商工委員会総合燃料対策及び地下資源開発に関する小委員会

1956-06-03 衆議院 全43発言

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会議録情報#0
昭和三十一年六月三日(日曜日)
    午前十一時十八分開議
 出席小委員
   小委員長 小笠 公韶君
      菅  太郎君    首藤 新八君
      長谷川四郎君    山本 勝市君
      多賀谷真稔君
 小委員外の出席者
        商工委員長   神田  博君
        議     員 阿左美廣治君
        通商産業事務官
        (石炭局鉱害課
        長)      佐藤 京三君
        専  門  員 越田 清七君
    —————————————
三月十三日
 多賀谷真稔君同月十二日委員辞任につき、委員
 長の指名で小委員に補欠選任された。
同月二十日
 野田武夫君同月十六日委員辞任につき、委員長
 の指名で小委員に補欠選任された。
同日
 淵上房太郎君同月十七日委員辞任につき、委員
 長の指名で小委員に補欠選任された。
同月二十九日
 田中利勝君同月二十七日委員辞任につき、委員
 長の指名で小委員に補欠選任された。
五月三十日
 多賀谷真稔君同月六日委員辞任につき、委員長
 の指名で小委員に補欠選任された。
同日
 菅太郎君同月十一日委員辞任につき、委員長の
 指名で小委員に補欠撰任された。
同日
 内田常雄君同月十四日委員辞任につき、委員長
 の指名で小委員に補欠選任された。
六月一日
 小委員野田武夫君同日小委員辞任につき、その
 補欠として山本勝市君が委員長の指名で小委員
 に選任された。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 鉱害賠償及び鉱害復旧制度に関する件
    —————————————
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小笠公韶#1
○小笠小委員長 これより会議を開きます。
 鉱害賠償及び鉱害復旧制度に関して調査を進めます。質疑の通告がありますので、これを許します。多賀谷真稔君。
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多賀谷真稔#2
○多賀谷小委員 実は先日商工委員会におきまして、鉱害につきましての、ことに復旧をめぐりましていろいろ参考人を招致し、その実情を聞き、また要望事項も聞いたわけでありますが、政府においては、和解仲介の制度についてどういうようにお考えであるのか。和解仲介がなかなか実効を見ていないというのが参考人の一致しての意見であります。むしろあっせん、調停、仲裁という労働委員会のようなシステムにしてもらいたい、こういうようなことでありましたが、和解仲介に対してどの程度予算を見、人的配置をされておるのか、実情はどの程度運営されておるのか、これをお聞かせ願いたいと思うのです。
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佐藤京三#3
○佐藤説明員 和解仲介につきましては、申し立てによって和解仲介の受付をするわけでございます。それで今まで和解仲介の申し立てのありましたのは、参考人からお話のありましたように、二十件程度でございます。それで和解仲介以外に、実際陳情の形で通産局に持ち出されておりますものは三百件程度でございます。それでたしか鉱業法の御審議を願った際に、商工委員会の方で附帯決議がございました際に、当局はそういう紛争については誠意をもってあっせんすべきだという御決議もございましたので、通産局では陳情を受けた際には極力調停、あっせんの労をとっておるというのが現状でございます。
 それから御質問の和解仲介の制度でございますが、これは和解仲介には、中立側と鉱業権者側と被害者側の代表を十五人選んでおりまして、具体的な案件が上った場合に、三人ないし五人の方を御委嘱いたしまして、あっせんの労をとっていただいております。
 それから予算につきましては、遺憾ながら今まで和解仲介委員の予算としてはまだ獲得できていないような実情でございまして、今後その点は十分考えなければならぬ問題だと思っております。
 それからいま一つ、和解仲介委員の委嘱に当って、民主的な方法をとってもらいたいという御要望もございましたので、この点につきましては、過日通産局長あてに通牒を出しまして、任命に当っては県知事のあらかじめ承認を得て任命してもらいたいということにいたしております。
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多賀谷真稔#4
○多賀谷小委員 本日はあまり意見を言わないで、一応実情を聞きたいと思います。実は家屋の復旧が、いわば臨鉱法の中からは補助その他の対象になっていないわけでありますが、家屋、墓地の復旧というものは非常な社会問題になっておる。最も紛争の激しいのはこの点でありますけれども、特別鉱害復旧が三十二年度で終りますと、家庭の復旧が実際停滞をするというような状態になって参ります。非常に家屋の復旧がおくれていくと思うのですけれども、家屋の復旧は現在においてどの程度の金額に上るものであるか、今から復旧をいたしますと、どの程度かかるもの、であるか。もっともつは鉱害が進行いたしますから、現在点においてはどうであるか。これを進行しないものと仮定して、大体わかりましたらお聞かせ願いたいと思います。
