経済産業委員会

2023-04-20 参議院 全89発言

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会議録情報#0
令和五年四月二十日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月十九日
    辞任         補欠選任
     生稲 晃子君     山本 啓介君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         吉川 沙織君
    理 事
                青山 繁晴君
                石井 正弘君
                中田  宏君
                田島麻衣子君
                石井  章君
    委 員
                越智 俊之君
                太田 房江君
                片山さつき君
                小林 一大君
                長峯  誠君
                松村 祥史君
                山本 啓介君
                村田 享子君
                森本 真治君
                石川 博崇君
                里見 隆治君
                猪瀬 直樹君
                礒崎 哲史君
                岩渕  友君
                平山佐知子君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山口 秀樹君
   参考人
       東京大学名誉教
       授        伊藤 元重君
       一般社団法人日
       本経済団体連合
       会副会長     小堀 秀毅君
       公益財団法人自
       然エネルギー財
       団事業局長    大林 ミカ君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に
 関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
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吉川沙織#1
○委員長(吉川沙織君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、生稲晃子君が委員を辞任され、その補欠として山本啓介君が選任されました。
    ─────────────
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吉川沙織#2
○委員長(吉川沙織君) 脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律案を議題といたします。
 本日は、本案の審査のため、三名の参考人から御意見を伺います。
 御出席いただいております参考人は、東京大学名誉教授伊藤元重君、一般社団法人日本経済団体連合会副会長小堀秀毅君及び公益財団法人自然エネルギー財団事業局長大林ミカ君でございます。
 この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多忙のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。
 皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
 次に、議事の進め方について申し上げます。
 まず、伊藤参考人、小堀参考人、大林参考人の順にお一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
 また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず伊藤参考人からお願いいたします。伊藤参考人。
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伊藤元重#3
○参考人(伊藤元重君) 伊藤でございます。よろしくお願いします。
 お手元にレジュメがあると思いますので、それに従ってお話をさせていただきたいと思います。私は経済学者でございますので、経済学的な視点からお話をさせていただきたいと思います。
 改めてというか、今更言うまでもないことだと思いますけど、気候変動問題というのは、壮大な規模の市場の失敗というんですか、人々の行う経済活動がいろいろな形でほかのところに影響を及ぼすと。壮大な規模というのは、二百年前から始まっているわけですし、それから全ての人がこれに関わっているわけですし、そして今後の人たちにも影響が及ぶと。既に存在する人だけではなくて、これから出てくる企業だとかイノベーションだとか、あらゆるものがそこの影響を受けると。
 これくらいの規模になってくると、なかなかそれを是正するってそう簡単じゃないわけで、理論的に見ると是正する方法は三つありまして、一つは、政府による強烈な規制だとかあるいは管理によって動かしていくと、二つ目は、企業だとかあるいは個人の自主的な努力の中でそれを是正していくと、そして三つ目、これが今日のお話の中心になるわけですが、三つ目の方法は市場の力を利用してそれを是正するということで、全てもちろん大事でございますから、どれかが必要ないというわけではないんですけど、この規模になりますと、結論から申しますと、市場の力を借りることなくこの気候変動の問題を解決するということは難しいということをまず申し上げておきたいと思います。
 具体的に市場の力を借りるってどういうことかというと、人々が普通に行う経済活動、これは消費や生産だけじゃなくてイノベーションだとかあるいはいろんなものが入ってくるわけですけど、そこにこのいわゆる気候変動によって発生する外部性のコストがしっかり織り込まれていくという流れだろうと思います。これがいわゆるカーボンプライスという考え方で、今回そのカーボンプライスについてどこまで踏み込んだかということはいろいろな方の御意見あると思いますけれども、ここまで今、案が出てきているということはすばらしいことだろうと思います。
 そして、このカーボンプライスのもう一つ重要なことは、将来何が起こるかということが分からないという中で、いろんな可能性に対して柔軟に対応できるということだろうと思います。一つ例を挙げますと、例えばCO2を減らすときに、じゃ、省エネが好ましいのかあるいは再エネが好ましいのか、じゃ、再エネの中で太陽光が好ましいのかあるいは風力が好ましいのか、はたまた原子力が必要なのか、いろいろな議論があると思うんですね。
 これは、どれを選ぶかということももちろんいろいろな議論をしなきゃいけないんですけれども、その都度その都度のやっぱり技術的な環境とか政治的な環境とかいろいろな問題があるときに、やはり重要なことは、よりどころとなるいわゆる価格というものがあると、その価格に照らして一番社会的に望ましいものをその時点その時点で選べるということが重要だろうと思います。
 二つ目の項目で、今回のこの議論のもう一つの重要な、重要というのは、気候変動の対応をするために巨額の投資が必要であるということです。これは、水素あるいは再生可能エネルギー、電気、自動車の電気化ですね、住宅の断熱等々いろいろ考えられるわけですけど、こういうことに対する投資をきちっとやっていかなきゃならない。もちろん言うまでもないことで、投資の主たる担い手は民間企業であるわけですから、民間企業をして必要なだけの投資をきちっとやってもらうということが非常に重要になってくるわけで、今日の話と直接は関係ありませんけれども、今、国会でもいろいろ議論されていると思いますけど、この二十年日本の経済が、非常に経済が停滞していると、賃金が上がらないと、あるいは日本のGDPも非常に低いということのいろいろな原因の中に、非常に重要な要因として日本の国内での投資が非常に弱かったということがあるわけで、別に投資を増やして経済を活性化するために今回のGXをやるわけじゃありませんけれども、ただ、まあGXというこの大きな流れの中で投資がどうなってくるかということは日本経済全体の成長のパスを考える上でも極めて重要であるということで、国内投資を拡大させなくては気候変動問題に対応できないだけでなくて、国内投資が拡大すれば経済活性化のシナリオも見えてくるということだと思います。
 カーボンプライスについては余り詳しく今日お話しする時間ありませんけど、一言だけ申し上げたいことは、カーボンプライスと言われているものの中には極めて多様なものがあるということで、これをどういうふうにうまく使い分けていくのかと。
