社会労働委員会医療保険制度に関する小委員会

1979-07-10 衆議院 全55発言

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会議録情報#0
昭和五十四年七月十日(火曜日)
    午後二時二十分開議
 出席小委員
   小委員長 戸井田三郎君
      川田 正則君    竹内 黎一君
      戸沢 政方君    水平 豊彦君
      湯川  宏君    大原  亨君
      金子 みつ君    森井 忠良君
      古寺  宏君    浦井  洋君
      工藤  晃君
 小委員外の出席者
        厚生大臣官房審
        議官      幸田 正孝君
        厚生省公衆衛生
        局地域保健課長 杉山 太幹君
        厚生省保険局長 石野 清治君
        厚生省保険局企
        画課長     坂本 龍彦君
        厚生省保険局保
        険課長     川崎 幸雄君
        厚生省保険局国
        民健康保険課長 古川貞二郎君
        厚生省保険局医
        療課長     竹中 浩治君
        厚生省保険局調
        査課長     川上 友康君
        社会保険庁医療
        保険部長    此村 友一君
        社会保険庁医療
        保険部健康保険
        課長      内藤  洌君
        社会労働委員会
        調査室長    河村 次郎君
    —————————————
六月十四日
 小委員金子みつ君三月二十三日委員辞任につき、
 その補欠として金子みつ君が委員長の指名で小
 委員に選任された。
同日
 小委員相沢英之君及び水平豊彦君四月九日委員
 辞任につき、その補欠として相沢英之君及び水
 平豊彦君が委員長の指名で小委員に選任された。
同日
 小委員大原亨君四月二十四日委員辞任につき、
 その補欠として大原亨君が委員長の指名で小委
 員に選任された。
同日
 小委員和田耕作君四月二十五日委員辞任につき、
 その補欠として和田耕作君が委員長の指名で小
 委員に選任された。
七月十日
 小委員村山富市君同日小委員辞任につき、その
 補欠として森井忠良君が委員長の指名で小委員
 に選任された。
同日
 小委員森井忠良君同日小委員辞任につき、その
 補欠として村山富市君が委員長の指名で小委員
 に選任された。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 医療保険制度に関する件
     ————◇—————
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戸井田三郎#1
○戸井田小委員長 これより医療保険制度に関する小委員会を開会いたします。
 医療保険制度に関する件について調査を行います。
 まず、厚生省当局から、お手元に配付してあります資料について説明を聴取いたします。公衆衛生局地域保健課長杉山君。
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杉山太幹#2
○杉山説明員 お手元の資料の一ページ、二ページにつきまして簡単に御説明申し上げます。
 昭和五十三年を起点といたしまして健康づくり対策というのを進めておりますが、そのような観点から、従来各年齢層ごとに進めております健康診査あるいは各種の検診事業等をまとめたものが、第一表の表でございます。
 左側に事業区分があり、右側に年齢が書いてございますが、まず小児保健対策といたしまして、ゼロ歳の乳児健診、さらに一歳半健診、三歳健診、また妊産婦健診等が行われております。
 母性保健対策といたしまして、五十三年度から新たに、婦人の健康づくり推進事業という事業を追加されております。
 成人病につきましては、成人病の主要な疾病でありますがんにつきまして、子宮がん検診、さらにまた胃がんの検診、また循環器疾患、いわゆる心臓病等の疾病に対しまして、循環器疾患検診あるいは保健指導等が行われております。また農山村につきましては、農山村健康管理事業という事業を実施しております。
 結核対策につきましては、ゼロ歳から始めまして各年齢層を通じて実施しているわけでございますが、主として結核の住民検診、いわゆる定期健診としての検診を実施しているわけでございます。
 また一般保健対策といたしまして、中高齢者の検診事業、さらにまた健康づくり相談事業等を実施しております。
 老人保健対策につきましては、老人保健医療総合対策開発事業としての健診活動が行われているところでございます。
 その下は学校保健対策あるいは労働保健対策、他の省庁等で実施されている事業でございます。
 次の表に、二ページに移ります。
