければと思います。
お手元に配付資料がございます、こういうA4のものですけれども、私はどういう立場で御発言するかと申しますと、データ分析をしてきた、とりわけ先進諸国のマクロデータを分析してきた立場からお話しさせていただきます。
ただ、私の分析、まだまだ粗い分析でして、まだまだ改善の余地があります。ですので、結論としましては、ぜひこういったマクロデータの分析をもっと進めていただきたい、できれば、政府の研究機関だとか、あるいは民間の研究機関に委託するなりだとかいろいろな方法がありますので、そういったことをお願いしたいと思います。
今回の私の分析の結論がタイトルになっておりますけれども、大学の学費の軽減は、出生率の上昇と労働生産性の上昇、この二つをもたらすのではないかという可能性が見えてきたというのが今回お話ししたいことでございます。
細かく言いますと、ポイントというところにまとめているんですけれども、特に下線部を引いたところですね。大学の学費の軽減によって、希望出生率一・八だとか、あとは労働生産性の上昇によるGDP六百兆円といったものは実現できる可能性があるんじゃないかということです。
もう少し細かく言いますと、大学学費軽減だけではなくて、労働時間の短縮、つまり働き方改革、あとは待機児童の解消といったものも必要かとは思うんですけれども、そういったものを組み合わせれば、今の政府が目標としている数値の実現が可能ではないかということが分析から多少見えてきたということでございます。
ただ、先ほども申し上げましたように、まだ粗いところがありますので、ぜひとも今後、詳しく分析をさらにしていただきたいと思います。
詳しくは、どういった分析をしたかというのを簡単に御説明いたしますと、三ページの下のところを見ていただけますでしょうか。三ページの下のところを見ていただきますと、分析の概要が載っております。下線を引いたところですけれども、私が行った分析は、先進諸国のデータを分析したということでございます。
詳しく言いますと、先進二十八カ国の八〇年代から二〇〇〇年代のデータを分析したところ、どういった傾向が見られるのかというのを見出していきました。その結果、先進国の過去の傾向というのを今後の日本に当てはめて推計した結果が次のページに載っております。
今回のこの委員会は給付型奨学金に関するものですが、私のお話は、もう少し大きな視野で、その後、さらにどういった形で、どこら辺まで教育への投資を広げていくべきか、それが社会にどういった影響をもたらすのかというところが主眼になっておりますので、その点は御了承ください。
そして、四ページの上の方、下線を引いておりますけれども、先ほども言いましたように、あくまでこれは先進諸国の過去の傾向をそのまま今後の日本に当てはめて推計した、試算したということですので、その点は御了承ください。
また、因果関係の細かいメカニズムも、まだ明らかになっていません。あくまで、こういった政策を組むとこういったアウトプットが出てきたという傾向にすぎませんので、ぜひとも今後、さまざまな検証、分析をいろいろなところでしていただければ、それを総合的に判断して政策に生かしていただければと思います。
得られた結論がこの図に載っております。これは、先日、二月八日の日本経済新聞に「経済教室」という欄で載せた分析を若干さらに改定した数字になっております。
ここの図を簡単に御説明しますと、まず、一番左上に書いてありますものが労働時間の短縮、これを週三時間短縮するという改革ができたと仮定します。これを今後、二〇一七年から二〇二五年までの八年間で実現するという前提を置きます。
次に、大学の学費の軽減、これを国立大学相当分のみ、全ての大学生、専門学校生、短大生に国立大学授業相当分のみ学費を軽減する、方法は特には問いませんけれども、そういった大規模な学費軽減を行う、これは予算が一・七兆円ぐらい必要かと思うんですが、そういった設定をいたします。これも今後八年間で実施するという設定です。
三つ目が待機児童の解消です。これは、保育士への給与改善も含めた数字になっているんですが、保育士の給与を大幅に改善した上に、さらに保育所あるいは保育ママを拡充するといった形で保育サービスを拡充するということに一・四兆円を投入する。これによって、恐らく待機児童はかなり大幅に減少するのではないかと見込んでおりますが、この一・四兆円という数字でインプットを設定しております。
この三つのインプットを設定すると、先進諸国のこれまでの傾向から試算しますと、どういった変化が日本社会にもたらされるのかというのを推計したところ、まず、総合的に、結論、この三つの合計値が一番右のところに書いてあります。出生率がプラス〇・三六ほどということです。かなりこれは大きな数字なんですが、とりわけ働き方改革、つまり労働時間の週三時間短縮と大学学費の国立相当無償化によって、かなり大幅に出生率は上がるんじゃないか。これはもうわかりやすい話ですけれども、労働時間が短縮すれば、家庭の時間が持ちやすくなるわけです。子育てもしやすくなる。あと、学費が軽減されれば、子育てのコストが減るわけです。
こういったところから、主にこの〇・三六一、あとは待機児童解消も少し出生率を上げる効果が見込まれるという結果になっております。この〇・三六一が、もしこの分引き上がるとしますと、直近の出生率は一・四五ですので、足し合わせると一・八、希望出生率一・八が実現できるんじゃないかという試算になります。