 後でカーボンタックス、このカーボンタックスは日本で言う炭素税という意味ではなくて、炭素税も賦課金も含めるわけですけど、いわゆるカーボンタックスについても、実は、後で申しますように極めて多様なアプローチがあるということですけど、それに加えて、ここに書いてありますように、排出権取引だとかカーボンクレジットだとか、あるいは企業が自主的に企業内炭素価格を決めて行動するとか、いろんなものがあるわけで、社会から見たら、これをどういうふうにうまく使い分けていくのかと、あるいは多数のものをうまく利用していくのかということが重要だろうと思います。
 今日はそのお話余りしませんけど、経済学の世界ではその数量か価格かということで膨大な研究がありまして、このカーボンだけじゃなくて為替制限もみんな同じなんですけれども、カーボンでいうといわゆる排出権取引で、量でコントロールするのかあるいは価格でコントロールするのかでそれぞれ一長一短がございまして、そういう意味では、そのカーボンプライシングの中の中身についてきちっと議論する必要があるだろうと思います。
 その上で、今日は特に、いわゆる経済学者がカーボンタックスと呼んでいるもの、これは炭素税というよりは今日のコンテクストでいうと炭素賦課金の話になるんですけど、これについて是非申し上げたいことがあるわけで、それは、このダイナミックな構造が非常に重要だということ。つまり、カーボンタックスを何%にするのか、カーボン賦課金を何%にするかという議論だけじゃなくて、じゃ、今どうするのか、あるいは五年後どうするのか、十年後どうするのか、十五年後どうするのか、あるいはそういうことに対する見通しをどういうふうに付けていくのかということが非常に重要で、今回のこの法案とか我々GX実行会議で議論した中でも、このダイナミックカーボンプライス、これは私が勝手に付けた名前ですから別に定着した名前じゃありませんけど、ダイナミックな構造が非常に重要であるということであると、まずはその長期的なトレンドをきちっと明示すると。
 つまり、今、いつそのカーボンタックスを上げるかということだけじゃなくて、これから先どういう見通しになってくるかということを今、これまで以上に明確にして、それを社会全体に広げていくということが重要で、それに加えて足下で必要なのは、カーボンタックスを大幅に引き上げて人々の行動を一気に変容するということよりも、まずは投資が必要になる、あるいはこういうことを対応しないと将来大変なことになるという意識を企業にも国民にも持ってもらうということで、それで、そういう意味で見ると、足下で少し低めのところから始まって次第に上げていくというこのダイナミックな構造って非常に重要な話だろうと思うんです。
 ちょっと話がすごく飛んでしまうんですけど、まあ私の中では非常に重要な論点だと思うんでちょっと比較に話させていただきたいんですけど、自動車に関税を掛けて産業を育成するというのは多くの国がやっていたんですね、アメリカも日本も。あっ、アメリカやっていませんけど、日本もオーストラリアもインドも。で、何が起こったかというと、関税を掛けて守ると、守ってもらえるということで企業なかなかその投資しないものですから、オーストラリアもインドもブラジルも保護がずっと続いて結局成果出なかったんです。
 で、日本はなぜ関税で保護したのに自動車産業伸びたのかというと、戦後一番重要な論点の一つが、ガットのメンバーとしっかりして行動すると。つまり、五年後、十年後に自由化をしなきゃいけない、関税を下げていかなきゃいけないというコミットメントがあった。したがって、自動車業界にとってみると、今は関税で保護してもらえるということが一方でありながら、五年後、十年後には関税がどんどん下がっていくということで、それに対応して投資をしなきゃいけないんだと。
 これが結果的に日本の産業の活性化に非常に活躍したということを経済でよく言われるわけですけど、この論点は何かというと、価格、関税とか、その今の炭素税もそうなんですけど、ただどういう税を掛けるだけじゃなくて、どういうものが将来起こり得るのか、今はどうなのかという、このダイナミックな構造が極めて重要です。特に、この脱炭素の話というのは一年、二年で決着が付く問題ではありませんし、プレーヤーが非常に多いわけですから、そういう意味では今回のこの法案ってなかなかうまくできてるなというふうに思います。
 そして、更に申し上げると、この脱炭素の非常な問題は、経済学の古典的な議論では、炭素税というのは要するに価格を是正する制度ですから、そこから生まれる税収は何に使ってもいいと。これはアカデミックな議論なんです。
 ただ、この議論は非常に限界がありまして、なぜかというと、炭素税だけじゃないんでしょうけど、要するに脱炭素の行動を取るということは企業に行動変容を求めるわけで、比較的容易に行動変容ができるような例えば金融業界みたいなところはそんなに難しくないと思うんですけど、例えば鉄鋼業界とかあるいは化学だとか、そういうところは、やっていることを本質から見て相当大きなコストを掛けないとなかなか変化できない。しかし、やってもらわなきゃいけないと。
 つまり、その変化のコストみたいなものが産業とか業界によって違うときに、そのバランスをどう考える、これ所得分配という問題と言うかどうかは別の問題として、そういう業界ごとの違いみたいなものをうまくこの炭素税の将来の税収の中で賄っていくという形になってくると、初期の段階ではその賦課金についても、あるいは量的緩和の排出権取引についても緩いところからやっていくということが重要だろうと思います。
 次のページ行きまして、GX経済移行債について、これはもう異論のないことで、何もしないでレッセフェールで投資が生まれるわけはない、残念ながらそんな簡単な話じゃありませんので、やはり政府の活動が重要だと、そのための基金ということだろうと思うんですけれども。
 重要なポイントは、産業構造、先ほども言いました産業構造転換の費用を社会全体でどういうふうに賄っていくかということになろうと思うんです。これは最後のマクロ経済的な視点でも非常に重要な論点になるわけです。
 これも今日の話と関係ありませんけど、日本はこれまで二十年間ずっと金融緩和一辺倒で経済を刺激してきたわけ。これがいいか悪いか、ちょっと今日議論する予定はありませんけれども、この流れは大きく変わってくるんです。別に、金融はこれからどうなるかということについては、政策はどうなるかということについてはいろんな論点があると思いますけど、経済全体を活性化するときのマクロのポリシーミックスということで見ると、やっぱり財政の持っている意味は非常に重要な意味を持ってくると。ただ、財政というのはなかなか難しいのは、ただでさえ債務が多い中でどうやっていったらいいだろうかと。
 そのときの一つの大きなポイントというのは、経済学者が、均衡財政乗数というもので、つまり、税金あるいはその他の方法で財源を確保しながら、それをその財政支出に使っていくという形によって赤字を出さないような形の財政にどこまでできるかと。ある意味で見ると、GX経済移行債って、そういうものをここに書いてあるとおり非常にうまくやったとすると大変優れた先行的な事例になるかもしれない。
 別に毎年毎年で財政がバランスする必要はありませんけれども、いわゆる管理をきちっとしながら、将来の言わばその税源、財源でそれをカバーしていくという形で、これは別にこの気候変動問題だけじゃなくほかの、例えば半導体の支援だとかあるいはバイオ産業の育成だとかそういうところにももし使えるんであれば、こういう手法というのは是非広げておいていただきたいと思います。
 これは別に日本だけがそう思い付いているわけじゃなくて、御案内のように、むしろアメリカとか欧州ではそういう流れが非常に激しくなってきていて、私はこれを産業政策プラス財政政策というふうに呼んでおりますし、欧米ではこれをニュー・サプライサイド・エコノミクスと言っているわけで、つまり何かというと、財政で経済を刺激するというのは、その公共事業をやって需要をつくるとか、あるいは補助金で需要をつくるとか、そういうことが意味がないと言っているわけじゃありませんけど、ではなくて、あくまでもポイントは民間投資を促すと。その民間投資を促す、動かすためにどれだけで、どういう形で最低限の予算の中で最少でやるのかという形で、そういう意味で見ると、今回のこのGX経済移行債というのはきちっとやれると大変有効なケースかもしれないということになると思います。
 ちょっと話が余分のことになりましたけど、時間になりましたのでこれで終わりにしたいと思います。どうもありがとうございました。
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吉川沙織#4
○委員長(吉川沙織君) ありがとうございました。
 次に、小堀参考人にお願いいたします。小堀参考人。
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小堀秀毅#5
○参考人(小堀秀毅君) ただいま御紹介をいただきました、経団連副会長で環境委員長を務めております小堀でございます。
