法務委員会

2022-04-27 衆議院 全369発言

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会議録情報#0
令和四年四月二十七日(水曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 鈴木 馨祐君
   理事 井出 庸生君 理事 熊田 裕通君
   理事 葉梨 康弘君 理事 山田 美樹君
   理事 鎌田さゆり君 理事 階   猛君
   理事 守島  正君 理事 大口 善徳君
      東  国幹君    五十嵐 清君
      石橋林太郎君    石原 正敬君
      尾崎 正直君    奥野 信亮君
      国定 勇人君    田所 嘉徳君
      高見 康裕君    谷川 とむ君
      中川 貴元君    中谷 真一君
      中野 英幸君    西田 昭二君
      野中  厚君    八木 哲也君
      山田 賢司君    伊藤 俊輔君
      鈴木 庸介君    藤岡 隆雄君
      山田 勝彦君    米山 隆一君
      阿部 弘樹君    遠藤 良太君
      日下 正喜君    福重 隆浩君
      鈴木 義弘君    本村 伸子君
    …………………………………
   議員           山田 勝彦君
   議員           米山 隆一君
   法務大臣         古川 禎久君
   国務大臣
   (国家公安委員会委員長) 二之湯 智君
   法務副大臣        津島  淳君
   法務大臣政務官      加田 裕之君
   最高裁判所事務総局刑事局長            吉崎 佳弥君
   政府参考人
   (警察庁長官官房審議官) 鎌田 徹郎君
   政府参考人
   (警察庁刑事局長)    大賀 眞一君
   政府参考人
   (警察庁警備局警備運用部長)           安田 浩己君
   政府参考人
   (法務省大臣官房政策立案総括審議官)       吉川  崇君
   政府参考人
   (法務省民事局長)    金子  修君
   政府参考人
   (法務省刑事局長)    川原 隆司君
   政府参考人
   (法務省矯正局長)    佐伯 紀男君
   政府参考人
   (法務省保護局長)    宮田 祐良君
   政府参考人
   (法務省人権擁護局長)  松下 裕子君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           本多 則惠君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           堀内  斉君
   法務委員会専門員     藤井 宏治君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月二十七日
 辞任         補欠選任
  国定 勇人君     石原 正敬君
  中野 英幸君     中川 貴元君
  前川 清成君     遠藤 良太君
同日
 辞任         補欠選任
  石原 正敬君     国定 勇人君
  中川 貴元君     中野 英幸君
  遠藤 良太君     前川 清成君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 刑法等の一部を改正する法律案(内閣提出第五七号)
 刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律案(内閣提出第五八号)
 刑法等の一部を改正する法律案(米山隆一君外二名提出、衆法第三一号)
     ――――◇―――――
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鈴木馨祐#1
○鈴木委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、刑法等の一部を改正する法律案及び刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律案並びに米山隆一君外二名提出、刑法等の一部を改正する法律案の各案を一括して議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 各案審査のため、本日、政府参考人として警察庁長官官房審議官鎌田徹郎君、警察庁刑事局長大賀眞一君、警察庁警備局警備運用部長安田浩己君、法務省大臣官房政策立案総括審議官吉川崇君、法務省民事局長金子修君、法務省刑事局長川原隆司君、法務省矯正局長佐伯紀男君、法務省保護局長宮田祐良君、法務省人権擁護局長松下裕子君、厚生労働省大臣官房審議官本多則惠君及び厚生労働省大臣官房審議官堀内斉君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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鈴木馨祐#2
○鈴木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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鈴木馨祐#3
○鈴木委員長 次に、お諮りいたします。
