予算委員会
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会
会議録情報#0
昭和三十五年三月十一日(金曜日)
午前十一時三十九分開会
—————————————
出席者は左の通り。
委員長 小林 英三君
理事
大谷藤之助君
佐藤 芳男君
館 哲二君
西田 信一君
秋山 長造君
鈴木 強君
松浦 清一君
千田 正君
大竹平八郎君
委員
泉山 三六君
太田 正孝君
金丸 冨夫君
木暮武太夫君
小柳 牧衞君
斎藤 昇君
重政 庸徳君
白井 勇君
杉原 荒太君
手島 栄君
苫米地英俊君
一松 定吉君
堀木 鎌三君
武藤 常介君
村松 久義君
村山 道雄君
湯澤三千男君
吉江 勝保君
荒木正三郎君
加瀬 完君
木村禧八郎君
小林 孝平君
佐多 忠隆君
永岡 光治君
羽生 三七君
平林 剛君
藤田 進君
松澤 兼人君
東 隆君
島 清君
白木義一郎君
辻 政信君
森 八三一君
岩間 正男君
国務大臣
外 務 大 臣 藤山愛一郎君
大 蔵 大 臣 佐藤 栄作君
農 林 大 臣 福田 赳夫君
通商産業大臣 池田 勇人君
運 輸 大 臣 楢橋 渡君
建 設 大 臣 村上 勇君
国 務 大 臣 赤城 宗徳君
国 務 大 臣 石原幹市郎君
国 務 大 臣 中曽根康弘君
政府委員
法制局第二部長 野木 新一君
自治庁財政局長 奧野 誠亮君
防衛庁長官官房
長 門叶 宗雄君
防衛庁防衛局長 加藤 陽三君
防衛庁経理局長 山下 武利君
防衛庁装備局長 塚本 敏夫君
科学技術庁振興
局長 鈴江 康平君
外務省アメリカ
局長 森 治樹君
外務省条約局長 高橋 通敏君
外務省国際連合
局長 鶴岡 千仭君
大蔵省主計局長 石原 周夫君
事務局側
常任委員会専門
員 正木 千冬君
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本日の会議に付した案件
○昭和三十五年度一般会計予算(内閣
提出、衆議院送付)
○昭和三十五年度特別会計予算(内閣
提出、衆議院送付)
○昭和三十五年度政府関係機関予算
(内閣提出、衆議院送付)
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この発言だけを見る →午前十一時三十九分開会
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出席者は左の通り。
委員長 小林 英三君
理事
大谷藤之助君
佐藤 芳男君
館 哲二君
西田 信一君
秋山 長造君
鈴木 強君
松浦 清一君
千田 正君
大竹平八郎君
委員
泉山 三六君
太田 正孝君
金丸 冨夫君
木暮武太夫君
小柳 牧衞君
斎藤 昇君
重政 庸徳君
白井 勇君
杉原 荒太君
手島 栄君
苫米地英俊君
一松 定吉君
堀木 鎌三君
武藤 常介君
村松 久義君
村山 道雄君
湯澤三千男君
吉江 勝保君
荒木正三郎君
加瀬 完君
木村禧八郎君
小林 孝平君
佐多 忠隆君
永岡 光治君
羽生 三七君
平林 剛君
藤田 進君
松澤 兼人君
東 隆君
島 清君
白木義一郎君
辻 政信君
森 八三一君
岩間 正男君
国務大臣
外 務 大 臣 藤山愛一郎君
大 蔵 大 臣 佐藤 栄作君
農 林 大 臣 福田 赳夫君
通商産業大臣 池田 勇人君
運 輸 大 臣 楢橋 渡君
建 設 大 臣 村上 勇君
国 務 大 臣 赤城 宗徳君
国 務 大 臣 石原幹市郎君
国 務 大 臣 中曽根康弘君
政府委員
法制局第二部長 野木 新一君
自治庁財政局長 奧野 誠亮君
防衛庁長官官房
長 門叶 宗雄君
防衛庁防衛局長 加藤 陽三君
防衛庁経理局長 山下 武利君
防衛庁装備局長 塚本 敏夫君
科学技術庁振興
局長 鈴江 康平君
外務省アメリカ
局長 森 治樹君
外務省条約局長 高橋 通敏君
外務省国際連合
局長 鶴岡 千仭君
大蔵省主計局長 石原 周夫君
事務局側
常任委員会専門
員 正木 千冬君
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本日の会議に付した案件
○昭和三十五年度一般会計予算(内閣
提出、衆議院送付)
○昭和三十五年度特別会計予算(内閣