 本日は、GX推進法案に関する経団連の考え方を御説明申し上げる機会をいただきまして、誠にありがとうございます。法案に賛成の立場から意見を述べたいというふうに存じます。
 経団連では、現在、サステナブルな資本主義の実現に向け、様々な活動を展開しております。環境問題、とりわけ気候変動は我が国にとりまして待ったなしの喫緊の課題であり、経済成長と同時に二〇五〇年カーボンニュートラルを実現する必要がございます。
 こうした問題意識の下、経団連は昨年五月、グリーントランスフォーメーション、すなわちGXに関する提言を取りまとめました。この提言では、国を挙げて経済と環境の好循環を創出しつつ、経済社会全体の変革であるGXを推進する必要を訴えております。本提言で政府に求めている施策の大きな柱の一つが脱炭素投資の促進でございます。
 二〇五〇年カーボンニュートラルを実現するためには、既存の脱炭素技術の社会実装はもとより、革新的技術を開発するための研究開発が不可欠でございます。二〇五〇年カーボンニュートラルと産業競争力の強化、向上、経済成長を同時に実現していくための投資額は相当な額になると思います。GX推進法案はこうした投資を促進するものと大いに期待しております。
 本日は、GX推進法案の基本的考え、GX推進戦略を実現するための投資支援とその裏付けとなるGX経済移行債、成長志向型カーボンプライシングの三点について意見を申し上げたいというふうに思います。
 まず第一に、法案の基本的考え方についてでございます。
 本法案では、カーボンニュートラルを追求するとともに成長型経済構造を実現するとしており、経済界の考え方と一致しております。また、先々、世界の動向の不確実性が高い中、GX推進法で定める各施策の在り方について検討を加え、その結果に基づいて必要な見直しを講ずるとの内容を盛り込んだことも評価をできます。今後、政省令など具体的な制度設計や制度の運用に当たっても、こうした視点を十分踏まえていただきたいと存じます。
 第二に、GX推進戦略を実現するための投資支援とその裏付けとなるGX移行債についてでございます。
 先ほど申し上げましたとおり、カーボンニュートラルを追求しつつ経済成長を実現するためには極めて多額の投資が必要となります。企業、経済界もしっかりと取組を進めてまいりますが、既に欧米各国はこれまでの取組を更に加速させ、国家を挙げてカーボンニュートラルにつながる投資を支援しております。我が国が国際競争に劣後しないためにも、産学官連携による取組を強化すべきと考えております。
 その一環として、民間投資を促進するため、カーボンニュートラルに向けたロードマップを政府がしっかりと示すとともに、民間投資の呼び水として長期、複数年度に支援、コミットすることが重要でございます。例えば、リスクが高い研究開発や水素設備等のインフラの設備など、民間が担うことができない分野では政府の役割が大きいと考えます。
 この点、今回の法案では、GX推進戦略の策定を政府に義務付けるとともに、戦略推進のために政府が十年間にわたり財政支出することを明記しております。政府がコミットしている二十兆円の財政支出の基礎となるものとして高く評価しております。また、そのファイナンスの方法として、使途を限定してGX経済移行債を発行することは適切であると評価しております。
 第三に、成長志向型カーボンプライシングについてでございます。
 経団連は、現在取組が進行中のGXリーグをベースとして、排出量取引制度を早期に検討開始するよう提言しております。その背景には、排出量取引制度は、設計次第では産業競争力に配慮しながら着実に削減が可能との考え方がございます。この点、本法案では排出量取引制度に関する詳細の制度設計についての具体的なタイムスケジュールを示しており、評価しております。
 具体的な制度設計に当たっては、GXリーグにおいて排出量取引制度の知見をしっかり蓄積していただくとともに、産業競争力に与える影響、代替技術の開発、実装の動向を十分見極めていただきたいと思います。代替技術がない中、排出制約のみが課せられるということになれば、我が国産業の国際競争力は確実にそがれる懸念がございます。また、産業競争力への悪影響の回避という観点からは、石油石炭税や固定価格買取り制度の賦課金といったエネルギーに係る負担の総額を超えない範囲でカーボンプライシングを導入していくという考え方も評価をできると思います。
 以上、GX推進法案に関する経済界の意見を述べさせていただきました。
 改めて、我が国がカーボンニュートラルを追求しながら産業の国際競争力を維持強化し、経済成長を続けていくためには、本法案の成立は不可欠でございます。先生方皆様にはこの点を是非御理解いただき、本法案の成立をお願い申し上げます。
 経済界は、本法案の後押しも得ながら、二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に不退転の決意で臨む覚悟でございます。その際、大企業のみならず中小企業も含めたサプライチェーン全体、あるいは地域社会も含めた国全体でGXに取り組むことが重要と考えております。この点、先般閣議決定されたGX実現に向けた基本方針では中小企業支援や地域の支援も盛り込まれており、本法案の成立と併せて、この基本方針の着実な実行も併せてお願いさせていただきたく存じ上げます。
 私からの発言は以上でございます。御清聴どうもありがとうございました。
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吉川沙織#6
○委員長(吉川沙織君) ありがとうございました。
 次に、大林参考人にお願いいたします。大林参考人。
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大林ミカ#7
○参考人(大林ミカ君) 御紹介ありがとうございました。自然エネルギー財団事業局長、大林でございます。本日はお時間いただき、大変ありがとうございます。
 私ども自然エネルギー財団は、脱炭素を実現し、さらに、自然エネルギーに根差した社会実現のための政策研究、政策提言を行っております。今般、日本政府から提案されておりますGX基本方針、GX推進法案についての私どもの考えを述べさせていただきたいというふうに思います。
 まずこちら、今日提出させていただいている資料一枚目でございますけれども、私ども、GX基本方針、推進法案に関しまして、まず、基本方針は再生可能エネルギーの主力電源化を掲げていますが、G7水準の導入を目指すものになっていないのではないかというふうに考えております。
 さらに、基本方針のカーボンプライシング構想は世界標準の制度と乖離し、企業の努力が正当に評価されるものなのかどうか。さらに、GX推進法案に関しては、構想の弱点を固定化してしまうのではないかというふうに考えております。
 三番目、GX基本方針、推進法案で世界からの投資を日本に呼び込むことが果たしてできるのかどうか。
 さらに、GX移行推進戦略は経済産業省のみの主導ということになっておりますが、一省庁のみで策定してよいのかどうかということに懸念を抱いております。
 一枚めくっていただきまして、世界の潮流と日本のGX戦略との相違点を簡単にまとめさせていただいております。
 まず、GXの中心となるものの一つがカーボンプライシングというふうに考えております。G7等他国での議論を見ますと、多くの国で既に規制として導入済みになっております。日本のGX、今回提案されているものは、自主的な排出量取引と、そこへのクレジットの無制限活用が許されているということ、そもそも本格的な開始時期が遅いということがございます。
 さらに、その中心となるべき、どういったエネルギー転換を行っていくのかということで申しますと、やはり多くの国が自然エネルギーの目標を大胆に上げて、八〇%以上の自然エネルギー電力比率を目標にしております。ところが、日本の場合は、二〇三〇年自然エネルギー比率は三六―三八%と、G7では大変低い水準になっております。
 また、先ほど来コメントされております移行債に関してですが、EUのタクソノミー、アメリカのインフレ抑制法でも投資対象や税額の控除対象は定量的にゼロ排出であったり、削減率の閾値が設定をされております。日本の場合はグレーのアンモニアも補助の対象となっておりますので、グレー水素、アンモニアについては世界全体では排出量は微減にとどまってしまうのではないかと、そういったような懸念がございます。
 一つめくっていただきまして、では、ほかの国と比べてどうなのかということで考えますと、つい先般取りまとめられましたG7札幌気候・エネルギー・環境大臣会合の共同声明がございます。
 これ、非常に注目すべきは、排出削減、特に世界の温室効果ガスの排出量を一九年比で三〇年までに四三%、二〇三五年までに六〇%削減というふうにうたっております。こちら世界全体になりますので、特に先進国の責務といたしましては六〇%以上の削減ということになりますので、日本にとってはかなり厳しい声明になったのではないかというふうに思っております。この後ろに書いておりますのは、どこの節に書かれているかという、四十四節ですね。
