国土交通委員会

2018-05-23 衆議院 全361発言

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会議録情報#0
平成三十年五月二十三日(水曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 西村 明宏君
   理事 鬼木  誠君 理事 金子 恭之君
   理事 新谷 正義君 理事 土屋 品子君
   理事 盛山 正仁君 理事 矢上 雅義君
   理事 小宮山泰子君 理事 赤羽 一嘉君
      秋本 真利君    井林 辰憲君
      岩田 和親君    大塚 高司君
      大西 英男君    加藤 鮎子君
      門  博文君    神谷  昇君
      工藤 彰三君    熊田 裕通君
      鈴木 憲和君    田中 英之君
      高木  毅君    谷川 とむ君
      中曽根康隆君    中谷 真一君
      中村 裕之君    根本 幸典君
      鳩山 二郎君    福山  守君
      藤井比早之君    藤丸  敏君
      星野 剛士君    三谷 英弘君
      宮内 秀樹君    宮路 拓馬君
      簗  和生君    山本 公一君
      岡本あき子君    川内 博史君
      高木錬太郎君    初鹿 明博君
      松田  功君    道下 大樹君
      森山 浩行君    早稲田夕季君
      伊藤 俊輔君    大島  敦君
      前原 誠司君    森田 俊和君
      北側 一雄君    高木 陽介君
      広田  一君  もとむら賢太郎君
      宮本 岳志君    井上 英孝君
    …………………………………
   国土交通大臣       石井 啓一君
   国土交通副大臣      牧野たかお君
   国土交通副大臣      あきもと司君
   国土交通大臣政務官    秋本 真利君
   国土交通大臣政務官    高橋 克法君
   国土交通大臣政務官    簗  和生君
   会計検査院事務総局次長  腰山 謙介君
   会計検査院事務総局第三局長            戸田 直行君
   政府参考人
   (内閣府民間資金等活用事業推進室室長)      石崎 和志君
   政府参考人
   (内閣府大臣官房審議官) 伊丹  潔君
   政府参考人
   (警察庁長官官房審議官) 長谷川 豊君
   政府参考人
   (法務省大臣官房審議官) 筒井 健夫君
   政府参考人
   (財務省理財局次長)   富山 一成君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房生活衛生・食品安全審議官)  宇都宮 啓君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           八神 敦雄君
   政府参考人
   (林野庁森林整備部長)  織田  央君
   政府参考人
   (国土交通省総合政策局長)            由木 文彦君
   政府参考人
   (国土交通省土地・建設産業局長)         田村  計君
   政府参考人
   (国土交通省都市局長)  栗田 卓也君
   政府参考人
   (国土交通省水管理・国土保全局長)        山田 邦博君
   政府参考人
   (国土交通省道路局長)  石川 雄一君
   政府参考人
   (国土交通省住宅局長)  伊藤 明子君
   政府参考人
   (国土交通省鉄道局長)  藤井 直樹君
   政府参考人
   (国土交通省自動車局長) 奥田 哲也君
   政府参考人
   (国土交通省航空局長)  蝦名 邦晴君
   政府参考人
   (国土交通省政策統括官) 北本 政行君
   政府参考人
   (国土交通省国際統括官) 篠原 康弘君
   政府参考人
   (観光庁長官)      田村明比古君
   政府参考人
   (環境省大臣官房審議官) 近藤 智洋君
   参考人
   (独立行政法人都市再生機構理事)         伊藤  治君
   国土交通委員会専門員   山崎  治君
    —————————————
委員の異動
五月二十三日
 辞任         補欠選任
  門  博文君     中曽根康隆君
  田中 英之君     熊田 裕通君
  藤井比早之君     井林 辰憲君
  望月 義夫君     藤丸  敏君
  初鹿 明博君     高木錬太郎君
  道下 大樹君     松田  功君
  早稲田夕季君     川内 博史君
  森田 俊和君     前原 誠司君
同日
 辞任         補欠選任
  井林 辰憲君     宮路 拓馬君
  熊田 裕通君     福山  守君
  中曽根康隆君     門  博文君
  藤丸  敏君     望月 義夫君
  川内 博史君     早稲田夕季君
  高木錬太郎君     岡本あき子君