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佐藤京三#5
○佐藤説明員 家屋につきましては、特鉱法で復旧いたします以外に、各炭鉱が自己復旧しているものがございます。二十八年、九年両年度の私の方で調査しました結果によりますと、家屋の自己復旧しておりますものが約四億円程度、戸数にして三千戸程度になっているような調査の結果になっております。それでその三千戸自己復旧しているうちで、内容がおそらく補修程度のものもこの統計に入っているのではないかと思います。特鉱のように完全に復旧している戸数がどの程度なのか、その点がまだつまびらかでございませんので、その点を調査いたすことにしております。
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多賀谷真稔#6
○多賀谷小委員 ですから復旧を要する経費は、古い統計でもけっこうですが、大体どれくらいあるわけですか。復旧を要する被害の状態は、金額でも戸数でもいいですが、大体どのくらいですか。
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佐藤京三#7
○佐藤説明員 大体復旧を、要する家屋の戸数なのですが、二十六年に臨鉱法を作る準備として調査したものがございます。それ以外には調査いたしておりません。
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多賀谷真稔#8
○多賀谷小委員 そのときのでけっこうです。
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佐藤京三#9
○佐藤説明員 今ちょっと手元に資料がございませんが、あとでお届けしてもけっこうだと思います。
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多賀谷真稔#10
○多賀谷小委員 臨鉱法改正の大きな問題は、やはり家屋だろうと思う。ですから資料をとるというのも、なかなか官庁が一々回ってとるわけではないので、困難な点もあるだろうと思うのですけれども、大体どの程度であるかということがわからなければ、なかなかな政策の樹立はできないと思いますから、一ついつの時点でもよろしゅうございますから、どのくらい要するのだということと、戸数、それ以上わかればけっこうですが、大体でけっこうですから、お調べ願いたい、かように思っております。
 それから供託金制度ですが、供託金制度が実際扱いとして効力を見るのは、結局いつになるわけですか。供託金を入れておりますね、そうすると、賠償責任というものは、普通は被害が発生したときから生ずるのですけれども、実際問題としては、被害が発生していよいよ話がつかなければ普通渡しません。ところが賠償能力がないような、供託金を使わなければならぬような炭鉱というものは、おそらく廃山のとき、あるいは山を処理するときに、供託金というものが初めて担保の効力を有すると思うのですが、その前に用意してそういう供託金を使うというようなことがありますか。
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佐藤京三#11
○佐藤説明員 それで家屋の調査の件なんですが、実は最近のうちに九州地区の五十炭鉱ほどを選んで、主として大手、それから中小の中の中炭鉱を対象にするわけなんですが、通産局とこちらから参りまして、詳細に調べてみたいという気がしております。
 それから供託金でございますが、大体今供託させておりますのは、三年間後の予想採掘地域にありまする被害物件を算定しまして、そうして供託金額を決定しておるわけでございます。それで御質問のどういう処理をするかという問題なんですが、鉱業権者の方でこっちで予想した物件を復旧したという場合の証明がありますれば、取り戻しさせております。その証明の方法としましては、当該被害者が復旧してもらったというふうな証明をつけた場合にやるようにいたしております。ただ取扱い上は、炭鉱によりまして若干違う点もございますので、逆用上その辺はケース、ケースによって考えておるような状況でございます。
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多賀谷真稔#12
○多賀谷小委員 そうすると、たとえば三年後に被害が発生するだろう、こう予想される地区をトン当り幾ら、こういってとるのですか、そうすると毎年毎年供託金のトン当りは違ってくるわけですか、各炭鉱ごとに。
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佐藤京三#13
○佐藤説明員 お説のように違って参ります。それで今までやっておりましたのは、三年間を固定した考えでおったわけなんですが、一応三年間の予想被害を出しましてやりますが、年々の施業案に変更があった場合にはまた修正するというようなやり方をいたしております。
