法務委員会

2023-03-29 衆議院 全158発言

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会議録情報#0
令和五年三月二十九日(水曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 伊藤 忠彦君
   理事 谷川 とむ君 理事 藤原  崇君
   理事 牧原 秀樹君 理事 宮崎 政久君
   理事 鎌田さゆり君 理事 寺田  学君
   理事 沢田  良君 理事 大口 善徳君
      東  国幹君    五十嵐 清君
      石橋林太郎君    岩田 和親君
      奥野 信亮君    加藤 竜祥君
      熊田 裕通君    鈴木 馨祐君
      田所 嘉徳君    高見 康裕君
      中曽根康隆君    鳩山 二郎君
      平口  洋君    深澤 陽一君
      山下 貴司君    鈴木 庸介君
      中川 正春君    山田 勝彦君
      吉田はるみ君    阿部 弘樹君
      漆間 譲司君    日下 正喜君
      平林  晃君    鈴木 義弘君
      本村 伸子君
    …………………………………
   法務大臣         齋藤  健君
   法務副大臣        門山 宏哲君
   経済産業副大臣      太田 房江君
   法務大臣政務官      高見 康裕君
   会計検査院事務総局第五局長            宮川 尚博君
   最高裁判所事務総局刑事局長            吉崎 佳弥君
   最高裁判所事務総局家庭局長            馬渡 直史君
   政府参考人
   (警察庁長官官房審議官) 親家 和仁君
   政府参考人
   (法務省大臣官房政策立案総括審議官)       上原  龍君
   政府参考人
   (法務省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化審議官)           押切 久遠君
   政府参考人
   (法務省民事局長)    金子  修君
   政府参考人
   (法務省刑事局長)    松下 裕子君
   政府参考人
   (法務省矯正局長)    花村 博文君
   政府参考人
   (法務省保護局長)    宮田 祐良君
   政府参考人
   (法務省人権擁護局長)  鎌田 隆志君
   政府参考人
   (出入国在留管理庁次長) 西山 卓爾君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房危機管理・医務技術総括審議官)            浅沼 一成君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           大坪 寛子君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           森光 敬子君
   政府参考人
   (厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長)    辺見  聡君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房審議官)           藤本 武士君
   政府参考人
   (防衛省大臣官房衛生監) 鈴木 健彦君
   法務委員会専門員     白川 弘基君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月二十九日
 辞任         補欠選任
  岩田 和親君     中曽根康隆君
同日
 辞任         補欠選任
  中曽根康隆君     岩田 和親君
    ―――――――――――――
三月二十九日
 仲裁法の一部を改正する法律案(内閣提出第二八号)
 調停による国際的な和解合意に関する国際連合条約の実施に関する法律案(内閣提出第二九号)
 裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第三〇号)
同月十六日
 刑務所の名称変更に関する請願(末松義規君紹介)(第三三三号)
 国籍選択制度の廃止に関する請願(近藤昭一君紹介)(第三三四号)
 元々日本国籍を持っている人が日本国籍を自動的に喪失しないよう求めることに関する請願(近藤昭一君紹介)(第三三五号)
同月二十八日
 国籍選択制度の廃止に関する請願(枝野幸男君紹介)(第五七四号)
 元々日本国籍を持っている人が日本国籍を自動的に喪失しないよう求めることに関する請願(枝野幸男君紹介)(第五七五号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 会計検査院当局者出頭要求に関する件
 政府参考人出頭要求に関する件
 仲裁法の一部を改正する法律案(内閣提出第二八号)
 調停による国際的な和解合意に関する国際連合条約の実施に関する法律案(内閣提出第二九号)
 裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第三〇号)
 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件
     ――――◇―――――
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伊藤忠彦#1
○伊藤委員長 これより会議を開きます。
 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 各件調査のため、本日、政府参考人として警察庁長官官房審議官親家和仁君、法務省大臣官房政策立案総括審議官上原龍君、法務省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化審議官押切久遠君、法務省民事局長金子修君、法務省刑事局長松下裕子君、法務省矯正局長花村博文君、法務省保護局長宮田祐良君、法務省人権擁護局長鎌田隆志君、出入国在留管理庁次長西山卓爾君、厚生労働省大臣官房危機管理・医務技術総括審議官浅沼一成君、厚生労働省大臣官房審議官大坪寛子君、厚生労働省大臣官房審議官森光敬子君、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長辺見聡君、経済産業省大臣官房審議官藤本武士君及び防衛省大臣官房衛生監鈴木健彦君の出席を求め、説明を聴取し、また、会計検査院事務総局第五局長宮川尚博君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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伊藤忠彦#2
○伊藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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伊藤忠彦#3
○伊藤委員長 次に、お諮りいたします。
 本日、最高裁判所事務総局刑事局長吉崎佳弥君及び家庭局長馬渡直史君から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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伊藤忠彦#4
○伊藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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伊藤忠彦#5
○伊藤委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。熊田裕通君。
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熊田裕通#6
○熊田委員 おはようございます。自由民主党の熊田裕通でございます。
 まずは、この発言の機会を与えていただきました理事始め関係の皆様に心から感謝を申し上げたいと思います。
 私は、去る三月十三日に、理事の皆さんと一緒に名古屋の刑務所、そして名古屋入管の視察の機会を得させていただくことができました。まず、刑務所はなかなかお邪魔する機会はありませんでしたが、近いところでありましたが、初めてお邪魔をして、刑務所の中、理事の皆さんと一緒に視察をさせていただきました。
 率直に感じましたのは、刑務所にも、この日本の高齢化がかなり進んでいるんだなということを実感をいたしました。労務をするわけじゃなくて、認知症にならないような、作業というよりも、そういったリハビリをされている姿も拝見をいたしました。
 今回、あってはならない刑務官の暴力事案によってこの視察が組み入れられたわけでありますけれども、私は別に、暴力に対して容認するつもりは全くありませんが、そもそも社会のルールに、守れなくて入っている人たちばかりであります。これから、懲役ではなく禁錮刑、ですから、それぞれの個人に合った指導をして……ヤジ拘禁刑ですね、それぞれの個人に合った指導をして再犯を防いでいく、もう二度と帰ってこないようにするということでありますけれども、そもそもルール、しかも名古屋刑務所は、刑法犯ではなく、割と、俗的に言うととがった人たちがたくさん入っているところであって、この人たちにどう指導していくのか、なかなか難しいことをされなきゃならないんだなということを本当に実感として感じました。
 私は、先ほど申し上げたように、暴力を、今回の事案を容認するつもりはありませんが、最後に、離れるときに、刑務官の責任者の方に私が申し上げたのは、今回の事案は二度とあってはいけないことだと思います、しかし、この事案によって、通常にやっていらっしゃる刑務官の皆さんが萎縮することのないように、胸を張ってしっかりとやってくださいということを申し上げることしか実はできませんでした。本当に、実感として、大変だなということを感じたわけであります。
