経済産業委員会
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会
会議録情報#0
令和二年四月十四日(火曜日)
午前九時三十分開議
出席委員
委員長 富田 茂之君
理事 大岡 敏孝君 理事 神山 佐市君
理事 小林 鷹之君 理事 鈴木 淳司君
理事 武藤 容治君 理事 田嶋 要君
理事 山岡 達丸君 理事 鰐淵 洋子君
畦元 将吾君 穴見 陽一君
安藤 高夫君 石川 昭政君
石崎 徹君 岡下 昌平君
神田 裕君 高村 正大君
國場幸之助君 杉田 水脈君
武部 新君 辻 清人君
冨樫 博之君 野中 厚君
福田 達夫君 穂坂 泰君
星野 剛士君 細田 健一君
三原 朝彦君 山際大志郎君
吉川 赳君 和田 義明君
浅野 哲君 落合 貴之君
柿沢 未途君 斉木 武志君
宮川 伸君 山崎 誠君
中野 洋昌君 笠井 亮君
足立 康史君 串田 誠一君
…………………………………
経済産業大臣政務官 中野 洋昌君
参考人
(東京大学公共政策大学院院長) 大橋 弘君
参考人
(一般社団法人モバイル・コンテンツ・フォーラム専務理事) 岸原 孝昌君
参考人
(東洋大学経済学部総合政策学科准教授) 生貝 直人君
参考人
(早稲田リーガルコモンズ法律事務所弁護士) 川上 資人君
参考人
(東京大学大学院工学系研究科教授) 森川 博之君
参考人
(ファイア・アイ株式会社最高技術責任者) 伊東 寛君
参考人
(一般社団法人電子情報技術産業協会会長) 遠藤 信博君
参考人
(株式会社自律制御システム研究所代表取締役社長) 太田 裕朗君
経済産業委員会専門員 佐野圭以子君
―――――――――――――
委員の異動
四月十四日
辞任 補欠選任
國場幸之助君 杉田 水脈君
足立 康史君 串田 誠一君
同日
辞任 補欠選任
杉田 水脈君 國場幸之助君
串田 誠一君 足立 康史君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律案(内閣提出第二三号)
特定高度情報通信技術活用システムの開発供給及び導入の促進に関する法律案(内閣提出第二二号)
――――◇―――――
この発言だけを見る →午前九時三十分開議
出席委員
委員長 富田 茂之君
理事 大岡 敏孝君 理事 神山 佐市君
理事 小林 鷹之君 理事 鈴木 淳司君
理事 武藤 容治君 理事 田嶋 要君
理事 山岡 達丸君 理事 鰐淵 洋子君
畦元 将吾君 穴見 陽一君
安藤 高夫君 石川 昭政君
石崎 徹君 岡下 昌平君
神田 裕君 高村 正大君
國場幸之助君 杉田 水脈君
武部 新君 辻 清人君
冨樫 博之君 野中 厚君
福田 達夫君 穂坂 泰君
星野 剛士君 細田 健一君
三原 朝彦君 山際大志郎君
吉川 赳君 和田 義明君
浅野 哲君 落合 貴之君
柿沢 未途君 斉木 武志君
宮川 伸君 山崎 誠君
中野 洋昌君 笠井 亮君
足立 康史君 串田 誠一君
…………………………………
経済産業大臣政務官 中野 洋昌君
参考人
(東京大学公共政策大学院院長) 大橋 弘君
参考人
(一般社団法人モバイル・コンテンツ・フォーラム専務理事) 岸原 孝昌君
参考人
(東洋大学経済学部総合政策学科准教授) 生貝 直人君
参考人
(早稲田リーガルコモンズ法律事務所弁護士) 川上 資人君
参考人
(東京大学大学院工学系研究科教授) 森川 博之君
参考人
(ファイア・アイ株式会社最高技術責任者) 伊東 寛君
参考人
(一般社団法人電子情報技術産業協会会長) 遠藤 信博君
参考人
(株式会社自律制御システム研究所代表取締役社長) 太田 裕朗君
経済産業委員会専門員 佐野圭以子君
―――――――――――――
委員の異動
四月十四日
辞任 補欠選任
國場幸之助君 杉田 水脈君
足立 康史君 串田 誠一君
同日
辞任 補欠選任
杉田 水脈君 國場幸之助君
串田 誠一君 足立 康史君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律案(内閣提出第二三号)
特定高度情報通信技術活用システムの開発供給及び導入の促進に関する法律案(内閣提出第二二号)
――――◇―――――
富
富田茂之#1
○富田委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律案を議題といたします。
本日は、本案審査のため、参考人として、東京大学公共政策大学院院長大橋弘君、一般社団法人モバイル・コンテンツ・フォーラム専務理事岸原孝昌君、東洋大学経済学部総合政策学科准教授生貝直人君、早稲田リーガルコモンズ法律事務所弁護士川上資人君、以上四名の方々に御出席をいただいております。
この際、参考人各位に一言御挨拶申し上げます。
本日は、御多用のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。
次に、議事の順序について申し上げます。
まず、参考人各位からお一人十五分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。
なお、念のため申し上げますが、御発言の際にはその都度委員長の許可を得て御発言くださいますようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、御了承願います。
それでは、まず大橋参考人にお願いいたします。
この発言だけを見る →内閣提出、特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律案を議題といたします。
本日は、本案審査のため、参考人として、東京大学公共政策大学院院長大橋弘君、一般社団法人モバイル・コンテンツ・フォーラム専務理事岸原孝昌君、東洋大学経済学部総合政策学科准教授生貝直人君、早稲田リーガルコモンズ法律事務所弁護士川上資人君、以上四名の方々に御出席をいただいております。
この際、参考人各位に一言御挨拶申し上げます。
本日は、御多用のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。
次に、議事の順序について申し上げます。
まず、参考人各位からお一人十五分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。
なお、念のため申し上げますが、御発言の際にはその都度委員長の許可を得て御発言くださいますようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、御了承願います。
それでは、まず大橋参考人にお願いいたします。
大
大橋弘#2
○大橋参考人 おはようございます。東京大学公共政策大学院で院長をしております大橋弘と申します。
経済学を専門としておりまして、本法律案とのかかわりですが、二〇一八年から、経済産業省、公正取引委員会、総務省の三府省において、デジタル・プラットフォーマーを巡る取引環境整備に関する検討会という会議がございまして、そこで座長を務めさせていただいた御縁がございます。
本日は、このような貴重な場をいただきましたので、デジタルプラットフォームをめぐるルール整備の必要性やそのあり方について意見を申し述べたいと思います。
まず、国際的な動向について若干御説明をさせていただきます。
デジタルプラットフォームに対する規制の是非については、競争政策の観点から、国際的に現在大きな話題になっております。私が知る限り、最初のレポート、調査レポートが出たのは二〇一八年三月にフランスの競争当局のもので、その翌月にイスラエル、ドイツというぐあいに、次々とデジタルプラットフォームに関する調査報告書が公にされました。
我が国では、二〇一八年十二月に、プラットフォーマー型ビジネスの台頭に対応したルール整備の基本原則と、それが基づく中間報告が出されました。我が国の報告は、EUやイギリスの報告書よりも早い段階での調査報告であり、その点でも我が国の検討は、欧米諸国から見て、タイミング的にも、またこれから述べますように検討内容においても、決して引けをとるものではないと思います。こうした点は国際的にも、例えば昨年七月に出たシカゴ大学で作成された委員会報告を見ても認知されていることがわかります。
さて、各国で公にされている報告書は、どれも内容はかなりの程度共通をしています。まず、出発点として、デジタルプラットフォームは規模が大きいほど効率性が高く、社会的にメリットが大きいという点であります。例えば、オンラインモールを例にとれば、モールの規模が大きければ、いろいろな店舗がプラットフォーム上に展開され、そうしたさまざまな商品を楽しみたい消費者が大勢やってきます。こうした現象をネットワーク効果といいますけれども、デジタルプラットフォームはまさにネットワーク効果のよい面を最大限に生かす存在だと思われます。
特にデジタルプラットフォームは、地域の中小規模の事業者にとってなくてはならない存在です。資本力が乏しく、宣伝広告を行う資金的余力がない地域の企業でも、プラットフォームを通じて、ほかの地域の消費者や、さらには世界の市場へもリーチをすることができます。中小企業にとって、プラットフォームはまさにイノベーションを起こす原動力になっていると言えます。
他方で、かなり以前より、中小事業者を中心に、デジタルプラットフォームの取引における不当性を訴える声がささやかれていました。ささやくと申し上げたのは、正式に表明されたり相談されたりすることはなく、あくまで内々の話として語られていたということです。
その内容は、例えば、何の通告や相談もなく契約内容が変更される、アプリの審査基準が不透明、検索アルゴリズムが急に変更になって売上げが大きく落ち込んだなどといったものであります。こうした苦情をプラットフォーム側に届けようと思っても、届ける方法がない、あるいは届けられても返答がないというのがほとんどのケースで見られていたようです。こうした声が多く重なった業種が、アプリストアやオンラインモールに提供する事業者でした。
不思議なのは、困っているこれらの事業者は、なぜ大きく声を上げて問題を訴えないのかという点です。二つの理由が少なくともありました。
一つの理由は守秘義務契約の問題です。多くの私契約は守秘義務が課せられていると思いますが、特に海外のデジタルプラットフォームに関しては、違反に対して重たいペナルティーが科せられたり、裁判の管轄場所を海外に制限されたりといった問題があったようです。
二つ目の理由は、仮にみずから声を上げたことがプラットフォーム側にわかると今後のビジネスに差し支えることを強く懸念したという点もあります。特に、多くの中小企業者のビジネスがデジタルプラットフォームなしには成り立たない場合には、なおさらのことになります。
こうした経緯を踏まえると、以下の二つの点が指摘できると思います。
一つは、我が国の事業者は、プラットフォームに依存してビジネスを行っている者ほど、ビジネスの継続性を優先して、プラットフォーム事業者に対して契約上あるいは取引上の問題点を指摘しにくい状況にある。
二つ目は、海外を含むデジタルプラットフォーム事業者は、みずからのビジネスを国際標準にすることに熱心であるがゆえに、我が国の事業者の置かれた独自の状況について理解していないことが多いのではないかという点であります。
この点を解決するためには、デジタルプラットフォームと取引事業者との間を誰かが取り持ってやる必要があります。取引事業者には、彼らが問題を指摘しても仕返しを受けることがないように、守ってあげる必要がある。また、プラットフォーム事業者にも、我が国の事業者が挙げる問題点のうち合理的なものについては、問題を解消してもらうことで、更に魅力的なプラットフォームになってもらう必要がある。互いにコミュニケーションが成り立って、好循環が生まれるまでは、中立的な主体である行政が間を取り持ってやる必要がある。今回の法律案は、そうした意図が背景にあるものと思っています。
現在の問題は、契約条件等で開示されていない情報が多いことから、個々の事業者がみずからの直面する問題をほかの事業者と共有することができず、守秘義務を前にして、みずから途方に暮れているという状況と描写できると思います。契約等の情報が開示されるようになれば、事業者みずからが直面している問題が、自分だけでなく、ほかの人も直面していることなのだということがわかって、そうした事業者との横の連携が生まれてくるようになると思います。事業者が個々で対応するときには届かなかった声が、集団で声を出せば、デジタルプラットフォーム事業者に届く場合もふえてくると思います。それでも声が届かない場合、あるいは届いていないふりをしている場合には、間に入っている行政が、運営状況のレポートとモニタリングレビューをすることで、間を取り持つことが可能になります。
こうした行政の仲立ちを通じて、デジタルプラットフォーム事業者と取引事業者との間によい意味でのコミュニケーションが生まれれば、行政が運営状況のレポートやモニタリングに多くのリソースを割かなくても、ADRのような仕組みと独禁法の運用を組み合わせることで、十分にデジタルプラットフォームの透明性と公正性が確保される世界が訪れると思います。
いずれにしても、現在のように、デジタルプラットフォーム事業者が情報と交渉力を持つがゆえに、取引事業者が劣位に置かれるような状況を脱して、正常で対等な取引慣行に落ちつくまでの間は、しっかり行政がかかわる形を維持されることが望まれると思います。
過去、政府においては、二〇一六年から少なくとも四回はデジタルプラットフォームにかかわる取引事業者のヒアリングを行っていると思います。声を上げた取引事業者の多くは、アプリやオンラインモールの事業者でした。しかし、デジタルプラットフォームは、今や、副業におけるマッチングや教育アプリ、結婚サイトなど、世の中に多種多様なサービスとして幅広く普及しています。将来的には、アプリやオンラインモールでの本法案での成功経験をもとに、ほかの事業分野にも本法案の網を広げていくことが重要だろうと思います。
最後に、デジタルプラットフォームに関連して考えることを二点申し上げて、終わりとさせていただきたいと思います。
第一に、独禁法との関係であります。
そもそも本法案の内容は独禁法で実現できないのかという点は、検討の当初からありました。問題は、デジタルプラットフォームに対して独禁法を適用するには、外部からとれる情報が乏し過ぎて、ハードルが高いという点がネックになっていました。鉄鋼や化学産業といった素材産業と比較して、デジタル分野はデータや情報がどのように使われているのかを外部から知ることが難しく、情報のとり方も、例えば談合のように、密室で被疑者を泣き落として自白させることで情報をとるといった手法では全く太刀打ちができないわけであります。
しかし、これは我が国だけの問題ではありません。米国においても現在、シカゴ学派を中心にしてきた独禁法の運用に対する見直し、厳格化が学者の中で提起されているさなかであります。
