農林水産委員会

1955-05-26 参議院 全115発言

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会議録情報#0
昭和三十年五月二十六日(木曜日)
   午前十時四十九分開会
    —————————————
 出席者は左の通り。
   委員長     江田 三郎君
   理事
           秋山俊一郎君
           戸叶  武君
           千田  正君
   委員
           青山 正一君
           大矢半次郎君
           重政 庸徳君
           関根 久藏君
           田中 啓一君
           奥 むめお君
           溝口 三郎君
           森 八三一君
           河合 義一君
           清澤 俊英君
           三橋八次郎君
           東   隆君
           棚橋 小虎君
           菊田 七平君
  国務大臣
   農 林 大 臣 河野 一郎君
  政府委員
   農林政務次官  吉川 久衛君
   農林大臣官房長 安田善一郎君
   農林省農林経済
   局長      大坪 藤市君
   農林省農地局長 渡部 伍良君
   農林省蚕糸局長 塩見友之助君
   水産庁長官   前谷 重夫君
   通商産業省鉱山
   局長      川上 為治君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       安楽城敏男君
   常任委員会専門
   員       倉田 吉雄君
   常任委員会専門
   員       林  達磨君
  説明員
   大蔵省主税局税
   関部業務課長  崎谷 武男君
   農林省農林経済
   局経済課長   大和田啓気君
   農林省農地局管
   理部長     立川 宗保君
   農林省農地局管
   理部入植課長  和栗  博君
   食糧庁総務部長 新沢  寧君
    —————————————
本日の会議に付した案件
○農林漁業金融公庫法の一部を改正す
 る法律案(内閣送付、予備審査)
○自作農維持創設資金融通法案(内閣
 送付、予備審査)
○繭糸価格安定法の一部を改正する法
 律案(内閣送付、予備審査)
○開拓融資保証法の一部を改正する法
 律案(内閣提出)
○農林水産政策に関する調査
 (農林水産業用石油類の輸入に関す
 る件)
 (昭和二十九年産米価減収加算に関
 する件)
    —————————————
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江田三郎#1
○委員長(江田三郎君) それではただいまから農林水産委員会を開きます。
 農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案、自作農維持創設資金融通法案及び繭糸価格安定法の一部を改正する法律案を一括して議題といたします。これらの法律案のうち、前二つのものは去る五月二日、閣法第六十一号及び六十二号をもって、また最後のものは五月二十三日、閣法第七十一号をもってそれぞれ内閣から予備審査のため提出され、当委員会に予備付託となったものであります。まず提案理由の説明を求めることにいたします。農林政務次官。
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吉川久衛#2
○政府委員(吉川久衛君) ただいま提案になりました農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案の提案の理由を御説明申し上げます。
 昭和二十八年四月に農林漁業金融公庫が設立されて以来二年、また農林漁業資金融通特別会計の貸付開始以来すでに四年を経過いたしておりますが、この間におきまして、農林漁業の生産力の維持増進をはかるため、農林漁業者及びその組織する団体に対し、八百七十七億円余に上る長期かつ低利の施設資金が融通されておりますことは各位の御承知の通りであります。今年度におききしては、食糧増産等重要農林漁業施策の遂行のため、従来通り土地改良等に要する施設資金の融通を行うほか、さらに従来からの要望にもかんがみまして、新に個人の用に供する農業施設資金の融通の道を開くとともに、自作農維持創設資金の貸付をも行うこととし、これらに要する資金全体として二百五十五億円の貸付を計画いたしております。なお、昭和三十年度の貸付計画二百五十五億円の資金源の内訳は、政府からの出資金九十五億円のほか、資金運用部からの借入金百五億円及び回収金五十五億円となっております。従いまして、政府の一般会計から九十五億円の出資をするため、及び農業者の個人の用に供する施設について公庫の業務の範囲を拡大する等のため、この法律案を提出いたした次第であります。なお、自作農維持創設資金につきましては、別に提出いたしております自作農維持創設資金融通法案に基き、公庫が貸付を行うことといたしております。
