経済産業委員会

2017-04-11 参議院 全160発言

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会議録情報#0
平成二十九年四月十一日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月十一日
    辞任         補欠選任
     丸川 珠代君     佐藤  啓君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         小林 正夫君
    理 事
                岩井 茂樹君
                滝波 宏文君
                宮本 周司君
                石上 俊雄君
                石井  章君
    委 員
                青山 繁晴君
                井原  巧君
                北村 経夫君
                佐藤  啓君
                林  芳正君
                松村 祥史君
                吉川ゆうみ君
                渡邉 美樹君
                礒崎 哲史君
                浜口  誠君
                平山佐知子君
                伊藤 孝江君
                石川 博崇君
                岩渕  友君
                辰巳孝太郎君
   国務大臣
       経済産業大臣   世耕 弘成君
   副大臣
       経済産業副大臣  松村 祥史君
   大臣政務官
       経済産業大臣政
       務官       井原  巧君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        廣原 孝一君
   政府参考人
       厚生労働大臣官
       房審議官     森  和彦君
       経済産業大臣官
       房審議官     佐藤 文一君
       経済産業省製造
       産業局長     糟谷 敏秀君
       環境大臣官房審
       議官       室石 泰弘君
       環境省総合環境
       政策局環境保健
       部長       梅田 珠実君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律
 の一部を改正する法律案(内閣提出)
    ─────────────
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小林正夫#1
○委員長(小林正夫君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、経済産業省製造産業局長糟谷敏秀君外四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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小林正夫#2
○委員長(小林正夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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小林正夫#3
○委員長(小林正夫君) 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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宮本周司#4
○宮本周司君 おはようございます。自由民主党・こころの宮本周司でございます。
 今回の化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律、以下、化審法と表現をさせていただきます。
 過日、環境委員会の方からの申入れがございまして、当委員会との連合審査でもいろんな議論がなされたところでございます。ただ、あの議論でもお分かりのように、当然、環境面であったり健康面に対するいろいろな過去からしっかりと守ってきた本質、これは維持しながら、やはり我が国の経済であったり様々な産業の成長を期待する、その上での改正案と私は理解をしております。
 我々の生活の中には様々な化学物質がございますし、暮らしを豊かにする、また、化学物質には、天然のものもあれば、石油などを原料にした人工的に製造される、そういったものも多く種類がございます。そのまま利用する、また、ほかの化学物質と調合する、いろいろな化学工業品や化学品として本当に多種多様な使われ方をしているというのが現状かと思っています。
 現在、アベノミクスの更なる進化のために、やはりこの成長戦略の柱ともいうべき第四次産業革命、これがいろいろな形で推進されているわけでございますが、この実現にはAI等も含めたいろいろな画期的なイノベーション、これがやはり不可欠なものであると考えております。
 そして、我が国では今、主要な産業、例えば自動車であったり、電気、電子、また服類、衣料であったり、また薬品等も含めた医療器具、医療機器、また薬品ですね、こういったものには、本当に化学産業からいろいろな新規性のあるもの、また高機能性のあるそういった素材が提供されておりますし、これなしでやはり成長をすることはなし得ることができないのではないかと考えております。
 このように、我が国の化学産業は、やはり機能性化学品を中心にグローバル市場で高いシェアを獲得していく、そしてその上で日本経済の活性化と雇用の創出にしっかりと寄与していく、このことが大切であると認識をしております。
 我が国の化学産業の国際競争力強化のため、こういった高機能性化学物質のイノベーションを促進していく、このことが極めて重要であると思っております。
 まず最初に、世耕大臣にこのことに対してどのようにお考えか、御意見をお聞かせいただければと思います。
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世耕弘成#5
