国際労働条約第八十七号等特別委員会

1964-06-16 衆議院 全64発言

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会議録情報#0
昭和三十九年六月十六日(火曜日)
   午前十一時四十九分開議
 出席委員
   委員長 倉石 忠雄君
   理事 安藤  覺君 理事 澁谷 直藏君
   理事 田中 正巳君 理事 森山 欽司君
   理事 河野  密君 理事 多賀谷真稔君
   理事 野原  覺君
      秋田 大助君    小笠 公韶君
      亀山 孝一君    渡海元三郎君
      長谷川 峻君    濱田 幸雄君
      大出  俊君    田口 誠治君
      安井 吉典君    山田 耻目君
      栗山 礼行君    吉川 兼光君
 出席国務大臣
        文 部 大 臣 灘尾 弘吉君
        労 働 大 臣 大橋 武夫君
        自 治 大 臣 赤澤 正道君
 出席政府委員
        内閣官房長官  黒金 泰美君
        内閣法制局
        参事官
        (第一部長)  吉國 一郎君
        人事院総裁   佐藤 達夫君
        人事院事務官
        (管理局長)  小林  巖君
        人事院事務官
        (職員局長)  大塚 基弘君
        総理府事務官
        (内閣総理大臣
        官房公務員制度
        調査室長)   岡田 勝二君
        外務事務官
        (国際連合局
        長)      齋藤 鎭男君
        文部事務官
        (初等中等教育
        局長)     福田  繁君
        労働事務官
        (労政局長)  三治 重信君
        自治事務官
        (行政局長)  佐久間 彊君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 結社の自由及び団結権の保護に関する条約(第
 八十七号)の締結について承認を求めるの件(
 条約第二号)
 公共企業体等労働関係法の一部を改正する法律
 案(内閣提出第一号)
 地方公営企業労働関係法の一部を改正する法律
 案(内閣提出第二号)
 国家公務員法の一部を改正する法律案(内閣提
 出第三号)
 地方公務員法の一部を改正する法律案(内閣提
 出第四号)
     ————◇—————
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倉石忠雄#1
○倉石委員長 これより会議を開きます。
 結社の自由及び団結権の保護に関する条約(第八十七号)の締結について承認を求めるの件、公共企業体等労働関係法の一部を改正する法律案、地方公営企業労働関係法の一部を改正する法律案、国家公務員法の一部を改正する法律案、及び地方公務員法の一部を改正する法律案の各案を一括して議題とし、質疑を続行いたします。野原覺君。
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野原覺#2
○野原(覺)委員 政府を代表されて官房長にお答えを願いたいと思うのです。池田総理の出席を要求いたしましたけれども、総理なかなか出席をされませんので、官房長官としては政府を代表して、総理にかわって御答弁をいただきたいと思うのであります。
 まず第一にお尋ねいたしたいことは、八十七号条約とこれに関連する国内法の整備について、政府も御承知のように、四月二十三日に特別委員会が設置されましてから今日まで、質問者は十五名、その質問の延べ時間は五十二時間に及んでおるのでございますが、いまだに批准がされていないのであります。国内法の整備につきましては、いろいろ論議はされましたけれども、その見通しすら今日立っていないのであります。一体政府はこの現状をどのようにお考えになっておるのか、率直に政府の見解を承りたいと思うのであります。
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黒金泰美#3
○黒金政府委員 御承知のとおりに、本委員会におきまして熱心に御質疑が続けられておりますが、まだILO条約批准の御承認を得なくてまことに残念に存じております。現存は与党でございます自民党の機関におきまして、ILO条約の批准に伴う関係国内法の問題についていま協議が行なわれておる段階でございます。党の意向がまとまりますれば、これに基づきまして国会の御審議を進めていただけることかと、かように期待をいたしております。
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野原覺#4