我が国においても、公正取引委員会が、デジタル分野において、また海外事業者に対して、どのように正式な形での法執行を行っていくのか、経験値を積んでいく必要があります。排除措置命令や課徴金納付命令をしっかり発動して初めて抑止力のある法執行と言えるからであります。こうした正式な法執行を行うための審査、調査を進めていく中で、禁止すべき取引行為類型なども明確になってくるでしょうし、また独禁法を執行するための競争環境整備としての本法案の意義も高まってくるというふうに思います。
二つ目は、競争の重要性です。
いわゆるGAFAと呼ばれるデジタルプラットフォームも、もとをたどれば小さいベンチャーから始まっています。ベンチャー企業が、既にいる大きな企業よりもよりよいサービスを生み出そうとして今のGAFAがあるわけであります。こうしたGAFAにかわろうとするスピリッツを持つベンチャー企業が我が国にももっと出てこなければいけません。GAFAに身売りをして、それでよしとするベンチャー企業ばかりでは競争は起きないわけであります。他方で、GAFAにかわろうとするベンチャーに対しては、GAFAはその資金力で強引にでも買収を仕掛けてくると思います。将来の敵は早目に芽を摘んで競争を殺した方がよいからであります。
今回の法律案は、単にプラットフォームとそれに取引する主に中小企業との間の関係を適正化するものであるわけですが、我が国の経済成長を見据えれば、デジタルプラットフォームと取引する中小企業者の中から将来のデジタルプラットフォーマーが誕生するような好循環を生み出す努力も求められると思います。
以上でございます。
御清聴いただきまして、ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →経済学を専門としておりまして、本法律案とのかかわりですが、二〇一八年から、経済産業省、公正取引委員会、総務省の三府省において、デジタル・プラットフォーマーを巡る取引環境整備に関する検討会という会議がございまして、そこで座長を務めさせていただいた御縁がございます。
本日は、このような貴重な場をいただきましたので、デジタルプラットフォームをめぐるルール整備の必要性やそのあり方について意見を申し述べたいと思います。
まず、国際的な動向について若干御説明をさせていただきます。
デジタルプラットフォームに対する規制の是非については、競争政策の観点から、国際的に現在大きな話題になっております。私が知る限り、最初のレポート、調査レポートが出たのは二〇一八年三月にフランスの競争当局のもので、その翌月にイスラエル、ドイツというぐあいに、次々とデジタルプラットフォームに関する調査報告書が公にされました。
我が国では、二〇一八年十二月に、プラットフォーマー型ビジネスの台頭に対応したルール整備の基本原則と、それが基づく中間報告が出されました。我が国の報告は、EUやイギリスの報告書よりも早い段階での調査報告であり、その点でも我が国の検討は、欧米諸国から見て、タイミング的にも、またこれから述べますように検討内容においても、決して引けをとるものではないと思います。こうした点は国際的にも、例えば昨年七月に出たシカゴ大学で作成された委員会報告を見ても認知されていることがわかります。
さて、各国で公にされている報告書は、どれも内容はかなりの程度共通をしています。まず、出発点として、デジタルプラットフォームは規模が大きいほど効率性が高く、社会的にメリットが大きいという点であります。例えば、オンラインモールを例にとれば、モールの規模が大きければ、いろいろな店舗がプラットフォーム上に展開され、そうしたさまざまな商品を楽しみたい消費者が大勢やってきます。こうした現象をネットワーク効果といいますけれども、デジタルプラットフォームはまさにネットワーク効果のよい面を最大限に生かす存在だと思われます。
特にデジタルプラットフォームは、地域の中小規模の事業者にとってなくてはならない存在です。資本力が乏しく、宣伝広告を行う資金的余力がない地域の企業でも、プラットフォームを通じて、ほかの地域の消費者や、さらには世界の市場へもリーチをすることができます。中小企業にとって、プラットフォームはまさにイノベーションを起こす原動力になっていると言えます。
他方で、かなり以前より、中小事業者を中心に、デジタルプラットフォームの取引における不当性を訴える声がささやかれていました。ささやくと申し上げたのは、正式に表明されたり相談されたりすることはなく、あくまで内々の話として語られていたということです。
その内容は、例えば、何の通告や相談もなく契約内容が変更される、アプリの審査基準が不透明、検索アルゴリズムが急に変更になって売上げが大きく落ち込んだなどといったものであります。こうした苦情をプラットフォーム側に届けようと思っても、届ける方法がない、あるいは届けられても返答がないというのがほとんどのケースで見られていたようです。こうした声が多く重なった業種が、アプリストアやオンラインモールに提供する事業者でした。
不思議なのは、困っているこれらの事業者は、なぜ大きく声を上げて問題を訴えないのかという点です。二つの理由が少なくともありました。
一つの理由は守秘義務契約の問題です。多くの私契約は守秘義務が課せられていると思いますが、特に海外のデジタルプラットフォームに関しては、違反に対して重たいペナルティーが科せられたり、裁判の管轄場所を海外に制限されたりといった問題があったようです。
二つ目の理由は、仮にみずから声を上げたことがプラットフォーム側にわかると今後のビジネスに差し支えることを強く懸念したという点もあります。特に、多くの中小企業者のビジネスがデジタルプラットフォームなしには成り立たない場合には、なおさらのことになります。
こうした経緯を踏まえると、以下の二つの点が指摘できると思います。
一つは、我が国の事業者は、プラットフォームに依存してビジネスを行っている者ほど、ビジネスの継続性を優先して、プラットフォーム事業者に対して契約上あるいは取引上の問題点を指摘しにくい状況にある。
二つ目は、海外を含むデジタルプラットフォーム事業者は、みずからのビジネスを国際標準にすることに熱心であるがゆえに、我が国の事業者の置かれた独自の状況について理解していないことが多いのではないかという点であります。
この点を解決するためには、デジタルプラットフォームと取引事業者との間を誰かが取り持ってやる必要があります。取引事業者には、彼らが問題を指摘しても仕返しを受けることがないように、守ってあげる必要がある。また、プラットフォーム事業者にも、我が国の事業者が挙げる問題点のうち合理的なものについては、問題を解消してもらうことで、更に魅力的なプラットフォームになってもらう必要がある。互いにコミュニケーションが成り立って、好循環が生まれるまでは、中立的な主体である行政が間を取り持ってやる必要がある。今回の法律案は、そうした意図が背景にあるものと思っています。
現在の問題は、契約条件等で開示されていない情報が多いことから、個々の事業者がみずからの直面する問題をほかの事業者と共有することができず、守秘義務を前にして、みずから途方に暮れているという状況と描写できると思います。契約等の情報が開示されるようになれば、事業者みずからが直面している問題が、自分だけでなく、ほかの人も直面していることなのだということがわかって、そうした事業者との横の連携が生まれてくるようになると思います。事業者が個々で対応するときには届かなかった声が、集団で声を出せば、デジタルプラットフォーム事業者に届く場合もふえてくると思います。それでも声が届かない場合、あるいは届いていないふりをしている場合には、間に入っている行政が、運営状況のレポートとモニタリングレビューをすることで、間を取り持つことが可能になります。
こうした行政の仲立ちを通じて、デジタルプラットフォーム事業者と取引事業者との間によい意味でのコミュニケーションが生まれれば、行政が運営状況のレポートやモニタリングに多くのリソースを割かなくても、ADRのような仕組みと独禁法の運用を組み合わせることで、十分にデジタルプラットフォームの透明性と公正性が確保される世界が訪れると思います。
いずれにしても、現在のように、デジタルプラットフォーム事業者が情報と交渉力を持つがゆえに、取引事業者が劣位に置かれるような状況を脱して、正常で対等な取引慣行に落ちつくまでの間は、しっかり行政がかかわる形を維持されることが望まれると思います。
過去、政府においては、二〇一六年から少なくとも四回はデジタルプラットフォームにかかわる取引事業者のヒアリングを行っていると思います。声を上げた取引事業者の多くは、アプリやオンラインモールの事業者でした。しかし、デジタルプラットフォームは、今や、副業におけるマッチングや教育アプリ、結婚サイトなど、世の中に多種多様なサービスとして幅広く普及しています。将来的には、アプリやオンラインモールでの本法案での成功経験をもとに、ほかの事業分野にも本法案の網を広げていくことが重要だろうと思います。
最後に、デジタルプラットフォームに関連して考えることを二点申し上げて、終わりとさせていただきたいと思います。
第一に、独禁法との関係であります。
そもそも本法案の内容は独禁法で実現できないのかという点は、検討の当初からありました。問題は、デジタルプラットフォームに対して独禁法を適用するには、外部からとれる情報が乏し過ぎて、ハードルが高いという点がネックになっていました。鉄鋼や化学産業といった素材産業と比較して、デジタル分野はデータや情報がどのように使われているのかを外部から知ることが難しく、情報のとり方も、例えば談合のように、密室で被疑者を泣き落として自白させることで情報をとるといった手法では全く太刀打ちができないわけであります。
しかし、これは我が国だけの問題ではありません。米国においても現在、シカゴ学派を中心にしてきた独禁法の運用に対する見直し、厳格化が学者の中で提起されているさなかであります。
我が国においても、公正取引委員会が、デジタル分野において、また海外事業者に対して、どのように正式な形での法執行を行っていくのか、経験値を積んでいく必要があります。排除措置命令や課徴金納付命令をしっかり発動して初めて抑止力のある法執行と言えるからであります。こうした正式な法執行を行うための審査、調査を進めていく中で、禁止すべき取引行為類型なども明確になってくるでしょうし、また独禁法を執行するための競争環境整備としての本法案の意義も高まってくるというふうに思います。
二つ目は、競争の重要性です。
いわゆるGAFAと呼ばれるデジタルプラットフォームも、もとをたどれば小さいベンチャーから始まっています。ベンチャー企業が、既にいる大きな企業よりもよりよいサービスを生み出そうとして今のGAFAがあるわけであります。こうしたGAFAにかわろうとするスピリッツを持つベンチャー企業が我が国にももっと出てこなければいけません。GAFAに身売りをして、それでよしとするベンチャー企業ばかりでは競争は起きないわけであります。他方で、GAFAにかわろうとするベンチャーに対しては、GAFAはその資金力で強引にでも買収を仕掛けてくると思います。将来の敵は早目に芽を摘んで競争を殺した方がよいからであります。
今回の法律案は、単にプラットフォームとそれに取引する主に中小企業との間の関係を適正化するものであるわけですが、我が国の経済成長を見据えれば、デジタルプラットフォームと取引する中小企業者の中から将来のデジタルプラットフォーマーが誕生するような好循環を生み出す努力も求められると思います。
以上でございます。
御清聴いただきまして、ありがとうございました。拍手
富
岸
岸原孝昌#4
○岸原参考人 本日は、意見陳述の機会をいただきまして、まことにありがとうございます。一般社団法人モバイル・コンテンツ・フォーラム、MCFの岸原でございます。
まずは、簡単にMCFの御紹介をさせていただきたいと思います。
設立は一九九九年、日本でモバイルコンテンツサービスのiモードが始まった年に設立されております。現在、スマートフォン等におけるアプリ配信事業者を中心に約百社の会員で構成されております。会員としては、中小のベンチャー企業から上場企業まで幅広く含まれております。
当団体が活動領域としておりますモバイルコンテンツビジネスにおいては、プラットフォーマーとの関係性は必須であります。そのため、さまざまなプラットフォーマーとこれまで交渉を行ってまいりました。
古くは、ガラケー時代のiモードやEZウエブ等のモバイルコンテンツプラットフォームにおいて、通信事業者、キャリアと呼ばれておりますが、と交渉を行い、ビジネスを拡大するために公式サイトのオープン化等を進めてまいりました。また、インターネット上の音楽配信に関して、音楽著作権に関する、いわゆるプラットフォーマーであるJASRAC等の著作権団体と料率等の交渉を行って使用料規程を策定してまいりました。
本日は、このような過去の経験も踏まえて意見陳述させていただきたいと思います。
今回対象として想定されておりますアプリストアが介在するアプリビジネスについて、簡単に御説明をさせていただきたいと思います。
技術面ではさまざまな違いがありますが、アプリビジネスの仕組みは、日本が先導したiモード等のビジネスモデルと基本的に大きくは変わっておりません。当時、iモードで公式サイトと呼ばれた機能が、スマートフォンではアプリストアとして提供されておりますが、スマートフォンにおいてはアプリストア事業者による垂直統合がより進んでおる状況でございます。
若干、ちょっと古い端末を持ってきました。これがiモード端末、皆さん懐かしいかと思いますが、これがスマートフォンにどう進化してきたかということを簡単に御説明したいと思います。
これ、多分今お持ちの方は誰もいないと思うんですが、iPod、実はこれはPCから大量のデータを複製するという機能があります。ほぼPCと同じ、ストレージという形で、当時、数千曲の曲をこちらの方に移動して、モバイルができる。これを、ペンパイナッポーアッポーペンじゃないですが、がっちゃんこしたのがスマートフォンという形になります。
現在、これは、今このストレージがクラウド上にありまして、こことの連携をすることによって、スマートフォンのユーザー履歴あるいはデータを分析して、さまざまなサービスを提供するというのが基本的な構造です。
ちょっと脱線しますが、せっかくですので、このiPod、実は、この中身はほとんど日本の部品でした。東芝製の一・八インチのハードディスク、ソニー製の小型バッテリーがなければ、これ自体実現できなかったと言われております。しかも、スティーブ・ジョブズの美意識かどうかわからないんですが、それを実現するための鏡面仕上げ、これがまさしくその美意識になりますが、これをつくっていたのは、新潟県の燕三条のたくみのわざが実現した。イノベーションは結合から生まれると言われておりますが、日本ではスマートフォンが生まれなかったのが不思議なくらいです。
