地方行政委員会

1983-03-22 衆議院 全276発言

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会議録情報#0
昭和五十八年三月二十二日(火曜日)
    午前十時三分開議
 出席委員
   委員長 田村 良平君
   理事 工藤  巖君 理事 中山 利生君
   理事 宮下 創平君 理事 安田 貴六君
   理事 佐藤 敬治君 理事 石田幸四郎君
   理事 青山  丘君
      池田  淳君    臼井日出男君
      小澤  潔君    片岡 清一君
      北川 石松君    塩谷 一夫君
      竹中 修一君    谷  洋一君
      小川 省吾君    加藤 万吉君
      細谷 治嘉君    草野  威君
      岩佐 恵美君    三谷 秀治君
      田島  衛君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 山本 幸雄君
 出席政府委員
        自治大臣官房審
        議官      田中  暁君
        自治大臣官房審
        議官      吉住 俊彦君
        自治省行政局長 大林 勝臣君
        自治省行政局公
        務員部長    坂  弘二君
        自治省行政局選
        挙部長     岩田  脩君
        自治省財政局長 石原 信雄君
        自治省税務局長 関根 則之君
 委員外の出席者
        大蔵省主税局税
        制第三課長   真鍋 光広君
        国税庁直税部法
        人税課長    谷川 英夫君
        厚生省社会局保
        護課長     土井  豊君
        厚生省保険局国
        民健康保険課長 阿部 正俊君
        地方行政委員会
        調査室長    島村 幸雄君
    ─────────────
本日の会議に付した案件
 地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提出第一八号)
     ────◇─────
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田村良平#1
○田村委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、地方税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。加藤万吉君。
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加藤万吉#2
○加藤(万)委員 最初に、今回の税法の改正について、自治大臣に二、三点基本的な考え方について御質問をしておきたいというふうに思います。
 今回の地方税法の改正は、国税と同様に、税制改正の基本的な課題は後に見直しをするということにいたしまして、とりあえず税負担の公平化、適正化を一層推進する観点から税制の見直しを行い、同時にそれは小幅な改正にとどまる、こういう大臣の提案理由の説明でございました。
 いま臨調でも大変増税なき財政再建という言葉が言われているわけでありますが、どうでしょうか大臣、公平適正化の増税、つまり不公平税制の是正のための増税ということは、租税負担率の上昇をもたらすものであっても、増税なき財政再建という臨調の述べている基本的な構想には相反しない、こういうように見てよろしいのでしょうか。大臣の所見をまずお聞きしたいと思います。
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山本幸雄#3
○山本国務大臣 ただいまのお尋ねは、全く先生の御所見のとおりでありまして、私どもは、今回の地方税法の改正につきましては、税率として定額で決まっているものだけについて改正を行ったのでありまして、これは経済情勢あるいは物価、そういうことを考えまして、五十二年あるいは五十三年以降まだ実態に合わない状態に今日なっている、こういう考えのもとに今回の改正を小幅に行ったものでございまして、臨調の申しておりまするとおり、増税なき財政再建という基本的理念には相反してはいない、こういう考え方でございます。
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加藤万吉#4