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多賀谷真稔#14
○多賀谷小委員 その供託金は、実際の被害が予想される金額のどのくらいに当るわけですか。大体供託金を積み立てる場合の……。
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佐藤京三#15
○佐藤説明員 大体目安としましては、三割程度という目安にいたしております。
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多賀谷真稔#16
○多賀谷小委員 実は私も炭鉱の経理の細部にわたっては知りませんけれども、トン当り現在七円平均九州でとっておるという話ですが、少くとも実際に年々賠償しておるのは、少いところで百円あるいは五百円というところもあるわけです。ですから三割程度でなくて、ずっと小さいのじゃないですか。被害というものは、たとえば深部採掘をすると、深部採掘を二メートルするとしますと、深部になると、その二メートルがさらに上層部の採掘跡の分まで加速度的に加重して被害が出てきますから、ただ二メートル深部を掘ったからといって、二メートルの被害というわけじゃないと私は思う。ですから実際は、トン当り百円ないし五百円くらい賠償費を年々出しておるというような状態において、五円あるいは七円くらいではあまり効果がないと皆さんおっしゃっておるのですが、その通りだろうと私は思うのです。とにかく特別鉱害でも三十円というような、特別鉱害に要する支出金だけでもそれだけ要るんですから、五円とか七円という数字、三分の一という数字はないでしょう。ずっと低い数字じゃないですか。
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佐藤京三#17
○佐藤説明員 それで今の賠償状況から申しますと、年々補償の賠償費が相当多いわけなんです。年々申しますのは米麦の補償なんでございますが、供託金の場合はそういう補償金額は要りませんで、ただ復旧費換算額を入れておるわけでございます。それからいま一つは、確かにおっしいます通り三割程度目標にはいたしておりまするが、現実に発生しました鉱害から見ますと安いという感じはいたします。それで昨年またあらためて再調査することにいたしまして若干今年度から上る予定にいたしておりますのと、今後特鉱法とのにらみ合い等も考えまして、もう少し上げるような方向には考えております。
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多賀谷真稔#18
○多賀谷小委員 どうも供託金制度というのはあまり実際の効果が瀞いのではなかろうかと思うのです。そこで鉱害引当金制度を設けてくれというような話も出てきておると思うのです。どうも実際からあまり離れた金額で、しかも実際運営としてあまり効果がないような気もするわけであります。ですからあるいは鉱害引当金というような制度をここに拡充し、それを確立して供託金をほんの閉山後の、逆意がとまった後の賠償、こういうものだけに判定の基礎を置くか、何とかもう少しはっきりしなければ供託金もある程度取る、引当金も許す、そのほかに納付金もあるんだ、こういうことでもうまくいかないだろうし、供託金なら供託金を現実即妙に大きく出して、それから年々払ってやる、供託金をそのまま払ってやるというのはおかしいんですけれども、供託金を申請してもらえるときは翌年度の少くとも支出金くらいには見合う、見合わなくともその半分くらいにはなる、こういう工合にして運営しなければ、実際供託金制度の価値がないのじゃなかろうかと思うのです。むしろ私は供託金制度というのは、山が閉山をしたときには労務者の賃金も払わなければならぬ、今までの債務も全部払わなくちゃならぬ、どうにもこうにもならない、賠償の費用なんかに充てる余裕がない、こういう場合に供託金制度というものが効果を現わす、こういうようにしても私はいいんじゃなかろうかと思うのです。実際小山のような場合には、山が閉山した場合には賠償なんかはほったらかしになっておるというのが実情ですね。ですからそういう場合には、なぜ供託金制度があるのにそれが効果を見なかったのかという疑問に逢着せざるを得ないのです。もう少し再検討される必要はないでしょうか。
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佐藤京三#19
○佐藤説明員 二十九年度当時の炭況不況で閉山した中小炭鉱がたくさんございまして、その際に一番悩んだのはお説のように鉱害の問題が残りまして、しかも供託金が十分じゃなかったという事実がたくさんございました。それでその点につきまして供託金とあわせまして引当金については私の方でも事務的には研究いたしておったわけでございます。お話のようにその点については今でも研究を進めて、何らかの成果を上げたいと思っております。
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多賀谷真稔#20