  松田  功君     道下 大樹君
  前原 誠司君     森田 俊和君
同日
 辞任         補欠選任
  福山  守君     星野 剛士君
  宮路 拓馬君     藤井比早之君
  岡本あき子君     初鹿 明博君
同日
 辞任         補欠選任
  星野 剛士君     田中 英之君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 会計検査院当局者出頭要求に関する件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法案(内閣提出第五二号)
 船舶の再資源化解体の適正な実施に関する法律案(内閣提出第五三号)
 国土交通行政の基本施策に関する件
     ————◇—————
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西
西村明宏#1
○西村委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として国土交通省総合政策局長由木文彦君、土地・建設産業局長田村計君、航空局長蝦名邦晴君、政策統括官北本政行君、法務省大臣官房審議官筒井健夫君、厚生労働省大臣官房審議官八神敦雄君及び林野庁森林整備部長織田央君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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西
西村明宏#2
○西村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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西
西村明宏#3
○西村委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。矢上雅義君。
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矢上雅義#4
○矢上委員 ありがとうございます。立憲民主党の矢上雅義でございます。
 本日は、先日参考人質疑がございました所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法案とかなり長い名前でございますけれども、質問させていただきます。
 実は私、昭和三十五年生まれで、ことしで五十八になるんですけれども、私も人生経験は短い方でございますが、これだけ大きく時代がさま変わりしたことを驚いております。
 実は、ちょうど今から四十年前になりますけれども、大学一年生のときに、私の地元は熊本県球磨郡相良村というんですけれども、山つきの村です。そこで、相良村役場主導で地籍調査がございました。そのときに立会人をやってくれということで、山にも入り、また、田んぼ、畑にも入り、そして、宅地の境界決めにも参加いたしました。
 当時は、山に入るときも、草木を払いながら、みんな手に鎌を持ったり腰なたを下げて立ち会うわけですけれども、必ずと言っていいぐらい、お隣さん同士で境界を決めるときの争い事が起きて、みんな顔を真っ赤にして、もうけんか状態のような形で地籍調査をやったことを覚えております。
 地籍調査のおかげで仲がよくなったり、逆にお隣とけんかして口もきかなくなったりとさまざまなことがあったんですけれども、当時の地権者の方は、山に対しても、田んぼに対しても、畑に対しても、なおさら、我が家と隣の家とのブロックの境決めについても、かなりいろいろな思いがございました。
 昔のことですから、毎日田んぼや畑に出る農家のあぜは、弓のように曲がってきまして隣の土地を侵食するぐらいのあぜのつくりになってきたんですけれども、何年かたつと、最後は、境界の石とか境界の杉、ヒノキをもとに真っすぐあぜをつくり直すということでそれほど厳しい戦いをしてきたんですけれども、実は私が驚きましたのが、三年ほど前、相良村に私が持っております四反の田畑を管理することができないため、同じ町内の方にただでもいいから受け取っていただけませんでしょうかと言いましたら、皆さん、ただでも要らないということで全員お断りになりました。
 お聞きしましたら、田んぼ、畑を含めてもう草木がどんどんはえてきます。そうすると、年をとってから草払いをするのが自分じゃできない。そうなると、シルバー人材センターとか地元の森林組合にお願いして年何回も払うと、結局、自分の年金から手出しですから、国民年金から手出ししていくことではもう大変生活が厳しくなって、自分が持っている田んぼ、畑だけでも年金を食い潰すのに、人の分までお預かりすることはできないという現状でございます。
 そういうことで、このように大きく土地に対する国民の思いがさま変わりした中で、今回、国土交通省より、何らかの形でもいいから改善していきたいということで所有者不明土地に関する法案が出されたことについては、大変ありがたいことだと思っております。
 ここでまた改めて、本法案の提出の背景及び制度の目的、手法などについて、石井国土交通大臣よりお聞きしたいと思います。