○野原(覺)委員 私は、それでは端的にお聞きしたいと思うのです。この四十六国会で成立させる自信があるかどうかということでございます。御承知のように、この国会は会期余すところ十日しかない。八十七号条約と関連国内法の審議につきましては、参議院においてもこれは十二分なる審議が行なわれなければならぬのであります。本院で五十二時間の長時間にわたって審議をして、いまだにその目鼻すらもつかない、こういう状態でどうして残りの十日でこの法案を通過させることができますか。この点については、一体政府はどう考えるのか。何とかして審議をしてもらいたい、審議をしてもらいたいと言いますけれども、先ほど私が申し上げましたように、五十二時間の長時間の審議をしてきている。書記長・幹事長会談の経過もございまして、私どもは慎重に審議をしてきたのであります。特にわれわれ社会党は、野党ではございまするけれども、この審議は政府も御承知のように、ほんとうに寛容と忍耐の精神をもって今日まで私どもは協力してきたのであります。定足数が足らないと思われるような場合でも、この会議の開会を認めてきておるのです。特に、自民党は今日まで八名質問に立っておるのでございまするが、そのうちの四名は特別委長のメンバーでない者の質問すら許してきているのであります。正委員の質問が終わらないのに、しかも与党にそのように破格のやり方を認めてきたというゆえんのものは、何とかして社会党としてはこの八十七号条約と関連国内法を成立させなければならぬという熱意があったからであります。しかるに何でございますか、このていたらくは。もう一度お尋ねいたしますが、確信がございますか。ほんとうのことをおっしゃっていただきたい。いいかげんなことを言って、時間がたてばもうそれでおしまいだじゃなしに、池田内閣としてはほんとうに成立させる確信があるのか、一体今日の事態を政府はどう考えておるのか、もう一度承りたいと思います。
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黒金泰美#5
○黒金政府委員 先ほど申し上げましたように、ILOの条約の批准承認と関係法案をここで御審議願っておる最中でございますし、私どももぜひこの国会で成立を期待いたしまして、最後まで努力を続けたいと考えております。
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野原覺#6
○野原(覺)委員 あなたが成立を期待いたしましても、一向に進展していないじゃないですか。一体池田内閣はこの状態に対して、閣議を開いたことがございますか。何とかしてこれを打開しなければならない。特に池田総理は何と言ったですか。この特別委員会が設置された当初、わが党の河野委員が社会党を代表して質問に立たれて、それに対して再三、何としてもこの国会で成立させるということをここで宣言をしたのであります。あらゆる新聞記者等との談話その他の機会に、池田総理は国の内外に、八十七号条約と関連国内法は一括審議をやって、一括採決でこの国会を通すということを声明しておる。しかるに何でございますか、この状態は。あなたが何とことばを弄しょうとも、これはだれがどう考えても、とても成立は困難ではございませんか。
 そこで私はお聞きいたしますが、こういう事態になっておることの原因はどこにあると政府は考えておるのか。考えていないはずはないと思う。この事態の原因というのはどこにあると池田内閣は考えておるのか、これをお聞きしたいのです。
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黒金泰美#7
○黒金政府委員 この問題、いろいろ御意見もございましょうし、その御意見の慎重なる調整に時間がかかっておる、かように考えております。
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野原覺#8
○野原(覺)委員 御意見の慎重な調整ということは、もっと具体的に言えばどういうことでございますか。
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黒金泰美#9
○黒金政府委員 先ほど申し上げましたように、国内法の問題につきまして、与党であります自民党のいろんな機関で、目下慎重に調整をしておられる段階でございますので、その結果を待ちたいと思います。
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野原覺#10
○野原(覺)委員 それではやはりものごとをはっきりさせておきたいと思う。国内法の整備について、自民党の党内事情で調整がどうしてもできない、そのことがこのような事態になった原因であると、政府もお認めでございますか。
