国際労働条約第八十七号等特別委員会

1964-06-12 衆議院 全161発言

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会議録情報#0
昭和三十九年六月十二日(金曜日)
   午後二時四十六分開議
 出席委員
   委員長 倉石 忠雄君
   理事 愛知 揆一君 理事 安藤  覺君
   理事 澁谷 直藏君 理事 田中 正巳君
   理事 森山 欽司君 理事 河野  密君
   理事 多賀谷真稔君 理事 野原  覺君
      秋田 大助君    稻葉  修君
      小笠 公韶君    亀山 孝一君
      田澤 吉郎君    渡海元三郎君
      永田 亮一君    長谷川 峻君
      濱田 幸雄君    松浦周太郎君
      有馬 輝武君    大出  俊君
      田口 誠治君    安井 吉典君
      山田 耻目君    栗山 礼行君
 出席国務大臣
        文 部 大 臣 灘尾 弘吉君
        労 働 大 臣 大橋 武夫君
        自 治 大 臣 赤澤 正道君
 出席政府委員
        内閣法制局参事
        官
        (第一部長)  吉國 一郎君
        人事院総裁   佐藤 達夫君
        人事院事務官
        (管理局長)  小林  巖君
        人事院事務官
        (任用局長)  矢倉 一郎君
        人事院事務官
        (職員局長)  大塚 基弘君
        総理府事務官
        (内閣総理大臣
        官房公務員制度
        調査室長)   岡田 勝二君
        大蔵事務官
        (大臣官房長) 谷村  裕君
        大蔵事務官
        (主計局次長) 澄田  智君
        文部事務官
        (初等中等教育
        局長)     福田  繁君
        労働事務官
        (労政局長)  三治 重信君
        自治事務官
        (行政局長)  佐久間 彊君
 委員外の出席者
        労働事務官
        (労政局労働法
        規課長)    青木勇之助君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 結社の自由及び団結権の保護に関する条約(第
 八十七号)の締結について
 承認を求めるの件(条約第二号)
 公共企業体等労働関係法の一部を改正する法律
 案(内閣提出第一号)
 地方公営企業労働関係法の一部を改正する法律
 案(内閣提出第二号)
 国家公務員法の一部を改正する法律案(内閣提
 出第三号)
 地方公務員法の一部を改正する法律案(内閣提
 出第四号)
     ――――◇―――――
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安藤覺#1
○安藤委員長代理 これより会議を開きます。
 委員長が少しくおくれで参りますので、委員長の指名により、私が委員長の職務を行ないますので、御了承願います。
 結社の自由及び団結権の保護に関する条約(第八十七号)の締結について承認を求めるの件、公共企業体等労働関係法の一部を改正する法律案、地方公営企業労働関係法の一部を改正する法律案、国家公務員法の一部を改正する法律案、及び地方公務員法の一部を改正する法律案の各案件を一括して議題とし、質疑を続行いたします。森山欽司君。
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森山欽司#2
○森山委員 前回、私は八十七号条約における質問で、人事局の所掌業務までをお尋ねしたのでございますが、以下順を追ってお伺いしたいのでございますけれども、文部大臣が所用があって早くお立ちになりたいというお話もございますので、この際いわゆる中央交渉の問題につきまして、政府の所見をただしたいと思う次第でございます。
 倉石問題点によりますと、「職員又は職員団体は、職員団体以外の団体又は連合体を事実上組織することを妨げず、職員、職員団体又はこれらの団体は、国又は地方公共団体の当局に対して、その不満を表明し、又は意見を申し出て話合いをすることができることを念のため地方公務員法に規定するものとすること。」という問題点が指摘をせられております。
  〔安藤委員長代理退席、委員長着席〕
