法務委員会

2020-11-13 衆議院 全234発言

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会議録情報#0
令和二年十一月十三日(金曜日)
    午前九時三十分開議
 出席委員
   委員長 義家 弘介君
   理事 伊藤 忠彦君 理事 稲田 朋美君
   理事 奥野 信亮君 理事 宮崎 政久君
   理事 山田 賢司君 理事 稲富 修二君
   理事 階   猛君 理事 大口 善徳君
      井出 庸生君    井野 俊郎君
      大塚  拓君    神田  裕君
      黄川田仁志君    国光あやの君
      小林 鷹之君    武井 俊輔君
      出畑  実君    中曽根康隆君
      野中  厚君    深澤 陽一君
      藤原  崇君    宮澤 博行君
      盛山 正仁君    八木 哲也君
      山下 貴司君    吉野 正芳君
      池田 真紀君    寺田  学君
      中谷 一馬君    松平 浩一君
      屋良 朝博君    山花 郁夫君
      浜地 雅一君    藤野 保史君
      串田 誠一君    高井 崇志君
    …………………………………
   法務大臣         上川 陽子君
   法務副大臣        田所 嘉徳君
   文部科学副大臣      高橋ひなこ君
   厚生労働副大臣     三原じゅん子君
   法務大臣政務官      小野田紀美君
   文部科学大臣政務官    鰐淵 洋子君
   最高裁判所事務総局家庭局長            手嶋あさみ君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  梶尾 雅宏君
   政府参考人
   (内閣法制局第一部長)  木村 陽一君
   政府参考人
   (内閣府男女共同参画局長)            林  伴子君
   政府参考人
   (内閣府日本学術会議事務局長)          福井 仁史君
   政府参考人
   (警察庁長官官房審議官) 檜垣 重臣君
   政府参考人
   (警察庁長官官房審議官) 猪原 誠司君
   政府参考人
   (法務省大臣官房政策立案総括審議官)       竹内  努君
   政府参考人
   (法務省大臣官房司法法制部長)          金子  修君
   政府参考人
   (法務省民事局長)    小出 邦夫君
   政府参考人
   (法務省刑事局長)    川原 隆司君
   政府参考人
   (法務省矯正局長)    大橋  哲君
   政府参考人
   (法務省人権擁護局長)  菊池  浩君
   政府参考人
   (出入国在留管理庁次長) 高嶋 智光君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房審議官)           蝦名 喜之君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房審議官)           森  晃憲君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           度山  徹君
   政府参考人
   (厚生労働省雇用環境・均等局雇用環境総合整備室長)            岸本 武史君
   法務委員会専門員     藤井 宏治君
    ―――――――――――――
委員の異動
十一月十三日
 辞任         補欠選任
  小林 鷹之君     宮澤 博行君
  山下 貴司君     八木 哲也君
同日
 辞任         補欠選任
  宮澤 博行君     小林 鷹之君
  八木 哲也君     山下 貴司君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件
     ――――◇―――――
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義家弘介#1
○義家委員長 これより会議を開きます。
 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 各件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官梶尾雅宏君、内閣法制局第一部長木村陽一君、内閣府男女共同参画局長林伴子君、内閣府日本学術会議事務局長福井仁史君、警察庁長官官房審議官檜垣重臣君、警察庁長官官房審議官猪原誠司君、法務省大臣官房政策立案総括審議官竹内努君、法務省大臣官房司法法制部長金子修君、法務省民事局長小出邦夫君、法務省刑事局長川原隆司君、法務省矯正局長大橋哲君、法務省人権擁護局長菊池浩君、出入国在留管理庁次長高嶋智光君、文部科学省大臣官房審議官蝦名喜之君、文部科学省大臣官房審議官森晃憲君、厚生労働省大臣官房審議官度山徹君及び厚生労働省雇用環境・均等局雇用環境総合整備室長岸本武史君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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義家弘介#2
