農林水産委員会

2019-04-17 衆議院 全206発言

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会議録情報#0
平成三十一年四月十七日(水曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 武藤 容治君
   理事 伊東 良孝君 理事 小島 敏文君
   理事 齋藤  健君 理事 野中  厚君
   理事 細田 健一君 理事 亀井亜紀子君
   理事 近藤 和也君 理事 稲津  久君
      池田 道孝君    泉田 裕彦君
      今枝宗一郎君    上杉謙太郎君
      大西 宏幸君    大野敬太郎君
      加藤 寛治君    門  博文君
      木原  稔君    木村 次郎君
      国光あやの君    小寺 裕雄君
      斎藤 洋明君    坂本 哲志君
      田所 嘉徳君    高木  啓君
      高木  毅君    中谷 真一君
      西田 昭二君    福山  守君
      藤井比早之君    藤原  崇君
      古川  康君    古田 圭一君
      宮路 拓馬君    盛山 正仁君
      山本  拓君    石川 香織君
      大串 博志君    金子 恵美君
      神谷  裕君    佐々木隆博君
      長谷川嘉一君    堀越 啓仁君
      関 健一郎君    緑川 貴士君
      濱村  進君    田村 貴昭君
      森  夏枝君
    …………………………………
   農林水産大臣       吉川 貴盛君
   農林水産副大臣      小里 泰弘君
   農林水産大臣政務官    濱村  進君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房総括審議官)         横山  紳君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房審議官)           小川 良介君
   政府参考人
   (農林水産省食料産業局長)            塩川 白良君
   政府参考人
   (農林水産省経営局長)  大澤  誠君
   政府参考人
   (農林水産省農村振興局長)            室本 隆司君
   政府参考人
   (農林水産省政策統括官) 天羽  隆君
   政府参考人
   (林野庁長官)      牧元 幸司君
   政府参考人
   (水産庁長官)      長谷 成人君
   農林水産委員会専門員   梶原  武君
    —————————————
委員の異動
四月十七日
 辞任         補欠選任
  稲田 朋美君     高木  啓君
  金子 俊平君     高木  毅君
  福山  守君     田所 嘉徳君
  藤井比早之君     古田 圭一君
同日
 辞任         補欠選任
  田所 嘉徳君     中谷 真一君
  高木  啓君     稲田 朋美君
  高木  毅君     国光あやの君
  古田 圭一君     藤井比早之君
同日
 辞任         補欠選任
  国光あやの君     盛山 正仁君
  中谷 真一君     門  博文君
同日
 辞任         補欠選任
  門  博文君     大野敬太郎君
  盛山 正仁君     大西 宏幸君
同日
 辞任         補欠選任
  大西 宏幸君     金子 俊平君
  大野敬太郎君     福山  守君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 農地中間管理事業の推進に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出第二三号)
     ————◇—————
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武藤容治#1
○武藤委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、農地中間管理事業の推進に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として農林水産省大臣官房総括審議官横山紳君、大臣官房審議官小川良介君、食料産業局長塩川白良君、経営局長大澤誠君、農村振興局長室本隆司君、政策統括官天羽隆君、林野庁長官牧元幸司君及び水産庁長官長谷成人君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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武藤容治#2
○武藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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武藤容治#3
○武藤委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。加藤寛治君。
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加藤寛治#4
○加藤(寛)委員 おはようございます。自由民主党の加藤寛治でございます。
 質問の機会に感謝をしながら、早速質問に入ります。
 農地中間管理事業の推進に関する法律等の一部を改正する法律案について質問いたします。
 農業の振興、発展、成長産業化を図る目的で、平成二十六年以降、農地中間管理機構が活動を開始して五年になります。各都道府県に農地中間管理機構を設置して農地の分散錯圃を解消していくことにより、担い手農家への農地の利便性を図り、集積、集約化を進めることによって機械化が促進され、経営規模拡大につながり、また、農業の生産性、生産額を向上させることにより、ひいては、農業収入の増大につなげて、担い手農業者の育成、確保、また、農業後継者の育成につながります。結果として、農業の振興、発展、成長産業化を図ることが、食料自給率を向上させ、国家の使命でもある国民への食料の安定供給、食料安保の責任が果たせるものと思います。
 これまで五年間、農地中間管理機構の活動を通じて果たしてこられた成果についてどのように評価をされておられるのか、また、今後どのように取り組んでいかれようとお思いか、お尋ねをしたいと思います。