○国務大臣(世耕弘成君) 今回の化審法の改正は、まさに今御指摘の化学物質の分野におけるイノベーションと、しかし一方で、健康とか環境への影響を抑えると、この二つをいかに両立をしていくかというところが今回の法改正の一番のポイントだというふうに思っています。
 我が国の化学産業は、なかなか化学物質というのは、そのもの自体が目に見えるわけではありませんので、目立たないんですけれども非常に縁の下の力持ちだというふうに思っています。液晶ディスプレーですとかあるいはリチウムイオン電池といった、これからまだまだ世界が活用していく分野において、その中で使われている高機能化学品というところで日本は高い競争力を持っているわけであります。例えば、リチウムイオン電池の材料のセパレーター、これは五七%のシェアを日本が持っております。また、電極でマイナスの方ですね、負極の材料は三一%のシェアということになります。
 しかし一方で、国際競争が非常に激化をしてきていまして、日本のシェアはかなり低下している傾向もあるわけであります。例えば、電極の今度プラスの方ですね、正極の材料というのは今まで七七%日本が持っていたんですが、今一五%まで落ちました。あるいは、リチウムイオン電池で使われる電解液、この電解液も六八%持っていたんですが、今二〇%まで落ち込んでいるという状況であります。こういう中で、高機能化学品のイノベーションを促進することは成長戦略上も非常に重要だというふうに考えています。
 経産省としては、新しい高機能化学品をAIなんかを活用してスピーディーに開発するための研究開発プロジェクトの実施ですとか、あるいはオープンイノベーション促進のための研究開発税制の見直しや産革機構による出資、この化学の分野も行っております。また、開発能力をもたらす事業再編ですとか新陳代謝の促進などにも取り組んでいるところであります。
 ただ一方で、今回化審法を改正するといっても、健康ですとか生態系に影響を与えないというこの規制の趣旨を変えることは全くありません。事業者の費用面ですとか時間面のコストを減らす、規制の緩和ではなくて規制の合理化を目指すものだというふうに考えております。
 具体的には、事業者が新規化学物質を少量製造したり輸入をする場合に審査を簡素化する特例制度、この特例制度について、ある一定の量以下であればこの特例制度ということになるんですが、その量の判定を、今まで化学物質を製造、輸入する量に着目をしていたんですが、これからは具体的に環境に排出される量に着目をするという見直しを行うということになります。
 これによって、同じ化学物質を輸入したいという人が複数出てきたときに、今まではそれが、その結果としての総量が上限を超えないように国が調整をするという場面があるわけですが、その件数が減少していくことになるだろう。特にハイテク関連で、リチウムイオン電池のようなハイテク関連で用いられる化学物質については、恐らく基本的には数量調整が必要なくなるんじゃないかというふうに期待をされておりまして、そうなると、事業者の予見可能性、これだけ欲しかったんだけど実はこれだけしか入らなかったということが今まで多々あったわけですが、これからはその辺の予見可能性が高まって、事業者が事業機会を失うことが少なくなるんではないか。ただ、当然、健康、環境への影響をしっかり出さないという規制の趣旨は変えないという点であります。
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宮本周司#6
○宮本周司君 ありがとうございます。
 本当に環境や人体、健康に対する部分はしっかりと守る、その上で規制の合理化、これを図っていくんだということで、具体的なお考えもお示しをいただきました。
 今回のこの法改正によりまして、やはり経済産業省、また先般の連合審査の申入れがありました環境省、また厚生労働省と多岐にわたる省庁が関与しております。化学製品がやはり広く我々の社会生活に浸透していく、また快適な生活を維持するためには不可欠なものになっている、こういった現状も踏まえながらも、やはりこの改正が実現が可能で、そして最も効果的な規制方法を取り入れていると、そういうふうにも理解しております。やはり産業の基盤であり、また国民生活に極めて広範囲に使用されております化学物質の安全性を確保すること、このことはやはり国民の生命や環境の保護に不可欠であると思っております。
 ただ、その一方で、我が国の成長戦略、これをしっかりと推し進めていく、産業の国際競争力の一層の強化を図っていく、このことも同時に実現をしていかなければいけない。そういった意味では、やはり今般のこの審査特例制度の合理化、これ、環境への影響を変えない、そしてその上でイノベーションを促進する、真に経済そして環境が両立した形での規制の合理化であると考えております。
 そこで、運用面でもその趣旨が徹底されることが必要だと思っておりますが、政府の方ではこれまでどのような役割を果たしてきたのか、またどのような支援を行っていくのか、是非政務官の方にお伺いをしたいと思います。
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井原巧#7
○大臣政務官(井原巧君) お答え申し上げます。
 先ほど大臣からも御答弁ありましたけれども、今回の改正案の基本的な趣旨というものは、人の健康や生態に対する影響を防止するという、これまで世界でも先進的な全国総量上限というものをしいておりましたが、それはしっかり維持して、規制の趣旨は変えずに行うというものでございまして、同時に、事業者の機会損失を減らすよう、制度の緩和ではなくて合理化という意味で図ろうというものでございまして、この両立をするものと考えているところであります。
 宮本委員御指摘のとおり、運用面においてでありますが、このような趣旨を徹底して行っていくことが安心、安全にもつながってまいり必要だと考えておりまして、今回のこの改正案が成立した場合には、例えばこの今回の排出係数というのも、予防の意味も込めて、厳しい、安全側に立った排出係数の設定や、事業者に手続上過度な負担とならないように留意しつつも、安全管理上の用途情報の把握方法の検討等を講じてまいりたいと考えております。
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宮本周司#8
○宮本周司君 ありがとうございます。