○義家委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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義家弘介#3
○義家委員長 次に、お諮りいたします。
 本日、最高裁判所事務総局家庭局長手嶋あさみ君から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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義家弘介#4
○義家委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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義家弘介#5
○義家委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。稲田朋美君。
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稲田朋美#6
○稲田委員 おはようございます。自由民主党の稲田朋美です。
 上川大臣におかれましては、三度目の法務大臣、まことにおめでとうございます。今までも圧倒的な安定感で法務大臣としての職責を果たされてきたことに、深く敬意を表したいと思います。また、先ごろの所信において、誰も取り残さない社会の実現を目指すと強く宣言されたことに共感を覚えております。
 まずは、性犯罪の刑法改正についてお伺いをいたします。
 平成二十九年に刑法改正されまして、強姦罪の構成要件及び法定刑の見直しや、監護者わいせつ罪及び監護者性交等罪の新設等の改正が実現をいたしました。附則九条で三年目途の検討となって、ことしがその三年の目途でございます。
 昨年の三月に無罪判決が四つ出まして、そのうち二つは逆転の有罪判決、そしてその一つは最高裁で確定をいたしております。一審判決が余りにも一般常識とかけ離れているのではないかという批判もあり、大きな議論が巻き起こったわけであります。
 大臣にお伺いをいたします。
 刑法百七十七条、強制性交等罪の暴行、脅迫の要件、そしてまた百七十八条の抗拒不能要件について、余りにも厳し過ぎる、若しくは抽象的過ぎて、最高裁の判示に、最高裁で要件に当てはめてもばらつきが出ている。この要件を緩和するとか、また、ばらつきがないように、諸外国のように具体例を追加するとか、改善する必要があるのではないかと思います。そのほか、百七十九条の監護者わいせつ及び監護者性交等罪についての監護者の範囲を、やはり今の狭いものではなくて力関係の上下関係といったものに広げますとか、同意年齢の引上げ、公訴時効の停止若しくは撤廃等々も議論をすべきだと思いますけれども、今の検討状況、そしてその方向性についてお伺いいたします。
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上川陽子#7
○上川国務大臣 おはようございます。
 冒頭に、三度目の法務大臣ということでおっしゃっていただきましたけれども、私自身、一回目、二回目、それぞれ全力で投球をしてまいりました。三回目も、気持ちを新たに、フレッシュな気持ちで、初心の中で頑張ってまいりたいと思います。よろしくお願い申し上げます。
 また、誰一人取り残さない社会というのは、国連のSDGs、持続可能な開発目標ということで大きなコンセプトに挙げられている世界共通の理念であります。その趣旨の中でも、とりわけ性犯罪、性暴力の被害を受けた方々の人権の問題については、極めて大きな問題であるというふうに思っております。
 これから三年間を集中期間として対応していくということが決められたわけでございまして、今、法務省におきましては、性犯罪に関する刑事法検討会におきまして、被害者の方にも入っていただきながら検討を進めているところでございます。
 今、委員から御指摘されました、これまでの改正の積み残しの問題、また、さらに、先ほど少し挙げていらっしゃいましたけれども、例えば学校の教師と子供との関係の中のこうした問題につきましても最近極めて強いクローズアップをされているところでございまして、こうしたことにつきまして、処罰規定、どういう形で設けるかということについても議論が行われているというふうに思っております。
