社会労働委員会

1961-02-16 衆議院 全209発言

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会議録情報#0
昭和三十六年二月十六日(木曜日)
    午前十一時三十二分開議
 出席委員
   委員長 山本 猛夫君
   理事 大石 武一君 理事 齋藤 邦吉君
   理事 永山 忠則君 理事 藤本 捨助君
   理事 柳谷清三郎君 理事 小林  進君
   理事 滝井 義高君 理事 八木 一男君
      井村 重雄君    伊藤宗一郎君
      浦野 幸男君    小沢 辰男君
      加藤鐐五郎君    藏内 修治君
      佐伯 宗義君    櫻内 義雄君
      澁谷 直藏君    田口長治郎君
      田中 正巳君    早川  崇君
      福田 繁芳君    松山千惠子君
      赤松  勇君    淺沼 享子君
      大原  亨君    河野  正君
      五島 虎雄君    島本 虎三君
      田邊  誠君    中村 英男君
      吉村 吉雄君    本島百合子君
 出席国務大臣
        厚 生 大 臣 古井 喜實君
 出席政府委員
        厚生政務次官  安藤  覺君
        厚 生 技 官
        (公衆衛生局
        長)      尾村 偉久君
        厚 生 技 官
        (医務局長)  川上 六馬君
        厚生事務官
        (保険局長)  森本  潔君
 委員外の出席者
        参  考  人
        (日本医師会
        長)      武見 太郎君
        参  考  人
        (日本歯科医師
        会長)     河村  弘君
        専  門  員 川井 章知君
    ―――――――――――――
二月十五日
 中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案
 (内閣提出第三七号)
 失業保険法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第三八号)
同日
 墓地、埋葬等に関する法律の一部改正に関する
 請願(赤澤正道君紹介)(第四一六号)
 同(坂田道太君紹介)(第四一七号)
 同(正力松太郎君紹介)(第四一八号)
 同(福永健司君紹介)(第四一九号)
 同(松永東君紹介)(第四二〇号)
 同(柳谷清三郎君紹介)(第四二一号)
 同(早川崇君紹介)(第五四三号)
 同外一件(前田義雄君紹介)(第五四四号)
 同(高津正道君紹介)(第六〇五号)
 簡易水道布設費国庫補助に関する請願(足鹿覺
 君紹介)(第四二二号)
 少年補導施設の設置に関する請願(足鹿覺君紹
 介)(第四二三号)
 精神薄弱者対策促進強化に関する請願(石川次
 夫君紹介)(第四二四号)
 同(上林山榮吉君紹介)(第四二五号)
 同(正力松太郎君紹介)(第四二六号)
 同(富田健治君紹介)(第四二七号)
 同外一件(渡海元三郎君紹介)(第五三六号)
 同(橋本龍伍君紹介)(第五三七号)
 同(原田憲君紹介)(第五三八号)
 同(野田卯一君紹介)(第五三九号)
 同(岡良一君紹介)(第五八六号)
 同(帆足計君紹介)(第五八七号)
 緊急失業対策法の改正に関する請願(安藤覺君
 紹介)(第四二八号)
 同(有馬英治君紹介)(第四二九号)
 同(宇田國榮君紹介)(第四三〇号)
 同(遠藤三郎君紹介)(第四三一号)
 同(大倉三郎君紹介)(第四三二号)
 同(大森玉木君紹介)(第四三三号)
 同(木原津與志君外一名紹介)(第四三四号)
 同(倉成正君外五名紹介)(第四三五号)
 同(小枝一雄君紹介)(第四三六号)
 同外一件(坂田道太君紹介)(第四三七号)
 同(志賀健次郎君紹介)(第四三八号)
 同(田村元君紹介)(第四三九号)
 同(高橋清一郎君紹介)(第四四〇号)
 同(滝井義高君紹介)(第四四一号)
 同(富田健治君紹介)(第四四二号)
 同(八田貞義君紹介)(第四四三号)
 同外一件(亀岡高夫君外一名紹介)(第四四四
 号)
 同(福永健司君紹介)(第四四五号)
 同外一件(保利茂君紹介)(第四四六号)
 同(松永東君紹介)(第四四七号)
 同(松本俊一君紹介)(第四四八号)
 同(森本靖君紹介)(第四四九号)
 同(柳谷清三郎君紹介)(第四五〇号)
 同(山口喜久一郎君紹介)(第四五一号)
 同外一件(山手滿男君紹介)(第四五二号)
 同(愛知揆一君紹介)(第五一一号)
 同(飯塚定輔君紹介)(第五一二号)
 同(臼井莊一君紹介)(第五一三号)
 同(上林山榮吉君紹介)(第五一四号)
 同(鴨田宗一君紹介)(第五一五号)
 同(壽原正一君紹介)(第五一六号)
 同(瀬戸山三男君紹介)(第五一七号)
 同(田中正巳君外二名紹介)(第五一八号)
 同(塚原俊郎君外一名紹介)(第五一九号)
 同(寺島隆太郎君紹介)(第五二〇号)
 同外一件(渡海元三郎君紹介)(第五二一号)
 同外一件(中垣國男君紹介)(第五二二号)
 同外一件(野田卯一君紹介)(第五二三号)
 同(橋本龍伍君外一名紹介)(第五二四号)
 同(福永健司君紹介)(第五二五号)
 同(前田義雄君紹介)(第五二六号)
 同(松山千惠子君紹介)(第五二七号)
 同(山崎巖君紹介)(第五二八号)
 同(米田吉盛君紹介)(第五二九号)
 同(伊藤卯四郎君紹介)(第五八九号)
 同(内海清君紹介)(第五九〇号)
 同(重政誠之君紹介)(第五九一号)
 同(村山喜一君紹介)(第五九二号)
 同(稲富稜人君紹介)(第五九三号)
 戦傷病者のための単独法制定に関する請願(遠
 藤三郎君紹介)(第四五三号)
 同外一件(木村俊夫君紹介)(第四五四号)
 同(倉成正君紹介)(第四五五号)
 同(小島徹三君紹介)(第四五六号)