 国民健康づくり対策というもとに、生涯を通じる健康づくりの健康管理体制の確立であるとか、あるいは健康づくりの啓蒙普及活動であるとか、あるいは健康づくりのための基盤の整備事業であるとか、そういうふうなものを柱として健康づくり施策が実施されているわけでございますが、その主なるものの予算を一表にまとめたものが、この表でございます。
 生涯を通じる健康づくりの推進といたしまして、市町村保健婦の設置事業、さらに先ほど申しました家庭婦人の健康づくりの推進、母子衛生関係の母と子の健康確保、がんあるいは循環器等を中心といたします成人病の予防、さらに精神衛生対策、老人保健の拡充、また職場における健康づくり、さらには健康づくりのための人材の育成や、研究体制の整備等でございます。
 また健康づくりの啓蒙普及事業につきましては、市町村単位に健康づくり推進協議会の設置、あるいは健康づくり振興財団によりますところの教育普及活動、研修活動といった内容になっております。
 さらに市町村につきましては、市町村に対人保健サービスの一つの拠点といたしまして、市町村保健センターあるいは老人福祉センター等の施設の整備等の事業を行います。
 以上の予算を概括いたしましてまとめたものが、この表でございます。
 私からの説明は以上でございます。
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戸井田三郎#3
○戸井田小委員長 坂本企画課長。
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坂本龍彦#4
○坂本説明員 私から、三ページ以下を御説明申し上げます。
 三ページは医療保険制度の疾病予防等の状況でございます。
 まず、政府管掌健康保険でございます。
 ここに事業の内容として保健指導宣伝費、疾病予防費、体育奨励費と分けまして、五十年度から五十二年度までの金額が示してございます。
 保健指導宣伝費といたしましては五十年度四千万円、五十一年度五千万円、五十二年度五千万円でございます。これは各種の健康思想の普及宣伝あるいは被保険者教育というものでございます。それから、疾病予防費といたしましては五十年度十八億四千万円、五十一年度十八億四千万円、五十二年度十八億七千万円でございますが、これは下にもございますように、中高年齢者の被保険者四十歳以上の人につきまして、いわゆる成人病、
 これの予防検査を実施いたしております。それから、インフルエンザの罹患を予防するために、インフルエンザウイルスワクチンの予防接種も実施いたしております。また、結核につきましても早期発見のための検診を実施いたしております。それから、体育奨励費といたしましては、各種の体育行事でございますが、五十年度三千万円、五十一年度三千万円、五十二年度三千万円、こういう状況でございます。
 四ページにまいりまして、健康保険組合関係でございます。
 ただいま申し上げましたのと大体同じような内容で実施をいたしております。保健指導宣伝費が五十年度七十六億円、五十一年度八十二億円、五十二年度九十一億円。疾病予防費が五十年度二百六十七億円、五十一年度三百八億円、五十二年度三百三十二億円。体育奨励費が五十年度七十七億円、五十一年度八十一億円、五十二年度八十八億円でございます。
 なお、健康保険組合におきましては、保健婦を設置いたしておるところが五十二年十二月末で百三十三組合、保健婦の数が三百八人でございます。活動の例といたしましては、下に書いてございますように健康診断、健康相談、健康教育、訪問活動、その他というように、できるだけきめ細かく、各種の需要に応じて疾病予防活動を行っておるわけでございます。
 次に五ページにまいりまして、国民健康保険でございますが、これは各市町村及び国民健康保険組合の全体の数字でございます。
 五十年度が二百九億円、五十一年度が二百二十九億円、五十二年度が二百五十八億円。これだけの保健施設費を使って活動をやっておりますが、内容は大部分が保健婦の活動でございます。ただ、注にございますように、五十三年度からは国保保健婦は市町村保健婦として活動することになりましたので、五十三年度以降は主としてその活動費だけを計上することになるわけでございますが、ここでは具体的な例を二、三お示ししてございます。
 茨城県の茨城町におきましては未熟児出生、乳児死亡、歯科疾患、胃腸疾患、脳卒中後遺症による寝たきり患者が多いというような問題がございますので、保健婦ステーションを拠点にいたしまして、母子健康相談、家庭訪問、血圧相談、生活機能訓練活動、こういうものを実施いたしまして、こういった疾病に係る死亡等が減少をいたしたという効果が見られておると聞いております。
 富山県の入善町におきましては、老人医療費が非常に国保財政を圧迫しておるということから、特に寝たきり病人の訪問や実態調査をいたしまして、保健婦ステーションを拠点として民間組織の全面的な協力によって、町ぐるみの保健活動を行っているということでございます。