その中の、職員、職員団体またはこれらの団体が国の当局に対して不満を表明し意見を申し出て話し合いをするということがいわゆを中央交渉の問題でございますが、この問題につきましては、すでにILOや政府の考え方は再三再四にわたって本委員会に示されておりますので、あえて繰り返すことは避けたいと思いますけれども、しかしながらこのことについて一昨日の田口委員と灘尾文相の質疑応答を通じまして、地方公務員の職員団体が国の機関に対して不満を表明し、意見を述べる等の行為をすることは、労使間の団体交渉あるいは交渉という性格のものではなく、陳情、請願であるということが明確となりました。中央交渉ではなくて、中央陳情ということがはっきりしたのであります。もっとも、このことは一昨日初めて明らかになったものではなく、当初から明白なものであったのでありますが、日教組等が中央交渉権という用語を用いまして、新聞等がこれをそのまま報道してきたため、世間にだいぶ誤解を与えていたのであります。一昨日は社会党の田口委員がその誤解を解消し、初めて正しい認識に到たつした日であろうと思います。しかしながら、六月八日の各紙の報道によると、社会党の見解といたしまして、日教組は文部大臣と団体交渉の意味における交渉ができるのであるという趣旨の記事が出ております。田口委員はおそらくこの見解によって文相に質問をし、質疑応答を通じてその見解の正しくなかったことを自覚されたと思うのでありますが、私は、この見解の各項について文部大臣の見解をただして、事態をより明確にいたしたいと思う次第でございます。これは読売新聞の記事によって、社会党の見解が出ております。一項目ずつこれについての文部大臣の見解を承りたい。
 社会党の見解によると、第一に「教職員の給与、勤務時間その他の勤務条件は、地方公務員法、地方教育行政の組織及び運営に関する法律によって、都道府県の条例できめられることになっているが、現実は国の予算、法令および文部当局の行政指導によって制約を受け、給与および勤務条件はほとんどそれによって決定されている。現行制度のもとでは、国の当局と交渉しなければ勤務条件の改善は著しく困難である。という見解がございますが、これについての文部大臣の御所見を承りたい。
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灘尾弘吉#3
○灘尾国務大臣 お答えいたします。
 地方公務員たる教職員の勤務条件の問題につきましていろいろ交渉が行なわれる場合、中央の関係において直ちに解決することが困難な場合もあるいはあろうかと思うのであります。しかし、毎々申し上げておりますとおりに、この勤務条件等に関する地方当局に対する交渉は、申さばいわゆる労使の関係に立っておる間の話と考えておる次第でありまして、その意味におきまして、政府は地方の公務員たる教職員との間において労使関係というがごときものはないというふうに私どもは考えておる次第でございます。ただそういう関係でありますので、いわゆる団体交渉めいたものが中央のわれわれとの間に行なわれる余地はないと思うのでありますが、そういうことについてあるいは問題の解決に著しく困難を感ずる、こういうふうなことを仰せになっておるのではなかろうかと思うのであります。ただ問題は、しかしそれらの諸君が中央において実情を訴え、意見を述べ、あるいは陳情をするというようなことは、筋道の議論といたしましては何ら妨げるところではないのであります。そういうふうな人たちの御要望なり御意見なりを承る筋道というものは現在存在しておると申し上げてよろしいと思うのであります。
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森山欽司#4
○森山委員 次に、社会党の見解によりますと、「政府は国会答弁で「文部大臣は地方公務員たる教育公務員の任命権者でない」という理由で、交渉の相手方でないと答弁してきた。しかしその後「教育公務員の任命権者である県教育委員会だけでなく、服務監督権者である市町村教育委員会、知事、市町村長もあわせて交渉の相手方である」ことを確認するにいたり、灘尾文相はこれら各当局を”使用者的なもの”と表現した。」という、こういう見解について文部大臣の所見を承りたいと思います。
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灘尾弘吉#5