逆を言いますと、このぐらい大胆な学費軽減や働き方改革、待機児童解消をしないと希望出生率一・八は実現できないんじゃないかというのが、現在のところ、私が持っている所感でございます。もちろん、検証は、まだまだ必要でございます。
さらに、出生率の上昇だけではなく、労働生産性の上昇も、この分析から見られたということでございます。これは労働時間の短縮がとりわけ大きな効果をもたらしているんですが、この労働生産性というのは一時間当たりの生産性です。一時間当たりに生み出される実質GDPの上昇率が上がるということでございます。労働時間短縮と学費軽減と待機児童解消によって、合計、合わせて、年平均で一・一%ぐらい労働生産性の上昇率が引き上がるという結果になっております。
さらに、待機児童の解消は、もう一つ、子供の貧困を減らすという効果も見込まれまして、これは、待機児童解消によって保育所を利用しやすくなるというところによって、まあ保育所が安くなるというところもありますけれども、それによってお母さんが働きやすくなるというところから、子供の貧困が二%ほど減るのではないかというふうに見込まれました。
以上が私の見出した分析結果なんですが、もちろん、今後検証していただきたいと思います。
最後に、労働生産性が一・一四、年平均で上がると、これは八年間続けて年平均ということなんですけれども、これをGDPに換算してみたところ、現在のGDPが五百兆円ぐらいと想定しまして、二〇二五年にGDPがどのぐらいになるのかというのを簡単に試算いたしました。
これは、これまでの労働生産性の伸び率をそのままと仮定して、四ページの一番下に書いてあるところなんですが、就業人口は変わらないと仮定します。これは難しい仮定ですけれども、とりあえず仮定いたします。そうしますと、まず、この三つの改革をしなかった場合は、GDPは五百五十兆円という計算結果になります。これまでの成長率をそのまま当てはめますと五百五十兆円。この三つの改革をした場合、GDPはどのぐらいまでふえるかといいますと、単純計算しますと六百兆円ぐらいというふうになりました。
ですので、GDP六百兆円という目標値で現在政府は取り組んでおられると思うんですけれども、その六百兆円を実現するためにいろいろな取り組みがあるかと思うんですが、一つにはこういった働き方改革はもちろんされておりますけれども、それだけじゃなくて、大学の学費の軽減によって家計が消費がしやすくなるわけですね。とりわけ、今消費が伸びていない子育て世代の消費が恐らく伸びるんじゃないか、それによってGDPはふえるんじゃないか、生産性もふえていくんじゃないかというふうに解釈しております。
ただ、何度も申し上げておりますが、この推計はまだまだ粗いものでして、今後、ぜひとも政府系の研究機関だとかあるいは民間の研究機関に委託するだとかいった形で、より専門的に、より精緻な分析をしていただいて、教育の投資というのがマクロ経済やあるいは出生率にどういうプラスの影響を与えるのかというのを検討していただきたいと思います。
一点だけ補足いたしますと、先日、三月十日の日本経済新聞の「経済教室」で、日本経済研究センターの主任研究員の河越正明さんが、教育の投資、子ども・子育てと教育に八兆円を投資するというふうにすると、実質GDPの成長率が、二〇二六年から二〇三〇年度にかけての年平均が、何もしなかった場合は〇・四%ですが、この改革、つまり八兆円を子ども・子育てと教育に投資すると二・〇%まで引き上がるというような推計も出されております。
こういったいろいろな推計、民間でも推計されていますので、こういった推計を総合的に判断しながら、教育の投資のマクロ効果というのをぜひ積極的に検証していただきたいと思います。
以上で参考人としての発言を終わらせていただきます。ありがとうございました。拍手
永
永
古
古田圭一#11
○古田委員 自由民主党の古田圭一でございます。
私は山口県で高等学校を設置しております学校法人の理事長も兼ねておりますので、奨学金については大変関心を持っております。
先ほどは、四人の参考人の皆様、貴重な御意見を賜りまして、本当にありがとうございました。
このたび給付型の奨学金制度が創設されるということで、これまで進学を諦めていた生徒たちが大学等への進学の夢がかなえられるということで、私も大変うれしく思っているところです。
まず、小林参考人にお聞きしたいと思います。
小林参考人におかれましては、文部科学省の給付型奨学金制度検討チームで構成員として議論の取りまとめで大変御尽力いただいたというふうに伺っておりますけれども、この制度創設に対する率直な所感をまずお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
この発言だけを見る →私は山口県で高等学校を設置しております学校法人の理事長も兼ねておりますので、奨学金については大変関心を持っております。
先ほどは、四人の参考人の皆様、貴重な御意見を賜りまして、本当にありがとうございました。
このたび給付型の奨学金制度が創設されるということで、これまで進学を諦めていた生徒たちが大学等への進学の夢がかなえられるということで、私も大変うれしく思っているところです。
まず、小林参考人にお聞きしたいと思います。
小林参考人におかれましては、文部科学省の給付型奨学金制度検討チームで構成員として議論の取りまとめで大変御尽力いただいたというふうに伺っておりますけれども、この制度創設に対する率直な所感をまずお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