○加藤(万)委員 今度の税制改正案は、地方税で五百六十億ですね。私は五百六十億という額は決して小さな額ではないと思うのです。それは何千億、何兆という予算規模を持つ地方財政計画ですから、その中から見れば、五百六十億というお金は全体の中に占める比率は少ないにしても、しかし、五百六十億円というお金は決して小さな額ではない。しかも、今度の税法改正の中に法人税の均等割、すなわち地方団体における財政規模の是正といいましょうか、あるいは法人税割が今日の企業収益の落ち込みで大変落ち込んでおりますから、それを補うという意味でも法人税の均等割の額を拡大をした、いわば地方自治団体の財政に対する一種のてこ入れ的要素を持っているというふうに思うのです。
 そこで、いま一つ大臣に基本的にお聞きをしておきますが、今回の改正、国税では三百三十億円、いま申し上げましたように地方税は五百六十億円、地方税が国税を上回ったのは今度が初めて、近年にない改正ではありますが、どうでしょう、臨調では、地方に対する国の権限の移譲という課題を提起をしているわけです。国の権限を地方に移譲して、できる限り地方の自主性、独自性を損なわないように、臨調は基本的答申をしているわけでありますが、これに伴って私は、地方への国の権限の移譲という課題は財政的な措置が一番重要な課題を占めるのだろう、行政上の権限、それを執行するための財政的な裏づけ、したがって財源措置をどのように適切なものにするのか、これが、臨調の基本答申である地方に対する国の権限の移譲という問題についてはきわめて大きな比重を占めると思うのです。
 今度の場合、このような地方への財源の付与の面を含めた地方税法の改正という問題は、先ほど答弁をいただきました増税なき財政再建とも関連がありますが、地方へ移譲したことによって起きる税制の改正、これは増税なき財政再建とはどういう関係を持つでしょうか。いわゆる国の権限の地方への移譲、同時にそれは財源の移譲ということになりますれば、地方税法の改正ということになってこれは増税になってまいります。これは大臣の目から見て、臨調が言っている増税なき財政再建という課題には触れるのでしょうか、触れないのでしょうか。
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山本幸雄#5
○山本国務大臣 地方自治の本旨に沿って地方分権を推進する、あるいは国、地方を通ずる行財政の見直しをするというのが臨調の基本理念でもあり、また、私は、この考え方は今後の地方自治の推進の上においては大きな方向づけであろうと思うのです。その場合、いまお尋ねのように、地方行政についていろいろな改革を目指していかなければならぬわけでございますが、もちろん地方行政の改革と相並んで、これに伴ういろいろな財源措置、つまり地方税財政の改革ということも伴っていかなければならぬものだと思います。
 そこで、今回の臨調の答申の中には、地方行政についてのいろいろな方向づけが確かにございます。その中で、財源問題もまた当然に今後について考えていかなければならぬ問題であろうと私は思うのです。臨調の答申は、そう一年や二年でできないであろう、相当長くかからなければできない問題も私はあると思います。そういうことの推進の中で、中央と地方との財源あるいは税源の配分という大きな基本的な問題も考えていかなければならぬ段階が当然に私は来るであろうと思うのです。
 臨調の目指しておりますのは、増税なき財政再建ということであり、それについては、いわゆる国民の租税負担率をふやすということのないようにという精神であると注釈がついているわけでありまして、これは今後の国と地方との税源の配分という問題とも関連しますが、いま租税負担率は、御存じのように、国と地方と分けて考えてみますと、ある程度はっきりした数字があるわけでございます。その辺のことも今後の大きな検討課題であろう。租税負担率を国民全体としてふやすことのない考え方のもとに、どういう国と地方との税源、財源の配分をするかという課題と取り組まなければならぬものであろう、こう考えておりまして、その限りにおいては今日の臨調の答申と相反するものではなかろう、こう思っておるわけでございます。
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加藤万吉#6
○加藤(万)委員 前段の、今度の五百六十億、いま大臣がいみじくもおっしゃいましたが、租税負担率が変わっていると私は思うのですね。租税負担率は上がっていますよ。最終的な指数は五十八年度終わってみなければわからないと思いますが、租税負担率が上がるけれども、しかし、税の不公平を解消し、そういう面での増税は、額は金額的には少ないけれども、増税なき財政再建とはかかわり合いがない、それは許容される範疇である。それからいま一つ、いわゆる租税負担率の総体の枠を変えずに行政上の権限、同時に、それは地方団体への財源配分を含めてそういう措置というものは、臨調の答申を受けて、長い目では改正あるいは改革をせざるを得ないだろう、こう大臣は御答弁になったわけです。