○灘尾国務大臣 地方の公務員たる教職員が地方公務員法に基づくいわゆる交渉を行ないます場合の相手は、何と申しましても任命権者がその主たるものであるということは申すまでもないことであります。いわゆる使用者関係というふうなことで、簡単に申せば、任命権者でないから相手になれない、こういうふうなお答えをした場合もあろうかと思いますが、ただよく御検討願えれば、地方の公務員が地方の公共団体当局に対しまして交渉します場合に、私は、やはりその交渉し得べき事項について管理しあるいは決定をする権限を持っておる当局というものが相手になるはずのものであろうと思うのであります。その権限を持っておる当局ということを考えました場合には、必ずしもいわゆる任命権者だけではない。地方の公務員が、いわゆる団体交渉をなすべき事項というものによりましては、あるいは市町村とかあるいは府県知事というところが管理し決定するという権利を持っている、この地位に相当する場合があろうかと思います。そういう場合には、やはり府県知事なりあるいは市町村長を相手にして交渉をし得ると私は思うのであります。精密に申せば、そういうものを含みますので、これらをひっくるめまして、いわゆる使用者的な立場と、かように私は申したのであります。
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森山欽司#6
○森山委員 文部大臣がそのことばを使われました意味はよくわかりました。
 それについて社会党は次にこういう見解を発表しております。「交渉の相手方を“使用者的なもの”とするならば、それは地方公共団体の当局のみに限定すべきでなく、勤務条件の決定に大幅な実質的権限を持つ国の当局も当然交渉の相手方になるべきである。教職員が地方公務員であるとの理由で、国との交渉を拒否する立法上の理論的根拠は何もない。」こういうことをいっております。これについての御見解を承りたい。
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灘尾弘吉#7
○灘尾国務大臣 地方公務員の勤務条件に関して、中央が関係がないということは、私は申し上げません。中央の予算とか法律とか法令とかいうふうなものが関係があるということは認めるのでありますけれども、しかし、しばしば申し上げておりますように、中央のわれわれの立場といたしましては、地方公務員たる教職員に対しまして、任命権もございませんし、服務監督権もない、給与支給権もない。これらのいわゆる勤務条件について管理し決定する地位におらないということを私は申し上げたいのであります。
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森山欽司#8
○森山委員 これに次いで、社会党は、「国の当局に対しても交渉できるむねを法文化するよう主張したが、自民党が認めないため、譲歩して「話し合い」という表現で決定したのであり、この修正条項を削除することは断じて容認できない。」というような御見解が新聞に出ておりますが、以上のごとく中央交渉といわれるものが実は労使関係における交渉というものではなくて、陳情、請願の性格を持つ行為であることはきわめて明白となったのであります。
 ところで、問題は、ここで終わるのではなくて、実はここから始まる。この陳情、請願を倉石修正案として法文化する必要があるのかないのかということが当面の重要問題になっておる。新聞の論説でさえもその点についての分析がきわめて不十分であるというか、はなはだしく正確性を欠いておる点が少なくありません。つまり世間には、この際陳情、請願権を法文化すれば日教組は直ちに文部大臣に会える、法文化しなければ未来永劫に会えないかのごとき前提に立っての議論があるのでありますが、この前提ははなはだ奇怪なものであると思うのでありますが、この点についての文部大臣の御意見を承りたい。
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灘尾弘吉#9
○灘尾国務大臣 どうも御質問の御趣旨が実はよく聞き取れなかったのでございますが、もう一回ひとつお願い申し上げます。
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森山欽司#10
○森山委員 こういう陳情、請願権を法文化すれば日教組は直ちに文部大臣に会えるのだ、法文化しなければ未来永劫に会えないかのような前提に立っての議論がある。だからこういう前提ははなはだおかしい。この点は文部大臣の御意見はどうだ、こういうことでございます。こういう規定が法文化されておろうとおるまいと、これは一向差がないのじゃないか、こういうことでございます。
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灘尾弘吉#11