小
小林雅之#12
○小林参考人 御質問ありがとうございます。
先ほど冒頭に申し上げましたように、日本の奨学金制度というのは戦後ほとんど変わってこなかったと言っていいかと思います。そういう意味で、先ほどほかの参考人も申しましたように、さまざまな問題点を持っていることも事実でございますので、今回の給付型奨学金制度というものは、そういう意味で画期的な制度になるかというふうに思っております。
ただ、私がもう一つ強調したかったのは、既にできております新しい所得連動返還型奨学金制度、これとあわせて実施していくことによって、より一層奨学金制度の改革が進むのではないか、そういうふうに考えております。
この発言だけを見る →先ほど冒頭に申し上げましたように、日本の奨学金制度というのは戦後ほとんど変わってこなかったと言っていいかと思います。そういう意味で、先ほどほかの参考人も申しましたように、さまざまな問題点を持っていることも事実でございますので、今回の給付型奨学金制度というものは、そういう意味で画期的な制度になるかというふうに思っております。
ただ、私がもう一つ強調したかったのは、既にできております新しい所得連動返還型奨学金制度、これとあわせて実施していくことによって、より一層奨学金制度の改革が進むのではないか、そういうふうに考えております。
古
古田圭一#13
○古田委員 どうもありがとうございます。
それでは、次に、四人の参考人の皆様全員にお伺いしたいというふうに思います。
先ほどの小林参考人の資料にもありましたけれども、日本学生支援機構の奨学金を申請しない理由ということで、よく知らなかったからという割合がかなり高いというふうに感じました。
このたびの奨学金制度の充実、すなわち、給付型奨学金制度の創設、それから所得連動返還型奨学金制度、低所得世帯への無利子奨学金の成績基準の実質的な撤廃というのがありますけれども、これらで奨学金のメニューが大変ふえまして、高校三年になってこのような制度があることを聞いたとしても、進学の心づもりができておらず、遅いのではないかというふうに感じてもおります。もっと早い段階から、小学校、中学校も含めて、生徒や保護者、教員等に対して奨学金の制度の周知を図るための取り組みも大変重要ではないかというふうに思っております。
どのようにして周知を図って理解を深めてもらえばよいか、皆様方のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
それでは、小林参考人からよろしくお願いいたします。
この発言だけを見る →それでは、次に、四人の参考人の皆様全員にお伺いしたいというふうに思います。
先ほどの小林参考人の資料にもありましたけれども、日本学生支援機構の奨学金を申請しない理由ということで、よく知らなかったからという割合がかなり高いというふうに感じました。
このたびの奨学金制度の充実、すなわち、給付型奨学金制度の創設、それから所得連動返還型奨学金制度、低所得世帯への無利子奨学金の成績基準の実質的な撤廃というのがありますけれども、これらで奨学金のメニューが大変ふえまして、高校三年になってこのような制度があることを聞いたとしても、進学の心づもりができておらず、遅いのではないかというふうに感じてもおります。もっと早い段階から、小学校、中学校も含めて、生徒や保護者、教員等に対して奨学金の制度の周知を図るための取り組みも大変重要ではないかというふうに思っております。
どのようにして周知を図って理解を深めてもらえばよいか、皆様方のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
それでは、小林参考人からよろしくお願いいたします。
小
小林雅之#14
○小林参考人 これにつきましては、私、簡単にしか申し上げられなかったんですが、最後の課題のところに、金融リテラシーということを高めることが非常に重要であるということを申し上げました。
これは、委員のおっしゃるように、もう高等教育に進学してからでは遅いわけでありまして、高校の段階、あるいは、高校に進学するということが、現在の日本ではどのような大学、専門学校に行くかということをかなり規定しておりますので、実は高校進学においても非常に重要な問題になりますので、そうしますと中学からということになりますが、その段階で十分な金融のための知識を設ける必要があるかと思います。
現在、文部科学省の指導要領によりますと、高等学校の家庭科で消費者教育ということを行うことになっておりますけれども、これは、ローンの教育ということは行われているようでありますけれども、奨学金については特に項目としては入っていないというふうにお聞きしておりますので、そのあたりに、例えば奨学金について指導要領に入れていただくということも一つの案であるかというふうに思っております。
この発言だけを見る →これは、委員のおっしゃるように、もう高等教育に進学してからでは遅いわけでありまして、高校の段階、あるいは、高校に進学するということが、現在の日本ではどのような大学、専門学校に行くかということをかなり規定しておりますので、実は高校進学においても非常に重要な問題になりますので、そうしますと中学からということになりますが、その段階で十分な金融のための知識を設ける必要があるかと思います。
