法務委員会

2017-04-14 衆議院 全180発言

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会議録情報#0
平成二十九年四月十四日(金曜日)
    午前九時二分開議
 出席委員
   委員長 鈴木 淳司君
   理事 今野 智博君 理事 土屋 正忠君
   理事 平口  洋君 理事 古川 禎久君
   理事 宮崎 政久君 理事 井出 庸生君
   理事 逢坂 誠二君 理事 國重  徹君
      赤澤 亮正君    安藤  裕君
      井野 俊郎君    石川 昭政君
      石崎  徹君    奥野 信亮君
      門  博文君    菅家 一郎君
      城内  実君    鈴木 貴子君
      辻  清人君    野中  厚君
      藤原  崇君    古田 圭一君
      牧島かれん君    宮路 拓馬君
      山田 賢司君    吉野 正芳君
      若狭  勝君    枝野 幸男君
      階   猛君    山尾志桜里君
      浜地 雅一君    吉田 宣弘君
      畑野 君枝君    藤野 保史君
      松浪 健太君    上西小百合君
    …………………………………
   法務大臣         金田 勝年君
   法務副大臣        盛山 正仁君
   法務大臣政務官      井野 俊郎君
   外務大臣政務官      武井 俊輔君
   政府参考人
   (警察庁長官官房審議官) 高木 勇人君
   政府参考人
   (警察庁長官官房審議官) 白川 靖浩君
   政府参考人
   (法務省民事局長)    小川 秀樹君
   政府参考人
   (法務省刑事局長)    林  眞琴君
   政府参考人
   (外務省大臣官房参事官) 飯島 俊郎君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           坂口  卓君
   法務委員会専門員     齋藤 育子君
    —————————————
委員の異動
四月十三日
 辞任         補欠選任
  大口 善徳君     浜地 雅一君
同月十四日
 辞任         補欠選任
  宮川 典子君     石川 昭政君
同日
 辞任         補欠選任
  石川 昭政君     石崎  徹君
同日
 辞任         補欠選任
  石崎  徹君     牧島かれん君
同日
 辞任         補欠選任
  牧島かれん君     宮川 典子君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出第六四号)
 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件
     ————◇—————
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鈴木淳司#1
○鈴木委員長 これより会議を開きます。
 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 各件調査のため、本日、政府参考人として警察庁長官官房審議官高木勇人君、警察庁長官官房審議官白川靖浩君、法務省民事局長小川秀樹君、法務省刑事局長林眞琴君、外務省大臣官房参事官飯島俊郎君及び厚生労働省大臣官房審議官坂口卓君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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鈴木淳司#2
○鈴木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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鈴木淳司#3
○鈴木委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。今野智博君。
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今野智博#4
○今野委員 おはようございます。自由民主党の今野智博です。
 本日は、一般質疑の機会を賜りましたことを心から感謝申し上げます。二十分という貴重な限られた時間の中でございますけれども、私自身は、組織的犯罪処罰法の改正案に関連しまして幾つか質疑を行わせていただきたいと考えております。
 まず、今回の改正案、いわゆるテロ等準備罪の新設でございますが、条約、国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約、いわゆるTOC条約と言われるものがございます。この条約の国内担保法としての必要性、そのための整備ということで新設が検討されているものでございます。
