外務委員会

1978-04-13 参議院 全259発言

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会議録情報#0
昭和五十三年四月十三日(木曜日)
   午前十時十五分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月十二日
    辞任         補欠選任
     田渕 哲也君     和田 春生君
 四月十三日
    辞任         補欠選任
     和田 春生君     三治 重信君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         安孫子藤吉君
    理 事
                稲嶺 一郎君
                鳩山威一郎君
                戸叶  武君
                渋谷 邦彦君
    委 員
                亀井 久興君
                秦野  章君
                町村 金五君
                三善 信二君
                上田  哲君
                小野  明君
                田中寿美子君
                矢追 秀彦君
                立木  洋君
                三治 重信君
   国務大臣
       外 務 大 臣  園田  直君
   政府委員
       防衛庁長官官房
       防衛審議官    上野 隆史君
       外務省アジア局
       長        中江 要介君
       外務省経済協力
       局長       武藤 利昭君
       外務省国際連合
       局長       大川 美雄君
       海上保安庁次長  向井  清君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山本 義彰君
   説明員
       外務大臣官房領
       事移住部長    賀陽 治憲君
       外務省経済局外
       務参事官     羽澄 光彦君
       運輸省船舶局検
       査測度課長    辻  栄一君
       運輸省港湾局港
       政課長      勝野 良平君
       運輸省港湾局計
       画課長      小池  力君
       労働省職業安定
       局特別雇用対策
       課長       清水 傳雄君
   参考人
       国際協力事業団
       総裁       法眼 晋作君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○国際協力事業団法の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
○安全なコンテナーに関する国際条約(CSC)の
 締結について承認を求めるの件(内閣提出)
    ―――――――――――――
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安孫子藤吉#1
○委員長(安孫子藤吉君) ただいまから外務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨四月十二日、川渕哲也君が委員を辞任され、その補欠として和田春生君が選任されました。
    ―――――――――――――
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安孫子藤吉#2
○委員長(安孫子藤吉君) この際、参考人の出席要求についてお諮りいたします。
 国際協力事業団法の一部を改正する法律案審査のため、本日、参考人として国際協力事業団総裁法眼晋作君の出席を求めたいと存じますか、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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安孫子藤吉#3
○委員長(安孫子藤吉君) 御異議ないと認め、さ
 よう決定をいたします。
    ―――――――――――――
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安孫子藤吉#4
○委員長(安孫子藤吉君) 国際協力事業団法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案につきましては、すでに趣旨説明を聴取しておりまするので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