 性犯罪に係る刑事法のあり方の検討はまさに喫緊の課題でございますので、スピード感を持って、何としても充実した御議論をした上での対応を期待しているところでございます。
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稲田朋美#8
○稲田委員 大臣は、党においては司法制度調査会長、そしてまた、この問題の議連の会長としてもずっと取り組んでこられ、提言もなされておりました。私が共同代表を務めております女性議員飛躍の会でも、森まさこ大臣に、この性犯罪の刑法改正について提言をしているところでございます。
 今、大臣おっしゃいましたように、スピード感を持って、また、たくさんの論点がございますので、もし切り分けられるものがあれば、ひとつ早目に、できるものがあれば実現をしていただきたいと思います。
 大臣も触れられた学校現場のことについて、きょうは高橋ひなこ文科副大臣にも来ていただいておりますので、御質問をいたします。
 平成三十年度の教育現場の懲戒処分等の状況で、わいせつ行為等で懲戒処分を受けた者は二百八十二人、平成二十九年の二百十人から増加をいたしております。このわいせつ行為をした教員、職員全て、全て刑事告発をしているというわけではございません。ある調査によりますと、告発して刑事手続がとられているのはわずか六%ということでございます。
 性犯罪は、これは親告罪ではなく、また、公務員については刑訴法二百三十九条二項において告発義務があるわけでございます。学校現場で性暴力、性犯罪が行われた場合、告発を義務づけるべきだと思いますが、副大臣の御見解をお伺いいたします。
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高橋ひなこ#9
○高橋副大臣 御質問ありがとうございます。
 児童生徒を守り育てる立場にある教師が児童生徒に対してわいせつ行為を行うというのは、言語道断で、決して許されるものではありません。
 わいせつ行為等に関する教育委員会などによる告発の状況について、被害者の意向や、犯罪に当たると判断しなかったことなどから、必ずしも全ての事案に適正な告発が徹底されていない実態というのは承知しております。
 こうしたことも踏まえて、文部科学省では、公務員には告発の義務があること、警察機関等と連携して厳正に対応すること、被害者が告訴しない場合でも告発する必要があることなどについて、各教育委員会に通知をしてきました。また、本年六月に決定された性犯罪・性暴力対策の強化の方針において、告発を遺漏なく行うことについて明記されたことも踏まえて、各教育委員会の人事担当者を集めた研修会で、その趣旨を改めて周知をさせていただきました。
 今後は、適正に告発が行われなかった事例も紹介をしながら、告発を遺漏なく行うことについて、しっかりと周知徹底を図ってまいります。
 御質問ありがとうございます。
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稲田朋美#10
○稲田委員 告発もそうでございますし、また、教員の免許状の管理の厳格化ということも必要でございます。そういった点もぜひお願いをしたいと思います。
 また、教師が教師をいじめるという、あり得ないような事件も起きたわけですけれども、いじめもそうです、またこの性暴力もそうなんですが、学校という現場があることによって発見がおくれたり、また、犯罪の温床になるというようなことがあってはいけないというふうに思います。犯罪を守るというようなことになってはいけないと思うわけであります。特に、学校現場において、先ほど大臣おっしゃいました、子供が性被害の対象になるということがあってはいけない、そういった上下関係のもとで、生徒と先生との上下関係のもとでそういう被害があるということは絶対に許されないというふうに思います。
 刑事事件、しっかりと告発をして、犯罪行為、真相を明らかにすべきだと思いますし、また、子供にかかわる仕事につくような場合は、そういった犯罪歴の調査を受けるとか、犯罪歴がないことの証明が要るとか、そういったことも私は必要になってくると思います。そういった点について、上川大臣の御見解をお伺いいたします。
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上川陽子#11
○上川国務大臣 性犯罪、性暴力でございますが、被害者の尊厳を著しく侵害し、その心身に長年にわたりまして重大な苦痛を与え続けるものでありまして、決して許されるものではございません。
 子供のときのそうした被害は大人になるまで黙っていざるを得ないということも明らかになっていることでございますので、子供のときにそのことの事実をしっかりと表に出せる環境をつくっていくということも、あわせて極めて重要であるというふうに思っております。