 このTOC条約でございますが、平成十二年十一月に国連総会で採択され、そして同年十二月、イタリアのパレルモで開催された署名会議において、我が国を含む百二十カ国が署名をしております。そして、平成十五年五月に、この条約について我が国は国会で承認をしております。
 当然のことながら、この条約の重要性に関して、当時の国会承認の段階でほとんど全ての会派が賛成をしたということでございまして、この条約は、その名のとおり、国際的な犯罪組織、この防止、そしてそこと闘うための条約として、全て四十一カ条から成る総合的な条約ということでございます。
 今回、私は、この組織的犯罪処罰法の改正案を審議するに当たって、残念ながら、我が国は、これを整備しない限り、TOC条約を批准はしたが締結することができない、当然のことながら、その効果に浴することができないという状況が長年にわたって続いているわけでございます。
 今国会でこれをもし成立させることができなければ、この状況がさらに長い間続いていくということが見込まれるわけでございますが、もし我が国がこのTOC条約を締結することができなければ、実際我が国に対してどのような不都合が生じるのか、それについて御答弁をお願いいたします。
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飯島俊郎#5
○飯島政府参考人 お答え申し上げます。
 まず、本条約を締結していない現状におきましては、例えば我が国が刑事共助条約を締結していない国に対して捜査共助を要請する場合、相手国にはこれに応じる国際法上の義務はございません。
 また、条約上、中央当局と言われている捜査当局、関係当局間で直接共助要請を行うのではなく、外交ルートを通じて行うことになりますことから、一定の期間を要することになり、迅速性に欠けるという問題が生じます。この点に関し、FATF、金融活動作業部会からは、我が国が本条約を締結していないことについて、国際的な共助要請につき外交チャンネルを通じてなされることが要求されていることは過度の負担である旨の指摘を受けたことがございます。
 次に、本条約を締結していない現状におきましては、例えば我が国が他国に対して逃亡犯罪人の引き渡しを請求する場合、相手国との間に有効な引き渡し条約が存在しないときは、外交礼譲に基づいて相手国に請求することとなり、引き渡しの実効性確保が必ずしも十分とは言えない状況になっております。また、相手国が、容疑者が自国の国民であることのみを理由として容疑者の引き渡しを行わない場合、相手国は当該容疑者を訴追するための手続をとる義務を負うこともないため、犯罪人が処罰を不当に免れるおそれがございます。
 さらに、現状では、我が国には、本条約が犯罪化を求めております重大な犯罪の合意罪に該当する罪は、重大な犯罪のごく一部の罪に設けられているにすぎないため、そのために、いわゆる双罰性の要件を満たさないことになり、重大な犯罪の合意罪に係る国際的な捜査共助や逃亡犯罪人の引き渡しの要請を受けても協力をすることができない場合があり得るという問題がございます。
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今野智博#6
○今野委員 ありがとうございます。
 このTOC条約は、重大犯罪の防止、禁圧ということで、さまざまな国際間の取り決め等も規定しているわけでございまして、先ほど御答弁いただきましたような犯罪人の引き渡しに関する規定ですとか、あるいは捜査・司法共助に関する規定等、全てで四十一カ条の条約というふうになっております。
 それで、残念ながら、国連加盟国のうち、この条約を締結していない国は、平成二十九年三月現在で我が国を含め十一カ国。百八十七の国と地域においては、既にこの条約は締結されているということでございます。
 当然のことながら、昨今、至るところで、残念なことにテロの被害が起きている。もちろん、我が国においてもかつてテロ事案もございましたし、また近年、至るところで邦人の被害等も報告されているところでございます。そうしたものに対しても、しっかりと国内法を整備し、そしてまた、この条約に加盟することで、そうしたテロとの闘い、あるいは犯罪組織との闘いに我が国としても万全を期していく、私自身はそのような必要性について十分に痛感をしているところでございます。
 ただ、今回の組織的犯罪処罰法の改正案については、TOC条約に加盟するための国内担保法としての位置づけがあるわけですが、一方で、これを整備しなくても条約に加盟、締結することはできるんだというような見解も散見されるところでございます。
 ここについては、本当に条約の解釈というところに関連してくると思いますけれども、もし仮に、この国内担保法を整備しなくてもTOC条約に加盟することが可能なのかどうか、これについてまず御答弁をお願いします。
