予算委員会第一分科会

1964-02-19 衆議院 全359発言

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会議録情報#0
昭和三十九年二月十九日(水曜日)
    午前十時十一分開議
 出席分科員
  主査  植木庚子郎君
      青木  正君    田澤 吉郎君
      登坂重次郎君    松野 頼三君
      水田三喜男君    井手 以誠君
      石田 宥全君    田中織之進君
      辻原 弘市君    楢崎弥之助君
      二宮 武夫君    横路 節雄君
   兼務 野原  覺君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣 福田 篤泰君
 出席政府委員
        防衛庁参事官  麻生  茂君
        防衛庁参事官  志賀 清二君
        防衛庁参事官
        (長官官房長) 三輪 良雄君
        防衛庁参事官
        (防衛局長)  海原  治君
        防衛庁参事官
        (教育局長)  堀田 政孝君
        防衛庁参事官
        (人事局長)  小幡 久男君
        防衛庁参事官
        (経理局長)  上田 克郎君
        防衛庁参事官
        (装備局長)  伊藤 三郎君
        防衛施設庁長官 小野  裕君
        防衛庁事務官
        (防衛施設庁総
        務部長)    沼尻 元一君
        防衛庁事務官
        (防衛施設庁総
        務部会計課長) 大浜 用正君
        防衛庁事務官
        (防衛施設庁施
        設部長)    鈴木  昇君
        防衛庁事務官
        (防衛施設庁労
        務部長)    藤本  幹君
        運輸事務官
        (航空局長)  栃内 一彦君
 分科員外の出席者
        防衛庁事務官
        (調達実施本部
        長)      山上 信重君
        大蔵事務官
        (主計官)   秋吉 良雄君
        大蔵事務官
        (主計官)   渡部  信君
        会計検査院事務
        総長      上村 照昌君
        会計検査院事務
        官
        (第一局長)  保川  遜君
        会計検査院事務
        官
        (第二局長)  樺山 糾夫君
    —————————————
二月十九日
 分科員横路節雄君委員辞任につき、
 その補欠として楢崎弥之助君が委員
 長の指名で分科員に選任された。
同日
 分科員楢崎弥之助君委員辞任につ
 き、その補欠として二宮武夫君が委
 員長の指名で分科員に選任された。
同日
 分科員二宮武夫君委員辞任につき、
 その補欠として田中織之進君が委員
 長の指名で分科員に選任された。
同日
 分科員田中織之進君委員辞任につ
 き、その補欠として横路節雄君が委
 員長の指名で分科員に選任された。
同日
 第四分科員野原覺君が本分科兼務と
 なつた。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 昭和三十九年度一般会計予算中会計
 検査院及び総理府所管(防衛庁関
 係)
     ————◇—————
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植木庚子郎#1
○植木主査 これより予算委員会第一分科会を開会いたします。
 昭和三十九年度一般会計予算中会計検査院所管及び総理府所管のうち防衛庁関係を議題といたします。本日は一昨日に引き続き、会計検査院所管について横路節雄君の質疑を許し、そのあと直ちに防衛庁関係の質疑に入ることといたします。
 それでは、会計検査院所管について質疑を許します。横路節雄君。
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横路節雄#2
○横路分科員 一昨日私のほうから会計検査院に要求してありました、主として内閣官房の報償費、それから外務省の報償費、これは非常に金額が多うございますので、その内容について説明をぜひ承りたい、こう思いましたところ、詳細に調べてということでございましたので、きのうまる一日かかっておりますから、きょうは相当詳細にお答えできると思います。ひとつどんな状態だか明らかにしていただきたいと思います。
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上村照昌#3