 それから、静岡県の佐久間町でございますけれども、山合いの非常に狭い土地でございまして、妊産婦の併発症、乳幼児の死亡件数、慢性疾患の治療中断、こういったようなものが多いという実態がございまして、母子健康センターを拠点として、大学の公衆衛生学教室あるいは隣接県の関係機関の協力を得まして、母子保健活動、僻地巡回検診、健康相談、個別保健指導等をきめ細かく実施いたしまして、新生児の死亡ゼロというような結果をもたらしておるのでございます。
 六ページにまいりまして、大きな項目の第二番目でございます。健康保険組合におきまして家族療養費等がどういう状況になっているかということでございます。
 一番上に被扶養者の診療費とございます。これは実は推計でございまして、その下の法定給付費のうちの家族療養費、これが実は五十二年度の決算として出ておりますが五千七百五十九億六千五百万、これは七割給付でございますので、一番上の被扶養者の診療費はこれの七分の十という推計でございます。これが被扶養者に係る診療費の合計でございまして、それに対しまして、高額療養費が二百六十八億一千七百万円支給されるわけでございます。そういたしますと、この高額療養費が被扶養者の診療費に対する割合といたしましては、右にございますように三・三%に相当いたします。したがって、高額療養費を含めた給付率としては七三・三%ということになるわけでございます。
 なお、一番下に家族療養附加金が六百七億五千七百万円と出ておりまして、これを被扶養者の診療費との比較で見ますと、七・四%に相当するわけでございます。
 それから、注にございますように、保健施設費につきましては、五十二年度で組合全体で九百七十四億八千万円支出されております。
 次に七ページにまいりまして、政管健保と健保組合の比較でございます。
 政管健保と組合健保全体、それから、組合健保の中でも比較的中小企業が多いと言われております総合健保組合を別掲でお示ししてございます。それぞれ平均年齢、扶養率、平均標準報酬月額、平均保険料率、被保険者一人当たり保険料額、法定保険給付費、法定医療給付費、一事業所当たり被保険者数、給付費補助金、被保険者一人当たり給付費補助金、こういう項目のほかに、診療諸率といたしまして、被保険者、被扶養者ごとにそれぞれ数字を示してございます。
 概して見ますと、政管健保は平均年齢が健保組合より高うございますが、総合健保組合は政管健保と組合健保の中間あたりになっておるようでございます。
 扶養率につきましては、政管健保よりも組合の方が高いという傾向がございます。
 平均標準報酬月額は健保組合が一番高いわけでございますが、総合組合は政管健保と組合全体との中間ぐらいのところに位置しております。
 平均保険料率につきましては、政管健保が千分の八十、健保組合全体では千分の七十七・三でございます。総合健保がその中間にございます。以下、被保険者の一人当たりの金額等につきましても、大体政管健保と健保組合全体の間に総合健保組合が来ているというような状況がうかがわれるわけでございます。
 ただし、給付費の補助金につきましては政管健保に圧倒的に定率で出ているわけでございまして、健保組合は予算補助で定額を八億円、五十二年度に交付してございます。この八億円のうち二億五千万円が、総合健保組合に結果的に支給されたという形でございます。
 なお、診療諸率の方につきましては、被保険者一人当たりの件数、いわゆる受診率でございますけれども、これは政管健保が組合健保よりも高くなっております。一件当たり日数もやはり政管健保が組合よりも高くなっておりますし、一日当たり金額、これはむしろ総合健保組合が一番高いという結果がございます。一件当たり金額といたしましては政管健保が高くなっておりまして、総合健保組合が政管と組合全体の中間に来ております。
 被扶養者につきましては、むしろ健保組合の方が被扶養者一人当たりの件数が多いようでございます。一件当たり日数は政管が高くなっておりますが、一日当たり金額も同様政管が高い、また一件当たり金額も政管が高い、こういう傾向が見られるわけでございます。
 次にまいりまして八ページでございますが、制度の管掌別に、診療報酬の審査・支払いの件数と手数料の額をお示ししてございます。
 第一番目に、社会保険診療報酬支払基金の取り扱いでございますけれども、政管健保、船員保険、日雇健保、共済組合、健保組合ごとに、五十二年度の取り扱い件数と審査・支払い手数料、これは一件当たり四十九円となっておりますので、件数にその単価を掛けた金額でございます。一番右には、そのうちの審査のみの手数料を再掲で掲げてございます。審査のみの手数料は二十三円七十銭、こういう単価になっております。
 なお、制度ごとに被保険者数に相当の差がありますので、備考として被保険者数と被扶養者の合計の数をお示ししてございます。
 それから二番目に、国民健康保険の方でございますけれども、これは各県の国民健康保険団体連合会で審査・支払いを行っております。国民健康保険の診療の取り扱いは、一番左から二番目の件数でございます。その次に審査・支払いの手数料でございますが、これはちょっと字が読みにくうございますけれども、全国平均三十八円十四銭となっております。これは下にございますように、都道府県によって単価が異なっておりますので、これは全国の平均数値でございます。そういたしまして、この取り扱い件数に単価を掛けたものが審査・支払いの手数料でございます。