提出、衆議院送付)
○昭和三十五年度政府関係機関予算
(内閣提出、衆議院送付)
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小
小林英三#1
○委員長(小林英三君) これより予算委員会を開会いたします。
昭和三十五年度一般会計予算、同じく特別会計予算、同じく政府関係機関予算、右三件を一括して議題といたします。
本日より一般質疑に入ります。
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本日より一般質疑に入ります。
佐
佐多忠隆#2
○佐多忠隆君 日米の両国は、昭和二十七年に日米安全保障条約を締結して以来、一方には日本とアメリカとの関係において日本の軍事力増強を約束し合いながら、積極的に逐次進めて参っております。対米的にそういう約束をし、そういう義務を負って、その義務をさらに国内において逐次実現をし、実施をしていかなければならないという意味において、いろいろな法律を作り、機構を作り、そして国内の軍事体制を積極的に増強をして参って、わが国の憲法第九条に全く違反したことを次々にやって、今やそれが隠せない事態にまで発展をして参った、このように私たちは見ておるのでありますが、まず外務大臣にお尋ねをしたいことは、軍事力増強のためにどういう約束をし、どういう義務を負ってきたか。それを日米の両方の条約その他の関係でどういうふうに見られるかという点を、まずお伺いをいたしたいと思います。
この発言だけを見る →藤
藤山愛一郎#3
○国務大臣(藤山愛一郎君) お尋ねの焦点がちょっとはっきりしないのでありますけれども、日本がアメリカと安保条約を作った、あるいはMSA協定を作ったと、そういうことが何か軍事力強化のための約束ではないのかというお尋ねの趣旨であろうかと思うのでありますが、たとえば、日本といたしまして自衛力をみずから持って参りますことは、これは独立国家として当然のことでありまして、それは憲法九条にも許された範囲の問題であることは申すまでもございません。従いまして、そういう点を進めて参りまする意味において、日本自身の経済力なりあるいは社会的事情なりを勘案しまして、日本みずからが決定していくということ、これは私は当然のことであって、何かそれが押しつけられてやる問題ではないと思います。MSA協定におきましても、その点は明瞭になっておるわけでありまして、私どもとしては、それが何か押しつけられた義務を加重しているものであろうとは思っておりません。
この発言だけを見る →佐
佐多忠隆#4
○佐多忠隆君 それじゃ、お聞きしますが、日米新時代に関する岸・アイク共同声明がなされた日時、それから安保に関する日米委員会を作るという声明をされた日時、それから安保条約改定交渉を具体的に始められた日時、それを事務当局でいいですから、正確に御報告願います。
この発言だけを見る →森
森治樹#5
○政府委員(森治樹君) 岸・アイゼンハワー大統領の共同コミュニケの日付は、昭和三十二年六月二十一日でございます。日米今度の新条約の交渉を始めましたのは、一昨年のたしか十月の四日だと記憶いたしております。
この発言だけを見る →佐
森
佐
森
佐
森
佐
佐多忠隆#12
○佐多忠隆君 今の御答弁ではっきりいたしますように、日本は昭和二十七年にアメリカとの間に日米安全保障条約を締結をした。この条約ができた二年後には、二十九年に相互防衛援助協定を作っている。そうしてさらに、三十二年になりますと、今お話しの通りに、岸・アイク共同声明ができて、日米新時代なるものが声明された。その日米新時代の声明に即応して、安保に関する日米委員会を三十二年の六月に作っている。そうして、そこでもろもろの交渉をいたしておりますが、それは後ほど詳しく究明をいたしたいと思いますが、それが済んで、三十三年の十月から安保条約の改定の交渉に入った。これが防衛力増強、むしろそういうごまかしの言葉でなくて、軍事力増強の相談をし、約束をしたこまこまであると思います。日本の国内における防衛体制、軍事力の増強は、それを背景とし、それを原因とし、あるいはそれと因果関係をなしつつ、練り合わされたなわのように発展をいたして参っております。