 先ほど委員から御指摘いただきました、学校が犯罪の温床になってはいけないという御指摘がございましたが、まさに学校の教師等による子供の性被害につきましては、子供にとりまして教師等に抵抗することは自分の居場所を失うことにつながる、こういう指摘もなされているところでございます。
 また、教師等がその立場や子供の脆弱性を悪用して性的行為に及ぶこと、このこと自体は、あってはならない言語道断の行為であるというふうに思っております。
 先ほど申し上げたとおり、法務省におきましては、現在、性犯罪に関しまして刑事法検討会を開催をしておりまして、今御指摘の点につきましても検討すべき論点の一つであるということでございまして、教師あるいはスポーツの指導者等が、その影響力があることに乗じまして性的行為をした場合の処罰規定を設けるか否かにつきましても、議論が行われている状況でございます。
 このことにつきましても喫緊の課題であると認識をしておりますので、スピード感を持って充実した御議論をしっかりと行っていただきたいと、大きな期待を寄せているところでございます。
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稲田朋美#12
○稲田委員 ぜひよろしくお願いいたします。
 さて、今回のコロナで最も影響を受けたのは、やはり女性、そしてまた立場の弱い一人親の女性ということだと思います。
 そんな中で、直近の一人親世帯調査は平成二十八年ですが、母子家庭で、養育費について文書で取決めをしているのはわずか三一%、養育費の支払いを受けているのは二四%。世界で最低レベルなんです。OECD三十三カ国の中で、一人親の相対的貧困率、日本は最下位なんです。私、これは先進国として物すごく恥ずかしいことであり、これは政治の責任としてしっかりと見ていかなければならないと思っております。
 この養育費に関しましても、例えば、取決めはなくても自動的に一定額を相手に請求できるセーフティー養育費額制度や制裁の強化、また立てかえ払い制度など、諸外国の仕組みを参考とした我が国の独自の仕組みづくりが必要だと思うんですけれども、この制度的課題に関する現在の検討状況について、まず民事局長にお伺いします。
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小出邦夫#13
○小出政府参考人 お答えいたします。
 養育費の不払い問題につきましては、自民党女性活躍推進本部で検討が進められた結果、ことしの五月に、養育費不払いの速やかな解消に向けた提言が取りまとめられ、六月四日に法務大臣に御提出いただいたところでございます。
 その中では、協議離婚に際して、養育費の取決めを原則義務化した上で、話合いができない事情があるときは、養育費の取決めができなくても協議離婚はでき、この場合に、子の年齢等によって自動的に定まる額を請求できるセーフティー養育費額制度を導入することや、義務者の自発的な支払いを促すために、悪質な不払いの制裁強化を検討することなど、養育費制度にかかわる幅広い提言がされております。
 法務省では、現在、養育費に関するこれらの制度的課題につきまして、省内の有識者会議であります養育費不払い解消に向けた検討会議、それから、法務省、厚生労働省の担当官による不払い養育費の確保のための支援に関するタスクフォースで検討を進めているほか、家族法研究会に法務省の担当者が参加して議論に加わっております。
 そして、先ほどの御提言も踏まえまして、例えば、法務省の養育費不払い解消に向けた検討会議におきましては、協議離婚の際に取決めがなくても当然に養育費額が定まる制度、また、養育費の支払いの場合の制裁強化策、また、公的機関が立てかえ払いにより支援を行う方策等が検討課題として掲げられておりまして、幅広い検討が進められているところでございます。
 法務省といたしましては、養育費の不払いの解消に向け、引き続き、これらの検討体制において充実した検討を行ってまいりたいと考えております。
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稲田朋美#14
○稲田委員 ぜひ、喫緊の課題ですので、スピード感を持って法務省におかれて検討して、そして結果をまず出していただきたいというふうに思います。
 次に、小野田政務官にお伺いをいたします。
 先ほど民事局長がおっしゃいました党の女性活躍推進本部の取りまとめですけれども、これは小野田政務官が本当に熱意を込めて議論をされて、そして取りまとめに尽力をされてこられました。また、国会での御質問でも、養育費のために裁判手続をとらなければならない一人親の負担を軽減する観点から、住基ネットの活用など問題提起をされてきたところです。
 確かに、必ずしも大きな金額ではない養育費の支払いを求める一人親が本人で裁判を進めることは、いろいろとハードルがあって難しいというふうに思います。また、離婚した相手に裁判をしようとしても、相手の住所それから財産がわからなければ、調停、強制執行は難しく、断念しかねません。