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飯島俊郎#7
○飯島政府参考人 お答え申し上げます。
 国際組織犯罪防止条約第五条は、締約国に対し、重大な犯罪の合意または組織的な犯罪集団の活動への参加の少なくとも一方を、その未遂または既遂とは別に犯罪化することを義務づけております。
 しかし、我が国には、現行法上、参加罪は存在せず、重大な犯罪の合意罪に相当する罪はごく一部にしか存在しておりません。また、現行の予備罪は、そもそも条約上の重大な犯罪に当たる罪の一部にしか規定されていない上、予備行為自体が客観的に相当の危険性を備えたものでなければ処罰できないとされておりますので、重大な犯罪の合意を犯罪化することを求める本条約第五条の趣旨に反するおそれが高いと考えております。
 したがって、我が国の現行の国内法では本条約の義務を履行できていないため、新たな立法措置が必要であり、テロ等準備罪を新設しなければ本条約を締結することはできないものと考えております。
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今野智博#8
○今野委員 このTOC条約においては、加盟国に対してさまざまな義務、重大犯罪の合意についての犯罪化等を義務づけているわけでございまして、我が国の現在の法制においては、新設する法案なしで加盟することはできない、締結することはできないということでございます。
 現実問題として、ここに関しては、それほど各党各会派において余り異論はないのかな……ヤジそんなことないという今言葉が上がりましたけれども、もし国内法の整備なしに締結することが可能なんだということであれば、恐らく私は、民主党の三年三カ月の政権時代に加盟していたのではないかなという気もしておりまして、それができなかったということは、裏返して考えれば、やはり国内法の整備が必要だということの証左ではないかなということも少し考えているわけでございます。
 ともかくとして、今回、国内法を整備しなければいけないということで議論を進めてまいりますが、では、このTOC条約について、締結するに当たって、一部留保を付して締結したらどうかということも間々見解としては散見されるわけでございます。
 例えば、かつて国会においても議論になりました国際性の要件、これについて留保をしたらどうか、あるいは、今回最も問題となっている重大犯罪の合意化の部分について、これに留保を付して条約を締結すればいいじゃないかというような見解もございます。
 そうした見解に関しては、外務省としてはどのように御答弁いただけるか、よろしくお願いいたします。
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飯島俊郎#9
○飯島政府参考人 お答え申し上げます。
 本条約第三十四条には、第五条の重大な犯罪の合意罪等の犯罪について、各締約国の国内法において、国際的な性質とは関係なく定めると規定しております。これは、法の抜け穴を巧みに利用して行われる国際的な組織犯罪の実態に対応するため、その防止に特に有効である行為類型や、その取り締まりの必要性が特に高い行為類型について、国際的な性質の存在を要件とすることなく犯罪とすることを各国に義務づけたものでございます。
 そして、この規定は、国際的な組織犯罪への効果的な対処を目的とした本条約の中核をなす規定となっております。
 また、重大な犯罪の合意の犯罪化を規定する本条約第五条も、国際的な組織犯罪への効果的な対処を目的とした本条約の中核をなす規定でございます。
 したがって、これらの中核的な規定に留保を付すことは本条約の趣旨及び目的と両立せず、留保を付すことはできないものと考えております。
 さらに、手続上につきましては、本条約については、留保を付さずに締結することにつき、既に平成十五年に国会の御承認を得ており、政府としては留保を付さない形で締結することとしております。
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今野智博#10
○今野委員 要は、先ほど私が申し上げた国際性の要件あるいは合意の犯罪化等については、まさにこのTOC条約の中核をなす、平成十五年の国会承認においても、その部分に関しては何ら留保を付さないというような合意がされているということでございました。
 ただ、かつては共謀罪と言われる法案の中で、対象犯罪は当時の段階で六百以上あったと思います。それはどこから来るかといえば、この条約、TOC条約の第二条の(b)というところで重大犯罪と。「「重大な犯罪」とは、長期四年以上の自由を剥奪する刑又はこれより重い刑を科することができる犯罪を構成する行為をいう。」というような定義がされておりまして、この部分から引っ張ってきて、当時の我が国の法体系の中でこれに該当するものを対象犯罪としてピックアップして、そこに盛り込んで規定したというような経緯だったのかなと思います。