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戸叶武#5
○戸叶武君 法眠総裁も出て来ておりますし、国際協力事業団法に関してはきわめて重要な、法の一部改正とは言いながら今後における具体的な施策の方向づけを行うものでありまして、質問をいたしたいと思いますが、その前に、一夜明くれば年じゅう事件が起きるのが福田内閣の特徴でありますが、きょうは尖閣列島の問題がやはり新聞で伝えられております。きわめて緊急を要するもので、後でじっくりこれは論議されることと思いますが、とりあえず尖閣列島の問題に対して政府は緊急にどう対処するか、それを承りたいのであります。
 ソ連からも中国からもアメリカからも、集中豪雨のように、とにかく福田内閣は揺すぶれば揺れて動きがとれなくなってしまうというのを見定めた上で、そういう集中攻撃が加えられているのであります。先ほど行われた高等学校の選抜野球でもそうでありますが、やはり弱いと見たら集中安打が続けられて、そして逆転するのが通例になっておりますけれども、福田内閣も列国からそのように見られてきたんじゃないかと思うんですが、その辺は、外務大臣、どう受けとめておりますか。
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園田直#6
○国務大臣(園田直君) まず、お答えをする前に、事実関係を事務当局から報告させます。
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中江要介#7
○政府委員(中江要介君) 正確な事実関係は、海上保安庁で昨日の昼過ぎからけさの段階までのをいま改めてつくっておりますの外、その作成の結果を待って御報告できると思いますが、大体の動きは、御承知のように、昨日、中国漁船と大体間違いないと思われるものか百隻前後尖閣諸島の十二海里のわが方領海にまたがって漂泊したり、停錨したり、あるいは操業したりということかございまして、海上保安庁でその領海内に入っております船舶についてこれに警告して退去を要請するという手段をとって、一時だんだんその操業している漁船の数が減って、昨日の午後七時現在では一たん全中国漁船と思われた船か領海外に退出したんでございますけれども、その後、また改めて数隻ずつ領海内に入ってきたということでございまして、昨日の夜中にまた領海外に全部退出いたしましたが、けさからまた領海内に入ってきているというようなことで、事態が刻々出たり入ったりというようなことが繰り返されておりまして、いま、ただいま現在、どの程度の船か操業しているかというのは、冒頭に申し上げましたように、海上保安庁の正確な報告を待って御報告いたしたい、こう存じております。
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戸叶武#8
○戸叶武君 事実報告は、現段階では、その程度で結構と思いますが、問題は、こういう緊急に突発とも思われるような、あらかじめいろいろな問題は内在するが、それか起きたときはどう対処するかという心構えはすでに外務省でもできておったものと私は思いますが、これに対しては外務省では応急の措置はどういうふうに現在とっておりますか。
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園田直#9
○国務大臣(園田直君) ただいまこれに対する措置を命じてきたところでありますか、その措置は、中国側にこちらの申し入れが終わると同時にでなければ内容は発表できません慣例がございますから、本委員会が続行中に申し入れを終わったという報告を受ければ、その内容については御報告をいたします。
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戸叶武#10
○戸叶武君 私が外務大臣に数回にわたって警告を促しているのは、激動変革の時代にどういう問題が起きるかわからないような状態のときに、外務省はしっかりとした情報網を持って、それか何が真実か、どういう原因でそういう動きがあったか、そういうことだけでもやはりキャッチして、そしてそれに対処する姿勢をいつも持ってもらいたいということを要望しておいたのですが、尖閣列島の問題に関しては潜在的なこれは一つの問題点でありましたんで、十分これに対処するあの場へこの場合という処置方法は考えておったと思いますが、その政府側であの場合この場合を考慮しての対処方法はどういうことを考えておりましたか。
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園田直#11
○国務大臣(園田直君) 尖閣列島の問題については、終始一貫言っておりますとおり、わが国の固有の領土で、サンフランシスコ条約のときにもどこの国からも異議なく、沖繩返還の際にもどこからも異議なく、その後、尖閣列島周辺に石油の埋蔵量が大きいという情報が出てから台湾の方から抗議が出、中国の方から抗議が出たわけでありますが、その後、これに対する正式な抗議はないわけでありまして、したがって、わが方がこれの主権を行使しておりますから、わが国のものではあるけれども、横やりを入れられているわけでありますから、いつの日にかこれは話し合いで平和的な方法で解決をしなきゃならぬとひそかに準備をしておったところでありますが、今度、集団した漁船か尖閣列島沖並びに一部か領海に入っていることは予期せざるところでございました。