 今回のこの法改正、現行の場合は、新規化学物質審査の特例制度においては製造また輸入数量で全国で上限枠が掛けられておりましたので、先ほども大臣からの御答弁の中にもありましたが、申出の事業者が複数存在する場合には数量の調整が発生した。また、その数量調整が行われたことによって、当初いろいろな形で予定をしていた数量が製造できない、また輸入できない、こういった予見可能性が低下するという実態、これが起こっておりましたし、これは大臣からのお話だけじゃなく、現場からもこの不具合に対する声が多く上がってまいりました。今回のこの改正によりまして、この特例制度の合理化を図っていく、これが中小企業やベンチャー企業にとって事業機会を拡大していく、また日本の産業競争力の向上につながるべきだと思っております。
 皆様のお手元に資料を一枚お配りをさせていただきました。現行制度に基づくこの少量の新規制度で数量調整が入った場合に、売上げ、利益、付加価値の喪失額について一定の試算がなされておりまして、その一覧表を御提示をさせていただきました。
 このことからも様々な数字の方を読み取れるわけでございますが、しっかりと現行制度での不具合、これを改善をしていく、その上で今般のこの審査特例制度の合理化によって、数量ベースでの製造・輸入数量など、どの程度の経済的インパクトが見込まれるか、この表からしっかりと読み取って御確認いただける部分もありますが、サプライチェーン全体、ここでの試算数値も含めまして、是非経産省の方から御説明をお願いしたいと思います。
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糟谷敏秀#9
○政府参考人(糟谷敏秀君) お配りいただきました資料は、化学メーカーの中で過去に事業機会を喪失した事業者からのヒアリングを基に試算をしたものでございます。今般の改正によって化学メーカーの予見可能性が高まり、事業機会の喪失が少なくなることによりまして、現在生じている機会損失、売上げで八百六十一億円、利益で六十九億円、付加価値で二百二十四億円が解消されるものというふうに考えております。
 最終製品も含めましたサプライチェーン全体について試算をいたしますと、売上げで四千七百七億円、利益で三百七十六億円、付加価値で千二百二十三億円の機会損失が解消されるというふうに試算をしているところでございます。
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宮本周司#10
○宮本周司君 ありがとうございます。
 こういった部分がしっかりと改善をされていく、今まで喪失されていたものがしっかりと国内の国益として生まれていく、このことがまた未来につなげていく大きな原動力、力にもなると期待をしております。
 ただ、こういった制度の、当然、現場の方ですね、産業界ではいろいろなイノベーションを促進するために努力もされている、そのためにこういった政策を講じているところでございますが、政府自らが行ってきたこういった規制に関しましても、やはり現場の産業のいろいろなイノベーションであったり高度化であったり、こういったものも踏まえて、規制する側の政府側もやはり新たな科学的若しくは技術的な知見を十分に取り入れていく必要があるのではないか、こういったことにも私個人として関心を持っているところでございます。
 その観点から、今般の化審法の改正案について、政府の取組として新たな科学的若しくは技術的な知見をどのように盛り込んでこれから運用をしていくつもりなのか、そういった部分も是非お聞かせをいただければと思います。
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佐藤文一#11
○政府参考人(佐藤文一君) お答え申し上げます。
 議員御指摘のとおり、規制についても最新の知見を取り入れた、より合理的な制度としていくことがこれ大変重要なことだと思っております。
 今回の改正案ですけれども、特例制度に関連する部分で、関連物質の排出量を合理的に算出することができるようにするための排出係数という新しい技術的知見が得られたことから提案をさせていただいたということでございます。この排出係数ですが、平成十三年に化学物質管理促進法が施行されまして、化学物質が事業所から環境へどれだけ排出されたかなどを届けることが義務付けられまして、一定の期間を経た後に排出量データを安定的に取れるようになったと、こういうことから作成が可能になったものでございます。こういった排出係数を活用することによって、化学物質の製造、輸入する量ではなくて環境に排出される量に着目できるようになったということかと思っております。
 これは事業者と政府が共に化学物質管理を着実に実施してきたことから規制の合理化が可能になったものと思っておりまして、引き続き化学物質にしっかりと取り組み、その過程で得られた知見やデータを制度の合理化を含め様々な形で社会に還元していきたいと考えているところでございます。
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宮本周司#12
○宮本周司君 ありがとうございます。
 是非そういった部分もしっかりと実現しながらお取組を進めていただけるよう、期待もするところでございます。
 この化審法におきまして、高機能性の製品の市場拡大に伴って特例制度の申出件数、これも年々増加していると確認をしております。二〇一五年度には約三万五千件ぐらいが申請されたと聞いております。そのうち四千二百件強が数量調整が行われたというふうに認識しておりますが、やはりこれだけ申請の申出の件数増えてくれば、行政コストの増加もかなりのものではないかなと推察をするところでございます。
 今回の化審法の改正に関しまして、やはりこのコストの部分、試験に掛かるコスト、この部分に関しても少し伺わせていただきたいと思っているんですが、やはり人間の健康等をじわじわとむしばんでいく物質を規制する、しかし、通常新規制度において、事業者は、製造若しくは輸入する新規の化学物質についてその安全性に関するデータを事前に届けなければならないというふうになっています。
 そのデータは、自然環境中で分解されやすいかどうか、いわゆる分解性の部分、そして生物の体内に蓄積しやすいかどうかという蓄積性、また人、生物に対する毒性があるかどうかという毒性、こういったものに関するいろいろな試験が必要と聞いております。一つの物質においては最長二年ぐらいの期間も掛かる、若しくは費用に関してもマックス三千万ほどコストが掛かる、こういったデータもこれまで確認したところでございますが、やはり中でも毒性に関するデータが一番期間や費用が掛かるというふうに認識もしております。