 本日、最高裁判所事務総局刑事局長吉崎佳弥君から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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鈴木馨祐#4
○鈴木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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鈴木馨祐#5
○鈴木委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。尾崎正直君。
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尾崎正直#6
○尾崎委員 高知二区選出の尾崎正直でございます。法務委員会、初質問になります。どうぞよろしくお願いをいたします。
 それでは、刑法等改正法案につきまして御質問させていただきます。
 まず、拘禁刑についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 令和二年の検挙人員に占める再犯者の比率は四九・一%、統計を取り始めて以来最高となったわけでありまして、いかに再犯防止を図るか、このことが今後の大きな課題であります。
 この点、今般の法案によりまして受刑者の処遇の充実が図られる、再犯防止の効果が高まるものと大変評価をするところでありますが、問題となるのは、この法案の意図したとおりの効果を発揮するためにはそれなりの体制の整備が必要だということであります。今日は、その観点から御質問をさせていただきたい、そのように考えるところです。
 まず第一に、処遇要領についてお伺いをしたいと思います。
 個々の受刑者の特性に応じた柔軟な処遇を実現するという拘禁刑創設の意図したところを実現していくためには、それぞれの受刑者にとって何が必要なのかをしっかりと見極めて、それぞれの受刑者に応じた処遇要領を的確に定めることが大事となってきます。これは、相当時間もかけてしっかりとやらなければならないことなのだろうと考えるところでありますけれども、問題はそのための体制が十分なのかということです。
 調査専門官の増員も含めまして、各施設ごとに的確な処遇要領を定めるための体制の充実、これを図っていくことが大事ではないかと思いますけれども、御見解をお伺いします。
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佐伯紀男#7
○佐伯政府参考人 お答え申し上げます。
 刑事施設におきまして、処遇要領を策定するため、従来も個々の受刑者につきまして、医学、心理学、教育学その他の専門的知識及び技術を活用した処遇調査を行いまして、その特性の把握に努めているところでありまして、拘禁刑受刑者に対しても、このような専門的知識及び技術を活用した処遇調査を行った上で、作業や指導の必要性を判断することとなります。
 拘禁刑創設の趣旨を踏まえまして、判断の適正さを担保するためには、一層的確に受刑者の特性を把握することが重要となるため、刑事施設において処遇調査を行う職員について必要な人員を確保するとともに、個々の職員の能力の向上も図ることが必要になると認識しておりまして、御指摘のとおり、必要な体制の整備に十分努めてまいりたいと考えております。
 また、必要に応じまして、受刑者に対し、長年にわたり若年者を中心に専門的知識を用いた科学的調査を行ってまいりました少年鑑別所の鑑別を受けさせることを可能とする法改正も本法律案に盛り込まれておりまして、受刑者の特性の把握をするに当たりまして、少年鑑別所の調査機能も十分効果的に活用してまいりたいと考えてございます。
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尾崎正直#8
○尾崎委員 どうもありがとうございます。入口として一番大事なところだと思いますので、是非しっかりと御対応いただきたいと思います。
 続きまして、教育についてであります。
 拘禁刑の創設によりまして、若年の受刑者に対しては、現行に比べて基礎学力の向上に向けた指導時間を増加させることができるなど、的確な処遇、これが充実をしていくことになります。問題は、各施設における教える体制は十分なのかということであります。
 松本少年刑務所では、施設の中に地元中学の分校が設置されていると伺っているところでありますけれども、こうした外部の教育施設との連携をより一層強化するなど教える体制を強化する必要がある、そのことが大事ではないかと思いますが、御見解をお伺いします。
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佐伯紀男#9
○佐伯政府参考人 お答え申し上げます。
 従来も、刑事収容施設法が規定する矯正処遇といたしまして、作業改善指導、教科指導を実施してきたところでございます。御指摘のような一部の刑事施設、例えば松本少年刑務所では、近隣の中学校の分校を設置いたしたり、あるいは近隣の高等学校の協力の下、通信制課程を設置したりという行いをしているところでございます。