 同(櫻内義雄君紹介)(第四五七号)
 同(濱野清吾君紹介)(第四五八号)
 同(渡海元三郎君紹介)(第五四〇号)
 同(橋本龍伍君紹介)(第五四一号)
 同(松山千惠子君紹介)(第五四二号)
 理容師法の一部改正に関する請願(志賀健次郎
 君紹介)(第四五九号)
 同(田村元君紹介)(第四六〇号)
 同(濱地文平君紹介)(第四六一号)
 同(柳谷清三郎君紹介)(第四六二号)
 同(愛知揆一君紹介)(第五三〇号)
 同(今松治郎君紹介)(第五三一号)
 同(野田卯一君紹介)(第五三二号)
 同(早川崇君紹介)(第五三三号)
 同(船田中君紹介)(第五三四号)
 同(松山千惠子君紹介)(第五三五号)
 同(井堀繁雄君紹介)(第五八八号)
 都市清掃施設国庫補助の増額等に関する請願外
 六百一件(阪上安太郎君紹介)(第四六三号)
 同(緒方孝男君紹介)(第五七九号)
 同(加藤勘十君紹介)(第五八〇号)
 同(松本七郎君紹介)(第五八一号)
 国民年金に関する請願(滝井義高君紹介)(第
 四六四号)
 環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律
 の一部改正に関する請願(原田憲君紹介)(第
 四六五号)
 同(小平久雄君紹介)(第五四六号)
 同(受田新吉君紹介)(第五八四号)
 拠出制国民年金の実施延期等に関する請願外三
 百十一件(三鍋義三君紹介)(第四六六号)
 同外千九百八十五件(横山利秋君紹介)(第四
 六七号)
 拠出制国民年金制度改善に関する請願(小枝一
 雄君紹介)(第五四五号)
 引揚者給付金等支給法の一部改正に関する請願
 (野田卯一君紹介)(第五八二号)
 厚生省看護課復活に関する請願外一件(岡良一
 君紹介)(第五八五号)
 外地引揚医師特例試験の存続等に関する請願(
 本島百合子君紹介)(第五九四号)
 理容師法及び美容師法の一部改正に関する請願
 (園田直君紹介)(第五九五号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 医療に関する件について参考人より意見聴取
     ――――◇―――――
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山本猛夫#1
○山本委員長 これより会議を開きます。
 医療に閲する件について調査を進めます。
 本件に関し、本日は日本医師会長武見太郎君及び日本歯科医師会長河村弘君に参考人として御出席を願っております。
 参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。本日はお忙しいところをおいでいただきましてありがとうございます。申すまでもなく、医療問題は国民生活と密接な関係を有するのでありまして、特に最近における本問題の推移、すなわち一斉休診の問題はひとしく国民の注目を集めているところであります。本委員会といたしましても、本問題に重大な関心を持ち、先般来調査を行なっておるわけでありますが、本日はお二方の忌憚のない御意見を承り、もって本問題調査の参考にいたしたいと存ずるのであります。
 なお、議事進行上最初にお一人十分程度御意見をお述べいただきまして、その後委員より質疑にお答えいただきとうございます。
 それでは武見参考人からお願いを申し上げます。
  (滝井委員「議事進行について」と呼ぶ)
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山本猛夫#2
○山本委員長 滝井君。
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滝井義高#3
○滝井委員 先般の理事会で、きょうの参考意見を聞くにあたって、当然古井厚生大臣が出席をするという約束のもとに本日の委員会は開かれました。しかるに、まだ参議院の答弁の番が回ってこないにもかかわらず、古井厚生大臣は衆議院のこの社会労働委員会に出席がございません。そこで、われわれは今参議院に参りまして古井厚生大臣に面会をいたしましたところ、古井厚生大臣は自由民主党の、党の方から参議院に出ろという強い命令があったので自分はここに出てきているのだ、しかし、党の方で衆議院に行けといえば衆議院に行きます。こういうことです。しからば、あなたの自主的判断は、今委員長の御発言にもありました通り、国民の重要な関心事であり、注目を集めているこの医療問題はあなたの所管であるから、当然あなたの自主的判断によって衆議院に出席すべきであるという要求をいたしましたが、黙っておりました。従って、まず第一に私たちは古井厚生大臣はこの重要な問題に対する認識がないということを認定をいたしました。さらに第二番目には、医療費の問題はそういう国民的な問題でございますから、従ってきょうは両医師会の会長に来ていただいて、その御意見を聞くわけです。こういうときに、当面の責任者である厚生大臣がそれを聞かずして参議院に出席をするということは、政治的判断から見ても当を得ない大臣の判断と行動であろうかと思います。そこで私たちといたしましては、こういう大臣を相手にして今後の日本の社会保障の推進なり厚生行政を遂行して参ることは不可能なりという判断に立ちました。従って、本日は私たちとしては安藤厚生政務次官に全面的に大臣としての責任をとっていただいて、ここに出ていただきたいと思うわけです。これに対する安藤さんの御答弁をまずいただきたいこと、それから同時にここに宣言をいたしておきますが、今後厚生省の法案その他については、われわれは一切古井厚生大臣の答弁を拒否をいたしますから、これをここに宣言をいたして、安藤厚生政務次官の答弁をお願いをいたします。
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安藤覺#4
