法務委員会

2023-04-18 衆議院 全273発言

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会議録情報#0
令和五年四月十八日(火曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 伊藤 忠彦君
   理事 谷川 とむ君 理事 藤原  崇君
   理事 牧原 秀樹君 理事 宮崎 政久君
   理事 鎌田さゆり君 理事 寺田  学君
   理事 沢田  良君 理事 大口 善徳君
      東  国幹君    五十嵐 清君
      石橋林太郎君    岩田 和親君
      奥野 信亮君    加藤 竜祥君
      熊田 裕通君    小森 卓郎君
      鈴木 馨祐君    田所 嘉徳君
      高見 康裕君    冨樫 博之君
      西野 太亮君    鳩山 二郎君
      平口  洋君    深澤 陽一君
      山下 貴司君    鈴木 庸介君
      中川 正春君    山田 勝彦君
      吉田はるみ君    米山 隆一君
      阿部 弘樹君    漆間 譲司君
      日下 正喜君    平林  晃君
      鈴木 義弘君    本村 伸子君
    …………………………………
   法務大臣         齋藤  健君
   法務大臣政務官      高見 康裕君
   厚生労働大臣政務官    本田 顕子君
   政府参考人
   (内閣法制局第一部長)  木村 陽一君
   政府参考人
   (警察庁長官官房審議官) 早川 智之君
   政府参考人
   (こども家庭庁長官官房審議官)          黒瀬 敏文君
   政府参考人
   (法務省人権擁護局長)  鎌田 隆志君
   政府参考人
   (出入国在留管理庁次長) 西山 卓爾君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           大坪 寛子君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           日原 知己君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           森光 敬子君
   法務委員会専門員     白川 弘基君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月十八日
 辞任         補欠選任
  東  国幹君     西野 太亮君
  田所 嘉徳君     冨樫 博之君
  鳩山 二郎君     小森 卓郎君
同日
 辞任         補欠選任
  小森 卓郎君     鳩山 二郎君
  冨樫 博之君     田所 嘉徳君
  西野 太亮君     東  国幹君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 出入国管理及び難民認定法及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法の一部を改正する法律案(内閣提出第四八号)
     ――――◇―――――
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伊藤忠彦#1
○伊藤委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、出入国管理及び難民認定法及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 本案審査のため、来る二十一日金曜日午前九時、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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伊藤忠彦#2
○伊藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 引き続き、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣法制局第一部長木村陽一君、警察庁長官官房審議官早川智之君、こども家庭庁長官官房審議官黒瀬敏文君、法務省人権擁護局長鎌田隆志君、出入国在留管理庁次長西山卓爾君、厚生労働省大臣官房審議官大坪寛子君、厚生労働省大臣官房審議官日原知己君及び厚生労働省大臣官房審議官森光敬子君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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伊藤忠彦#3
○伊藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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伊藤忠彦#4