○上村会計検査院説明員 一昨日、私から大体検査の態度といたしましては御説明をいたしたつもりでございますが、報償費関係の検査につきまして申し上げますと、一般のものにつきましては、会計検査院で、支出の原因とか、いろいろの内容のわかる書類を提出さして検査しておるわけでございますが、私のほうといたしまして、計算証明規則によりまして、それによりがたい場合には、私のほうから指定し、あるいは相手方の申し出を受けて承認の上、簡略な方法をとれるということになっておるわけでございますが、報償費の大部分につきましては、その事柄の内容が機密に属するので、詳細な書類は出しがたいということでございまして、取り扱い責任者の領収書のみが一応われわれのほうには出てきまして、それで一応の書面上の検査をすると同時に、内容につきましては、実地検査におきまして、関係書類あるいは相手方の説明等を聴取いたしまして、その使途が予算の目的どおりに使われているかどうかという心証を得まして、決算の確認をしておるわけであります。このような関係でございまして、実地検査におきまして書類その他は提出さしておりませんので、昨日一日いろいろ相談いたしましたが、その結果は局長から答弁させますが、詳細な資料をとっておりませんので、内容も必ずしも御希望に沿うような形で申し上げかねるかと思いますが、検査といたしましては、実地検査において内容を十分見て、予算目的に沿っておるという心証を得て確認しておるわけでございます。さような関係上、内閣、外務省、あるいは公安調査庁その他につきまして、多少申し上げることが、記憶等によって調査いたしました関係上、ちぐはぐになっておることもあろうかと思いますが、局長から答弁させることにいたします。
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保川遜#4
○保川会計検査院説明員 一昨日横路先生からの御質疑がありまして、私非常に不調法で、何か、わかっておって隠しておるのではないかという御印象をあるいは与えたのじゃないかと思っているのですが、非常にその点申しわけないと思って、説明が不十分だったと思いますのでおわび申し上げます。本日これから説明いたします場合に、会計検査院で計算証明あるいはその他の資料によって何がわかるか、何がわかっていないか、この点をはっきりさして御答弁さしていただきたいと思います。
 内閣官房におきましては、ちょっとあるいは御質問の趣旨からそれるかと思いますが、情報調査委託費と報償費と二つございます。情報調査委託費は、これは委託関係の詳細な証拠書類が計算証明によりまして提出されております。したがいましてこの関係は、計算証明でわれわれははっきり、どの団体にどういうものがいっておるかということはわかります。これは概略申し上げますと……(横路分科員「それはよろしい、報償費のほうだけ」と呼ぶ)報償費関係では、いま総長からも申し上げましたように、計算証明でわかる点は、内閣の最高責任者と申しますか、その責任者に月々幾ら渡されたかという証明が出ております。これは計算証明でわかるわけであります。その渡されたものがどういうぐあいに使われたかという点は、いま申し上げましたように、実地に検査にまいりました際にそれぞれ、実地と申しますと、内閣でありますから内閣官房の検査の場合に、その現場におきまして証拠書類を拝見して説明を聞いて、そこで確認する、こういう方法でやっておりまして、事柄の性質上、詳細な資料あるいは記録というものは、これはとっておりません。そこでこの関係で実地検査に行きました者の報告に基づきまして、内容の概略は大体承知いたしておりますが、それを申し上げます。
 内容といたしましては、謝金的な使用をされておるもの、それから情報の収集整理といったような役務の対価として支払われているもの、あるいは懇談会、会談等の交際費的に使用されているもの、こういったものがその内容で、私が内閣官房の経費の内容としていまわかり得るのはその程度でございます。ひとつ御了承をお願いいたしたいと思います。
 外務省の場合も、ただいまの内閣官房とほぼ同じでございまして、やはり月々の計算証明で、その責任者にどのくらい渡されておるかという点はわかっております。その内容は、外務省の本省実地検査におきまして証拠書類を拝見して、そこで確認をいたす、こういう方法でやっております。内容の概略は、外交工作関係、それから外国使臣等の接伴等の、そういう交際費的な経費がこの内容でございます。以上でございます。
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横路節雄#5