そこで、私は、防衛庁長官に、今言ったような日米の関係を背景にしながら、日本自体とし軍事力をどういうふうに増強してきたか、法令的に機構的にどういう発展をしたかということについて、防衛庁長官の御答弁を願います。
この発言だけを見る →そこで、私は、防衛庁長官に、今言ったような日米の関係を背景にしながら、日本自体とし軍事力をどういうふうに増強してきたか、法令的に機構的にどういう発展をしたかということについて、防衛庁長官の御答弁を願います。
赤
赤城宗徳#13
○国務大臣(赤城宗徳君) 法律的には、御承知のように、自衛隊法あるいは防衛庁設置法に基づいて、自衛隊の整備をしてきました。実質的にどういうふうにやってきたかという問題でありますが、初めは警察予備隊、その次に保安隊というような形が、自衛隊になり、自衛隊といたしましても、陸上自衛隊が一番先に発足いたしました。その次に海上自衛隊、その次に航空自衛隊、こういう順序で自衛隊が整備されてきた。その三自衛隊が、まあ調和がとれたような形で、そうしてまた、装備等も初めは供与を受けた装備が多かった。だんだん日本でその装備をして、変えていくというような形で、装備の近代化といいますか、そういうものをはかりつつやってきているのが現状でございます。
この発言だけを見る →佐
佐多忠隆#14
○佐多忠隆君 今御説明がありましたように、昭和二十七年に日米安全保障条約を作って、警察予備隊を、本来の意味における軍事力に転化をし始め、昭和二十九年に相互防衛援助協定を作るのと相前後して、今お話しの保安庁法、自衛隊法ができて、ここでいよいよ内外に向かって軍事力を発動する保安隊、自衛隊が設立をされた。これはまさに、日本とアメリカとの相互防衛援助協定ができたと時を同じゅういたしております。それから三十二年に、防衛力増強計画を国内においてきめると同時に、先ほどお話のあったように、岸・アイク共同声明なるものが発表をされて、日米新時代ができた。日米新時代の背景は、従って、あの第一次防衛力増強計画、それと全くうらはらなものであって、新時代とは、日本がアメリカとの共同防衛体制を、共同作戦体制を明らかにするスタートであったと思うのであります。従って、それに基づく安全保障条約に関する日米委員会は、先ほどもお話がありましたように、三十二年六月に出発をいたしておりますが、この三十二年八月十六日第一回の日米委員会をやって、それから三十三年の八月まで、一年間にわたって日米委員会を六回にわたってやっておる。その六回は、太平洋軍司令官、あるいは在日米軍司令官を中心にして、日本の外務大臣、防衛庁長官が、日米の軍事協力体制、日米の共同作戦体制をどのように進めるかということをもっぱら論議をいたしております。
そういうことが一年間にわたってなされた結果、先ほどお話のあったように、三十三年の十月から——第六回の日米委員会、これはまさに軍事委員会でありますが、この日米の軍事委員会、しかもその軍事委員会は、技術的な専門的なものというよりも、外務大臣と防衛庁長官、アメリカ側は太平洋軍司令官、在日米軍司令官、それとの間の軍事委員会、それが八月の二十七日に終わって、それを引き継いで直ちに安保条約の条約改定交渉に入っておる。
それらの経過を見れば明らかでありますが、今度の安保条約、新条約が、従来の旧条約をいよいよ本格的な日米の共同作戦行動の条約面を表現をする、こういう意図を持ち、こういう計画を持って、非常に計画的に組織的に進められたものであると私たちは判断をいたすのでありますが、かるがゆえに、私たちは、旧来の安保条約もそうであったが、特に今度の安保条約は軍事協定であり、しかも共同作戦協定、共同防衛協定、相互防衛協定にほかならない、軍事同盟にほかならない、軍事協定にほかならないと私たちが言うゆえんはそこにあるのでありますが、過去の数年間の歴史を一つ一つ現実的に見て参りますと、過去の事実からそういうふうに判断する以外にない。条約案文その他から見てもそうでありますが、過去の歴史的な事実も、まごうかたなくそれを実証をしている、こういうふうに思うのでありますが、外務大臣はどういうふうにお考えになりますか。