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黒金泰美#11
○黒金政府委員 いまいろいろと努力をして調整をいたしておるところでございます。
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野原覺#12
○野原(覺)委員 私は、国際的にもこれは大きな責任がある問題でございますから、やはりいけないところはいけない、党内の事情のためにこのような事態になったらなったということを率直に認めてかからなければ、この問題の解決はできないと思う。あなたがただいまおにおわせになりましたように、自民党の党内事情なんです、この事態になってきておる原因は。これは、だれが何と言っても党内事情なんです。社会党も自民党も、たとえば、自民党の代表としては倉石忠雄特別委員長、社会党は河野密ILOの社会党の特別委員長が窓口になって、数年間折衝してきたのです。そのことについてのいろんな文章上の表現技術その他はあるでございましょうけれども、その大綱を尊重するという両党の約束が実現されるならば、このようなことにならないのであります。私どもは、倉石特別委員長とわが党の河野委員との間に話し合いのついた、いわゆる自社両党の合意案については、党内に若干の不満がありましても、八十七号条約批准のためにはこの約束は守ろうと社会党は踏み切っておる。野党がこのように前進的な、前に進む態勢を示しておるときなのでございます。池田内閣の与党である自民党の状態は何でございますか。そのことを政府としてもしっかりつかんでこの問題に対処してもらわなければならないと私は思うのであります。そこで大事なのは、与野党の意見が折り合わないからだということであろうと思う。そういたしますと、与野党の意見を折り合わせる以外に、八十七号の批准と関連国内法の整備の問題は解決できないということになる。そのように理解してよろしゅうございますか。政府もそうお考えでございましょうか。
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黒金泰美#13
○黒金政府委員 いまこの委員会で御審議願っておる最中でございますから、私どもがどうこうということを申し上げるのは差し控えたほうがいいかと思います。
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野原覺#14
○野原(覺)委員 国会で審議をしておるから、政府としてはとやかく申し上げることは差し控える、こう申しますけれども、それはあまりにも無責任なことばであります。条約批准は政府の責任ですよ。じゃ、国会でどうでもしてください、そんなのんきなことが言えますか。条約を批准する、しかもその批准を約束しておる。その責任を履行しなければならぬ国際的な義務を政府は負っておる。そういたしますと、今日の国会審議は与野党が論議をしておるのだから、高みの見物だ、どうでも国会でおきめください、そういうのんきなことじゃないはずですが、いかがですか。あなたは池田内閣を代表してそういうのんびりしたことが言えるのですか、お尋ねしたい。
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黒金泰美#15
○黒金政府委員 高みの見物じゃございません。非常に緊迫した気持ちで、切実な気持ちでおりますけれども、いま御論議の最中でございますから、それが一体どんなふうになるであろう、こういうことは私ども申しかねます。
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野原覺#16
○野原(覺)委員 それではお尋ねいたしますが、池田総理が再三にわたって、国の内外に向かって、四十六通常国会でぜひとも八十七号の条約批准とこれに関連する国内法の整備はやってみせる、こう声明をされた。私はこの言明の裏には何かがあると思う。これは単なる決意の表明ではないので、できるという確信があればこそ、あのような言明を自信を持って総理はお述べになられたのだろうと私は思うのです。したがって、総理が政府を代表してお述べになられたその根拠、それはどこにあったのです。ああいう下言明は軽々しくできるものではないのですがね。そういう決意をお述べになる根拠というものが、どこかにあったはずなんです。それは何でございましたか。
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黒金泰美#17
○黒金政府委員 特別、根拠と申し上げてうまく御説明できないと思いますが、とにもかくにも、この国会でぜひ御審議を願い、そうして御承認のほどを賜わりたい、かようなお願いでございます。
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野原覺#18