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戸叶武#12
○戸叶武君 尖閣列島の問題は一つの事例でありますが、このようなことに対していままで中国側はきわめて冷静にして慎重な態度を持しておったのですが、最近の自民党内の野放しの一つの論争において、尖閣列島の問題でも何でもあらゆる問題を持ち出して、日中平和友好条約をぶち壊しさえすればいいというような動きが露呈してきたので、このままじっとして座視していると、中国側は、どっちを向いて走っているのかわからない福田内閣と外交交渉をやる上においてきわめて不利と察知して、こういう一部の行動も起きたのではないかとすら思われる節もあるのであります。
 禍乱は内から生まれておるのです。そういう点において私はこのままじんぜんとして時を過ごしておくと、ソ連からも無理難題か北からも起きるし、南からもこういうような突き上げがあり、朝鮮からも問題が起きて、東西南北から無性格な日本の主体性のない外交に対しての袋だたきが始まることを憂えるのでありますが、外務大臣はいつも楽観的に物を見ているようですが、この辺はどうでしょうか。
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園田直#13
○国務大臣(園田直君) 私は決して楽観的に物を見ているわけではございません。しかし、このような問題が起きてはならぬので、友好条約をなるべく早く締結をして、その上でこういう問題の話し合いをすべきであると考えておったわけでありますが、その重要な時期にこういう事件が起きたことはまことに遺憾でありまして、事はきわめて重大であり、重大な関心を持ってこれを見ているわけでありますが、いずれにいたしましても冷静に事実をまず把握することが大事でありますから、事実の把握ということを重点にいま事を進めているわけであります。その結果によってそれぞれ判断をいたし、行動したいと考えております。
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戸叶武#14
○戸叶武君 その外務大臣の意見には賛成です。やはり第一に事実の把握と、もう一つ一番大切なことは、どんな激浪にさらされても、みずからの主体性を崩さないで、外交には一貫性が必要であるということ。いまのように福田さんの聡明にして柔軟な策というものはわれわれでははかり知れないものがありますが、このごろの柳のように右に揺れ左に揺れていれば折れっこはないかもしれないか、頼りげがない。こういうバックボーンのない外交というのは、これは福田内閣以前においては世界でも余り類例のない外交です。柳に風と受けとめられるような時勢よりはもっと厳しい時勢にわれわれが置かれているということを認識しなければ、日本の外交を福田内閣にゆだねることはできないという国民的な義憤も私はそろそろ生まれてきていると思うのでありまして、その辺は万事心得ての宮仕えと思いますが、園田さん、これはしっかりやらないと日本は袋だたきになりますから、答弁は要りませんが。
 それと次は、おとといも問題になったソ連の国連における事務次長というのは、ソ連における外交官の中においてエリート中のエリートです。その男か酒のためとか女のためとかというのでぐらつくようなことは俗人の見ることであって、少なくとも私は出光国連における重要なポストを持っている外交官が、苦脳の限りを尽くしてソ連から離脱していかなけりゃならないというような思い詰めた事態が生まれてきているのは、ソ連がこのままの状態でいくならば国際社会から孤立して外交ができなくなってしまうんじゃないかということを憂惧しての私は彼は彼なりのやはり一つのソ連の外交方針のマキャベリズムに対する一個の最後の抵抗かとも思われる節々もあるのです。私が断定することは今日において奇異になりますが、政府にはこの方に関する情報をキャッチしてくれ、正確な情報をキャッチしてくれと私はいち早く頼んでおりますが、どの程度まで各国はこの問題に対して一つの批判を行っていますか、見方を行っていますか。それを大臣の意見としては発表できないでしょうが、出先外交機関における情報収集において、このようないろいろな取りざたがされているというだけでも二、三の点紹介してもらいたいと思います。
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園田直#15
○国務大臣(園田直君) 日本の外交で、特に注意しろと仰せられましたことは全くそのとおりでありまして、どこの国に対しても主体性を維持し、日本の外交方針を堅持をしてこれに当たる覚悟であります。