 そこでまず、現在、野党の皆さんの中で農地バンクを廃止するという修正案が検討されているというような報道が出ております。この報道に触れまして、まず頭に浮かんだのは、今現在、農地バンクを使って農地を貸したり借りたりしている方に非常に大きな影響があるのではないかという心配があります。
 そこで、政府に対して、農地バンクの事実関係についてお尋ねしたいと思います。
 まず、現在、農地バンクが、何人の所有者からどのくらいの農地を借りて、何人の担い手に転貸しているのか、お伺いをします。
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大澤誠#5
○大澤政府参考人 お答えいたします。
 先生、御質問の冒頭に、まず、農地バンクの現状評価等につきまして御質問ございましたが、これにつきましては、農地バンク事業を開始しました平成二十六年度以降、担い手への農地の集積面積は再び上昇傾向に転じまして、平成二十九年度、担い手による農地の集積のシェアは五五・二%まで来たというふうに理解しておりますけれども、二〇二三年に担い手への利用集積のシェアを八割にするという目標の達成のためには、事業を加速する必要があるというふうに考えておりまして、今回の五年後見直しの機会に所要の修正案を出させていただいているところでございます。
 具体的な御質問の中で、農地バンク、現在、何人の所有者からどれくらいの農地を借りて、何人の担い手に転貸しているかという御質問でございます。
 この中で、四年間の活動を通じまして、約三十万人の農地所有者から合計して約十八万五千ヘクタール、筆数でいいますと約百十四万筆の農地を借り受けております。この借り受けた農地を約七万五千人の担い手に転貸をしているところでございます。
 単年度の実績ベースでいきますと、一年間の農地権利移動面積に占める農地バンクのシェアは、農地バンクが発足した平成二十六年度は二%、二十七年度は一四%、二十八年度は二四%と、そのシェアを着実に伸ばしているところだと考えております。
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加藤寛治#6
○加藤(寛)委員 それぞれに御答弁をいただきました中で、農地バンクで、所有者三十万人から百十四万筆の農地を七万五千人に転貸しているという御答弁をいただいたわけでございますけれども、このような状況を考えてみた場合に、とても多くの方々に影響があるということだと思います。もし農地バンクを廃止をすれば、現場が混乱してしまうのではないかという、大変私は大きな危惧をいたしております。
 次に、農地バンクを用いることによるメリット措置についてお伺いをします。
 特に基盤整備は、平成二十九年に土地改良法を改正し、農家負担のない農地整備事業を新たに措置するなど、農地バンクがあったからこそ認められたメリット措置が近年整備され、現場で有効に活用をされています。
 そこで、現在、農地バンクを前提に措置されている補助金や税制の支援措置はどのようなものがあるのか、お伺いをします。
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大澤誠#7
○大澤政府参考人 農地バンクにつきましては、これまでの利用の集積の円滑化を進める仕組みが、実態として、やはり出し手、受け手の相対協議を中心に行ってきたということで、これを分散錯圃の解消に行くような仕組みに改めていくためにできたのが農地バンクでございますので、やはり、そういうような性質を踏まえまして、農地バンクを前提としたさまざまなメリット措置についても政府としては逐次充実を図っているところでございます。
 農地バンクを前提として、まず、予算措置としては、機構集積協力金というのを措置してございます。それから、法制度とも絡みますが、御指摘のとおり、平成二十九年の土地改良法改正によりまして、農家負担のない基盤整備事業が実施できることとされてございます。またさらに、税制措置といたしましては、農地バンクに貸し付けた農地につきまして、農地の出し手について、固定資産税を二分の一に軽減する措置なども措置しているところでございます。
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加藤寛治#8
○加藤(寛)委員 それぞれの答弁の中で、補助金についても、また税制の支援措置についても、大変農業者にとって有利な、農業活動をやる上において非常に有利な措置等が施されておるわけでございます。そうした中で、もしも農地バンクを廃止するということになれば、これまで積み上げてきたこうした支援措置もなくなってしまうということではないか、このように思います。
 農地バンクの受皿に支援措置を措置することは簡単ではないわけであります。事業を活用して、地域一丸となって取り組んでいこうという機運をまた潰してしまうようなことにもなりはしないかというような大きな危惧、心配もしておるような状況であります。そうしたことが起これば、まさに猫の目農政であり、現場の混乱を招きかねないということを述べておきたいと思います。
 私は、当初、農地中間管理機構について議論の俎上に上がったとき、この案件、提案というのは、すばらしい、画期的な農業政策の基本であると高く評価をしておりましたし、また、今日でも大きな期待を持っておるところでございます。
 御案内のように、農業の基本は農地、水、加えて太陽であることは論をまたないところであると思います。しかし、太陽はいかんともしがたいわけでありますけれども、農地、水については人知でいかようにもすることは可能ではないかなという思いを持っております。
 政府は、国策として、全農地約四百五十万ヘクタールの八〇%である三百六十万ヘクタールを担い手農業者が耕作するよう、計画を打ち立てております。
 そこで、現在は、全農地の五五%余が担い手農家が耕作を実施しておるのが現状であります。農地中間管理機構が発足当時、平成二十六年ころは、全農地の五〇%前後を担い手農業者が耕作しておったわけですから、当時から考えると五%程度の進捗をしたと言えますけれども、まだまだ計画までには、残農地が二五%、面積にして約百万ヘクタール余程度促進していかなければならないというのが現状であります。
 ところで、よく考えてみますというと、担い手農家が耕作をしておる全農地の五五%と全農地の圃場整備率はほぼ合致しております。このことは、すなわち、圃場整備率を八〇%に向上させることが、全農地の八〇%を担い手農家が耕作できる前提条件になると思料されるのでございます。