 そして、国の方では届出内容の審査の結果に応じて規制を行う、こういった立て付けになっているわけでございますが、この届出が必要とされる事業者に求められている試験にはどの程度の期間と費用を実際要しているのか、また、年間、現在どの程度の物質が国の方に届けられているのか、現状の状況を是非お聞かせをいただけたらと思います。
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佐藤文一#13
○政府参考人(佐藤文一君) お答えいたします。
 通常新規審査制度でございますけれども、事業者は、化学物質を新しく市場に投入する際には安全性に関するデータを国に提出するということになっておりまして、その観点は、御指摘のとおり、分解性、蓄積性、毒性と、この三つになってございます。
 政府が当該化学物質に関する知見を既に有している場合にはこれが一部除かれますが、そういう場合ではない場合にはこの三つのデータ全てを提出することが必要ということになります。
 これらのデータ取得に必要な試験を全て終えるには、平均的には、御指摘のとおり、一年半から二年の期間、それから合計で三千万円程度の経費が掛かっておるということでございます。また、こうした通常新規審査制度の対象となるものとしては、年間約四百物質程度が現在国に届けられているという状況でございます。
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宮本周司#14
○宮本周司君 ありがとうございます。
 やはりそれだけの数も発生しておる、また期間やコストも発生しているわけでございます。やはり誰もが自由かつ効率的に化学物質の流通に関するデータを把握できたり、また、IT技術、またAI等、IoT等いろいろ駆使したりということでシステムそのものも高度化していくことも当然必要だと思いますし、そういったことも今後盛り込んでいっていただけるものと思います。
 やはり今回の化審法の改正、そしてこの通常新規制度に対応していくために、やはり産業界には試験に要する大きな時間、また金銭的なコスト、これが発生をしております。産業界におけるイノベーションをしっかり促進する観点から、今般の改正によるいわゆる審査特例制度の合理化の意義、これはやはり大なるものと考えております。
 しかし、その一方で、それ以外の通常新規制度における合理化、これも考えることはできないだろうか。特に今回、経済産業省及び環境省の方でいろいろなお取組も想定をされていると思います。是非、それぞれからそのことに対するお考えをお聞かせをいただけたらと思います。
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佐藤文一#15
○政府参考人(佐藤文一君) お答えいたします。
 議員御指摘のとおり、新しい科学的あるいは技術的な知見が得られたときには、規制の趣旨を超えない範囲において制度の合理化についても検討していくと、これは大変大切なことかと思ってございます。
 現在、これまで得てきているあるいは今後得ることが想定されている知見といたしまして大きく二つございまして、一つはこれまで得られたデータの活用とそれに基づくシステムの構築、もう一つは安全性の検証に係る国際的な新たな評価基準、こういったものが考えられるかと思ってございます。
 一点目につきましてですけれども、コンピューターを利用した評価方法でありますQSARというのがありますが、これの適用範囲の拡大や御指摘のAIを活用した有害性予測方法の開発など、こういったことを進めてまいりたいと考えておるところでございます。
 また、二点目についてですけれども、最近の国際的な評価試験方法の動向なども踏まえまして、分解性試験の合理化、高分子に特化した試験の合理化など、こんなことを今後検討してまいりたいと思っております。
 ただ、いずれにいたしましても、審査制度の合理化を行うに当たっては、専門家の意見も十分に聞いた上で、環境省、厚生労働省と三省合同審議会において審議して、さらにはパブリックコメントを掛けるといったしっかりとしたプロセスを踏まえて進めてまいりたいと考えているところでございます。
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梅田珠実#16
○政府参考人(梅田珠実君) お答えいたします。
 通常の新規化学物質審査の合理化に向けた取組は、既に一部の審査におきまして、化学物質の構造から毒性を推定する手法であるQSAR、定量的構造活性相関を頭文字を取ってQSARと呼んでおりますが、この利用も行われているところでございます。
 しかしながら、生態毒性に関しては、データの信頼性などの課題から、現状では試験データの参考として扱うにとどまっております。QSARの改善のため、環境省におきましては、QSARの一つである生態毒性システム、KATEの予測精度の向上と適用可能な範囲の拡大のためのシステム開発、調査と併せて活用場面の検討を行っております。
 引き続き、環境への影響を未然に防止することを前提としつつ、新規化学物質審査の合理化に取り組んでまいりたいと考えております。
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宮本周司#17
○宮本周司君 ありがとうございます。
 やはりそれぞれの省におきまして可能な合理化も図っていただきまして、成長の機会、この芽を摘むことなく今回の法改正を前に前に進めていく、まさにその力にしていっていただくことを期待をするところでございます。
 現在、欧米若しくは中国、韓国の規制はあくまでも個社の上限値。ただ、国全体の上限値を設定しているという例は、やはりこの日本以外にはないというふうに認識をしております。各国ともその方式で、いわゆる個社ごとの上限値の方式で実績を重ねてきた、環境問題なども生じていない、こういった現状も確認もできておりますし、国際調和という観点からも整合性を欠く、また日本企業にとっては、競争力強化またイノベーション促進の阻害要因にもなっている、これが今回の法改正の背景にあったものと認識をしております。