 ただ、今回の改正案を見ますと、対象犯罪に関しては二百七十七ということで、かなりこれは絞り込みが行われております。私もそのときにいろいろ議論をさせていただきましたが、今回、半分以下にこの対象犯罪を絞ることができた。ここに関して、かつての国会答弁においては、この規定上、四年以上という縛りがありますから、六百から絞ることが難しいというような旨の政府答弁もいただいていたはずでございますが、そこに関して、今回、対象犯罪を二百七十七に絞り込むことができた。かつての政府答弁との整合性等も踏まえて、なぜこれがこのように限定が可能になったのかということをお答えいただければと思います。
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飯島俊郎#11
○飯島政府参考人 お答え申し上げます。
 本法案の立案に当たりましては、過去の国会審議等において受けたさまざまな御指摘を踏まえ、政府として真摯に検討を重ね、その結果として、今回、一般の方々が処罰の対象とならないことを明確にするという観点等から、本条約が認めるオプションを活用するという新しいアプローチでテロ等準備罪を立案いたしました。
 すなわち、対象犯罪に関して申し上げますと、法文上、犯罪主体が組織的犯罪集団に限られることを明記した上で、対象犯罪についても、組織的犯罪集団が関与することが現実的に想定される重大な犯罪二百七十七に限定することといたしました。このような対象犯罪の限定は、本条約第五条1(a)(1)が、重大な犯罪の合意罪の対象犯罪を組織的な犯罪集団が関与する重大な犯罪に限定することを締約国にオプションとして認めていることを活用したものでございます。
 したがって、対象犯罪が二百七十七となっていることは、本条約の義務を履行する上で問題はございません。
 また、委員御指摘のとおり、政府は、平成十七年当時、過去の法案における組織的な犯罪の共謀罪について、「死刑又は無期若しくは長期四年以上の懲役若しくは禁錮の刑が定められている罪を対象犯罪としているところであり、これを犯罪の内容に応じて選別することは、国際組織犯罪防止条約上できないものと考えている。」との答弁書を閣議決定いたしましたが、これは、過去の法案の組織的な犯罪の共謀罪において定められていた要件を前提として、その対象犯罪を死刑または無期もしくは長期四年以上の懲役もしくは禁錮の刑が定められている罪一般としていたことを踏まえ、そのような罪の中から、本条約の規定に基づかず、独自の判断で対象犯罪を選別することはできない旨を述べたものでございます。
 そのような見解に変更はなく、政府として条約の解釈を変更したものではございません。
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今野智博#12
○今野委員 これは、TOC条約五条1の(a)の(1)に書かれている内容、合意を推進するための行為または組織的な犯罪集団が関与するものという部分の文言に絡めて今回主体を限定した、それに応じて、実際にその組織的な犯罪集団が関与するものが通常想定されるものに対象犯罪を絞ったというようなことかなと理解をいたしました。
 このTOC条約の必要性、重要性に関しては、先ほど一番冒頭にお答えをいただきました。昨今、至るところでテロ事案が発生している、そしてまた、国防においても北朝鮮のミサイル問題等が緊迫度を増している。私は、国防と治安を確保するということは国家の最も基本的な古来からの権能であるというふうに考えておりますし、また、そこに関しては私たち政治家がしっかりと国民に対して本当に責任を持った対応をしなければいけない、そうした対応に関しては、私は与党も野党もないんだろうと思っております。
 この国内法を整備するに当たっては、当初からマスコミ等においても大分大きな報道がされておりますし、また、論点に関しても与野党で鋭く対立するところもございます。ただ、いずれにいたしましても、この条約自体の必要性、重要性に関してはいささかも揺らぐことがないといいますか、むしろ、これから将来にわたってかなりその重要度は増す一方だと私は考えております。
 でありますので、今回、このTOC条約を締結するための国内担保法としての組織的犯罪処罰法案の成立に関しては、私自身、一生懸命これから汗を流してまいりたい、そのことを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
 本日はありがとうございました。
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鈴木淳司#13
○鈴木委員長 次に、國重徹君。
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國重徹#14
○國重委員 おはようございます。公明党の國重徹でございます。