 そこで、目標達成には残りの百万ヘクタール余の未整備圃場をいかにして整備促進するかにかかってくると思いますが、どのようにお考えか、お伺いをいたします。
 もちろん、私が申し上げる圃場整備された農地とは、分散錯圃した農地を集積して、長方形か正方形に整形された、機械化可能な優良農地のことであります。ただ単に道路が農地に接しているだけの農地ではありませんので、申し添えておきたいと思います。
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室本隆司#9
○室本政府参考人 まず、圃場整備を含みます基盤整備の予定事業量を定めましたものとして土地改良長期計画というのがございますが、この計画の中では、計画期間である二〇二〇年度までの五年間に、水田の大区画化は八万三千ヘクタール、汎用化については十五万九千ヘクタール、畑の区画整理、排水改良については三万一千ヘクタール、畑地かんがい施設の整備を二万五千ヘクタール、そして、こうした水田、畑の基盤整備に当たっては、担い手への農地集積率及び集約率、これをそれぞれ八割以上に上げるといった目標を掲げまして、現在事業を推進しているところでございます。
 直近の平成二十九年度の基盤整備を完了した七十地区におきまして、実績として、担い手への農地集積率、これが約八割に達していることから、委員がおっしゃるとおり、圃場整備を含む基盤整備を契機として農地集積を推進していくことは極めて重要であるというふうに考えてございます。
 一方で、担い手、いわゆる農地の受け手でございますが、これは条件のよい農地を求めることから、基本的に基盤整備は重要であるという考え方の上で、これまで担い手に集積されている農地においても、その全てで基盤整備が行われているものではないといった点と、今後集積すべき農地の中には既に基盤整備がなされている農地も含まれているといった点から、今後集積すべき農地の全てにおいて基盤整備を行う必要があるとまでは言えないのではないかというふうに考えてございます。
 しかしながら、今後とも、現場のニーズに対応できるよう、基盤整備に係る必要な予算を確保するとともに、農地中間管理機構とも連携して、基盤整備の円滑な推進を図ることにより、担い手への農地集積を一層促進してまいりたい考えでございます。
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加藤寛治#10
○加藤(寛)委員 それぞれに、圃場整備について農水省の方で努力をされておられるということは十分私も認識は持っておりますけれども、なかなか、これは相手のあることですから、思うようにはいかないとは言えないまでも、これだけは、しかし、しっかりと取り組んでいただくことが、将来の日本農業に大きな未来があるもの、私はこのように期待をいたしておるところでございますので、今後ともの圃場整備事業の推進に向けて、最大の努力をしていただくようにお願いを申し上げておきたいと思います。
 平成二十六年以降、農地中間管理機構を通して、農業の振興、発展、成長産業化を目指して取り組み、活動してこられました。私も、もちろん一定の評価はいたしておるところでございます。
 しかし、農地中間管理事業の推進に関する法律にのっとって活動はしてきたものの、五年間実際に活動してみて、万全と思っていた法律も、実際の活動に伴って気づく点、また、教えられる点、学ぶ点が出てくるのは当然のことだと思います。そのような観点から、今回、農地中間管理事業の推進に関する法律等の一部を改正する法律案を提案されたもの、このように理解をいたしております。
 そこで、大きく四つについて改正するとされておりますが、第一点については、農業委員会の役割を法的に明確にするということであります。
 地域の方々の農業委員の皆様に対する信頼というのは大変絶大なものがありますから、農業委員の方々に御協力していただくということは、事業推進に大きな成果が上がるものと確信をいたしております。
 ところが、平成二十八年の農業委員会法の改正によって、農業委員の皆様も自分たちの役割について明確に承知されていなかった面が多々あったように思われますので、役割を明確にして周知することが事業推進に当たっては肝心かなめのことだと思います。そして、忘れてならないことは、日々、農家の皆様と寄り添いながら、地域、農業振興、発展のために活動をしているJAの存在であろうと思います。
 次に、第二、第三についても、仕組みの改善を図り、また、円滑化事業を中間管理事業に一体化する等、簡素化して、利用する側が理解しやすいように改正することは、事業推進に当たってはなお一層効果を発揮できるもの、このように考えております。加えて、青年等就農資金について償還期限を延長することは、青年農業者が余裕を持って十二分に営農計画を立てることができるため、農業後継者の育成にも大きく寄与するもの、このように考えております。
 そのような中で、農業委員会、JA始め、地域の皆様と一体となって取り組み、活動することが、なお一層事業の成果が上がるものと確信いたしております。
 今回のそれぞれの改正によって、どのような成果を目指し、期待するとともに、国策である全農地の八〇%を担い手農業者が耕作できる体制、すなわち、私が申し上げる圃場整備率八〇%達成がいつごろまでに整備できる予定か、お伺いをしたいと思います。
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大澤誠#11
○大澤政府参考人 お答えいたします。
 今回の改正の内容等々あるいは狙いにつきましては、既に先生の方から簡潔にまとめていただいてはおりますけれども、改めて政府の立場として御説明を申し上げます。
 まず、今回の改正につきましては、現場の方々と徹底的な意見交換、こういうことをさせていただきました。それは、実施主体であります機構の理事長なり役員の方、職員の方だけではなくて、やはり現場で実際に農地利用の集積を行っていただいておりますいろいろな方々、市町村の方々、JAの方々、農業委員会の方々等々と積極的な話合いを行ってきたわけでございます。
 その際、農地利用をもっと進めるためには、まず、やはり地域の話合いがもう少し活性化するようにもう一度手を打つべきじゃないかという意見が多かったわけでございます。その中で、やはりマンパワーの不足、市町村の職員が少ないということに鑑みて、マンパワーの不足という問題も指摘されました。