○灘尾国務大臣 いわゆる倉石修正案でありますが、書いておられます条項につきましては、最初に稻葉委員の御質問であったかと思うのでありますが、お答えいたしました、ときに、私は実はよく理解しかねておるのだということを申し上げたのであります。その一つは、話し合いということばが用いられておるのでありますが、この話し合いということばは、せんじ詰めれば、普通の法律用語で言えばどういうことになるのであろうかというふうな点につきまして、まだ十分理解をいたしかねておる。それからまた、できるということばを用いていらっしゃる。このできるということばが、一体権利を意味するものなのであるかどうなんであるかというふうなことも理解しかねておる。この問題についてはいろいろまだ御議論もあろうかと思うのでありますが、その後いろいろ伺っておるところによりますれば、このできるということばは、別に権利でも何でもない、こういうお話もあるようにも伺っておるのであります。私は、この話し合いということが、いわゆる団体交渉というふうな意味でないという前提のもとに、また、できるということは、必ずしも相手方を拘束するものではない、こういう前提の上に立って考えました場合に、この条項はもとより勤務条件等に対する団体交渉を意味するものではないということになりますれば、世上よくいう陳情とか請願とか、そういう筋のものとして考えてよろしいのじゃないか。そういうような筋のものとして、考えました場合には、この条項を新たに今回の国内法の改正に際して挿入する必要はないではないか、このように申しておるわけであります。言いかえまするならば、陳情とか請願と言う問題につきましては、これは教職員団体と文部省との間における事実上の問題でありまして、あるいは会い、あるいは会わないという、どちらもお互いに拘束される権利とか義務とか、そのような性質の問題ではない。したがってこれが条文化されなくても、もとより必要に応じては会うとか、適当と思えば会うということはあり得るわけでありますので、その辺はひとつ誤解のないようにお願いを申し上げたいと思うのであります。会うか会わぬかということはいわゆる事実問題である、条文に入れるか入れぬかという問題とはおのずから別個の問題である、このように私は考えております。
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森山欽司#12
○森山委員 よくわかりましたが、ところが倉石問題点では、国民全般が持っておる請願権を、地方公務員の職員団体に再度規定するだけのことで、これは六月十一日の朝日の論説によると、交渉を義務づけるだけのものでもない。また良識のワク外の交渉、話し合いを拒否することは当然にできるのである。――つまり法文にしては毒にも薬にもならないのだから……。そこで朝日の論説を使えば、毒にも薬にもならないのだから、この際倉石修正案で何ら差しつかえないという意見を述べておる。そして修正案反対論者の譲歩を望みたいというような、そういう議論があるのでありますが、私は、毒にも薬にもならない事項を法文化するということは、法律技術の問題として、はたしてどうなるのかという疑問を持っております。毒にも薬にも、ならないと思って法文化してみても、国民全体に対して保障されている権利が、特別に再度地方公務員の職員団体についてのみ特別の法律に規定されるということは、法制定の暁においては、解釈上、運用上特別の意味を新たに持つことにならないか。その意味で毒にも薬にもでなくて、これは毒になる。
 いま一つ私はこういうふうに考えます。いま私は毒にも薬にもならないと申し上げましたが、労働運動における陳情、請願、話し合いの実態を一体どう見るかということが問題になるわけであります。往々にして労働組合の場合は、これを団体交渉と称し、団交の形で運用をしようといたします。その結果、まず第一にはこの団体交渉しようとするということは、先ほど社会党の見解でも、団体交渉は主張したんだが自民党が聞かぬから、話し合いという表現をとるのだということが社会党の見解として述べられております。往々にして組合はこれを団体交渉と称し、団交の形で運用しようとするその結果、まず第一に話し合う機会をつくることについて、当局側の義務を課そうとします。もしよんどころない理由によって、当局側が会うことを延期するとか、ただいまは会うことができないとでも言うと、しゃにむに会おうとして、大衆で押しかけたりして力づくで組合の主張を通そうとすることが往々にして見られるのであります。
 次には、話し合いとか陳情のあり方が問題であります。組合は動員等によって大衆の力で当局に迫り、組合の主張を貫徹しようとし、そのために長時間かつ非常識な状態が起こって、いわゆるつるし上げとか、かん詰め交渉といったような状態が見られることも、これまた私からいまさらるる申し上げる必要がないと思います。さらに話し合い、陳情ということは、双方が交互に話し合いをしますが、当局側が一方的に意思表示の形でその意見を表明した事柄に対しても、組合は労使間の共同決定、合意があったんだといって運用しようとする。そこでそれをめぐっての紛争が絶えないことになる。こういうようなことは、きれいなことは何と言おうと、悲しいかな過去のほとんどの組合に見られるところの組合運動の真の姿であります。また将来かかることがないという保障は遺憾ながら現在のところないのでございます。