○伊藤委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。田所嘉徳君。
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田所嘉徳#5
○田所委員 おはようございます。自民党の田所嘉徳でございます。よろしくお願いいたします。
 退去強制令書についてお伺いをしたいと思います。
 入管は外国人を送り返すことに専念しているというイメージがありますけれども、実際には、摘発されて退去強制手続の対象となる者についても、現実的には多くの者が、退去強制事由に該当していたとしても退去強制令書を発付しないで、送還していないという例があると聞いております。
 我が国の退去強制手続で退去強制令書が発付される者とはどのような者なのか、まずこの点をお聞きしたいと思います。
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西
西山卓爾#6
○西山政府参考人 入管法令に違反したり罪を犯して一定の刑に処せられるなどして我が国にとって好ましくないと認められる外国人は、退去強制事由に該当することとなります。
 しかし、退去強制事由に該当する全ての外国人に対し退去強制令書が発付されるわけではございません。すなわち、退去強制手続において在留特別許可の判断が行われ、難民該当性を主張する場合には難民認定手続を経た上で、難民に該当せず、かつ在留を特別に許可する事情も認められないとして我が国からの退去が確定した場合に退去強制令書が発付されることとなります。
 このうち、退去強制手続における在留特別許可は、過去八年間の年平均が約二千五百件で、これは退去強制手続において本邦への在留を希望して法務大臣の裁決を求めた件数等の約七一%に当たる数でございます。
 退去強制令書が発付される者とは、退去強制事由があるのみならず、このような慎重な手続を経た上で我が国からの退去が確定した者でございます。
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田所嘉徳#7
○田所委員 十分な吟味をされて発付された退去強制令書でありますから、早期の送還を実現すべきということだろうというふうに思っております。
 そういう中にあって、十分な、事情をしんしゃくして判断しているということでありました。大臣に裁決を求めたうちの七一%が在留特別許可をもらっていると、私、ちょっと驚くほど多いなというふうに感じているわけであります。
 私は、厳格な出入国在留管理をする国という観点からすると、この在留特別許可というものを安易に出すということには課題があるというふうに思っております。なぜならば、それを目指して不法に滞在する者が続出するとも限らないわけでありまして、裁量に委ねることの問題、基準が明確で予見可能性があるということが私は非常に重要だというふうに思っております。
 そこで、退去強制令書が発付された後の就労も認めるべきだというような意見もあるようであります。さらには、仮放免者に生活保護をすべきなどとの主張もあります。正規滞在者のみならず、日本人でも自由に生活保護が受けられるわけではないのでありますから、過剰な保護ではないかと思いますし、不法な在留が継続するようなそういう背景になってしまっても困るというふうに思っております。
 そこで、適正な手続保障がされて発付された退去強制令書については、その結果を尊重してすぐに履行されるべきであると考えますが、その点についてどう思いますか。また、今般の法改正で退去強制令書発付後の就業を認めなかったことについてどのように考えているのか、お伺いをしたいと思います。
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西
西山卓爾#8
○西山政府参考人 入管法は在留資格制度を採用しておりまして、我が国において活動する外国人は、適法に在留資格を取得し、当該在留資格に従い在留活動を行うのでなければ我が国に上陸、在留することはできないこととされ、また、就労可能な資格や就労の範囲等については法令で厳格に規定されているものでございます。それにもかかわらず、在留資格を失って我が国から速やかに退去することが確定した者に対し就労を認めることは、入管法における在留資格制度の根幹を損なうものと考えております。
 また、就労を無制限に許可すると、就労のための送還忌避を助長し、迅速な送還の実現という今回の入管法改正の趣旨を没却することとなりかねません。
 したがいまして、今回の本法案におきましては、退去強制令書発付後に監理措置に付された者については就労を許可しないこととしております。
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田所嘉徳#9