 ことし四月に民事執行法が改正されましたけれども、一人親にとって裁判手続の負担が抜本的に軽減されるよう、政務官がおっしゃっている住基ネット、それからマイナンバーもおっしゃっていたかと思いますけれども、その活用も考えていくべきだと思いますが、養育費に関する裁判手続の利便性の向上に向けてどのように取り組んでいかれるのか、小野田政務官にお伺いいたします。
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小野田紀美#15
○小野田大臣政務官 稲田委員、本当にありがとうございます。
 法務省では、現在、先ほど民事局長が答弁したように、家族法研究会における検討に担当者が参加するなど、養育費に関する裁判手続のあり方も含めて制度的に検討を進めているところでございます。
 また、養育費に関する裁判手続、具体的に申し上げますと、公的機関が養育費を支払うべき者の住所を住基ネットの情報に基づいて確認できる制度を設けることによって、権利者による相手方の住所調査、これが負担になって諦めているという方も多いので、この負担を軽減することができないかですとか、また、公示送達制度について、権利者の負担軽減や義務者の手続保障の観点から、より妥当かつ公平な規律は考えられないかといった問題意識を持って、省内の担当部局に必要な調査検討を指示しているところでございます。
 いずれにいたしましても、養育費の取決め、取立てを行う裁判手続をより利用しやすく利便性の高いものにすることというのは、養育費の支払い確保のために大変重要な課題だと私も認識しております。今後とも、各方面の意見を伺いながら、これらの課題についてしっかりと検討してまいりたいと思います。
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稲田朋美#16
○稲田委員 ありがとうございます。
 本当に政務官がこの問題に非常に取り組んでおられていることに、私も非常に敬意を表します。
 また、マイナンバー制度、せっかくございましても、今回のコロナ禍でも、なぜ日本がこれだけいろいろな支援がおくれたのか。やはり、マイナンバーと情報のひもづけが余りにも少な過ぎる。もちろん、プライバシーの問題もありますし、最高裁の判決もございますけれども、ここからは、やはり今回のコロナの反省を踏まえて、どうすれば申請なくしても早く、本当に困っている人に、そして困っている人だけに十分な支援ができるか、これをマイナンバーと関連づけて検討をしていくべきだというふうに思います。
 次に、夫婦別氏の問題についてお伺いをいたします。
 夫婦別氏、いわゆる選択的夫婦別姓の問題は、ずっと、家族解体運動、また戸籍廃止運動、家族を大切にするか、それとも個人を徹底するか、戸籍をなくすかどうか、そういったイデオロギー論争の象徴として語られてきたと思います。
 我が自民党も、家族解体や戸籍廃止としての、イデオロギー闘争の象徴としてのいわゆる選択的夫婦別姓には反対ということで、その公約を書いたのは法務部会長時代の、野党時代の私でございます。
 ただ、そろそろ、イデオロギーの対立ということではなくて、やはり、結婚によって氏を変えた方、これは今現在、九六%が女性が男性の氏に変えているわけですけれども、その変更した者、多くが女性ですけれども、その不利益をどうするのか。また、いまだに九六%、九七%が女性が男性の氏に変えているという、その公平性のことについての問題の観点から考えるべきときが来ていると思います。
 平成二十七年の最高裁判決は、民法が選択的夫婦別姓を認めていないことが違憲ではないという合憲判決を下したわけでありますけれども、しかし、現行制度は違憲であるという少数意見は五名ございまして、特に女性の最高裁判事三名は全て、立法裁量を超えているという判示をしております。また、多数意見の判示の中にも、国会においてこの問題をきちんと議論すべきであるというメッセージがあるというふうに思います。
 民事局長にお伺いいたしますが、最高裁判決で、この点、どのように言及されているのか、簡潔に説明してください。
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小出邦夫#17
○小出政府参考人 お答えいたします。
 委員御指摘の平成二十七年の最高裁判決におきましては、夫婦同氏制度を定める民法七百五十条は憲法の十三条、十四条一項、また二十四条のいずれにも違反しないとの結論が示された上で、夫婦同氏制の採用については、嫡出子の仕組みなどの婚姻制度や氏のあり方に対する社会の受けとめ方に依拠するところが少なくなく、この点の状況に関する判断を含め、この種の制度のあり方は、国会で論ぜられ、判断されるべき事項にほかならない旨が判示されたものと承知しております。
 他方で、これも委員御指摘のとおり、この判決では、女性裁判官三名を含む五名の裁判官から、夫婦同氏制を定めた民法の規定は、婚姻の際に夫婦が別の氏を称することを認めないものである点において、個人の尊厳と両性の本質的平等の要請に照らして合理性を欠き、国会の立法裁量の範囲を超え、憲法第二十四条に違反する旨の意見が示されたものと承知しております。