○安藤(覺)政府委員 ただいまの滝井先生の御発言に対して私の考え方を申し述べさしていただきますが、まず前提となりました、古井大臣が自民党の命令に従って参議院に出席しておるのであるというお言葉があったそうでありますが、あるいはそういうお言葉があったかもしれませんけれども、その場合、おそらく何か錯覚であろうかと思います。それは衆議院と参議院との御調整の上、どちらにでも御意見がきまりますならばそれに従います。こういうお言葉であったろうかと存ぜられます。(「そうじやない」「そうだ」と呼ぶ者あり)しこうして私に大臣にかわって答弁せよとの御要望でございます。しかしながら私は、ただいま滝井先生のお話しになりましたように、自今古井厚生大臣を相手としての質疑応答は一切しないという御前提に立たれましては、私御答弁申し上げるということが非常に苦しいのでございますが、その辺のところは一つもう一度滝井先生においてお考え直し下さいまして私への御質問をいただきとうございます。お願いいたします。
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滝井義高#5
○滝井委員 大臣が出てこないときには、政務次官が出てきて大臣にかわってやることは当然のことです。従って、前のことは私たち党の決意と態度を表明したのであって、われわれは今後古井厚生大臣が出てきても古井さんには一切質疑応答はしない、同時にわれわれはそのときには古井さんはなきものですから、従ってあなたに出ていただく、こういうことなんです。それをすなおにお受けになって出てきていただいたらいいと思います。従って本日もまた、一切の責任を持って質疑応答にあなたが当たっていただくという、この確認さえいただけばいいのです。自分はきょうは出ているのだけれども、それは大臣の意見を聞かぬとわからぬのだなんと言って逃げられたら、この重要な問題を解決するのに、あなたが出ておっても何にもならぬことになる。それならあなたの責任で厚生大臣をここにお呼びいただく以外にない。どちらなんです。
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安藤覺#6
○安藤(覺)政府委員 重ねてお答えいたします。おそらくそれは院において御協議いただいて、その院の御協議の結果に従って厚生大臣は行動すると私は確信いたしますので、その辺のところを皆様において御協議を願いたいと存じます。もしそれほんとうに個人の古井厚生大臣の意見でそれを決定しておるといたしますならば、私の責任においてここへ厚生大臣を連れて参ります。
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滝井義高#7
○滝井委員 理事会で十時からきちんと始めることをきめているわけです。ところがじんぜん時間を経過せしめたのはだれが経過せしめたのか。自由民主党が経過さした。参考人の方は十時にきちんといらっしゃった。出てこなかったのはだれか。厚生大臣だ。大臣が出てこなかったんだ。参議院はさいぜん始まったばかり、十時には始まっていない。そして故意にこれを延ばした。しかも今まで古井大臣は何と言ったか。医療費問題というものは今までのようなやみ取引ではまかりならぬ、自分は筋を通さなければいかぬと言った。その本人がこの国民注視の的である、解決しようとする問題に筋を通さずして参議院に、悪い言葉で言えば逃げていったような形を作ることはもってのほかだと思う。そういう大臣をわれわれは相手にすることはできない。そこで、前の前提はとにかくとして、本日はあなたは大臣としてここに一切の答弁の責任を持たれるかどうかということをわれわれはお聞かせ願えればいい。
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安藤覺#8
○安藤(覺)政府委員 大臣としての責任を持つわけに参りませんけれども、厚生政務次官として私の名において御答弁申し上げます。そしてまた私も大臣の御意思のほどは一応存じておりますので、あとう限り御答弁申し上げる次第であります。
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滝井義高#9
○滝井委員 委員長から一つはっきり確認をとっていただきたい。本日出てきて御答弁せられる安藤厚生政務次官の発言は古井厚生大臣の発言と同じだ、そのかわりであると認めて差しつかえありませんか。それをはっきりしないでそういうでたらめなことじゃ議会政治というものは成り立たぬですよ。
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安藤覺#10
○安藤(覺)政府委員 ただいまのようなお言葉でございますならば私、大臣にかわって御答弁申し上げます。ただいままでのをはき違えておりました。
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山本猛夫#11
○山本委員長 日本医師会長武見太郎君。
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武見太郎#12
○武見参考人 私どもは、三十二年に日本医師会会長に就任当時、代議員会の決議をもちまして、国民皆保険に全面的に協力するという決議をいたしたのでございます。自来その線は、私どもの団体といたしましてはできる限り努力をいたしました。私どもは国民皆保険に際しまして、医療を受け入れる側の態勢整備という問題を専門的な立場からいろいろと検討を加えたのでございます。
 第一の問題は、医学の進歩に対応いたしまして、現在の新しい医学を社会保障の体系の中にいかに入れるかという問題について私どもは努力を重ねてきたのでございます。