 しかしながら、大半の受刑者を占める懲役受刑者につきましては、一定の作業時間を作業に割かなければならないとされているため、このような取組にも一定の限界がございました。これに対しまして、拘禁刑受刑者に対しましては、その個々の特性に応じて作業改善指導、教科指導を柔軟に組み合わせて実施することが可能となります。これによりまして、例えば、処遇調査の結果、学力不足により社会生活に支障がある者など教科教育を十分に行うべきと考えられる若年受刑者などには学力向上のための指導を中心に行うなど、柔軟な処遇を実施することを想定してございます。
 そのためには、教科指導の内容の充実を図る必要もあると考えられるところでございまして、刑事施設の各種体制の整備、これを整えるとともに、従来から御協力いただいている教育機関やその関係者の方、あるいは関係機関との効果的な連携を更に深めて行っていくよう、在り方について引き続き検討をしてまいりたいと考えてございます。
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尾崎正直#10
○尾崎委員 是非よろしくお願いしたいと思います。
 再犯の防止のためには社会復帰支援の充実、これが大事なことは言うまでもありません。社会復帰支援を刑事施設の長の責務としたりとか、またさらには、保護観察所の生活環境の調整との連携強化をうたうなど、法案ではその充実を図る方向でありまして、この点、大変評価できるところだと思います。
 ただ、一つ気になっておりますのは、協力雇用主との連携の在り方であります。
 協力雇用主のうち、実際に保護観察対象者等を雇用しておられる方というのは、実際のところはほんの一握りにすぎないということでありまして、令和元年でも僅か六・八%という状況であります。様々な理由があると思いますけれども、政府として今後どのような対策を講じていこうと考えているか、お伺いをしたいと思います。
 例えば、それぞれの施設の職業訓練プログラムを定めるに当たって、協力雇用主のニーズをより一層踏まえた内容とするよう努めるとか、より実効性あるプログラムとなるよう取り組んでいかなければならないのではないか、その点についての御見解をお伺いしたいと思います。
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佐伯紀男#11
○佐伯政府参考人 お答え申し上げます。
 受刑者の就労を支援し、釈放後速やかに就職できる状況にあるということは、再犯を防止する上で極めて重要なことでありまして、そのため、刑務所内における職業訓練の種目や内容が社会の雇用ニーズに応じたものであることが必要でありまして、委員御指摘のとおりだと考えてございます。
 このため、刑事施設におきましては、毎年、協力雇用主や各種業界団体、関係機関等による職業訓練見学会というものを実施しておりまして、充実すべき訓練内容や今後新たに導入するべき訓練種目などについて御意見をいただく機会を設けておりますほか、有効求人倍率などを参考としつつ、職業訓練が雇用ニーズに応じたものとなるよう、継続的にその充実や内容の見直しを図っているところでございます。
 今後とも、協力雇用主のニーズの的確な把握に努めまして、雇用ニーズに応じた職業訓練が実施できるよう、その充実に取り組んでまいります。
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尾崎正直#12
○尾崎委員 教育、さらには協力雇用主の皆様との関係、様々に、今後この拘禁刑創設に当たって体制を整備しないといけないことは多いと思います。是非お取組を強化をしていただきたい、そのように考えるところです。
 続いて、刑の執行猶予制度の拡充についてお伺いをいたします。
 法案によりますと、保護観察付執行猶予中の再犯について再び執行猶予を付すことができるようになるなどという形で、刑の執行猶予の適用範囲が拡大をされるわけであります。裁判所の選択肢も広がる、それぞれの対象者の特性等に応じたより一層的確な処遇が図られることが期待をされるわけでありますけれども、こちらについても各種の体制整備が必要かと思います。
 何といっても、やはり保護観察付執行猶予を受ける方のケースというのは増えてくるんじゃないかと予想されるわけですが、他方で、保護司の皆様方の現在の充足率は大体九割程度で推移をしているという状況です。保護司の確保、こちら、より一層力を入れなければならないと考えるわけですが、御見解をお伺いしたいと思います。
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宮田祐良#13
○宮田政府参考人 お答え申し上げます。
 保護司の数は減少傾向が続いてございます。
 法務省では、保護司のなり手確保の観点も踏まえまして、保護司専用ホームページの開発、運用、タブレットの配備等のデジタル化に着手するなど、保護司の活動環境の整備や負担軽減等に努めているところでございます。
 御指摘いただきましたとおり、新たな制度の下で保護観察対象者の増加も予想されることがありますので、保護司専用ホームページの活用促進等のデジタル化の着実な実施、自宅以外の面接場所の提供といった地方公共団体による支援の拡充など、一層の環境整備や負担軽減を検討していく必要がございます。
 法務省といたしましては、保護司活動の環境整備、負担軽減策に全力で取り組みまして、保護司適任者の確保に力を注いでまいりたいと考えております。
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尾崎正直#14
○尾崎委員 ありがとうございました。
 高齢化も進んできているという状況でございますので、この点は本当に力を入れなければならない点だろう、そのように考えるところであります。