 なお、国民健康保険関係の被保険者、これは本人、家族の別はございませんで、全部の合計の数字が約四千四百万人、こういう状況でございます。
 それから九ページにまいりまして、各制度別の診療件数及び受診率の推移、制度ごとにいわゆる病人の率が多いかどうかという一つの参考になるかと思います。厳密な病人という数はちょっと出にくいわけでございますが、いわゆる受診率ということで大体の傾向はおわかりになるのではないかと思ったわけでございます。
 四十八年度から五十二年度まで、政管健保と組合健保と国保に分けまして、政管と組合はそれぞれ被保険者、被扶養者ごとに一人当たりの受診率を出しております。これで見ますと、いわゆる受診率は年を追って若干伸びておるようでございます。各制度とも微増の状態と言ってよろしいかと思うわけでございます。
 なお、各制度別に見ますと、大体受診率から見まして、四十八年度から五十二年度まで政管健保の本人が一番高いわけでございまして、国保が一番低いわけでございます。なお、被扶養者につきましては政管健保よりも組合健保の方が少し高くなっております。大体、各制度間の比較はおおむね毎年度そのような状況にあろうかというふうに思われるわけでございます。
 次に十ページにまいりまして、六番目でございますが、各制度の六十五歳以上加入者の割合をお示ししてございます。制度ごとにいわゆる老人の加入割合というのは相当違うのではないかということでございますが、六十五歳から六十九歳までの人と七十歳以上の人に分けまして、さらにそれらを合わせまして、六十五歳以上全部という数字を比率でお示ししてございます。これは被保険者と被扶養者とを合わせた数でございます。
 政管健保が六十五から六十九までは二・四%、七十歳以上が三・六%、六十五歳以上全部では六・〇%でございます。組合が六十五歳から六十九歳が一・六%、七十歳以上が二・七%、六十五歳以上では四・三%であります。日雇健保は六十五歳から六十九歳が六・九と高くなっております。また七十歳以上も七・九というふうに高くなっておりまして、六十五歳以上一四・八%という比率でございます。船員保険は六十五から六十九は二・〇、七十歳以上は四・〇、六十五以上は六・〇でございます。国民健康保険は六十五から六十九が五・一、さらに七十歳以上は七・五というふうに高い数字でございまして、六十五歳以上が、一二・六%と、これも相当高い比率になっておるわけでございます。
 次に十一ページにまいりまして、七番目でございますが、主要国の国民医療費の比較でございます。
 外国の国民医療費につきましてはいろいろと資料を探してみたわけでございますが、一九七〇年と一九七五年に、アメリカ、イギリス、スウェーデンと日本の比較の数字がございます。ただ、これは、注にございますように、各国におきまして国民医療費の内容というのが非常に差がございまして、日本の国民医療費と相当違う面がございますので、この比較につきましてはいろいろと一概には言えない面もあろうかと存じますが、数字につきましては、一番左に、国民医療費そのものを各国通貨で表示してございます。それと人口の数でございます。そういたしますと、これはもちろん人口によって規模が違いますので、やはり一人当たりの国民医療費というのが一番比較しやすいわけでございまして、一番右にございます円換算の数字というのが実質的な比較になろうかと思います。
 一九七〇年が日本で約二万四千円、アメリカが八万九千円、イギリスが三万一千円、スウェーデンが十一万円という数字でございます。また一九七五年におきましては日本が約五万八千円、アメリカが約十二万四千円、イギリスが約六万一千円、スウェーデンが約二十六万二千円となっております。
 下の(注)にございますように、国民医療費はアメリカでは病院医療費、医師及び歯科医師による診療費、薬剤費、こういうものでございますけれども、非常に自由診療の部分が多いという状況がございます。また、イギリスの国民医療費につきましては公衆保健サービス及び管理運営費を含んでおりますし、スウェーデンの国民医療費につきましては公衆保健サービス、分娩サービス、両親手当、移送・交通費、管理運営費、つまり病院の建設費等につきましてははっきりいたしませんけれども、こういった要素を含んでいるということでございます。
 なお、参考といたしましてNHKの「世界の医療」「社会保障ハンドブック」という資料があるわけでございまして、前回御議論の中にこの資料の名前が出たわけでございますけれども、私どもで調査いたしました結果では、一九七〇年におきまして一人当たりの医療費が、概算でございますけれども日本では二万五千円、アメリカで十万円、イギリスで三万円、スウェーデンが八万円、こうなっております。ただし、この数字の出典と総医療費あるいは一人当たりの医療費の算出方法はちょっと私どもでは明らかにし得なかったということでございます。