 もう一つ、その後、名古屋入管の方にもお邪魔をさせていただきました。ウィシュマさんが最後に滞在をされたお部屋も、実際、この目で拝見をさせていただきました。鎌田先生が思わず手を合わされている姿を見て、私も後ろで一緒に手を合わさせていただきました。
 昨年、法務の理事として、ウィシュマさんの最後の六時間以上にわたるビデオも私も拝見をさせていただきました。ちょうど同じぐらいの年齢の娘が私もおりまして、確かにこの入管に入らなきゃならないそれなりの理由はあったにしろ、異国の地で独りでどんな思いでおられたのかな、娘を思い出しながら見ていると、いたたまれない気持ちでありました。
 この事案につきましては、医療的体制や職員の人権意識の問題など、様々なことが指摘をされております。入管庁は、同様の事案の再発防止のために医療体制の強化などの改善策を取ってきており、現場を見て、改善状況に関する説明も受けさせていただきました。現場の職員の皆さんが今回の事案を重く受け止めて、その反省の下で改善に真剣に取り組んでいる姿勢を確かめることもできました。
 三月二十日には、収容に関する改善策の取組状況について、新たな公表がされたと伺っております。今回提出された入管法等改正のこの法案によって、一層確実にこの名古屋入管事案の再発防止がしっかりと図られることができるのか、まずは法務大臣に所見をお伺いいたします。
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齋藤健#7
○齋藤(健)国務大臣 私も名古屋入管は視察をさせていただきまして、ウィシュマさんのおられた部屋も見させていただきまして、全く同じ思いを共有させていただきます。
 入管庁では、これまで、名古屋事案の調査報告書で示された改善策を中心に、組織、業務改革に取り組んでまいりましたが、こうした取組により、常勤医師の確保等の医療体制の強化や職員の意識改革の促進など、改革の効果が着実に表れてきていると感じています。
 加えて、今回の改正法案には、例えば、入管収容施設において常勤医師を確保する上で支障となっている、民間医療機関と比較した待遇面での格差を是正するため、現行法における常勤医師の兼業要件を緩和し、柔軟な兼業を可能とする。それから、全件収容主義と批判されている現行法を改め、監理措置を創設し、収容しないで退去強制手続を進めることができる仕組みとした上で、収容した場合であっても、三か月ごとに収容の要否を見直して、不必要な収容を回避する。体調不良者の健康状態を的確に把握して、柔軟な仮放免判断を可能とするために、健康上の理由に基づく仮放免請求については、医師の意見を聞くなどして、健康状態に十分配慮して仮放免に係る判断をするように努めることとするなどの施策を今回の改正法案には盛り込んでいるわけであります。
 現在、入管庁が取り組んでいる組織、業務改革に加え、今回の改正法案により、名古屋事案と同様の事案を防止することが、私はできると確信をしております。
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熊田裕通#8
○熊田委員 ありがとうございました。しっかり取り組んでいただきたいと思います。
 私は、ちょっと話題を変えて、送還忌避者、この問題について御質問したいと思いますが、これはインターネットを通じて一般の国民の皆さんも聞いていただいているので、基本的なことをお伺いしますので、おつき合いをいただきたいと思います。
 強制退去手続では、強制退去事由があって、本来退去すべき者が残留を希望するという場合は、約七割については、人道上の配慮の観点から在留を特別に許可しているということも伺いました。じゃ、残りの残留を認めなかった人については速やかに送還すべきだと考えておりますが、先日、入管庁がホームページで公表した「現行入管法の課題」でも、殺人や強盗致傷罪などで有罪判決を受け、刑務所出所後に難民認定申請をして、その後も複数回申請を繰り返すなどの事例の記載がございました。
 刑務所での服役後、送還前になって初めて行う難民認定申請などは、送還を免れるためであることが明らかではないかと考えております。このような送還忌避者による難民認定申請は認めるべきではなく、直ちに送還すべきだと考えますが、なぜ送還することができないのか、お答えいただきたいと思います。
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西
西山卓爾#9
○西山政府参考人 現行入管法では、我が国で例えば重大犯罪を犯して有罪判決を受けたような者であっても、難民認定申請さえすれば、申請の理由や回数を問わず一律に送還が停止されることとされております。したがいまして、例えば難民認定制度の誤用、濫用が疑われる者についても送還することができない事態が生じているところでございます。
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熊田裕通#10
○熊田委員 難民認定申請をする限り、回数や理由を問わずに送還できないというお答えだと思っておりますが、本当にこれは一般の国民の皆さんが聞いていて納得できるのか、私はいろいろなことを考えます。また、これらの者の管理が適切に行われていないことも指摘をしておきます。