 次に、本法律案の内容の概略を御説明申し上げます。まず、農林漁業金融公庫の資本金を政府から九十五億円出資することにより、現在四百五十六億七百万円となっておりますのを五百五十一億七百万円に増額するため公庫法第四条の資本金に関する規定を改正いたすものであります。
 次に、農林漁業者の共同利用に供する施設以外の個人の用に供する施設に対しましても、公庫の貸付業務の対象に加え、資金の貸付を行い得るようにするため公庫法第十八条第一項第八号の規定を改正し、公庫の業務の範囲を拡大するとともに、これに呼応して別表の貸付条件等の規定にも改正を加えようとするものであります。なお別表の貸付条件の改正がありましても、災害のつど、必要に応じ主務大臣が指定しておりましたいわゆる主務大臣指定災害復旧資金につきましては、今後とも従来と同様の指定手続により、同様の条件で貸付を行う考えであります。
 第三点は、残存する日本開発銀行の農林漁業金融公庫に対する貸付金を返済し、これに相当する金額を産業投資特別会計から同公庫に対し出資があったこととするため、すなわち借入金を出資金に振りかえるため第三十二条に必要な規定を加えるものであります。なお、この返済されることとなる金額は約二十一億円でありまして、この金額は日本開発銀行が後輿金融金庫から承継した農林漁業者に対する貸付にかかわる債権及び同銀行がみずから行なった農林漁業者に対する貸付にかかわる債権で、すでに同銀行から公庫に承継されているものに見合うものであります。
 以上がこの法律案の提案理由並びにその内容の概略であります。何とぞ慎重御事議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
 次に、自作農維持創設資金融通法案の提案理由を御説明申し上げます。
 御承知の通り、農地改革の結果といたしまして、二百万町歩をこえる小作地が自作地となり、四百二十万戸をこえる農家がその売り渡しを受け、自作農として農業に精進することになったのであります。この農地改革の成果の維持につきましては、現在農地法がその法制的部面を担当しているわけでありますが、自作地を維持するため必要な資金の融通措置についての制度はいまだ十分確立されるには至っておりません。これがため、すでに政府は昭和二十六年度から自作農創設特別措置特別会計の余裕金の運用によりまして、農地または採草放牧地の買収売り渡しの形式により、とりあえず農民の窮境を救う一助として参りましたが、とうてい農家の資金需要を満たすには至らなかったのであります。
 近年、農村における資金難から自然災害はもちろん、疾病その他の個人的災害、相続等による臨時支出をまかなうために農地または採草放牧地を売却するのやむなきに至る自作農が逐年増加しており、特に経済的に弱い農家は、転落の危険にさらされているのであります。従いまして、この際新たに農業経営の安定、農家の転落の防止のための措置を制度的に確立することは刻下の急務と考えられるのであります。よって政府は、農地及び採草放牧地が農業経営の基盤であり、かつ、農業者がこれらを所有することがその農業経営の安定をはかるための要件であることにかんがみまして、農林漁業金融公庫がその取得、維持または細分化防止のために必要な資金を長期かつ低利で貸し付けることにより、農家の経営の安定をはかることとし、このための立法措置を講ずることといたしたわけであります。
 この法律案のおもな内容について御説明申し上げますと、第一に貸付金といたしまして、農業経営を安定させるため農地または採草放牧地を取得するのに必要な資金、小作農が小作地または小作採草放牧地を取得するのに必要な資金、農地または採草放牧地の相続による細分化を防止するのに必要な資金、疾病、負傷、災害等のため自作地または自作採草放牧地を維持することが困難な場合に、これらの土地を維持するのに必要な資金の四種類について貸付を行うことといたしました。
 第二に、貸付条件につきましては、この資金の性格上、さきに申し上げましたように長期低利とし、年利五分五厘、償還期間は十五年以内といたしました。
 第三に、貸付を受けようとする者の適否の認定を都道府県知事が行い、その認定を受ける場合には、農業経営安定計画を作成せしめることといたしました。都道府県の指導及び援助のもとにこの計画を確実に実施することによってその経営を安定せしめ、みずから償還財源を確保し得るようにし、もって本制度の目的の達成をはかることといたしたいのであります。なお、この法律案の施行に伴い、この法律案に規定する業務を公庫の業務に加えることにいたし、これに伴い、農林漁業金融公庫法につきまして必要な改正を附則で行うことといたしました。
 以上が、この法律案のおもな内容でございますが、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決下さいますようお願いいたします。
 次に、ただいま上提されました繭糸価格安定法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。