 また、この法案によりますと、保護観察中の処遇も非常に充実してくることになり、中でも、更生保護施設の役割がより一層重要なものとなってくると考えられるところであります。
 例えば、薬物犯罪など特定の犯罪的傾向を改善するための援助なども実施をされることとなるわけでありますけれども、もっと言えば、さらにこれを特別遵守事項ともし得るというふうに法改正がされていくわけであります。
 これらの改善プログラムの質の担保ということが非常に重要になってくるかと考えるわけでありますが、この点、法案では、法務大臣が定める基準に適合することを求めておられるわけではありますけれども、そもそも、それぞれの更生保護施設において、充実したプログラムを作り、実施するための人的、予算的体制は十分なのかということであります。非常に小さな施設で頑張っておられるところもたくさんあるわけでありまして、国としても、より一層更生保護施設に対する支援を充実させる必要があるのではないかと考えるところですが、御見解をお伺いしたいと思います。
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宮田祐良#15
○宮田政府参考人 お答え申し上げます。
 今回の法改正によりまして、更生保護施設等による薬物等の犯罪的傾向を改善するための専門的な援助、これを事業内容として明確化するなどによりまして、更生保護施設による処遇の一層の充実が求められているところでございます。
 この点、更生保護施設がこういった処遇を実施するに当たりましては、薬物以外の専門的な処遇についても的確に対応していただく必要がありますほか、専門的援助の実施に伴う報告等の負担が新たに発生するなどの課題があるものと認識しております。
 このため、更生保護施設が充実した処遇を実施できるよう、専門的援助を含め、処遇の内容や負担に応じた委託の在り方の検討など、国として、人的、物的体制整備に向けた必要な支援を行ってまいりたいと思っております。
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尾崎正直#16
○尾崎委員 是非、これは大変期待されているところだと思います、対策をしっかりと講じていただきたいというふうに考えるところです。
 満期釈放者対策についてお伺いをしたいと思います。
 満期釈放者の再犯率を引き下げていくことが大きな課題でありまして、出所受刑者の二年以内再入率は、満期釈放の場合は仮出所の場合の約二倍以上という状況でありまして、ここが本当に大きなポイントとなるわけであります。
 法案では、本人からの申出があった場合に行われます更生緊急保護の期間、これが二年までという形で延長されたりとか、本人から申出がない場合でも必要な助言が行われることとなっておりまして、本当にこちら、対策を強化しよう、そういうお考えが見えてくるわけであります。
 この更生緊急保護の中身を一層充実させていく必要があると考えるところであるわけでありますけれども、近年、いろいろ新たな取組が行われているところだと思いますけれども、その現状と効果などについてお伺いしたいと思います。
 更生保護施設によります訪問相談支援事業がモデル事業として八施設で行われておりますけれども、その現状はどうなのか。また、地域の支援者たちのハブ機能や支援者支援機能を有します更生保護地域連携拠点事業、これが全国三か所で行われることとなっておりますけれども、その狙いはどうか。こちらについてお伺いしたいと思います。
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宮田祐良#17
○宮田政府参考人 お答え申し上げます。
 満期釈放者等につきましては、それぞれ様々な課題を抱えているものの、地域で適切な支援につながることができないで孤独、孤立に陥り、結果として再犯に至るということも少なくないわけでございます。
 こうした課題に対応するため、更生保護施設を退所した者等に対しまして、更生保護施設の職員が定期的に居宅を訪問して支援する訪問支援事業を昨年度から全国八か所で開始しております。この事業を実施する更生保護施設からは、例えば、アルコール依存のある者に対する継続的な支援によりまして飲酒による問題行動を防ぐことができたといった、効果を実感する声が寄せられております。
 また、満期釈放者等に関する課題の解消のためには、地方公共団体、保護司等の民間協力者、関係機関が多機関ネットワークを構築いたしまして、相互の連携をより一層強化する必要があることから、都道府県域に専任のコーディネーターを配置します更生保護地域連携拠点事業を今年の十月から全国三か所において実施する予定となっております。
 これらの事業の実施状況を踏まえまして、各地域で必要な支援が円滑に行われますよう、適切に対応してまいりたいと考えております。
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尾崎正直#18
○尾崎委員 この訪問相談支援事業は大変有効だと思うわけでありますが、八施設ということですね。是非、効果を見極めていただいて、早期に、また全国でも展開できるように頑張っていただきたいものだ、そのように考えるところであります。
 更生緊急保護の期間が最長二年間、先ほど申し上げました。ただ、満期釈放者を始め、再犯防止を徹底していくという観点からは、こうした刑事手続が終了した後も、本当に、切れ目なく息長く支援を継続していくということがやはり重要なんだろうと思います。そういう点からいきますと、出所者の皆さんがお暮らし続けられるところの地方自治体の役割というのは非常に大きなものが今後あるのではないかと考えるところでございます。