 他方で、農業委員会につきましては、改正後、推進委員等、新しい仕組みも入れられたわけでございますけれども、何分にも、法律上の理念として、進めるべき仕事というのは農地利用の最適化ということでありまして、非常に抽象的な言葉であるということで、それぞれの措置、例えば、この中間管理事業法の二十六条に国会の修正により位置づけられました人・農地プランについては、農業委員会というものの役割が明確になっていなかったということもあります。
 そういうこともありまして、昨年の十一月八日には、全国農業会議所より、見直しに当たっての要望の中に、人・農地プランの実質化の検討に当たっては、まず市町村が農業委員会、農協等地域の関係者を糾合して責任を持って取り扱うことを明確にすること、その上で、農業委員会の位置づけ、役割等を法令上明確にすること等々の要請が出されております。
 こういうものを受けまして、関係者が一体となって、農業委員会も含んで人・農地プランをつくるということが、まず、担い手への農地利用の集積、集約化の第一歩だろうという考えでございました。
 それから、円滑化団体につきましても、これは統計をつぶさに見ますとともに、活発になお活動を行っておられる方々と、私も直接各地に出張に赴きまして意見交換をさせていただきました。
 あるいは、担い手の意見も聞かせていただきました。担い手の意見は、二つの機関がいろいろあると、農地はある意味で地続きなのに、ここまでは円滑化団体の取り扱っている場所、ここからは農地バンクとなると、非常に担い手の活動が広域化する中で、なかなか、集積、集約化に持っていくのに、やはりいろいろなところに相談しなきゃいけないという問題点もあるなということが言われました。
 他方で、円滑化団体につきましては、全般的には農地バンクへの移行が進んでおりますけれども、一部の、大体五県ぐらいだと思いますけれども、地域、県におきましては、特色のある取組を行っておりました。ブロックローテーションを契機として農地集積に取り組む、あるいは、これは北海道でございますけれども、北海道の特性であります所有権の移転をしっかりやることの中で、農地バンクもうまく使いながら取り組むというようなこともございました。
 こういうところで意見交換を重ねまして、何とか、担い手のためには農地のリストというのは一体化する、それから、関係者が、担い手にとって使いやすいように、全体が統合一体化された形で農地利用関係の調整のサービスを行う、こういうことが大事ではないかというふうに考えるに至りました。関係団体からも、そういう統合、円滑化を前提としたさまざまな提案もいただきました。そういうことを踏まえながら今回の案はつくってきたつもりでございます。
 そういうことで、これらの措置をいろいろ組み合わせて、全体で関係者が一体となって進むとなりますと、今までの農地集積が更に加速化されるというふうに我々は考えております。あるいは、農地バンクの手続の簡素化もいたしました。
 それらの措置を総合的に取り組むことによりまして、今、目標期限は二〇二三年に設定されておりますので、我々どもとしては、この二〇二三年の目標期限までの集積目標達成、これについて努力してまいりたいというふうに考えてございます。
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加藤寛治#12
○加藤(寛)委員 それぞれの改正を図るに当たって、所期の目的である二〇二三年までの目標達成をぜひに達成できるように最大の努力をしていただきたいということをお願いを申し上げておきたいと思います。
 それと、なぜ私が圃場整備事業にこだわるかといえば、先ほど申し上げましたように、担い手農家が全農地の八〇%を耕作できるためには、八〇%の圃場の整備が不可欠であるという確信を持っておるからであります。
 統計によると、農業人口は、平成十二年には三百八十九万人だったのが、平成二十九年には百八十二万人ということで、約二十年で半減をしておるわけですね。また、今後は十年間で半減するであろうと推測されております。
 国策で、二〇二三年までに全農地四百五十万ヘクタールの八〇%を担い手が耕作する目標を目指しております。この目標が達成できれば、我が国の農業は飛躍的な振興、発展を遂げるものと私は確信と期待をいたしております。
 しかしながら、農業人口が減る中で、農業をする人がほとんどいなくなってから圃場整備を完成しても何の意味もないというか、目的に大きくずれてくるのではないかなという思いがしてならないわけです。
 そういうことから、ぜひとも、この国策である全農地の八〇%を担い手が耕作する目標を実現をしていただきたいと思います。
 このことが、これもまた国策である地方創生に大きく寄与できるもの、このように理解をいたしております。
 例えば、実例として、私の地元雲仙市八斗木地区では、ブランド品として八斗木ネギの栽培が盛んであります。
 この地域は、急傾斜地で、狭い農地が課題でありました。ところが、平成二十三年から平成二十九年にかけて、四十二ヘクタールの圃場整備と畑地かんがい整備を行い、大型収穫機械導入等により作業効率化が進み、加えて、生産コストを低減することができた結果、転作によるニンジン、ブロッコリーの作付も可能となりました。そしてまた、平成二十三年当時と比べて、平成二十九年には、地区全体の作付率が一・七倍に上昇して、担い手農業所得が三・四倍に増加することができました。
 結果として、若手後継者が増加し、同地区に小学校の児童数も増加した件等が評価されて、平成三十年度の農業整備地区コンクールにおいて、八斗木地区が吉川農林水産大臣賞を受賞した次第でありました。
 また、もう一つ、島原市の三会原地区においても、私が県議時代、三十年以上前から、圃場整備の必要性について地域の皆様に訴えてまいりました。
 このことのきっかけは、地域の皆様から、自分の、その人の息子に嫁に来る人がいないのでどうにかしてくれという相談を、切実な相談を受けたときでありました。私が答えたのは、農地の圃場整備を進めて、集積、集約を図ることによって機械化を促進し、農地の規模拡大を図ることにより農業収入の増大をすることができるし、また、若い嫁さんの仕事は子育てと家事だけを担ってもらえばよいようになるから、必ず息子さんの嫁さんは見つかりますよと答えてやりました。
 しかし、しばらくはなかなか理解してもらえなかったのも事実でした。それでも、十年以上、会う人会う人に繰り返し言い続けた結果、ようやく一部の人が理解を示した場所から圃場整備に取り組み、完成した農地の効用、結果を見て、今や、我よ先にと圃場整備の希望者が続出しているのが現状であります。現在、六〇%の完成状況だと思いますが、全体が完成しますと三百五十ヘクタール余の農地に完成します。