 炭素市場及び炭素の価格については、持続可能な経済成長を促進するための重要な措置であるとして、まさにカーボンプライシング、そういったものを極めて重要であるということを再確認しております。
 また、自然エネルギー目標でございますが、二〇三〇年までにG7で洋上風力の容量を合計で百五十ギガワット増加させると、さらに、太陽光発電の容量を合計で一テラワット以上に増加というふうに言っております。これはG7の目標値なんですけれども、世界の自然エネルギーの状況を見ますと、太陽光発電に関しては、昨年二〇二二年に既に一テラワットに達しておりまして、二〇一〇年から比べますと、もう二十五倍の増加率で太陽光発電が拡大をしているという状況です。この背景にありますのは、太陽光発電の価格が過去十年で九割下がっているということが大きなドライバーになっているというふうに思います。
 また、風力発電に関して申し上げますと、陸上風力が中心ですけれども、二〇一〇年に二百ギガワットだったものが、昨年末には約九百ギガワットになっております。このうち洋上風力はまだ五十五ギガワットといったような状況なんですけれども、今後どんどん増えていくということで、G7もこれから増えていく大規模な自然エネルギーの対象として洋上風力を百五十ギガワットということで考えているというふうに思います。
 また、重要なのが、電力セクターに関しては、二〇三五年までに電力部門の完全又は大宗の脱炭素化ということを述べております。
 めくっていただきまして、こちらG7各国で自然エネルギーに関する現状、目標でございますが、こちら、二一年末で比べまして、ほかの国々、自然エネルギーが非常に今拡大をしているところでございます。そして、それを三〇年、三五年に向けてほぼ自然エネルギーで電力部門を賄っていくという目標をG7の国、例えばカナダ、ドイツ、イギリス、アメリカ、イタリアなどは掲げております。原子力もこちらの方に入っている、脱炭素化の中に入っているんですけれども、フランス以外の国は原子力に関してはさほど大きな目標値を持っていないというふうに理解をしております。
 一枚めくっていただきまして、欧州各国の目標値の比較でございます。
 さらに、ではこれ、GXに当てはめまして、成長志向型カーボンプライシングがどういった形、世界標準に比べてどうなのかというところを見ていきたいというふうに思います。
 こちら経済産業省の資料でございますが、GXのカーボンプライシング、これは排出量取引の部分でございますけれども、まず自主参加、さらには削減目標の自主設定、そして自主の遵守ということになっております。こちら、長所、短所を述べられておりますけれども、これは経済産業省の資料の中でも短所として、GXに向けた取組に対する負担の偏りが生じ得る、公平性に疑義が生じ得るということで、企業間でなかなか公平性が保たれないのではないかといったような懸念が既に示されております。こういった自主的取組制度というのを今後十年も継続する計画になっておりますので、これをやはり規制に変えていく必要があるのではないかというふうに思っております。
 次ですね、実は、日本政府、これまで長い間、このカーボンプライシング、排出量取引制度の検討というのを行ってきております。既に二十年以上この議論をやってきましたので、今回、伊藤先生、また小堀副会長おっしゃったように、法制度としてこういったカーボンプライシングが日本の中に入ってくるというのは、ようやくかということで非常に期待は抱いておりますものの、中身をやはり実効性あるものにしていく必要があるのではないかというふうに思います。
 衆議院の議論も聞いておりましたけれども、こうやってようやく入ってきたときに世界はもっと先に行っていたというのが現状ではないかというふうに思っておりますので、中身を拡大していく必要があるというふうに思っております。
 また、次、日本のGXの場合は、税金ではなくて賦課金、低い炭素価格の設定というのが基準になっております。
 国際エネルギー機関、IEAが、ネットゼロ・バイ・二〇五〇ということで、世界の脱炭素に向けた報告書を出しております。こちら、先進国で必要な二〇三〇年の炭素価格を大体百三十ドルとしております。一ドル百三十円の基準でいうと、大体トン当たり一万七千円ということですが、政府案から試算できる水準ではIEAの想定の十分の一程度にとどまるのではないかという、低い価格ということが言えるというふうに思います。やはり政府案というのは、既存の税制度の見直しをせずに、経産省主導の賦課金で対処しようとするものではないかという懸念がございます。これ、やはり世界での企業の競争力高めていくためには、世界レベルの炭素価格というものを日本も考えていく必要があるというふうに思っております。
 次、こちら御参考ですけれども、世界銀行が出している現在のカーボンプライシング制度による炭素価格。日本は地球温暖化対策税というものがございまして、これで見ますと大体約二ドルであるということで、右側見ていただきますと、世界はもうかなり炭素の取引が進んでいて、これやはり、先ほど伊藤先生おっしゃったように、社会全体で進むフレームワークづくりというのをこういったプライシングによって指し示しているということが言えるというふうに思います。
 さらに、次のページに行きまして、有償のオークションを導入するんだということを言っておりますけれども、これ、実は電力事業者だけを対象とする有償オークションになっておりまして、例えば、日本の中で排出が電力セクターに次いで大きな鉄鋼業であったり、そういった部分については今回はオークションの設定というのがされておりませんので、私は、やはり重工業を含めてやることが、先ほどの公平性の問題、また社会全体を脱炭素に向かわせるためにも必要ではないかというふうに思っております。
 そして、次でございます。こういった形で世界全体の方向性とずれている場合に、果たして投資を日本に呼び込めるのかという問題がございます。
 まず最初の、やはり呼び水となります約二十兆円規模の政府支援というのが非常に重要だというふうに思いますが、これ、世界全体ではやはり自然エネルギーの促進というのはかなり中心になっているわけですけれども、非化石エネルギーでは新技術の研究開発というのが中心になっておりますので、自然エネルギーでは浮体式洋上風力とペロブスカイトということで、やっぱり今現在進みつつある自然エネルギーについての投資を進めていく、もう研究開発は非常に重要なんですけれども、それが今すぐ求められていることではないかというふうに思います。
 次に、アメリカのインフレ抑制法を御参考までに御紹介したいというふうに思っています。
 これ、史上最大の気候変動政策というふうに言われておりまして、昨年八月に導入をされました。エネルギー安全保障と気候変動対策への投資、法人税の増税、医療費削減等によって財政赤字を三千億ドル以上圧縮していくと、インフレに対抗するとともに、二〇三〇年までに二〇〇五年比で約四〇%の温室効果ガスの削減を目指すとしております。
 この成立に当たってのバイデン大統領の声明でございますが、エネルギー安全保障を強化し、米国内で米国の労働者が太陽光パネル、風力タービン、電気自動車を生産する雇用をつくり出すということで、まさにアメリカ国内に向けての投資を呼び込むための政策となっておりまして、これまで脱炭素の政策としてはヨーロッパが非常に世界でも進んだ状況だったわけですけど、実はEUはこのIRAというのを非常に今恐れておりまして、多くのEUの国、あるいは日本の企業でもこれ対象となり得るものですので、たくさんの投資がアメリカに集中してしまうのではないかということを恐れております。
 こういった強力な政策を取ることによってエネルギー安全保障と脱炭素を実現していくという、まあすごい政策だなというふうに思いますが、日本もこういったところで協力ができないのか。例えば、IRAと同じような政策の、まあクライテリアですね、そういったものを日本の中で定めてGXの柱とすることができれば、アメリカとも協調しながらEUとも協調しながら国内への投資を拡大していくことができるのではないかというふうに思っております。
 また、次でございます。GX移行債の対象が水素、アンモニアということになっておりますので、なかなか投資がしにくいグリーンウオッシュとみなされるのではないかというふうに懸念を抱いております。
 次、十五ページでございますけれども、現在の企業の取組、私ども企業のアライアンス持っておりまして、気候変動イニシアチブという、七百八十の企業、団体が参加をしている気候変動、脱炭素に向けてのアライアンスなんですけれども、そこのいろいろな企業の懸念を申しますと、日本が現在、当面、グレー水素、アンモニアということであれば、脱炭素移行を行う企業にとってはなかなか使いたくない電源と、エネルギー源であるというふうな声を聞いております。カーボンプライシングについても、自主的で曖昧なので価格水準も低水準が予測されていてなかなか難しいのではないか、こういったところに投資をしていくのが難しいのではないかというような声が聞かれております。また、再エネ目標が低い、スピード、規模が遅いということで、今、再エネが欲しくても買えないといったようなことが言われております。