 私は、これは非常に重要なことだろうと思うのです。確かに今度の地方税法の改正の部分はきわめて少ない部分でありますけれども、しかし、その二つの焦点が、いまこの地方行政委員会あるいは地方団体と国との関係で、そこは臨調の答申を受けても、あるいは今後の地方自治団体との関係を見ても許される、許容される範囲だということになれば、われわれが求めている、たとえば地方における税配分の抜本的な改革を含めて、そういう要素が十分この中に残されている、こういうように私は判断をするわけであります。したがって、これはこれ以上確認する必要はないと思いますけれども、そういう態度はぜひ大臣としてもとり続けて、これからの地方財政に対するさまざまな検討課題に対応していただきたい、こう私は思います。
 次に、今度の地方税法の改正の中で、減税問題が触れてないわけであります。
 これは大臣、御案内のように、今回の国会運営の中を通しまして野党各党から提出をされ、また要請もされて、要求されておりました減税に対する与野党間の話し合い、そして議長見解、さらには官房長官の答弁、こういうことが一連のものとして今国会に表明をされ、結論を得つつあるわけであります。
 私は、この際に聞きますが、まず所得税減税についていま大蔵省ではどのような作業といいましょうか準備、与野党間の実務者会議をこれから持とうということも国会の中では論議をされているようでありますが、官房長官の予算委員会理事会での表明、すなわち「所得税及び住民税の減税についての法律案を、五十八年中に国会に提出する」というこの答弁を受けてどのような作業と手順が行われているのか、まず御説明いただきたいと思います。
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真鍋光広#7
○真鍋説明員 与野党合意に対します政府としての受けとめ方につきましては、先生ただいま御指摘ございましたように、三月二日の衆議院予算委員会におきます官房長官の発言に示されておるところでございます。そこで、財政事情困難な時期ではございますが、政府といたしましては、与野党合意を尊重いたしまして、財政改革の基本的考え方を踏まえつつ減税実施のため真剣に検討を進めてまいる所存でございます。
 どのような作業が行われておるか、進められておるか、こういう御質問でございます。その点に関しましては、与野党合意は財源の確保も含めてなされておるわけでございまして、今後財源問題について税収動向を見きわめ、また、国会におきますこのような御論議を踏まえまして、税制調査会にも御検討願うなど精力的に努力してまいりたい、このように考えておるわけでございます。
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加藤万吉#8
○加藤(万)委員 自治大臣、所得税関係は大蔵省——住民税が当然含まれているわけですね、官房長官のこの表明には。どうでしょう、所管大臣としてこの官房長官の予算委員会における言明をどのようにいまお受けとめになっていらっしゃるのでしょうか。
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山本幸雄#9
○山本国務大臣 この与野党合意の線、その趣旨、あるいは議長見解、さらにそれに続きまして、与野党代表者会議における自民党二階堂幹事長の御発言の趣旨、それに対しまして官房長官がこれを尊重すると予算委員会で御答弁申し上げたいきさつ、それらはすべて私ども承知をいたしておりまして、その線に沿って今後も措置をするように努力をしたい、こういう考え方でおるわけでございますが、ただいま大蔵省の方から国税の所得税についての今後の進め方についてお答えがございましたように、地方税につきましても同じような考え方でございます。
 ただ、一つ申し上げておきたいと思いますことは、国税の場合と地方税の場合とはやはり若干違う点がございます。地方税は地方税のあり方がございまして、それは、まず一つは、地方税の住民税というものは前年度所得を対象にしているという点がございまして、これは国税と地方税の大きな違いであろうと思うのです。そういう地方税の特殊性につきましては、これは国会の方でもひとつ御認識をいただいて、わが方もそういう御趣旨の線に沿うべく努力しておりますということでございますだけに、その辺の御認識はひとつ得ておきたい、こう思っておるところでございます。
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加藤万吉#10
○加藤(万)委員 確かに国税と地方税とは、これは違いますから、自治省として地方税法の改正ということになりますれば、具体的な取り組みの仕方あるいは法案の提出の仕方その他についても、当然違った見解といいますか、ベースは同じにしても法律案としては違った方向が出るのはあたりまえだ。