この発言だけを見る →そういうことが一年間にわたってなされた結果、先ほどお話のあったように、三十三年の十月から——第六回の日米委員会、これはまさに軍事委員会でありますが、この日米の軍事委員会、しかもその軍事委員会は、技術的な専門的なものというよりも、外務大臣と防衛庁長官、アメリカ側は太平洋軍司令官、在日米軍司令官、それとの間の軍事委員会、それが八月の二十七日に終わって、それを引き継いで直ちに安保条約の条約改定交渉に入っておる。
それらの経過を見れば明らかでありますが、今度の安保条約、新条約が、従来の旧条約をいよいよ本格的な日米の共同作戦行動の条約面を表現をする、こういう意図を持ち、こういう計画を持って、非常に計画的に組織的に進められたものであると私たちは判断をいたすのでありますが、かるがゆえに、私たちは、旧来の安保条約もそうであったが、特に今度の安保条約は軍事協定であり、しかも共同作戦協定、共同防衛協定、相互防衛協定にほかならない、軍事同盟にほかならない、軍事協定にほかならないと私たちが言うゆえんはそこにあるのでありますが、過去の数年間の歴史を一つ一つ現実的に見て参りますと、過去の事実からそういうふうに判断する以外にない。条約案文その他から見てもそうでありますが、過去の歴史的な事実も、まごうかたなくそれを実証をしている、こういうふうに思うのでありますが、外務大臣はどういうふうにお考えになりますか。
藤
藤山愛一郎#15
○国務大臣(藤山愛一郎君) 日本が占領時代を脱しまして、そうして独立国家として国際社会に復帰いたします場合に、日本としては当然みずからを防衛していきますという方法をとらなければならぬことは、これは私は独立国家の当然のことであると思います。ただ、日本が戦後のいろいろな困難、特に経済的困難というような場合にあたりまして、日本自身がとり得る防衛的な能力というものは十分でないところも、これはまた当然でございます。従いまして、日本の安全と平和を維持いたしますために、あるいは防衛的に、予防的な措置としても、何らかの形でもって友好国と緊密な連絡をとっていくということは、これまた私どもが日本の民生を考えてみましても、これは当然なことだと思います。
で、われわれは、自分の独立のために防衛をやって参るのでありますけれども、御承知のように、今申し上げた理由からして、現行の安全保障条約ができたと思います。でありますから、われわれとして、日本国民として、自衛力をある程度増強をして参りますことは、当然必要でありますけれども、その増強をいたして参ります上において、日本の経済力から見て十分でない、あるいは日本の軍事産業その他の能力から見て十分でなければ、やはり何らかの援助を求めることも、これまた当然であります。あるいは近来の情勢から見て、アメリカと意見の交換をするのもあたりまえでありまして、そのこと自体が、何か過去におきます、いわゆる国連ができまして、国連憲章によって定められている今日、いわゆる昔のような合従連衡によります軍事同盟というようなものがあり得ないことは当然であり、防衛の意味におきましてそういう国連のワク内における協力をして参りますことは、これは別に、軍事的に何か日本が非常に侵略的な意図をもってそういうことをやったということでは全くないのであります。その点は、いささか佐多委員と見解が違うところだと思います。
この発言だけを見る →で、われわれは、自分の独立のために防衛をやって参るのでありますけれども、御承知のように、今申し上げた理由からして、現行の安全保障条約ができたと思います。でありますから、われわれとして、日本国民として、自衛力をある程度増強をして参りますことは、当然必要でありますけれども、その増強をいたして参ります上において、日本の経済力から見て十分でない、あるいは日本の軍事産業その他の能力から見て十分でなければ、やはり何らかの援助を求めることも、これまた当然であります。あるいは近来の情勢から見て、アメリカと意見の交換をするのもあたりまえでありまして、そのこと自体が、何か過去におきます、いわゆる国連ができまして、国連憲章によって定められている今日、いわゆる昔のような合従連衡によります軍事同盟というようなものがあり得ないことは当然であり、防衛の意味におきましてそういう国連のワク内における協力をして参りますことは、これは別に、軍事的に何か日本が非常に侵略的な意図をもってそういうことをやったということでは全くないのであります。その点は、いささか佐多委員と見解が違うところだと思います。