 十二ページにまいりまして、八番目に社会保険方式のメリットというのはどういうものがあるかということでございます。私どもの方で審議会の御意見等を参考にいたしましてまとめたものが、これでございます。
 社会保険方式のメリットといたしましては、公共保健サービス方式との比較において次のようなものが考えられます。
 第一に、社会保険方式では、均質の集団を単位といたしまして、自己責任の精神と相互扶助の精神にのっとった運営が行われ、一般的に保険者の運営努力と加入者の連帯意識が期待できますので、保険集団の属性に適した運営方法をとりやすいということでございます。
 なお、社会保障制度審議会の昭和二十五年の「社会保障制度に関する勧告」におきましては「社会保障の中心は、国民の自主的責任の観念を害することがあってはならないことから、自らをしてそれに必要な経費を拠出する社会保険制度でなければならない」こう述べられております。
 第二に、社会保険方式では、負担と給付の関係が明確であるために、保険料負担についての認識が得られやすいという点がございます。また、租税を財源とする場合のように、他の施策との競合関係というものがありませんので、安定した自主財源が確保できるというメリットがございます。
 第三に、欧米諸国の例によって見ますと、社会保険方式をとっている国は自由開業医制でございますけれども、公共保健サービス方式をとっている国は公営医療となっているというのが通例のようでございます。したがいまして、公営医療化の実現が困難な事情にある国におきましてはどうしても社会保険方式をとるということになるようでございます。
 なお、社会保障制度審議会の昭和三十一年の「医療保障制度に関する勧告について」の中におきまして「医療保障制度の理想的形態については意見の分れるところであるが、いま直ちにわが国において、英国流の公営医療を実現することは恐らく至難であろう。」途中を略しまして「わが国の医療保障制度が保険主義をとり、しかも当分の間は二本建をとらなければならないのは、一つには、わが国の医療制度が英国のような公営医療を実現し得るような体制になっていないことに基づく。今日多くの国が公営医療主義よりは保険主義をとっているのも、全くかかる理由からである。すなわち、原則として医師を公務員もしくはこれに近い地位に置き変えない限り、公営医療の実現は困難であるからにほかならぬ。」
 また「公共保健サービス方式を採用しているイギリスでは、医師は自由に開業することはできず、一般家庭医として開業することができても、当該開業医に登録された地域住民の診療のみを行う仕組みとなっている。専門的な治療や入院施療は病院の担当とされているので、日本のように医師が個人で入院施設を持つことはできない。また、医師の報酬は出来高払いではなく、原則として人頭払いである。」ということになっております。
 最後に、十四ページに参考といたしまして、現在、欧米諸国でとられている社会保険方式と公共保健サービス方式の違いをお示ししてございます。
 運営主体につきましては、社会保険方式は保険の主体たる各保険者、公共保健サービス方式は政府あるいは地方公共団体でございます。
 給付の範囲につきましては、社会保険方式では、保険の原理から、予測可能な疾病予防等は原則として保険の対象外となり、公衆衛生等他の施策の対象とされるわけでございますが、公共保健サービス方式では、疾病予防からリハビリテーションまで含んだ包括的医療を一つの制度で行っております。
 医療供給形態といたしましては、社会保険方式は原則として自由開業医制でございますが、公共保健サービス方式は公営医療体制、医師の公務員化等でございます。
 患者に関する制約といたしましては、社会保険方式では原則として制約はございません。医師は患者が自由に選択することになっております。公共保健サービス方式では人頭登録制、あるいは入院する場合の制約といったような規制がございます。
 財源は、社会保険方式では原則として保険料でございますが、公共保健サービス方式では租税でございます。
 なお、欧米諸国のうちで社会保険方式を採用している国は、西ドイツ、フランス及びアメリカでございます。公共保健サービス方式を採用している国は、イギリス及びスウェーデン。ただし、スウェーデンについては入院のみ公共保健サービスでございまして、外来は社会保険方式をとっております。
 以上で、資料の御説明を終わります。
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戸井田三郎#5
○戸井田小委員長 ただいまの説明に対し質疑のある方は、順次御発言を願います。
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金子みつ#6
○金子(み)小委員 一ページの母性保健対策の中で、婦人の健康づくり推進事業、これを新しく始められますね。それでお尋ねしたいのは、十八歳から四十九歳と年齢を一応切っていらっしゃるのですが、なぜ十八歳になったのですか。