○横路分科員 まる一日調べてもらったわけですが、ただいまの御答弁では詳細な資料がない、そういうことですね。結局、極端に言えば、架空の人物でもいいわけなんです。佐藤太郎、一、三百万円、判こさえ押してあればそれでも通るわけです。だから、いまの会計検査院は、私がこの前お話をしましたように、会計検査院法の第一条で、会計検査院は内閣に対して独立の地位を有するというこの規定からいけば、いささか会計検査院としてはその職責を十分全うしてないではないか、こう私は思うわけです。それから、これは大蔵省所管で聞こうと思うのですが、この報償費の中に、いまあなたからお話しのように、懇談会、会談の際におけるいろいろな費用ですね、接待をしたとか、せんじ詰めれば交際費的なもの、こうなっておる。これは明らかに、あなたお調べになる、とわかるけれども、各省で交際費というのはとってあるわけです。これは財政法その他からいって、いわゆる項目の移流用ということは非常に問題があるのでしょう。一々大蔵大臣と当該大臣との間で協議をして、大蔵大臣の承認を得なければ移流用ができないようになっている。それであるのに、いまあなたの御説明では、報償費の中に一つは謝金——謝金というのはお礼金です。これも予算書を見てごらんなさい。諸謝金というのがありますよ。これも明らかに予算書には項目で諸謝金となって、これはきちっとお礼をするもの、こうなっておるわけです。交際費は交際費として載っておるわけです。それをいまあなたのお話を聞くと、諸謝金もある、お礼金もある、情報提供者に対して月々渡すもの、一件幾らとして渡すものがある、懇談会、会談に使うもの、交際費的なものもあるということになれば、わざわざ各省に諸謝金が幾ら、交際費が幾ら、報償費が幾らと書いたその立て方が全くでたらめになるわけです。ほんとうは使うときには当該大臣と大蔵大臣の話し合いをして、大蔵大臣の承認を得なければ項目の移流用はできないでしょう。検査院事務総長、そうでしょう。それを何でこんなルーズにやるのです。この点はあなたにお聞きします。
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上村照昌#6
○上村会計検査院説明員 ただいまの点はわれわれ検査していく場合になかなかむずかしい問題でございますが、内容的に接待費の点がございましても、たとえば外務省で申し上げますと、外務省は外交関係をやるというような広い意味からいいますと、この接待費もあるいは外交工作上の接待費ということになるかもしれませんが、外務省の報償費についていいますと、外交工作をやるために必要な報償費ということでありますので、そういう目的に沿っておるかどうかという点が主眼になるわけでございまして、内容的に、飲み食いしたから、同じだから交際費と同じでなければならぬということもどうであろうかというような気もいたしております。ただ、お話のように、報償費の内容がなかなか観念しにくいものであるということはわれわれも考えてはおるわけでございますが、全体の判断といたしましては、報償費のあれはどういうふうな意味だということを考えまして、その間に飲み食いというようなものが、あるいはそのほかのものがありましても、そういう目的で使われておれば、まあ予算上いいんじゃないか、こういうふうに実は考えておるわけであります。
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横路節雄#7
○横路分科員 最後に一つだけお尋ねしておきますが、この報償費については会計検査院独自の立場で会計検査はできないということですね。相手方がこれ以上やめてくれと——本来からいえば、あなた方はこんなことで済むものじゃないでしょう。何のたれがしが一つ二百万円、何のたれがしが一つ三百万円とあるだけでほかの省は終わるものではないでしょう。ほかの省もそうやっているのですか。あなたがここに詳細な証明書がないのだということは、これは報償費に関してはいわゆる機密的な費用なんだから調べないでもらいたいということが、たとえば内閣官房なら官房長官、外務省なら外務大臣、その他の大臣からあなたのほうにお話があって、あなたのほうはそれを了解してやっているわけですね。一般の費用なら、こんなことはできないでしょう。その点はどうなんです。その点だけお聞きしておきたい。
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上村照昌#8
○上村会計検査院説明員 先ほど申し上げました計算証明の関係で、簡略の取り扱いをしてくれということで、先ほど申し上げましたような商略な取り扱い方を私のほうでしておるわけございますが、その際書類等は検査院には出さないが、実地検査のときは十分見てくれということでありまして、そういう意味で承認しておるわけでございます。ただ実際検査する場合に、たとえば内閣の報償費が相当高度の機密を要する、あるいはそのほかの捜査費関係におきまして、費途の最後まで追及するということが非常に困難であるというような点で、あるいはそういう点で検査院は検査を放棄しておるじゃないか、こういう御意見もございますが、これは事柄の性質上、そういう段階の検査で心証を得て確認をしていく、こういうたてまえをとっておるわけであります。