 現在は、農家に嫁ぐ花嫁さんが増加して、農業者も農業後継者も育ち、必然的に、子供も誕生して、出生率も向上しております。しかし、圃場整備事業開始当時、平成十五年ごろは島原市の出生率は一・五五でありましたのが、平成二十二年には一・八三と上昇して、また、平成二十八年には二・〇七に出生率もぐんと上昇しておるのが現状です。まさに、圃場整備率の上昇に比例して出生率が上昇するという好結果が生まれております。
 また、その地域の市立公園、市立幼稚園も、平成十四年ころには子供が一桁台まで減少して、廃園にするとまで市当局は検討したそうですが、現在は園児も相当ふえて、子供たちの声でにぎわっておるのが現状であります。このことは、我が国最大の国難である少子化対策にもつながり、ひいては国策である地方創生にも大きく寄与するものと思います。
 このように、農地中間管理事業を通じて、農業の基本である圃場整備の事業推進に果たす農地バンクの役割は大変大きなものがあると同時に、圃場整備された優良農地は、少子化対策、地方創生、耕作放棄地の解消と、一石二鳥にも三鳥にもなります。そこで、一日も早く圃場整備の目標達成を果たし、我が国の農業の未来に光を与えていただきたいという願いであります。
 最後に、大臣の御所見をお伺いをいたしたいと思います。
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吉川貴盛#13
○吉川国務大臣 農協の組合長も御経験をされました加藤先生の農地バンクに対する思いを、見識をお聞かせをいただきました。
 本法案は、平成二十六年に活動を開始をした農地バンクについて、法施行後五年が経過をしたところで、更に事業を加速化するための見直しを行うものでございます。
 見直しのポイントでありますけれども、農地バンクと、JA、農業委員会などで、地域でコーディネーター役を担ってきた組織との連携を強め、一体となって、中山間地域を含め、農地集約化のための地域の話合いを推進していこうとすることでございます。
 農業者の人口減少、高齢化が進む中で、これから農業を担っていく方が存分に農業経営を行う環境をつくっていくことは喫緊の課題でもございます。法律と予算措置とが相まって、担い手へのさらなる農地の集積、集約化に向け、関係者が一体となって取り組んでまいりたいと存じます。
 今後とも、加藤先生の御支援、御指導も心からお願いを申し上げる次第であります。
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加藤寛治#14
○加藤(寛)委員 ありがとうございました。
 以上で質問を終わります。
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武藤容治#15
○武藤委員長 次に、稲津久君。
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稲津久#16
○稲津委員 おはようございます。公明党の稲津久でございます。
 きょうは、まず、農地中間管理事業改正法に関しての質問の前に、大変恐縮ですけれども、大臣に、大変重要なことでございますので、お伺いをさせていただきたいと思います。
 まず一点目ですけれども、韓国における水産物輸入禁止措置の、いわゆるWTO上級委員会の一審の判断を破棄されたという、この問題について大臣の所見をお伺いしておきたいと思うんですけれども、これは、もう御存じのとおり、先般、WTOの紛争処理の、二審に当たるというんですか、上級委員会におきまして、韓国による福島など日本の八県の水産物の輸入禁止措置、これを不当とした一審の紛争処理小委員会、これはパネルと言っていますが、この判断を破棄したということでございます。
 言うなれば、日本がここで一審とは違う判断をされて敗訴をしたということになると思うんですが、大臣は、十二日の記者会見で、食品の安全性は否定されていない、こういう御見解をされました。私も全く同感でございます。このパネルの判断は、WTOの検疫関連の協定の解釈に誤りがあるんだ、こういう指摘でありまして、韓国の措置が協定に整合的であると認められたわけではないというふうに思っております。
 そこで、改めて大臣にお伺いしたいと思いますけれども、見解と、それから今後の対応について。既に、もちろん記者会見で発表されていますけれども、私が特に関心があるのは、やはり一番不安に思っている福島などの八県の関係者の方々にもしっかり安心していただける、あるいは、大臣として、今後も引き続き、韓国との関係について、この輸入規制の態度をしっかり改めていただくということを強く申し上げていただければ、こう思っていますので、大臣の見解をお伺いします。
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吉川貴盛#17
○吉川国務大臣 四月十二日に公表されましたWTO上級委員会報告書でありますけれども、韓国の輸入規制措置が、日本産水産物等を恣意的又は不当に差別していること、必要以上に貿易制限的なものであることを認定したパネル報告書の判断を取り消したところと承知をいたしております。韓国の措置が協定整合的であると認められたわけではございませんけれども、我が国の主張が認められなかったことは、復興に向けて努力されてきた被災者の皆様のことを思いますと、まことに遺憾であると考えております。
 一方、日本産食品は科学的に安全でありまして、韓国が定める安全性の数値基準を十分クリアできるものであるとの第一審の事実認定は維持されているところでもございます。このため、輸入規制を継続している国・地域に対しまして、我が国では、出荷規制により基準値を超過する食品は流通させない体制を構築しまして、徹底したモニタリングも行っていることを改めて伝えつつ、引き続き輸入規制の撤廃、緩和を求めてまいりたいと存じております。
 さらに、今回の決定を受けまして、韓国を始め、他の国・地域の輸入規制の撤廃にどのように取り組むのかということを若干お話をさせていただきたいと思いますけれども、政府といたしましては、日本産の農林水産物、食品に対する輸入規制措置全体の撤廃を目指すという立場のもと、規制撤廃に向けた粘り強い交渉を行ってまいりました。
 その結果、事故後、五十四の国・地域において規制がかけられておりましたけれども、これまで三十一カ国・地域で規制が撤廃をされました。規制の残る二十三の国・地域のうち、二十一の国・地域で規制が緩和されたところでございますが、第一審による食品安全にかかわる事実認定は上級委員会において取り消されていないため、輸入規制を継続している他の国・地域に対しましても、我が国が行っている安全管理に関する措置によりまして基準値を超える食品が流通することはないことを改めて伝えつつ、引き続き輸入規制の撤廃、緩和にしっかりと取り組んでまいりたいと存じます。