 一枚目の資料を御覧ください。
 令和三年末で、三千二百二十四名のうち七十九名しか収容しておらず、一方、送還忌避者の中には懲役三年以上の実刑を受けた者のみだけでも三百人以上いるということですから、重大犯罪を犯した者も収容が解かれているということが明らかであります。
 さらに、令和四年の速報値では、収容が解かれた者のうち千四百人が逃亡しているということで、この中には、本来、解くべきではなかった前科を有する者も含まれているということも明らかで、国民が不安を覚えるという事態になっているのではないかと思っております。
 逃亡者数が増えている原因と、この逃亡者数の増加をどう捉えておるのか、お答えください。
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西
西山卓爾#11
○西山政府参考人 もとより、仮放免中の逃亡の原因について、個別事案ごとで様々であると考えられまして、増加の原因について一概にお答えすることは困難ではございますが、他方、現行法上では、被収容者の収容を解く手段は仮放免しかないため、実務上、個別の事情に応じて仮放免を柔軟に活用し、収容の長期化等を回避してきたものでございます。
 しかし、この仮放免制度は、本来は一時的に収容を解除する制度でございまして、逃亡等を防止する手段が十分でなく、相当数の逃亡事案等が発生しているところでございます。
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熊田裕通#12
○熊田委員 逃亡者数が増えていることは見過ごすことがない重大な問題と考えております。また、入管法の課題の事例の中に、これは二枚目の資料になりますが、強制わいせつ致傷罪で四年の実刑判決を受けた者が、刑務所出所後に難民認定申請をして仮放免許可され、その仮放免中に強姦致傷に及んで六年の実刑判決を受けたという記載があります。
 日本で性犯罪を行った者が、仮放免され、再度性犯罪を犯し、なぜいまだに退去させることができないのか。被害者が納得のいく説明ができないと思いますし、今後、この者が再度犯行に及んだら誰が責任を取るのかと考えざるを得ません。先日、法務省に説明を求めましたら、この者はまた仮放免されたということですが、このような者が仮放免されるなど、全く信じることができません。
 地元でこの話題を後援会の皆さんにお話をしたら、非常に皆さんが不思議がって、憤っておられました。個別の事案には答えられないというふうに思いますが、仮にこの方の支援運動があったとしても、毅然とした態度を取ってもらいたいと私も思いますし、私の支持者の皆さんもそのとおりだと言っておられました。
 今回、政府提出の改正法案には、一定の重大前科を有する者を送還停止効の例外の対象とするという規定を設けておると承知しておりますが、私が紹介した強盗致傷などで六年の実刑判決を受けた者が、この政府提出の改正法の規定上、送還停止効の例外に当たり送還できることになるのか、法務省の見解をお答えください。
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西
西山卓爾#13
○西山政府参考人 今回の改正法案では、無期若しくは三年以上の拘禁刑の実刑判決を受けた者を送還停止効の例外として規定しておりますため、御指摘の仮放免中に強姦致傷に及んで懲役六年の実刑判決を受けた者はこれに該当することから、送還停止効の例外となり、難民認定申請中であっても送還が可能になります。
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熊田裕通#14
○熊田委員 ありがとうございました。
 保護すべき者を適切かつ迅速に保護すること、また施設での処遇を適切に行うことは当然であります。私は、重大前科を有しながら難民認定申請を濫用する者など、退去させるべき者については迅速に送還すべきことが日本の国民の皆さんのためになると考えております。
 出入国在留管理は国家主権の最たるものであり、多くの国民は入管に対し、このような者を断固送還してくれることを求めており、正しいことをしていることと必ず理解していただけると思います。
 送還忌避問題の解決に向けた、最後に、大臣の意気込み、決意をお伺いをしたいと思います。
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齋藤健#15
○齋藤(健)国務大臣 現行入管法下で生じております送還忌避、長期収容の問題は早期に解決していきたいと考えています。他方で、人道上の危機に直面し、真に庇護すべき方々を確実に保護する、そういった制度の整備もまたやっていきたいと思っています。
 入管制度全体を適正に機能させ、保護すべき者を確実に保護しつつ、ルールに違反した者には厳正に対処、そういうことができる制度とするためには、こうした現行入管法下の課題を一体的に解決する法整備を行うということが必要不可欠であると考えておりまして、そこで、今回の改正法案におきましては、保護すべき者を確実に保護した上で、在留が認められない者については迅速に送還可能とする。また、長期収容を解消し、収容する場合であっても適正な処遇を実施する。そういう考え方の下に、様々な方策を組み合わせ、パッケージで課題を一体的に解決し、外国人の方々の人権を尊重しつつ、適正な出入国在留管理を実現するバランスの取れた制度にしようというものでございます。