 いま所得税に関しては、大蔵省の答弁で、税制調査会にかけるというのですが、地方税の改正も五十八年度中に行う努力をする、そういうことを官房長官は言明をされておるわけです。となりますと、五十八年度中に地方税法の改正案を国会に提出するためにどのような自治省としての手順といいますか、これからの作業計画というものは進められていくものでしょうか。
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関根則之#11
○関根政府委員 国税の方につきましてお話がありましたように、所得税法の改正案につきまして政府の税制調査会に御諮問を申し上げるということになりますと、従来から住民税につきましても、税制の改正があります場合には、国税と同じような取り扱いをいたしておりますので、私どもの方の住民税減税案をどうしたらよろしいのかといった問題につきましても、税制調査会の御審議を煩わすことになるものというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、大蔵省と平仄を合わせまして、連絡をとり合いながら、同時並行的に検討を進めていきたいというふうに考えております。
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加藤万吉#12
○加藤(万)委員 大臣がおっしゃいましたように、地方税にかかわる減税を行うとすれば、五十七年度の所得に対してどのような減税措置を五十八年度行うかということになるわけですね。いま仮説の話をしますが、五十八年度中に住民税の国会提出があって、しかも五十八年度中に減税措置を地方税に関して、住民税に関して行うことになりますと、これは方法論は、私は戻し税以外はないのではないか、こう思うのですが、仮説の上に立っての説明ではちょっと恐縮かと思いますけれども、五十八年度の国会で法律を改正して五十八年度中に住民税を減税するということになれば、どういう方法論がありますか。
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関根則之#13
○関根政府委員 五十八年度中に住民税の減税を実施するということになりますと、年度当初からの減税というのは、これは実際問題として、これから減税問題について所得税、地方税を通じて具体的な内容を詰めていくという段階であるわけでございますので、これはとても間に合わないわけでございます。
 ということになりますと、年度途中から実施をするということにならざるを得ないわけですけれども、年度途中からの減税を実施いたしますと、住民税の場合には大変な手間がかかってしまう。これは、単に課税する側、県なり市町村の事務がふえるだけではなくて、納税者サイド、すなわち賃金支払い者の方の事務も大変なことになってしまいますので、従来からも、余り効率のよくない、経費ばかりかかるそういうやり方についてはできるだけやめておいた方がよかろうということで、やめてきた経緯もあるわけでございます。
 なかなかそういうむずかしい問題があろうかとは思いますが、ただいま先生がお話しいただきました戻し税というのも、これは同じように大変な手間がかかるものですから、従来も住民税については実施をいたしておりません。国税で実施をいたしました場合にも、住民税だけはその年度はやっていないというようなことでございますので、御質問も仮定の問題としてということですので、仮定の問題としてお答えを申し上げればよろしいと思いますが、どうもたとえばこうなりますというようなことを申し上げますと、何かいかにもそれが実施されるようなふうに受け取られる心配もございますので、そういう事情を御説明申し上げまして、答弁にかえさせていただきたいと思います。
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加藤万吉#14
○加藤(万)委員 仮説の上で恐縮だということはお断りしての話ですが、そうしますと、五十八年度に住民税に関する減税というものは大変むずかしい、したがって、五十八年度減税を行うというこの官房長官見解は、五十九年度にたとえば還付制度で五十八年度も行う、こういうような形になるのですか、どうでしょうか。
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関根則之#15
○関根政府委員 官房長官がそれを尊重いたしますと発言をなさいましたもとになります自民党幹事長の発言は、あくまでも五十八年中に法案を提出いたします、所得税及び住民税の減税についての法律案を五十八年中に国会に提出する、そういう確約があったということでございまして、それを私どもといたしましては、官房長官の発言のとおり、その実現のために最善の努力を尽くすということではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。