 次に、いま御質問のシェフチェンコ事件でございますが、この事実はすでに新聞で発表されたとおりでありますから、国連事務総長スポークスマンの発表はこれは省略をいたします。
 そこで、発表文は亡命の語句を使ってはおりませんが、そのような含みのある発表でありまして、わが方としては、現在、国連並びに各国のこれに対する反応の情報を収集している段階でありますが、各国ともなおこの事実の認識に努めておるところであって、いまなおこれに対するコメントは発表いたしておりません。
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戸叶武#16
○戸叶武君 これは国連機関における要人の行動に関する生命にもかかわる問題でありますから、国連の機関からも慎重な発表がなされたのだと思いますが、ジャーナリズムの一部がいろんな放送によってつくり上げられているような単なる酒、アル中だとか恋愛問題だとか酔っぱらいの演じたんだとか、そういうものよりは私は深刻な受けとめ方をしなければ、複雑怪奇の今日の外交舞台における各国の出先の要人というものがどれだけ苦悩しているか、本国と世界の流れとの間のギャップに立って、自分の身を処することもできないような苦悩の限りを尽くしていることは、私はこの一事においても想像することができるのであります。
 やはり物事に対して冷酷な皮肉な見方よりも、もっとおのおのの人々のこの苦悩の限りを尽くしている苦悶の姿をくみ取っていかなければ真相というものは把握できないのじゃないかと思うんです。推理小説的な物の見方でなくて、国際外交の舞台において第一線において闘っている人が世界の潮流と自国における主張との流れの間にはさまれてどうやって苦悩しているか。日本においても佐分利公使の自殺事件というのもシナ事変の前に起きております。そういうこともうやむやの中にすべては過去においては興り去られておりますが、今日激動変革の中において、複雑怪奇をきわめるこの国連を舞台とした中においても、この一事というものは単なる三面記事的な推理小説的な取り扱いで処理すべきものではないと思いますので、後日、改めて外務省においては正確な事実を知るための資料を提出してもらいたいと考えておりますが、外務大臣よろしゅうございますか。
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園田直#17
○国務大臣(園田直君) 国連並びに各国からの情報が集まりましたならば、整理をして御報告をいたします。
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戸叶武#18
○戸叶武君 それでは、この問題は緊急を要する問題ですから簡単に二、三の点を質問したのでありますが、転じて、さらに、外務大臣と農林大臣の間には右と左の考え方の違いがあるんじゃないかと新聞では報じておりますか、前の質問においてさようなことはない、漁業の問題は漁業の問題で農林大臣が国民の利害に関する問題で一生懸命やっているんだということを聞きましたか、この生産漁民、漁業に従事する労働者の苦悩というものはイシコフが一番知っているはずであります。彼が本当に日本の沿岸漁業の漁民の苦悩というものを理解したならば、いままでのソ連がとっているような態度とは変わった結論を下さないとも限らないと私は彼には期待しておるのでありますが、いままでの情報においては、外務大臣、どういうふうな見通しがついておりますか。
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園田直#19
○国務大臣(園田直君) ただいまちょうど交渉中でございますから内容をつまびらかにするわけにはまいりませんか、日本とソ連側の代表との話し合いはだんだんと進んでいるようでありまして、厳しい中ではありますが、一歩一歩、農林大臣は努力をしてその成果を上げているようでございます。
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戸叶武#20
○戸叶武君 真実を語り合って、そうして物を煮詰めて問題解決に当たる、この相互理解が不足しているところにもろもろの悲劇の根源はあるのでありまして、その相互理解の欠ける原因というものは、前に外務大臣か言ったように、何が正しいかというものに対する明快な回答と外交当局の主体性を失っているところに問題の紛雑の原因が私はいつもあると思うのであります。そういう意味において、いやなことでもむずかしいことでも進んで外交に携わる人たちが身を挺して事に当たるという姿勢ができないと、いまのような、経済においてもそうだが、外交においても福田内閣のもとにおいてはぐずついてばかりいて八方ふさがりだというような状態が私は醸し出されているのは、福田さんは自分の不徳であるでそれで済むかもしれませんが、国民として私は黙視することができないものがあると思います。そういうことを福田首相並びに園田さんに私は警告しておきます。