 これは、令和三年通常国会に提出した法案について、修正すべき点を修正した上で再提出をしたものでありまして、国会において十分な御審議をいただけるよう必要な説明を尽くしてまいりたいと考えています。
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熊田裕通#16
○熊田委員 終わります。ありがとうございました。
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伊藤忠彦#17
○伊藤委員長 次に、日下正喜君。
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日下正喜#18
○日下委員 公明党の日下正喜でございます。よろしくお願いいたします。
 まず、三月十三日の名古屋刑務所の視察に関連し質問いたします。
 昨年十二月、名古屋刑務所において、二〇二一年から二二年の間に暴行を含む四百二十一件の不適正処遇事案があったことが報道されました。約二十年前にも暴行によって三名の受刑者が死傷するという事件があり、旧監獄法の全面改正がなされ、再発防止を誓い、進んできたはずの刑務所において、再び国民の信頼を損ねてしまう事件が起きてしまったことについては大変に遺憾に思います。また、約千名の受刑者を抱え、使命感を持って真摯に働かれている多くの刑務官や職員のことを思うと、大変に残念に思います。
 今回の事案は、受刑者の左まぶた付近にけがを認めた職員が当該受刑者に理由を確認したところ、別の職員に暴力を振るわれた旨を申告したことから発覚し、より詳細に監視カメラ等を用いて調査した結果、次々と不適正処遇が発覚したということでございました。二十年前の教訓が生かされていない状況に憮然たる思いを持ちました。もし監視カメラの映像がなかったとしたら他の事案も表には出なかった可能性があります。
 不適正処遇を行った看守など二十二名のうち、十五名は採用三年未満の若手で、組織的な関与ではなかったこと、また、それらを監督すべき職員も全く認識がなかったと伺いました。
 しかし、会社であれ、団体であれ、その組織風土というものは上層部がつくり出していくものです。認識がないこと自体が問題で、日常的なコミュニケーション不足もあったということですが、上司と部下との日常的なささいな会話や触れ合いの中に、人権感覚、人権意識、受刑者に対する蔑みや憎しみ、本人の不満や不安などがあったとしたら、言葉や表情ににじみ出てくるものだと思います。また、逆に、豊かな人権感覚は上司から部下へと流れ通っていくものだと思います。
 理念を組織に浸透させていくためには、形どおりのマニュアルや研修等では足りないのだと思います。施設の性格上、当然、厳しい規律があることは承知しておりますが、役職や階級、また、部署を超えた人間としてのつながりが希薄であったのではないか、新たな改革に向けては、人間的な触れ合いを縦にも横にも築いていくことが必要ではないかと思うのですが、法務大臣の所見をお伺いいたします。
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齋藤健#19
○齋藤(健)国務大臣 過去に重大な死傷事案が生じた名古屋刑務所において再びこのような不祥事が起きたことは誠に遺憾であります。
 職員間で日常的なコミュニケーションを図っていくことは、組織の風通しを良好なものにして、ひいては不祥事を生みにくい環境、こういったものを醸成していくことにつながっていくことから、委員御指摘のように、重要であるというふうに認識しています。
 本件における主な背景事情としては、名古屋刑務所職員による暴行・不適正処遇事案に係る第三者委員会、ここでの御議論を踏まえますと、現時点において、受刑者の特性に応じた処遇方法が十分に検討、共有されていなかったこと、委員御指摘のように、行刑改革会議提言に示された理念が十分に浸透していない状態となっていたこと、こういったことがあったものというふうに考えておりまして、これらに関連し、組織風土の在り方に関する意見も寄せられているところであります。
 今後も、第三者委員会の知見を仰ぎながら、本件事案の背景事情を含めた全体像を解明するとともに、必要な再発防止策を策定をし、国民の皆様の不信を払拭するように真摯に努めてまいりたいと考えています。
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日下正喜#20
○日下委員 先ほどもございましたけれども、名古屋刑務所には、指示に従わない受刑者、また、何度も要求を繰り返す、そういう受刑者もおられるということで、特に若い刑務官であるとか、やはり大変なストレスも抱えているというふうに思います。そういった意味では、看守、また刑務官のストレスケアの方も十分に御配慮いただきますようによろしくお願いしたいと思います。