 繭糸価格安定法は、生糸の輸出増進と蚕糸業の経営安定とを目的として、最高価格による生糸の売り渡しと最低価格による生糸の買い入れによって、生糸の価格を安定帯の中に維持することを建前としているのでありますが、本法施行以後の経緯にかんがみますと、出発当初におきまして、政府の手持ち生糸なしに同法を実施いたすこととなりましたために、二十七、八両生糸年度におきましては、最高価格をはるかに突破するような異常な事態が生じたのであります。これでは本来の目的である生糸の輸出振興と蚕糸業の経営の安定をはかることは困難であります。よって、このような事態に対処して輸出生糸について有効な価格安定を実施し、もって輸出増進に資することができますように、政府において輸出適格生糸を保有し得る道を新たに開くことが第一のねらいであります。また、現行法では、生糸の価格を安定帯の範囲内に維持することによって原料繭の価格も自然に安定させることができるという考え方をとっておるのでありまして、春蚕農民の経営安定に直接関係のある繭価につきましては、ただ政府が繭価低落防止のための必要な措置を行うものとするというきわめて抽象的な規定を置いているのみであります。この規定では、政府がいかなるときに、いかなる方法で繭価維持の措置を行うかということは不明確であります。よって、この現行法の不備を補って、繭価維持についての明確な規定を置き、これに基く措置によって、養蚕農家が安んじて生産にいそしむことができるようにすることが第二のねらいであります。
 以下、法案の主要内容について、その概略を御説明申し上げます。第一は、政府は最高価格によって売り渡す生糸として輸出適格生糸を保有する必要のある場合は、最低価格を超える価格で買い入れることができるようにしたことであります。もちろんその場合でも糸価に悪影響を及ぼさない方法によって買い入れることが必要でありますので、その買入方法としては、あらかじめ農林大臣の指定する者が農林大臣の定める条件に従って保管した輸出適格生糸のうち、一定期間を経過してなお保管しているものについて、政府が買い入れる契約を結ぶことができることとした次第であります。この方法による買い入れは、当然輸出確保のための必要保有数量に限定すべきものでありますから、この方法によって買い入れ得る生糸の数量は、政令をもって限定いたしますとともに、すでに政府が最低価格で買い入れた生糸、あるいは繭価維持の結果買い上げた繭から作った生糸等の保有量と合せ、最高価格を維持するに必要な数量を限度として、この特別買入を行うこととしております。
 第二は、政府手持生糸の数量が、生糸の価格の異常な騰貴を防止するために必要な数量を超えるような場合におきましては、その超過数量につきまして、最高価格でなくても時価によって売り渡すことができることとしたことであります。この場合、この売り渡しによって糸価を不当に圧迫することを避けねばならぬことはもちろんでありますので、この売り渡しは生糸の市場価格がその生産費を超えている場合においてのみ行い得ることといたしますとともに、その売り渡しは時価に悪影響を及ぼさない方法によるべきこととしております。
 第三は、繭価維持のための具体的な措置を定めたことであります。繭の価格が、生糸の最低価格に見合う価格、すなわち最低繭価以下に下がるようなおそれのある場合におきましては、農林大臣の指定する農業協同組合連合会が、あらかじめ農林大臣の承認をうけて繭の出廻わり調節による最低繭価維持のために自主的に保管をしたときは、保管に要する経費について、糸価安定特別会計から補助金を交付することができるものとしたのであります。このような措置によりまして、繭価は維持されると考えられるのでありますが、その保管した繭を一定期間中には最低繭価以上の価格で売り渡すことができない場合も考え得られますので、そのような場合には、さらに政府がその保管繭を買い入れることができることといたしまして、繭価維持の万全を期したのであります。
 第四は、政府保有繭の売渡、加工、生糸との交換の規定を設けたことであります。政府が買い上げた繭につきましては、その性質上、長期の保管には耐えないのでありまして、またそれを一時に売り渡すことにより、繭の時価に悪影響を及ぼすことを避けねばなりませんので、生糸に加工して保有する方法、または生糸との交換を考えている次第であります。
 第五は、政府が生糸の買い入れ契約、繭の買い入れ契約、補助金の交付契約をする場合におきまして、その金額に限度を設けたことであります。
 これによって、政府が契約することのできる額の総計は、糸価安定特別会計における収納済歳入額と借入金の限度の総計を超えてはならないことといたしております。
 以上申し上げましたような法律改正ができ、これによる措置が実施できますれば、生糸の輸出確保と蚕糸業の経営安定のために多大の効果があると考える次第であります。
 以上がこの法案提出の理由並びに内容の概要であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに可決されますようお願いする次第であります。
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江田三郎#3
○委員長(江田三郎君) これらの法律案の審査は後日に譲ることにいたします。
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江田三郎#4