 特にこの点に関して、最近倉石問題点ないし倉石修正点の内容を整理して、地方公共団体の意見具申を削り、中央機関に対する意見申し入れについては、事項を勤務条件に限定し、また、不満の表明、意見を申し出て話し合いをすることができるということの中の、話し合いという、先ほど文部大臣が、言われたような法律上の概念の、不明確な字句のみを削除して、小手先の法律技術を弄して、何とかして倉石修正案のていさいを整えようとする意見もちらほら聞かれるのでありますが、そのような部分的修正案のあることを念頭に置いて、私は最後に文部大臣のひとつ御見解を承りたいと思います。私は、文部大臣のお答えをしていただく前に、不利益処分のただし書き、違法争議指令の不拘束規定は当然のことだからという理由で、現に政府原案になっている事項を削除するという問題点になっておる、そして当然の事柄であって、あえて法律に書かなくてもいいようなことは、小手先の芸を弄してまでも法文化しなければならないというのは、その政治的影響はもちろん、立法の方式においてもはなはだバランスを失したことであり、不適当なことであると思うのでありますが、文部大臣の所見を承りたいと思います。
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灘尾弘吉#13
○灘尾国務大臣 いまの法文化の問題は、政府の原案にはない問題であります。またいろいろ御質問がありました際には、私はそのような規定は必要ないだろうということをお答え申し上げておるところであります。それ以上のことを私が申し上げるのはいかがであろうかと思うのでございます。そのようにひとつ御了承いただきたいと思うのでありますが、ただ従来の、いわゆる組合交渉というふうなものの実績から申しまして、法文化をすることがいいのか悪いのか、よほど問題はあろうかと思うのであります。
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倉石忠雄#14
○倉石委員長 この際、暫時休憩いたします。
  午後三時十分休憩
     ――――◇―――――
   午後三時五十五分開議
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倉石忠雄#15
○倉石委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。森山欽司君
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森山欽司#16
○森山委員 次に、国家公務員の政府原案の第百八条の七のただし書き、これは現行国家公務員法九十八条三項に「職員は、前項の組合その他の団体について、その構成員であること、これを結成しようとしたこと、若しくはこれに加入しようとしたこと、又はその団体における正当な行為をしたことのために不利益な取扱を受けない。」という、この現行法がありますが、この九十八条三項がこのたび百八条の七になりまして、それにただし書きがついております。「いかなる場合においても、法令に基づく職員たるの義務に違反する行為は、職員団体における正当な行為と認められない。」あるいは、公労法の政府原案の十七条の二、これは不法な組合の行為が組合員を拘束しないという規定でございますが、この規定については、書いても書かなくても法律上同じだから削ってもいいというような議論があるようであります。
 そこで、私は、まずかかる規定のない現行法のもとにおける解釈はどうなっているか。裁判例があればどういうものがあるか。もっとも裁判例の一部につきましては、すでに昨年のこの特別委員会に配付をせられておりますから、項目だけお話しを願えればけっこうであります。これを念のために聞いておきたいと思います。
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岡田勝二#17
○岡田政府委員 百八条の七のただし書きをつけましたのは、この内容は、職員団体に関する行為でありましても、職員としての義務に違反する行為が許されないということ、これは当然のことでございまして、そういう組合活動といえども公務に優先するものではないということをこのただしがきで明らかにした次第でございます。