佐
佐多忠隆#16
○佐多忠隆君 それならば、もう少し具体的に、内容的にその点をお尋ねをいたしたいと思いますが、二十七年に締結をした現行の安保条約、これは、アメリカは日本が防衛力を漸増することを期待をする、日本はこれに道義的に政治的にこたえなければならないというふうな条約であったと思います。従って、事実においては、政治的に道義的にこれにこたえるという形で、先ほど事実をもってお示しをしましたように、警察予備隊から保安隊、自衛隊、こういうふうに発展をいたして参った。しかし、そのときには、ただアメリカ側が日本に漸増することを期待をするという程度であったから、これは条約上の義務ではないというふうに言いのがれをして、条約案文の改正その他ではごまかしながら、現実においては、先ほど言ったように、軍事力を内容的にも機構的にも明瞭なものにして、憲法違反をやり始めてきた。それが二十九年の五月の相互防衛援助協定になれば、しばしば同僚諸君から論及をされましたように、その第八条では、自国の防衛力及び自由世界の防衛力の発展及び維持に寄与するということを非常に明瞭にうたい出してきて、ここでは明らかに条約上の義務を負ったと思うのであります。
私たちは、あの協定締結の際、条約審議に際して、私たちは、それが明らかに条約上の義務である、しかも、それに基づいて日本は積極的に大っぴらに軍事力増強をやるのじゃないか。それをわれわれは、きびしい、その憲法違反がいよいよはなはだしくなることを憂えるのだということを追及をいたしましたが、政府は、決してそういうことはないのだ、憲法に違反するようなことはないのだ、しかも条約上も義務を負ったことはないのだというようなことを言われた。ただし、最近になると、どうもそこのところは非常にずうずうしくなって、いや、条約上の義務は負ったのだ、軍事上のいろいろな約束はしたのだ、条約上の義務は負ったのだ、しかし憲法違反をしておるのじゃないというような御議論に変わったかのように受け取れる。この点は非常にあいまいでありますが、この点をまず、相互防衛援助協定が日本の軍事力増強の義務を日米の間に条約上負ったものかどうかということについて、まず明瞭に御答弁を外務大臣にお願いしたいと思います。
この発言だけを見る →私たちは、あの協定締結の際、条約審議に際して、私たちは、それが明らかに条約上の義務である、しかも、それに基づいて日本は積極的に大っぴらに軍事力増強をやるのじゃないか。それをわれわれは、きびしい、その憲法違反がいよいよはなはだしくなることを憂えるのだということを追及をいたしましたが、政府は、決してそういうことはないのだ、憲法に違反するようなことはないのだ、しかも条約上も義務を負ったことはないのだというようなことを言われた。ただし、最近になると、どうもそこのところは非常にずうずうしくなって、いや、条約上の義務は負ったのだ、軍事上のいろいろな約束はしたのだ、条約上の義務は負ったのだ、しかし憲法違反をしておるのじゃないというような御議論に変わったかのように受け取れる。この点は非常にあいまいでありますが、この点をまず、相互防衛援助協定が日本の軍事力増強の義務を日米の間に条約上負ったものかどうかということについて、まず明瞭に御答弁を外務大臣にお願いしたいと思います。
藤
藤山愛一郎#17
○国務大臣(藤山愛一郎君) 御承知の通り、MSA協定第八条でありますけれども、防衛力の問題に関して「自国の政治及び経済の安定と矛盾しない範囲内でその人力、資源、施設及び一般的経済条件の許す限り自国の防衛及び自由世界の防衛力の発展」のために寄与する、こういうことが書いてあるわけであります。従いまして、日本としては、憲法の範囲内において、また日本の経済的社会的な事情の範囲内において、自主的に決定をいたして参るわけでありますから、その限りにおいて特別の意味を持っているものではございません。しかしながら、それを有効に使わなければならない。有効に使うということは、当然、くれた方からいえば、それを有効に使ってくれと言うのがあたりまえだろうと思います。これまた、あたりまえのことを書いてある。そのあたりまえのことを義務といえば、それは義務だといえるのであります。