○田所委員 罰則つきの退去命令がございます。これではあたかも、帰りたくないと言っている者に、従わなければ刑罰を科するという、何とも厳しく無慈悲なことをするんだというような批判もされるわけであります。
 そこで、具体的にどのような者にその退去強制令書が発出されるのか、お伺いをしたいと思います。また、同様に罰則を設けている国があるのかについてもお伺いをしたいと思います。
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西
西山卓爾#10
○西山政府参考人 現行法下におきましては、我が国からの退去が確定した場合でも、退去を拒む自国民の受取を拒む国、イランでございますが、を送還先とする場合、現に送還中の航空機内で大声を上げたり暴れたりなどの送還妨害行為に及んだ結果搭乗を拒否されたことがあり、再び同様の行為に及ぶおそれがある場合については送還を実現する現実的手段がございません。そのため、これらの者について、本人に本邦からの退去義務を課し、罰則により間接的に自ら本邦から退去することを促す手段が必要でございます。
 諸外国の制度の詳細を網羅的に把握しているわけではございませんが、例えば、アメリカ、フランス及びドイツにおいて、対象者に当該国からの退去の義務を負わせ、当該義務違反に罰則を科する制度を有しているものと承知しております。
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田所嘉徳#11
○田所委員 イラン人や、あるいは強硬に送還に抵抗する者ということであります。また、外国人の手続保障にも配慮をしているということであります。
 イラン人につきましては、本人が望まない場合には強制的な送還ができないということでありますし、強硬に抵抗する者についても、いつでも激しく抵抗すれば送還を免れるというようなことであれば、これはもう後を絶たないでこのようなことをする者が現れるだろうと思います。
 いずれにしても、罰則はしっかりとした送還の履行を促すのに不可欠なものであり、非常に限定的に、これは罰則つきの退去強制令書となるんだろうというふうに思っておりますので、その点は理解する必要があるんだろうというふうに思っております。
 そこで、我が国で犯罪を犯した者など、在留を許すべきでない外国人であっても、送還忌避さえすれば送還ができないというのでは、これは余りにも無力であるというふうに思うわけであります。ここでも罰則の強制力というものが重要だろうと私は考えております。
 そこで、送還忌避するイラン人のうちで、在留を許すべきでない、不良な、前科を有する者の人数、その前科の内容等について説明をしていただきたいと思います。
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西
西山卓爾#12
○西山政府参考人 令和四年十二月末時点におきまして、送還を忌避するイラン人は三百十五人おります。そのうち、前科を有する者は二百十六人でございます。なお、いずれも速報値でございます。その前科には、特に薬物違反が多く見られるほか、強盗、性犯罪、殺人等の重大犯罪も含まれております。
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田所嘉徳#13
○田所委員 分かりました。
 非常に私も問題であるというふうに思っております。そういう人たちがどんどん残っていくということであれば、これは我が国の治安にも大きな影響がありますし、しっかりとした、これを除去するような、そういう対策というものが必要になってくるんだろうというふうに思っております。
 そういう中で、まず、考え方として大臣にお伺いをしておきたいと思うんですけれども、我が国に入国しようとする者は、いかなる在留資格によって、どれだけの期間、どのような活動ができるかということを理解して入国しているんだということを前提とする必要があると私は思っているんです。我が国は、その約束の限度において制限や保護をするという厳格な運用をする国であるべきだというふうに考えております。
 国によっては、その国に入ってしまえば何とかなってしまうようなところもあるようでありますけれども、日本は違うのであって、法に基づいた対応をきちんと過不足なく実施することを常に対外的に知らしめる努力をすべきだと思います。この点、どのように考えているのか、齋藤大臣にお伺いをいたします。
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齋藤健#14
○齋藤(健)国務大臣 我が国の出入国在留管理制度は、外国人の方に対して、本邦で行おうとする活動に応じて在留資格を付与し、その範囲内に限って活動することを認める在留資格制度を採用しているところでございます。
 出入国在留管理行政を適切に運営するためには、法律に基づいた対応を適切に実施することが最も重要であると考えています。その上で、我が国に入国しようとする方には、我が国でどのような活動ができるのかなど、我が国の出入国在留管理行政の仕組みを理解した上で入国いただくことが重要だろうと思います。