現在、文部科学省の指導要領によりますと、高等学校の家庭科で消費者教育ということを行うことになっておりますけれども、これは、ローンの教育ということは行われているようでありますけれども、奨学金については特に項目としては入っていないというふうにお聞きしておりますので、そのあたりに、例えば奨学金について指導要領に入れていただくということも一つの案であるかというふうに思っております。
久
久波孝典#15
○久波参考人 私の方からは、高校に入ってから奨学金の存在に気づくという状態は確かに遅いと思っておりまして、それを周知することに特化するのではなく、高校に入る以前ですとか在学中ですとか、そういったときに、自分がどんな将来を歩んでいくのかというイメージをつかむですとか、進学自体を手段と考えて、それに必要な奨学金も一つの手段としてあるんだよということだけ心の片隅に認知させておくようにしておけば、あとは、ほかは、やはりおのおのがどんな道を築くのかというところに特化した何かと、先ほど小林参考人の方からもおっしゃっていたお金に対する基礎知識、こういったところがセットで充実していけばいいのかなというふうに考えております。
この発言だけを見る →花
花井圭子#16
○花井参考人 ありがとうございます。
二つあろうかと思いまして、一つは、私たちの先ほどお配りしております調査の中にありますように、猶予措置があるということを知らなかったという方が利用者の中で三割を超えております。さらに、延滞金が五%つくとか、さまざまなリスクに対する、あるいは猶予措置とかそういう制度に対する認知度が高くはない、どちらかというと、物によっては低いというような結果を得ておりますので、今後創設されるスカラシップアドバイザーの機能について大変期待をしております。現場の先生たちも、制度が頻繁に変わることによって、さらに利用者がふえていることによって、生徒にきちんと伝えることが難しくて、進路指導の先生たちの負担も大変大きくなっているというふうに伺っておりますので、ぜひその制度が機能することを期待したいと思います。
それからもう一つは、やはり教育段階に応じまして、金融リテラシーも含めまして、税金とか社会保障とか、いわゆる社会の仕組みについてきちんと教育の中で教えていくことが必要なのかなというふうに考えております。
ぜひとも、両面から御対応をこれからしていただけたら大変ありがたいなと思います。
以上です。
この発言だけを見る →二つあろうかと思いまして、一つは、私たちの先ほどお配りしております調査の中にありますように、猶予措置があるということを知らなかったという方が利用者の中で三割を超えております。さらに、延滞金が五%つくとか、さまざまなリスクに対する、あるいは猶予措置とかそういう制度に対する認知度が高くはない、どちらかというと、物によっては低いというような結果を得ておりますので、今後創設されるスカラシップアドバイザーの機能について大変期待をしております。現場の先生たちも、制度が頻繁に変わることによって、さらに利用者がふえていることによって、生徒にきちんと伝えることが難しくて、進路指導の先生たちの負担も大変大きくなっているというふうに伺っておりますので、ぜひその制度が機能することを期待したいと思います。
それからもう一つは、やはり教育段階に応じまして、金融リテラシーも含めまして、税金とか社会保障とか、いわゆる社会の仕組みについてきちんと教育の中で教えていくことが必要なのかなというふうに考えております。
ぜひとも、両面から御対応をこれからしていただけたら大変ありがたいなと思います。
以上です。
柴
柴田悠#17
○柴田参考人 私からもほぼ同じことになってしまうかと思いますけれども、やはり小中のころから、義務教育のころから、社会保障の制度、あとはどんな福祉サービスを利用できる権利を持っているのか、あとは労働法、そういった働く上で基本的な法の知識や制度の知識、それが行く行くは投票行動にもつながると思うんです。財政についてもしっかり学ぶ必要があると思いますけれども、そういった点の教育を、奨学金だけに特化せずに、さらにそういう広い文脈で組み合わせてしていただくのがよいかと考えております。
この発言だけを見る →古
古田圭一#18
○古田委員 どうもありがとうございます。
次も四人の参考人の皆さんにお聞きしたいというふうに思います。
高等教育機関に対する公財政支出と私費負担の割合についてであります。
衆議院調査局がまとめた資料によりますと、OECDインディケータ、二〇一六年版をもとに作成したものでありますけれども、高等教育機関に対する公財政支出について、OECDの各国の平均ではGDPの一・一%、一方、私費負担は〇・五%となっています。それに対して、日本の公財政支出はGDPの〇・六%で、逆に私費負担が一・〇ということで、OECD各国に比べまして、私費負担の割合が日本の場合は大幅に大きくなっております。
そういう中で、公財政支出とそれから私費負担のバランスについてどうあるべきか、お聞きしたいと思いますけれども、先ほど、GDP六百兆円を超えるんじゃないかと推測された柴田参考人からまずお聞きしたいと思います。よろしくお願いいたします。
この発言だけを見る →次も四人の参考人の皆さんにお聞きしたいというふうに思います。
高等教育機関に対する公財政支出と私費負担の割合についてであります。
衆議院調査局がまとめた資料によりますと、OECDインディケータ、二〇一六年版をもとに作成したものでありますけれども、高等教育機関に対する公財政支出について、OECDの各国の平均ではGDPの一・一%、一方、私費負担は〇・五%となっています。それに対して、日本の公財政支出はGDPの〇・六%で、逆に私費負担が一・〇ということで、OECD各国に比べまして、私費負担の割合が日本の場合は大幅に大きくなっております。