 具体的にその提出をいたしますという確約をした法律案が、これから内容的にどういうものになっていくのか、それはこれから詰めていかなければいけない。先ほど申し上げましたように、場合によりますと税制調査会の審議等も煩わさなければならないという必要性もあろうかと思いますので、そういう形でこれから内容を審議し、詰めていくという段階でございますので、五十八年中に法律案を提出すると申しましたことそのことが、直ちに五十九年度において還付の形で五十八年度分の住民税の減税をやるかどうかということまで決めているものというふうには考えておりません。したがって、現時点において、五十九年度になって五十八年度分の還付をするということも申し上げられないような状況でございます。
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加藤万吉#16
○加藤(万)委員 私は、法律案が五十八年度に提出されるのはここに書いてあるとおりですから、それを言っているのじゃないのです。あなたが先ほど答弁された、仮説の上に立って五十八年度中に住民税の減税をするとするならば、どんな方法があるでしょうか。それはなかなかむずかしいのです。五十七年度の所得もありますし、住民税に関しては確定申告もございませんから、となれば、五十八年度に住民税を減税する方法論としては、五十九年度に還付の制度しかないのじゃないですか。あるいはほかに方法がありますかということを聞いているのです。したがって、法律案がどういう形でできるか、それは今後の問題ですから、これは内容はそっちに置きます。仮説の上に立ったそういう方法論としてやる場合には、還付の方法しかないじゃございませんか、あるいはほかに方法があるのですか、やるとすれば。その辺を聞きたいのです。
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関根則之#17
○関根政府委員 あくまでも仮説の問題といたしまして、前年度すでに行いました住民税の課税につきまして、それを還付するという方法はできないことはない。どんな犠牲を払ってといいますか、どんなに手間をかけてでもやれというのであればできないことはないと思いますけれども、住民税の場合には、課税団体の中に住所を有する人にのみ課税権が及び、かつ還付をする場合にもその人に還付していく、その人が住所を移転した場合には別の団体がどうするのか、団体間の移動というものが非常に数が多くなってまいりますので、なかなか大変な手間がかかってくる。そこに所得税とは違った住民税の悩みがあるわけでございまして、そういう意味から、税の還付というやり方での減税というのは、実際問題として大変むずかしい。理論的に絶対ないかと言われれば、それは理論的にはないことはないとお答えせざるを得ない。先生が特に仮定の上に立ってというお話でございますので、そういうことになろうかと思いますが、実際論といたしましては、住民税について還付制度で処理をしていくということは非常にむずかしい問題だというふうに考えております。
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加藤万吉#18
○加藤(万)委員 還付がむずかしい、五十八年度中に住民税の減税の方法論もむずかしいということになると、五十八年度中に住民税に関する減税を行うという法律案がつくれないということになりますか。先ほどおっしゃいましたように、確かに五十八年度中に法律案は提出しますよね。しかし、減税を行う年月あるいは方法論についてはその法律案の中に盛り込まれてくるわけですから、これからの問題ですけれども、いまのお話をずっと集約していきますと、結局住民税に関する減税は五十八年度中にはむずかしいということになるのですか。そういう法律案をつくるのはむずかしいということになるのですか。
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関根則之#19
○関根政府委員 住民税の年度途中においての減税というのは、事務的にいろいろむずかしいということを先ほどから申し上げているわけでございますが、いま先生の御質問のお言葉にありましたように、五十八年中に住民税の減税を実施することがやれないことだということは、いまの時点でわれわれの方から申し上げることは、やはり非常に問題があろうと考えております。