 ここでちょっと御説明を申し上げますと、病気になったならば治療をしてやるという簡単な病人対医師の関係では社会保障の医療は成り立たないのでございます。これは明治大正期のきわめて個人的な医療の時代でございましたならば、そのような考え方でございますけれども、現在の医学の思想の中には疾病の原因が社会にある、従って社会の責任で病気をなおす、また社会の責任で病気の発現を押えていこうという、きわめて社会的な要因を重く見る医学の時代でございます。これをコンプレヘンシブ・メディシンあるいはコンストラクティブ・メディシンと申しております。全く個人的な病気という病気が、自分の養生が悪かったからだという個人的な考え方から、ずっと進歩した考え方になっているわけでございます。社会保障制度のもとにおける医学は、このような崇高な新しい社会の理念で当然根強く建設され、展開されなければならないわけでございまして、同じ患者さんを診察いたしますに際しましても、その人の生活環境あるいはその人がなぜ病気になったか、なおったあとはどうすればこの病気が起きないで済むか、なおらないとすればどういう形で社会の生活をやっていけるかという点までめんどうを見るのが今日の医学の考え方でございます。この医学の考え方を推進していこうという私どもの熱意は何ら今日まで行政の面で取り上げられたことがないのでございます。私どもは力の及ぶ限りこの問題と取り組みました。その例といたしまして、私どもは建設的な面といたしましては、このような理想を具体化するために地域の医師が協同をいたしまして、医師会病院を建設をいたしております。ここで技術と経済とを公開いたしまして、医療を実施いたしますと同時に、そこに集まりました資料をもとにして、その地域の公衆衛生、予防衛生に関する具体策を立て、建設的な方向を進んでおるわけでございます。
 昔のヒューマニズムと申しますものは非常に個人的な情けの感じでございましたが、今日のヒューマニズムと申しますか、仁術と申しますものは、このような社会的な合理性を持ったものでなければ新しい仁術は生まれて来ないわけでございます。仁術はから念仏であってはならないわけでありまして、架空の概念として封建的な仁術観が強要されることはかえって国民に不幸でございます。私どもが努力いたしましたのは、この古い仁術観、これを新しい世代にいかに生かしていこうかという努力が、新しい社会の医療の理念と一緒に具体的に展開することでございます。また私どもはこのような医師の地域的な新しい協力態勢というものによりまして、公私の医療機関が渾然一体となりまして、まず疾病の予防に対して重要な役割を日常生活の中に打ち立てていこう、それでもなお病人が出た場合には、できるだけの治療をやろうというのが私どもの考え方でございます。
 この考え方に立ちますときに、現在の健康保険を中心といたしました社会保険医療の実情は、私どもの意図を全然無視いたしました明治大正期の医学の概念をそのままの形で国民全体に数の上だけ普及しようという方針としか考えられないのでございます。私どもはこの面におきまして、さらに私どもがみずからこれらの大きな事業をなしとげ得ない大きな要素といたしまして、医療費の問題、ことに診療報酬の問題について痛切に考えております。
 敗戦以来わが国は自由主義の国家体制をとり、民主主義の政治体制をとられておりますけれども、医師の活動の分野におきましては、保険の普及とともに学問上の自由は保険者、官僚の独裁的な制約を受けて参りました。この舞台は中央医療協議会という場所でございます。また経済面におきましても全くこれは完全なる統制経済に服しております。しかもこのように自由社会において完全なる統制経済に服しておるにかかわらず、保険医の身分を保障し、老後を保障し、あるいはまた日常の権利を保障する施策は、社会保険の全体系の中に一つもないわけでございます。換言いたしますならば、集団的な奴隷制度のもとに社会保険を推進されておるというのが事実でございます。このような形で大学の病院は保険医療機関に指定をされまして以来、学問の研究と教育に非常な不都合を来たしまして、学術会議が熱心にこの問題と取り組まざるを得なくなったわけでございます。また町や村の開業医もおのおのその職域におきまして自分の技術と学問とを生かすべき資材の購入も不可能であるという状況に陥っております。私どもはこれらの状況のもとにおいて、どうしても私どもの学問の、日本の医学の輝かしい百年の伝統を国民皆保険の名によってこのともしびを消すことは、日本医師会の名誉にかけまして、また国民の誇りとする日本の医学に対しまして、私どもはこの態度を続けることは医師としての良心が許さないわけでございます。こういうふうな観点に立ちまして、医師会は大所高所から建設的な動きを今まで続けておるわけでございます。
 また私がここで最後につけ加えいたしませんければなりませんことは、一番私の心配をいたしますことは、医療に従事いたします医師や看護婦さんたちが大きな不平や不満やあるいは老後に対する、不安を持ちまして日常患者さんに接しておる。この見えないおそろしさというものをむしろ表に出しまして、正しく解決することが皆保険前に当然なされなければならないと確信を私は持ったのでございます。不幸にいたしまして病院ストライキは私どもの思った以上に根強く進んで参りました。これは医療従事者の人権ストとしてこのような形をとられたのでございますが、私どもはこのような形をとらないで、専門の職域団体としての社会的な正しい行動によりまして、日本の社会を新しく学問的に生かしていこうという行動をとる段階になったわけでございます。四月一日の国民皆保険は、名前は皆保険でございましても、ぼろぼろのレールの上に急行列車を通すようなあぶないことは、たっとい国民の生命を取り扱う態度でないということを、身をもって体験しているのは医師であると私は確信をいたします。医師の申しますことが、不平や不満や、あるいはまた個人的な利害関係という名のもとに捨て去られましたならば、私は今後ほんとうに国民の福祉は守られないだろうと思います。この点で私どもは歴史的な日本の社会の転換期の医療を、どのような形へ持っていくかということに対して、また国民の医療に対して、大きな熱意と歴史的な使命を自覚いたしまして、今日いろいろな活動をいたしておるわけでございます。