そういう中で、公財政支出とそれから私費負担のバランスについてどうあるべきか、お聞きしたいと思いますけれども、先ほど、GDP六百兆円を超えるんじゃないかと推測された柴田参考人からまずお聞きしたいと思います。よろしくお願いいたします。
柴
柴田悠#19
○柴田参考人 そうですね、日本の高等教育の私費負担は非常に大き過ぎるところがありまして、それは公的負担が小さ過ぎるところがあるので、そういったところを変えていくには、やはり国民の理解が必要かと思います。
公的負担がどういったメリットがあるのか。今大学に行く人は五割から六割ぐらいですから、全員が行くわけではないんですね。ですので、全員にとって、つまり大学に行かない人にとってもどういったメリットがあるのか、大学に投資することがどういったメリットがあるのかというのをしっかりとわかりやすく正確な推計で示す必要があるかと思います。
それのヒントとなり得るのが、先ほどの出生率の改善。それは今後の財政の健全化にもつながってくるかと思いますし、あるいは労働生産性、あるいは労働者の生産性の全体的な上昇にもつながるかと思いますので、そういったところをわかりやすく推計し、有権者に伝えるというのはすごく重要かなとは思っております。
ありがとうございます。
この発言だけを見る →公的負担がどういったメリットがあるのか。今大学に行く人は五割から六割ぐらいですから、全員が行くわけではないんですね。ですので、全員にとって、つまり大学に行かない人にとってもどういったメリットがあるのか、大学に投資することがどういったメリットがあるのかというのをしっかりとわかりやすく正確な推計で示す必要があるかと思います。
それのヒントとなり得るのが、先ほどの出生率の改善。それは今後の財政の健全化にもつながってくるかと思いますし、あるいは労働生産性、あるいは労働者の生産性の全体的な上昇にもつながるかと思いますので、そういったところをわかりやすく推計し、有権者に伝えるというのはすごく重要かなとは思っております。
ありがとうございます。
花
花井圭子#20
○花井参考人 ありがとうございます。
今回のこの奨学金改善あるいは給付型創設の運動に取り組みまして、本当に、実感したお話はさせていただきましたが、もう一つ驚いたことは、やはりさまざまな意見の中に、結婚とか出産とかは到底考えられない、とても子供を育てることができないという声が多かったということです。調査の中でも、予想以上にそこへの影響が大きかったということがあります。
そういう意味で、今の日本の高等教育に対する公財政支出の低さをこのまま維持していくとすれば、日本社会全体の発展であるとか、それからさまざまな技術開発とか、そういうことに対する影響を及ぼしていくのではないかというふうに懸念しております。
OECDの中でも日本の公財政支出が低いことはこの間ずっと指摘されておりますが、一気にはふえるとは思っておりませんので、せめてOECD平均の一・一まで、当面の目標として引き上げていくことが一番いいのかなというふうに思っております。
以上です。
この発言だけを見る →今回のこの奨学金改善あるいは給付型創設の運動に取り組みまして、本当に、実感したお話はさせていただきましたが、もう一つ驚いたことは、やはりさまざまな意見の中に、結婚とか出産とかは到底考えられない、とても子供を育てることができないという声が多かったということです。調査の中でも、予想以上にそこへの影響が大きかったということがあります。
そういう意味で、今の日本の高等教育に対する公財政支出の低さをこのまま維持していくとすれば、日本社会全体の発展であるとか、それからさまざまな技術開発とか、そういうことに対する影響を及ぼしていくのではないかというふうに懸念しております。
OECDの中でも日本の公財政支出が低いことはこの間ずっと指摘されておりますが、一気にはふえるとは思っておりませんので、せめてOECD平均の一・一まで、当面の目標として引き上げていくことが一番いいのかなというふうに思っております。
以上です。
久
久波孝典#21
○久波参考人 私の方からは、この国の中に諦め感というような言葉といいますか、そういった空気があるかと思うんですけれども、そこが何なのかというところを、つくづく、教育ですとかそういったところにかかるお金が原因なんじゃないかなということを何度も思うタイミングがあります。
やはり家計で負担しなければならないというところは、ある意味でそれが自分の肩に背負わされているというようなところが認識としてありまして、それに追われてしまうという感覚から、自分のやりたいことですとかそういったところに余り気持ちが向かないのかな、そういったところからなるのではないかなというふうに思っておりまして、そこが改善できるのが、一つ何かきっかけにはなるのかなというふうに考えています。
この発言だけを見る →やはり家計で負担しなければならないというところは、ある意味でそれが自分の肩に背負わされているというようなところが認識としてありまして、それに追われてしまうという感覚から、自分のやりたいことですとかそういったところに余り気持ちが向かないのかな、そういったところからなるのではないかなというふうに思っておりまして、そこが改善できるのが、一つ何かきっかけにはなるのかなというふうに考えています。
小
小林雅之#22