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横路節雄#9
○横路分科員 どうもはっきりしないから、もう一つお尋ねします。いまの、簡略な取り扱いをしてくれ、そういうことはこの会計検査院法の何条で了承されるのですか、ちょっと私も勉強のために教えてもらいたい。簡略な取り扱いをしてくれ、こういうふうに言われれば、それでいいのですか、何条にあるのですか。
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上村照昌#10
○上村会計検査院説明員 計算証明の関係は、基本は院法にあるわけであります。それから院法に基づきまして計算証明規則というものをつくっておるわけでありまして、その計算証明規則で支出とか収入についてはこういう証明をしなければならぬということになっておりますが、その条文の十一条に、「特別の事情がある場合には、会計検査院の指定により、又はその承認を経て、この規則の規定と異なる取扱をすることができる。」こういう条文があるわけであります。これに基づいて承認しておるわけであります。
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横路節雄#11
○横路分科員 いまの問題については、各省ごとに諸謝金、それから交際費、報償費、情報調査委託費と、めいめいきちっと分れているわけです。しかし内閣官房については諸謝金、お礼をする金、情報提供者に対する報償費、それから懇談会の交際費的なもの、こうなっているのですから、これは私はあらためて大蔵大臣にお尋ねしたいと思います。きょうは防衛庁がありますから。なお大蔵大臣にお尋ねするとき、もう一度事務総長にはおいでいただくかもしれませんから、主査を通じてあなたに重ねて出席要求をいたしたいと思います。主査、あと大蔵省関係のときもう一ぺん聞きまして、防衛庁に移りたいと思います。よろしゅうございますか。
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植木庚子郎#12
○植木主査 よろしゅうございます。
 以上をもちまして、会計検査院所管に対する質疑は終了いたしました。
    —————————————
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植木庚子郎#13
○植木主査 これより昭和三十九年度一般会計予算中、防衛庁関係について質疑を許します。横路節雄君。
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横路節雄#14
○横路分科員 最初に長官にお尋ねをしますが、自衛隊の諸君に対する教育方針ですね、どうも私はこの問題についてば、自衛隊は思想教育をしているのではないか、こう思うのです。これは国家公務員でございますから、したがっていやしくもそういう思想教育は断じてあってはならない、こう思うのですが、どうも私どもいろいろ聞いて見るのに、今日の自衛隊の諸君というのは、いわゆるその教育方針として明らかに思想教育を受けているので、非常にへんぱな思想を持っているのではないか、こういうふうに思うわけですが、その点について長官の自衛隊の隊員に対する、あるいはそれぞれの学校の生徒ですか、学生に対するいわゆる教育方針というのは、いま私が指摘したようなことがあるのではないか、こう私は思いますが、ひとつ長官のそれについての基本的な方針を承っておきたいと思います。
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福田篤泰#15
○福田(篤)国務大臣 自衛隊の教育方針の問題になりますが、これは御案内のとおり、昭和三十六年五月に「自衛官の心がまえ」というパンフレットをつくりました。下部にまで徹底するように、四項目にわたりまして基本方針を明らかにいたしておるわけでございます。御指摘の思想教育といいますか、片寄った教育という点は、私ども毛頭考えておりません。民主主義体制下におきまして、私どもといたしましては、各人思想は自由でございます。当然自衛官も、また自衛隊も国民の協力なり、国民の手によって運営される、いわば一体となるべきものであるという信念を持っておりますので、そういう点は懸念がないものと考えております。
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横路節雄#16
○横路分科員 私もそうであろうと思うのですが、しかし、これは前に私一度指摘をしたのですが、もう一度出してお話をしたいと思うのです。