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山本猛夫#13
○山本委員長 次に、河村参考人にお願いいたします。
 日本歯科医師会会長河村弘君。
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河村弘#14
○河村参考人 私は、ただいま御紹介のありました日本歯科医師会の河村でございます。ただいま医師会長の武見先生から、今日までのいろいろな形におきまする状態の御説明がありました。私は歯科の立場におきまする今日までの、またかような立場に至りました経過、こういうようなことについての面をお話し申し上げたいと思います。
 御承知のごとく、本年の四月一日をもちまして、先ほどお話しのごとく、国民皆保険というものが実施せられるということになっておるのでございまするが、日本の国民であれば、必ず各種の健康保険のいずれかに包括されるようなことになるのであります。これは大へん重大なことであります。国民が病気になる、またけがをするとなれば、必ず社会保険医療によってこれをなおしますということに相なりまして、この社会保険というものがいいのか悪いかということは、よって全国民の健康が左右されるということに影響を持ってくるわけでございます。
 かような現状でございまして、さらに保険経済が常に今までは優先して考えられていましたために、実に多くの矛盾が起こってきておったのであります。最低の資材、経費をもって最大の効果を求める、また労働力回復を重視するねらいということによりまして、平等な福祉がすべての国民に平等に与えられない結果を生じておるのであります。これが皆保険下における基本理念でございまするが、国民が平等な福祉を与えられるようにいたさねばならないのであります。
  〔委員長退席、大石委員長代理着席〕
かように社会保険という医療が、国民生活に重大なる影響を及ぼすときになりました現在において、私どもは現行の社会保険医療制度に見られるところの欠陥と非合理性を是正いたしまして、そうして国民医療の真の正しい姿を守り、近代医学の進歩に沿い得るところの良心的なる医療ができ得るようにいたさねばならないのであります。しかるに現状はいかがでございましょう。われわれは再三再四これらに対してわれわれの要望を当局に出したのでございます。しかるに当局におきましては、これらに対して何らの誠意を示ておらない。こういう状態におきまして国民皆保険に突入するということは、全く国民の健康、福祉を犠牲にするといってもあえて過言ではないと思うのであります。
 要望につきましては皆様に文書をもってお配りしてございます。一点単価の引き上げ、歯科の立場におきますところの補綴の点数の是正、社会保険歯科医療の内容の改善、事務の簡素化と地域差の撤廃、こういうような四点を指摘いたしまして、特に今日まで要望あるいは陳情におきまして、また各地区における決議をもって当局に訴えておるわけであります。
 単価の問題は、診療費の問題につきまして詳しく申し上げることは、時間がございませんので、後ほど御質問がありました場合にかえたいと思いますが、この件に対して特に御考慮をいただきたいということは、歯科医のいろいろな面におきまする経済状態というものは、一般の社会情勢とは若干異なるものがございまして、歯科医師の人件費というものはほかの勤労者に見られないところの上昇を示しておるのであります。これは歯科医が非常に少ないということが最大の原因ではございますが、かくのごとく人件費の大幅の上昇ということが、経費の大きい支出の要素と変わってきております。またその他歯科の機械、資材というものも予想以上の暴騰を示しております。特に近代歯科医療に欠かせないところのレントゲンの撮影装置、またさらに最近に至りましてはタービンによる高速度切削機械、こういうものも出て参ったのでありますが、今日の一般の歯科医におきましては、こういうものを直ちに購入するということがなかなか容易ではないのであります。全くこれは歯科医療経常の困難を示しておるということでございます。そこで診療報酬の現状では医療機械の整備強化ということはむずかしくなる。現在のままでは陳腐化した設備でやっているような次第でありまして、これでは適正なる医療は国民に与えられないということになるわけであります。
 なお低単価のために私的医療機関によりましては、生活の必要上全く労働過重をしいられまして、十一時間から十三時間、あるいはそれ以上に及ぶところの稼働を余儀なくされる、これでなければ経営が立っていかない、かような実情でございまして、疲労こんぱい、ここにおいて何らの進歩の姿が見られないような状態である。
 また歯科におきまする特殊な事情といたしまして、補綴に関する不合理の面もございます。これはあとでゆっくりと申し上げたいと思うのであります。
 いずれにいたしましても現政府におきまして、御承知のごとく国家経済の成長に伴うところの国民所得の倍増計画というものを特に打ち立てられまして、その実現の態勢に入っておられるようでありますが、適正なる医療というものが行なわれるには、やはり適正なる医療費というものが支払われなければならないということがはっきりおわかりになることと思うのであります。そこですみやかに国民所得倍増に見合うところの方途を決定いたしまして、単価の引き上げを決定いたさなければならない。繰り返して申しますれば、国家経済は伸びておる、国民の所得は増加する、労働賃金は年々とベース・アップされていく、なぜわれわれ医療担当者だけが取り残されなければならないのか。低い単価や制限されましたるところのワク内の診療に耐えて不満を忍びつつも今日に及んだ次第であります。しかしながら私どもは知性と学識と技術というものを利用して、国民の健康保持のために身も心もすり減らす気持を持って今日まで続けて参ったのであります。しかも私どもが要求いたしましたものはまことに遠慮深い最低の線を出した。しかもこれら私どもの要望は私利私欲にかられた、大それた要求では決してないのでございまして、国民の健康保持に要する大事な栄養源であるにすぎない。