それでは、ちょっと本題に戻りたいと思いますが、多くのプレーヤーとサービスが融合するこれからの社会において、我が国の産業をスケールさせていくためには、効率性と高度化を実現するプラットフォーマーとの共存共栄スキームが重要です。しかしながら、現状は、構造的な問題が存在しており、さまざまな弊害が起きております。
その根本的な原因として、アプリストアに関しては二社の寡占状況で、構造上、アプリストア事業者が優越的地位にあるため、対等な交渉が難しかったということが挙げられると思います。これは、今、大橋先生の方から御紹介があったとおりかと思います。また、グローバル化による文化、コミュニケーション面のギャップも大きくなっております。
このような構造問題を共存共栄の方向に改善するために、今回の法案には非常に期待しております。まさに透明性が確保され、公正性について広く議論できるようになることは大変望ましいと考えております。レポートによる透明性確保から、アカウンタビリティーの履行、それに対するモニタリングレビューとしての評価という改善を促進するプロセスが回っていくことに期待しております。
法案への期待とともに、法運用に関して二点要望させていただきたいと思います。
一つは、共同規制スキームの実効性の確保、もう一つは、プリンシプルベースでの法運用です。
共同規制スキームについては、この後、生貝先生から説明があるかと思いますが、不確実性の高い現代社会においては、民間による柔軟性と法による安定性が両立した共同規制が有効だと思います。
MCFとしても、民間業界団体の柔軟性を生かして苦情対応等に当たっていきたいと考えておりますが、レポートやモニタリングレビューの法運用においては、業界団体との連携を十分に確保していただきたい。
また、民間の自主的な活動の実効性を担保するには、十分な体制整備が必要であり、政府からの支援も必要です。ぜひとも御検討いただきたいと思っております。
また、動きが速いIT業界において法制度を機能させるには、プリンシプルベースでの法運用が重要であると考えております。現状に最適化された仕様規定は重要ですが、不確実な将来にも対応するために原則の明確化が必要だと思います。透明性、公正性の向上を目指す基本理念に関する十分な議論をお願いいたします。
最後に、今回の法案とは直接関係しませんが、現在、新型コロナウイルスによって日本社会は大きな影響を受けております。このような状況に対応するためには、社会のデジタル化、インターネット化が必要であり、ITの積極的な活用による、リアル社会の代替としてのバーチャル社会の構築を促進していくようなビジョンも有効だと思います。
歴史を振り返ってみると、このような危機的な状況においてはメガベンチャーとなる企業が生まれる可能性があります。今回の危機を奇貨として、我が国のオルタナティブなプラットフォーマーの育成を積極的に進めて、規制とのバランスをとるというビジョンも検討していただければ幸いでございます。
以上、私の方からの陳述とさせていただきます。
どうもありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →まずは、簡単にMCFの御紹介をさせていただきたいと思います。
設立は一九九九年、日本でモバイルコンテンツサービスのiモードが始まった年に設立されております。現在、スマートフォン等におけるアプリ配信事業者を中心に約百社の会員で構成されております。会員としては、中小のベンチャー企業から上場企業まで幅広く含まれております。
当団体が活動領域としておりますモバイルコンテンツビジネスにおいては、プラットフォーマーとの関係性は必須であります。そのため、さまざまなプラットフォーマーとこれまで交渉を行ってまいりました。
古くは、ガラケー時代のiモードやEZウエブ等のモバイルコンテンツプラットフォームにおいて、通信事業者、キャリアと呼ばれておりますが、と交渉を行い、ビジネスを拡大するために公式サイトのオープン化等を進めてまいりました。また、インターネット上の音楽配信に関して、音楽著作権に関する、いわゆるプラットフォーマーであるJASRAC等の著作権団体と料率等の交渉を行って使用料規程を策定してまいりました。
本日は、このような過去の経験も踏まえて意見陳述させていただきたいと思います。
今回対象として想定されておりますアプリストアが介在するアプリビジネスについて、簡単に御説明をさせていただきたいと思います。
技術面ではさまざまな違いがありますが、アプリビジネスの仕組みは、日本が先導したiモード等のビジネスモデルと基本的に大きくは変わっておりません。当時、iモードで公式サイトと呼ばれた機能が、スマートフォンではアプリストアとして提供されておりますが、スマートフォンにおいてはアプリストア事業者による垂直統合がより進んでおる状況でございます。
若干、ちょっと古い端末を持ってきました。これがiモード端末、皆さん懐かしいかと思いますが、これがスマートフォンにどう進化してきたかということを簡単に御説明したいと思います。
これ、多分今お持ちの方は誰もいないと思うんですが、iPod、実はこれはPCから大量のデータを複製するという機能があります。ほぼPCと同じ、ストレージという形で、当時、数千曲の曲をこちらの方に移動して、モバイルができる。これを、ペンパイナッポーアッポーペンじゃないですが、がっちゃんこしたのがスマートフォンという形になります。
現在、これは、今このストレージがクラウド上にありまして、こことの連携をすることによって、スマートフォンのユーザー履歴あるいはデータを分析して、さまざまなサービスを提供するというのが基本的な構造です。
ちょっと脱線しますが、せっかくですので、このiPod、実は、この中身はほとんど日本の部品でした。東芝製の一・八インチのハードディスク、ソニー製の小型バッテリーがなければ、これ自体実現できなかったと言われております。しかも、スティーブ・ジョブズの美意識かどうかわからないんですが、それを実現するための鏡面仕上げ、これがまさしくその美意識になりますが、これをつくっていたのは、新潟県の燕三条のたくみのわざが実現した。イノベーションは結合から生まれると言われておりますが、日本ではスマートフォンが生まれなかったのが不思議なくらいです。
それでは、ちょっと本題に戻りたいと思いますが、多くのプレーヤーとサービスが融合するこれからの社会において、我が国の産業をスケールさせていくためには、効率性と高度化を実現するプラットフォーマーとの共存共栄スキームが重要です。しかしながら、現状は、構造的な問題が存在しており、さまざまな弊害が起きております。
その根本的な原因として、アプリストアに関しては二社の寡占状況で、構造上、アプリストア事業者が優越的地位にあるため、対等な交渉が難しかったということが挙げられると思います。これは、今、大橋先生の方から御紹介があったとおりかと思います。また、グローバル化による文化、コミュニケーション面のギャップも大きくなっております。
このような構造問題を共存共栄の方向に改善するために、今回の法案には非常に期待しております。まさに透明性が確保され、公正性について広く議論できるようになることは大変望ましいと考えております。レポートによる透明性確保から、アカウンタビリティーの履行、それに対するモニタリングレビューとしての評価という改善を促進するプロセスが回っていくことに期待しております。
法案への期待とともに、法運用に関して二点要望させていただきたいと思います。
一つは、共同規制スキームの実効性の確保、もう一つは、プリンシプルベースでの法運用です。
共同規制スキームについては、この後、生貝先生から説明があるかと思いますが、不確実性の高い現代社会においては、民間による柔軟性と法による安定性が両立した共同規制が有効だと思います。
MCFとしても、民間業界団体の柔軟性を生かして苦情対応等に当たっていきたいと考えておりますが、レポートやモニタリングレビューの法運用においては、業界団体との連携を十分に確保していただきたい。
また、民間の自主的な活動の実効性を担保するには、十分な体制整備が必要であり、政府からの支援も必要です。ぜひとも御検討いただきたいと思っております。
また、動きが速いIT業界において法制度を機能させるには、プリンシプルベースでの法運用が重要であると考えております。現状に最適化された仕様規定は重要ですが、不確実な将来にも対応するために原則の明確化が必要だと思います。透明性、公正性の向上を目指す基本理念に関する十分な議論をお願いいたします。
最後に、今回の法案とは直接関係しませんが、現在、新型コロナウイルスによって日本社会は大きな影響を受けております。このような状況に対応するためには、社会のデジタル化、インターネット化が必要であり、ITの積極的な活用による、リアル社会の代替としてのバーチャル社会の構築を促進していくようなビジョンも有効だと思います。
歴史を振り返ってみると、このような危機的な状況においてはメガベンチャーとなる企業が生まれる可能性があります。今回の危機を奇貨として、我が国のオルタナティブなプラットフォーマーの育成を積極的に進めて、規制とのバランスをとるというビジョンも検討していただければ幸いでございます。
以上、私の方からの陳述とさせていただきます。
どうもありがとうございました。拍手
富
生
生貝直人#6
○生貝参考人 おはようございます。東洋大学の生貝直人と申します。
本日は、このような貴重な機会をいただきまして、ありがとうございます。
お手元に配付いただいております一枚紙に基づいて御説明をさせていただきたいというふうに思います。
まず、私自身、主に欧州等のこういったデジタル分野にかかわる制度、政策というものを研究対象にするとともに、ただいま既に岸原様からも御言及のございました共同規制という方法論に関する研究を行ってきている者でございます。
そのような観点から、お手元の紙の方をごらんいただきまして、まず、全体的に、今回の法案に関する総論としての考えを申し述べさせていただきますと、デジタルプラットフォーム、以下DPと記載しておりますが、まさに現代の情報社会の管理者と言っても過言ではない。それが特に、今後、ソサエティー五・〇が進展していく中で、MaaSでございますとかスマートシティーでございますとか、現実空間全体がこのDPの管理下に置かれるということにもなるわけでございます。
そのような中で、利用者が国内外のDPを高い予見性のもとで安心して最大限に活用し、社会全体でイノベーションを生み出し続けるために、本法案は非常に重要な役割を果たすものというふうに考えております。
特に、御承知のとおり、影響力の強いDPには海外事業者が非常に多いところで、これまで、日本政府あるいは国内利用者と海外DPの継続的な対話の経路というものが十分に存在しておりませんでした。それが、本法案の情報開示、体制整備、モニタリングレビューに基づく共同規制的手法により、関係者の相互理解の醸成というもの、それから問題が深刻化する前の自主的な適正化というものを促し、公正かつ競争的な市場環境を実現することを期待しているところでございます。
二番目に、共同規制という概念について簡潔に御紹介をしたいと思います。
共同規制、英語ではコレギュレーションというふうに表現いたしますが、これは既に岸原様からも若干御説明がございましたとおり、端的に申し上げますと、規制の大枠を法律で定めつつ、詳細を事業者の自主的取組に委ねることで、政府規制の安定性そして自主規制の柔軟性という利点を組み合わせ、イノベーション親和的なルール枠組みをつくり出す規制手法と表現してよろしいかというふうに思います。
下の表のところに、こちらは英国の情報通信省、OFCOMが二〇〇八年に出した文書から大まかな要約を引いてきているところでございますけれども、できるだけ規制なしで問題が解決されていれば一番望ましい。しかし、それだけで難しいときには、業界に努力をしていただいて、あるいはそこに政府が緩やかな働きかけをして、法律には基づかないのだけれども自主的な規制をしっかりやっていただく。
ともすれば、それでうまくいかなければ、一気に政府規制という形で細かいところまで決めてしまうという向きが、もしかするとインターネット以前の時代には多かったのかもしれません。なのでございますけれども、市場が万能ではないのと同じくらいに政府は万能ではない。やはり答えは、市場か国家、どちらかの極端ということではなくて、必ずその間にあるはずだ。それが、この間にございます共同規制、自主規制と政府規制の混合措置により問題が解決されている状態を指す共同規制という方法論でございます。
少し上に戻りますと、特に、やはりデジタル環境というのは、政府で細かく決めてしまうことはできず、他方で市場に完全に任せることもできない、そういった問題が非常に広範に生じるところでございますので、これまで約二十年ほどのデジタル政策、そして、特にここ数年急速に大きなテーマとなってきたデジタルプラットフォーム規制という文脈におきましても、例えば青少年保護でありますとかあるいは知的財産権保護、それからフェイクニュースの対策、そしてこの後後述するEU規則等のDP規制において、広く共同規制手法が適用されているところでございます。
そのときに、共同規制というものはさまざまな特徴がございますが、最も重要なのは、それが複層的かつ動的、ダイナミックな枠組みであるということでございます。
本法案は、比較的、恐らくライトタッチな、軽度な、イノベーションに配慮した規制だということが言えるというふうに思います。それは、私自身、現時点の対応として非常に望ましいものと考えているところでございますが、本法案により目的が達成されているのか、まさに法により定められた目的が達成されているのか、そのことを継続的にモニタリングする、そして必要があれば追加的な介入というものを行う可能性、これは、私のような研究者は規制の影というふうに表現することが多いのでございますけれども、それを常に検討しておくことが重要でございます。まさにそれが法の目的を達成することであり、また、そうした前提があることでもって、規制対象の事業者の側としても、法を遵守しようとするインセンティブが生まれるというものでもあろうというふうに思います。
後で少し、下で触れますEU規則でも、その趣旨を前文の中で明示しておりますほか、EUという国は、二十八カ国から成ります、今英国が離れまして少し数が減っておりますが、加盟国ごとにも法律を制定することができます。そういったようなことも含めて、機敏な対応というものもEUの枠組みでも進めているということであります。
そのためには、モニタリングレビューの効果的な運用ということはもちろん、経済産業省、公正取引委員会、総務省、そして新設された内閣官房デジタル市場競争本部等、関係省庁のモニタリング体制というものを、専門的知識も含めて強固なものとしていく必要がございます。
最後に、EU規則でございます。