○委員長(江田三郎君) 次に、開拓融資保証法の一部を改正する法律案を議題にいたします。本法律案については、去る十日及び十九日の委員会において提案理由の説明、法律案の内容及び参考資料等について農林当局から説明を聞き、二十四日の委員会において御質疑を願ったのでありますが、なお御質疑がありますればお願いいたします。
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溝口三郎#5
○溝口三郎君 開拓融資保証法の改正法案でこの前二、三お伺いいたしたのでありますが、もう一、二点お伺いしておきたいと思います。この前に配付されました「開拓営農の概況」の資料でございますが、純粋入植者の現在戸数は、二十八年度末で十三万六千戸ということになっておるのでありますが、二十六、七、八年度等はそれぞれ毎年度七千戸、八千戸入っているようです。これは予算の戸数のようでございますが、別の資料で農林統計等におきますと、この間毎年ふえている開拓者は一年に二千五、六百戸、八千戸くらい毎年入れるが、実際にふえているのは二千五、六百戸に過ぎない、戦後開拓者総体で入れている面積は、戸数は二十二万戸くらい、現在その半分くらいになっておるのですが、どういう原因が主たる原因になっておるか、脱落者、そうして毎年五千戸程度現在でも脱落しているのかどうか、その原因等について何かお調べになっておることがありますか、お伺いしたいと思います。
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立川宗保#6
○説明員(立川宗保君) ただいまお尋ねのございました脱落、離農の問題でありますが、これは数字をずっと検討をいたしますと、昭和二十年から二十四年あたりまでの初期の開拓の時代に入りましたもの、そういう人たちの脱落の割合が非常に多うございまして、最近に入殖をいたしました人の離農の数字は非常に少くなっております。それで離農、脱落の原因でありますが、これはいろいろとございます。緊急開拓の初期におきましては、ともかくあのような経済状態でありましたので、工場がとまっておる、町に働く場所がない、ともかく戦災者あるいは復員軍人、引揚者というようなものは農地を開墾をすれば食えるというようなことで、どっと入殖をするという状態でもあり、また当方といたしましても、そういう人たちを入れて安住の地を与えるというようなことであったわけであります。従ってその入殖者の質も必ずしも優秀な人ばかりでなしに、ともかく一時だけいる場所を、食うべきものを求めたいというような人が相当おりました。そういう人がやはり漸次都市が復興して商売も始まる、工場も動くというようなことになりまして、離脱をするということが一つの原因でございます。それからもう一つ、軍用地その他におきましては、終戦によって復員になりました軍人が、自分の演習場とか、飛行場とか、そういうところに居つきまして、そこを開墾をして農業をやるという状態があったわけです。それがいわゆる追放の解除というようなものを契機にいたしまして、もう一ぺんまた自分の仕事に立ち戻るというような事態も起っております。それが追放解除の時期に相当の離農が出ておりますが、それはそのような原因であります。それから第三といたしましては、当時の開拓は、とりあえずあの終戦の動乱のさなかに、ともかく食物を生産する人のまあ安住の地を与えるというようなことで緊急に始めましたために、計画も必ずしも精緻でなく、また指導も必ずしも整備しておりませんでした。そのために土地の条件が悪かったり、あるいは非常に多くのものが入殖をした、過剰入殖をいたしまして、農業経営の指導がまずかったというようなことと相待もまして、この初期の開拓というものはかなりそういう点からも離農が出たわけであります。以上のようなことが主な理由でございまして、今申し上げましたような原因は最近はそれぞれ解消しております。従って当初に申し上げましたように、最近離農戸数が非常に少くなったというのはその反映であろうかと、かように存じております。
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溝口三郎#7
○溝口三郎君 ただいまの御説明で、最近に入るのはこれは選考を厳重にやって、七、八千戸の人たちはそう離農はしないが、従前に入ったような人が特に離農している、それは統計の上でも毎年四、五千戸が離農しているのでありますが、そういう人たちに営農開拓融資で貸付けられたようなのは、それはどういう人に譲渡して入っているのですか、この保証に該当して代位弁済した例はないというのは、貸しているのは事実十三万戸くらいの人に貸している、そして毎年借りた人は五千戸くらい離農しているという、そうすると、貸した金はどういうふうになっていますか、それを伺ってみたいと思います。
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渡部伍良#8