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杉山太幹#7
○杉山説明員 婦人の健康づくりのねらいが主として在宅の主婦を対象といたしまして、特に他の健診から漏れているあるいは健診にかからない、そういうふうな方を主体とした関係上、一応十八歳から四十九歳というふうになったと聞いております。
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金子みつ#8
○金子(み)小委員 十八歳というのは高卒ですね。
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杉山太幹#9
○杉山説明員 はい、そうです。
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金子みつ#10
○金子(み)小委員 中卒の場合は対象にならないんですか。
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杉山太幹#11
○杉山説明員 多くはそういう方の場合は職場健診の対象になっているので、婦人の健康づくりというのは、一番の対象は肥満であるとかあるいは貧血であるとか、健診の内容がそういうふうになっておりますので、そういう観点からも、そのような疾病といいますか、健康異常の発生しやすい十八歳というのを始期に選んだと思います。
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金子みつ#12
○金子(み)小委員 私は十八歳じゃ遅いと思うのですよ。十五歳ないし十六歳、中卒を対象にすべきじゃないですか。貧血だってこのごろは小学校、中学校に多いのですよ。ですから、私は十八では遅きに過ぎると思うので、訂正できるのだったらもう少し下げて中卒ということになさる方が、婦人の健康づくりとしては徹底できると思うのです。それは私の希望です。
 もう一つ、二ページと五ページとの関係です。四ページにも出てきますね。市町村保健婦の問題ですが、四ページで見ますと、五十二年十二月末保健婦数三百八人となっておりますね。五十二年十二月、これはまだ国保の時代ですね。今度は市町村保健婦になったわけですが、市町村保健婦の設置というところで、五十四年度と五十三年度の予算額が挙がっていますが、数は何名ですか。
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杉山太幹#13
○杉山説明員 市町村保健婦につきましてはいま手元に正確な数字は持ってきておりませんが、四千七百ほどだと思います。
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金子みつ#14
○金子(み)小委員 何年ですか。
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杉山太幹#15
○杉山説明員 五十三年です。予算定員は四千七百……。失礼しました。市町村保健婦は、都道府県職員であった市町村保健婦と国保特別会計所属の市町村保健婦で、合わせまして五十二年度時点で七千十九名となっております。
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金子みつ#16
○金子(み)小委員 それが五十三年、五十四年についてわかりますか。
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杉山太幹#17
○杉山説明員 五十三年、五十四年はわかりません。
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金子みつ#18
○金子(み)小委員 わからない。それじゃ、それはいずれ資料としていただきたいのです。
 もう一つ続けて。それをいただく場合に、五十三年から五十四年に一年延びました場合に、何名増員しているかということです。これは数字をいただけばわかるわけですから、数字をいただきたいのです。
 それと、五ページの保健施設費のところの御説明がありましたが、保健施設費というのは保健婦のことですよね。ここでは保健婦の活動のことを言うわけですね。これを主として保健婦の活動として御説明がありました。そこで例(1)の中に出てくるのですが「保健婦ステーションを拠点に、」云々とずっと書いてありますが、保健婦ステーションと厚生省が新しく始められております市町村保健センターとどう違うのですか。
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杉山太幹#19