 おやめになった杉田陸幕長が、陸上自衛隊の富士の幹部学校の校長であるときに、毎日生徒に、幹部になるべき諸君に訓示をした。それがずっとこの本に収録されているわけです。その中に「富士学校では学校創設以来新しい指揮官の道として次のことが強調されている。我々はこれを実行しているであろうか?」こういう断わり書きをつけまして——「指揮官への道」という題でありますが、最初のほうだけ読んでみたいと思う。「私は神に誓って自衛隊における立派な指揮官たることを深く期するものである。日本の地位と国力並びに私の力量とその欠点とを自覚し、世論に惑わず、政治にかかわらず、常に徳操の涵養と自己の研鑽に邁進し、」ここまではいいのです。次なんです。「又確固たる反共精神を持しつつ、模範を衆に示し、課せられたる仕事はこれを熟知し、命令は直ちにこれを実行に移し、もってその目的精神の貫徹を期したい。」ここに「確固たる反共精神を持しつつ」こうなっておる。これは私は明らかに思想教育だと思う、この「指揮官への道」というのは。前に私はこの問題を一度取り上げたいと思いながら、夜中になりましてあまり時間がございませんでしたからお聞きする機会がございませんでしたので、あらためて伺いたい。
 私はその後いろいろな人々に聞きますと、やはり自衛隊の諸君は、ソ連の軍艦とか、そういうものに対して非常な敵がい心を持っておる。中共に対してはどうか知りませんが、実際にそれらのことをいろいろ聞かされることが多いが、一体その原因は何だろう、こう思ってみると、「反共精神を持しつつ」とある。これは杉田前陸幕長が富士の幹部学校の校長のときだけこれをやりになったのか。これを見ると、「学校創設以来新しい指揮官の道として次のことが強調されている。」ここに「指揮官への道」とあり、そうして一番最後に「富士学校の理想は私共日常の生活の中に具現せられ、私は母校の誇りを長く持ち続けん。」こうなっておるのですから、これはそのときだけで、いまなくなったというものではない。いまでもやっておる。この「反共精神を持しつつ」というのは、どういう意味なんでしょう。私が先ほど言った、自衛隊は思想教育をやっているのではないかという私の考えは、実はここにあるわけです。私は非常に危険であると思うのです。この点ひとつ長官から伺いたい。私は思想教育だと思うのです。もしも長官が御答弁にならなかったら、教育局長でもいいですよ。
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堀田政孝#17
○堀田政府委員 お答え申し上げます。
 いま横路先生が御提示になりました前陸幕長の杉田さんの本を、私実は不勉強でまだ読んでおらないのでございますが、いま御指摘になりましたところから想像いたしますと、杉田さんが言われた反共精神というのは、おそらく自衛官の任務の一つになっております間接侵略に対処するために、自衛官の任務を遂行し得るような能力をつける、そういうような意味でばく然と反共精神とおっしゃったのではないだろうか、これは私の想像でございますけれども、そのように考えております。
 なお、今日同じようなスローガンを掲げておるかどうか、私つまびらかにいたしておりませんが、はっきりそういう綱領を掲げておるということは聞いておりません。
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横路節雄#18
○横路分科員 私いまの教育局長の御答弁にも問題があると思うのですよ。いま教育局長の御答弁には、自衛隊の任務は間接侵略に対処するため、そこで間接侵略に対処するということを遠回しに、反共精神に徹するのだ、こう言っておる。それでは、間接侵略をやるものは共産主義者だと肯うのですか。それとも共産党だと言うのですか。どういう意味なんですか。いまのことばは、私は非常に大事だと思うのです。自衛隊は間接侵略に対抗するために、そこでそれを遠回しに言ったのだ。そうすると、あなたの精神からいえば、自衛隊というのは間接侵略をやるものは共産主義者なんだ、その団体を構成しておる共産党の諸君なんだ、こういうことになるじゃありませんか。これはまたたいへんな問題ですよ。
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堀田政孝#19
○堀田政府委員 お答えを申し上げます。
 自衛隊法の第七十八条でございますが、ここに「間接侵略その他の緊急事態に際し」云々ということばがございます。この緊急事態に際して自衛隊が出動をする、その出動するときに備えるように自衛隊員を訓練するというのが、私どもの任務になっております。したがって、これは想像でございますが、杉田前富士学校長は、おそらくその任務をばく然と反共精神というふうにおっしゃったのじゃないだろうか、そのように私は考えるわけでございます。
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横路節雄#20