御承知のとおり、既に言及もございましたとおり、本法案は、EUの、二〇一九年の六月に採択されましたオンライン媒介サービスの公正性・透明性促進規則というものをかなりの程度モデルにしているものというふうに理解しております。それと本法案を比較してみますと、幾つかの側面がございますが、少なくとも、その中核である情報開示にかかわる規制内容はおおむね同等であると言えるというふうに思います。
そのようなことにより、特に、上で申し上げました本法案の共同規制手法により、大枠としての法的枠組みを、まさにグローバルな情報空間にふさわしい形で国際的に共通化した上で、そしてまさに、その具体的な対応のあり方といったようなことは我が国の実情を反映する形で調整する、そしてDP事業者にも対応していただくという形での運用が大きく期待されるところかというふうに思います。
主な相違点と本法案との比較は、以下に簡略にまとめております。規制対象でございますとか体制整備、そして救済・モニタリングというところで若干の相違は存在いたしますが、おおむね、総じて申し上げれば、本法案の方が、若干事業者の自主性に重きを置くとともに、市場状況に応じた柔軟な対応を、特に政令による規律の調整といったようなところを中心として重視されているというところかというふうに思います。
このことというのは、やはり欧州と日本のデジタルプラットフォームにかかわる市場に対する捉え方、あるいは現実の市場状況といったようなところもあるものかというふうに思いますが、EUの規則というのも、これからまさに施行され、運用が行われていく中、現段階でとるべき対応としては、まさにこのような柔軟かつ機敏な対応を行うことができる枠組みというものを、私としては非常に望ましいものとして理解するものでございます。
以上です。御清聴ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →本日は、このような貴重な機会をいただきまして、ありがとうございます。
お手元に配付いただいております一枚紙に基づいて御説明をさせていただきたいというふうに思います。
まず、私自身、主に欧州等のこういったデジタル分野にかかわる制度、政策というものを研究対象にするとともに、ただいま既に岸原様からも御言及のございました共同規制という方法論に関する研究を行ってきている者でございます。
そのような観点から、お手元の紙の方をごらんいただきまして、まず、全体的に、今回の法案に関する総論としての考えを申し述べさせていただきますと、デジタルプラットフォーム、以下DPと記載しておりますが、まさに現代の情報社会の管理者と言っても過言ではない。それが特に、今後、ソサエティー五・〇が進展していく中で、MaaSでございますとかスマートシティーでございますとか、現実空間全体がこのDPの管理下に置かれるということにもなるわけでございます。
そのような中で、利用者が国内外のDPを高い予見性のもとで安心して最大限に活用し、社会全体でイノベーションを生み出し続けるために、本法案は非常に重要な役割を果たすものというふうに考えております。
特に、御承知のとおり、影響力の強いDPには海外事業者が非常に多いところで、これまで、日本政府あるいは国内利用者と海外DPの継続的な対話の経路というものが十分に存在しておりませんでした。それが、本法案の情報開示、体制整備、モニタリングレビューに基づく共同規制的手法により、関係者の相互理解の醸成というもの、それから問題が深刻化する前の自主的な適正化というものを促し、公正かつ競争的な市場環境を実現することを期待しているところでございます。
二番目に、共同規制という概念について簡潔に御紹介をしたいと思います。
共同規制、英語ではコレギュレーションというふうに表現いたしますが、これは既に岸原様からも若干御説明がございましたとおり、端的に申し上げますと、規制の大枠を法律で定めつつ、詳細を事業者の自主的取組に委ねることで、政府規制の安定性そして自主規制の柔軟性という利点を組み合わせ、イノベーション親和的なルール枠組みをつくり出す規制手法と表現してよろしいかというふうに思います。
下の表のところに、こちらは英国の情報通信省、OFCOMが二〇〇八年に出した文書から大まかな要約を引いてきているところでございますけれども、できるだけ規制なしで問題が解決されていれば一番望ましい。しかし、それだけで難しいときには、業界に努力をしていただいて、あるいはそこに政府が緩やかな働きかけをして、法律には基づかないのだけれども自主的な規制をしっかりやっていただく。
ともすれば、それでうまくいかなければ、一気に政府規制という形で細かいところまで決めてしまうという向きが、もしかするとインターネット以前の時代には多かったのかもしれません。なのでございますけれども、市場が万能ではないのと同じくらいに政府は万能ではない。やはり答えは、市場か国家、どちらかの極端ということではなくて、必ずその間にあるはずだ。それが、この間にございます共同規制、自主規制と政府規制の混合措置により問題が解決されている状態を指す共同規制という方法論でございます。
少し上に戻りますと、特に、やはりデジタル環境というのは、政府で細かく決めてしまうことはできず、他方で市場に完全に任せることもできない、そういった問題が非常に広範に生じるところでございますので、これまで約二十年ほどのデジタル政策、そして、特にここ数年急速に大きなテーマとなってきたデジタルプラットフォーム規制という文脈におきましても、例えば青少年保護でありますとかあるいは知的財産権保護、それからフェイクニュースの対策、そしてこの後後述するEU規則等のDP規制において、広く共同規制手法が適用されているところでございます。
そのときに、共同規制というものはさまざまな特徴がございますが、最も重要なのは、それが複層的かつ動的、ダイナミックな枠組みであるということでございます。
本法案は、比較的、恐らくライトタッチな、軽度な、イノベーションに配慮した規制だということが言えるというふうに思います。それは、私自身、現時点の対応として非常に望ましいものと考えているところでございますが、本法案により目的が達成されているのか、まさに法により定められた目的が達成されているのか、そのことを継続的にモニタリングする、そして必要があれば追加的な介入というものを行う可能性、これは、私のような研究者は規制の影というふうに表現することが多いのでございますけれども、それを常に検討しておくことが重要でございます。まさにそれが法の目的を達成することであり、また、そうした前提があることでもって、規制対象の事業者の側としても、法を遵守しようとするインセンティブが生まれるというものでもあろうというふうに思います。
後で少し、下で触れますEU規則でも、その趣旨を前文の中で明示しておりますほか、EUという国は、二十八カ国から成ります、今英国が離れまして少し数が減っておりますが、加盟国ごとにも法律を制定することができます。そういったようなことも含めて、機敏な対応というものもEUの枠組みでも進めているということであります。
そのためには、モニタリングレビューの効果的な運用ということはもちろん、経済産業省、公正取引委員会、総務省、そして新設された内閣官房デジタル市場競争本部等、関係省庁のモニタリング体制というものを、専門的知識も含めて強固なものとしていく必要がございます。
最後に、EU規則でございます。
御承知のとおり、既に言及もございましたとおり、本法案は、EUの、二〇一九年の六月に採択されましたオンライン媒介サービスの公正性・透明性促進規則というものをかなりの程度モデルにしているものというふうに理解しております。それと本法案を比較してみますと、幾つかの側面がございますが、少なくとも、その中核である情報開示にかかわる規制内容はおおむね同等であると言えるというふうに思います。
そのようなことにより、特に、上で申し上げました本法案の共同規制手法により、大枠としての法的枠組みを、まさにグローバルな情報空間にふさわしい形で国際的に共通化した上で、そしてまさに、その具体的な対応のあり方といったようなことは我が国の実情を反映する形で調整する、そしてDP事業者にも対応していただくという形での運用が大きく期待されるところかというふうに思います。
主な相違点と本法案との比較は、以下に簡略にまとめております。規制対象でございますとか体制整備、そして救済・モニタリングというところで若干の相違は存在いたしますが、おおむね、総じて申し上げれば、本法案の方が、若干事業者の自主性に重きを置くとともに、市場状況に応じた柔軟な対応を、特に政令による規律の調整といったようなところを中心として重視されているというところかというふうに思います。
このことというのは、やはり欧州と日本のデジタルプラットフォームにかかわる市場に対する捉え方、あるいは現実の市場状況といったようなところもあるものかというふうに思いますが、EUの規則というのも、これからまさに施行され、運用が行われていく中、現段階でとるべき対応としては、まさにこのような柔軟かつ機敏な対応を行うことができる枠組みというものを、私としては非常に望ましいものとして理解するものでございます。
以上です。御清聴ありがとうございました。拍手
富
川
川上資人#8
○川上参考人 弁護士の川上と申します。よろしくお願いします。
きょうは、重要な法案の審議にお招きいただいて、本当にどうもありがとうございます。
私は、弁護士として、主に労働の現場、それから中小企業の方の立場に立って仕事をしております。それから、ベンチャーですね、ベンチャースピリットを持って、人生をかけて会社を立ち上げた若いベンチャーの人たちとも一緒に仕事をしておりまして、きょうはそのような立場から、現場で何が起きているのかという問題について、その人たちの声をお伝えできればと思います。よろしくお願いします。
レジュメに沿ってお話しさせていただければと思うんですけれども、問題の所在。これは、大橋先生のお話等からも、今出ていましたように、例えば一方的な契約の変更であったり、そういった一方的な行為が広く行われているということがあります。それは、ひとえには、やはり交渉力格差が厳然としてある、そこに尽きるということです。
これは、今まで私たちがこの社会を百年、二百年築いてくる中でこの問題が顕著に起きた領域というのは既にあって、それに対してどのような手当てを我々社会は行ってきたのかという、そこから実証的に学ぶことが可能なわけですね。
それは何の領域かというと、もちろん労使関係なわけであります。交渉力格差が顕著な領域は労使関係であった。労働者と企業という、力の厳然とした状態において、ここに労働法が発展してきて、その是正を行ってきて、対等な交渉関係、対等関係を築いて、より健全な社会を築くということが行われてきたわけですね。
労働法の目的というのは、突き詰めれば、公正競争なわけです。一つの企業が、例えば社会保障を払わないとか、コストを削減するために、利益を上乗せするためにそういう違法な行為をしていけば、その会社は短期的には他の会社よりも強くなる、不公正競争によってその会社だけがぬきんでていくということがあり得るわけです。公正競争を確保することで、社会のイノベーションも生まれる、それから労働者の人たちの生活も安定する、そういうことが目的とされているわけです。
このような労働法等の規制のない部分、分野が、今あらわれてきているプラットフォームの問題なわけです。プラットフォーム対個、個人、ここにも圧倒的な交渉力格差が認められる。しかし、労働法とは全く異なって、この分野は、やはり非常に新しい問題ということもあって、法規制が全く存在しません。全く存在しないがゆえに、さまざまな不都合性が発現してきているわけです。
その一つとしては、不公正な競争によってイノベーションが阻害されている。これは、例えば今お話であったアプリストアの問題です。ここはアップルとグーグル、この二社によって完全に支配されていて、どの会社がどんなアプリを社会に提供するかということを彼らが判断しているわけですね。本来は、我々消費者が選び取っていくはずです。それにもかかわらず、彼らが独自の恣意的なルールをしいて、そこで事前に彼らに都合のいいアプリだけを世に出している。仮に、非常にこれは伸びそうだというアプリがあれば、彼らがそこを摘み取って、彼らのアプリとして出すということだってあり得るわけです、十分に。これは既に起こっている可能性だって十分あるわけですよね。
これは何をしているかというと、イノベーションの阻害であって、私たちの国からベンチャースピリットにあふれるベンチャー企業が誕生することを阻害している、こういうことが言えます。
それから、この不都合性のもう一つの問題として、社会的費用の負担者が今偏在してしまっている。この外部不経済によって、例えば労務提供型プラットフォームで事故に遭った労働者、この人の労災は誰が負担するのか。企業は全く負担しません。プラットフォーマーは社会的費用を全く負担しなくていいわけです。結局、国が払うんです。被害者の労働者が払うんです。国と個人に社会的費用のつけかえが起きてしまっている、これが現在のプラットフォームビジネスになります。
次に、具体的問題。
では、これはどんな細かな問題になっているのかというと、例えば契約の問題でいえば、一方的設定、変更、終了、それから取引も拒絶する。さらには、そういったことに声を上げる事業者がいれば、報復を行う、不当な扱いをする。それから、一方的な恣意的制度も可能になっています。
今までのお話から明らかなように、プラットフォームというのは一つの社会というか国のようなものを既に築いているわけですが、その法律を一つの企業がつくれてしまう、そのような一方的な制度が生まれています。例えば、ペナルティー制度を設けてみたり、罰金制度を設けてみたり、それから今申し上げたアプリの審査制度が一方的であったり、このような問題が起きている。それに対して、次ですけれども、事業者それから労働者が団結して組織化をして、少しでも交渉力をかさ上げして団体交渉を求めても、団体交渉は拒否する、そういった問題が生じております。
今回、そういった問題点に着目してこのような法律が議論されていることは非常にすばらしいことで、国民の一人としては感謝を申し上げたいというふうに強く思っております。ただ、批判にはなってしまうかもしれないんですが、この法案をかなりしっかり読ませていただきまして、少し問題点の提起というものをさせていただければと思います。その中で、この問題点、書かせていただいたものは、つまり、それに対して不在なものを設ければ解決策になるということで、問題点の三のところは解決策の記載ということも言えるかもしれません。
一番大きい問題点としては、やはり、契約の一方的な設定、変更、終了についての規律がありません。そうすると、いろいろな条文があって、例えば五条では開示が定められたり、六条では勧告があったり、そういった透明性を高めるデザインは非常に充実しているんですけれども、この法案の目的のもう一つの目的である公正性については担保できないんじゃないかという危惧をしております。