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石井啓一#5
○石井国務大臣 人口減少に伴います土地利用ニーズの低下や地方から都市等への人口移動を背景といたしました土地の所有意識の希薄化等によりまして、不動産登記では、所有者の氏名や所在がわからない土地、いわゆる所有者不明土地が全国的に増加傾向にあり、将来的には更に所有者不明土地が増加すると指摘をされております。
 このような所有者不明土地につきましては、公共事業用地の取得などさまざまな場面で所有者の探索に膨大な時間、費用、労力を要し、事業計画の変更を余儀なくされたり、事業の実施そのものが困難になるといった問題に直面をしております。
 このため国土交通省といたしましては、所有者不明土地の利用の円滑化を図ることを目的といたしまして、公共事業のために土地を収用する場合の手続の合理化、公園や広場など地域住民の公共的事業に一定期間の使用権の設定を可能とする制度の創設、所有者の探索を効果的に行うための仕組みの構築等を内容とする本法案を提出することとしたところでございます。
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矢上雅義#6
○矢上委員 ただいま大臣より、公共用地に関する手続の合理化や、また、所有者不明土地に対する探索についてのお話がございました。
 そして今回、本法案では、特に土地収用法の一部合理化、そしてまた、例外的な措置としていろいろな制度が新たに提案されております。
 特に、土地を収用若しくは使用する場合にどのような公共工事を想定しておるのか、また、その対象は従来の土地収用法が対象とする事業と重なるものかどうか、その範囲について国土交通省にお聞きいたします。
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田村計#7
○田村(計)政府参考人 お答えいたします。
 今回の収用手続の特例につきましては、事業といたしましては、土地収用法第三条各号に列記をされております、いわゆる収用適格事業と同一のものでございまして、それらが対象になるものであります。かつ、個別に申し上げれば、その中で、土地収用法に基づく事業認定を受けていることが前提となります。
 ただし、本特例の対象となる土地につきましては、簡易なものを除いて建築物が存在せず、現に利用されていない所有者不明土地であって、反対する権利者のいないものに限定をしております。
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矢上雅義#8
○矢上委員 今回の事業の対象としては、まず、土地収用法三条における収用適格事業であること、及びまた、事業認定を受けておるものであるということになっておりますけれども、この事業認定についてはかなり公平性が担保された形で行われるんでしょうか。
 具体的にどのような形で事業認定というのは事例として行われるのか、簡単で結構ですから教えてください。
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田村計#9
○田村(計)政府参考人 お答えいたします。
 事業認定は、事業認定庁、国ないしは都道府県知事が起業者からの申請を受けて認定を行うものでございますが、要件がおおむね四つございまして、一つは、今申しましたような土地収用法の第三条の各号列記の対象の事業であるということが一つ。それから、起業者にそういった事業を行う意思とか能力があるというふうなこと。それから、その当該事業の執行が土地の適正かつ合理的な利用に資するものであること。それから、その当該事業に公益性が認められるということ。
 おおむねこの四つの要件を満たしているかどうかということを認定庁の方で判断をして認定をするということでございます。
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矢上雅義#10
○矢上委員 ありがとうございます。
 そういうことで、収用適格事業に該当すること、また、事業認定の四つの要件に該当することということでかなり縛りがかけられていると思いますけれども、さらにまた、この土地利用の前提として、所有者又はその存在が不明と判断される場合に、それらの方々を十分に探索したかどうかという判定基準というものはどのようになされるのか、国交省にお伺いいたします。
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田村計#11
○田村(計)政府参考人 お答えいたします。
 探索のお尋ねでございますが、この法案では、「相当な努力が払われたと認められるものとして政令で定める方法により探索を行ってもなおその所有者の全部又は一部を確知することができない一筆の土地」を「所有者不明土地」として定義をしております。
 この探索の具体的な方法でございますけれども、一つは、登記事項証明書の交付を請求すること、それから、住民票、戸籍、固定資産課税台帳などの書類に記載された情報の提供を求めること、それから、一定範囲の親族等に照会することなどを定めることを想定をしているところでございます。