また医療の本質ということから考えてみますると、先ほど武見先生からとくとお話がございましたが、一面から考えまして医師と患者とはかたいつながりがある。なおそう、頼もう、これはいささか古いかもしれませんけれども、そこに人間愛と信頼感というものがなければならないのであります。しかもわれわれはその上に医学技術の進歩に応じたところで、常にみずからを磨き高めていくようなことになっておるわけであります。しかも先ほど来お話しのごとく、保険者の圧迫で押しつぶされたような形におきまして、まことにスズメの涙ほどの医療費の値上げにすぎないと思うのであります。これに対してまことに不遜きわまる反対をしている。私ども全一国三万の歯科医師は、常にこの切実なる声を体しまして、全国的なる形において盛り上がる力をもってこの要望の貫徹を期している。しかしてここに国民の正しい医療を守り、新しい医学の進歩と国民生活とを結ぶところのいわゆる社会的使命を果たさなければならない。しかるに今日この状態ではこれはとうていでき得ない、こういう結論のもとに、すでに御承知のごとく総辞退を含む実力態勢をとるもやむを得ない、かようなことに相なったわけでありまして、すでにその面についての指令が全国的に発せられまして、今日の事態に入ったわけでございます。
 なおここでつけ加えて申し上げておきたいことは、現時点におきましては、私どもは単なる賃上げ的な経済闘争ということより、さらに進みまして医療制度の抜本的改革、厚生行政の革新的改革、さらに健保法の全体系的改正、こういうようなものに十分なる目安をつけない限りは、いかなる形においてこれを一時的なる方途によって償おうと思っても、これは決してできない、私どもは長期戦の形をもってあくまでもこの態勢を持して、真の姿の日本の医療、国民の福祉のために戦わなければならないことを決意しておるわけなんです。かような意味におきまして、特に厚生当局並びに政府に対して大なる反省を促したい。かような意味におきまして今日の状態に立ち至ったわけでありますので、十分なる御了察を得たいと思います。これをもって私の今日の経過説明を終わります。
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大石武一#15
○大石委員長代理 どうも御苦労さまでした。
 これより参考人に対する質疑に入ります。順次これを許可いたします。山本猛夫君。
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山本猛夫#16
○山本(猛)委員 私はきわめて総括的に、時間の都合等もございますので手短かに参考人にお尋ねを申し上げます。
 まず、武見参考人にお尋ねを申し上げます。武見さん、これは十九日に全国一斉休診をおやりになるわけなんですね。どういうことで、どんな御都合で十九日を一斉休診の日にお選びになりましたのか、まず第一に一つ伺っておきたい。
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武見太郎#17
○武見参考人 十九日を選びます前に、もう少し段階がございます。私どもは御承知のように、昨年の八月十八日厚生大臣に対しまして、現状で国民皆保険に入りますならば、私どもは医師としての責任を全うして、ほんとうに医学の全機能と医師としての真心を持って患者の治療がはたしてできるかできないかという自信が持てない、そこでこれだけのことはしていただかなければならないということで、制限診療の撤廃という問題を出しました。これは簡単に申しますと、今日いろいろな面で制約を受けております。世界中で自由に処方箋を書けない医者というのは日本の医者だけでございます。もちろん治療も自由にはできません。使います薬の種類も量も使い方も、全部保険者と役人によって制限をされておるわけでございます。このような状態では病態が年々歳々変わっております今日、また相手の体質等を考えましてこれが一番いいと考えましても、それがやれない状態では、国民皆保険にわれわれは乗るわけにいかないわけでございます。学問がせっかく進歩いたしまして、大学でどんなことを勉強いたしましても、実際に使えなければ意味がございませんので、この点は私どもは、今日の制限診療を保険経済の問題からのみしぼられていることに対しまして非常な不満を持ちますと同時に、命を預かる医者としては非常な不安を持たざるを得ないわけでございます。この不満と命を取り扱う者としての大きな不安から、私どもはこの制限診療の撤廃を申し出ております。
 それから一点単価の引き上げの問題でございますが、昭和二十五年以来新聞紙は約十倍近くも上がっております。お役人の月給も二倍になっておりますが、医師に対する診療報酬は一・二四倍しか上がっておらないわけであります。そうして事務が非常に複雑でございまして、貴重な時間を支払い事務にとられるということでございます。ごく少数の患者が保険でございました場合は、事務の繁雑化は問題こざいませんが、皆保険の段階におきましてこれだけの全部の人が保険であるときに、二%か三%の人が保険であった当時と同じ事務量を強要されますことは、これはとうてい不可能でございます。またいろいろな経済変動その他に対しましても、私どもは自主的にこれと対応していくだけの診療報酬が払われておりません。この状態ではとうていやっていけないということから、私どもといたしまして、甲乙二表の一本化と、不必要な地域差が今日残っております。地域差と申しますものは、医療の面では絶対に必要のないものでございます。この地域差を何のために残すかといえば、私どもは低医療費強要の具としか考えられないわけでありまして、こういう点から強く八月十八日に申し入れをいたしました。その後機会あるごとに私どもはこのことを各方面にお願いを申しているのでございますが、不幸にして全く取り上げられなかったと言ってもいいのでございまして、具体的な御相談も私どもは受けておらないのでございます。