公正性というのは何かというと、契約が真に当事者の合意であることによって担保される。その手段としては二つありまして、契約に合理性を求める手法と、契約当事者の対等性を確保する方法があります。それは、現在では、改正民法五百四十八条の二に入った定型約款の規制、後者については、団体交渉を保障していくという労働組合法のようなものが考えられます。
本法律は両者を欠いていて、公正性についてどのように担保していくのかという問題点が考えられると思います。
しかし、ここで問題なのが、この二つの手法について、一つ目、改正民法五百四十八条の二、ここで定型約款の規制があるんだから、別にこのプラットフォーム法案になくても、民法の方で対処できるようになったんだから大丈夫じゃないかという気もするんですが、やはり現場の声を聞いていると、全くそうではないんですね。
なぜかというと、民法で、定型約款は合理性がないといけない、合理性のない定型約款は無効だというふうに書いてくれた。でも、じゃ、その民法を使って声を上げられるかといったら、そんなことはできない。そんなことをすれば、アプリのそこからはじき出されて、会社は倒産してしまう。だから、合理性のない契約だ、それはだめだと民法に書いてくれても、じゃ、実際にそれを使って何か是正していくことが中小企業にできるかというと、それはできない。なので、やはりこういう法律の中にそこを書き込んで、プラットフォーマーに対しては、そこを遵守しないといけないということを確認させることが重要なんだと思います。
それから、二点目の、じゃ、対等交渉力をつけて、団体交渉によって対等な交渉を実現して公正なものを実現していく手法というのがどうかと考えると、労務提供型のプラットフォームで働いている労働者に対してはこれは有効なんですけれども、例えばオンラインモールで、事業者の人たちがたくさんいます。この中小企業の事業者さんたちが団結して団体交渉できるようにすればいいのかというと、それは私は非現実的だと思います。やはり、全国に散らばる、それから事業者性の強い、独立性の強いそういう人たちが団結して一つのオンラインモールに団体交渉して、それによって公正な競争環境が生まれるかというと、それははっきり言って絵に描いた餅だと思います。
そこは、今現在、中小企業等協同組合法によって、協同組合をつくれば団体交渉ができる、そういうふうになっています。私がアドバイスさせていただいている楽天ユニオンも、その手法をとって今頑張っています。しかし、それで解決するかというと、そういう問題ではないと思っています。なので、やはり重要なのは、契約の合理性というものを追求する中身にしていく必要があるんじゃないかと思います。
二点目としては、不当行為禁止規定がない。声を上げた人に対する報復的行為をどのように抑止するのか。
それから、論点のペーパーに書いてあったのが、適用対象が当面はオンラインモールとアプリストアに限定される、ここは非常に重要な問題、不都合な問題点だと思います。今、労務提供系のプラットフォームがふえてきています。そこを除外するというようなたてつけでは、なかなか大きな不都合が生じてしまうんじゃないかと思います。同じように特定デジタルプラットフォームにすべきだと考えます。
それから、恣意的制度を監視する第三者機関が不在であるということです。ここに対して、ペナルティー制度、罰金制度、例えばオンラインモールが行っています。そこで、一方的な制裁的行為がなされる。そのときに、意見を述べる機会もなかったり、公正な処罰になっているのかという担保がない。その点については第三者機関を設けるべきだと思います。
それから、紛争解決機関の不在。ここについても、やはり行政が中に入って、労働委員会のようなものであったり、何かちゃんとした中立機関が入る必要があると思います。
各論として、条文の問題点として一つ指摘させていただきたいのは、法案の第二条なんです。
第二条に、非常に重要な「商品等」という略語が出てくるんですが、「(以下「商品等」という。)」というのが第二条で入っていて、その商品等の中に役務が含まれているんですね。そうすると、この法律においては、商品、役務又は権利、これを取引することをずっと商品等と呼んでいくことになっているんですが、ILO憲章のフィラデルフィア宣言で一番最初、冒頭で書かれているように、労働は商品ではない。ですから、役務を商品等として商品と同一に扱うことは少し改善していただきたいと思いまして、ここは、商品等ではなく、商品役務等という記述で以下やっていただければと思います。
同様に、第二条の三項には商品等提供利用者という定義がありますが、ここも商品役務等提供利用者とすべきと考えます。
それから、第四条に、売上額の総額によってデジタルプラットフォーム提供者を指定していくということがありますが、例えば、今、ウーバーイーツを提供しているウーバー社でいうと、会社はオランダのアムステルダムにあります。そこに売上げを計上していると思われますので、日本のウーバー・ジャパン等に売上額が計上されていないということになると、売上額の総額によってというところをどのようにして把握していくのかという問題がありますので、そのような租税回避行為を行っているデジタルプラットフォーマーに対する捕捉、ここについても緊急に何か手当てをする必要があるのではないかと思います。
それから、第十条の二項について、不利益な取扱いはしてはならないと書いてはあるのですが、特に、例えば労働組合法で定められている不当労働行為の禁止規定とかそういったことがないので、これをどのように担保するのかというのが問題だと思います。
最後なんですけれども、中小企業等協同組合法と労働組合法というものがあって、これによって団体交渉が保障され、対等な交渉というのを実現しようとはしているんですけれども、問題点がありますので、このデジタルプラットフォームの法案の議論に少し示唆になればと思うんですが、まず、中小企業等協同組合法には、不当労働行為と労働委員会がありません。なので、報復行為の抑止とエンフォースメントに課題があります。
労働組合法の問題点としては、プラットフォーマーが、商品役務等提供利用者が労組法上の労働者に当たらないとして団体交渉を拒否した場合には、労働者の方が出訴して立証して、何年も何年もかけてやらないといけません。つまり、プラットフォーマーの方は、団体交渉を拒否するという違法行為をするだけで、後はずっとあぐらをかいていることができるわけですね。
その点で、例えばフランスでは二〇一六年の八月にエルコムリ法という法律ができて、プラットフォームで役務提供をして働いている労働者に団体交渉権が保障されました。この立法で彼らには団体交渉権があると書かれたことで、プラットフォームが、現在、日本のウーバー・ジャパンがやっているような、彼らは労組法上の労働者じゃないから団体交渉に応じなくていいんだという理屈が通用しないことになります。なので、例えば役務提供型プラットフォーマーには労組法上の団体交渉応諾義務があるんだというような明記、これはフランスのアプローチですが、こういった法律も必要なのではないかと思います。
最後に、この法律とは少し外れるんですけれども、役務提供をしている側からすれば、まず、彼らの、当事者の権利を保障するようなプラットフォームワーカー保護法を国会においては創設していただきたいと思います。それによって、健全な労働環境が確保されて、健全な社会が生まれ、公正な競争、ベンチャー精神にあふれる社会になっていくんじゃないかと思います。
きょうはどうもありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →きょうは、重要な法案の審議にお招きいただいて、本当にどうもありがとうございます。
私は、弁護士として、主に労働の現場、それから中小企業の方の立場に立って仕事をしております。それから、ベンチャーですね、ベンチャースピリットを持って、人生をかけて会社を立ち上げた若いベンチャーの人たちとも一緒に仕事をしておりまして、きょうはそのような立場から、現場で何が起きているのかという問題について、その人たちの声をお伝えできればと思います。よろしくお願いします。
レジュメに沿ってお話しさせていただければと思うんですけれども、問題の所在。これは、大橋先生のお話等からも、今出ていましたように、例えば一方的な契約の変更であったり、そういった一方的な行為が広く行われているということがあります。それは、ひとえには、やはり交渉力格差が厳然としてある、そこに尽きるということです。
これは、今まで私たちがこの社会を百年、二百年築いてくる中でこの問題が顕著に起きた領域というのは既にあって、それに対してどのような手当てを我々社会は行ってきたのかという、そこから実証的に学ぶことが可能なわけですね。
それは何の領域かというと、もちろん労使関係なわけであります。交渉力格差が顕著な領域は労使関係であった。労働者と企業という、力の厳然とした状態において、ここに労働法が発展してきて、その是正を行ってきて、対等な交渉関係、対等関係を築いて、より健全な社会を築くということが行われてきたわけですね。
労働法の目的というのは、突き詰めれば、公正競争なわけです。一つの企業が、例えば社会保障を払わないとか、コストを削減するために、利益を上乗せするためにそういう違法な行為をしていけば、その会社は短期的には他の会社よりも強くなる、不公正競争によってその会社だけがぬきんでていくということがあり得るわけです。公正競争を確保することで、社会のイノベーションも生まれる、それから労働者の人たちの生活も安定する、そういうことが目的とされているわけです。
このような労働法等の規制のない部分、分野が、今あらわれてきているプラットフォームの問題なわけです。プラットフォーム対個、個人、ここにも圧倒的な交渉力格差が認められる。しかし、労働法とは全く異なって、この分野は、やはり非常に新しい問題ということもあって、法規制が全く存在しません。全く存在しないがゆえに、さまざまな不都合性が発現してきているわけです。
その一つとしては、不公正な競争によってイノベーションが阻害されている。これは、例えば今お話であったアプリストアの問題です。ここはアップルとグーグル、この二社によって完全に支配されていて、どの会社がどんなアプリを社会に提供するかということを彼らが判断しているわけですね。本来は、我々消費者が選び取っていくはずです。それにもかかわらず、彼らが独自の恣意的なルールをしいて、そこで事前に彼らに都合のいいアプリだけを世に出している。仮に、非常にこれは伸びそうだというアプリがあれば、彼らがそこを摘み取って、彼らのアプリとして出すということだってあり得るわけです、十分に。これは既に起こっている可能性だって十分あるわけですよね。
これは何をしているかというと、イノベーションの阻害であって、私たちの国からベンチャースピリットにあふれるベンチャー企業が誕生することを阻害している、こういうことが言えます。
それから、この不都合性のもう一つの問題として、社会的費用の負担者が今偏在してしまっている。この外部不経済によって、例えば労務提供型プラットフォームで事故に遭った労働者、この人の労災は誰が負担するのか。企業は全く負担しません。プラットフォーマーは社会的費用を全く負担しなくていいわけです。結局、国が払うんです。被害者の労働者が払うんです。国と個人に社会的費用のつけかえが起きてしまっている、これが現在のプラットフォームビジネスになります。
次に、具体的問題。
では、これはどんな細かな問題になっているのかというと、例えば契約の問題でいえば、一方的設定、変更、終了、それから取引も拒絶する。さらには、そういったことに声を上げる事業者がいれば、報復を行う、不当な扱いをする。それから、一方的な恣意的制度も可能になっています。
今までのお話から明らかなように、プラットフォームというのは一つの社会というか国のようなものを既に築いているわけですが、その法律を一つの企業がつくれてしまう、そのような一方的な制度が生まれています。例えば、ペナルティー制度を設けてみたり、罰金制度を設けてみたり、それから今申し上げたアプリの審査制度が一方的であったり、このような問題が起きている。それに対して、次ですけれども、事業者それから労働者が団結して組織化をして、少しでも交渉力をかさ上げして団体交渉を求めても、団体交渉は拒否する、そういった問題が生じております。
今回、そういった問題点に着目してこのような法律が議論されていることは非常にすばらしいことで、国民の一人としては感謝を申し上げたいというふうに強く思っております。ただ、批判にはなってしまうかもしれないんですが、この法案をかなりしっかり読ませていただきまして、少し問題点の提起というものをさせていただければと思います。その中で、この問題点、書かせていただいたものは、つまり、それに対して不在なものを設ければ解決策になるということで、問題点の三のところは解決策の記載ということも言えるかもしれません。
一番大きい問題点としては、やはり、契約の一方的な設定、変更、終了についての規律がありません。そうすると、いろいろな条文があって、例えば五条では開示が定められたり、六条では勧告があったり、そういった透明性を高めるデザインは非常に充実しているんですけれども、この法案の目的のもう一つの目的である公正性については担保できないんじゃないかという危惧をしております。
公正性というのは何かというと、契約が真に当事者の合意であることによって担保される。その手段としては二つありまして、契約に合理性を求める手法と、契約当事者の対等性を確保する方法があります。それは、現在では、改正民法五百四十八条の二に入った定型約款の規制、後者については、団体交渉を保障していくという労働組合法のようなものが考えられます。
本法律は両者を欠いていて、公正性についてどのように担保していくのかという問題点が考えられると思います。
しかし、ここで問題なのが、この二つの手法について、一つ目、改正民法五百四十八条の二、ここで定型約款の規制があるんだから、別にこのプラットフォーム法案になくても、民法の方で対処できるようになったんだから大丈夫じゃないかという気もするんですが、やはり現場の声を聞いていると、全くそうではないんですね。
なぜかというと、民法で、定型約款は合理性がないといけない、合理性のない定型約款は無効だというふうに書いてくれた。でも、じゃ、その民法を使って声を上げられるかといったら、そんなことはできない。そんなことをすれば、アプリのそこからはじき出されて、会社は倒産してしまう。だから、合理性のない契約だ、それはだめだと民法に書いてくれても、じゃ、実際にそれを使って何か是正していくことが中小企業にできるかというと、それはできない。なので、やはりこういう法律の中にそこを書き込んで、プラットフォーマーに対しては、そこを遵守しないといけないということを確認させることが重要なんだと思います。