 特に、少量新規化学物質の多くは高機能製品、用途は、先ほどもお話ししましたけれども、いろいろ多様でございますが、電気、電子の材料が全体の約四分の一、そして、中間物であったり、フォトレジスト材料、写真材料、また印刷の版とかの材料を含めた上位三分野、これで約六割を占める。二〇一五年のデータでございますが、ほぼその数字が今も堅持されているのかなと思っておりますし、ただ、いずれも技術であったり製品開発競争が激しいもの、若しくは製品そのもののライフサイクルが短いものが多いと認識もしております。
 調整の方はやはり毎年行われて、割当て量は他社の動向によっても変動すると思いますし、企業が予定する数量が確保できなければ、それは事業規模も縮小をしていかなければいけない。少量で付加価値の高い化学物質を製造する中小の化学企業にとっては、やはりこれは大きな痛手若しくは向かい風になるんじゃないかなと思っています。数量調整によりまして、先ほども御説明ありましたが、サプライチェーン全体にわたってビジネスが喪失して海外企業連合に市場を奪われた、若しくは化学企業と顧客であるまた電気であったり電子企業が国内生産ではなくて海外に生産拠点を移した、そういった例もあると思っております。
 やはりこういった国益を損ねる不具合をしっかりと改正をしていく、このことも含めて、過去からこの法律が守ってきた部分を守りながら法律そのものをイノベーションさせていくというふうに理解します。
 この法律そのものは、設立当時から世界に先駆けて新規化学物質を事前に審査する制度を設けておりました。これは、実にやはり画期的なものだったと伺っております。当時の時代背景からも、産業の健全な発達にはやはり安全性の確保は避けては通れない、そういった時代背景もあったと理解もしております。
 そして、そうした中で、法の施行から約四十年、この四十年という長きにわたってかなりの有害性のデータが、いろいろな試験も、またその届出によるデータも含めまして蓄積されていると思いますが、現状、我が国ではどの程度のデータを保有し、そしてそれがどういった状態にあるのか、是非現状をお聞かせをいただけたらと思います。
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糟谷敏秀#18
○政府参考人(糟谷敏秀君) この化審法、昭和四十八年に世界に先駆けて制定された法律でございます。昭和四十九年の施行以来、四十年余りにわたって運用してきたわけでございます。その間、分解性、蓄積性、毒性についての同一の試験方法を用いたデータが国に届け出られてきております。この結果、現在、累計で一万六千を超える物質についてのデータが国に蓄積をされております。これらのデータについては、基本的に公開をしているところでございます。
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宮本周司#19
○宮本周司君 ありがとうございます。
 このデータ、当然こういった化学物質に対して欧米の方でも試験をしている。それは、国際的なルールにのっとった部分はあるとは思いますが、欧米の方は、試験をするというのがいわゆる事業者側の自由によって行われてきたと。日本の場合は、やはり一定の試験手法も用いた有害性データの届出を求めている。これが、同じ試験制度であったり申出制度をやりながらも、根本でちょっと違うところだと思うんですね。要は、日本の場合は、蓄積されたデータそのものが世界でも類を見ない均一条件における質の高いいわゆるビッグデータになっているんじゃないか、この部分も非常に期待をするところなんであります。
 この世界に類を見ないレベルでのいわゆる均一条件での質の高いこのデータ、こういったものをしっかりと今後どのように活用することができるのか、そういった部分も是非お聞かせをいただきたいと思っておりますし、それがまたいろいろな形でイノベーションを起こすことによって、今世界の中でも動物実験を避けるという国際的な潮流の中で、このビッグデータの活用、試験方法を新たに開発をしていく、これは、それこそ国際的な貢献にもつながる、そういった別の価値も秘めているんじゃないかなと私は期待をするところでございます。
 今、この世界に類を見ないデータを保有している日本として、政府として、どのようにこの質の高いビッグデータを更に活用していくのか、また、世界に対してどのような発信をしていくのか、是非お聞かせをいただけたらと思います。
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糟谷敏秀#20
○政府参考人(糟谷敏秀君) 先ほどお答え申し上げましたように、現在、累計で一万六千を超える物質についてのデータを蓄積をしておるわけであります。これ、具体的には独立行政法人のNITEに蓄積をし、公開をしておるわけでございます。
 こうしたデータを活用することによって、特にAIによってそれを分析することによって最先端の有害性予測手法の開発ができるのではないか、そういう考え方に基づいてプロジェクトを今年度から開始をすることといたしております。中長期的な取組になろうかと思いますが、こうした取組を進めてまいりたいということであります。
 このプロジェクトは、化学物質の安全性評価に必要な動物実験をコンピューターシミュレーションによる仮想実験で代替をするということによりまして、化学物質の開発から製品化までの期間を短くし、企業の競争力を高めることにも資することになるというふうに考えております。
 また、国際的には、特に欧州やアメリカを中心に動物実験を避けるという流れがございます。例えば、欧州のREACHの規制におきましては、動物試験を避けるために、本規制の目的に沿った脊椎動物の試験は最後の手段としてしか行ってはならないというような、そんなことが定められたりしておるところでございます。こうした潮流の中で、こうしたコンピューターシミュレーションによる仮想実験で動物試験を代替することができますれば、国際的な貢献にもつながるのではないかというふうに考えております。
 新規化学物質の開発段階において、企業が毒性があるかもしれない化学物質についてその懸念を調べる簡易な試験をAIで代替をする、こうしたことの実現に向けて、今年度から着実に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
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宮本周司#21
○宮本周司君 ありがとうございます。