 また、今回の事案では、カメラ映像や音声は職員がモニター室で目視チェックしていると伺いました。夜間は一人で行っている。数十の映像や音声を常時監視することは物理的にも到底不可能です。デジタル化の時代です。看守等の不自然な動作や受刑者の動作、音声に特異なものが認められたときには、それらを知らせるシステム、AI技術等を用いて構築できるのではないかと考えますが、法務省の御所見を伺います。
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花村博文#21
○花村政府参考人 お答えいたします。
 名古屋刑務所職員による暴行、不適正処遇事案の発生につきまして、極めて重く受け止めております。誠に申し訳ございません。
 刑事施設におきましても、AI技術を始めとするデジタル技術を活用することにより、その業務を効率的かつ円滑に遂行する必要があると考えております。本件事案を受け、直ちにできる対策として、名古屋刑務所におきましては、ウェアラブルカメラを整備することで職員の勤務を可視化し、処遇困難な受刑者に対する適正な処遇の徹底を図るなどの具体的な再発防止策の準備を進めているところでございます。
 また、大臣の御指示により実施しました全国調査の結果も踏まえまして、当局から全国の刑事施設に対し、監視カメラ映像の継続的な検証体制の構築やウェアラブルカメラ等の積極的な活用などにより、職員の被収容者に対する不適切な言動の防止を徹底するよう指示したところでございます。
 いずれにいたしましても、第三者委員会の御知見、御議論も踏まえつつ、各施設の運営の実情に即した形で、委員御指摘のようなAI技術を始めとするデジタル技術を活用することにより、不適正処遇の防止にも資するような一層の業務の合理化、効率化を検討してまいりたいと考えております。
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日下正喜#22
○日下委員 ありがとうございます。
 次に、名古屋入管の視察に関連し質問いたします。
 ウィシュマ・サンダマリさんの痛ましい事件から二年が経過しました。昨年、ウィシュマさんの収容の様子や看守、看護師とのやり取りなどを映像でも拝見し、この度の視察では実際の収容室を見ることもできました。改めて御冥福をお祈りしたいと思います。
 名古屋局では、改善策として、非常勤医師三名、そしてこの四月以降に常勤医師も配置されると聞きました。その他、救急搬送の判断やバイタルチェックの手順に係るマニュアルも令和四年一月には作成されております。さらに、幹部職員、看護師資格を有する入国警備官が参加する診療室会議も定期開催され、被収容者の健康状態等について純粋に医学的見地からの意見具申を受ける機会も設けられているとのことでした。ウィシュマさんのような痛ましい事案を防止するためにも、こうしたシステムがきちんと運用される、血の通った運用がなされることを強く望みます。
 また、ウィシュマさんのビデオ映像でも、片言の日本語での会話は意思疎通の点でも大変不利な状況であったことがうかがえます。既に翻訳機器や医療診察時の通訳も含め複数で利用できる通話機の配備も整えているようですが、十分なコミュニケーションの確保は極めて重要でございます。やはり表情を見ながら意思を自由に表明できる通訳者の拡充も必要なのではないかと思います。この点について、法務省の御所見をお伺いいたします。
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西
西山卓爾#23
○西山政府参考人 名古屋入管におきましてウィシュマさんが亡くなられた事案の調査報告書におきましては、体調不良を訴えるウィシュマさんとの間の意思疎通に問題が生じることがあったことを指摘し、改善策の一つとして、外国人である被収容者の体調等を正確に把握できるようにするため、速やかに基準を定めて、通訳等を積極的に活用することを示したところでございます。
 これを受けまして、入管庁では、医療に関するコミュニケーションが被収容者との間で適切に取られるよう、令和三年九月、医師による診療時には原則として全て外部通訳人を確保すること、また、被収容者からの体調不良の訴えを職員が聞き取る際には翻訳機を活用して意思疎通を図り、翻訳機では不十分と判断される場合には外部通訳人を確保することなどを指示したところでございます。
 現在では、当該指示に基づき、全ての収容施設に翻訳機が配備された上、これを用いて職員と被収容者とのコミュニケーションを行っているほか、医師による診療時には原則として外部通訳人をつけるなど、十分な意思疎通を図る対応を行っているところでございます。
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日下正喜#24
○日下委員 ありがとうございます。
 私が、例えば異国で、言葉の通じないところで同じように収容された場合、やはり翻訳機とか通話機を用いた意思疎通というのは非常に心細いという感覚を持ちました。できたら週に一回とか、収容者の状況を見ながら、本当にじかに通訳を招いて、そういうふうな意思表明ができる機会も設けていただければというふうに思いますので、よろしくお願いします。