 あくまでも与野党合意の趣旨に沿って、できるだけ早く減税を実施することについてこれから最善の努力を尽くしますと官房長官も言っておるわけでございますから、われわれはいろいろむずかしい条件があるということは申し上げます。しかし、そういう条件の中でも何か解決策がないかということを私ども自身が考えていかなければならない立場に置かれているものと考えておりますので、五十八年中の住民税減税一切もう無理ですということを申し上げるべきではない。非常にむずかしい問題ではありますが、何らかの解決策がないかということをなお引き続き私どもとしては研究をし、検討を続けていかなければならない問題ではなかろうかと考えております。
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加藤万吉#20
○加藤(万)委員 大臣、いまのやりとりでおわかりのように、従来減税措置を行った場合に、御説明ありましたように住民税に触れなかったのです。それほどむずかしいのです。ただ、官房長官は前自治大臣ですから、官房長官が予算委員会の理事会で表明された所得税法、地方税法の改正について努力をするということは、この字句は当然経験の上に立って挿入されたと思うのですね。むずかしいことは百も承知なのです。したがって、五十八年度にその法律案を提出をする際には、いま御答弁がありましたそのむずかしい条件を踏まえた上でなお地方税法改正を入れたわけですから、大臣、ここはひとつぜひ踏ん張っていただきたいと思うのです。
 恐らくいずれ税調でも出ましょうし、あるいは閣議でも法律案の提出段階でこの問題は出てくる課題だと思いますので、ぜひその点、いま御答弁がありましたことを十分留意しながら、なお五十八年度に住民税減税が行われるように、本来ならばわが党が提出しておりますようにここで税法の改正をすべきだと私は思うのです。でなければいま事務当局からおっしゃっているようになかなかむずかしいことがあるわけですから、ひとつしっかりと肝に銘じていただいて、むずかしい条件を踏まえながらもなお減税問題に対する地方税法の改正について御奮闘いただきたいと思います。
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山本幸雄#21
○山本国務大臣 ちょっと私から御答弁しておきます。
 いま税務局長から御答弁を申し上げたわけでございますが、先ほど申し上げましたように、今回の減税の趣旨については私どももしかと受けとめておるわけでございまして、前向きにひとつ検討をさせていただく。しかし、予算委員会における大蔵大臣の答弁もたびたびございましたが、私どもの地方税でも、たとえば財源をどうするかという問題、これは考えていかなければならぬ問題だ。それに地方税としましてはもう一つ、国の方で所得税の減税をいたしますと必ず交付税に三二%がはね返ってくるという問題があるわけでございます。
 加えて、いま地方税法の住民税の減税について五十八当該年度で実施をするということについて所得税とは違った事情があること、これは官房長官もよく知っているはずだとおっしゃいますが、加藤先生もこうやって長年地方行政をやっていただいておるわけでございますから、その辺の事情は先生もよく御存じであろうと私は思うわけでございます。いままでに住民税の減税を当該年度にやったことはなかったのじゃないかと思うので、それだけに初めての事柄になりそうだ。ただいま税務局長という立場から申せば事務的になかなか問題がありますということを申し上げたわけでございます。
 私どもとしましては、今回の減税の与野党間の合意の趣旨にのっとりまして、今後むずかしい問題はたくさんありますが、極力勉強していかなければなるまいとは思っております。ただ、事務的に一体どういうことになるのか、まだそこまでの深い検討はいたしておりませんので、もう少し勉強の時間を与えていただきたいと思っておるところであります。
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加藤万吉#22
○加藤(万)委員 次に、法人税の均等割の先ほど申し上げました増税問題について御質問をします。
 私は、実は今度の税法改正、二つの側面があるのではなかろうかと思ったわけです。その一つは、欠損法人の割合が大変拡大をいたしました。その結果として法人税収入が大変少なくなる。地方団体の場合には、御案内のように、法人税割で大変多くの財源をそこに求めているわけですから、それを補うという側面が一面にあって法人税の均等割の拡大をされたのではないか、これが一つの見方ですね。いま一つの面は、法人税全体が少ない、その法人税全体の少ないものを、地方団体を含めて国全体の財政上の穴埋めといいましょうか、あるいはある意味での均衡をとる側面をもって今度の均等割の改正がなされたのではないか、こう見ているわけです。ただ、それにしては金額的にも数字的にも余りにも合わないと実は思っているわけです。