○小林参考人 この統計はよく使われるものでありますけれども、確かにGDP比で申しますと、日本はOECD加盟国中最低の水準にあるということはよく言われるわけでありますが、同じOECD統計を見ますと、家計負担の割合が日本はチリに次いで重たい国というふうになっておりまして、韓国あるいはアメリカのような国も相当重たいわけですけれども、それより重たい国になっているということであります。
これは、先ほど申しました親負担主義、親が家族の教育に責任を持つという考え方に基づいているというふうに考えられますが、公的負担をふやすためにはやはりそういった考え方から少し転換していくことが必要だと思いますが、一朝一夕にできるものではないというふうにも考えております。
私が先ほど申し上げたのは、一つは、相続に関して優遇税制があるわけですけれども、それを少し考えてみたらどうかということ。それからもう一つは、お話しする時間がなかったんですけれども、私的負担の中には、家計負担以外にも民間負担というものがございます。これについては、寄附をふやすなり、大学がみずから努力して奨学金を出しているという大学も現在たくさんございますので、そういった民間の努力を促すということも必要ではないかというふうに考えております。
以上です。
この発言だけを見る →これは、先ほど申しました親負担主義、親が家族の教育に責任を持つという考え方に基づいているというふうに考えられますが、公的負担をふやすためにはやはりそういった考え方から少し転換していくことが必要だと思いますが、一朝一夕にできるものではないというふうにも考えております。
私が先ほど申し上げたのは、一つは、相続に関して優遇税制があるわけですけれども、それを少し考えてみたらどうかということ。それからもう一つは、お話しする時間がなかったんですけれども、私的負担の中には、家計負担以外にも民間負担というものがございます。これについては、寄附をふやすなり、大学がみずから努力して奨学金を出しているという大学も現在たくさんございますので、そういった民間の努力を促すということも必要ではないかというふうに考えております。
以上です。
古
永
坂
坂本祐之輔#25
○坂本(祐)委員 民進党・無所属クラブの坂本祐之輔でございます。
本日は、参考人の皆様におかれましては、本委員会に御出席をいただき、まことにありがとうございます。
それでは、早速でございますけれども、質疑に入らせていただきます。
まず初めに、全ての参考人の皆様方にお伺いをさせていただきます。
今回の日本学生支援機構法一部改正法案について、新たに給付型奨学金が創設されたことを評価するものでございます。しかし、対象人数、金額ともに全くもって不十分であると考えております。今後、金額、支給者を大幅に拡大していくことは当然のこと、我が党といたしましては、教育の無償化を掲げておりますので、大学など高等教育機関で学びたいと希望する全ての子供たちに給付型奨学金の支給や学費の減免を行うことを目指して、党内議論を進めているところでございます。
一方で、学びたいと希望する全ての子供たちに給付型奨学金の支給や学費の減免を行うには、およそ三兆円という莫大な財源が必要でございまして、我が国の厳しい財政状況を鑑みると、その実現には、税金を納めていただいている国民の皆様方の御理解が必要不可欠だと考えます。
ここでお伺いいたしますけれども、今回の法案では、支給対象者は、特にすぐれた学生等であって経済的に極めて修学に困難があると認定された者とされておりますが、この支給条件につきましていかがお考えでしょうか。
また、今後、支給対象を大幅に拡大する場合、さらには学びたいと希望する全ての子供たちを支給対象としたときには支給条件をどのようにしていくべきか、お考えをお伺いさせていただきます。
この発言だけを見る →本日は、参考人の皆様におかれましては、本委員会に御出席をいただき、まことにありがとうございます。
それでは、早速でございますけれども、質疑に入らせていただきます。
まず初めに、全ての参考人の皆様方にお伺いをさせていただきます。
今回の日本学生支援機構法一部改正法案について、新たに給付型奨学金が創設されたことを評価するものでございます。しかし、対象人数、金額ともに全くもって不十分であると考えております。今後、金額、支給者を大幅に拡大していくことは当然のこと、我が党といたしましては、教育の無償化を掲げておりますので、大学など高等教育機関で学びたいと希望する全ての子供たちに給付型奨学金の支給や学費の減免を行うことを目指して、党内議論を進めているところでございます。
一方で、学びたいと希望する全ての子供たちに給付型奨学金の支給や学費の減免を行うには、およそ三兆円という莫大な財源が必要でございまして、我が国の厳しい財政状況を鑑みると、その実現には、税金を納めていただいている国民の皆様方の御理解が必要不可欠だと考えます。
ここでお伺いいたしますけれども、今回の法案では、支給対象者は、特にすぐれた学生等であって経済的に極めて修学に困難があると認定された者とされておりますが、この支給条件につきましていかがお考えでしょうか。
また、今後、支給対象を大幅に拡大する場合、さらには学びたいと希望する全ての子供たちを支給対象としたときには支給条件をどのようにしていくべきか、お考えをお伺いさせていただきます。
小
小林雅之#26
○小林参考人 質問ありがとうございます。