 次、日本の企業、多くの企業、今七十七の企業がRE一〇〇ということで、自然エネルギーの、もう自ら使う電気、全部自然エネルギーにしていくと、そういった宣言しておりますが、各国比較していきますと、なかなかそういった宣言をしている企業の中でも自然エネルギーの達成率が低い、なかなか買えないということが言われております。
 また、次、参考でございますが、私ども、G7に向けまして、洋上風力の企業を中心に意見広告を出させていただきました。これ、企業と一緒にお金を出し合って出したものですが、洋上風力発電の話をしてほしいということで、今回百五十ギガと定められましたことを大変喜んでおります。また、右側、これ、気候変動イニシアチブ七百八十のうち三百三団体が、再生可能エネルギーをもっと多く、カーボンプライシングもっと早く導入してほしい、こういったような意見書を出しております。
 次のページは、経済産業省だけでいいんですかといったような問題提起でございまして、G7が合意した二〇三五年までの電源の全て、大部分の脱炭素化を日本だけが実現できないのではないか。また、政府案では、公平性が疑われるという自主的制度を今後十年も継続していくと。三三年度からの有料オークションも電力部門だけで金額が低いと。まあなかなか、日本企業が国際的評価を、三三年、あと十年後受けられるのかどうか難しいのではないかというふうに考えております。また、技術の対象がグリーンウオッシュとみなされるのではないかという懸念を抱いております。
 次、日本も脱炭素へ向かうことは十分可能といった私どものレポートもございますので、是非御参考にしていただければと思います。
 御清聴ありがとうございました。
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吉川沙織#8
○委員長(吉川沙織君) ありがとうございました。
 以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございますが、参考人の皆様方におかれましては、発言の際、挙手をしていただいて、委員長の許可を得ることになっておりますので、よろしくお願いいたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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中田宏#9
○中田宏君 自民党の中田宏でございます。
 参考人の三名の先生方、ありがとうございました。
 これから順次、私から質問をさせていただきたいと思っておりますが、前提は、私、先般のこのGX推進法の質疑でもかなりしつこく西村経済産業担当大臣に言わせていただいたんですが、脱炭素というだけではないと、これをどうやって日本の経済成長につなげるかということをしなかったら、もう二十年後、三十年後の日本経済というのがこれは本当に危ういという観点で、非常にある意味の危機感、そしてある意味の大チャンスと、こう捉えて、積極的に、国は国運を懸けて、そして企業は社運を懸けて取り組んでいくということが必要だというふうに考えているというのがまず私自身の前提で、いろいろとお伺いをしていきたいというふうに思います。
 まず、伊藤参考人にお伺いをしたいんでありますが、本法案によって実現を目指していくこのGXですけれども、今申し上げたとおり、これ、地球環境対策でもありつつ、一方で経済の合理性、これを求めてこれから取り組んでいかなければいけないわけです。そういう意味では、これまでの政策、まあある意味ではその方向を持った個別の政策とは違うという観点、これが必要だろうと、政府を挙げてやっていくということが必要だろうというふうに思うわけですけれども、こうした国際競争激しい中において我が国は一体どこにこれは勝ち目があるというふうにお思いに、お考えになっておられるかということの見解をお伺いをしたいと思います。
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伊藤元重#10
○参考人(伊藤元重君) 先ほどちょっと申しましたように、日本の経済がこの二十年低迷したやっぱり大きな原因というのは日本の国内に投資がなかったということで、なぜ投資がなかったかということは、まあ失礼ながら、政府もそういうふうにならないように、なるようには動いていなかったということもあるんですけど、企業自身もなかなか日本に、国内に投資することに対して、何というか、その見通しみたいなものが取りにくかったと。それから、偶然ではありますけれども、この気候変動問題に対応するということは、やっぱりこれだけの投資を必要とするということで、個別の企業にとらせてみても、それぞれがどれだけの目標で排出削減するかということがかなり具体的な数字に出るということで、そういう意味では、オールジャパンでこの気候変動問題を中心に国内投資を増やすということが経済を活性化させるということにつながるんだろうと思います。
 あと、もう一つだけ申し上げると、その成長に資するということには二つの意味がありまして、マクロ経済、日本経済全体として成長できるということだけじゃなくて、個々の企業にとってみても、気候変動問題に背を向けると生き残れないというようなその環境がつくられるということだと思うんですね。そのためのグリーンファイナンスがあったり、あるいはその情報開示の制度があったりと、そういういろんなものとセットの中で今回こういう形で百五十兆という具体的な数字が出てきたことは非常に意味があるというふうに思います。
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中田宏#11
○中田宏君 ありがとうございました。
 伊藤先生から、先ほどカーボンタックスについて、五年後どうするのか、十年後どうするのかという、こうした中期、中長期的な見方ということを御示唆をいただきました。
 そこでお聞きをしたいんですが、総理を議長とするGX実行会議において、これ伊藤先生は御出席をされていらっしゃいます。その中で、民間投資を引き出す巨額の財政支出とそれを支える時間差を付けた均衡財政ということについての重要性、これ御指摘をされているはずだと承知をしています。これはGXの特殊性というのがやはりあるわけで、言わば、先ほども申し上げた中長期的な視点で戦略的に政策を設計をして実行していくということがこれ重要だということの表れだと思うんですけれども、まさにGX投資を官民挙げて取り組んでいくということに当たっては、これまで我が国の一つの欠点であった予算の単年度主義という、ここからの言わば脱却というものも求められるのかなというふうに私考えるわけですけれども、中長期的な目標で予算を付けていくということについて、この着眼というのは伊藤先生の方ではどう御見解をお持ちでしょうか。
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伊藤元重#12
○参考人(伊藤元重君) 一般論で答えるのは非常に難しいと思うんですね、財政というのは別の意味での毎年の健全性まで求められるわけですから。
 ただ、今回の場合に非常に重要なことは、対象自身が、まさにおっしゃったように、中長期の投資がそこに関わってくると一年で決着が付く問題じゃないということはまあ事実としてあって、それから、気候変動という非常に分かりやすい限定された分野での言わば政策ということでございますから、今、中田議員がおっしゃったように、中長期でしっかり取り組むということに非常にある意味適したテーマであるのかなというふうに思っております。
 だから、全ての政策課題がこれでうまくいけるかどうかはちょっとまた別の問題だと思います。
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中田宏#13
○中田宏君 ありがとうございます。
 小堀参考人にお伺いをしたいんですが、GXの分野、これはプライム上場企業などの大企業を中心に既に取組は始まってはいます。ただ、これを、大企業に限った話では当然ないわけであって、中小企業も連携してやっていくことが必要、中小企業自身もやっていくことが必要ということになるんですが、今連携というふうに申し上げたのは、サプライチェーンとして取り組んでいくという必要性があるのではないかと私は考えているんですが、そこら辺について、まさに大企業、プライム市場に、まあ今経団連というお立場でありますけれども、会社としてやってきた、また経団連という立場からしても、そうした中小企業ということを巻き込んでのサプライチェーンとしての取組ということについてお伺いをしたいと思います。
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小堀秀毅#14
○参考人(小堀秀毅君) どうもありがとうございます。今御指摘のとおりだと思います。