○杉山説明員 市町村保健センターにつきましては、従来、お話しの出ました保健婦ステーションのような形の施設あるいはその他の市町村における公衆衛生活動の場としての施設があったわけでございますが、一つの例を挙げますと母子保健センター等でございます。そういうふうな施設をさらに発展的に、より効果的な活動ができるようにするために、栄養改善事業の施設あるいは若干のリハビリのような施設等を含めまして、五十三年度から新たに市町村保健センターとして設置したものでございます。したがいまして、五十四年度からは既存の類似施設の改築等の予算も計上されまして、類似の施設について増補改築等をいたしまして、市町村センターとしての機能を果たすことの計画をしているところでございます。
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金子みつ#20
○金子(み)小委員 そうすると、五十四年度からは、保健婦ステーションだとか母子健康センターとか老人何とかセンターとかという名称はなくなるわけですね。使わなくなるわけですね。全部市町村保健センターとして一本化するわけですね。
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杉山太幹#21
○杉山説明員 それぞれ既存の実績もあり経過もあってつくられている施設でございますので、ただいまのところ全部名称の一本化をするというふうなことは考えておりませんが、たとえば母子保健センターを増築等をいたしまして、保健センターとしての母子以外の対人保健サービスができるような事業を実施する、そのようなものについても保健センターとして補助をしていきたい、このように考えているわけでございます。
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金子みつ#22
○金子(み)小委員 私がお尋ねしたのはもうちょっと意味があるのですけれども、従来の名称を使わないで、全部市町村保健センターというようになるのですかとお尋ねしているのです。そうしないと混乱するでしょう、幾つもありますからね。いままでの既設のものを利用して拡充強化したりというようなものがあるわけでしょう。新設もありますね。ですから、いままでの名称で親しんできた人たちには、それが名前が、看板が塗りかえられるようになるのですかとお尋ねしているわけです。
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杉山太幹#23
○杉山説明員 ただいまも申しましたように、こういうふうになじみを持って活動をしておりますし、またそれなりの特異性を持った活動をしておりますので、そういうふうな施設をすべて市町村保健センターという名前に統一したいという考えは持っておりません。
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金子みつ#24
○金子(み)小委員 そうしますと、いろんな名前で呼ばれるようになるわけですね。それがみんな市町村保健センターという厚生省の構想の中に織り込まれるわけですか。扱いとしてはどうなるのですか。
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杉山太幹#25
○杉山説明員 母子保健センターという名称で市町村保健センターの機能を持つところもできるでしょうし、あるいは老人福祉センターという名称のもとで一部市町村保健センターと同じような機能で働くものもあると思います。
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金子みつ#26
○金子(み)小委員 わかりました。——そこまでで結構です。
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浦井洋#27
○浦井小委員 質問と、それからもし手持ちの資料がなければ後で資料提出をしていただきたいと思うのですけれども、内容を列挙しますので一括してお答え願いたいと思います。
 一ページに関連をしてですけれども、この中の循環器疾患検診・保健指導というところに関係をするのですけれども、この中で、特に医療費の増高に関係をして、いま問題になっておるのは腎臓疾患の人工透析がありますね。それが、いろんな推測によりますと、もう五年もすれば八万人くらいが人工透析をするようになる。そうすると、ざっと試算をしても、それだけで二、三千億円というような形になるわけで、よきにつけあしきにつけ、やはり医療費問題としては重大な問題だろうと思うのです。だから、そういう腎疾患の、特に人工透析の現状ですね。大体どれくらいの患者さんがおって、人工透析をされておるのか。それで、医療費がどれくらいか。今後の医学の発展と結びつけて、見通しは、どれくらいの見通しを持っておられるのか。そして、それに対して保険局サイドからどのような対策をいま考えておられるのか。そういう点を、もしここで全部お答えしていただけなければ、あとは資料の提出をお願いしたいというように思います。