 国会において与野党ともに共通した貴重な資源、これはいろいろあると思いますけれども、その大きな一つが私は時間だというふうに思っております。しかも、この質疑時間に関しましては、我々与党は野党の皆様に比べて時間がどうしても短くならざるを得ないということがありますので、その時間を無駄にすることなく有効に活用してまいりたいというふうに思います。
 そこで、きょうは、一般質疑ではありますけれども、いわゆるテロ等準備罪を創設する組織的犯罪処罰法の改正案について質疑をさせていただきたいと思います。
 先ほど今野委員から、いわゆるTOC条約に関する質疑がありました。私の方からは、本法案の構成要件、その中でもテロ等準備罪の主体である組織的犯罪集団に関してお伺いしてまいりたいと思います。
 かつてのいわゆる共謀罪は主体を「団体」にしておりましたが、本法案では、主体を結合の目的が重大な犯罪を実行する団体である「組織的犯罪集団」に法文で明確に限定しております。本法案に対する先日の私の本会議の質問におきまして、一般の民間団体、労働組合などはその対象に当たらない、さらには、自然環境や景観の保護など正当な主義主張をアピールするためにその手段として座り込みを行うことを計画しただけの団体も、重大な犯罪を実行することを結合の目的としていない以上、その対象に当たらないと金田大臣に答弁をいただきまして、このことを明確にさせていただきました。
 では、林刑事局長にお伺いいたします。
 一般の事業を営んでいる会社が毎年脱税を繰り返していたような場合、この会社は組織的犯罪集団に当たるのかどうか、答弁を求めます。
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林眞琴#15
○林政府参考人 前提といたしまして、まず組織的犯罪集団の定義でございますが、これは組織的犯罪処罰法の二条と六条の二で定義されることになります。
 この「組織的犯罪集団」とは、組織的犯罪処罰法上の「団体」、すなわち「共同の目的を有する多数人の継続的結合体であって、その目的又は意思を実現する行為の全部又は一部が組織により反復して行われる」、こういったもののうちで、構成員の継続的な結合関係の基礎となっている共同の目的が改正後の組織的犯罪処罰法の別表第三に掲げる一定の重大な犯罪等を実行することにあるもの、これをいうことになります。
 したがいまして、国内外の犯罪情勢を考慮いたしますと、条文に例示しておりますテロリズム集団のほか、暴力団でありますとか薬物密売組織など、違法目的、違法行為を目的とする団体ということに限られることになります。
 そこで、御質問のところでございますが、あくまで一般論として申し上げれば、正当な事業活動を行っている一般の会社につきましては、通常、結合関係の基礎としての共同の目的、それは犯罪を実行することにあるとは認められませんので、御指摘のように、毎年脱税を繰り返しているというだけで組織的犯罪集団に当たるということはないと考えられます。
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國重徹#16
○國重委員 一般論として、一般の生業を営んでいるような会社が毎年脱税を繰り返していたとしても、組織的な犯罪集団には通常当たらないという答弁でございました。
 一方で、政府の見解として、もともと正当な活動を行っていた団体についても、団体の結合の目的が犯罪を実行することにある団体に一変したと認められる場合には組織的犯罪集団に当たり得るという旨、政府は繰り返し答弁をされております。
 これに対して、一般の方たちも処罰対象になるんじゃないかとか監視の対象になるんじゃないか、こういった批判の声、また主張が出ております。一部報道もそうですし、民進党の議員の先生方の中にも、そのようなことをおっしゃる方がいたようにお見受けいたします。
 ただ、平成十八年の第百六十四回の通常国会におきまして、当時の民主党は主体を組織的犯罪集団とする独自の修正案を出されておりまして、その修正案提案者は、次のようなことを言っているんですね。何と言っているか。
 「団体が当初正当な目的で結成されたとしても、その団体の性質が一変して、その主たる活動が重大な犯罪等を実行することにある団体ということになれば、共謀罪の適用対象とされる」と、「一変して」という言葉を使って、正当な団体の性質が一変した場合には共謀罪の対象になる、このように国会で答弁、説明されているわけでございます。
 当時の民主党修正案は、一般市民が対象になることを想定していたのか。よもや、一般市民を対象にしようとは思っていなかったと私は推察をいたします。
 これ以上、この点についてとやかく私は言うつもりはありませんけれども、ここにいらっしゃる見識ある委員の皆様、理事の皆様と、この法務委員会で、私はぜひ建設的な議論をやっていきたいと思っております。
 そこで、盛山法務副大臣にお伺いいたします。一変というのは、どのように判断するんでしょうか。
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盛山正仁#17