 それで、ただいま御指摘のありました裁判例でございますが、これは昭和三十五年五月二十日に名古屋地方裁判所において判決のありました事件では、これは非常に古い事件でございまして、昭和二十四年の事件と思いますが、いわゆる行政管理においての免職の事件でございましたが、ここで、事件番号といたしましては、昭和二十五年(行)第十七号としてございます。それに続きまして、それの控訴審で名古屋高裁で三十七年の一月三十一日に判決になっております。
 それから、ただいまのは国家公務員で、こざいましたが、同じような趣旨で地方公務員につきまして、三十七年の四月三日に熊本地裁が三十四年の(行)二十一号事件として懲戒処分につきましてそのような趣旨を言っております。
 それから、ただいま申しました二つと同じようなのが懲戒免職事件で京都地裁で昭和二十九年(行)第十四号事件で三十五年の三月二十五日判決のものがございます。
 なお同じく懲戒処分でございまするが、東京地裁で二十九年の(行)九十六号事件で三十三年の、四月四日に判決がございます。
 それからさらに懲戒処分でございますが、大阪地裁の判決で三十三年の(行)三十八号、三十九号合併事件で三十七年の五月三十一日に判決がございます。
 それからなお地方公務員でございますが、福島地裁の白河支部で三十三年の(ワ)の九十五号事件で三十五年の二月二十四日に判決がございます。最後に申し上げましたのはこれは刑事事件でございます。その事件につきましてはなおあと仙台高裁それから最高裁までいきましたが、それぞれ棄却されて第一審どおりきまっております。以上でございます。
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三治重信#18
○三治政府委員 公労法関係につきましては名古屋の中央郵便局の郵便法違反の教唆建造物侵入被告事件というので名古屋地裁の判決が、三十九年のがございます。これは違法行為の、または違法行為をなすべき旨の指令であって、組合員はこれに服従を拘束されるものではないということでございます。
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森山欽司#19
○森山委員 判例はわかりましたが、解釈はどうなっているんですか。十七条の二という問題についての判例を基礎にして解釈をここで明確に言っていただきたい。
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三治重信#20
○三治政府委員 解釈は、先ほど国家公務員のただし書きと同じような趣旨で当然なことを明確にした解釈的な規定であるというふうに考えております。
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森山欽司#21
○森山委員 そこで現実には四・一七ストなどという行為が、今回は幸いにして実行は中止されましたにせよ、指令が行なわれるという現状であってみますれば、このような違法ストの防止という見地からすれば公労法十七条の二というような規定はやはり必要なのじゃないか、また公労協だけじゃなくて国家公務員や地方公務員にもそういうような動きがあったんじゃないかと思いますが、これについての担当国務大臣の御見解を承りたい。
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大橋武夫#22
○大橋国務大臣 四・一七ストというものの計画が公労法上から見て違法なる計画であるということは当時政府からたびたび声明を発したとおりでございます。かような違法なる計画が堂々たる労働組合によってなされたということはまことに残念千万に存ずるのでございまするが、とかく労働運動につきましては法以前の問題がかなりあると思いまするので、これらの点につきましても今後われわれとしては十分考えて根本的にかような計画が起こってくる事態の原因を改善していくということを考える必要もあると思っておるのでございます。しかしながら、とにかくかようなる違法な計画に際しましては、その組合の指令あるいは決定は、これはいわゆる違法なる目的を持った行為でございまするから、公序良俗に反する行為として当然法律上無効であることは明瞭であると存じます。
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森山欽司#23
○森山委員 私がお伺いをいたしましたのは、公労法十七条の二のごとき規定は、先般の四・一七ストのようなああいう現実をまのあたり見せつけられると、こういう条文は書いておってもおらなくても同じだという御解釈ではあるが、なお念のために書いておく必要がある情勢ではないかということをお尋ねした。そういうことについての現状御認識はいかがか、こういうことでございます。