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稲津久#18
○稲津委員 ありがとうございました。
 我が国はしっかり、完全にモニタリングをして、当然、基準値を超えたものについては一切流通させていないんだという、正しい、もう本当に真っ当なことをしているわけで、このことを引き続き粘り強く韓国政府、また関係者に伝えていくしかないんですけれども、ぜひ、大変御苦労かと思いますが、その姿勢をしっかり堅持していただいて、また粘り強く対応していただきたい、このことを申し上げておきたいと思います。
 もう一点、これも大変重要なことでございますのでお伺いをさせていただきたいと思うんですが、先般の十四日に北京で開かれた日中閣僚級のハイレベル経済対話、このことに関してお伺いしておきたいと思います。
 大臣も御同席ということを伺っておりますので、このことについて触れさせていただきますが、この日中閣僚級のハイレベル経済対話の中で何が確認されたか。これは報道等でもありますけれども、動物衛生及び検疫協定、その締結に向けて、中国政府と実質合意がされたということでございまして、これは大変大きなことだと思っております。
 そうすると、今後、日本産の牛肉、豚肉の輸入は今中国は禁止していますけれども、その解禁に向けて大きな道筋が開ける、そういうことに直結していくということで、関係者の方々の関心も非常に高いと思っております。
 これはもう御存じのとおり、いわゆる二〇〇一年に発生した我が国でのBSE、これが発端となって、以来、日本産の牛肉は中国においては輸入禁止になっているということ、豚肉も同じような状況で輸入できないことになっておりますが、私は、今回、このことについてどのような協議が行われたかということをまずお伺い、確認しておきたいことと、先ほど申しましたように、検疫協定の締結を実質合意をしたということになりますと、やはり一日も早く、特に、まずは牛肉になると思いますけれども、この輸出を実現したい、こう思うところでございまして、ぜひ大臣の御決意というか、この協議に臨まれたときのことを含めて所見を伺いたいと思います。
 できれば、なかなかここで明言するのは難しいことは承知をしておりますが、今後のスケジュールの基本的な考え方について、できればここのことについても触れていただければなと思いますので、御答弁のほどよろしくお願い申し上げます。
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吉川貴盛#19
○吉川国務大臣 日中ハイレベル経済対話におきましては、日本産牛肉等の中国への輸出解禁に向けた重要なステップとなると承知をいたしております。
 動物衛生検疫協定の実質合意を歓迎をし、同協定の早期締結に向けて連携していくことも確認をさせていただきました。
 このほか、私から、日本産牛肉の輸出が早期に実現するように、口蹄疫やBSEに関する輸入解禁令の公告を始め、各種の手続を円滑に進めていただくことを要請もさせていただきました。これに加えまして、日本産食品に対する輸入規制の撤廃、緩和を強く要請したところでもございます。
 さらに、中国向けの牛肉及び豚肉の輸出についてでありまするけれども、日本産牛肉や豚肉の輸出再開に向けまして、その重要なステップであります日・中動物衛生及び検疫協定について、今般、日中双方で実質合意に至ったことを確認をまずさせていただきました。今後は、外務省とともに、この早期の署名、締結に向けた作業を進めていくということになります。
 日本産牛肉の輸出の解禁に当たりましては、まず、中国側による口蹄疫、BSEに関する解禁令の公告が必要になってまいります。このことも強く求めさせていただきました。
 厚生労働省が担当となります食品安全システムの評価も必要になります。輸出のための家畜衛生条件の設定、そして輸出施設の認定及び登録が必要となるところでもございます。
 引き続き、関係省庁で、今申し上げましたけれども、外務省、厚生労働省とも連携をとりながら、早期の輸出再開に努めてまいりたいと存じます。
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稲津久#20
○稲津委員 ありがとうございました。
 今回の実質合意というのは、これはもう我が国だけではなくて、中国側にとっても大変実質的な利益があると思っております。そういう意味でも、ぜひこれをしっかり進めていただいて、今後、日中の輸出入についての流れをぜひ大臣のもとでつくっていただきたい、このように思っていますので、よろしくお願いいたします。
 それでは次に、農地中間管理事業法の改正について順次お伺いしてまいりますが、まず一点目は、農地利用集積円滑化団体の実績についてということでお伺いをさせていただきたいというふうに思います。
 先ほどの御質問にもありましたけれども、先日、これは報道の中でございますけれども、野党の皆さんから、農地中間管理機構の見直し法案に対しての修正案の検討がなされているということを承知をいたしました。
 この野党の皆さんの修正案の報道を見ておりますと、現在農地バンクが借り受けて転貸している農地をどのようにしていくのか、こういうことが、どう検討されていたのかは承知はしておりませんが、そこのところが少し見えてこないわけでございます。
 これは、実は先日、私、この席に立って質問させてもらいました。それは、この円滑化団体と農地バンクの統合の意義についてお伺いしたところでございまして、そのテーマと大変リンクしますので、私も非常に関心のあるところなのでお伺いしておきたいと思います。
 現在農地バンクが担っている農地の中間管理の業務を、例えばJAなどの円滑化団体の皆さんに担っていただくことが実際可能なのかどうかということなんです。もちろん、可能なところとそうでないところがあるとは思いますけれども、そのことを踏まえた上で農水省にお伺いしますけれども、現在の円滑化団体のうち、農地の貸し借りに関する直近の実績がないところ、あるいはその実績がほとんど見受けられないところ、これがどの程度あるのか、この点について確認をさせていただきたいと思います。
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大澤誠#21
○大澤政府参考人 お答えいたします。
 全国で、現在、農地利用集積円滑化団体は千百七十四団体ございます。これは平成二十九年度末の数字でございます。