 それから同じく成人病関係、循環器関係で、脳卒中なんかが寝たきり老人を発生させる最大の原因だということで大問題になっておりますが、これも腎臓病患者と同じような数字、現状と見通し、それから対策。それから、これからふえてくるだろう糖尿病ですね、これも同じような数字なり見通しと対策。この辺を教えていただきたい。それが第一点であります。
 それから四ページ、五ページに関係いたしまして、健保組合、国保組合、市町村国保などでありますが、四ページでは非常にバラエティーに富んだ活動を各健保組合がやっておられるように思うのですけれども、その中で、やはり五ページに書かれておるようなかっこうで、具体的にここはこんなことをやって、非常にそういう点では保健活動がうまいこといって、結果として医療費が比較的かからずに済んでおるんだというような典型例が恐らくあるだろうと思いますので、その辺のデータをいただきたいということであります。そういうものの内容とデータ。
 それから市町村国保についても、これはいわば農村部といいますか、地方の例が三つほど書かれておるわけでありますけれども、都市部でこういうような成果を上げておるところがあるのかないのか、どんな試行錯誤が行われておるのかというような点についてのデータをいただきたいと思います。
 それから六ページに関係をした問題でありますが、これは数字を教えてほしいのですが、政管と組合健保を合わせて現在の給付率が八八%だというふうに言っておられるわけですが、これを政管と組合に分けて給付率は大体どれくらいなのか、いままで出たことがあるかもわかりませんけれども、ちょっと私の方に見当たりませんので、教えていただきたいということです。
 それから最後の十二、十三、十四ページに関係をいたしまして、いろんな報道によりますと、最近、イタリアでは社会保険方式から保健サービス方式に変わったというふうに、ことしくらいから保健サービス方式になるというような報道があるわけでありますが、これに至った経緯、データつきでその辺をひとつ教えていただきたいというふうに思います。
 それから最後に、きょうのこの資料の前の分にフランスや西ドイツのデータがいろいろあるのですが、その中で、フランスの外来は償還制度になっていますね。これの具体的な、患者の側から見てどういう手続、手順、どういう書類をどこへ持っていってどないして、そしてその結果どこで査定されて、何カ月目にはどういうかっこうで返ってくるのか、いろいろ私も調べてみたのですが、文献がないので、一遍図表にでもして、わかりやすいかっこうで知らしていただきたい。
 以上であります。
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竹中浩治#28
○竹中説明員 最初の人工透析等につきましての現状と将来の見通しの問題ですが、人工透析につきましては、人工透析研究会で出しております資料でございますが、昨年の六月末現在で人工透析の設備が全国で一万一千六百七十一台ございます。これで約三万五千人の方の透析ができるわけでございますが、昨年六月末現在で透析を受けておられます患者さんの数は二万五千二百五十名でございます。
 御承知のように、ここ六、七年非常なピッチで透析の患者さんの数がふえておりますが、将来はどの程度になるか。いま先生から八万人というお話がございましたが、学者の方々の間ではいろいろ御意見があるようでございますけれども、私どもといたしまして、現在のところ、厚生省としての推計の数字は持っておりません。
 この人工透析によります医療費は、御承知のように非常に高額になっておるわけでございますが、私ども前回の点数表の改定の際に、人工透析の、特にダイアライザーの価格がいろいろ問題があるということがございまして、前回の改定の際に透析器の値段、それから技術料等を一本の点数表に直したわけでございますが、現在ダイアライザーの価格の調査を実施をいたしておりまして、それによりまして正確な価格を把握いたしまして、できれば次回の改定には、それに基づいたダイアライザーの値段という形で、適正な物と技術とを分離した提言をしたい。もちろん中医協と御相談しなければなりませんが、大体そういう方向で人工透析については対処していきたいと考えております。
 脳卒中、糖尿病につきましては、現在ちょっと数字を持ち合わせておりませんので、後ほど調べまして資料として御提出いたしたいと思います。
 以上でございます。
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坂本龍彦#29
○坂本説明員 イタリアの、社会保険方式から保健サービス方式に変わったという経緯なりデータにつきましては、何分にも最近の出来事でございまして、私どもいろいろ大使館等を通じて資料を収集しておるのでございますけれども、確実にどういうものが入手できるか、いまの段階ではちょっとはっきりいたしません。入手いたしました限りでお示しをすることにいたしたいと存じます。
 それからフランスの外来の償還制につきましては、わかりやすく図表につくって御説明さしていただきたいと存じます。
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