たまたま病院ストが起きますと、医療費の問題が表に出て参りまして、上げずばなるまいという空気が出てきたわけでありまして、このようなことは私としては非常に遺憾なことでございます。私は医療従事者が耐え切れなくなってストライキに踏み切る前にこの問題を解決していただいて、われわれの要望をいれられないでストライキにまで追い込んで初めてこの問題が取り上げられたという厚生出局のふまじめさに対しまして、私は非常な怒りを持っておるものであります。こういうような怒りは私だけの怒りではございません。全国の会員の怒りとなったわけでございます。根本に流れております生命を取り扱いものとしての不安感、これは絶対に私は除いていただかなければなりません。これらの点におきてまして、全国におきましていろいろ勝手な、各県さまざまな運動が地域的に展開されました。私はこれらの情勢を客観的にながめておりまして、これは日本医師会が一本になってこの問題を取り扱わないと、地方的に非常に問題があると考えましたので、全国会長会議を開きまして、今後のこれらの運動を全部私が責任を負うから全部私にまかせてもらいたいということで、全国都道府県の会長から私が委任を受けたわけでございます。委任を受けまして一番私が考えましたことは、国民大衆に被害を与えることなく、そして最も社会的な影響を少なくしながら、われわれの希望を国民に理解してもらうにはどうすればいいかということでございます。このためにはいろいろな議論もございましたが、二十四時間労働をしております医者に対して、なおかつ日曜日も休んではならないというようなことは、とうてい私は今後正しい医療をやる上から不可能と考えておりますので、先ほど申し上げました学問の自由を失い、経済の自由を失った奴隷的な状態に陥りました医師に対して、奴隷解放運動の第一段階といたしまして日曜休診を取り上げたわけであります。すでにこの問題は、各地で日曜日の休診は現実には実施されておるのでございまして、実害の最も少ない方法としては日曜日を選ぶということが一番いいと考えたわけでございます。しかも医師の天職といたしまして診療拒否をいたすことは、これは私は絶対に避けなければならないと考えましたので、一切の診療拒否に関する問題はしてございません。診療拒否こそ医師のストライキでございます。新聞紙上等におきましてはこれに対してストライキという表現が使われておりますことは、私どもの意図が正しく国民に伝えられないで、不必要に社会の不安を醸成しているのじゃないかと私はおそれておるわけでございます。日本医師会のいろいろな指示、通達には、診療拒否という問題は一つも入っておりません。十九日を選びましたのは、最も実害が少なく、そして勤務医も開業医も学校に勤めている人間も、すべての人間が共通の問題として国民とともにこの問題を十分話し合う機会を持つことは日曜日が一番いいと考えましたので、十九日の日曜日を選んだわけでございます。私は今日まで隠忍自重いたしまして、このような統一行動をとることを遠慮し、おったのでございますが、四月一日を目前に控えまして、待てど暮せど具体的な策が示されません。いたずらに中央医療協議会に責任を転嫁して、いささかも大臣が御自分の責任で問題を打開なさるという熱意を、私はいまだ受け取ることができませんので、このような統一行動に踏み切ったわけでございます。
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山本猛夫#18
○山本(猛)委員 それでは一斉休診は指令したが、一斉休診というのは一斉診療拒否ではない、こういうふうにおっしゃるわけでございますか。
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武見太郎#19
○武見参考人 もちろんそうでございます。
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山本猛夫#20
○山本(猛)委員 河村さんの方もさようでございますか。
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河村弘#21
○河村参考人 私から申し上げます。私の方も同様の考えでございます。
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山本猛夫#22
○山本(猛)委員 八日に全国に指令書をお出しになりましたね。
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武見太郎#23
○武見参考人 出しました。
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山本猛夫#24
○山本(猛)委員 その指令書の内容を伺いたい。
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武見太郎#25
○武見参考人 お手元にお配りいたしました資料の1をごらんを願いたいと思います。「全国一斉休診、定期検診、予防注射及び予防接種の協力拒否並びに健保・国保総辞退届の取りまとめについて」というのがございます。その記というところに、「二月十九日(日)全国一斉休診により、国民大衆に対し「医療の実情を訴える会」を各地で催し、歯科との共同斗争を行なう。赤旗、白衣は用いぬこと。例えば街頭演説、婦人会、部落会、PTA等その他に働きかけること。大会も結構である。今回は日曜日につき勤務医にも働きかけること。なお、保安要員は残さない。」残さない」と書きましたのは、残してはならないということは言っておりません。それからストライキではございませんから保安要員を残す必要はないわけでございます。ストライキならば保安要員の問題も考えられますが、ストライキではございませんから「保安、要員は残さない。」と書いてございます。そしてしかも個人の開業医が日曜日に休みます場合には届け出る必要も何もないわけであります。