 このことに関しまして、やはり今の御説明にもありましたように、世界に対して国際的な部分におきまして日本がしっかりと発信をしていく、言わばこの分野で日本がしっかりと未来に向けたプラットフォームをつくっていく、このことにも大きな期待が持てると認識をしております。
 ただ、こういったイノベーションを進めていく上で、当然、この化学物質を使用するのは大企業だけではございませんし、いわゆる中小企業においてもしっかりとした利活用があり、またイノベーションも起きていると認識をしております。
 少量新規制度におきましては、通常の新規制度とは異なって、データを取得するための試験に係る費用が不要であったりとかいうことから、中小企業からの申出が多いと聞いています。例えば、最近の実績だけで見ましても、数量調整を受けた件数は約四千三百件ほどあるそうですが、製造事業者に特化をしてみると約千三百件あって、そのうち中小企業分は六百四十二件、大体半分ぐらいを占めていると。また、数量調整を受けた企業数の中で中小企業が多くを占めるわけでございますが、件数ベースでは大体半分なんですが、社数ベースで見ると約六割がその中小企業に当たるということで、やはり中小企業そのものがこの化審法の下でいろいろな規制を受けながらも努力を重ねている。今回、この法改正が行われる、そしていろいろなイノベーションが行われる中で、やはり中小企業者にとっても、いろいろな申請であったり試験であったり用途証明であったり、いろいろな部分で負担にならないかというのが個人的にはやはり心配をするところでございます。
 是非、今後詳細な制度設計を行うに当たっては、そういった地方の、地域の中小企業の実態も踏まえて、過度な用途情報を求めることによって、これが得られなかった場合に不当にビジネスが成り立たなくなる、こんなようなことが起こらないように是非検討を進めていただければと思います。
 我が国では中小企業基本法というものが昭和三十八年に制定され、いわゆる我が国の中小企業を支えてきました。ただ、現状、全国で三百八十二万社という大企業、中小企業、小規模企業が実在する中で、中小企業は全体の九九・七%、三百八十一万社もあるわけなんですね。そして、その中で、従業員数二十名以下、またいわゆる商業、サービス業で規定される小規模企業、これが従業員数二十名以下、又は商業、サービス業においては従業員数五名以下というのが規定になるんですが、これが実に三百二十五万社存在するわけなんです。
 ですから、これだけの中小企業であったり小規模企業がある中で、しっかりと三年前に小規模企業振興基本法なるものを作り、そして中小企業の中でも中規模企業の実態、そして小規模企業には小規模企業の実態に合ったいろんな政策が実現する、そのことによって、この二年、三年の間でも、中規模企業は中規模企業としての成長、発展、そして小規模企業は小規模企業にとっての持続的発展、これを実現する、そういった企業が全国で多く存在してきたと思っております。
 これは、要は過度な負担、これまではいろいろな、例えば補助金事業であっても、中小企業が申請する際にはもう申請書を五十枚も六十枚も出さなければいけない、それが実際の負担となって、中堅企業、中規模企業には対応できても小規模企業に対応できない。このことが挑戦の芽を摘む不具合にもなっていたと思いますが、今お話ししましたように、三年前に小規模企業を分けて、そして小規模企業にはやはりその経営実態に応じた制度や政策の在り方、例えば、全てではありませんが、一部の支援事業に関しましては申請書が原則三枚、この原則三枚で申請書でしっかりと読み取らなければいけない、本質を読み取るということで、ある意味、政府の取組の中で合理化を図り、ある意味、小さいかもしれませんが、過去からのやり方を考えれば小規模政策の中ではイノベーションも起こったと認識をしております。
 ですから、こういった事例も鑑みても、今回の法制度がやはり中小企業にとって大きな大きな足かせ若しくは負担にならないよう、運用面で是非御理解と、また現場に対する御理解の上での御配慮をお願いしたいなと思っております。
 今回のこの化審法は、過去から国際的な動向を踏まえて徐々に改正をされてまいりました。二〇一一年に全面的に改正されて施行された後、五年経過をしてから一回見直そうということで、昨年、経産省、あと環境省、そして厚生労働省において施行状況を検証し、報告書が公表されました。そして、その報告書に基づいて化学物質管理などの今後の方向性が示された。報告書で示された課題のうちで、技術的なものに関しては三省の有識者会合で検討していきましょう、若しくは制度面に関しましては経産省、環境省の合同会合で検討していきましょう、このような方向性で今回のこの改正に至る流れができたと思っております。
 化学物質に関する規制、これは本当に多岐にわたるものだと思っております。ただ、本法のこの規制の合理化を目指している経済産業省、経済産業大臣として、各省の連携ですね、この各省の連携をどのように取り組んでいくのか、若しくは特にITを使っての連携はどのようにお考えなのか、最後に大臣の方からお聞かせをいただけたらと思います。
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世耕弘成#22
○国務大臣(世耕弘成君) この化学物質の規制というのは、本当にいろんな段階とかそれぞれの物質の特性に応じて、例えば、製造する人なのか使用する人なのか廃棄する人なのか、あるいは、それを使う場面が労働者として仕事の場で接するのか、あるいは消費者として接するのか、あるいは普通に暮らしていて環境の中で接するのかとか、あるいは、体に対する反応が急激に急性的に来るのか長期にわたって効いてくるのか、いろんな分類でかなり規制が複雑に絡み合っているという状況になっています。これは何とかしなきゃいけないというふうに思っています。
 既に化審法の中では、この化審法で得られた化学物質の毒性などのデータを労働安全衛生法など化審法で規制している以外の制度を所管する省庁に提供することで、この物質を規制すべきかどうか、ほかの法律での判断が迅速になるというふうに思っています。そのため、化審法の中には得られた情報を関係省庁に通知するという規定があります。平成二十四年から二十八年までの五年間の間で、家庭用品規制法、労働安全衛生法、消防法を所管するそれぞれの官庁に対して情報提供というのを実施をしてまいりました。