 どうでしょうか、今度の法人税の均等割の増税について、基本的にはどういう観点からこの法律案の改正を提起されたのでしょうか。
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関根則之#23
○関根政府委員 法人住民税均等割の税額の調整を御提案申し上げているわけでございますけれども、その考え方につきましては、先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、これは定額で課税をいたしておるわけでございますので、政府の税制調査会におきましても、前々から、定額課税につきましては、物価水準の上昇なりあるいは国民所得の上昇並びに経済社会情勢の変化、そういうものをにらみ合わせまして適時適切にその見直しを行うべきであるという御答申をいただいております。そういった基本的な考え方に立ちまして、五十三年度に引き上げまして以来据え置きになっておりまして五十八年度で五年目になるわけですか、そういう時期に参りましたので、この際見直しをさせていただくということにしたわけでございます。
 あくまでも基本的には物価、所得等の上昇に見合った税額の調整というふうに考えております。しかし、先生御指摘がありましたように、一方で赤字法人の数が非常にふえてまいりまして、全法人中約半分が赤字であるというような最近のデータも出ておる状況の中で、赤字法人が、たとえば資本金一千万以下の小さな企業では住民税一万円払えばそれで終わりということになっている、これはおかしいではないかというような意見が各方面から出ております。そういったことに対しての配慮も私どもとしてはしたつもりでございますけれども、しかし、赤字欠損法人に対する課税のあり方を変えてしまうほどの改正をこの均等割の税率調整で行うということは、もともと無理なわけでございます。
 法人関係税収につきましては、地方税として昭和五十六年度に五兆円入っておりますけれども、法人均等割はそのうち五百億程度でございまして、わずか一%にしかすぎないわけでございます。この一%の部分を多少引き上げてみましても、全体の法人関係税の法人の税負担のあり方を変えていくというものにはほとんど役に立たないといいますか、改善をしたというほどの実績を上げるわけにはいかないものであるわけでございます。そういう意味におきまして、最近の法人税収というのは確かに落ち込んでおりますけれども、この落ち込みを全体として引き上げていくとかそれを補強していくとか、そこまでの役には残念ながらとうてい立ち得るものとは考えていないわけでございます。
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加藤万吉#24
○加藤(万)委員 御説明のとおりだと思うのです。ただ、地方団体は、企業はいずれにしても活動しているわけですから、企業活動に対する社会的な行政的なサービスというのは当然あるわけなんで、仮に赤字企業であろうと、これらに対する行政上の需要、それにはこたえなくてはならぬわけですね。したがって、私は、一面ではその側面を持ちながら均等割を上げられた、実はこう見ているわけです。これは恐らく正しいと思うのです。
 ただ、それにしては余りにも額が少な過ぎるのではないか。したがって、おっしゃるように企業全体が持つ社会的な制約というものはありますから、均等割だけで、たとえば一%五百億の額をいかに上げてもいま言ったようなものには追いつかない、その点もわかりますよ。したがって、やはりこの際は外形課税という課題をいま一遍検討すべきではないか、私はこう思うのです。わが党はかねがねから、企業の行政的需要にこたえるものはやはり外形課税、そういう形のものでなければ安定した財源として地方団体はその需要にこたえることができない、こう考えているわけです。
 そこでお聞きをしますが、どうでしょう、本年度の法人税の見通しですが、これはまず大蔵省の方にお聞きをしますが、五十六年度、五十七年度それぞれ大変な見通しの誤り、結果的には地方財政に対する大変な負担あるいはこの見込み誤りからくる行政上の問題を惹起したわけです。法人税の見通しについては、大蔵省、五十八年度どうお考えでしょうか。
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真鍋光広#25
○真鍋説明員 法人税の五十八年度の見通しにつきましては、五十七年度補正後の予算九兆五百六十億円に対しまして四・九%の伸びの九兆四千九百七十億円ということを見込んでおるわけでございます。
 この見込みの仕方につきましては長い伝統があるわけでございますけれども、政府経済見通しの諸指標や課税の実績等基礎といたしまして、個別に積み上げて見積もっておるわけでございまして、五十八年度につきましても、現時点で見込み得る最も適正な見積もりであるというふうに考えておるわけでございます。