 そのうち、平成二十九年度中に利用権設定の実績が全くない団体が八百四十八団体、これは千百七十四団体中の七二・二%でございます。
 それから、再設定を除く利用権設定が十ヘクタール未満、新規の設定が十ヘクタール未満というもので、こういうので見ますと、百八十五団体、全体の一五・八%に上っております。
 この八百四十八団体と百八十五団体を足しますと、円滑化団体のうち、実績がない又は実績が乏しいと考えられる団体は、全体の約九割を占めているところでございます。
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稲津久#22
○稲津委員 今局長から御答弁いただきましたが、私、今しっかり書きました。平成二十九年度の段階で、千百七十四団体中、実績がないところが八百四十八団体、七二・二%。そして、新規のところ、いわゆる十ヘクタール未満、これは百八十五団体ということで一五・八%。全体として、なし、あるいはほとんどないというところが九割だということです。したがって、なかなか、農地バンクのかわりの受皿になるのが本当に現実的なのかどうかということだと思います。
 もちろん、私もこれは承知していますけれども、これまでも実績があって、体制が整っている一部の円滑化団体、ここではもちろん可能であると思います。しかし、こうした体制を新たに構築をして、そして進めていくとなると、これは現実の問題として、JAなどに大変大きな負担がかかってくるだろうということなんです。したがって、果たして、現場のさまざまな声をしっかり聞いた上でこうした議論がなされるかどうか、ここが大事なポイントだと私は思っています。
 したがって、こういうことが前提であれば、なかなかこの修正案というのは難しいことになってくるのかなと思いますが、そういうことを言わざるを得ないということをあえて申し上げておきたいというふうに思います。
 次に移ります。次は、担い手による農地の利用の広域化ということでございます。
 私の住んでいる地域等におきましても、市町村を超えて農地を借りる、そういう農家の方々もふえてまいりました。
 今回のこの改正法の中にも、二以上の市町村の区域内において農業経営を営む農業者の農業経営改善計画について、農林水産大臣又は都道府県知事が認定事務の処理を行うこととすること、こうなっておりまして、要するに、今、担い手による農地利用の広域化が進んでいるという状況の中で、複数の市町村にまたがって農業経営を行う農家の方々、こうしたいわゆる農地利用の広域化がどう進んでいるのかということ。
 それから、こうした担い手の方々を、今後どういう位置づけで農水省として考えていくのか。当然、そこがふえてくるとなると、そういう広域化する中での担い手の方々に対しても、しっかりとした応援をしていかなければならないというふうに思います。
 そうしたことを踏まえた上での所見を伺いたいと思います。
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大澤誠#23
○大澤政府参考人 お答えいたします。
 御指摘のとおり、今回の改正案に、広域で活動する担い手の活動範囲に即して、国、県の新しい認定制度ということを考えているところでございますけれども、これは、全国農業法人協会を中心とした担い手の方々の長年にわたる切なる要望を具体化したものでございます。
 そういう方々の、なぜそういう要望をしているかといいますと、複数の市町村で農業経営を営んでいきますと、認定自体は今現在のところ市町村ごとの認定ということになりますので、いずれにしろ、地続きであってもそれぞれの市町村に認定申請を別々に行わなきゃいけないということで、申請が複数あって煩わしいということに加えまして、やはり、自分の生まれたところ以外の市町村では、どんなに隣町で大きな農業をやっていても、新しいところの市町村では全くの新規参入者というようなふうに扱われてしまうというような問題点が、非常に、そういう担い手の方々から指摘されていたわけでございます。
 市町村にとっても、やはり、今回のテーマの一つとして、市町村の農林関係職員の削減が非常に大きく行われているということが背景としてございますが、市町村にとっても、認定の可否を判断するために、認定農業者という人を判断するときには、所得がどのくらいあるかというのを見なきゃいけないんですけれども、その所得のよりどころとなると、隣町の農地から出てくるとなると、隣町まで行って本当に調査をするのかというようなことで、そういう情報を求めるというところで事務が煩雑になってきているというような問題点もございましたので、こういう複数の市町村では認定は一カ所という考え方のもとで、県内で複数市町村の場合は都道府県、それから、県をまたがって複数市町村の場合は国がある意味で市町村の認定事務をかわって取り扱うというふうにしたわけでございます。
 こういう新しい認定の仕方を受けた認定者の位置づけでございますけれども、私どもとしては、やはり、地域で頑張っておられる認定農業者、これはこれで大事なことだと思っておりまして、引き続き必要な支援は行ってまいりたいと思いますけれども、広域で認定される方々、これも、今回の認定で手続を少し緩和したり、あるいは人・農地プランの中ででも、適切に、農地バンク等が、新しい出し手がいるというときに、そこに担い手がいない場合にはあっせんをするとか、地域の活動範囲に即したサポートの仕方というのを今後考えてまいりたいと思いますが、基本は担い手は担い手ということで、どちらも重要ですけれども、その活動範囲に応じて支援の仕方を考えたいということでございます。
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稲津久#24
○稲津委員 私、先ほどの質問の中でも申し上げましたけれども、実際のニーズとしてこういうことがあって、そういう状況がふえてきているということ。そこで、今回の改正に沿って、そうした手続が簡素化される、あるいは、一つの自治体や農業委員会で把握できないことも統合してやっていけるということになりますので、ぜひこの改正を実効あるものにしていただきたいというふうに思います。
 次に、荒廃農地における担い手対策についてということでお伺いしたいと思います。
 現在、相続未登記農地及びそのおそれのある農地は全農地の約二割、九十三万ヘクタール余りとされておりますが、そのうち、いわゆる遊休農地は五・四万ヘクタールで、共有者が判明していないものの中で、知事裁定により農地中間管理機構を通じて貸し出す仕組み、これが、昨年の法改正、十一月の十六日に施行されましたが、このことによって、現在のところは十六市町村で実施されているということです。