○野原(覺)委員 そういうお願いで私どもは審議をしておるけれども、一向に前進をしない。その前進しないことは一にかかって自民党の党内事情、これはあなたもお認めになった。その点は私は率直でよかったと思います。しかしながら、政府はその党内事情に対して一体どうしようというのか。全く拱手傍観じゃございませんか。私のこの質問に対して、あなたではこの問題は答弁できないかもわからぬ。だから私は池田総理の出席を要求いたしましたが、どうしてもきょうはお見えにならないという関係もあって、残念ながらあなたに質問をしておるのです。総理は総裁なんだ。この党内事情、これを一体どうしようというのか。一向に前進しない。これでいいのかということが今日問題になっておるわけなんです。
 そこで次にお尋ねいたしますが、官房長はILOの七十二次報告というのを御承知だろうと思うのであります。この七十二次報告によりますと、その二百三項にこういうことが書いてある。「日本政府は、一九六三年六月二十六日付の書簡において、一九四八年の結社の自由及び団結権保護条約(第八十七号)関係案件に関する与野党の交渉担当者間の話合いは、六月においても継続された。い野党の書記長、幹事長間において成立した了解の下に、六月十四日、衆議院本会議において、国際労働条約第八十七号等特別委員会を設置し、八十七号条約批准承認案件及び関係国内法改正案を付託することを決定した。」こういう書簡を、日本政府はILOに送っておるのであります。この書簡は七十二次報告の二百三項に、ただいま私の読みしげたところが出されておるのです。そこで、ずっと私は興味を持って書簡を続いて読んでみたのであります。そういたしましたら、二百三項の次の二百四項にこう書いてある。政府は「前述の特別委員会の審議の促進に協力した。」これはどういうことかといえば、前述の特別委員会とは、与野党の交渉担当者間の話し合いによってまとまり、それが書記長・幹事長会談において成立した特別委員会です。自民党の中に、倉石特別委員長をさして、これは党の代表者じゃなかったのじゃないかという疑問を持たれる者があるやに聞くのでありますけれども、政府はILOに対して、与野党の交渉担当者間の話し合いと、書簡をもってはっきり宣明しておるのです。倉石さんは与党の代表、河野さんは野党、社会党の代表、このことを政府は確認してこの書簡を出しておるのでございます。このことは事のついでに申し上げたのでございます。
 そこで問題は、政府はこの特別委員会に協力したわけです。協力したということは、与党である自民党と野党第一党の社会党の話し合いに協力する、特に与党がその話し合いの交渉の対象になっておるわけでございますから、議院内閣制としては当然でございましょう。協力すべきであります。そこで次に問題になってくるのは、この特別委員会に政府が協力したということは、つまり政府は与党の倉石、社会党の河野、この二人の間でまとまったことに協力をしたということであります。協力をするということなんですよ。特別委員会が設置された。二百三項に書いてある。それは交渉担当者の間での話し合いがまとまって設置したのだ。二百四項には、前述の特別委員会の審議促進に政府は協力したのであります、こうILOに向かってものを言っておるのでございますから、この「前述の特別委員会の審議」とは何か、これは与野党の交渉担当者の間で話し合いのできたことについての審議なんだ。ということは、つまり与党を代表する倉石、社会党を代表する河野、いわゆる自社両党の修正案でまとまるように協力したということをILOに報告しておるのです。このことを官房長官お認めになりますか、いかがですか。
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黒金泰美#19
○黒金政府委員 実は私これを起草いたしておりませんもので起草者の意向はよくわかりませんが、どうもここで書いてありますことをさらっと読みますと、「総理大臣も衆議院の特別委員会に政府の見解を説明する等、」「審議の促進に協力した、」そこまで深く考えてこれを起草しておりますかどうか、私実際起草の責にないものでありますからわかりませんが、そこまでは読みにくいのじゃないかと、いま初めて拝見して考えます。
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野原覺#20