 市町村段階での地方再犯防止計画、もっともっと策定していただきますように促していかなければならないというふうに考えるわけでありますが、その上で、自治体が、再犯防止に向けた取組、これをしっかりやっていただけるように後押しをする、そして、国から自治体への財政支援もしっかり充実させる、こういうことが必要だと考えるところでありますけれども、御見解を伺いたいと思います。
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吉川崇#19
○吉川政府参考人 お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、罪を犯した者の再犯を防止するためには、刑事司法手続終了後も地域社会において息の長い支援を行う必要があり、地方公共団体の役割は重要でございます。
 法務省では、これまで、三十六の地方公共団体に委託して地域再犯防止推進モデル事業を実施し、その成果を他の地方公共団体に共有するとともに、地方公共団体が再犯防止施策を行う上での課題について、地方公共団体などと協議を重ねてまいりました。
 これらを通じ、法務省として、地方公共団体の取組を推進するためには、国と地方公共団体との役割分担や国から地方へのつなぎの在り方について整理し、地方公共団体に実施していただく施策をより具体的に提示することが必要と考えております。あわせて、地方公共団体からは、施策を実施するための財政支援などについて御要望をいただいているところでございます。
 法務省としては、さらに、地方公共団体の御意見も伺いながら、これらの点について検討を進めるなど、速やかに課題に取り組んでまいります。
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尾崎正直#20
○尾崎委員 是非、大事なことだと思います、進めていただきたいと考えるところです。
 最後に、大臣にお伺いをさせていただきたいと思うわけであります。
 再犯防止を一層進めていくためにも、受刑者ごとに、その年齢、特性等に合わせて、処遇要領の定め、必要な作業、必要な指導の実施、社会復帰支援、保護観察、更生緊急保護、自治体による支援、こういう形で、切れ目なく息長く処遇を行っていくということが大事だと考えるところであります。
 今後とも、組織の縦割りを排して、関係者の連携を密にして、切れ目なく息の長い対策を講じていく必要があると考えるわけでありますが、最後に、大臣にこの点についての御決意をお伺いしたいと思います。
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古川禎久#21
○古川国務大臣 お答えいたします。
 罪を犯した者の再犯を防止するためには、釈放後の円滑な社会復帰が不可欠でございます。これまでも、矯正官署と更生保護官署が連携をして、受刑者に対して、釈放後には自立した社会生活を速やかに送ることができるよう、生活環境の調整等を実施してきたところでございます。
 今回の法改正では、受刑者の社会復帰支援をより一層推進していくために、刑事収容施設法では、受刑者の社会復帰支援を刑事施設の長が保護観察所の長と連携して実施する規定、そして、更生保護法においては、満期釈放者等に対し、更生緊急保護の措置を取り得る期間を一年から二年に延長し、その申出を刑事施設収容中から可能とする規定などの法整備を行うものでございます。
 受刑者の円滑な社会復帰による再犯防止の推進に向けて、これらの新たな施策等を通じて、これまで以上に矯正官署と更生保護官署が連携を強化し、受刑中から釈放後の社会生活までを見据えた、切れ目なく息の長い支援の実施に一層努めてまいりたいと考えております。
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尾崎正直#22
○尾崎委員 大臣、どうもありがとうございました。
 最後に、一点要請をさせていただきたいと思うわけでありますが、今回の法案によりまして、いわゆる受刑者の皆さん、受刑者等皆様方の処遇は充実をしていくわけでありますが、他方で、被害者の方への様々な支援ということを充実させるということもしていかなければ均衡を欠くんだろう、そのように思うところでありまして、経済的支援の充実も含めまして、是非、この点もまた今後政府において御検討いただきたい、要請としてこのことをお話しさせていただきたいと思います。
 それでは、侮辱罪についてお伺いをさせていただきたいと思うところです。
 昨日、参考人質疑で、本当に木村響子様のお話には胸をつまされる思いがいたしたところでありました。木村花さん、本当に心から御冥福をお祈りを申し上げたい、私からも申し上げたい、そのように思うところであります。
 その上で、この侮辱罪について、まず政府にお伺いをします。
 今回の侮辱罪の法定刑の引上げの狙い、これはどういうものか、また時効はどうなるのか、簡潔に分かりやすくお答えいただきたいと思います。
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川原隆司#23
○川原政府参考人 お答えいたします。
 近時、インターネット上の誹謗中傷が社会問題化していることを契機といたしまして、誹謗中傷に対する非難が高まるとともに、これを抑止すべきとの国民の意識も高まっているところでございます。