 この数字が多いか少ないかというのは、十六だけ見ると少ないんですけれども、ただ、昨年の十一月十六日施行ですから、そう見ると、これからこれは少しふえてくるのは間違いないと思っているんですが、今後の推進に期待がされるところでもございます。
 そこで、以下伺いますけれども、まず、再生可能な荒廃農地を担い手に結びつけていくことが私は重要であると思っておりますが、このうち、権利設定することが難しい所有者不明農地についての対策についてはどうなっているのか、お伺いしたいと思います。
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大澤誠#25
○大澤政府参考人 再生可能な荒廃農地につきましては、やはり所有者不明農地であっても、農地バンクが間に入って、周辺農地とあわせて基盤整備などの条件整備を行う中で、円滑に担い手に結びつけていくことが必要だというふうに考えてございます。
 現在、先生御指摘のとおり、農地法上の知事裁定の仕組みがございますけれども、先生御指摘の実績は改正前の実績でございまして、改正内容によりまして、昨年十一月に施行しました農地法等の改正によりましては、手続を簡素化するとともに、設定できる利用権の範囲を五年から二十年に延長したところでございます。探索の範囲の限定は、登記名義人の配偶者と子までという形で明確化しておりますので、それまではいろいろなところに追求をしていかなきゃいけなかったことをもう少し簡素化したということでございますので、もう少し利用範囲は広がってくるのではないかなというふうに思っております。
 なお、この所有者不明の中には、遊休農地もそうなんですけれども、所有者が一人でもわかっていれば、新しく制度を別に設けて、探索、公示手続を経た上で、知事裁定によらずに農地バンクに貸し付ける制度というのも創設されましたので、こちらの制度もあわせて使っていきながら、こういう所有者不明農地について対策を講じていきたいというふうに考えてございます。
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稲津久#26
○稲津委員 ありがとうございました。
 そこで、今度は逆のことを聞きますけれども、再生可能な荒廃農地のうち、所有者がわかっている農地について、どのように担い手に結びつけていくのかということについて、今、一人でもいればということでお話ありましたけれども、もう少しここを掘り下げて、その対策等について触れていただきたいと思います。
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濱村進#27
○濱村大臣政務官 再生可能な荒廃農地の所有者は、自分では積極的に耕作する意思はありませんけれども、かわって耕作してくれる人も見つからず、困っておられる方が大変多いと思われます。
 このため、今後は、人・農地プランの実質化に向けて、地域の話合いの中で、このような荒廃農地の所有者の悩みを地域全体で課題としてしっかりと位置づけた上で、その解決方向を探っていくということとしたいと考えております。
 その際、地域の合意形成を実現する観点から、中山間地域における機構集積協力金の要件緩和や、農地バンクと組み合わせて農地耕作条件改善事業に取り組む場合の農業者負担の軽減等を今回措置しておりまして、これらの活用も促してまいりたいと考えております。
 農地バンクにおきましても、これらの取組を農地所有者等に積極的に働きかけていくことによって、荒廃農地も含めた地域の農地が担い手に結びついていくように取組を進めてまいりたいと考えております。
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稲津久#28
○稲津委員 今、局長と政務官の答弁で、大体、荒廃農地の中で、何とかこれからも、再生可能なものについて、所有者が不明だとかあるいはわかっているとか、いずれにしても、その取組がこれからある意味しっかりやっていけるという可能性については、今しっかり把握できたと思います。
 そして、その上でもう一つ聞いておきたいんですけれども、再生利用が困難な荒廃農地、このことについてお伺いしたいと思います。
 農地の再生といっても、実際には、例えば、雑木が生い茂っていたりとか、それから、条件が非常に厳しくて田畑に復元すること自体がもはや難しい、物理的に難しい、こうした荒廃農地については、やはりしっかり切り分けて位置づけすべきだろう、こう思っています。再生利用が困難な荒廃農地については、私も、これは、ここは農地ということであえてそう設定するんじゃなくて、むしろ林地として再生、利活用を図っていくべきじゃないか。
 実際に、いろいろな広葉樹等々、国産材については十分供給されていない、こういう御意見も関係者から多数寄せられていることから、林地としての再生利用のことを考えていく、その意味で、実例と対策の方向性についてお伺いしておきたいと思います。
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牧元幸司#29
○牧元政府参考人 お答え申し上げます。
 農業上の利用が見込みがたい荒廃農地でございましても、林地としては利用が見込まれるというものは、これはたくさんあるのではないかというふうに思っているところでございます。
 このため、農林水産省といたしましては、森林として管理、活用を図ることが適当な荒廃農地につきまして、森林としての利用に向けた調査でございますとか、あるいは早生樹種等の実証的な植栽等に取り組むこととしているところでございます。
 荒廃農地を実際に林地として活用する事例というものも出てきておりまして、例えば、熊本県におきましては、かつて水田でございましたところを林地に転用いたしまして、成長が早く家具等の材料として期待されるセンダン、これは早生樹として期待されております広葉樹でございますけれども、こういうものを植栽した事例があるということも承知をしているところでございます。
 こうした取組に対しまして、森林整備事業において造林、間伐等に対する支援を実施しておりますほか、三十一年度からは、成長が早く造林、保育の省力化につながる早生樹種を荒廃農地等にモデル的に植栽する取組への支援というものも新たに開始をしたところでございます。
 これらの取組によりまして、荒廃農地の状況を踏まえつつ、林地としての再生利用というものについても図ってまいりたいと考えております。
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