○野原(覺)委員 このことは、あなたのほうではそういう御見解を持たれるかもしれませんが、二百三項と二百四項に書かれておる政府からの書簡というものが、特別委員会の審議の促進に協力したということは、特別委員会の審議とは何かといえば、二百三項に書いてあるように、与野党の交渉担当者の間でまとまったことの審議だ。それに協力したということでございますから、いまの池田内閣は自社両党の話し合いの線でまとめるということ、そのことを努力することをILOに正式書簡をもって誓っておる。このことは御研究願いたい。誓っておるのです、これは。だからILOで、わざわざここで二百三項、二百四項と項目を起こして、政府からこういう書簡が来ておるということで述べておる。私は外務大臣をあとで呼んで——外務大臣がまだ見えてないのではなはだ残念でありますけれども、実はこの正式書簡なるものを外務大臣に要求したのです。ところが外務省は私に出さないのです、その書簡を。極秘であるからこれは出さない、外務省はこう言う。一体その書簡に何と書いておるのか、この報告だけではわからない。私はこの問題は保留しておきたいと思うのであります。
 そこでお尋ねをいたしますが、池田総理は、官房長官、自社両党の話し合いでまとまったいわゆる倉石・河野の合議案、話し合いでまとまったあの線については、どのような意思表明を今日までされておるのですか、お聞きしたいと思います。
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黒金泰美#21
○黒金政府委員 先ほどもお話し申し上げましたように、いま自民党の中でいろいろと調整をやっておられます段階なので、いまの点につきましては答弁をしばらく御猶予願いたいと思います。
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野原覺#22
○野原(覺)委員 何を答弁したのかわかりません。これは一番大事な個所なんです。池田総理は総裁です。そうして前尾さんは幹事長。しかも倉石・河野の話し合いというのは、社会党の成田書記長と自民党の前尾幹事長の間で、その努力を誓い合っておる。しかも倉石さんは自民党の代表なんだ。これは政府の正式文書にもある。与野党の交渉担当者と書いてある。だから倉石、前尾という党の代表者が話し合いしたものを、池田総理が知らぬとは言わせませんよ。これは承認を与えているでしょう。この線で努力しなさいという承認を与えているでしょう。与えてないとしたら、特別委員長の責任は重大だ。与えておるでしょう。承継を与えてませんか。何らの意志表明もしないで事が進んでおるのですか、お聞きしたい。これはあなたが答弁できなければ、総理の出席を要求しますよ。
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黒金泰美#23
○黒金政府委員 池田総理としては、私の記憶では何にも言っておらないと思います。
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野原覺#24
○野原(覺)委員 これはきわめて重要な問題でありまして、官房長官としては、委員長お聞きのように、答弁ができないのであります。答弁ができない。私は承認を与えていないことはなかろうと思う。やはりそのことは私どもとしてははっきりしてもらいたい。そのような政党ではなかろうと思う。幹事長が話し合いしたことを総裁が知らない、党の代表として選ばれた倉石忠雄さんがまとめてきたことを総裁が知らないとは、私どもはそういう自由民主党じゃなかろうと思う。だからお聞きしておるんだ。ところが今日になっても、その点を不明確にしたままじんぜん日を過ごして、八十七号条約の批准はできない、関連国内法の成立はできないという、こういう事態に持ってきた池田総理、池田内閣の政治責任というものは重大ですよ。単に総裁三選に通ったら事が終わったんだと思ったら、間違いですよ。この問題は国際的に重大ですよ。ドライヤーが九月には日本にやってくる。聞くところによれば、五十年近いILOの歴史で、事情調査調停委員会というのが設けられることにはなっておるけれども、いまだ発動されたことはないというじゃありませんか。それがいよいよ九月にはやってくる。そうして、そのことは困るということを池田総理も認めておる。日本の経済のために、貿易のために、国際的な信頼のためにこのことは避けなければならぬ。このことのためにも努力してもらいたいというところの意思表明があったんだ。ところが何もしてないじゃないですか。拱手傍観じゃないですか。なぜ池田さんが乗り出さないのです。聞くところによれば、執行部一任だ、池田総裁が裁断を下したら、三選に影響するから、これに反対するところの諸君の票がもらえないから、執行部一任だというところのうわさが流れているじゃありませんか。そういううわさが流れておるならば、総理はそのうわさを消すべきだ、私はそう思うのです。総裁に選ばれるかどうかということは、これは天なり命なりじゃありませんか。ほんとうに信頼がなければ選ばれないんだ。しかしながら池田さんが今日、長い間政権を担当してきて、そうしてしかも施政演説で国民に約束し、国際的にはILOに約束したこの問題を、今日に至ってもなお解決できないで終わるとするならば、たとえ総裁に三選されても、その内閣の寿命、池田さんの将来というものは推して知るべしであります。私はいろいろ池田内閣には申し上げたいことがあって、いろいろ調査をして、池田総理に質問をしたいと思って用意しておるのでありますけれども、残念ながらあなたでは答弁ができない。したがって他日、近い機会に池田総別の出席をお願いをいたしまして、お尋ねをしてまいりたいと私は思うのであります。官房長官に対する私の質問は、この程度で終わっておきたいと思います。
