証券及び金融問題に関する特別委員会

1991-09-25 衆議院 全241発言

⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

会議録情報#0
平成三年九月二十五日(水曜日)
    午前十時一分開議
出席委員
  委員長 大野  明君
   理事 衛藤征士郎君 理事 戸井田三郎君
   理事 中村正三郎君 理事 穂積 良行君
   理事 松永  光君 理事 加藤 万吉君
   理事 中村 正男君 理事 草川 昭三君
      浅野 勝人君    粟屋 敏信君
      遠藤 武彦君    尾身 幸次君
      奥田 敬和君    金子 一義君
      木村 義雄君    笹川  尭君
      田中 秀征君    津島 雄二君
      野田  実君    松本 十郎君
      村井  仁君    村上誠一郎君
      山下 元利君    小野 信一君
      大木 正吾君    沢田  広君
      仙谷 由人君    筒井 信隆君
      細谷 治通君    堀  昌雄君
      松浦 利尚君    水田  稔君
      渡辺 嘉藏君    日笠 勝之君
      冬柴 鉄三君    正森 成二君
      中井  洽君    楢崎弥之助君
  出席国務大臣
        法 務 大 臣 左藤  恵君
        大 蔵 大 臣 橋本龍太郎君
  出席政府委員
        警察庁刑事局長 國松 孝次君
        法務省民事局長 清水  湛君
        法務省刑事局長 井嶋 一友君
        大蔵大臣官房長 篠沢 恭助君
        大蔵省理財局長 寺村 信行君
        大蔵省証券局長 松野 允彦君
        大蔵省銀行局長 土田 正顕君
        国税庁次長   冨沢  宏君
 委員外の出席者
        参  考  人
        (東京証券取引
        所理事長)   長岡  實君
        参  考  人
        (日本証券業協
        会会長)    渡辺 省吾君
        参  考  人
        (日本証券業協
        会専務理事)  関   要君
        参  考  人
        (日本銀行理事)福井 俊彦君
        証券及び金融問
        題に関する特別
        委員会調査室長 兵藤 廣治君
    ―――――――――――――
委員の異動
九月二十五日
 辞任         補欠選任
  水田  稔君     筒井 信隆君
同日
 辞任         補欠選任
  筒井 信隆君     水田  稔君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 証券取引法及び外国証券業者に関する法律の一
 部を改正する法律案(内閣提出第四号)
     ――――◇―――――
この発言だけを見る →
大野明#1
○大野委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、証券取引法及び外国証券業者に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 本案審査のため、本日、参考人として日本証券業協会会長渡辺省吾君、日本証券業協会専務理事関要君及び東京証券取引所理事長長岡貴君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →
大野明#2
○大野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
この発言だけを見る →
大野明#3
○大野委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。衛藤征士郎君。
この発言だけを見る →
衛藤征士郎#4
○衛藤(征)委員 自民党の衛藤征士郎であります。
 証券取引法及び外国証券業者に関する法律の一部を改正する法律案につきまして若干ただしたいと思います。
 冒頭、この法律案は内閣提出であるということをまず最初申し上げておきたいと思うのでありまして、その立場から大臣に冒頭確認をしておきたいことがあります。
 まず、大臣の外遊日程につきましてお尋ねしたいのでありますが、今後の大臣が予定しておる外遊日程についてまずお答えを願いたいと思います。
この発言だけを見る →
橋本龍太郎#5
○橋本国務大臣 突然のお尋ねでありまして、外遊日程というお話でありますが、今日本政府として大蔵省関係、大蔵大臣の出席の要請のあります国際会議といたしまして確定をいたしておりますのは、十月の十三日からIMF・世銀総会がバンコクにおいて開催をされることになります。これは十三日、細かい日程記憶をいたしておりませんが、多分朝から暫定委が予定されておると承知をしております。
 これに関連をいたしまして、その直前に幾つかの会合がうわさをされておりますし、それらの会議の方向あるいは時期、現時点において確定をいたしておる状況ではございませんけれども、仮に求められれば日本として出席をする必要のあるものはあり得る。ただ、現時点において確定をいたしております国際会議は、IMF・世銀総会が十三日からということでありまして、その前後につきましてはなお流動的な要素を残しておりますので、確定した日付は、まだ正確はお許しをいただきたいと思います。
この発言だけを見る →