これは官公立病院でさえも日曜日にお休みになっているのでございますから、個人の医者も休むことは全く差しつかえないわけで、病院は医療法に、よって当直がおります。しかし私どもは万一のことがあっては国民に相済まないと考えておりますので、「予め都道府県知事に申出で、都道府県知事の責任において準備せしめ、医師会はこれと協力しないこと。また日病の協力要請にも応じないこと。」ということを出したわけでございます。このことは都道府県知事が、医師が休むとすれば当然公的医療機関その他を御利用になるということが権利としてできることでございます。日本医師会長は会員に対しまして、お前は残って、日曜日を休んじゃいけない、その日は患者を見ろという命令をいたす権限はございません。もし残って患者の診療に従事せよと申しますならば、まず私は本人の承諾を求めなければなりません。その上看護婦その他の費用を日本医師会が弁償をいたさなければなりません。これらのことはとうてい日本医師会には権限もございませんし、それから全国的に弁償する力もないわけでございます。またそういう種類の団体でもないわけでございますから、それでこういうふうな申し出をしているわけでございます。
 日曜休診を非常に罪悪視している、ようでございますが、これが診療拒否でないこと、しかも医療の実情を国民に訴えて新しいりっぱなものをこしらえようとする建設的な努力をやっていこうということでございます。またこの中で大事なことは、もしも将来日曜日にある特定の病院、診療所に対して診療を続けろというようなことが、その土地の状態として望ましいならば、国の責任において費用を持っていただかなければ、現在の低単価のもとにおきまして個人の医師が自発的にこれをすることは、労働基準法その他の面からとうてい不可能の状態になっております。
 皆保険をむやみに、いいかげんな線路の上に通すことが悪いと申し上げましたのは、まず日曜休診だけでさえこのような問題が起きるということは、いかに皆保険の路線がいいかげんな、がたがたな路線であるかということであると私は考えております。また私どもは、定期検診や予防注射、予防接種は一切協力しない旨、直ちにこれを都道府県知事や保健所長に連絡をいたしますが、流感でございますとか、小児麻痺ワクチンのような、医師会において緊急、必要と認めたものに対しましては、お役所の下請はやらないけれども、自発的にこれを土地の方々に奉仕するということをここで言っているわけでございますから、いささかの不安も国民には与えていないわけでございます。その次の三は、「健保、国保総辞退届を都道府県医師会長の下に二月二十五日までに取りまとめること。文書様式は追って指示する。」これはどうしても国民皆保険が現状のままで入るならば、私どもは責任を持って患者さんの治療に応ずることができませんし、新しい医学の理念を日本に植え付けることができませんので、私どもの学問上の良心、専門家としての良心から、このような処置はやむを得ないと考えております。「迫って、同封「医療白書」並びに「あなたがたの医療」のパンフレットをPRに活用願います。」ということでございます。
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山本猛夫#26
○山本(猛)委員 次に、歯科医師会と共闘をなさることになったわけでございますが、武見さんに伺うのですが、どういうことで、歯科医師会とも共闘なさることになったのですか。
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武見太郎#27
○武見参考人 歯科医師会におかれましても、医師会と、医学者としては全く同じ立場に立つわけであります。また、保険医といたしましても、同じような条件に置かれているわけでございます。そして、これを改善してりっぱなものにしようとする熱意、また国民の福祉の向上に努力しようとする熱意におきまして、両者は全く同じ強さと同じ熱意とを持ってこれを長期的に取り組んでいこうという熱意がございますので、この問題の解決まで、われわれがほんとうに正しい社会医療を期待できるような状態に持ち来たすまでわれわれは共同でやろうということが、末端の医師会から強く共同の線が出て参りまして、中央におきましては、地方の情勢に従って中央の共同闘争の問題が取り上げられたということでございます。発端は、地方から燃え上がった意気が全く両医師会を結合させたということでございます。
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山本猛夫#28
○山本(猛)委員 河村参考人、いかがでございますか。
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河村弘#29
○河村参考人 先に、日本医師会との共闘の問題につきまして申し上げます。
 ただいま武見会長がはっきりと申し上げられましたように、この点と全く同じ意見でございまして、また私ども歯科医師会においても盛り上がる力がかような面にまでやって、参ったのでありまして、私どもは医療担当者という形におきまして、大きなる立場において、あくまでもこの時代において、この国民の医療を救うべきはこのとき以外にない、かような決意のもとに日本医師会と共闘の形を樹立いたし、ここにかたく、手を握りまして、あくまで解決のつくまではのまぬという決意をもって進んでいる次第であります。
 なお、先ほど私どもが指令を――指令と申しましたのですが、地方に通知を出しました、これはちょっとこういう趣旨であることをお含みをいただきたい。一、日本医師会と共闘すること。一、その第一段階として、十九日全国一斉休診を行なうこと。一、都道府県歯科医師会も同医師会と共闘すること。一、応急処置については都道府県歯科医師会の判断にまかせる。かような四つのことを趣旨として通告いたしました。
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