 こうした探索が十分に行われたかどうかにつきましては、収用の特例の裁定の申請書に、「特定所有者不明土地の所有者の全部又は一部を確知することができない事情」として、事業者が行った具体的な探索行為を記載をしていただきまして、都道府県知事がこれをもとに確認をするという手続を踏むこととしております。
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矢上雅義#12
○矢上委員 先日以来の説明で、この所有不明者等を一定の努力のもとに探索するということですけれども、特に、先ほど申されました公的な帳簿類、そのあたりについて各、国、県、市町村を含めてそれぞれの関係者が合理的な範囲で情報を共有するシステムを考えておるということもございましたが、そのことについてちょっとお伺いしたいと思います。
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田村計#13
○田村(計)政府参考人 お答えいたします。
 不動産に関する情報に係るものといたしましては、各省でいろいろ台帳とか、農地の関係であれば農地台帳でありますとか、それから、我々もそういった不動産情報の国土利用計画に基づくものとか持っておりますが、何といってもやはり不動産登記簿が中心というところでございますので、不動産登記簿を中心にいたしまして、そういった各省が今保有している情報の横の連絡、これをとる必要があるだろうということでございまして、政府一体となりまして、そういった円滑に共有できる仕組みということを検討してまいるということになっているところでございます。
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矢上雅義#14
○矢上委員 それともう一つお尋ねですけれども、このような探索事業を行うに当たりまして、国だけでなく、現場におきましては各市町村、各都道府県の担当者が行うと思うんですけれども、やはりこの探索という基準について全国的な均一性、整合性を図るためには、よくあるように、国主導若しくは都道府県主導での、そのような探索基準の設定の仕方また理解の仕方についての研修や訓練、教育なども予定されておられるのでしょうか。
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田村計#15
○田村(計)政府参考人 お答えいたします。
 先ほども答弁させていただきましたが、探索の具体的な方法は、登記事項証明書の交付の請求でありますとか、住民票、戸籍、固定資産課税台帳等の書類の提供を求めることとか、一定範囲の親族等に照会することということ、これは政令で明確に定めるということで、そこら辺に余り幅がないような形に明確に定めることを想定しておりまして、そういったことで、そういう意味では余り都道府県によって差が出ないような形にいたしますし、そういったことに基づきまして、法案が成立いたしました暁には、講習会等できちんと公共団体等に周知をしてまいりたいと考えております。
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矢上雅義#16
○矢上委員 それでは次に、相続登記が困難な事例について幾つかお伺いいたしたいと思うんですけれども、よく私が耳にしますのが、相続登記の際に同意取付けに失敗するケースとして、他の相続権者が外国に居住している場合が多々あります。外国に長くお住まいの方には、日本の印鑑証明とかによる同意書方式にはなじみがない上に、ただで分けてあげるのに何度も連絡してきて面倒くさいなと言って感情を害されて、同意取得に協力してくれない方もおられます。
 特に、外国にお住まいの方が高齢者の場合には、もう長年、例えばアメリカでしたらサイン方式であるとか、その居住されておる外国の方式になれた上に、高齢者であることから、事細かく何回も何回も日本の方から、他の相続権者から依頼があると、感情を害されて協力されないということがよくあるんですけれども、ここでお聞きしたいのが、一番多いのが、共有者の一部が所在は判明しているが、アメリカ等に住んでいる場合の同意書の取得は具体的にどのように行うのか。
 特に、アメリカのように、サイン方式で、他に印鑑証明などの制度が存在しない国での同意書の取得等について、具体例についてお聞きしたいと思います。
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田村計#17
○田村(計)政府参考人 お答えいたします。
 公共事業のために用地を取得する場合におきまして、所有者の間で売買契約を締結したり所有権の移転登記をしたりする場合におきましては、基本的に本人の記名押印により同意を取得することが必要でありまして、印影を市区町村が発行する印鑑登録証明書で証明するということを求めてございます。