 そこで、今度は一転して、国際協力事業団法の一部改正に関する法律案の政府提案の理由説明は前に承っておりますから、本日は、法眼総裁も出ておりますので、外務大臣と法眼総裁から、「政府は開発途上地域の経済及び社会の発展に寄与する見地から、無償資金協力の一層効率的な実施を確保するため、今般新たに国際協力事業団に、技術協力と密接に関連する無償資金協力の促進に必要な業務を行わせる」ことである。その新規事業の手始めは、国際的約束に基づいて技術協力またはこれに密接な関連性を有する事業のための施設の整備を目的として行われる無償資金協力の実施の促進のため、調査、あっせん、連絡その他の業務から出発するものであるというふうな説明がありましたが、現に、そのようなこれに要する調査、あっせん、連絡、その他の業務においてはどれほどの実績を積んでまいっておりましょうか、今度この法案が通ることによって電光石火のようにそれを行うんだという意味でしょうか、その辺のことを大臣並びに総裁から承りたいと思います。
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武藤利昭#21
○政府委員(武藤利昭君) 無償援助の具体例というようなことからまず御説明いたしたいと思うのでございますか、従来、わが国といたしましては、開発途上国に対します無償援助というものを重点的に行ってきたわけでございます。
 無償資金協力と申しますのは、これは非常に援助の効果が高いということもございまして、開発途上国の住民の福祉向上あるいは民生の安定に寄与する面が多いわけでございますので、そのような対象分野、すなわち医療とか保健とか教育とかいうものを重点分野と指向いたしまして行ってきたわけでございますが、その実際の実行に当たりまして、たとえば最近行いましたタイに対します無償資金協力といたしまして東北タイに技能開発学校というものを設立したわけでございますが、この資金協力のやり方について簡単に御説明いたしますと、このような無償資金協力を行うに先立ちまして事業団の方から調査団を派遣いたしまして、技術協力の一環として技能開発学校を設立するに当たってどのような計画でどのような学校を建てたらいいかという調査を行いまして、そのような事業団で行いました調査の結果に基づきまして、無償資金協力といたしまして十億円を供与して、それで学校の校舎だとか寄宿舎だとか、あるいはその教育に必要な器材の購入等に必要な資金に充てるということをしたわけでございます。そして一たんこのような学校ができました暁には、今度はさらにまた事業団の方から専門家が参りまして、日本の無償資金協力で建てましたこの学校に日本の専門家を配置いたしまして、現地の人たちの教育に当たるというようなのか典型的な例でございます。
 このように従来から無償資金協力と技術協力とは密接に関連性があったわけでございますが、従来は、この無償資金協力の部分につきましては外務省がこれを直接行っておりまして、ただいまお示しのございましたような「調査、あっせん、連絡」等というような事務は外務省が直接これを行っていたわけでございますが、ただいま申し上げましたようなことで、無償資金協力と技術協力とは非常にお互いに関連し合っているということに着目いたしまして、ただいま申し上げましたような「調査、あっせん、連絡」等の促進業務につきましては、これは外務省が行うよりも、むしろその前段階の調査を行い、またその学校の例で申しますと学校ができた後、その場所で技術協力を行う事業団の方にお願いする方か効率が上がるというような判断からこの改正法の御審議をお願いしているわけでございます。
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戸叶武#22
○戸叶武君 技術協力なり無償協力なりは事業団の方で行う方が問題処理に当たってスムーズに問題を処理していくことができるという趣旨と思いますが、事業団法の第二十一条において「第一条の目的を達成するため、次の業務を行う。」というそのところに「条約その他の国際約束に基づき開発途上地域の政府に対して行われる無償の資金供与による協力の実施の促進に必要な次の業務を行うこと。」ということか書かれてありますが、いま学校の事例を挙げましたが、その他二、三具体的な事例について、このような効果があるんだということをわれわれか認めることができるような事例を挙げて説明を願いたいと思います。
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武藤利昭#23
○政府委員(武藤利昭君) 従来行っておりました無償援助は、ただいまタイの例を申し上げましたけれども、そのようないわゆるプロジェクト援助という形をとるものが大部分でございまして、たとえば昭和五十二年度の実績について申し上げますと、金額の多いものから若干御披露いたしますが、いま申し上げましたタイの例のほかに、たとえばビルマでは生物医学研究センター、バングラデシュの食糧倉庫、あるいはスリランカの教育病院、パキスタンの電気通信研究センター。それから中近東、アフリカにまいりますと金額の大きいものとしてはガーナにガーナ大学の医学部基礎医学研究所。それから中南米にまいりますとパラグアイの職業訓練センター、ボリビアの消化器疾患研究センター等の例が金額の大きいものとしてあるわけでございますが、ただいま申し上げました例はいずれもこのような、私どもセンター方式による技術協力と申しておりますか、そのようなものでございまして、冒頭申し上げましたタイの例とほぼ似通ったような仕組みになっているということでございます。