 そのためには、我が国の制度について対外的に広報することが必要であると考えており、効果的な広報の方法を不断に検討するとともに、適切な広報に努めてまいりたいと考えています。
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田所嘉徳#15
○田所委員 分かりました。
 私は非常に、契約責任にとどまるということが大変重要だろうというふうに思っております。例えば、技能実習生でも、入国して、期間を徒過したときに、これはもう、難民申請をして送還停止効を求めるというようなことがあってはならないわけでありますし、禁反言の法理というものがあります。今言ったように、しっかりと理解した上で来た者を途中で帰していくというのは、どうも信義誠実であるというふうには考えないわけであります。
 以前の難民審査参与員の言葉というものは、大分これは引用されていると思いますが、ここでもまた引用したいというふうに思いますけれども、法務省の難民申請の認定の漏れを何とか探してやろうと思っていたという中でこういう発言があります。難民認定率が低いというのは、分母である申請者の中に難民がほとんどいないというようなことを言っている委員がいるわけでありまして、まさにこの制度というものは、濫用されないようなものでなければ非常にいろいろな問題を生じるということの例だろうというふうに思っておりますので、しっかりと、やはり大臣には、我が国のあるべき姿を発信しながら、そういった責任に基づく、必要な外国人材が活躍できる土壌というものをつくっていただきたいというふうに思っております。
 次に、今般の改正法では、退去強制令書が発付されると原則的に収容するというこれまでのものから、収容に代わる監理措置を創設するものであります。しかし、保証金も必要的ではありません。また、監理人の監理の下で生活するといっても、逃亡等がされないという保証もないわけであります。
 そこで、監理措置に付するかどうかを慎重に判断する必要があるというふうに思うわけでありますが、これをどのように行おうとしているのか。また、逃亡等の抑止力としては、やはり罰則の整備というものが必要だろうというふうに思っております。
 同様に、仮放免につきましても、どのような基準で判断してこれを行うのか。さらに、罰則というものについてもしっかり整備をしておかなければならないというふうに思うわけでありますけれども、これについてお答えを願いたいと思います。
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西
西山卓爾#16
○西山政府参考人 本法案では、監理措置は、個別の事案ごとに、逃亡等のおそれの程度のみでなく、収容により本人が受ける不利益の程度なども考慮して、監理措置か収容かを適切に選択することとなります。
 その上で、監理措置は、監理人による監理の下、逃亡等を防止するための措置として、対象者に対する罰則つきの届出義務、あるいは、必要な場合には保証金を納付させることができる保証金の納付制度といった規定を設けた上、逃亡等に対する罰則も設けております。
 他方、仮放免につきましては、健康上の理由等により収容を一時的に解除する措置ということで本法案では定めているところでございますが、仮放免された者による逃亡事案が増加していることに鑑み、法改正後の仮放免につきまして、逃亡等に対する罰則を設けて逃亡等を防止することといたしております。
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田所嘉徳#17
○田所委員 ありがとうございました。
 今般の入管法の改正は、秩序ある出入国在留管理のために大変重要なものであるというふうに思いますので、その点、よろしくお願い申し上げまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
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伊藤忠彦#18
○伊藤委員長 次に、大口善徳君。
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大口善徳#19
○大口委員 公明党の大口でございます。
 今回、質問の機会を与えていただきまして、ありがとうございます。
 まず、送還忌避、長期収容問題の解決は喫緊の課題であり、また、人道上の危機に直面し真に保護すべき方々を確実に保護する制度の整備もまた重要な課題であると考えています。
 今回の法改正の趣旨について、大臣よりお伺いいたします。
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齋藤健#20
○齋藤(健)国務大臣 日本人と外国人が互いを尊重し、安全、安心に暮らせる共生社会を実現していくためには、外国人の人権に配慮しながら、ルールにのっとって外国人を受け入れるとともに、ルールに違反する者に対しては厳正に対応していくことが重要であります。