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稲田朋美#18
○稲田委員 林男女共同参画局長に伺います。
 日本では、通称拡大ということで、通称の拡大が進んでいるわけでありますけれども、しかし、通称はあくまで通称で、法的な裏づけがなく、特に海外では、法的な裏づけのない通称ということがなかなか通用しないという場面もございます。
 男女共同参画局ではパブリックコメントでいろいろな意見を寄せられておられると思いますので、その主な意見を御紹介いただくとともに、諸外国で、この別氏の問題、そしてまた、法的裏づけのない通称という制度があるのかどうか、そういった点について御説明ください。
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林伴子#19
○林政府参考人 お答え申し上げます。
 現在、内閣府では、第五次男女共同参画基本計画の策定作業を行っておりますが、その策定に当たって行った意見募集では、選択的別氏制度の導入を求める意見が四百件以上寄せられているところでございまして、その中には、旧姓使用を拡大しても対処し切れない支障があり、同制度の導入を求めるという意見が多数ございました。
 具体的な意見としては、大きく分けて三つのタイプがございます。
 一つは、旧姓の使用を拡大しても二つの姓の使い分けが必要であり、企業にとっては二つの姓を管理するためのシステムや事務処理に大きなコストがかかり、本人もさまざまな負担があるなど、本人と企業の双方に大きな負担がかかっていて女性活躍の妨げになっているというのが一つ。
 二つ目として、パスポートでは旧姓併記が可能となっておりますが、夫婦同姓を法律で義務づけているのは日本だけでございますので、国際社会では全く通用せず、海外で種々のトラブルの要因になっているというもの。
 そして三つ目として、一人っ子など、実家の氏を残したいために結婚をためらったり先延ばしたりするなど、少子化の要因にもなっている、こういった意見がございました。
 私どもが承知する限りでは、夫婦同姓を法律で義務づけているのは日本だけでございます。
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稲田朋美#20
○稲田委員 政府が通称使用を拡大していることで、かなり女性活躍には資するんですけれども、それでもやはり通称である以上限界があるということでございます。
 例えば、あるジャーナリストの女性から聞いたんですけれども、海外で取材をするのにパスポートに括弧書きしてもらうのに、海外で取材をして、それが海外で報道されない限り括弧書きができないとか、実は要件は厳しいわけですし、通称ですと、何回か結婚しておりますと幾つも姓を持つということもございます。
 そういった点を考えますと、実は私、一つ提案がございまして、お手元に添付の資料ですけれども、婚前氏続称制度なんですが、民法の七百六十七条、これは今、婚姻によって氏を改めた者は、離婚すれば、もとの姓に復氏をするわけです。離婚すれば、もとの姓に、氏に復氏をするんですけれども、しかし、届出をすることによって婚姻中の氏を使い続けることができるという制度でございます。これを結婚の場合にも裏返して考えますと、夫婦同氏制度は維持しつつ、婚姻の際にどちらかの氏を選んで同姓に、同氏になりつつも、氏を変えた側の妻若しくは夫が三カ月以内に届出をすることによって、旧姓、すなわち生まれながらの氏を使い続けることができるという制度をつくってはどうか。こういたしますと、通称が法的にも裏づけを持つわけでございます。
 これは一つの案でございまして、これが全てというわけではないんですけれども、やはり私は、もうそろそろイデオロギー論争から脱却をして、そして、最高裁のメッセージにもあるように、議論をしていくべき時期にあるのではないかと思いますが、大臣の見解を伺います。
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上川陽子#21
○上川国務大臣 ただいま御質問をいただきまして、また、委員が具体的な提案をなさっていらっしゃるということも承知しているところでございます。希望すれば結婚前の姓を名乗れる選択的夫婦別氏制度の導入の問題ということで、法制審議会が答申した内容もございます。
 この件につきましては、直近、二十九年の世論調査でございますが、結果を見てみましても、まだまだ国民の意見が分かれているというのも現状でございます。容認が四二・五%、通称使用の法制化のみの容認が二四・四%、反対が二九・三%という、こうした数字でございます。五年ごとにやっている世論調査でありますので、少しずつ変化はしているものの、いまだこうした状態があるということについては、やはり国民的な議論をしっかりと踏まえるということが何よりも重要であるというふうに認識をしております。