 次に、再犯防止対策について質問いたします。
 再犯防止を地域で具体的に進めるためには、各自治体が行う地方再犯防止推進計画の策定が大変重要になります。現在、四十七都道府県全て策定済み、政令指定都市では二十分の十八都市、その他の市町村では千七百二十七分の三百三十七団体、約二割程度となっておりまして、まだまだ進んでいないのが現状でございます。
 出所者の保健、医療、福祉等の各種行政サービスへのアクセスや、地域住民の一員として地域で安定した生活を送ることを考えると、最も身近な基礎自治体が適切にサービスを提供できるかどうかが重要です。立ち直りを決意した出所者が安定して生活を送り、行き詰まりを感じるときに助けを求められるセーフティーネットを地域に張り巡らせていかなければならないと思います。
 全ての基礎自治体における地方再犯防止推進計画の策定など、地方における再犯防止の取組の推進に向けて、法務大臣の御所見及び御決意を伺いたいと思います。
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齋藤健#25
○齋藤(健)国務大臣 再犯を防止するためには、罪を犯した者が地域のセーフティーネットの中に包摂されて、地域社会に立ち戻っていくことが極めて重要であります。この点に関しましては、住民に対する様々な行政サービスを提供する地方公共団体の役割が重要になってくるわけであります。
 法務省では、これまで、地方公共団体による再犯防止の取組を支援するため、地方公共団体を対象にした協議会の開催ですとか、地方再犯防止推進計画策定の手引きの作成、配付などを行ってきたところであります。
 他方、地方公共団体からは、再犯防止の取組をより的確に進めていくために国と地方公共団体の役割分担を明確化してほしい旨の御要望を数多くいただいてまいりました。
 このような御要望も踏まえて、地方における再犯防止の取組がより進むように、本月十七日に閣議決定された第二次再犯防止推進計画では、国、都道府県、市町村の役割分担を明記して、国においては、地方再犯防止推進計画の策定の支援も含め、地方公共団体の取組を支援していくことを盛り込んだところでございます。
 第二次計画に盛り込んだ施策を着実に進めることで、引き続き、地方公共団体との連携を強化し、地域における再犯防止に向けた取組を推進してまいりたいと考えています。
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日下正喜#26
○日下委員 続いて、薬物事犯の再犯防止について伺いたいと思います。
 二年以内の再入率が窃盗に次ぎ高い覚醒剤取締法違反者についてでございますが、薬物事犯については、出所後も、特に保護観察のつかない満期出所者への切れ目ないケアが必要であります。薬物事犯保護観察対象者のうち、保健医療機関等による治療、支援を受けた者の数及び割合でございますが、全体の中で六・三%にとどまっており、まだまだ低い状況です。
 出所者が不安やいらいらを抱えたときに身近にすぐ相談でき、対応してくれる機関があれば、薬物事犯の再犯率をもう少し抑えられるのではないかと思います。
 薬物事犯者の再犯防止のために、こうした機関の理解、協力を得ながら地域につないでいくことが大切であると思いますが、法務省としてどのような取組を行っているのか、お伺いしたいと思います。
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宮田祐良#27
○宮田政府参考人 保護観察におきまして、医療機関への受診につなげるなど、必要な指導や調整を行っているところでございますけれども、医療保健機関等につながる人の数というのはまだ十分ではないという状況でございます。
 また、御指摘いただきましたとおり、再犯を防ぐためには、社会で孤立させず、課題をキャッチして、必要な支援に円滑につないでいくということが重要でございます。
 そこで、薬物事犯者を含めました満期釈放者等に対する息の長い支援を確保するため、更生保護施設退所者等の自宅を訪問するなどの訪問支援事業を、今、全国八施設において展開をしてございます。
 また、地域支援ネットワークを構築するとともに、支援者の後方支援、いわゆる支援者支援を行う更生保護地域連携拠点事業というのを全国三か所で昨年十月から始めたところでございます。
 薬物事犯者が地域において継続的な医療や支援を受けられるよう、地域の関係機関との連携体制の強化を図るとともに、今申し上げました訪問支援事業や更生保護地域連携拠点事業などの充実に取り組んでまいりたいと考えております。
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日下正喜#28
○日下委員 時間が参りました。これにて終了いたします。
 ありがとうございました。
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伊藤忠彦#29
○伊藤委員長 次に、鈴木庸介君。
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