○政府委員(渡部伍良君) 御承知のように、この制度は始めてから三年でありまして、管理部長の説明しましたような、終戦直後の何といいますか、本当の意味の農業に専心するという開拓者が相当程度脱落したあとにできておる制度でありまして、しかし先日申し上げましたように、開拓者の中には十分営農が確立していないものもまだ相当あるのでございます。そこでこの制度ができましても、資料をお配りいたしましたように、計算上から私はもっと営農資金として短期資金が必要で、保証をすべきだけれども、そこまで行っていないというような状態になっておるのであります。現在までのところは、要するに金を貸して返す見込みがあるものから優先的にこの恩典に浴しておるような状態でありまして、現在までは代位弁済等もやっていない状態でございます。しかしせんだって申し上げましたように、そういう弱体の入植者にさらにこの制度の利点を均霑せしめる必要があるというので、開拓協同組合の振興等についてやっているのであります。さらに具体的な問題として、もしその中でもいろいろな原因で離脱するというような場合は、債権債務は今度はあとを引受けた人、開拓地を引受けた人に引継いでおくのが原則でございます。例外の場合は、そうでないのもぼつぼつ出ておりますので、債権債務をはっきりしなければ離脱を認めないというふうに指導し、また現実にそういうふうに行われているのであります。これは何といいますか、開拓者が相当苦労をされて相互に援助して行こうという意識が非常に旺盛でございますので、そういう悪いケースが起ってくる場合は非常に少いようでございます。
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千田正#9
○千田正君 今の溝口委員のお尋ねに関連してお尋ねいたしますが、最近駐留軍の演習地あるいは日本側における防衛隊の演習地等が、将来、かりに現在の政府が言っているようなことであるとすれば、ある程度、防衛隊の演習場やその他も拡大されるものとわれわれはみなきゃならない、そういう場合において、開拓地において離農しなければならない立場、あるいは移転しなければならない立場に立たされただろうと思うのですが、そういう問題に対する解決方法はどういうふうにやっておりますか、あるいはどういう案が将来立てられてあるのですか。
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渡部伍良#10
○政府委員(渡部伍良君) 演習地等の拡張等に伴って立ちのかなければならないものは、最近までは普通の農家よりも開拓者の場合が多いのであります。そういう場合は特にそれの転植、あるいは新しい開拓地への入植等について特に慎重にめんどうをみて行っております。まあ一番いいのは、せっかく終戦後粒々としてここまで持って来たので、立ちのきでないように交渉しておりますけれども、どうしても立ちのかなければならないという場合には、今申し上げたようにしております。なおついでに恐縮ですが、演習地の問題が出ましたので、先日清澤委員からお話がありました旧軍用地で開拓地になったもので、在日米軍用用地あるいは自衛隊の用地になっております面積をちょっと申し上げますと、在日米軍関係では二十一地区で千百二十四町歩になっております。それから自衛隊関係では四十四地区で二千百三十七町歩になっております。これは今申し上げましたように、旧日本軍の軍用地で開拓地になったもの、またその開拓者が追いたてをくって、米軍または自衛隊の用地にとられたものであります。
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千田正#11
○千田正君 それでおそらくこういう人たちの立ちのきは、結局既墾地でない所へまた入植しなければならない立場にあるんでしょうが、そういうのに対しての特別の勘案をされてあるんですか、実際の処置としては……。相かわらず今までの新しい所へ入れるという程度なのですか、そうするというと、今まで営々三年なり四年なりというものを苦労してきた人たちが、結局水の泡になって新しい所へ入って行かなければならない、新らしい所へ入るためには、現在まで行われておりますところの新開拓地に入れるような方式をとっておるのか、それとも今まで働いておった所の成果に対して何らかの補償をされて、そうしてさらに新しい開拓地へ新しい方法によって入れておるのですか。
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渡部伍良#12
○政府委員(渡部伍良君) これは何といいますか、国の都合でそういうことになりますので、たとえば干拓地でありますとか、なるべく条件のいい土地を選んでそこへ世話いたすようにしております。なお出て行くときには、当然補償金をとりますので、補償等についてもせんだって補償基準をきめる際には、この開拓者の補償については、私どもとしてもそういう気の毒な立場というのを考慮して特に努力いたしたつもりであります。
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千田正#13
○千田正君 これは予算面で聞きますが、そうしますというと、補償の分は防衛庁の予算になって、そうして入植の分として農林省の予算面に入るわけですか、農林省としては……。そこの区別はどうなんですか。