○横路分科員 いや局長、そういう御答弁だったら、私は分科会だけでなくて、あらためてここで——たいへんなことになると思うのですよ。いいですか。七十八条に、「命令による治安出動」「内閣総理大臣は、間接侵略その他の緊急事態に際して、一般の警察力をもっては、治安を維持することができないと認められる場合には、自衛隊の全部又は一部の出動を命ずることができる。」とある。この間接侵略をやるのは、あなたのお話だと、まるで共産主義者だ、その団体である共産党だ、こういうことになるのですよ。そういう規定でいいのですか。そういう規定であれば、これは自衛隊法ですから、もう一ぺん総理大臣にも出ていただいてしなければ、これはたいへんなことですよ。実は私これで前に自衛隊法のときに質問をちょっとしたら、夜中になりましたのでやめてしまった。きょうはぜひ、前々からお聞きしたいと思っておるところなんです。そんな答弁なら、これは保留しておいて——これはたいへんですよ。主査、そんな法律解釈はないですよ。
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福田篤泰#21
○福田(篤)国務大臣 元校長の杉田君の「反共」という表現でありますが、私は適切でないと考えております。もちろん国会において御承認をいただきました自衛隊の任務といたしましては、直接または間接侵略に対処する祖国防衛の任務を与えられておるわけであります。しかし、御案内のとおり、現在自衛隊といたしましては、仮想敵国というものも考えておりません。したがって、一つの政党なり特定の思想に対する敵対行為あるいはこれを仮想敵に考えるたてまえは、間違っておると考えております。ただ、いわば日本の安全と平和を乱すおそれのある、いわば国際共産勢力といいますか、活動と申しますか、破壊的なものに対してば当然われわれとしてはこれに対処する準備をする必要がございますが、共産党であるとか、あるいは特定の思想、特定の国ということを考えるのは、私は不適当であると考えているわけでございます。
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横路節雄#22
○横路分科員 いまの長官の御答弁でだいぶわかりましたけれども、長官、これは陸上自衛隊の幹部学校である富士の学校でやっているわけです。それではこの最後の「富士学校の理想は私共日常の生活の中に具現せられ、私は母校の誇りを長く持ち続けん」という中における「確固たる反共精神」ですから、これは富士学校の校長に対して、国会で問題になった、明らかに思想教育、そういう疑いを持たれるから、したがって、ひとつこの「指揮官への道」はこれを削除して、新しい立場によってやるべきである、こういうことを、長官は責任を持って指示なさることができますか。
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福田篤泰#23
○福田(篤)国務大臣 すでに先般の国会において、この前校長の発言が問題にされました。私の受けている報告では、そのとき直ちに、今後校長の訓辞あるいはその他のあいさつ等につきましては、十分慎重に表現をすべきであると注意をしたそうであります。
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横路節雄#24
○横路分科員 それでは、長官に私のほうから要求しますが、この富士の幹部学校の「指揮官への道」というのは、あらためて長官のほうで、どんな内容のものであるか、お取りになって私のほうにお示しいただけますね。
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福田篤泰#25
○福田(篤)国務大臣 これは基本教育の精神の問題でありますから、先ほど申し上げた「自衛官の心がまえ」がやはりよりどころであるべきであると考えます。したがいまして、関係の者を集めまして、慎重に検討の上で御連絡申し上げたいと思います。
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横路節雄#26
○横路分科員 長官、私がお尋ねをしているのは、確かに長官の言うとおり、あるいは内局の諸君はそういう思想教育をやろうと考えているとは私は思わないのです。しかし、制服の諸君は、内局の諸君の言い分とは別に、おれらは光輝ある、伝統ある日本の軍隊なんだと、こういう立場に立って、いわゆる内局の諸君の言い分には耳をかさないで制服の諸君はやっているのではないか、こういう懸念を持ちますので、私は第一番目の点として指摘をしたわけです。これは長官からお示しいただけるそうですから、ぜひこの分科会が終わるまでに出していただきたいし、もしもそうでなければ、一般質問のときにさらに私からお尋ねをいたしたいと思うわけです。