支給基準につきましてはさまざまな議論がありまして、一つはメリットベースと申しまして、学力とか業績とかそういったものをどのぐらい考慮するかということと、ニードベースと申しまして、必要性をどの程度見るかということでありまして、今回の給付型の目的はあくまで低所得層の進学を促すという目的でありますので、ニードベースということがまず第一の非常に大きな基準になっております。
その上で、メリットベースの基準をどの程度考えるかということでありますけれども、これについてはさまざまな議論がございました。ただ、私個人の考え方といたしましては、ある程度のメリットベース基準も必要ではないかというふうに考えております。
と申しますのは、奨学金をもらうことがある程度誇りになる、それによってまた社会に出てから貢献していただくということも必要であると考えておりますので、そのためには、やはり、全く所得基準だけで支給が決まるということでは、そういう考え方が余り育たないのではないかというふうに思っているということが一つでありますし、また、こういった所得の低い人たちは、学力が低いということがありますけれども、それなりに頑張っていただいている方も大勢いるわけですね。
ですから、その中では、学力の高い人というのは一つの基準になるかと思います。ただ、これについては非常に多く意見がございまして、必ずしも、高校の評定平均値等だけで判断する、数字だけで判断するのは適当ではないということで、高校長推薦という形をとらせていただきました。
ですから、これからガイドラインを文部科学省が作成して、それに従って各高校が判断していただくということで、メリットベースの方はそういう形で、高校にむしろお預けしているという形でやっておりますので、私は、それが現在ではベストの方法ではないかというふうに考えております。
以上です。
この発言だけを見る →支給基準につきましてはさまざまな議論がありまして、一つはメリットベースと申しまして、学力とか業績とかそういったものをどのぐらい考慮するかということと、ニードベースと申しまして、必要性をどの程度見るかということでありまして、今回の給付型の目的はあくまで低所得層の進学を促すという目的でありますので、ニードベースということがまず第一の非常に大きな基準になっております。
その上で、メリットベースの基準をどの程度考えるかということでありますけれども、これについてはさまざまな議論がございました。ただ、私個人の考え方といたしましては、ある程度のメリットベース基準も必要ではないかというふうに考えております。
と申しますのは、奨学金をもらうことがある程度誇りになる、それによってまた社会に出てから貢献していただくということも必要であると考えておりますので、そのためには、やはり、全く所得基準だけで支給が決まるということでは、そういう考え方が余り育たないのではないかというふうに思っているということが一つでありますし、また、こういった所得の低い人たちは、学力が低いということがありますけれども、それなりに頑張っていただいている方も大勢いるわけですね。
ですから、その中では、学力の高い人というのは一つの基準になるかと思います。ただ、これについては非常に多く意見がございまして、必ずしも、高校の評定平均値等だけで判断する、数字だけで判断するのは適当ではないということで、高校長推薦という形をとらせていただきました。
ですから、これからガイドラインを文部科学省が作成して、それに従って各高校が判断していただくということで、メリットベースの方はそういう形で、高校にむしろお預けしているという形でやっておりますので、私は、それが現在ではベストの方法ではないかというふうに考えております。
以上です。
久
久波孝典#27
○久波参考人 私は、改正案の方の給付型奨学金、特に学ぶ意欲の高い者でありながら極めて経済的困難な環境下にというような表現を拝見させていただいたときに、果たしてこれに自分が該当するだろうかというところを、正直に申し上げますと、思いました。
特に学ぶ意欲が高い、極めて経済的困難を抱えている、これはある意味、下には下がいる、上には上がいるというようなところを考えますと、それに対して自分が該当しているのかというところが余り認識として持てない、いい表現ではないというふうに思っています。
そこに関しては、数値的な指標を入れるですとか、そういったところで御対応していただけるのかと思っておりますけれども、奨学金というものに対して貸与型というのが一般的というふうに議論としてなってきている、そういった風潮ができてしまっている中で、貸与型ではない給付型というものが、自分が該当できるのかどうかというところを意欲的に見られるかどうかというところが、一つ、使われるかどうかというところの鍵になってくるのかなというふうには思っています。
いずれにしても、こういった給付型奨学金の話は広く伝える必要性が、子供だけでなく、親世代ですとかそういったところにも深く伝える必要性があるのではないかなというふうなところを一番に感じます。
この発言だけを見る →特に学ぶ意欲が高い、極めて経済的困難を抱えている、これはある意味、下には下がいる、上には上がいるというようなところを考えますと、それに対して自分が該当しているのかというところが余り認識として持てない、いい表現ではないというふうに思っています。
そこに関しては、数値的な指標を入れるですとか、そういったところで御対応していただけるのかと思っておりますけれども、奨学金というものに対して貸与型というのが一般的というふうに議論としてなってきている、そういった風潮ができてしまっている中で、貸与型ではない給付型というものが、自分が該当できるのかどうかというところを意欲的に見られるかどうかというところが、一つ、使われるかどうかというところの鍵になってくるのかなというふうには思っています。