 その上で、現行入管法下で生じている送還忌避、長期収容問題の解決は喫緊の課題であり、人道上の危機に直面し真に庇護する方々を確実に保護する制度の整備もまた重要な課題の一つであります。
 入管制度全体を適正に機能させ、保護すべき者を確実に保護し、ルールに違反した者には厳正に対処できる制度とするためには、これらの現行法下の課題を一体的に解決する法整備を行うことが必要不可欠と考えています。
 そこで、今回の改正法案では、保護すべき者を確実に保護した上で、在留が認められない者については迅速に送還可能とする。長期収容を解消し、収容する場合であっても適正な処遇を実施する。こういう考え方の下、様々な方策を組み合わせ、パッケージで課題を一体的に解決し、外国人の方の人権を尊重しつつ、適正な出入国在留管理を実現するバランスの取れた制度にしようとするものでございます。
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大口善徳#21
○大口委員 今回の改正法案について、廃案となった法案とはほぼ同じ内容であるのではないか、こういう批判もございます。法務大臣としてどう考えておられるのか。
 また、ウィシュマさんの件がございます。あってはならないことであり、徹底的な再発防止が必要であります。この名古屋事案も踏まえて、前回の法案からの変更点について御説明をお願いします。
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齋藤健#22
○齋藤(健)国務大臣 今回の改正法案は、現行法下の課題を一体的に解決し、入管行政を取り巻く情勢にも適切に対応するため、旧法案に対する様々な御指摘も真摯に受け止め、修正すべき点は修正することとしております。
 特に、収容に関する制度につきましては、名古屋事案の発生などを受け、より適切な運用を可能とすべく、制度的な手当てを行う必要があると考え、大きく修正をしております。
 具体的には、まず、今回の法案では、必要のない収容を防止するため、全件収容が原則となっている現行法を抜本的に改め、個別事案ごとに監理措置か収容かを適切に選択することとします。その選択に当たりましては、逃亡等のおそれの程度のみではなく、収容により本人が受ける不利益の程度も考慮することを法律上明記をすることといたしております。
 次に、今回の法案では、収容の長期化を防止するため、被収容者について、三か月ごとに収容の要否を必要的に見直し、収容が必要ない者につきましては監理措置に移行することとしております。
 監理措置につきましては、ほかにも、監理人の定期的な届出義務を削除し、指定された条件の遵守の確保のために必要な場合に限り、かつ、主任審査官から求められたときに初めて報告すれば足りることとする、それから、入管庁が監理人に対する必要な情報提供などの援助を行うこととする、それから、逃亡等の防止に必要な場合に限って保証金を納付させることとするなど、適正な運用が可能となるよう、必要な修正を行っております。
 また、仮放免制度につきましては、名古屋事案の反省も踏まえ、健康上の理由による仮放免請求の判断をするに当たっては、医師の意見を聞くなど、健康状態への十分な配慮に努めることを法律上明記をいたしました。
 そのほかにも、今回の改正法案では、送還停止効の例外規定の内容などの周知、教示に関する附則を設けることといたしました。
 以上のとおり、今回の改正法案は、修正すべき点を修正して再提出するものであり、国民の皆様に幅広く御理解いただけるよう、必要な説明を尽くしてまいりたいと考えています。
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大口善徳#23
○大口委員 今回の法改正に当たって、難民の認定制度の運用の見直しの一環として、難民認定制度の透明性を高める、制度への信頼性を向上させるため、難民該当性に関する規範的要素を明確化することとしており、三月の二十四日、難民該当性判断の手引が策定されたわけであります。難民認定についての具体的な考え方が示されたのは今回が初めてと承知しています。
 難民該当性判断の手引では、難民認定要件の一つである迫害について考え方が整理されていますので、この点について御説明をお願いしたいと思います。
 また、性的マイノリティーやジェンダーに関する迫害についての考え方が整理され、性的マイノリティーやジェンダーに関する事情についても迫害の理由となり得る旨が明記されております。この点につきましても御説明をいただきたいと思います。
 同性愛者のウガンダ国籍の女性について難民と認めるよう国に命じた大阪地裁の判決は、国が控訴せず、確定しております。こういうことも踏まえたことであると思いますが、御説明をお願いします。
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西
西山卓爾#24