 やはり賃上げも、大企業先行でありながら、やはり中小企業の賃上げが継続的に行われるかと、これも非常に重要なポイントも含まれているというふうに思っております。このカーボンプライシングというものも含めて、やはり大企業が先行しながら、大企業がその産業におけるサプライチェーン、そこをやっぱりしっかり見える化をして、そして自分たちのサプライチェーンに存在する中小企業をうまく取り込んで、その産業界単位で全体的に賃上げ、それから価格の移転、適正な移転も含めて取り組んでいくことが重要であろうというふうに思っております。
 二〇五〇年、先ほど中田先生が言われたとおり、やっぱり二〇五〇年カーボンニュートラルをするというのが一つの目標なんですけど、やはり二〇五〇年、日本がどんな国になっているのか、世界でどんなポジションを取るのかというトータルを考える中で一つの重要なポイントが世界の潮流としてのカーボンニュートラルであると。
 ですから、カーボンニュートラルをやるということはまさにビジネスの大きな成長のチャンス、転換期であると。この失われた二十年、日本は残念ながらちょっと地盤沈下をしていたと。これからはやはり人口動態もしっかり対策を打ちながら日本の産業力をどう強化していくかということが重要であり、逆に言えば、カーボンニュートラルをやるにおいては、つい昨年の秋から経済産業省で成長志向型の循環自律経済戦略案というものを練ってまいりました。私もそのデザイン研究会のメンバーとして七回、昨年の十月から三月末まで参加させていただいて、三月末にその戦略案を作り上げたということです。
 ここは、やはりサーキュラーエコノミーというのは、まさに企業、大企業、中小企業、サプライチェーン、そして消費者、それを回収する人たち、そういう人たちが全部、生活者、国民生活者が全部巻き込んだ形で回していかないと実現できない。まさにそれは、このGX、カーボンニュートラルと同時並行的に進めていくことによって中小企業もそこに参画していくという形に流れが出てくると思います。
 ですから、カーボンニュートラルだけを実行していくというんではなくて、ほかの幾つかの戦略をもやっぱり並行して、そして取り組んでいく、それを横串を通して、時間軸を通して、しっかりそれがどこまで進んでいるかということをチェックしていく、そういうことが非常に重要になってくるんじゃないかなと思いますので、我々としては、カーボンニュートラルについては大企業が先行していきますけれども、サーキュラーエコノミーという観点においては、地域社会等も含めてやっぱり中小企業を早い段階から巻き込み、そして、そこの中でカーボンニュートラルも併せて並行して実現していく、そんな旗振り役を経団連としては是非やっていきたいというふうに考えております。
 以上でございます。
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中田宏#15
○中田宏君 ありがとうございます。
 次に、大林参考人にお伺いをしたいと思います。
 先ほどのお話の中で、我が国の再生可能エネルギーについては、その導入具合というのがG7の中では遅れていると、まだまだ低いと、こういうお話がありました。一方で、我が国の例えば太陽光パネルですけれども、太陽光発電ですけれども、既に、我が国の平地という意味では、これ、再生エネルギー導入率というのは平地においてはもう世界一になってしまっている。そういう意味では、何を申し上げるかというと、例えば、これから先更に導入を進めていくということになりますと、森林でありますとかそうしたことの破壊ということにもつながりかねないという、こうした一面というのがやはり出てきます。
 今、これ経済を語るにおいても環境を語るにおいても、CからN、すなわち脱炭素というだけではなくて、これから先は生物多様性ということも含めた考え方で経済を営んでなければいけないと、こうした方向性も明らかに出てきていると、COP15なども含めてですね。そういう意味では、そうした観点を考えると、再生可能エネルギー、これから先どこまで我が国が導入をしていくのかということのこの矛盾する点というものをひとつ御見解をお伺いしたいと思います。
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大林ミカ#16
○参考人(大林ミカ君) 中田先生、大変ありがとうございます。
 実は、私ども、つい先日、二〇三五年、日本の自然エネルギー、電力で八〇%というシナリオを出させていただいております。そこの中では、まさに太陽光と風力が中心になっていくといったようなものを出させていただいているんですが、実は太陽光については、住宅、建築物、建物関係ですね、そちらが中心になってくるといったようなスタディーを出させていただいております。建物系で大体百五十ギガワットと。土地系、地上設置、その中でも農地、農地を廃止した部分、あるいは営農型の部分、そういったところが増えていくと。
 今、森林開発という、森林の破壊というお話ございました。確かに、これまでの固定価格買取り制度の高い買取り価格の中で、森林を伐採してもお金が出るような、そういったプロジェクトがありましたのでそういった開発が進んでまいりましたけれども、一つは、固定価格買取り制度が今入札制度になって、なかなか、その森林を伐採したり土地を造成したり、そういった費用は出にくくなっているということで、太陽光発電のコストが、適切な場所で進められていくと、そういったようなプロジェクトが進んでいるというふうに認識しておりますし、これから日本が増やすべきは、まずソーラーカーポートとかソーラーシェアリング、空間共有型の設置、建物系、住宅系ということになってくると思います。
 先般、東京都と川崎市が、新しくその住宅を建設する際には太陽光発電の設置を義務付けると、まあある程度大きな規模の住宅メーカーにですね、そういった話がございましたが、こういった政策は、今、ヨーロッパ全域で、あるいはアメリカの州によっても議論をされている話ですので、まさに空間を使いながら太陽光増やしていくという大きな可能性があると思います。
 もう一つは、風力、洋上風力でございます。先ほど百五十ギガワットという話ございましたが、日本も今、官民協議会というところでございますのが、二〇三〇年に十ギガワットと、二〇四〇年四十ギガワットという目標値持っておりますが、もっと先に行くことができるのではないかというふうに思っております。
 以上です。
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中田宏#17
○中田宏君 時間も限られてきましたので、最後に伊藤参考人にいま一度お聞きをしたいんですが、もう端的にお伺いをしますけれども、二十兆円というこの政府の予算でありますが、先ほど来、三名の参考人からもほぼ共通して、これが民間の呼び水になっていかなければならない金額として、その後、官民挙げての百五十兆円ということが一つの規模として想定をされているわけですが、果たして二十兆円、これでいけるか、十分かということについてお伺いをしたいと思います。
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伊藤元重#18
○参考人(伊藤元重君) もちろん、その専門家の方がいろんな分野についての計算をした上でやっているわけですから、全く突然出てきた数字ではないと思いますけれども、投資を結局民間がやるかどうかということはやっぱり民間の意思が大きいと思うんですよね。
 今回のこの法案と流れの中でやっぱり出てきているのは、各企業、私がお話を伺うことが多い企業は、具体的にどれだけの投資をしなきゃいけないのかということをこれまで以上にやっぱり真剣に考えていると思いますので、二十兆円で百五十兆いけるかどうかという議論よりも、二十兆をうまく使いながら百五十兆の投資をどうやって引き出していくかということ、これも多分大きな政策の一つの課題であるというふうに思っております。
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中田宏#19
○中田宏君 やり方次第というふうに受け止めました。
 ありがとうございました。終わります。
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森本真治#20
○森本真治君 立憲民主党の森本真治と申します。
 今日は、参考人のお三方の先生方、貴重なお話ありがとうございました。
 順番にまずはお伺いさせていただければと思います。
 まず、伊藤先生、今日先生のお話の中で特にカーボンプライシングの話、特に強調してお話もいただいたのかなというふうに思います。炭素を価格化していくということの中で、今御案内の、今この世の中、特にこの委員会でも特に今議論になっているのがやっぱり適正価格ということ、適正価格ですね。例えば、今、価格転嫁の問題とかも含めてなんですが、そうすると、この炭素の適正価格というのがどのようなふうに考えていかなければいけないのだろうか。これがやはり適正な価格でないと、本来のこのカーボンプライシング、炭素税の目的というのが達することができないんではないだろうかという、ちょっとまあ素人ながらの私今疑問を持っておりまして、そういう中で、今回の、今政府の方の説明で示されておりますのが、これまでの再エネ賦課金であったり石油石炭税の減少分の範囲内でこの価格を決定していくという考え方を持っております。これ、つまり適正価格と言えるのだろうかということがまず一つ疑問として思うんですね。