この発言だけを見る →佐
佐多忠隆#18
○佐多忠隆君 あたりまえのことを言っただけで、あたりまえのことを義務といえば義務だ、しかし義務じゃないのだ。何を言っておられるか私には捕捉しかねます。あの条約の当時は義務であることをひた隠しに隠さなければならなかったせいか、義務でないということをあくまでも言い張ってこられた。しかるに、最近新安保条約ができて、これでいよいよ問題があらわになる。過去数年間の間に、その事実が、軍事力増強を大胆にしかも恥知らずにやった、そのことがあまりにもあらわになってきつつあるために、今はその程度のことをやることが義務だといえば義務とも申せましょうというような、非常にあいまいな言葉に濁し始めてきておられるのですが、条約として、条約上これが義務であるのかないのか、そこのところをもう一ぺん明瞭にお答えを願いたい。
この発言だけを見る →藤
藤山愛一郎#19
○国務大臣(藤山愛一郎君) 当然のことを、日本がたとえば新しく何か特別な義務、しかもそれは日本が制約された義務を負うという意味においては、日本が自分でもって自分の防衛力を決定するのであります。そうして、それをどういうふうに年次的に計画していくとか、そういうふうなことは自分自身がきめるわけであります。でありますから、これは独立国家として当然自分がやらなければならないことをやるのであります。それを、何か条約上の義務でもって、あれはこうしろ、これはこうしろ、こうしなければならぬというような特段の義務を負っておるわけではございません。日本が当然やることを約束しているのであり、その約束を、それを義務といえば義務であるということを申し上げたのであります。
この発言だけを見る →佐
佐多忠隆#20
○佐多忠隆君 当然やるべきことをやっていても、当然やるべきことかどうかということ自体に憲法第九条違反の問題がありますが、今はかりにそれを論じないとしても、当然やるべきことを日本が独自にやればいいじゃないか、独自にやっているにすぎないのだというなら、問題はないのですが、独自でなくて、いかにアメリカに強要され、あるいはアメリカの指示、指導に従って行なわれているかということは、後ほど一つ一つの実例をあげながら詳しく論及をして参りたいと思いますが、とにかく日本がやることをアメリカとの間に約束をしているのでありますから、これは条約上は義務と言わざるを得ない性格のものではないのか。
しかも、問題は、日米相互防衛援助協定のときには一年間でありますから、年々の問題としてこの問題を考えていけばよかった。ところが、この度はその義務がさらに非常にはっきりなってきて、これは申し上げるまでもなく、日本は武力攻撃に抵抗する能力を維持発展させなければならない、こういうことを非常に明確にしてきている。これは軍備は拡張をしますということを日米が相互に約束し合ったことにほかならない。そういう意味では、防衛力の増強を義務として今度は非常に明確に、しかも長期間にわたって約束をし合った。義務として、しかも長期間にわたって約束してしまっているということが問題であると思うのでありますが、この点はどういうふうにお考えになりましょうか。
この発言だけを見る →しかも、問題は、日米相互防衛援助協定のときには一年間でありますから、年々の問題としてこの問題を考えていけばよかった。ところが、この度はその義務がさらに非常にはっきりなってきて、これは申し上げるまでもなく、日本は武力攻撃に抵抗する能力を維持発展させなければならない、こういうことを非常に明確にしてきている。これは軍備は拡張をしますということを日米が相互に約束し合ったことにほかならない。そういう意味では、防衛力の増強を義務として今度は非常に明確に、しかも長期間にわたって約束をし合った。義務として、しかも長期間にわたって約束してしまっているということが問題であると思うのでありますが、この点はどういうふうにお考えになりましょうか。
藤
藤山愛一郎#21