 こうしたことに鑑みますと、公然と人を侮辱する侮辱罪につきまして、厳正に対処すべき犯罪であるという法的評価を示し、これを抑止することが必要であると考えているところでございます。
 そこで、現行法上拘留又は科料とされている侮辱罪の法定刑を引き上げて、一年以下の懲役若しくは禁錮若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料とするものでございます。
 お尋ねの公訴時効の期間でございますが、公訴時効につきまして、現行の侮辱罪は拘留又は科料に当たる罪として一年とされているところでございますが、この法定刑の引上げによりまして三年に延びることとなるものでございます。
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尾崎正直#24
○尾崎委員 開示請求には時間がかかるという中で、時効一年というのが一つの壁になってきたわけでありますが、それが三年になるということかというふうに伺いました。
 続いて、この法定刑の引上げによりまして、今まで取り締まられなかった行為が取り締まられることとなる、結果、表現の自由に対して強い萎縮効果をもたらす、ひいては政治家による言論の弾圧につながるもの、そういうような懸念の声も上がっているわけでありますけれども、この点についてどのように考えるか、簡潔にお答えいただきたいと思います。
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川原隆司#25
○川原政府参考人 お答えいたします。
 今般の法整備は、侮辱罪の構成要件を変更するものではなく、処罰の対象となる行為の範囲、すなわち侮辱罪が成立する行為の範囲は変わらないところでございます。
 また、法定刑として、現在あります拘留、科料を引き続き置くこととしておりまして、当罰性の低い行為を含めて、侮辱行為を一律に重く処罰することを趣旨とするものではございません。
 その上で、法定刑が引き上げられた場合の運用につきまして、侮辱罪を含め、刑事事件における捜査機関や裁判所の判断は、刑事訴訟法等の規定に従い、証拠に基づいて個別の事案ごとになされるものでありまして、御懸念の点につきましては、法制審議会の部会におきましても、捜査、訴追を行う警察、検察の委員から、これまでも表現の自由に配慮しつつ対応してきたところであり、この点については今般の法定刑の引上げにより変わることはない等の考え方が示されたところでございます。
 したがいまして、今般の侮辱罪の法定刑の引上げは、表現の自由を不当に侵害するものでも言論の弾圧につながるものでもないものと考えております。
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尾崎正直#26
○尾崎委員 どうもありがとうございました。大事な点だというふうに思うところです。
 昨日、山田委員の御質疑の中でもありましたけれども、今回野党の皆様からこの対案、法案が出された、このことは、本当に、議論を深めていくという観点から非常に大事なことであって、有意義なことだと思います。是非、議論を深めるために、こちらにつきましても御質問させていただきたい、そのように考えるところであります。
 法案提出者の方にお伺いしたいと思いますけれども、まず第一に、侮辱罪をそのまま残したままで、あえて加害目的誹謗等罪を創設する理由、これは何でしょう。
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米山隆一#27
○米山議員 時間が足りなさそうなので、早口でお答えさせていただきます。
 加害目的誹謗等罪は、近年におけるインターネット上の誹謗中傷による被害の実情に鑑み、現行の名誉毀損罪や侮辱罪では処罰し難い誹謗中傷行為を正面から処罰の対象とするものです。すなわち、現行の名誉毀損や侮辱罪は、外部的名誉を保護法益とするのに対し、加害目的誹謗等罪は、内面の人格を保護法益とする新たな構成要件を定めたものです。
 また、処罰の対象となる行為も、他人を低く評価する価値判断を表示することである侮辱と、そのような評価の要素を含まないものもある誹謗中傷とは、重なる部分もありますが、異なる部分もあり、概念として別のものです。
 よって、侮辱罪と加害目的誹謗等罪は、それぞれ保護法益や処罰対象となる行為を異にし、相互に矛盾するものではなく、むしろ、悪質なネット上の誹謗中傷に対処するものとして相互補完関係にあると言えることから、侮辱罪を残したまま、新たな罪を創設することといたしました。
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尾崎正直#28
○尾崎委員 侮辱罪では公然とという構成要件が入っていますが、加害目的誹謗等罪では入っていません。この理由は何でしょうか。
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米山隆一#29
○米山議員 近年問題となっておりますインターネット上の誹謗中傷は、時に、ダイレクトメールや電子メールといった一対一でやられることもありますし、LINEいじめのように、少人数のクローズドな環境で行われることもございます。
 そのようなものに公然性を要求してしまいますと、そのようなものが処罰対象となりませんので、あえてこれは公然性という要件を外させていただきました。
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