それから、二点目の、じゃ、対等交渉力をつけて、団体交渉によって対等な交渉を実現して公正なものを実現していく手法というのがどうかと考えると、労務提供型のプラットフォームで働いている労働者に対してはこれは有効なんですけれども、例えばオンラインモールで、事業者の人たちがたくさんいます。この中小企業の事業者さんたちが団結して団体交渉できるようにすればいいのかというと、それは私は非現実的だと思います。やはり、全国に散らばる、それから事業者性の強い、独立性の強いそういう人たちが団結して一つのオンラインモールに団体交渉して、それによって公正な競争環境が生まれるかというと、それははっきり言って絵に描いた餅だと思います。
そこは、今現在、中小企業等協同組合法によって、協同組合をつくれば団体交渉ができる、そういうふうになっています。私がアドバイスさせていただいている楽天ユニオンも、その手法をとって今頑張っています。しかし、それで解決するかというと、そういう問題ではないと思っています。なので、やはり重要なのは、契約の合理性というものを追求する中身にしていく必要があるんじゃないかと思います。
二点目としては、不当行為禁止規定がない。声を上げた人に対する報復的行為をどのように抑止するのか。
それから、論点のペーパーに書いてあったのが、適用対象が当面はオンラインモールとアプリストアに限定される、ここは非常に重要な問題、不都合な問題点だと思います。今、労務提供系のプラットフォームがふえてきています。そこを除外するというようなたてつけでは、なかなか大きな不都合が生じてしまうんじゃないかと思います。同じように特定デジタルプラットフォームにすべきだと考えます。
それから、恣意的制度を監視する第三者機関が不在であるということです。ここに対して、ペナルティー制度、罰金制度、例えばオンラインモールが行っています。そこで、一方的な制裁的行為がなされる。そのときに、意見を述べる機会もなかったり、公正な処罰になっているのかという担保がない。その点については第三者機関を設けるべきだと思います。
それから、紛争解決機関の不在。ここについても、やはり行政が中に入って、労働委員会のようなものであったり、何かちゃんとした中立機関が入る必要があると思います。
各論として、条文の問題点として一つ指摘させていただきたいのは、法案の第二条なんです。
第二条に、非常に重要な「商品等」という略語が出てくるんですが、「(以下「商品等」という。)」というのが第二条で入っていて、その商品等の中に役務が含まれているんですね。そうすると、この法律においては、商品、役務又は権利、これを取引することをずっと商品等と呼んでいくことになっているんですが、ILO憲章のフィラデルフィア宣言で一番最初、冒頭で書かれているように、労働は商品ではない。ですから、役務を商品等として商品と同一に扱うことは少し改善していただきたいと思いまして、ここは、商品等ではなく、商品役務等という記述で以下やっていただければと思います。
同様に、第二条の三項には商品等提供利用者という定義がありますが、ここも商品役務等提供利用者とすべきと考えます。
それから、第四条に、売上額の総額によってデジタルプラットフォーム提供者を指定していくということがありますが、例えば、今、ウーバーイーツを提供しているウーバー社でいうと、会社はオランダのアムステルダムにあります。そこに売上げを計上していると思われますので、日本のウーバー・ジャパン等に売上額が計上されていないということになると、売上額の総額によってというところをどのようにして把握していくのかという問題がありますので、そのような租税回避行為を行っているデジタルプラットフォーマーに対する捕捉、ここについても緊急に何か手当てをする必要があるのではないかと思います。
それから、第十条の二項について、不利益な取扱いはしてはならないと書いてはあるのですが、特に、例えば労働組合法で定められている不当労働行為の禁止規定とかそういったことがないので、これをどのように担保するのかというのが問題だと思います。
最後なんですけれども、中小企業等協同組合法と労働組合法というものがあって、これによって団体交渉が保障され、対等な交渉というのを実現しようとはしているんですけれども、問題点がありますので、このデジタルプラットフォームの法案の議論に少し示唆になればと思うんですが、まず、中小企業等協同組合法には、不当労働行為と労働委員会がありません。なので、報復行為の抑止とエンフォースメントに課題があります。
労働組合法の問題点としては、プラットフォーマーが、商品役務等提供利用者が労組法上の労働者に当たらないとして団体交渉を拒否した場合には、労働者の方が出訴して立証して、何年も何年もかけてやらないといけません。つまり、プラットフォーマーの方は、団体交渉を拒否するという違法行為をするだけで、後はずっとあぐらをかいていることができるわけですね。
その点で、例えばフランスでは二〇一六年の八月にエルコムリ法という法律ができて、プラットフォームで役務提供をして働いている労働者に団体交渉権が保障されました。この立法で彼らには団体交渉権があると書かれたことで、プラットフォームが、現在、日本のウーバー・ジャパンがやっているような、彼らは労組法上の労働者じゃないから団体交渉に応じなくていいんだという理屈が通用しないことになります。なので、例えば役務提供型プラットフォーマーには労組法上の団体交渉応諾義務があるんだというような明記、これはフランスのアプローチですが、こういった法律も必要なのではないかと思います。
最後に、この法律とは少し外れるんですけれども、役務提供をしている側からすれば、まず、彼らの、当事者の権利を保障するようなプラットフォームワーカー保護法を国会においては創設していただきたいと思います。それによって、健全な労働環境が確保されて、健全な社会が生まれ、公正な競争、ベンチャー精神にあふれる社会になっていくんじゃないかと思います。
きょうはどうもありがとうございました。拍手
富
富
石
石川昭政#11
○石川(昭)委員 自由民主党の石川昭政でございます。
本日は、コロナで大変な中、四人の参考人の皆様には、こうして意見陳述にお越しいただき、まことにありがとうございます。
マスクをしておりますので少し聞きづらいかと思いますけれども、なるべくゆっくり大きく質問したいと思いますので、率直なところを、御意見をお伺いできればと思っております。
今、新型コロナウイルスによって、リアルの店舗が閉鎖をして、より、ますます、デジタルプラットフォーマー、オンラインストア、こういったところに大きくウエートが移ってくる。そういう中で、こういった新しい法案ができるということは非常に重要なタイミングだったと私は思っております。
私は、数年前から、デジタルプラットフォーマーが大きくテレビCMなどで、ポイント十倍還元セールとか、あるいは最近では送料無料とか、そういったことを打ち出すたびに、これは出店者にとって利益があるだろうか、こういう疑問を抱きながら、ずっと検討を続けてまいりました。
そんな中で、まず大橋参考人に、今回、法律の策定に当たって、検討会の座長をお務めいただきましたので、法律の大枠について、まず冒頭お伺いしたいと思います。
今回、競争政策の中で、米国のプラットフォーマー規制と、それからEUのプラットフォーム規制を両方参考にしつつも、EU型PツーB規則を土台にしながら、今回は業法による規制から自主規制のちょうど中間である、先ほど参考人からもございましたけれども、共同規制という形をとった。こういう手法について、本法案のスタンスについて、どのように今率直にお感じになっているか、お伺いします。
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マスクをしておりますので少し聞きづらいかと思いますけれども、なるべくゆっくり大きく質問したいと思いますので、率直なところを、御意見をお伺いできればと思っております。
今、新型コロナウイルスによって、リアルの店舗が閉鎖をして、より、ますます、デジタルプラットフォーマー、オンラインストア、こういったところに大きくウエートが移ってくる。そういう中で、こういった新しい法案ができるということは非常に重要なタイミングだったと私は思っております。
私は、数年前から、デジタルプラットフォーマーが大きくテレビCMなどで、ポイント十倍還元セールとか、あるいは最近では送料無料とか、そういったことを打ち出すたびに、これは出店者にとって利益があるだろうか、こういう疑問を抱きながら、ずっと検討を続けてまいりました。
そんな中で、まず大橋参考人に、今回、法律の策定に当たって、検討会の座長をお務めいただきましたので、法律の大枠について、まず冒頭お伺いしたいと思います。
今回、競争政策の中で、米国のプラットフォーマー規制と、それからEUのプラットフォーム規制を両方参考にしつつも、EU型PツーB規則を土台にしながら、今回は業法による規制から自主規制のちょうど中間である、先ほど参考人からもございましたけれども、共同規制という形をとった。こういう手法について、本法案のスタンスについて、どのように今率直にお感じになっているか、お伺いします。
大
大橋弘#12
○大橋参考人 御質問ありがとうございます。
おっしゃられるとおり、これは民民でやりとりするものでもなく、また政府規制でもない、その中間の形として今回法律案として提出されているということですが、先ほどもちょっと申し上げさせていただいたんですけれども、そもそも、民民の中でやっていくには、やはり交渉の格差があり過ぎて、なかなか民民だけに委ねることはできない。他方で、政府規制という形をとった場合、政府が、では、どの程度情報を持って、あれやれ、これやれと言えるのかというと、なかなかそこも難しい問題がある。そうすると、民と政府がある程度一緒になって規制をつくっていかなきゃいけないところが、やはりこの業界はあるんじゃないかというところで、今回こうした形になったのかな。極めて、通常見ないような、業規制の中で見ないような形だと思いますけれども、そうした形になったのかなというふうに思っております。
そういう意味では、交渉力が非常に強い、なおかつ、デジタルと情報がビジネスの中で埋もれちゃって外から何が起こっているのかわからないというものを、一定程度たがをはめるという仕組みとしては、こうしたものというのは機能することも非常に期待をしているというところがございます。
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そういう意味では、交渉力が非常に強い、なおかつ、デジタルと情報がビジネスの中で埋もれちゃって外から何が起こっているのかわからないというものを、一定程度たがをはめるという仕組みとしては、こうしたものというのは機能することも非常に期待をしているというところがございます。
石
石川昭政#13
○石川(昭)委員 ありがとうございます。
これからデジタルプラットフォームというのは社会インフラになっていくわけですから、やはり、我々、消費者の立場、それから商品等の提供者、中小事業者にとっても使いやすいものであってほしいという思いで、こういう形で共同規制というルールを取り入れたと思っております。
そんな中で、このルール整備の検討の中で見送った点がございます。それは、不当行為禁止規定を導入することを見送られました。具体的には、競合商品の拒絶、それから自社サービスの利用の強制、あるいは自社商品を有利に、検索上上位に表示することなどについて禁止事項を、本来であれば、法律であれば指定をして、これはやっちゃいけませんよということで指定をして、事業者にそういった対応を求めるということは今回とらなかったわけですね。このあたりについて、イノベーションの促進を阻害しないように配慮した結果だと思いますけれども、この点は妥当だとお考えでしょうか。
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そんな中で、このルール整備の検討の中で見送った点がございます。それは、不当行為禁止規定を導入することを見送られました。具体的には、競合商品の拒絶、それから自社サービスの利用の強制、あるいは自社商品を有利に、検索上上位に表示することなどについて禁止事項を、本来であれば、法律であれば指定をして、これはやっちゃいけませんよということで指定をして、事業者にそういった対応を求めるということは今回とらなかったわけですね。このあたりについて、イノベーションの促進を阻害しないように配慮した結果だと思いますけれども、この点は妥当だとお考えでしょうか。
大
大橋弘#14
○大橋参考人 御指摘の点ですけれども、検討会でもそういうふうな議論は実はしていたことがございました。
こうした行為類型をしっかり書くことがイノベーションを殺すことにならないかという懸念も他方であるところ、先ほどおっしゃられたとおりのところもあるんだと思います。
ここは、まずは、プラットフォームの事業者の側から、コード・オブ・コンダクトという形で、ある種、どういうふうな規律が自分は望ましいと考えるかという対話を始める必要があるんじゃないかということが、まずここでの出発点なんだと思います。
そうした中で、我々も、どういうふうなビジネスをされているのか、彼らが何を考えているのかということをちょっと学んでいかないと、類型をこちらからいきなり示したときにどういうふうな副作用があるのかというのはなかなか読めないところがあるんじゃないかなということを、私の個人的な感覚として若干懸念するところではあります。
そうした中で、独禁法の運用もきちっとなされていくようなところも出てくると思いますし、まず対話から始めていくのが出発点としてあって、ある程度時間がたったときにその行為類型というものの議論をする素地というのができてくるんじゃないかなというふうな気がしております。
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ここは、まずは、プラットフォームの事業者の側から、コード・オブ・コンダクトという形で、ある種、どういうふうな規律が自分は望ましいと考えるかという対話を始める必要があるんじゃないかということが、まずここでの出発点なんだと思います。
そうした中で、我々も、どういうふうなビジネスをされているのか、彼らが何を考えているのかということをちょっと学んでいかないと、類型をこちらからいきなり示したときにどういうふうな副作用があるのかというのはなかなか読めないところがあるんじゃないかなということを、私の個人的な感覚として若干懸念するところではあります。
そうした中で、独禁法の運用もきちっとなされていくようなところも出てくると思いますし、まず対話から始めていくのが出発点としてあって、ある程度時間がたったときにその行為類型というものの議論をする素地というのができてくるんじゃないかなというふうな気がしております。
石
石川昭政#15
○石川(昭)委員 あくまでデジタルプラットフォームに自主的な改善を促すような、そういう仕組みを今回取り入れていったというわけでございます。