○国務大臣(藤山愛一郎君) 日本が自衛をするということ、またその自衛に対する能力を維持し発展さしていくということは、これは先ほど来申し上げているように当然なことでございます。そこで、今度の安保条約においても、お互いに助け合っていくという仲でありますれば、当然お互いの立場として、自分たちがそれぞれの自分たちの国のそうした防衛に対する能力を維持していく、あるいは発展さしていくということ自体は、私はこれは当然なことだと思うのであります。従って、もしそうした条約を作りますと、相手がそういう考え方を全然持っていないという国とはこういう条約が作れないのは、これは当然でありまして、お互いにやはりそうした防衛の能力を持っていくからこそ初めて、こうした条約ができ得るわけであります。そういう意味において、われわれは、日本としてもアメリカとしても、お互いに現在の事情においては、アメリカ側は集団的及び個別的自衛権、日本としては個別的な自衛権を発動し得るような、それに対する準備というものをし合うということの決意を表明していかなければこの新条約は成り立たぬことは、これは当然でございます。
ただそれの範囲というものは、過日来申し上げておりますように、それぞれの国の経済的な具体的ないろいろな事情によってその国自身がきめていくわけであります。しかしながら、防衛的な能力も持つことは必要ないというふうな観念でその国の人があっては、お互いのこうした条約が結べないのは当然だと、こう考えます。
この発言だけを見る →ただそれの範囲というものは、過日来申し上げておりますように、それぞれの国の経済的な具体的ないろいろな事情によってその国自身がきめていくわけであります。しかしながら、防衛的な能力も持つことは必要ないというふうな観念でその国の人があっては、お互いのこうした条約が結べないのは当然だと、こう考えます。
佐
佐多忠隆#22
○佐多忠隆君 防衛力を軍事力として、しかも、近代兵器、原子兵器を中心にした防衛力として、さらにアメリカと共同して、合同作戦のもとに持つべきかどうかということについては、いろいろ意見があるし、私たちは、これはそうであってはならない、しかも、日本の憲法もそのように規定をしておる、こういうふうに思うのでございます。従って、私たちは、もし憲法に忠実であろうとするならば、今やられておるような軍事力の増強も、それを背景にする日米の協定も、すべて憲法違反であり、従って、当然にやるべきことではない、そういうふうな政治判断のもとに、それでは日本がそういう政治方針に変え、あるいはそういう政治方向をとり、従って、そういう政策を遂行するということになれば、それは今の外務大臣のお話からいえば、今度の新安保条約、協定に違反するものではないのだ、それは日本が自主的にきめればいいのだ、何も義務ではないのだと、こういうふうにお考えになるかどうか。
この発言だけを見る →藤
藤山愛一郎#23
○国務大臣(藤山愛一郎君) 今まで申し上げております通り、自衛力を日本が持っていくという意思を持っていることはむろんでありまして、国民のだれもが、私はおそらく日本が侵略をされたときに、自衛力を持たないでいいという考え方の国民は私はないと思います。そういう意味において、われわれは当然自衛力を持っていく意思を持っているし、これは憲法九条においても、それは排除しているものではないというのがわれわれのかたい考え方でございまして、そこで、それをどういうように持っていくかということは、先ほど申し上げましたように、経済的な、社会的な諸般の事情から見まして、そうして日本自身が決定していくことであります。この程度まで防衛力を持ってとか、持たぬとかいうような約束をこの条文でしておるわけではないのであります。でありますから、そういう意味における義務というのは負ってはおらぬ、兵力はどうしなければならぬ、軍艦をどうしなければならぬというような義務をわれわれは負っておらぬものであります。
この発言だけを見る →佐
佐多忠隆#24