○盛山副大臣 國重委員の御質問でございますけれども、一般論としてのお答えになりますが、具体的な事案が起こった場合におきまして、ある団体が組織的犯罪集団に該当するか否かは、当該団体の活動実態等を総合的に考慮し、当該事案の時点において、構成員の結合目的が犯罪を実行することにあるか否かにより判断することになると考えております。
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國重徹#18
○國重委員 今、盛山副大臣から御答弁をいただきました。
 つまり、一変したということで、変化のプロセス、ここに着目するのではなくて、犯罪の成否が問題とされる当該事案の時点で組織的犯罪集団に当たるかどうか、この判断をするということなんだと。プロセスではなくて、結果を重視しているんだというような旨の答弁をいただいたと思います。
 では、当該事案の時点で組織的犯罪集団に当たるかどうかを判断する際に、かつて正当な目的で活動していたということはその判断においていかなる意味を持つのか、これにつきまして林刑事局長にお伺いいたします。
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林眞琴#19
○林政府参考人 副大臣が答弁しましたとおり、ある団体が組織的犯罪集団に該当するかどうか、それが当該事案の時点で判断されることになるわけでございますが、その場合の結合関係の基礎としての共同の目的が何であるかということについては、個別事案の事実認定の問題でございます。
 それで、その場合には、例えば、その当該団体が標榜している目的でありますとか構成員らの主張する目的によってではなくて、継続的な結合体全体の活動実態等から見て、客観的に何が構成員の継続的な結合関係の基礎となっているかが社会通念に従って認定されるものと考えております。
 もっとも、その団体が以前に正当な活動を行っていたということが認められる場合には、なお、その場合にも、結合関係の基礎としての共同の目的が犯罪を実行することにあるかどうかを検討する上で、その団体が有していた正当な目的の活動の実態なども踏まえまして、より慎重な認定が必要となると考えられます。
 そういった意味で、ある団体が過去に正当な活動を行っていたという事実、これは、当該団体が組織的犯罪集団であるという認定をする上で有力な消極的な事情になろうかと考えます。
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國重徹#20
○國重委員 ありがとうございました。
 今、林刑事局長から答弁をいただきましたけれども、かつて正当な目的で活動していたということは、組織的犯罪集団に当たるかどうかを判断する、また認定するに当たって、有力な消極的事情になるんだ、マイナス事情になるんだという答弁をいただきました。
 それでは、そのような有力な消極的事情がある場合でもなお組織的犯罪集団に当たるというのはどのような場合なのか、林刑事局長にお伺いいたします。
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林眞琴#21
○林政府参考人 一般的に申し上げれば、当該事案の時点において、構成員の結合の目的が犯罪を実行することにあると判断するためには、例えば、団体の意思決定に基づいて、それまでに犯罪行為を反復継続するようになっている、こういった事情が認められる。こういったような事情が認められない限り、組織的犯罪集団と認められないのが通常であろうかと考えております。
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國重徹#22
○國重委員 今、犯罪を反復継続しているような場合ということが例示として挙げられたかと思います。
 それでは、さらに、林刑事局長、反復継続していれば必ずこの組織的犯罪集団に当たるのかどうか、これに関してお伺いをいたします。
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林眞琴#23
○林政府参考人 ただいま、団体の意思決定に基づいて犯罪行為を反復継続しているようになっているということを申し上げましたが、これ自体が組織的犯罪集団と認めるための要件ではございません。したがいまして、団体の意思決定に基づいて犯罪行為を反復継続するようになったとしても、そのことだけで常に当該団体が組織的犯罪集団と認められるものではありません。
 すなわち、組織的犯罪集団と認めるためには、まずはその団体の結合関係の基礎としての共同の目的が犯罪の実行にあると認められること、このことのほかに、団体とは、共同の目的を有する多数人の継続的結合体でありまして、その目的または意思を実現する行為の全部またはその一部が組織により反復して行われるものということでございますので、共同の目的、すなわち犯罪の実行を実現する行為が組織により反復されるという性質を備えることが必要となってまいります。