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戸叶武#24
○戸叶武君 センター方式の技術協力は、各国の事情によってきわめて現実的でありバラエティーに富んでおりますが、その援助の基金に至るや非常に少ないものでありまして、果たしてこういうふうにばらまかれても現実的な効果というものをそれほどおさめることができるであろうかどうかという疑念がまずわれわれにわくのであります。やるならば、やはり重点的にして、現実的な効果があるような、ただばらまくというような供与方式でなくて、そこに責任を持ってモデルをつくり上げるというような、成果が上がるような方式の方が――いわゆるややもすれば役所仕事というのは八方美人的な方式がいつもとられやすくって、内容的にはそれほどの成果が上がってないというような後からは批判も出てくるんですが、その辺のことはどう受けとめておりますか。
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武藤利昭#25
○政府委員(武藤利昭君) ただいま私か申し上げました幾つかの例でございますが、これは大体いずれも一件十億円程度のかなり規模の大きいものでございまして、それぞれにつきまして日本の無償資金協力によりまして学校とかセンターとかいうものかできている。それで現地の人たちは、これは日本がつくってくれた学校だ、日本がつくってくれたセンターだということで大変喜んでいるということもあるわけでございます。
 ただいま御指摘のとおり、私どもといたしましても、むやみにばらまくというよりは、十億円とかいうようなことを目途といたしまして、かなり大きな金額を重点的に配付する。そこは単に資金を供与するというだけではございませんで、先ほど申し上げましたように、まず、その計画自身につきまして技術協力でおぜん立てをしてあげるし、またその建物ができた、その器ができました後は、その中身におきましても日本側の技術協力を継続することによりましてその技術協力の実を上げる、そのようなことを重点的に実施いたしているわけでございます。
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戸叶武#26
○戸叶武君 次に、外務大臣にお願いします。
 GNPの〇・一%というような発展途上国に対する援助、これをアメリカの〇・二六%、フランスの〇・六三%あるいは西独の〇・三六%、イギリスの〇・三一%というものと見ると、えらく日本の発展途上国に対する無償援助というものは少ないような感に打たれるんですが、これはどのように受けとめておりますか。
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園田直#27
○国務大臣(園田直君) 経済援助の無償、有償、特に無償の方もそうでありますが、質的に改善する点が多々ございますが、まず、量的に言って、御指摘のとおり日本はDAC加盟諸国のうちの十三位でありまして、ASEANの諸国その他の国々におきましても、近い日本が援助が少なくてヨーロッパの国々か援助が多いのはどういうわけかと、こういうことを聞かされるわけであります。
 したがいまして、いろいろ問題がありますが、まず、開発援助の積極的拡大、第一は量を飛躍的にふやす必要があると考えます。特に、今日、世界各国から日本のただ乗り論を言われる折でありますが、そのただ乗り論とは、単に防衛をただ乗りしているというだけではなくて、日本が国際に対する貢献の率が少ない、世界に貢献すべきものをしないで自分だけが得をしている、こういう批判もあるところでございますから、そういう意味においても、早急にまず量的な拡大を図ることが必要でありまして、ただいま、そういう意味におきましても、次に補正予算が組まれるとすれば、補正予算の中でこの問題も考慮し、増額をしてもらいたいと努力をしているところでございます。
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戸叶武#28
○戸叶武君 いままで平均〇・三三%というような教字もあらわれておりますが、日本は少なくともやはり二〇%以上、三〇%程度までは、具体的に補正の問題に外務大臣は触れておりますが、補正の段階において、そのくらいまで伸ばし得るという想定の上に立っての発言でしょうか。
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園田直#29
○国務大臣(園田直君) だんだんそのような方向に持っていきたいと考えております。
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