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渡部伍良#14
○政府委員(渡部伍良君) その通りであります。
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千田正#15
○千田正君 そうしますというと、農林省の予算面からいいますれば、従来と何らかわりのない新入植者と同じような予算のもとで入れて、そうして過去のいわゆる労力その他に対する補償というものは、これは防衛庁でやる、まあそんな差しかつけられないということなんですか。
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渡部伍良#16
○政府委員(渡部伍良君) そうであります。結局せっかく粒々としてここまで築いておるんですが、それが御破算になるんですから、その御破算料は防衛庁なり調達庁のほうで出しております。入植者はとにかくまた新しくスタートするのですから、これは新しい入植者として取り扱う、こういうわけであります。
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千田正#17
○千田正君 しかしずっとこれを詳細に見ましても、現実においてはいい所が残っておらないのじゃないか、入植される土地としては……。
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渡部伍良#18
○政府委員(渡部伍良君) これは集団的に何十戸というような所は、なかなか見つかりません。しかし数戸ずつ、あるいは十数戸ずつというようなところで、いい所を選んでやっておるわけであります。
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千田正#19
○千田正君 そうすると、今後もおそらくそういう問題は起るでありましょうが、これは現地でしょっちゅうそういう問題が起るのですが、開拓者としては移転したくない、しかし国の要請はどうしても移転しろ、こういう問題ですね、しょっちゅう現地においていろいろな問題が起るのですが、農林省の立場から考えた場合は、あなた方の方としてはどこに一体重点な置いて考えられますか。自衛隊はやむを得ないという方に置くのか、それとも営々粒々辛苦して、国の増産対策のために寄与して来たこの開拓民に対して、どっちに一体重点を置いて今まで農林省で処置され、将来またこういう問題がどんどん起きてきますが、そういう問題に対してどっちにあなたは重点な置いて考えておりますか。
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渡部伍良#20
○政府委員(渡部伍良君) もちろん第一には、そういう農業者、開拓者というか、一般の農業者に迷惑にならぬ地区の選定な主張しております。しかしどうしてもそういう地区ということになれば、極力被害といいますか、その迷惑をこうむる戸数の少いような方法で交渉しておるのであります。しかしいずれも国、国民全体の問題でありますから、どうしてもある程度は立ちのきをしなければいかぬという場合には、そういう気の毒な立場というものを考えて、農林省としてもできるだけ十分のことをしてやりたい、こういう考えでおります。
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千田正#21
○千田正君 この問題は非常に将来農林行政の面からいっても重要な点でありますので、今後この融資保証法とはまた切り離して、政府の所信をあらためてただしたいと思います。
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江田三郎#22
○委員長(江田三郎君) 今の千田君の問題は、今後は予算審議の問題がありますから、そのときに一つ……。
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清澤俊英#23
○清澤俊英君 これの資料をちょうだいしましたが、だいぶ広大な面積が開放せられているのでありますが、これらの入植者が融資を受けていた場合、もちろん調達庁の補償対象として融資分くらいは出るでしょうが、その融資に対します補償料としては、大体今まで取り扱われておったのは、借りておりました金額だけであったのか、それともその金額に何か、慰安的という言葉はちと無理でありますが、実際一つの計画を立てて進んでおりましたこの長い問の計画的な苦労というものが全部御破算になるのでありますから、これをあらためてまた別なところでやるというようなことを考慮しておるのですか、融資額に対する償還等はどうなっておりますか。
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和栗博#24
○説明員(和栗博君) 米軍なり、自衛隊の用地となりました場合の補償の問題でございますが、この補償のやり方それ自体は調達庁なり、あるいは防衛庁がやるわけでございますが、それを実際やりますときには、過去の開拓地に対する融資額というものが対象になるのではなしに、現在の調達なりをする場合のときにおける開拓地の、今まで苦労してそこまで仕上げていったその現在の状況における開拓者のそれまでの投下した資本なり、労力というものが、そこに耕地なり、あるいは家屋なりの形でできておりますので、それに対して補償が行われておるというような今の補償体系になっております。