 夫婦の氏に関する法制度ということでございますが、家族のあり方の根幹にかかわる問題ということで、先ほどの答弁にもございましたとおり、二十七年十二月十六日の最高裁の大法廷判決におきまして、国会で論ぜられるべきということでの指摘もなされているところでございます。国会におきまして議論をしっかりと進めていただきながら、その中で、具体的な制度のあり方を含めまして建設的な議論をしていただくということにつきましては重要なことであるというふうに思っております。
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稲田朋美#22
○稲田委員 今、大臣から、国会でしっかりと議論を進めていくことが大事だという御答弁をいただきました。やはり固定観念にとらわれずに議論をするということが私は求められていると思います。
 最後に大臣に、大臣は所信の中で、人権侵害の対応の中で、新型コロナウイルスへの差別、偏見の問題、また性的指向、性自認を理由とする差別、偏見について述べられました。
 新型コロナウイルスについては、特に地方では、いわれのない損害賠償を請求されたり、引っ越しを余儀なくされたりということもあります。また、性的指向、性自認、いわゆるLGBTの方々ですけれども、当事者にとっては生きていく上での核であり、不可逆性のものであるにもかかわらず、病気や趣味のように扱われて、つらい思いをしている方々がいらっしゃいます。
 そういった事例について、コロナ差別解消法や、性的指向、性自認についての理解増進法といった立法が私は必要なのではないかなというふうに思います。一般的な人権擁護法案ではなくて、やはり個別法をしっかりとつくっていく、それによって人権を守っていくということが必要だと思いますが、最後にその点についての大臣の見解をお伺いいたします。
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上川陽子#23
○上川国務大臣 新型コロナウイルス感染症に関連して、感染者あるいはその御家族に対しまして、誤解や偏見に基づきましての差別は許されないことであると思っております。また、性的指向、性自認に関する理解の欠如に基づく偏見、差別についても、決してあってはならないと考えております。
 御指摘の点でございますが、現在、お尋ねのいろいろな法律の必要性についてはさまざまな御議論がなされているというふうに承知しておりまして、そうした議論の動向につきまして注視をしてまいりたいというふうに思っております。
 私どもの法務省では、人権擁護機関におきまして、人権啓発の充実、適切な相談対応、また人権侵犯事件の調査、救済に取り組んでいるということでございまして、コロナの問題、また性的指向、性自認の問題につきましての差別、偏見、これにつきましても、しっかりとそうした今持っている力をフルに活用して取り組んでまいりたいというふうに思っております。
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稲田朋美#24
○稲田委員 質問を終わります。ありがとうございました。
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義家弘介#25
○義家委員長 次に、大口善徳君。
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大口善徳#26
○大口委員 公明党の大口でございます。
 上川大臣、三度目の法務大臣就任、非常に安定感のお仕事ぶり、期待をしております。また、来年、京都コングレスが開催される、大臣が主導してこられたことである。また、SDGsの誰一人取り残さない社会の実現を目指していく、司法外交を展開していく、非常に期待をしております。さらには、やはり今新型コロナ感染症が、また第三波ということも言われております。感染予防、感染拡大対策のさらなるレベルアップを法務省関連施設においてもしていかなきゃいけない。また、法務行政のデジタル化、IT化を力強く推進するということも決意をされているということでございます。私ども、全面的に協力をして、そして大臣が一筆書きキャラバンということで最前線の職員と対話をしながら法務行政に対する国民の信頼を得ていくということについて応援をしていきたい、こう思っておるところでございます。
 それでは、不払い養育費問題の解決の取組についてお伺いさせていただきます。
 我が国の子供の貧困率は一三・五%でありますが、大人が一人の場合の、一人親の世帯は四八・一%。コロナ禍で一人親家庭の子供さんは大変な影響を受けている。
 我が党は、私が座長を務めさせていただいています不払い養育費問題対策プロジェクトチーム、これを設置をしまして、そして九月三日、不払い養育費問題の解決に向けた緊急提言、子供たちの健やかな成長のためにを前法務大臣、そして前厚労大臣にお出ししたところでございます。