 また、今度は逆に、化審法以外の法律が化学物質に関するデータの提出を事業者に求めているというケースがあって、事業者の側からは、いろんなデータをいろんな法律に基づいて提供するのは負担が大きいというような声もあるわけであります。こうした声を踏まえて、今度は逆に、化審法と同様に新規化学物質の届出制度を設けている労働安全衛生法の少量新規化学物質確認制度、この制度の中では、化審法で出した資料を、写しを提出すればその手続が省略できるというような連携も既に行われているわけであります。
 また、今度は、化学物質自体の規制法が多岐にわたって複雑で分かりにくいという声もあります。これ何とかワンストップでできないかということで、今、化学物質ごとの性状データですとか規制内容ですとか規制対応手続を集約したプラットフォームの構築にこれから取りかかりたいというふうに思っています。
 具体的には、NITEの化学物質に関する情報提供サイトでありますCHRIPというのがあります。これを改良して、これから事業者の方々がこういう化学物質を取り扱いたいんだけどというのを検索入力すると、その物質に関して各法令で必要になる申請手続をすぐ分かるようにしていくというような改善もこれからやっていきたいと思っています。
 私は、第四次産業革命の中で日本の勝つ道筋というのは、製造業がやっぱりビッグデータをみんなで共有する、そしてそれをAIで分析をしたりディープラーニングをして活用してより品質の高い物づくりをスピーディーに行っていく、これが私は実は第四次産業革命での日本の勝ち筋だという信念を持って今取り組んでいます。
 化学産業においても、是非この化審法で蓄積したビッグデータを各事業者がこれ縦横無尽に活用していただいて、より競争力のある化学物質を開発してもらうということを経産省として、NITEなども使いながら、全力で応援をしていきたいというふうに思っています。
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宮本周司#23
○宮本周司君 ありがとうございました。
 さすがこれまでも大臣就任以降いろいろなお取組をされている世耕大臣ならではのお考えと、本当に未来に向かったいろいろなお取組、具体的に御説明をいただきました。
 今回の法改正、やはり日本企業にとって競争力を強化していく、そしてイノベーション促進、これを実現していく、このことにしっかりと効果を発揮することを期待しておりますし、今大臣の方からもお話ございましたように、これからはもう物と物をつないでいくだけではなくて、こういったデータとデータもつなぎ、また各省もつなげていく。先般大臣が発信されましたコネクテッドインダストリー、これをまず進めていく最初の足掛かりとなるような法改正になることを心より御期待をいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
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礒崎哲史#24
○礒崎哲史君 おはようございます。民進党・新緑風会の礒崎哲史でございます。
 早速質問に入らせていただきますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
 今回のこの化審法の改正案に対する質疑、先週の木曜日になりますが、環境委員会との連合審査、その中での審議も聞かせていただいて、今回私が質疑するに当たって一体何にこだわって質疑をしていこうかなと改めて考えてみました。
 この間の連合審査のときでもそうだったんですけれども、あるいは今回のこの化審法の改正に当たって現状何が問題点なのかという説明を経産省からお伺いしたときに、まず一つに、数量調整がビジネスに与えている悪影響ということ、その点についての御説明をいただきました。とすると、その観点での法改正をするということであれば、ビジネスを拡大していく、ある意味、規制緩和をしていくということになります。そうしますと、この間の連合審査を受けた印象でもありますが、どうも規制を緩和していくということが、結果的には、ビジネスチャンスは広げていくんですけれども、同時に何かを引き下げていくような、具体的に言えばそれは安全性になるのかもしれませんけれども、どうもそのビジネスと安全性というものが何かバランスに掛けられてしまっているような審議になるのかなという印象を私は受けました。
 ただ、商品によってはそういう観点で開発がされているものもあるかもしれません。例えば、このマイクというのは、値段を上げて精度を高めればいろんな声を拾っていく、あるいは雑音が入らないように方向性を一定に保つことができるということはできるかもしれませんが、コストを下げればそういう性能が削られていくということではありますけれども、ただ、その一方で、もしその製品の性能を下げたせいで人体に影響がある、環境に影響がある、大事故につながる可能性があるかもしれない、ましてや人の命に関わることになるかもしれないということになれば、これはそういうバランスという観点はないと私は思いますし、安全性が大前提になるということになるんだと思います。
 まさに、今回のこの化審法の中で取り扱われている化学物質というものは、今お話をした後者の方の立場、何を規制緩和しようが安全性は絶対に確保されているということが大前提だということなんだろうなということを改めて自分の中で意識をしたときに、じゃ、今回、何を質問しようかなということで、今日はとにかく安全性、大丈夫なんですよねということにこだわった審議を今日はさせていただこうということで私の中で考え方がまとまりました。
 今、宮本委員の方からもいろいろとお話、質疑の方がありました。日本の大部分の企業は真面目で普通に取り組んでおられる企業です。ですから、あくまでもこうした企業の活動、企業活動を手助けをできる内容であるということと、その中において、不謹慎といいますか、不心得といいますか、そういう企業がなきにしもあらず、あるのかもしれません。ですから、そうした企業に対してしっかりと法の網を掛けて業界から締め出す、市場から締め出す、そういう法律の立て付けにやはりなっていなくてはいけないんだというふうに思います。
 早速具体的な質問に入ってまいりたいと思いますが、今回、この化審法、実は非常に幅の広い法律でありまして、様々な検査あるいは監視というものをしていく内容になっております。今回の取扱いというのは、既存の物質ではなくて、あくまでも新規の化学物質についての取扱いの中でも特に少量のものであったり低生産量のものということで、これかなり中身が細かく分かれているんですね。ですので、まずはその細かく分かれている理由というところから、前提条件ということで確認をさせていただきたいと思いますので、今回の審査特例制度において、少量の新規化学物質と低生産量の化学物質に分けてそれぞれ審査をしている理由について、まずそこから確認をさせていただきたいと思います。