そんな中で、今回はオンラインモールとアプリストア、この二つが対象になっているわけでございます。デジタルプラットフォームは、ビジネスモデルが違う中で、どんどん買収をしながらいろいろな事業を組み合わせてデータを一つにまとめて、そこで高い付加価値をつけるサービスを提供していく、こういうビジネスモデルで発展してきています。
そうしますと、この二つに限定する合理的な理由というんですか、どんどん業態が変わる中で、あるいは買収をしていって資本が変わっていく、そういった中で、この二つに限定していって、こういった法律を逃れようとするような事業者が中には出てくるんじゃないか。今、これから大きく問題になるかもしれない、広告の問題とか、検索エンジンとか、グルメサイトの問題、それから旅行比較サイト、比較的そこは事業規模は小さいかもしれないんですけれども、適用対象範囲がこれでいいのかどうか、大橋参考人の現時点の御感想をお伺いします。
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そうしますと、この二つに限定する合理的な理由というんですか、どんどん業態が変わる中で、あるいは買収をしていって資本が変わっていく、そういった中で、この二つに限定していって、こういった法律を逃れようとするような事業者が中には出てくるんじゃないか。今、これから大きく問題になるかもしれない、広告の問題とか、検索エンジンとか、グルメサイトの問題、それから旅行比較サイト、比較的そこは事業規模は小さいかもしれないんですけれども、適用対象範囲がこれでいいのかどうか、大橋参考人の現時点の御感想をお伺いします。
大
大橋弘#16
○大橋参考人 ありがとうございます。
これまでヒアリングをさまざま続けてきた中で、一番声の数が大きかったのがアプリでありオンラインモールだったというふうに理解をしています。
そういう意味でいうと、その業界からのお話、あるいは何が起こっているのかという知見がある程度政府にはたまっているところがあるんだと思います。
他方で、おっしゃられるように、この二つに限定する合理性があるのかと言われると、合理性は必ずしもないんだというふうに思います。
そういう意味でいうと、今後も引き続き継続的にヒアリングを広い観点からやっていただいて、たとえ業種として小さくても、そこで苦しんでいる人がいるのであれば、その業種の小ささというのはそれほど重要視すべきなのかというのもありますので、やはりそういう声がある程度聞かれた場合には、業種の範囲というものも柔軟に考えていく必要というのは当然あるんじゃないかというふうに思います。
ただ、今回、法が始まるわけですから、まず適用事例というか経験値を積んでいかなきゃいけないという意味でいうと、比較的声が大きかったアプリなりオンラインモールに対してまず始めてみるという、スタートとしてはそれなりの理屈があるんじゃないかなというふうな感じがしております。
ありがとうございました。
この発言だけを見る →これまでヒアリングをさまざま続けてきた中で、一番声の数が大きかったのがアプリでありオンラインモールだったというふうに理解をしています。
そういう意味でいうと、その業界からのお話、あるいは何が起こっているのかという知見がある程度政府にはたまっているところがあるんだと思います。
他方で、おっしゃられるように、この二つに限定する合理性があるのかと言われると、合理性は必ずしもないんだというふうに思います。
そういう意味でいうと、今後も引き続き継続的にヒアリングを広い観点からやっていただいて、たとえ業種として小さくても、そこで苦しんでいる人がいるのであれば、その業種の小ささというのはそれほど重要視すべきなのかというのもありますので、やはりそういう声がある程度聞かれた場合には、業種の範囲というものも柔軟に考えていく必要というのは当然あるんじゃないかというふうに思います。
ただ、今回、法が始まるわけですから、まず適用事例というか経験値を積んでいかなきゃいけないという意味でいうと、比較的声が大きかったアプリなりオンラインモールに対してまず始めてみるという、スタートとしてはそれなりの理屈があるんじゃないかなというふうな感じがしております。
ありがとうございました。
石
石川昭政#17
○石川(昭)委員 ありがとうございます。
次に、本法律案の立法事実にもかかわる部分で、岸原参考人にお伺いします。
まず、データプラットフォームとの取引実態について、昨年二月、経済産業省がオンラインプラットフォーム事業者向けに実施したアンケートによりますと、やはり取引条件、それから、手数料が一方的に変更になるとか個別交渉ができない、こういうアンケート結果で、非常に多く苦情が寄せられたところです。
どうして民民の解決が事実上困難になってしまっているのか、具体的な事例があればお伺いしたいと思います。
もう一点が、我々消費者の立場でも同じなんですが、事業者が、商品等提供者がオンラインモール等と契約する際に、イエス・オア・ノー、契約条文がだあっと書いてあって、イエスかノーで答えてくださいというふうになっていて、それで、そういう画面が出てきて、承諾しないとサービスを提供させてもらえないというような、そういう同意のあり方というんですか、これについてどうお感じになっているかお伺いします。
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まず、データプラットフォームとの取引実態について、昨年二月、経済産業省がオンラインプラットフォーム事業者向けに実施したアンケートによりますと、やはり取引条件、それから、手数料が一方的に変更になるとか個別交渉ができない、こういうアンケート結果で、非常に多く苦情が寄せられたところです。
どうして民民の解決が事実上困難になってしまっているのか、具体的な事例があればお伺いしたいと思います。
もう一点が、我々消費者の立場でも同じなんですが、事業者が、商品等提供者がオンラインモール等と契約する際に、イエス・オア・ノー、契約条文がだあっと書いてあって、イエスかノーで答えてくださいというふうになっていて、それで、そういう画面が出てきて、承諾しないとサービスを提供させてもらえないというような、そういう同意のあり方というんですか、これについてどうお感じになっているかお伺いします。
岸
岸原孝昌#18
○岸原参考人 MCFとしては、アプリストアに関してちょっとお話をさせていただきたいと思います。
これまで、さまざまな苦情とかが個別事業者から寄せられて、アプリストア事業者に個別に話をしているという事例がありますが、なかなか解決につながらない。というのは、先ほどちょっと御紹介しましたが、非常に二社の寡占状況で、そもそも優越的地位にある。これが、先ほど御紹介があったように、対等な交渉関係にないというのが構造上の大きな問題だというふうに思います。
それと、先ほどちょっと御紹介できなかったですが、やはり実際にアプリストアの審査というのは海外で行われております。言ってしまえばアメリカでございますが。そうなりますと、実は文化とコミュニケーションに対してのギャップが結構大きくて、基本的に英語でやりとりということもあるんですが、そもそも前提となる文化背景というものが大きく違います。
特に日本文化というのは、世界から比べると非常に、言い方があれですが、ちょっと変わったというか特殊なというか、言い方をかえると、クール・ジャパンとして、非常に世界にもないようなさまざまな文化背景というものを持っております。これを実際に海外の方が理解いただくということが実は結構難しい面があって、ここは多分、日本の文化に対するアジャストというものを仕組みとしてつくっていかなきゃいけないというのもあるのではないかなと思います。
それと、先ほどお話があったように、やはり個社での交渉といったものは、問題解決する上では、過去のMCFの体験からしても、なかなか難しい。やはり団体において交渉していくというのが非常に重要だと思います。
これは、個社のさまざまな事例、これは最終的に業界団体としてどういうことができるかということなんですが、苦情の内容に関しても、公益に関するもの、共益に関するもの、あとは私益に関するものと、大きく分けると三つの類型があるかと思います。
公益に関しては、憲法の基本的人権とかさまざまな、表現の自由とか、そういったものになりますが、今回は、非常に重要なところは、共益に関する苦情の対応といったものが非常に重要になってくるかなと思います。これによって、多くの事業者が、大体同じような困り事というか、そういったものを解決できる。
ただ、個社ごとのそれぞれの事情というのが違うので一概に、個社から話を聞くと、全部違う苦情に見えてしまうんですね。そうすると、これをある程度、個別の事例というものを集めて、そこから帰納法的に普遍化した上で交渉を行ってくる。
そうすると、実際に、グローバル企業に関しては、そういった原則に基づく交渉というのはコミュニケーションがしやすくなってくるんですが、どうしても日本の場合ですと、個別事象に関しての、非常に日本文化というのは、お互いに、コンテキストというか、関係性が非常に深いところで交渉してきておりますので、グローバル企業と原則を定めて交渉していくというのがこれまで余り行われていなかったのではないかなというふうに思います。
そういった意味で、そういった文化とかコミュニケーションのギャップというものも解決することによって、より解決が進んでいくのではないかなというふうに思います。
それと、もう一点、先ほどの同意のとり方というところなんですが、これはプラットフォーム事業者だけではないとは思うんですが、一般的に言いますと、やはり透明性確保、どういった状況であるかといったものをきちんと提供した上で、それに対して、実際にそれを選択した後にまた変更ができたりとか、そういったスキーム、環境を用意してくるというのがまず第一ではないかなと思います。
あとは、その同意のとり方というのは、個別事例が非常に多くありますので、まずは一般的な正当性ある体制というのを用意して、逆に、アプリ事業者あるいはユーザー側も、それを理解して、どう対処してくるかという知見をためていく。ここでも多分、ユーザーに関してもアプリ事業者に関しても、団体として情報を集約してくるということが非常に重要になると思います。
個社ごとでは、それに対してどう対応するかというのが、なかなか知見がたまりませんので、それをためた上で、ユーザーに対してもアプリ事業者に対しても、それをフィードバックしていくという形の団体なりが必ず必要になるのではないかなというふうに思います。
〔委員長退席、鈴木(淳)委員長代理着席〕
この発言だけを見る →これまで、さまざまな苦情とかが個別事業者から寄せられて、アプリストア事業者に個別に話をしているという事例がありますが、なかなか解決につながらない。というのは、先ほどちょっと御紹介しましたが、非常に二社の寡占状況で、そもそも優越的地位にある。これが、先ほど御紹介があったように、対等な交渉関係にないというのが構造上の大きな問題だというふうに思います。
それと、先ほどちょっと御紹介できなかったですが、やはり実際にアプリストアの審査というのは海外で行われております。言ってしまえばアメリカでございますが。そうなりますと、実は文化とコミュニケーションに対してのギャップが結構大きくて、基本的に英語でやりとりということもあるんですが、そもそも前提となる文化背景というものが大きく違います。
特に日本文化というのは、世界から比べると非常に、言い方があれですが、ちょっと変わったというか特殊なというか、言い方をかえると、クール・ジャパンとして、非常に世界にもないようなさまざまな文化背景というものを持っております。これを実際に海外の方が理解いただくということが実は結構難しい面があって、ここは多分、日本の文化に対するアジャストというものを仕組みとしてつくっていかなきゃいけないというのもあるのではないかなと思います。
それと、先ほどお話があったように、やはり個社での交渉といったものは、問題解決する上では、過去のMCFの体験からしても、なかなか難しい。やはり団体において交渉していくというのが非常に重要だと思います。
これは、個社のさまざまな事例、これは最終的に業界団体としてどういうことができるかということなんですが、苦情の内容に関しても、公益に関するもの、共益に関するもの、あとは私益に関するものと、大きく分けると三つの類型があるかと思います。
公益に関しては、憲法の基本的人権とかさまざまな、表現の自由とか、そういったものになりますが、今回は、非常に重要なところは、共益に関する苦情の対応といったものが非常に重要になってくるかなと思います。これによって、多くの事業者が、大体同じような困り事というか、そういったものを解決できる。
ただ、個社ごとのそれぞれの事情というのが違うので一概に、個社から話を聞くと、全部違う苦情に見えてしまうんですね。そうすると、これをある程度、個別の事例というものを集めて、そこから帰納法的に普遍化した上で交渉を行ってくる。
そうすると、実際に、グローバル企業に関しては、そういった原則に基づく交渉というのはコミュニケーションがしやすくなってくるんですが、どうしても日本の場合ですと、個別事象に関しての、非常に日本文化というのは、お互いに、コンテキストというか、関係性が非常に深いところで交渉してきておりますので、グローバル企業と原則を定めて交渉していくというのがこれまで余り行われていなかったのではないかなというふうに思います。
そういった意味で、そういった文化とかコミュニケーションのギャップというものも解決することによって、より解決が進んでいくのではないかなというふうに思います。
それと、もう一点、先ほどの同意のとり方というところなんですが、これはプラットフォーム事業者だけではないとは思うんですが、一般的に言いますと、やはり透明性確保、どういった状況であるかといったものをきちんと提供した上で、それに対して、実際にそれを選択した後にまた変更ができたりとか、そういったスキーム、環境を用意してくるというのがまず第一ではないかなと思います。
あとは、その同意のとり方というのは、個別事例が非常に多くありますので、まずは一般的な正当性ある体制というのを用意して、逆に、アプリ事業者あるいはユーザー側も、それを理解して、どう対処してくるかという知見をためていく。ここでも多分、ユーザーに関してもアプリ事業者に関しても、団体として情報を集約してくるということが非常に重要になると思います。
個社ごとでは、それに対してどう対応するかというのが、なかなか知見がたまりませんので、それをためた上で、ユーザーに対してもアプリ事業者に対しても、それをフィードバックしていくという形の団体なりが必ず必要になるのではないかなというふうに思います。
〔委員長退席、鈴木(淳)委員長代理着席〕
石
石川昭政#19
○石川(昭)委員 ありがとうございます。
国際ビジネスでは契約書が全てであり、日本はあうんの呼吸でというところ、この辺の落差が、差があるのかなと思います。