 先ほど中田先生、二十兆円の話ありましたけれども、今回の二十兆円の設定も、この再エネ賦課金の減少分、石油石炭税の減少分の回収できる枠内の二十兆円というようなことも一つ設定としてあるんではないかと私自身思っておるんですが、今回の今の政府の方針ですね、このカーボンプライシングの価格を設定する考え方について、もしかしたら本来の目的を達することの足かせになるんではないかというふうにも思ってしまうんですが、ちょっと専門的な先生の立場から御所見をお伺いできればと思います。
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伊藤元重#21
○参考人(伊藤元重君) カーボンプライスの社会的な負担だとかあるいは行動ってなかなか複雑だろうと思います。先ほど私、一つ強調させていただいたのは、今何%付けるのかということだけじゃなくて、これからどういうその言わば方向性でやるかという将来の見通しみたいなものが現在の投資に影響を及ぼすということを申しましたけど、それ以外に、私申し上げなかった点でもう二点ぐらい申し上げさせていただきたいと思いますけど。
 一つは、理想型でいえば、もちろんその石油を扱う輸入業者だとかあるいは電力業者という形にカーボンプライスのまず一次的な負担はあるわけですけど、これ、なかなか政治的に難しい話とは思いますけれども、それが社会全体のあらゆる価格、賃金に転嫁されることは最終的には必要になってくるわけですよね。ですから、その結果として、誰がじゃ負担するのかということになってくると、単純に今のその税を払う主体ということではなくて社会全体の話になってきますから、多分もうちょっと複雑な話になると思います。
 さらに、もう少し理想型を申し上げますと、カーボンプライスを上げていくのかもしれないけれども、そのプロセスで脱炭素の投資が進み、例えば電気でいえば、これまでガスで発電していた電気事業者が再生可能エネルギーで発電すれば当然カーボンプライスの対象になりませんから、そういう形で結果的に負担が、要するに税負担とかあるいは価格負担が低くなるような形に調整がなるべく早い段階で起こるということが必要になってくるわけで、そういう時間の、言わば必要な時間を稼ぐという意味でも今回のこういうスキームというのは優れているというふうに思いますけれども。
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森本真治#22
○森本真治君 先生の言葉で特に印象的だったのが、ダイナミックということがあったものでしたから、特にこれ移行期とかですね、激変緩和とか、もちろん、いろんなことを調整しながらやることが逆にそのダイナミックさを失わせて、本来目指そうとするところに達することができなくなるんではないかというちょっと懸念もあったものでしたから、ちょっと先生の御所見お伺いしました。政府ともこれからまた議論もしたいというふうに思います。ありがとうございます。
 続きまして、小堀参考人にもお伺いをさせていただきたいというふうに思います。
 今回、脱炭素、そして成長型経済構造ということですね。経済成長というときに、先ほど伊藤先生もこの二十年間の話もされたんですが、ちょっと今回のこの脱炭素とは離れるかもしれませんが、やはり経営者の小堀先生のお立場からも是非聞きたいのが、この二十年、三十年というか、よく言われる、日本の技術力などが本当にこれ世界に誇れる中で、ちょっと本当に経営者の参考人の前で失礼ですが、日本は商売下手というか、国際競争の中でどんどんどんどんこれ経済のランクも下がっていく、技術をうまく商売に生かしてこれていないという、この間もあったというふうに思うんですね。
 そういうこの間のやっぱり反省というか振り返りがないと、じゃ、今回脱炭素で同じように成長を目指すんだといっても、本当にそれができるのかというところの、やっぱり様々なこれまでの課題、例えばテクノロジーであったり、よく言われますね、例えば健康分野の新産業とかですね、いろんなことを言われたけど、結局日本が今世界に誇る分野という、何かなかなか見出していない中で、じゃ、この脱炭素型の経済成長の産業が世界に勝っていけるのかというところはちょっとどうなのかなというところがあって、この法律自体は評価をされていますが、やっぱりこれ頑張っていただくのは経済界の皆さんでございますので、なぜこの三十年間の、先ほどの国内投資の話もありました、デフレからの脱却という、デフレマインドですね、結局設備投資に回らずに内部留保に回ってしまったということもあったんだけど、そこがクリアされないと、じゃ、これから先の未来も開けないんではないかなというふうに思いますので、ちょっと大きな話になるんですが、先生のお考えを。
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小堀秀毅#23
○参考人(小堀秀毅君) どうもありがとうございます。
 森本先生が言われたとおり、この三十年間、日本、なかなか世界における存在感というのは大分沈下してきたというのも間違いない事実だと思います。やはり、高度成長時代、やはり目標となるのがアメリカ、アメリカを追い越せ、追い付け追い越せ、そして日本がジャパン・アズ・ナンバーワンになったというところから、次、じゃ、どうしていくの、そこのプランを描く前にバブルがはじけて、そして世の中は情報化社会に入っていったと。パソコンが出てき、そしてIT、携帯電話、デジタル化。日本は、バブル崩壊の後の始末、コストダウン等、人件費の削減、似たようなところにどんどん走っていって、本当の情報化社会という目標に向かって進めなかったというやっぱり背景があったと思います。ようやくリーマン・ショック前、大分日本が戻ってまいりましたけれども、ここでやっぱりリーマン・ショックによって、ある意味での先々の不透明感、不安感から内部留保みたいな話が出ていったんじゃないかなと思うんですけど、そこには、やはり中国経済が引っ張っていただきましたから、そこにある程度乗っかっていけばよかったという話だったと思います。
 しかしながら、今回、コロナとそれから今回のSDGsがよりクローズアップされてきた。それからウクライナ紛争、ロシアの侵攻によって、やっぱりエネルギーというものに対する自給率をどう高めていくのかということ、エネルギーの安全、経済安全保障、サプライチェーンはどうあるべきかという大きな流れが転換期に来ていると思います。ある意味では今までとは違った大きな転換期、これはSDGsという世界共通の目標、企業もそれにしっかり貢献をしていかないと、パーパスをしっかり掲げてやっていかないと、新たな日本企業が目指す、日本の国が目指す目標が見えたというふうに思います。
 日本という国は、やはり勤勉であり、人的質のレベルが平均的に物すごく高い国である、そしてもったいない精神もあるということで、やはり目標が決まればそこに団結して進んでいくパワーというものは、これは諸外国から比べたらかなり高いものがあるんじゃないかなというふうに思っています。
 我々も経営陣として、やはり今回のコロナとウクライナの情勢、エネルギー問題も含めて、サプライチェーン問題も含めて、経済安全保障、これを見て、まさにこれからビジネスを拡大していく大きなチャンス、転換期が来たと思っています。そういう意味では、今回のやはりカーボンニュートラル、それからサーキュラーエコノミー、そういうものを含めて世の中の目指すべき社会が見える中で我々はどう取り組むかという非常に大きな転換期。
 改めて、過去のテクノロジー、それは昔のやっぱりバイオだとかいろんなテクノロジー、カーボンニュートラルに、我々、私はたまたまケミカル系の会社でございますけど、ケミカル系の会社は、やはり石油化学で培った触媒だとか化学プロセス、CO2をベースにした、原料にした化学プロセスだとかバイオのものもある、触媒みたいなもの、そういうもののテクノロジーいっぱい持っております。だから、これをやっぱり今まではどう発信、発言したらいいのかってなかなか見えなかったのが、目指すべき社会、目指すべきターゲットが見えたということで、そういう資源、資産を有効に活用していける、そういうタイミングに来たというふうに思います。それを国挙げて一致団結して取り組んでいく、産学官合わせて取り組んでいく本当良い機会ではないかなというふうに思っております。
 以上でございます。
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森本真治#24
○森本真治君 ありがとうございます。
 大林参考人にもお伺いをしたいというふうに思います。
 大林参考人は、自然エネルギー財団ということで、再生可能エネルギーの導入を進めていくということのお立場だというふうに思うんですけれども、そういう中で、我が国として、特に脱炭素という中で、特に電源につきましては、再生可能エネルギー、自然エネルギーの主力電源化ということは我が国として目標に掲げているんだというふうに思います。