 第二番目の点は、いままでこの委員会における論議の中で、憲法九条と自衛隊との関係で、自衛隊が核武装をすることは憲法違反ですという私の主張に対して、防衛庁のほうでは、攻撃用の核兵器を持つことは憲法違反ですが、防御用の核兵器を持つことは憲法違反でありません、こう再三答弁をされております。防御用の核兵器は憲法違反でないというが、一体防御用の核兵器というのはどんなものなんですか。実は、私もそこまでの段階で質問が終わっておりまして、防御用の核兵器とは何かということを聞いていなかったものですから、たいへん恐縮なんですが、きょうあらためて、防衛庁は防御用の核兵器を持つことは憲法違反ではないと言うが、防御用の核兵器とは何かということについて、ひとつ防衛庁の具体的なお答えをいただきたいと思います。
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福田篤泰#27
○福田(篤)国務大臣 従来しばしば繰り返されます国会の審議等におきまして、私どもの考えております点は、理論的、法理的には防御的に核兵器を持ち得る、しかし、政策的並びに政治的に、特に政府の基本的な方針としては核装備はしない、こういう、いわば抽象的な法理論と現実論と、この二つに分けてお答えしたのではないかと考えております。
 なお、防御的核兵器の内容につきましては、政府委員から答弁させます。
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海原治#28
○海原政府委員 一つの兵器をつかまえまして、これが防御用か、攻撃用かということが非常にむずかしい問題であるということは、たしか先般の予算委員会でございましたか、その際におきまして、やはり横路先生から御提示になりました際にも、当時の大臣並びに事務当局から御説明いたした次第でございますが、たとえば、いま核兵器で一番小さいものは、ジープに載せまして二人でもって操作できるものがございます。これは現にヨーロッパに配置されておりますが、こういうジープに載せた、言うなれば昔の野砲程度の武器を攻撃用と見るか、防御用と見るかということは、結局その武器が使われますところの環境、条件によってきまってくる。先般この問題につきまして出ましたときの例を私思い起こしてみますと、たとえば、敵地に入って、敵の奥深く爆撃します爆撃機に積んでおりますものは、これは当然攻撃用になるだろう、しかし要撃戦闘機としてわがほうに入ってくるものを迎え撃つ、これに積んでおるものにつきましては、これは通常防御的と考えられるのじゃないか。あるいは、高射砲の例もそのとき出たと記憶しておりますが、高射砲というのは、本来わが国に入ってまいります敵機を防御するものでございますから、言うなれば、わがほうを侵略してくるものに対処するものである、したがって、これに使いますものは、いわば防御的である。こういうふうに、その武器の使われます目的、環境等によって決定すべきものであって、一つの武器が、本来的に、これは攻撃的である、これは防御的である、そういうことはきわめてむずかしいというふうに、当時関係当局から答弁いたしておりますが、私どもは今日でもそのように考えております。したがいまして、単一の武器体系をつかまえまして、これがあくまで攻撃的か防御的かということは、きわめて困難な定義になりますとともに、また、そういう定義をいたしますと、かえって誤解を生じまして、無用の混乱を起こす、こういうふうに考えておりますので、先ほど申しましたように、その武器の使われます目的、環境等に応じて判断していきたい。しかし、一般的に言いますと、たとえば高射砲のようなものは本来的に防御的な武器である、しかしこれが攻撃的にも使われることはもちろんあり得るわけであります。このように考えております点を御了承願いたいと思います。
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横路節雄#29
○横路分科員 いまの防衛局長の答弁によると、これはままます、防御用の核兵器、攻撃用の核兵器というものの差別はないということなんです。差別をつけ、定義をつけることは、問題が非常にめんどうです、こう言われる。一体攻撃用の核兵器、防御用の核兵器という、そういう差別があるわけはない。私もそう思う。差別のないものを、攻撃用の核兵器を使うことは憲法違反だが、防御用の核兵器を使うことは憲法違反でないと、なぜわざわざそう言うのですか。これはたれが言い出したかというと、防衛庁のどの長官かは知りませんが、西村氏であったか、たれか知りませんが言い出したから、私が聞いておる。これは、攻撃用とか防御用とかの差があるわけがない。どうして攻撃用なら憲法違反だし、防御用なら憲法違反でないのですか。差別のないものを、何で片一方は憲法違反だし、片一方は憲法違反でないと言われるのか。あなた自身、差別がないと言っているじゃないですか。そういう論理は、これはとにかく、どういうように言われてもわれわれは理解できない。あなた自身の答弁だって、理論的にはないと言う、ないものが、何で一体そういうことが言えるのですか。
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