○佐多忠隆君 その軍事力の数量、内容、具体的な一つ一つの問題、そういう問題について義務を負っているか負っていないかということをお尋ねしているのではない。方向として、方針として増強をしなければならないことは、条約によって義務づけられ、外部から制約をされるということになるのかどうかということを聞いている。どうも、そうでなければならないような結果になってしまっておる。ただし、それを明瞭にいうと憲法違反であることがあまりにあらわになるから、それをごまかしてしまうというのが今の御答弁じゃないかと思う。昨日の藤田委員の質問に関連する総理の答弁においても、そこのところは非常にあいまいになってしまっている。だから、それならばもっと端的に聞きますが、私たちは軍事力を、日本の防衛の名のもとに軍事力を持つことは憲法違反だし、しかも、それが現在のように近代戦を、原子兵器を装備してまで、しかも、アメリカと共同作戦のもとにそういう軍事体制を作るということは、これはまごうかたなき明らかな憲法違反であるという態度を前提にいたしております。同時に、そこへ持っていく過程心おいては、私たちは政策的にはそれを目標にして、軍備を全廃することを目標にし、軍備の増勢をストップさせ、それを漸減の方向に持っていってこの問題を解決するというのが私たちの立場であります。そういうふうな増勢をストップする、そうして漸減に持っていくというような政策をわが国がとるとするならば、それはこの条約違反になるとお考えになりますか、何もそういうことは日本の独自の問題だというふうに考えて判断をしておけばいいというふうにお考えになりますか、そこのところ明瞭にお答えをいただきたい。
この発言だけを見る →藤
藤山愛一郎#25
○国務大臣(藤山愛一郎君) 自分の国を自分でもって守るだけの意思も持ち、また自分がその守るための意思に応じて、いろいろな諸般の施設と申しますか、設備と申しますか、そういうものをしていくという意思があることは必要なんであります。佐多委員の言われますように、もう軍備は全廃だ、自分の国はもうそういう、たとえば侵略があっても、それに対する抵抗はしないんだというような立場に立って、これを漸減していくということは、私は条約の趣旨に違反するものだと思います。
この発言だけを見る →佐
佐多忠隆#26
○佐多忠隆君 その趣旨なりなんなりは別として、とにかく軍備の増強はやらないのだ、あるいはこれを漸減するのだというふうな政策をやった場合には、それは条約違反と考えられますか、どうですか。
この発言だけを見る →藤
藤山愛一郎#27
○国務大臣(藤山愛一郎君) やらないのだという意味が、どういう意味かはっきりいたしませんけれども、あるいは国際的な軍縮の取りきめがあって、もうとれ以上数量もしくはその他増強しなくともいいのだというような事態になりますれば、しかし、自衛力は、やはりその範囲内において維持していく意思があるのだということであれば、むろんそれは条約違反ではございません。しかしながら、もし何が何でもそういうものを持たないのだということになって参りますれば、当然それはこの条約の趣旨に違反しております。
この発言だけを見る →佐
佐多忠隆#28
○佐多忠隆君 それは外務大臣もよく御存じの通りに、軍縮なりなんなりをやる場合には、軍備を全面的に全廃をするということが目標で、その目標を目当てにして、どういう段階で、どういう方法で、どういう期間をかけてそこへ持っていくかということが軍縮の具体的な政策になってくると思う。従って、国連で昨年決議された軍縮決議案でも、その点は全く同じであって、全廃を目途にしながら、その段階として、どういうふうに軍縮をするかということが問題になっている。従って、それならば、そういうふうな国際的な話し合いなりなんなりと並行しながら、日本がそういう方向を打ち出していくということは、条約違反でも何でもないというふうにお考えになっているのか。それからさらに日本が独自にそれをやった場合には、条約違反であると、こういうふうにお考えになるかどうか、そこのところを……。
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藤山愛一郎#29
○国務大臣(藤山愛一郎君) 世界的な軍縮が、条約の形あるいは取りきめの形でできまして、そうしてやって参ります場合には、当然これは条約に違反いたしておりません。しかし、そういう取りきめもできないで、日本だけが、軍備はもう理想的に全廃すべきだ、だから自分は漸減的にそれをやるのだということであれば、この条約の趣旨に相反しております。
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