 法務省におかれましても、有識者による養育費不払い解消に向けた検討会議、そしてまた、法務省、厚労省が連携した不払い養育費の確保のための支援に関するタスクフォース、そして商事法務研究会の民事基本法制の見直しの観点からの家族法研究会で議論を展開しているところでございます。そして、九月の九日に、この法務省の検討会で中間取りまとめを出されました。我が党の緊急提言も反映されたものと考えております。
 この問題は子供たちを守るための喫緊の課題であることを改めて認識して、養育費がより確実に支払われるよう、運用改善や制度見直しに向けて検討を速やかに進めていただきたいと考えております。
 法務大臣の御見解を賜りたいと思います。
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上川陽子#27
○上川国務大臣 父母の離婚後の子の養育に関する問題の一つとしてこの養育費の不払いを解消することについては、子供の生活あるいは未来を守る観点から大変重要な喫緊の課題と認識しております。
 この課題につきましては、御党におきまして、大口座長のもとでプロジェクトチームをしっかり立ち上げていただきながら、御熱心に検討を進めていただき、また、緊急提言をまとめていただきまして前大臣の方にお持ちいただいたということについては、大変敬意を表したいというふうに思っております。
 養育費の不払い問題につきましては、現在、法務省内の有識者の検討会議、また厚労省とのタスクフォースにおきまして、運用改善で対応可能な課題や、そして制度面で対応しなければならない課題ということで、鋭意努力しているところでございまして、特に、法務省の担当者も参加する家族法研究会におきましては、民事法制の観点から幅広く検討が進められているという状況でございます。
 父母の離婚に伴う子供の養育のあり方に関する問題でございますので、チルドレンファーストという視点に立ちまして、しっかりと、また迅速に検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
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大口善徳#28
○大口委員 制度論を考えますときに、養育費の権利の性質を明確にする必要があると考えております。これまで、監護親の非監護親に対する養育費の請求権、こういう観点であったわけでありますが、これは民法七百六十六条の監護親から非監護親に対する養育費支払い請求権というものを根拠にしていると言われておりますけれども、やはり、これは子供の非監護親に対する養育費請求権や子供の扶養料の請求権というもので、子供のための重要な権利という観点から考える必要があるのではないかと思います。
 そういう点で、民法には、子の非監護親に対する請求権や親の支払い義務について明確に定める規定がありません。養育費の不払い解消に向けた制度見直しを行うためには、まず、前提として、養育費請求権や扶養料請求権が子供の命を守るための極めて重要な権利であって特別の保護に値するものであることを民法上明らかにすべきではないかと考えますが、法務大臣の見解を求めます。
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上川陽子#29
○上川国務大臣 御指摘の民法の第七百六十六条でございますが、子の利益の観点から、離婚時に夫婦間で取り決めるべき事項の一つとして、子の監護に要する費用の分担、これを明示しているところであります。また、一般に、親が未成年の子に対して負う扶養義務につきましては、兄弟姉妹等の他の親族に対する扶養義務と比べてもより重い義務として理解されているものでございます。
 しかしながら、御指摘のとおり、民法上は、未成年の子に対する扶養義務につきまして、その重要性に着目した独自の規定がないということでございます。
 この点につきましては、養育費の請求権、また未成年の子の親に対する扶養料請求権につきましては、裁判手続において、現状よりも更に特別な取扱いをすべきであるとの意見もございますが、そのためには、それらの権利が実体法上特別の保護に値するものであることが示されている必要があるのではないか、こうした指摘もございます。そうした指摘も踏まえまして、法務省の担当者も参加しております家族法研究会、養育費請求権等につきまして民法に独自の規定を設けることの是非も検討されているものと承知をしております。
 いずれにしても、養育費の支払いの確保は、子供の健やかな育ち、成長のために極めて重要な課題であると認識しておりまして、しっかりと取り組んでまいりたいというふうに考えております。
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