 その意味におきまして、やはり、その団体の意思決定に基づいて犯罪行為が反復継続されているという事実については、これは組織的犯罪集団と認めるための有力な考慮要素であろうと考えます。
 しかし、それだけで当該団体が組織的犯罪集団と認められるものではなくて、やはりこれは、委員、冒頭、会社の例で質問されましたけれども、通常の営利活動を行っている会社において、会社の活動として反復継続して脱税を行っていたといたしましても、そのことで、当該会社の結合関係の基礎が、その共同の目的が脱税、すなわち犯罪の実行となるわけではございませんので、それだけで組織的犯罪集団と認められるものではございません。
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國重徹#24
○國重委員 ありがとうございました。
 今、組織的犯罪集団を認定するに当たっての有力な消極的な事情、また積極的な事情、こういったものを絡めて御答弁をいただきました。
 では、次の質問に移ります。
 テロ等準備罪の捜査の端緒をつかむためには、捜査機関が常時監視していないとできないじゃないか、だから監視社会になる、一億総監視社会をつくりかねない、危険きわまりない法案だというような批判、主張がございます。
 一億総監視社会にするためには一体どれだけのマンパワー、コストがかかるのか。本法案、また現行法によってもそのようなことができるわけがない。私は余りにも非現実的で荒唐無稽な批判だと思っております。
 そこで、林刑事局長、実際には、実務上、どのようにしてテロ等準備罪の捜査の端緒をつかむことができると考えられているのか、答弁を求めます。
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林眞琴#25
○林政府参考人 今回の法案につきましては、捜査手法というものについて新たに定めるものでは全くございません。したがいまして、テロ等準備罪についても、他に多く、ひそかに行われる犯罪、密行的に行われる犯罪というのがございますが、その犯罪の場合と同様の方法で捜査の端緒を得るということになると考えられます。
 例えば、実際に行われた別の犯罪の捜査の過程で、計画についての供述でありますとか、あるいは犯行手順が記載されたメモのような証拠が得られることがございます。こういったことが端緒になったり、あるいは、計画に参加した者の自首、計画の状況を聞いた者からの情報提供、こういったようなことから、計画行為や、あるいはそれに続く実行準備行為の存在というものが明らかになり、テロ等準備罪の捜査の端緒が得られる、こういったことが想定されるところでございます。
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國重徹#26
○國重委員 ありがとうございました。
 何か盗聴等をずっとやっていて、常時監視して捜査の端緒をつかむというのではなくて、別の事件の犯罪の捜査等からそのような捜査の端緒をつかんでいくというような答弁をいただきました。
 そして、そのような捜査の端緒に基づいてテロ等準備罪の嫌疑が生じたと認められた、その後にテロ等準備罪の捜査が開始される、これで間違いないかどうか、林刑事局長にお伺いいたします。
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林眞琴#27
○林政府参考人 委員御指摘のとおり、このテロ等準備罪につきましても他の犯罪の捜査と同様でございまして、捜査機関が犯罪の嫌疑があると認めた場合に初めて捜査を開始することとなります。例えば、特定の団体について、テロ等準備罪の嫌疑が生ずる以前から同罪の捜査の対象となることはございません。
 組織的犯罪集団というものが今回新たに定義されておりますが、これはテロ等準備罪の要件の一つでございまして、組織的犯罪集団であること自体が犯罪であるわけではございませんので、テロ等準備罪の嫌疑が生じていない段階で、ある団体が組織的犯罪集団になるか否か、こういったことが捜査の対象となることはないと考えております。
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國重徹#28
○國重委員 ありがとうございました。
 つまり、捜査の端緒をつかむという点において、常時監視するということはない、一億総監視社会になるなどということはないということを申し上げまして、本日の私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
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鈴木淳司#29
○鈴木委員長 次に、井出庸生君。
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