○多賀谷小委員 実は鉱業権が設定される、あるいは鉱業権の中からある部分を租鉱権にゆだねる、こういうような場合に地元の人々が小さな企業家といいますか、小資本の企業家がそれをする場合に非常に反対するわけです。それでせっかく租鉱権制度がありましても、租鉱権に一部をゆだねるという場合には猛烈に地元が反対をする。名前を言っては失礼ですけれども、議員の中で炭鉱をやられておる人が租鉱権を設定しようとして猛烈に地元から反対を食った、しかし業者間はそういうわけにいきませんので、租鉱権を設定してその後ずっと採掘をやって、もう数年たって後に廃山の処置をした。ところが鉱害賠償は全然してないというわけで、元の鉱業権者に対して盛んに賠償の請求をしてくる、こういう実情があるわけです。ですから私はそういう場合に、せっかく供託金制度があるのでもう少し活用を見たらどうか、こういうように思うわけですけれども、これは何とか研究していただきたいと思います。
 それから今度の臨時石炭合理化法案に伴う閉山の場合の鉱害の処置は、実際はそういうふうになってるか。具体的に申しますと、木曽本洞を中心とする三山がそれの対象になろうとしておる。それの場合に鉱害の問題はどう言うように扱われておるか、これをお尋ねいたしたい。
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佐藤京三#21
○佐藤説明員 それで前段の問題なのですが、実はその租鉱権者が租鉱権を設定するという場合に、従来は鉱害問題と離れて公的な手続関係だけで処理されておったというのが実情であったと思っております。しかし鉱害問題が非常にやかましくなったのと、あとに非常に問題を残すものですから、施業案の認可の場合なり租鉱権の認可の場合には、鉱害面から相当チェックいたしまして、そうして供託金が最高の二十円になる場合には、しかもなお足りぬという場合には被害者と賠償の協定をさせまして、そうして契約書を見た上で認可をするというような事例をとっている例がございます。
 それから今の合理化法によって処理される電害問題なのですが、現実に今出てきておりますのが木曽本洞のようでございます。それで木曽本洞の合理化法による鉱害賠償につきましては、鉱害がもう安定しているというものについては当該鉱業権者が処理してもらいたいという格好になっております。それから買い上げ後に発生するであろうという鉱害については、整備事業団が処理するという建前にいたしております。その際に売り渡し代金その他で将来発生するであろう被害金額あるいは復旧資金額は積み立てるということにいたしております。それで木曽につきましても、だいぶ長い間鉱害処理関係について時日を要しておったようでございますけれども、最近その話をだいぶしかけておるような状況でございます。
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多賀谷真稔#22
○多賀谷小委員 木曽本洞については話をしかけておるような状態で、まだ決定してないのですか。被害者は同意をしてないのですか、どういうのですか。
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佐藤京三#23
○佐藤説明員 木曽の問題で、私たち承知しております最も大きい問題は鉄道の復旧問題でございます。それで最近鉄道の方からも鉄道の案を持って参りまして、大体鉄道の方の態度もきまったようでございますので、現地で鉱業権者あるいは通産局と相談して、おそらく最近のうちに決定になるのじゃなかろうかと思います。それからその他の問題については、私たちの承知している範囲ではあまり問題がないように聞いておりますけれども、まだ完全に被害者の同意を得たというふうな話までは聞いておりません。
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多賀谷真稔#24
○多賀谷小委員 鉄道とかあるいは道路とか河川という問題は、これはいわば公共物でして、またその鉱業権者がその復旧をしなくても、あるいはどうにもならない場合には、当然その管理者である人々がする能力を持っているのだから、比較的問題がないのです。ところが家屋とか墓地とかたんぼとかいう純然たる私有物の場合になりますと、この被害者というのは非常に悲惨な人々である。こういうような状態ですから、これはどうしても問題を解決して当然買収するという形をとらなければいけない。実際できないという場合には、それを政府としては引き受ける、事業団としては引き受けるということがなくてはならないのですが、合理化法を審議する場合に私たちは次のように質問をしたわけです。それはすでに炭鉱を買収してくれという申請をする人々は、何ヵ月も労賃を払っていない状態である。労賃も払えない、資材代も払えないから、ましてや鉱害の復旧まで考えているはずがない。そこでそういう場合にはほっておいてもどうにもならない。そこで買い上げようというのですから、買い上げて鉱害の処理が十分できていない場合には、政府が引き継いだらどうか。最終責任は政府にあるだろう。既往の分についても新しい鉱業権者は連帯責任になっているはずです。ですから連帯責任というのは、一方の方が結局債務を支払う能力がないということになれば、当然受け継いだ後者の方が支払わざるを得ないということになるのですから、どうにもならない場合には事業団がかぶるべきである。かぶるのが法の建前であると考えるわけですが、どういうように考えておられますか。
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佐藤京三#25