 そこで、次に文部大臣にお尋ねします。
 文部大臣にお尋ねしたい第一点は、去る本年五月二十日、都道府県の教育委員長協議会、都道府県の教育長協議会からあなたに、ILO八十七号条約の批准と関連国内法の整備について要望書が出されたと私どもは聞いておるのであります。どのような内容のものでございましたか、できたらお知らせ願いたい。
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灘尾弘吉#25
○灘尾国務大臣 お尋ねの全国都道府県教育委員長協議会、それから全国都道府県教育長協議会の名において要望せられました事項でありますが、三点ございます。一つは日教組等の中央地方交渉について、それから校長、教頭等管理職員の範囲について、それから登録と交渉について。伝えられる倉石修正案には、特にこの三項目についてはなはだ不満を感じておるので、条約の批准関係法案の審議にあたっては御配慮を願いたい、こういう趣旨の要望でございます。
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野原覺#26
○野原(覺)委員 そこで文部大臣に申し上げておきますが、これから私のあなたに対する質問は実はきわめて重大な内容を持っております。ということは、最悪の事態、調査団が日本にやってくることになって、八十七号条約の批准ができない、こうなりますると、御承知のように、ILOのほうでは追加情報の要求を組合側にいたしておるのであります。だからして、あなたも慎重に御答弁を願いたい、私も慎重に質問いたします。重要な中身を持っておりますから、そのような配慮で私もお尋ねいたしますから、あなたも慎重な御答弁をお願いしたい。
 そこで、ただいま申されました教育委員長協議会と全国の教育長協議会の申し入れは三点。一つは、日教組の中央、地方交渉について。その中身は、日教組の中央、地方交渉権を認めるべきでないという内容になっておる。第二点、校長、教頭等管理職員の範囲について。その中身は、校長と教頭の管理職の範囲は、地方にまかせず、全国一律にしてもらいたい。第三点、登録と交渉について。その中身は、交渉については、登録と非登録との差異を法文上明確にしてもらいたい。こうなっておる。そこであなたにお尋ねしたいことは、まずあなたの所見であります。あなたがこの要望書を五月二十日お受けになられたのです。どういう御所見をお持ちですか、その点からお尋ねしていきましょう。
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灘尾弘吉#27
○灘尾国務大臣 この要望は、私目当てに出されたものとは存じません。私にも出されましたが、関係方面にそれぞれ要望せられた事項だと考えます。御承知のように、政府のほうとしましては、今回の条約批准につきまして国内法の改正案を国会に提出いたしまして御審議を願っておるわけであります。われわれとしましては、この原案が通過することを希望いたしておるわけでございます。その間、倉石さん、河野さん等の間でいろいろお話し合いが行なわれ、世上伝えられる倉石修正案なるものが出ておる、これがこの委員会におきましていろいろ御検討の項目にもなっておると承知するのであります。私どもとしましては、原案の趣旨というものをぜひお認め願いたい、かように考えておる次第であります。これに対するいろいろな御意見等について、いま私がいいとか悪いとかいうふうなことを申し上げることはいかがであろうか、実はかように考えておる次第であります。
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野原覺#28
○野原(覺)委員 あなたは、教育委員長協議会と教育長協議会から要望書が出されて、何か新聞によりますとお答えになられたようですね。どういうあなたの御意見の表明をされたのですか。
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灘尾弘吉#29
○灘尾国務大臣 この教育委員会における要望につきまして、これをどうするとかこうするとかいうことは、私は答えてはおりません。ただ私としましては、政府の提出いたしております法律案の趣行と、これが実現に向かって努力したいということを申し上げたのであります。
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