いずれにしても、こういった給付型奨学金の話は広く伝える必要性が、子供だけでなく、親世代ですとかそういったところにも深く伝える必要性があるのではないかなというふうなところを一番に感じます。
花
花井圭子#28
○花井参考人 お答えしたいと思います。
今回の学校推薦に当たりまして、今後文科省でガイドラインが策定されるというふうに伺っております。
文科省の検討チームの中で示された基準が二つありまして、一つは成績基準、もう一つは、教科以外の学校活動ですぐれた成果をおさめた者等々というふうに記載されております。
成績基準につきましては、現在の無利子奨学金が三・五というふうになっております。その基準も、ことしの四月から非課税世帯のみに基準を撤廃するというふうになっているかと思います。それからすると、本来は給付型奨学金制度も成績基準は設けるべきではないとは思いますが、今回スタートするということで、少なくとも三・五、それ以上には引き上げないでいただきたいというふうに思っております。
もう一つ、教科以外の学校活動等というところですが、非課税世帯の生徒の中には、教科以外の学校活動に参加できる時間的、経済的余裕のない生徒もたくさんいます。そういう生徒の中には、家計を助けるためにアルバイトをしている生徒がいます。そのような環境の中で、進学への意欲を失わないで頑張っている生徒もいると思います。教科以外の学校活動等というところでどういう基準が設けられるか、これから推移を見ていきたいと思いますが、ぜひとも、そんな形で頑張っている生徒も評価されるような、そんな基準にしていただきたいと思います。
以上です。
この発言だけを見る →今回の学校推薦に当たりまして、今後文科省でガイドラインが策定されるというふうに伺っております。
文科省の検討チームの中で示された基準が二つありまして、一つは成績基準、もう一つは、教科以外の学校活動ですぐれた成果をおさめた者等々というふうに記載されております。
成績基準につきましては、現在の無利子奨学金が三・五というふうになっております。その基準も、ことしの四月から非課税世帯のみに基準を撤廃するというふうになっているかと思います。それからすると、本来は給付型奨学金制度も成績基準は設けるべきではないとは思いますが、今回スタートするということで、少なくとも三・五、それ以上には引き上げないでいただきたいというふうに思っております。
もう一つ、教科以外の学校活動等というところですが、非課税世帯の生徒の中には、教科以外の学校活動に参加できる時間的、経済的余裕のない生徒もたくさんいます。そういう生徒の中には、家計を助けるためにアルバイトをしている生徒がいます。そのような環境の中で、進学への意欲を失わないで頑張っている生徒もいると思います。教科以外の学校活動等というところでどういう基準が設けられるか、これから推移を見ていきたいと思いますが、ぜひとも、そんな形で頑張っている生徒も評価されるような、そんな基準にしていただきたいと思います。
以上です。
柴
柴田悠#29
○柴田参考人 まず、対象に関しまして、私は、今回の給付型奨学金は、ひとまずのスタートとしてはすばらしいものであったと思っております。しかし、これからさらに拡充していく必要があると考えておりまして、どこまで拡充するかはもちろん国民で議論するところなんですが、私が提案したのは、国立大学に行った場合は無償になる、私立大学に行った場合は、国立分は無償になって、それ以外は自己負担になるというような提案をしております。その場合は一・七兆円ぐらいで予算は済むというふうに考えられます。これは、進学率が二%引き上がったという想定でお話ししております。さらに、例えば高校無償化と同様に九百十万円という所得制限を設ければ、その七割の予算で済むかと思います。ですので、一兆円ちょっとで、ある程度は無償化できるのかなと思っております。
最後は、財源についてなんですけれども、やはり財源の問題が一番重要でして、私が考えているのは、相続税の課税ベースの拡大、ここの拡大分を例えば教育だけに使うという目的税化してそれを使うというふうにできれば、コンセンサスは得やすいんじゃないかというところと、あとは、今、子ども・子育て拠出金というのが事業者一〇〇%負担でございますけれども、これを一%引き上げれば一・五兆円分ぐらいの財源になる、これは内閣府の試算から出せる数字でございます。これは事業者負担一〇〇%ですので、企業の内部留保を活用する、社会にも恩恵をもたらす形で活用するという形でもいいんじゃないかというふうに考えております。
ありがとうございます。
この発言だけを見る →最後は、財源についてなんですけれども、やはり財源の問題が一番重要でして、私が考えているのは、相続税の課税ベースの拡大、ここの拡大分を例えば教育だけに使うという目的税化してそれを使うというふうにできれば、コンセンサスは得やすいんじゃないかというところと、あとは、今、子ども・子育て拠出金というのが事業者一〇〇%負担でございますけれども、これを一%引き上げれば一・五兆円分ぐらいの財源になる、これは内閣府の試算から出せる数字でございます。これは事業者負担一〇〇%ですので、企業の内部留保を活用する、社会にも恩恵をもたらす形で活用するという形でもいいんじゃないかというふうに考えております。
ありがとうございます。