○佐藤説明員 確かに御説の通り鉱業法上は、事業団が連帯責任があるわけでございます。先ほど申しました安定鉱害については当該鉱業権者が片づけるわけであります。これは私個人の考えでございますが、いたずらに家屋等を打ち切り賠償というようなことで不満を残すような格好の処理でなく、やはり復旧してしまうということが一番よろしいのだということは、それぞれ意見としては申し述べてございます。
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多賀谷真稔#26
○多賀谷小委員 打ち切り賠償をしても著しく金額が少かった場合はまた請求することができるというのは、例の昭和十五年の鉱業法制定のときの経過措置であったと思うのです。私はその後進行分については当然事業団がやらなければならぬと思うのです。この鉱害の処理をはっきりしなけれ、ばならぬ。ところがこれをはっきりするには、かなり時間を要するわけです。一方労務者の方は首を切られたが、まだ離職金がもらえない。手続が済まない理由は、実は被掛者と加害者の間の紛争が処理できないからだということになると、全く法が死んでしまうわけです。ですから適当に事業団としてはこれを打ち切って、取れそうなものからそれを早く支払ってやらせてどうしでもだめだということになれば事業団がかぶるという意思がなければ事実問題として長引くだけで 長引けば関係者が非常に困るだけであると考えるわけです。一つ鉱害課の方からも、さらに局長並びに事業団に対して、あまり紛争が長引くことによって労働者その他に迷惑をかけることのないように、連帯責任という一つの法の建前があるのですから、内部関係によって関係者に迷惑をかけることのないように、早く処理していただきたいと考えるわけです。
 次に知事及び市長にこの前質問したのですが、十分答弁が得られなくてはっきりしなかったのであります。知事と市長の言うことが違うし、参考人ですからあまりきめつけてもいけないと思って適当に聞いておったわけですが、例の加害者不明の場合の市町村の負担分、これは率からいいますとかなり大きな率である。しかも一般の復旧二〇%程度あるという話ですが、大体どのくらい復旧しておるのですか。その加害者不明の被害についてどの程度復旧しておりますか。
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佐藤京三#27
○佐藤説明員 理論的には加害者不明の鉱害ということは考えられないわけです。それで今出ておりますのは無資力関係だろうと思います。それで実績からいえば二〇%に近い程度のものになっているようでございます。その日取も大きい比率を占めるのは水道関係で次は学校ということになっておりまして取扱い上私の方でも非常に困っているわけであります。水道とか学校が多いのだということについても、問題としてはあるのではなかろうかと思っております。
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多賀谷真稔#28
○多賀谷小委員 加害者不明の鉱害はないというのですが、実際問題としてはだれか加害者がいるわけです。明治何年から掘っているのでその後廃山になっているが、汚濁水というか、鉱害水というか、非常に硫黄分を含んだ水、こういう問題は加害者不明と思います。何人も昔から掘っておって、みなボタ山にして捨石を積み立てているのを雨が洗って、硫黄分を含んだ水がどんどん流れてくる。それが川底が上りますから、雨量が多くなると田畑に流れて結局稲が腐るという問題がある。こういう問題は加害者不明の一つの例だろうと思います。現実の問題として加害者不明でないこともないと思います、無資力という点もかなりあるが、今お話のような水道とか学校とかいう公共物が問題になってくる。あなたの方は、個人的な家屋あるいは私有物については加害者がおらぬということはないというのでやられている、実際は問題にされてないのです。これが問題だと思う。水道とか学校とかいうのは公けの施設ですからだれかがやる。そういう場合は石炭局としても事業団としても、仕方がないから何とかして工事に着手するが、個人の私有物の場合ですと、だれかがおるはずだとかいってなかなかこの該当のものとしては許可しないというのが実情ではないか。と申しますのは、結局地元負担といいましても市町村及び県が持つのですから、県が持つという場合には、学校とか水道の場合にのみ加害者不明、資力がないということでやらざるを得ないからやるのですから、私有物の場合にかなり泣いている被害者が多いのではなかろうか、こういうように考えられるわけです。ですからこの問題はどの程度数字が出ているかわかりましたらお知らせ願いたいと思います。
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佐藤京三#29
○佐藤説明員 今申し上げましたのは、現行法によって基本金額として上ってきた問題で、その背後関係を申し上げれば、今多賀谷さんのお話の通りだと思います。従って加害者不明あるいは無資力で泣いている被害者の私有物がどのくらいになるかという調査はまだいたしておりませんので、数字的にはどうもはっきりいたしません。
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