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清澤俊英#25
○清澤俊英君 私の聞いておりますのは、最初に債務として、一旦受けた融資の問題が残っております場合に、その取り扱いがどういうふうになっているか、ただ金額だけをやってそれでいいというやり方をやっているのか、それともその債務を返済する場合に、債務自身が持つ計画性を持った長い間の苦労というものを相当見て、それを計算して調達庁は出しているのかどうかということなんです。
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和栗博#26
○説明員(和栗博君) 従いまして、調達庁なり防衛庁が支出しております補償額の中には、今御質問のような長い間の苦労の結実が、そういうようないろいろの形で農地その他になってできておりますので、それが補償の対象になっている、それに対して補償額がきめられて払われておるという恰好になっております。
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清澤俊英#27
○清澤俊英君 これは農林省だけではちょっとめんどうだと思いますから、あとで補償額の大体の基準を調達庁の方から別の機会でいいからお伺いしたいと思います。それからやって行きたいと思います。
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溝口三郎#28
○溝口三郎君 昨日お伺いしたのですが、今度五千万円の基金を増額する。それは漸次面積もふえますし、普通の既墾地よりも開拓地におきましては営農費に余計かかりますから、できるだけ融通資金等については確保できるような措置をする必要がある、今後におきましても、これはずっと継続してやって行く必要があるので、予算、財政上の理由というようなところから、将来大蔵省等で、開拓者の戦後に入ったようなものは、ある一定の年限、限度が来れば切り捨てるという心配がないかどうか、私はそういう事態が来るかもしれないから、この際何か法文にでも明確にして、従前に入植した人たちも毎年予算がとってもらえるかどうかというような不安のないようにする必要があるように何か方法はないかと伺ったのでございますが、毎年面積がふえるに従って予算を要求するような御意向のようでございましたが、私はこの際一つお伺いしておきたいのは、経済六カ年計画で、この六カ年間に農林省では開拓を約三十万町歩、開拓者も毎年機械開墾を入れて一万戸ずつ入植計画を六カ年計画で持っているわけです。そうすると、この算定の基礎からいっても、六カ年間に肥料の融通資金は四、五十億要るのじゃないか、機具もそれに比例して五、六十億、さようなことになるならば、あの六カ年計画に従って何か開拓者の営農資金計画というものを立てておられるかどうか、少くともそういうものを省議ででもきめて、それを元にして将来予算の融通的な措置というようなことでもして行われるような準備をしておかれる必要があると私は思うのでありますが、その点何かお考えがあったらお伺いしたい。
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渡部伍良#29
○政府委員(渡部伍良君) 開拓者に対する短期資金の融通のためのこういう制度が必要であるということは疑問の余地がないことになっております。そうして将来これを拡大しなければならないということについても、たとえば今年の予算の折衝においても、この開拓者融資保証協会に対する出資金の増額については、これはもう当然のこととして、金額についてはこの計算の方法にいろいろ議論がありましたけれども、これについては議論がないのであります。この必要なことは認められているのであります。しからば将来年次計画をどういうふうにするかという問題でありますが、これはわれわれとしましては、この入植者に全部均霑できるようにするというのが最大限の目標であります。しかし、それには借りられるような各入植者の状態なり、入植者の組織する協同組合なり、そういうものがマッチしなければいけませんので、開拓者の受入れ状況、協同組合の進行状況等をできるだけ必要の最小限度まで持って行くということに困難性を感じているのであります。従って現在まで農地局としてそういういろいろな計画を持っておりますが、まだ六カ年計画にはっきり織り込むというところまでのあれにはなっておりません。しかし、これはどうしてもそういうものにしなければならないというつもりでおります。そのためにもう一つ掘り下げた開拓者の状況というものの調査をこの一年でやることにしておりますから、それをもってもっと外にはっきりと主張ができる計画にいたしたい、こういう考えであります。
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