 そういう中で、ただ、もちろん再生可能エネルギーを主力電源化する上では様々な課題もあるというふうに私も理解をしておるんですね。まあ系統の問題もあります、蓄電池の話なんかも、もう何年も前からそういう話もありますけど、なかなか、じゃ、その実用化っていつになるんだろうというような中で、やはりこの移行期をどう確実に主力、再生可能エネルギー主力電源化に向けて進めていかなければならないかというときに、今回二十兆円、民間も含めて百五十兆円ということでございますけれども、まあこれ私の個人的な私見にもなるんですけど、基本的にはそれぞれの民の力でこの主力電源化についても、特に電力事業者に対してもやっぱり取り組んでもらうんだということが中心になっているんではないかというふうに思うんですが、本当にやっぱり国家目標として進めるんであれば、私は相当、やはりこの官の力によってそのような課題についても解決に向けて取り組んでいかなければならないというふうに思っております。
 各電力会社さんの今の経営計画もちょっと、今ちょっと調べさせていただいて今後の質疑でも使おうと思っているんですが、今回のこのカーボン、GXの法案が通って、何かこの経営方針が変わっていくのかということですね。これについては、今の段階ではなかなかそういう動きはないというふうに私は理解しておるんです。
 ですから、やっぱり相当これ官の力によって進めていかなければいけないと思うんだけど、他国でも、特にこの主要な再生可能エネルギーが主力電源化している国々ではどうやってそれを実現していっているのかということも含めて、ちょっと御所見お伺いできればというふうに思います。
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大林ミカ#25
○参考人(大林ミカ君) ありがとうございます。
 まさに私自身も森本先生おっしゃっていただいたような懸念抱いております。特に日本の場合は、いわゆる旧一般電気事業者が持っている発電所の割合も非常に大きいわけですけれども、そこの発電所のエネルギー転換がなかなか進んでいないということが一つ挙げられるというふうに思います。そういう中で見たときに、日本全体の自然エネルギーを増やしていくといったようなパーセンテージが低いままであるということがあります。
 私自身は、市場の力を利用しながらやはり展開していくことが基本なんだと思っているんですけれども、先生がおっしゃるその国も関与しながらというところに関して言うと、日本はむしろ国の定めている枠組みというのが他国に比べて明確ではないというふうに思っています。
 今回の、カーボンプライシングが入っていく、あるいは化石燃料に対する税がもっと強く入っていくということになれば、一つの方向性として、炭素を減らしていきますということが国の目標として設定をされる、さらには、それをやっていくためには自然エネルギーを増やしていく、そういった方向性が示されるというふうに思うんですが、残念ながら今回のGXの中ではまだ化石燃料も一緒にやっていくということですので、なかなかその民間から見たときの投資がそこに進んでいくのかどうかというところが見えない状況が続いているというふうに思います。
 経済産業省の方ともよくお話しさせていただくんですけれども、将来は見えないので、日本は自然エネルギー一本足打法は難しいということで、海外の国はそれをもう大宗、八〇%以上、あるいは電力に関しては一〇〇%という目標を掲げてやっていくわけですよね。ところが、日本の場合はまだそこができていないというのがあるというふうに思います。
 海外がどういうふうにそれをやってきたかというのは、自然エネルギーの中でもやはりこれから伸びていく、今現在伸びていく電源というのは、市場の中で一番安くなっている太陽光と風力発電、もうこの二本だと思うんですね。それを電力の中で増やしていくために非常に重要なのは柔軟性の確保、御存じのように変動型の自然エネルギーであります。それを市場の中で最大限、一番安いから使うためには、まあ需要も変動しますので、そこを柔軟に調整していく力が必要ということになります。特に海外が力を入れているのは送電網の強化ということだと思います。
 私、こういった活動を二十年、三十年やってきまして、ようやく今、自然エネルギー一〇〇%の世界というのがもう目に見える形で実現しそうだなと思っています。それは、再生可能エネルギーが非常に安い電源として市場にあるということ、これが実現してきた。もう海外だと二円とか一円とかキロワットアワーで出ているわけですよね。で、一番最初に使う電源になると。プラス送電網の技術が革新されて、特に特別高圧のHVDCと言われる送電網ですけれども、そういったものがいろいろな、多国間あるいは違うエリア間で導入をされているということ。
 もう一つは、先ほど小堀副会長もおっしゃっていたんですが、やっぱり情報革命ですね。それが、送電網と自然エネルギーと情報革命、さらには蓄電池と組み合わさって、変動型の自然エネルギーを大量に安く送電網の中に入れていくような時代が今来ているということだというふうに思います。
 そういった観点から……
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吉川沙織#26
○委員長(吉川沙織君) 大林参考人、大変恐縮ですが、申合せの時間が過ぎておりますので、端的にお願いいたします。
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大林ミカ#27
○参考人(大林ミカ君) 分かりました。はい。
 そういった観点から見れば、私は、日本はまだテクノロジーの可能性があると思っておりまして、蓄電池、ヒートポンプ、太陽光、そういったものの可能性があると思っておりますし、それを実現していくためには、送電網も含めまして不断の規制改革が必要かなというふうに思っております。
 以上です。失礼いたしました。
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森本真治#28
○森本真治君 終わります。ありがとうございました。
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石川博崇#29
○石川博崇君 公明党の石川博崇でございます。
 今日は、三人の参考人の先生方、大変貴重な御所見をお聞かせいただきまして、感謝を申し上げたいと思います。
 GX、二〇五〇年のカーボンニュートラルに向けて社会全体で取組を進めていかなければならないと思いますし、産学官連携、またオールジャパンで取組を進めていくということが極めて重要だというふうに考えております。またあわせて、この取組を契機として、日本経済、また産業をより成長させていくという視点、そして同時に、産業界を始め国民生活に非常に大きな影響を与えますので、きめ細やかな、その影響についても十分配慮していくということが極めて重要だというふうに考えております。そういった観点から三人の先生方に御質問させていただきたいと思います。
 まずお聞きをしたいのは、先ほども少し話がありましたが、今回、二十兆円規模のGX経済移行債を呼び水として百五十兆円の官民投資を引き出していくという点について、三人の先生方に御所見をお聞かせいただきたいと思います。
 伊藤先生からは、この民間投資百五十兆円引き出すために、今回の法律案では規制・支援一体型の成長志向型カーボンプライシングということが導入されることになりますけれども、今後、政府にこの民間の大規模投資を引き出していくためにどういった政策が具体的に必要か、御所見があればお聞かせいただきたいというふうに思っております。
 そして、小堀参考人からは、日本を代表する総合化学メーカーの取締役会長として、企業の投資戦略あるいは投資判断を常日頃から行っておられます。そういった意味で、今後、民間の投資を引き出す上での経済界としての視点、そしてまた、御社では、水素社会実現に向けて大型アルカリ水電解システムの開発とか、あるいはグリーンケミカルプラントの実証にも取り組まれていて、今現在、NEDOのグリーンイノベーション基金を活用されているというふうに伺っております。この基金、今後もGX経済移行債の支援対象として注目されるかと思うんですけれども、こういった基金の、今現在使っておられる立場として、使い勝手あるいは今後の在り方についての御意見があればお聞かせいただきたいと思います。
 そして、大林参考人からは、このGX投資、今後進めていく上で、再生可能エネルギー、エネ基でも主力電源化していくということを掲げられていますけれども、次世代型太陽電池、ペロブスカイトやあるいは浮体式洋上風力導入、様々なイノベーション、水素、アンモニアも含めて期待される分野あります。大林参考人のお立場で、これから特に注力をしてGX投資進めていくべきというような分野ございましたら、御所見をお聞かせいただければと思います。
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