 そこで私は、そのお返事をされる前に、次のようなことについてひとつ労働大臣の御見解を承りたい。この三公社五現業の組合は公労法第十七条の規定によってストライキは禁止されている。昭和三十八年春から夏にかけての国鉄、国鉄動力車、全電通、全専売、全林野、全逓、全印刷、アルコール専売の各労組の大会で決定を見ました運動法針書によれば、それぞれ違法なストライキを決行する旨の方法や戦術が公然と明記をされておる。それが四月の十七日の違法ストの基本になっているということを労働大臣は御承知かどうか、まず承りたいと思います。
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大橋武夫#24
○大橋国務大臣 違法なるストライキの計画があったということは、これは経過から見て明瞭でございます。そこでこういう実情から見て百八条の七の規定が必要かどうかという御質問でございまするが、この公労協のストライキはほとんど毎年のように一応計画には乗ってまいっておるのでございますが、この公労協のストライキが違法であるということは、先ほど申し上げましたるごとく、幾多の裁判例によりまして、法律上はすでに明白になっておるわけでございます。さらに国民一般におかれましても、公労協のストライキが違法であるということはよく承知をしておられるわけでございます。ただ、これを特にこの条項において明白にいたそうといたしましたのは、これは主として組合員諸君に対して組合の指令が絶対であるというような考えのもとに、公序良俗に反する組合の決定あるいは指令が実際上無効であるにもかかわらずあたかも有効であるがごとく誤解をして、誤った行動に出るようなことがあれば、これはまことに遺憾しごくでございまするから、その点を念のために御注意申し上げようというのがこのただし書きの趣旨でございます。
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森山欽司#25
○森山委員 労働大臣の言われることは私は決してわからないことはないのでございます。念のために御注意申し上げようとした規定の趣旨であるが、念のために御注意申し上げるというようなこういう規定はないにこしたことはないけれども、しかしなおこれをわれわれとしては、置きたくはない、むしろ。にもかかわらず置かざるを得ないような状態にないか。そういう現状認識として私は四・一七スト違法ストの問題を申し上げた。それからその次に四・一七違法ストのむしろ前提となるところの昨年度の、昭和三十八年度の各公労協の組合の運動方針書にすでに違法なストライキを決行する旨の方法や戦術が公然と明記されている事実を御存じかどうかということを私は労働大臣にお伺いした。――政府委員でけっこうです。
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三治重信#26
○三治政府委員 昨年の運動方針にそういうふうに読まれるような運動方針書が書かれたことは事実でありますが、具体的にいつどういうふうなことでとかというまでは書いてなかったように承知しております。
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森山欽司#27
○森山委員 こういう決定は、言うまでもなく法を破ろうとする違法性のあるものであることは申すまでもないのでありますが、さらに組合はストライキに必要とする資金の準備をしておりまして、全電通の場合は堂々とストライキ基金なる――ストライキ基金という名前を使っておる。ストライキ基金なる名称で十三億一千百八十七万円余の積み立てをしていることを公表していることはまことに驚くべきことであると思います。また全逓労組の昭和三十八年度運動方針書九〇ページに……ヤジ黙って聞いてください。
  〔「何を言っているのだ」呼び、その他発言する者あり〕
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倉石忠雄#28
○倉石委員長 静粛に願います。
  〔「委員長、定数がないよ「休憩、休憩」と呼び、その他発言する者、離席する者多し〕
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倉石忠雄#29
○倉石委員長 このまま……。
 それでは、この際、田口誠治君から発言を求められておりますので、これを許します。田口誠治君。
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