 しかし、所有者が外国に居住している場合には、日本国内において印鑑登録がされていない場合もございます。このような場合につきましては、印鑑登録証明書にかわりまして、本人の署名について現地の公証人の証明や在外公館の証明を受けることで対応することが可能でございます。
 このような手続につきましては、国土交通省におきまして平成二十八年三月に、所有者の所在の把握が難しい土地に関する探索・利活用のためのガイドラインというものをつくっております。このガイドラインの周知徹底に努めてまいりたいと思います。
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矢上雅義#18
○矢上委員 ありがとうございます。
 特に、外国に長年住んでおられる方が、理解していただけずに、感情を害して協力していただけない、そういうことで公共工事の際の用地取得にも困難をきわめておる事例もございますので、外国にお住まいの方にわかりやすいようなガイドライン及びその周知徹底についてぜひお願いいたします。
 次に、これは仮にの話でございますけれども、今回の法案を前提として、ちょっと具体的なケースを想定してみます。
 例えば五人の共有者の方がいて、そのうち二人が賛成、そのほか三人が、十分な探索の上、所在不明なケースに当たるとする場合、仮にこの土地の実勢価格が一千万円とします。原則としてこのケースの場合、土地収用法の手続にかけた場合と本法案による場合の手続の中での具体的な相違点など、メリット、デメリットというよりも、今回の法案でもメリットがどこにあるのか。簡単で結構ですから、教えていただければと思います。
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田村計#19
○田村(計)政府参考人 お答えいたします。
 土地収用法の裁決手続を経る場合は、所有者不明土地を取得する場合、現行制度におきましては、収用法に基づく事業認定を受けた事業につきまして、収用委員会によるいわゆる不明裁決の手続、これは審理手続も含めてでございますが、不明裁決の手続を経て、所有者の意思にかかわらず、土地を取得することが可能となります。
 これに対しまして今回の収用手続の特例につきましては、土地収用法に基づく事業認定を受けた事業につきまして、収用しようとする土地が、反対する権利者がいない特定所有者不明土地、簡易なものを除き建築物が存在せず、現に利用されていない土地ということでございますが、そういった特定所有者不明土地であれば、収用委員会ではなく、都道府県知事の裁定により、審理手続を経ずに土地を取得することとしております。
 こういった手続の特例によりまして、いわゆる手続の合理化、円滑化ということが図られるものと考えております。
 なお、土地所有権の私権の制限の内容そのものに変更はございませんが、手続の円滑化、合理化というところが違うというところでございます。
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矢上雅義#20
○矢上委員 ありがとうございます。
 ところで、土地収用委員会であれば、権利の取得また物件等の明渡しの裁決について二本立てで行われるということになっております。
 ただし、本法案では、特例として、都道府県知事の裁定で、この権利取得及び簡易な建物等の物件等の明渡しの裁決も同時にできるということでなっておりまして、かなり工夫はしてあるんでしょうけれども、私たちから見たときに、土地収用委員会を経ないということは、これまで土地収用委員会が有してきた第三者性という公平性の担保はどのあたりで確保できるのか。教えていただきたいと思います。
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田村計#21
○田村(計)政府参考人 お答えいたします。
 そもそもこの収用の特例の対象の土地が、いわゆる特定所有者不明土地ということで、簡易なものを除いて建築物が存在せず、現に利用されていない土地である、かつ、反対する権利者がいない、そういったいわば入り口を絞った形で設定をしているということでございまして、まずそれが一点ございます。
 補償金額等について明示的な反対者がいないことにつきまして、この法律によりまして、一定の期間、公告縦覧という手続も設けているところでございます。
 このような、入り口を絞っているということや、新たにこの法律におきまして、反対者がいないことを公告縦覧の手続により確認をすることとしておりますので、このような手続を経た上で都道府県知事が裁定を行っておりまして、そういった手続的な担保はきちんととれているということで、中立性、公平性は担保されているというふうに考えているところでございます。
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矢上雅義#22
○矢上委員 ただいまの答弁では、争いが少ない、争いがまず考えられないという形で入り口を絞って、さらに、公平な手続を重ねていくということで将来のトラブルを防ぐということだと思います。
 それを前提にした上で、この法案で予定しております所有者不明若しくは所在不明の者に対する補償金が、これは恐らく法務局だと思うんですけれども、補償金が供託された場合、供託期間終了後、最終的にはこの供託金はどこに帰属するんでしょうか。