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糟谷敏秀#25
○政府参考人(糟谷敏秀君) 特例審査制度におきまして制度を分けておりますのは、一言で言いますと、新規化学物質のリスクに応じた規制をするという考え方に基づくものでございます。世界的にも、毒性が不明であっても有用なものはリスクに応じた管理をして使うというリスクベースの考え方が一般的でございます。
 まず、新規化学物質については、毒性が全く分からないものでありますが、それが最も有害な物質であった場合でも健康や生態系に問題のない範囲で製造、輸入を認めるというものでございます。すなわち、少量新規制度では、化審法上最も強い規制が掛かる第一種特定化学物質のうち最も有害な物質についてシミュレーションを行いまして、この結果に基づき、環境に影響を与えない上限ということで全国数量上限の一トンというものを設けているところでございます。
 他方で、生物の体内に蓄積しやすい性質がある場合とそのような性質がない場合とでは、その化学物質が人の健康や生態に及ぼす影響は大きく異なるわけであります。高蓄積性がない、蓄積性が高くないということが判明している化学物質についてはよりリスクは低いということでございますので、低生産量新規制度におきましては全国数量上限を十トンというふうにしているところであります。これは、蓄積性が高くない第二種特定化学物質のうち、現在製造されている物質の中で毒性の強い物質についてのシミュレーション結果に基づき健康や生態系に問題のない範囲であるということで設定をしたものでございます。
 すなわち、少量新規制度と低生産量新規制度では、この蓄積性に着目してこの影響の違いがシミュレーション結果に表れ、それが制度の違い、それから全国数量上限の数量の違いになっているということでございます。
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礒崎哲史#26
○礒崎哲史君 今二つのものについて確認をさせていただきました。少量の方は、とにかく少なくても有害度が高いもの、これについて評価をする。低生産量の方は、そこまで有害度は高くないんだけれども、広く一般的に使われる可能性が高い、使用量が多いということ、その観点を加味したものを低生産量ということで確認をしていくということでした。
 では、今回の法改正において、個社及び全国の数量上限を維持しつつ、その算出方法を製造、輸入の数量ベースから排出量ベースに置き換えても安全性が確保されるという根拠について、まずその前提についてお聞かせをいただきたいと思います。
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井原巧#27
○大臣政務官(井原巧君) お答えを申し上げます。
 まず一つ、少量新規制度において全国数量上限を一トンという根拠はいかがということですが、化審法上最も強い規制が掛かる第一種特定化学物質に分類されるディルドリンと呼ばれる殺虫剤を使って、それが毎年一トン放出したとしても人健康や生態に影響がないことに基づくというものでありますが、これ三省の審議会というのがあると先ほども答弁しましたけれども、そこの専門家委員会でも評価されている数字が一トンということでございます。
 また、低生産量新規制度において全国数量上限を十トンと設けている根拠ということですが、同制度が対象とする性状を有する化学物質の事例といたしまして、第二種特定化学物質に分類されているテトラクロロエチレン、トリクロロエチレンと呼ばれる金属の洗浄剤を使って毎年十トン放出したとしても人健康や生態に影響がないことに基づくものというものでございまして、これも三者の審議会を経ているというもので、専門家の審議を得ているということでございます。
 このように、全国数量上限は、毎年一トン又は十トンの製造・輸入数量の全量が環境中に放出されたとしても人健康や生態に影響がないことに基づくというものでありますから、環境排出量ベースに変更することは極めて合理的ではないかと考えております。
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礒崎哲史#28
○礒崎哲史君 今御説明をいただきました。最後に、極めて合理的というお話もありましたが、私、済みません、性格が細かいものですから本当に合理的かどうかまだ納得ができていないので、細かいところを更に聞かせていただきたいと思っているんですけれども、今審議会等で実際に審議を行ったというお話がございましたので、実際に審議会のその報告書を私、見させていただいております。
 その中で気になったことがあるので確認をしていきたいんですけれども、まず、その少量の新規化学物質確認制度の上限一トンの根拠なんですが、いろいろな前提条件を置いております。物質についてはディルドリンという物質を使っていました。ディルドリンについては、これは第一種特定化学物質の中でも最も毒性が強い、ですから、今、日本の中で考えている様々な化学物質の中で最も毒性が強いというものをまず条件として持ってきていました。
 次に、その暴露の考え方ということでは、それが水質ですね、様々な水域から実際に人体に触れるところにあふれ出すということですので、海にあふれ出したときにという考え方を用いているんですが、そのときの代表的な環境として東京湾と瀬戸内海を選択をしています。
 なぜ東京湾と瀬戸内海を選択をしたのか、その理由について確認をしたいと思います。
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佐藤文一#29
○政府参考人(佐藤文一君) お答えいたします。
 このモデルですけれども、今御指摘いただいたことに関連しますけれども、閉鎖系水域、すなわち外海からの水の流出量が比較的少なくて、化学物質の滞留時間が長く、さらに漁業が行われている広範囲な水域というものを選択してモデルを回すということが基本になっておりまして、その水域として想定したのが東京湾あるいは瀬戸内海ということでございます。
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