○西山政府参考人 御指摘の難民該当性判断の手引におきまして、迫害とは、生命、身体又は自由の侵害又は抑圧及びその他の人権の重大な侵害を意味する、殺害や不当な拘禁などがその典型であるが、その他の人権の重大な侵害や差別的措置、例えば生活手段の剥奪や精神に対する暴力等も迫害を構成し得る、それ自体としては迫害に当たるとまでは言えない不利益等でも、それらが合わさった結果として、迫害を構成する場合があるなどと整理をしております。
 また、この手引には、性的マイノリティーであることやジェンダーに関連する迫害は、難民条約に言う特定の社会的集団の構成員を理由とする迫害に該当し得る旨を明記し、判断において考慮すべきポイントを整理しております。
 このような方々につきましては、これまで適切に難民と認定してきた実績もございますが、平成二十六年の難民認定制度に関する専門部会の提言及び同専門部会の議論の中で、いわゆる新しい形態の迫害として、女性器切除や性的指向に起因する迫害などのジェンダーに起因する迫害等について検討されるべきであるという指摘を受けたことも踏まえ、今般、手引においても明記したものでございます。
 なお、この難民該当性判断の手引の策定に当たりましては、我が国の実務上の先例等のほか、国連難民高等弁務官事務所、UNHCRが作成する諸文書や諸外国における運用等も参考にしており、国際的な難民保護の動向も踏まえた内容となっているものと認識しております。
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大口善徳#25
○大口委員 また、迫害主体から個別に把握されていなければ迫害を受けるおそれは認められないとする解釈を入管庁が採用している、こういう見解でありますとか、補完的保護対象者の認定制度ができてもウクライナ避難民の多くが補完的保護対象者にならないのではないか、こういう指摘もあります。
 この点につきましても、手引でどのように整理されているのか、御説明をお願いします。
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西
西山卓爾#26
○西山政府参考人 我が国では、迫害を受けるおそれに関して、御指摘のような考え方に基づいて判断しておりません。
 このことは、難民該当性判断の手引におきましても、申請者が迫害主体から個別的に認知、把握されていると認められる場合には、迫害を受けるおそれを判断する積極的な事情となり得るが、そのような事情が認められないことのみをもって、直ちに申請者が迫害を受けるおそれがないと判断されるものではない旨を示して明確にしたところであり、この点は、補完的保護対象者における迫害を受けるおそれに係る判断についても同様でございます。
 すなわち、一般論として、今般のロシア連邦によるウクライナ侵略のように、戦争等に巻き込まれて命を落とすおそれがある者等は、迫害主体から個別に把握されていなくとも、補完的保護対象者として保護することを想定いたしております。
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大口善徳#27
○大口委員 次に、今回の改正法で、三回目以降の難民認定申請者は送還停止効の例外となりますが、難民認定や補完的保護対象者認定を行うべき相当の理由がある資料を提出すれば送還停止効の対象となります。
 相当の理由がある資料は提出時の形式に制限があるのか、また、仮に三回目以降の難民認定申請者が客観的な資料を提出できず、申請者による陳述や申請書自体の提出のみを行った場合であっても相当の理由がある資料と認められることがあるのか、もし認められる場合があるとすればどういう場合であるのか、御説明を大臣にお願いします。
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齋藤健#28
○齋藤(健)国務大臣 相当の理由がある資料につきましては、資料の形態や形式に制限はなく、申請者の陳述や申請書自体もこれに該当し得ると考えています。
 すなわち、三回目以降の難民認定申請者が申請に際し客観的な資料を提出できない場合であっても、そのことのみをもって一律に送還停止効の例外となるものではなく、例えば申請者の陳述が当庁が把握している出身国情報とも整合している場合などには、申請者の陳述のみをもって相当の理由がある資料を提出したものとして送還停止効の適用を受けられることもあり得ると考えています。
 法務省としては、万が一にも保護すべき者を送還することがないよう、適切な運用に努めてまいりたいと思います。
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大口善徳#29
○大口委員 大事な答弁でございます。しっかり適切にやっていただきたいと思います。
 また、この改正法案で、送還効の例外に該当する場合であっても、第五十三条の第三項により、迫害を受けるおそれのある領域の属する国に送還してはならないとされているわけでありますが、この五十三条三項に該当するか否かはどのように判断されるのか、お伺いしたいと思います。
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