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筒井健夫#23
○筒井政府参考人 お答えいたします。
 お尋ねの、補償金が供託されました場合に、その供託金は、国庫金のうち、歳入歳出外現金である保管金に該当するものとされておりまして、供託所から日本銀行に政府預金として預けられることになります。
 預けられました供託金は、独立して運用管理されるものではなく、他の政府預金とともに統一的に運用管理されているものと承知しております。
 それで、最終的に被供託者である所有者から還付請求がされた場合には、その供託金は、基本的に、被供託者に還付され、供託された補償金はその所有者に帰属するということになります。
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矢上雅義#24
○矢上委員 還付請求する請求権者ですけれども、それは例えば事業者ということでよろしいんでしょうか、この土地収用法の事業を行う。それとも、土地の本来の、例えば先ほど申しました、二人所有者がおられますよね、その方たちに帰るんでしょうか。
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筒井健夫#25
○筒井政府参考人 基本的には、その共有者間の持分割合がどうなっているかによっても若干異なりますけれども、所在が不明の方のために補償金というものの供託がされることになると思いますので、その方々に還付請求権があり、その方々の所有に帰属することになるということだろうと思います。
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矢上雅義#26
○矢上委員 重ねて補足の質問でございますが、所在がはっきりしている方が何人かおられたらその方々に還付される可能性があるんでしょうけれども、逆に、全員所有者が不明の場合の還付金というのは、結果的には供託した事業者に戻るのか、それとも、所有権者がいないというような形で国の方に行くのか。そのあたりのところをもし御理解であれば、よろしくお願いします。
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筒井健夫#27
○筒井政府参考人 供託されました補償金は、基本的に、所在不明の方のために供託されるということになりますので、その方々のために供託され続けるということが恐らく基本になるだろうと思います。
 ただ、その供託金、還付請求権が消滅時効に係るという理論的な可能性自体はございます。その場合には、国庫の方の所得に繰り込まれていくことは、可能性としてはございます。
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矢上雅義#28
○矢上委員 ちょっと急な質問であれでしたけれども、よくわかりました。ありがとうございます。
 それと次に、相続登記に関することで、また、時効取得等に関することがあり得るかということでちょっとお聞きしたいんですけれども、またこれも、相続登記が困難な場合の具体的な事例をちょっと御紹介いたします。
 農家の長男若しくは商家の長男が事業を承継している場合で、相続持分が確定しないまま相続登記が放置された状態、この状態でこのいわゆる一部の相続権者、ここでは前述しました長男等に当たると思いますけれども、当該土地を長期に占有したとしても、これが民法上の取得時効制度の対象にならないということでようございますでしょうか。確認いたします。
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筒井健夫#29
○筒井政府参考人 お答えいたします。
 土地所有権の取得時効が成立するためには、土地の占有者が所有の意思を持って一定期間土地を占有することが必要となりますけれども、この所有の意思があるか否かは、占有者の内心の意思によって決まるものではなく、占有取得の原因である権限などによりまして外形的、客観的に定まるものと解されております。
 御指摘のような事案において取得時効が成立するか否かにつきましては、個別具体的な事情によって異なり得るため、一概に申し上げることは困難でございますけれども、その上であくまで一般論として申し上げれば、御指摘がありましたように、土地が相続されて共同相続人の共有となっている場合には、各共有者は共有持分に基づいて共有物全体を使用することができるというそういう権限を有しているわけでございますので、共同相続人の一人が土地全体を占有していたといたしましても、権限の客観的性質上、特段の事情がない限りは、他の共同相続人の持分についてまで当該占有者に所有の意思があるとは言えないことになると思います。
 したがいまして、御指摘のような事案では、原則として取得時効は成立しないものと考えられます。
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