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加藤万吉#26
○加藤(万)委員 法人税が四・九%、法人税割の地方の税収の伸びはどのくらいに見ています。
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関根則之#27
○関根政府委員 地方税につきましては、法人税割が三・一%、法人事業税が三・二%の伸びで見込んでおります。ただ、これは改正増減を含めた数字でございますので、改正増減前の数字におきましては、法人税割が三・二%の伸び、法人事業税が三・三%の伸びということでございます。
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加藤万吉#28
○加藤(万)委員 各地方団体が、三月議会を通しまして、予算がそれぞれ提起をされています。私は神奈川県ですから、神奈川県の例を申し上げますと、一〇〇を切っているわけです。たしか九六ぐらいではなかったかと思うのです。神奈川県といえば、御承知のように大変な工業県です。しかも、法人税では比較的産業規模で落ち込みが少ない電機とか自動車があるわけです。ここで九五か六ですよ。そうしますと、いまの法人税割、大蔵省からいけば、法人税割四・九%ないしは法人事業税でいけば三・二、一〇三ですね。大丈夫ですか。これはどうでしょう。
 私は、実は調査室の方からもいろいろな資料をいただいて、勉強さしていただいたわけです。その結果、超過課税について、実はGNPとの比較弾性値をも勉強させていただいたわけですが、超過課税について含まれてないということで、後で政府委員の方から修正はいただきましたけれども、いま言ったこの税収の見込みが一体大き過ぎるのか、それとも当初にいただいたこの調査室の資料でいきますと、どう見ても税の収入見込みが少な過ぎるという感じを実は持ったのです。ただ、超過課税その他を含めてまいりますと、弾性値の数字はプラス、たとえば法人税割で〇・三〇四、法人事業税で〇・三三九、こうなっていますから、なるほどそうなるのかなと実は思ってもみたんですが、どうなんでしょうか。
 法人税関係は、五十六、五十七年度と大変手痛い目に遭っていますから、相当慎重に、しかも積算の基礎をきちっとしませんと、地方財政は再びこの五十六、五十七年度の過ちを犯すような気がするのです。見込みが過大なんでしょうか、過小なんでしょうか、どうでしょう。
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関根則之#29
○関根政府委員 神奈川県の例についてお話があったわけでございますが、これは前年度の当初見積もりに対しての五十八年度の当初見積もり、当初、当初の対比でございますから、五十七年度の年度途中での落ち込みをカウントしてない数字ではなかろうかというふうに考えております。私が先ほど申し上げました地方団体全体としての法人事業税等の見込みの伸び率は、五十七年度の総額で一兆二千九十二億円の減収を前提として、それを下へ下げまして、下げたベースからのアップ率を申し上げたわけでございまして、この見積もりが過大見積もりなのか、それとも逆に過小見積もりなのかというお尋ねでございます。
 私どもが地方の法人関係税の見積もりをいたしますときには、もちろん経企庁で出しております経済見通し等参考にいたしますが、やはり直接的には法人関係税のもとになっております法人税の見積もりを具体的にどう組むかという大蔵省の資料というのが非常に大きな要素になるわけでございます。全体的に眺めますと、先ほど大蔵から答弁がありましたように、法人税の伸びが実質で四・九%、いわゆる落ち込み後の発射台から比較して四・九%、それに対してわが方が事業税で三・二%でございますので、国税よりも相当低目に見積もっているわけでございます。
 これはこれでまた必要があれば詳しい説明も申し上げますが、二月、三月期の決算の入る年度が国税と地方税で違うというような要因がございまして、これはこれで理由があって下げているわけでございます。国の昭和五十八年度の経済成長率が名目で五・六%組んでいるわけでございますので、私どもの三・三%をストレートに国のGNPの伸び率と比較いたしますと、弾性値では〇・五八という数字が出るわけでございまして、その程度の数字でございますので、どちらかと言われれば、私どもとしては現時点で見込み得る最善の見積もりをしたというふうに考えております。高過ぎも低過ぎもしない、堅実でかつ適切な見積もりではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。
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