それから、ちょっと具体的な内容に入っていきますが、事前に、契約変更、取引条件を変更する際には、開示をして、その理由を明らかにするというふうにこの法律ではなっておりますが、開示だけで問題解決につながるのかというのがまず第一点と、それから、百万円以下の罰金がついておりますけれども、じゃ、罰金を払って自分の考えを通した方がいいというプラットフォーマーも中には出てくるのではないか、それから、EUの罰則と比較してどうなのか、岸原参考人にお伺いします。
この発言だけを見る →国際ビジネスでは契約書が全てであり、日本はあうんの呼吸でというところ、この辺の落差が、差があるのかなと思います。
それから、ちょっと具体的な内容に入っていきますが、事前に、契約変更、取引条件を変更する際には、開示をして、その理由を明らかにするというふうにこの法律ではなっておりますが、開示だけで問題解決につながるのかというのがまず第一点と、それから、百万円以下の罰金がついておりますけれども、じゃ、罰金を払って自分の考えを通した方がいいというプラットフォーマーも中には出てくるのではないか、それから、EUの罰則と比較してどうなのか、岸原参考人にお伺いします。
岸
岸原孝昌#20
○岸原参考人 そういった意味では、今回の法案自体、エンフォースメントの強制力、あるいは罰金という点では、そんなに大きなものはないかと思います。
ただ、先ほど御紹介いただいた共同規制というスキームでいうと、エンフォースメントだけではなく、インセンティブといったものが、実際、問題解決につながってくる。これを働かせるというのがもう一つの今回の法律の肝ではないかなというふうに思っています。
一般的には、団体交渉というのはプラットフォーマー側から嫌がられるんじゃないかということがありますが、私、MCFの過去の経験から言いますと、逆に、それをやることによって共益的な解決が効率よく図られる。
先ほど御紹介させていただいたように、共存共栄の関係といったものが、苦情解決をしてアプリビジネスが推進できれば、実はアプリストア事業者にとってもすごい利益が出てきます。
そういった点では、団体交渉をすることによって、個社ごとに個別の話に対応するよりは、ある程度集約されて、共益に対する解決策を図っていく。それによってアプリ事業者側のビジネスも拡大するという、インセンティブにつながりますよということを提示ができるというのが重要じゃないかなというふうに思っています。
この発言だけを見る →ただ、先ほど御紹介いただいた共同規制というスキームでいうと、エンフォースメントだけではなく、インセンティブといったものが、実際、問題解決につながってくる。これを働かせるというのがもう一つの今回の法律の肝ではないかなというふうに思っています。
一般的には、団体交渉というのはプラットフォーマー側から嫌がられるんじゃないかということがありますが、私、MCFの過去の経験から言いますと、逆に、それをやることによって共益的な解決が効率よく図られる。
先ほど御紹介させていただいたように、共存共栄の関係といったものが、苦情解決をしてアプリビジネスが推進できれば、実はアプリストア事業者にとってもすごい利益が出てきます。
そういった点では、団体交渉をすることによって、個社ごとに個別の話に対応するよりは、ある程度集約されて、共益に対する解決策を図っていく。それによってアプリ事業者側のビジネスも拡大するという、インセンティブにつながりますよということを提示ができるというのが重要じゃないかなというふうに思っています。
石
石川昭政#21
○石川(昭)委員 ありがとうございます。
そういう意味では、アプリ開発事業者の業界団体としての役割というのはすごく重要だと思うんですね。そういう意味では、岸原参考人の所属しているモバイル・コンテンツ・フォーラムがそういった代弁者になれるかどうか。
それから、政府側にとっても、モニタリング、それからレビューができるような体制をどうつくっていくのかというのが重要だと思いますけれども、これについて岸原参考人はどう考えますか。
この発言だけを見る →そういう意味では、アプリ開発事業者の業界団体としての役割というのはすごく重要だと思うんですね。そういう意味では、岸原参考人の所属しているモバイル・コンテンツ・フォーラムがそういった代弁者になれるかどうか。
それから、政府側にとっても、モニタリング、それからレビューができるような体制をどうつくっていくのかというのが重要だと思いますけれども、これについて岸原参考人はどう考えますか。
岸
岸原孝昌#22
○岸原参考人 先ほども御紹介させていただきましたが、そこの点に関しては、政府との連携、これと、あとは、特に財政的な支援といったものが非常に重要かと思います。
業界団体としても、最大限、民間の自主的な取組といったものを進めてまいりたいと思っておりますが、いかんせん体制を整備しない限りはきちんとした対応ができませんので、これは、MCFだけの話ではなく、アプリ環境全体ということでは、財政的な支援も含めた政府の支援と、あとは法律との連携といったものをぜひ法の運用の中で実現していただきたいというふうに思っております。
〔鈴木(淳)委員長代理退席、委員長着席〕
この発言だけを見る →業界団体としても、最大限、民間の自主的な取組といったものを進めてまいりたいと思っておりますが、いかんせん体制を整備しない限りはきちんとした対応ができませんので、これは、MCFだけの話ではなく、アプリ環境全体ということでは、財政的な支援も含めた政府の支援と、あとは法律との連携といったものをぜひ法の運用の中で実現していただきたいというふうに思っております。
〔鈴木(淳)委員長代理退席、委員長着席〕
石
石川昭政#23
○石川(昭)委員 時間が参りましたので以上で終わりますが、これから魂を入れていく段階に入っていきますので、どうぞこれからも御協力をいただければ幸いでございます。
以上で終わります。ありがとうございました。
この発言だけを見る →以上で終わります。ありがとうございました。
富
鰐
鰐淵洋子#25
○鰐淵委員 公明党の鰐淵洋子でございます。
四人の参考人の皆様、本日は大変にお忙しい中、またコロナウイルス感染症拡大が広がる中、本当に大変な中、わざわざ国会までお越しいただきまして本当にありがとうございました。そしてまた、貴重な御意見も賜りました。心から感謝申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。
それでは、早速質問に入らせていただきたいと思いますが、まず、大橋参考人にお伺いしたいと思います。ちょっと大きな全体像の話になりますけれども。
先ほど大橋参考人の方からもございました、デジタルプラットフォームは、技術によるイノベーションを起こしまして、中小企業やベンチャー企業にとって大きなビジネスチャンスを生み出し、また、国民の生活の利便性を飛躍的に向上させるなど、私も社会で大きな役割を果たすようになってきたと思っております。したがって、規制をかけるにしても、イノベーションと利益保護のバランスをとりつつ、デジタルプラットフォームの健全な発展を促すことが必要と考えております。
しかし一方で、これも先ほどお話がありました、政府が行った調査の結果、不透明な取引実態が明らかとなっておりまして、大橋参考人からもありましたが、それに声を上げることができない、そういった実態があるということもお話ししていただきましたし、そういった報告もございます。
こういった現状を踏まえまして、本法案が適切な規制となっているのかということで、改めて御見解をお伺いしたいと思います。
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それでは、早速質問に入らせていただきたいと思いますが、まず、大橋参考人にお伺いしたいと思います。ちょっと大きな全体像の話になりますけれども。
先ほど大橋参考人の方からもございました、デジタルプラットフォームは、技術によるイノベーションを起こしまして、中小企業やベンチャー企業にとって大きなビジネスチャンスを生み出し、また、国民の生活の利便性を飛躍的に向上させるなど、私も社会で大きな役割を果たすようになってきたと思っております。したがって、規制をかけるにしても、イノベーションと利益保護のバランスをとりつつ、デジタルプラットフォームの健全な発展を促すことが必要と考えております。
しかし一方で、これも先ほどお話がありました、政府が行った調査の結果、不透明な取引実態が明らかとなっておりまして、大橋参考人からもありましたが、それに声を上げることができない、そういった実態があるということもお話ししていただきましたし、そういった報告もございます。
こういった現状を踏まえまして、本法案が適切な規制となっているのかということで、改めて御見解をお伺いしたいと思います。
大
大橋弘#26
○大橋参考人 ありがとうございます。
そもそも本来は、こうした取引は民民の取引ですので、民民の中で解決されるべき話なんだと思います、正常な取引慣行においては。
ただし、今回、デジタルプラットフォームでいろいろな声を政府の中でも拾っていただいて、それをお伺いする中で、やはり交渉力の格差というのは非常に大きいと。
この交渉力の格差が何に基づいているのかというと、幾つか要素はあると思いますが、一つ、やはり大きいのは情報の格差であろう。プラットフォームにいろいろな情報が蓄積されるけれども、取引事業者に関しては何の情報も残らないというふうな中で、じゃ、どうやって対等な取引関係を保つのかということは、通常の民民の取引関係の中では極めて難しいのではないか。
そうすると、やはり一定程度、何らかの形で、デジタルプラットフォームの事業者と、あと、そこを使っている、主に中小企業、中小規模を中心とした事業者との間の仲立ちをしてあげる人が必要で、それは中立的な主体である必要がある。それが、今回、政府であって、この法律案の核となっているところだと思います。
そういう意味でいうと、私は、今回、この法律案に非常に期待しているのは、そうしたものが非常にうまく働くといいなという意味で、一つの、これはやってみないとわからないところではあると思いますけれども、非常に期待をしているスキームでございます。
ありがとうございます。
この発言だけを見る →そもそも本来は、こうした取引は民民の取引ですので、民民の中で解決されるべき話なんだと思います、正常な取引慣行においては。
ただし、今回、デジタルプラットフォームでいろいろな声を政府の中でも拾っていただいて、それをお伺いする中で、やはり交渉力の格差というのは非常に大きいと。
この交渉力の格差が何に基づいているのかというと、幾つか要素はあると思いますが、一つ、やはり大きいのは情報の格差であろう。プラットフォームにいろいろな情報が蓄積されるけれども、取引事業者に関しては何の情報も残らないというふうな中で、じゃ、どうやって対等な取引関係を保つのかということは、通常の民民の取引関係の中では極めて難しいのではないか。
そうすると、やはり一定程度、何らかの形で、デジタルプラットフォームの事業者と、あと、そこを使っている、主に中小企業、中小規模を中心とした事業者との間の仲立ちをしてあげる人が必要で、それは中立的な主体である必要がある。それが、今回、政府であって、この法律案の核となっているところだと思います。
そういう意味でいうと、私は、今回、この法律案に非常に期待しているのは、そうしたものが非常にうまく働くといいなという意味で、一つの、これはやってみないとわからないところではあると思いますけれども、非常に期待をしているスキームでございます。
ありがとうございます。
鰐
鰐淵洋子#27
○鰐淵委員 ありがとうございました。
具体的に教えていただきまして、ありがとうございました。
続きまして、岸原参考人にお伺いしたいと思います。
アプリ開発事業者やコンテンツ事業者の立場から見まして、どのような点にデジタルプラットフォームを利用するメリットがあり、本法案によってどのようにデジタルプラットフォーム事業者との共存共栄が期待できるかということを改めてお伺いしたいと思います。
あわせまして、課題と、また御意見がありましたらお伺いをしたいと思います。
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続きまして、岸原参考人にお伺いしたいと思います。
アプリ開発事業者やコンテンツ事業者の立場から見まして、どのような点にデジタルプラットフォームを利用するメリットがあり、本法案によってどのようにデジタルプラットフォーム事業者との共存共栄が期待できるかということを改めてお伺いしたいと思います。
あわせまして、課題と、また御意見がありましたらお伺いをしたいと思います。
岸
岸原孝昌#28
○岸原参考人 デジタルプラットフォームを利用することによって、広く、多くのユーザーにつながることができるというのが一番大きなメリットになります。
それと、スマートフォンになりまして大きく広がったのが、グローバル化が非常に簡単にできる。これまでiモード等の時代においては、それぞれの国によって、通信事業者と交渉した上で、しかもその国の仕様に合わせたコンテンツの作成、それとビジネスモデルの構築といったものが必要だったんですが、このデジタルプラットフォーム、特にグローバルのOSの上でのアプリストアといったものにおいては、同じモデル、同じ仕様で全世界の方にビジネスができるといったことが非常なメリットになっています。
そういった意味で、個社ごとにアプリによってサービスをするよりは、ユーザーに対しての市場の広がり、それと、コンテンツをつくる上での効率化、高度化というものが実現できるというのが一番大きなメリットではないかなというふうに思います。
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そういった意味で、個社ごとにアプリによってサービスをするよりは、ユーザーに対しての市場の広がり、それと、コンテンツをつくる上での効率化、高度化というものが実現できるというのが一番大きなメリットではないかなというふうに思います。
鰐
鰐淵洋子#29
○鰐淵委員 ありがとうございました。
続きまして、大橋参考人と岸原参考人にお伺いしたいと思います。
本法案ではモニタリングレビューがございますけれども、デジタルプラットフォームのイノベーションや各利用者の保護といったバランスの観点からどのように評価をされているのか、お伺いをしたいと思います。
あわせまして、今後運用するに当たって重要な点につきまして、改めてお伺いをしたいと思います。
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本法案ではモニタリングレビューがございますけれども、デジタルプラットフォームのイノベーションや各利用者の保護といったバランスの観点からどのように評価をされているのか、お伺いをしたいと思います。
あわせまして、今後運用するに当たって重要な点につきまして、改めてお伺いをしたいと思います。