衛藤征士郎#6
○衛藤(征)委員 ただいま大臣から最も直近の外遊日程といたしまして、十月十三日からIMF・世銀総会等がバンコクであるというようなお答えでありますが、私は大臣に確認をしたいことは、このIMF総会はもちろんでありますが、今後実力者の、またベテランの大臣として国際的にも高く評価されておる橋本大蔵大臣であるがゆえに、こうした国際会議を日本政府を代表して、私は、リーダーシップを発揮し、またこの国際会議を牛耳る立場にあるのが日本の大蔵大臣である橋本大蔵大臣である、このように思っておるわけであります。それにもかかわりませず、時々マスコミ、新聞、テレビ等々におきまして大蔵大臣のいわゆる進退についての報道が散見するものでありますから、大変心配しておるのであります。
 まして、今回これだけ世間をお騒がせいたしました証券・金融不祥事、この総括をせねばならぬ。とりわけ証券問題につきましては、大臣みずから御提出されました証券取引法の一部改正案についての早期成立を図らねばならぬ。まさに法律案の提出者であり、また生みの親となるべき立場の方であります。それだけに、この法律案成立後は担当大臣としてしっかりこの法律施行の後のすべてについて取り仕切ってもらわねばならぬ、このように考えるのであります。
 せっかくこの法律案が成立した後は、やはりそれぞれ皆さん、船には出港すれば必ず帰ってくる港があるわけでありまして、いわゆる母港でありますが、私はこの証券取引法の改正案につきまし
 てはしっかりとした母港を持たせてやりたい。いわゆる出港したこの法律案、出ていった船が安心して帰ってくる港、母港を我々はつくるんだという、そういう気概で私は今質問したいのでありますのでありますから、大臣におかれましては、まかり間違ってもマスコミ等におきましてただいま申し上げましたいわゆる進退云々というようなそういう記事が散見しないように、海部内閣の重鎮として内閣の続く限りしっかりとその責任を果たしてもらうようにお願いを申し上げたいと思います。いかがでありましょう。
この発言だけを見る →
橋本龍太郎#7
○橋本国務大臣 出処進退はみずから決することでありますが、友情にあふれたお言葉として承らせていただきました。
  いずれにいたしましても、大蔵省として今回の証券関係の一連の問題の再発防止のいわば第一歩を踏み出す今回の証取法の改正であり、この後次々に我々は努力をし、二度と再びこうした事態を起こさず、一また市場が信頼を取り戻すための努力をしていかなければなりません。どうぞ、息の長い努力が必要になると考えますけれども、大蔵省の事務方が全力を尽くしてまいれますような御指導、御協力を心からお願いを申し上げます。
この発言だけを見る →
衛藤征士郎#8
○衛藤(征)委員 大臣の力強い重ねての決意を承りまして安心をいたしました。
 それでは、若干の質問をさせていただきます。
 昨日の私どもの委員会におきまして、九一年三月期のいわゆる損失補てんにつきましての公表が証券業協会からなされました。四百三十五億円、四大証券で延べ七十八法人、こういうことでありました。
 大変この件につきましてはショックを受けておるのでありますが、それは、平成元年十二月二十六日、証券局長通達におきまして損失補てんの禁止、また一方で営業特金の整理を証券会社に求めたということは御案内のとおりでありますが、なぜ証券局長通達が出された後も、しかも通達が出されまして三カ月たち、その後の約一年間におきまして、この九一年三月期に四百三十五億円もの損失補てんがなされたのか、なぜだろうか、このように考えるのであります。また、先般衆参国会においでをいただきました四大証券の幹部の皆さんは、この時期については損失補てんはないものと思うというような御意見も開陳されたのでありまして、それにしても余りにもこの事実との乖離が大きいわけでありまして、納得できないのであります。
 私が思うに、損失補てんの禁止と同時に営業特金の整理を求めるという二律背反のことを証券会社に求めた、このことが問題の一因でもあったのかなと思うのではありますが、しかし、大蔵省の通達行政に対する証券業界の取り組みといいますか、認識といいますか、そういうものが余りにも無責任過ぎるという感じがするのでありますが、この点について、まず大蔵大臣の御所見を承りたいと思います。
この発言だけを見る →
橋本龍太郎#9
○橋本国務大臣 昨日、中間報告をさせていただいたわけでありますが、確かに委員が御指摘のとおり、平成三年三月期の補てんというものが私自身が想像していたよりもはるかに大きなものでありましたし、私自身何とも言えない思いで御報告をさせていただきました。
 いわば通達あるいは行政指導といいますものは、本来、お互いの間に信頼関係があって、その上で成立するものであると私は思っております。そして、従来において、まさに証券局関係におきましてもその基本的信頼関係というものはあったのだと私は思います。ところが今回、一連の新たに出てまいりました補てんというものを考えてみましても、その信頼関係というものは既に存在しないと言わざるを得ない気持ちが私にはいたしております。そして、それが存在しないとなれば、法律による措置を真剣に私としては考えざるを得ません。
 その中で、当面速やかに御審議をお願いを申し上げたいと考えましたものは、現在の証取法の中に御審議をこれからいただくわけでありますが、これから後に、例えば現在行い始めております通達の見直しの中で、新たに法律に移しかえるもの等、あるいは法制審の御審議が終了した段階における刑罰の内容の変更等、引き続きこの法律自身につきましても私は院の御協力を得なければならない場面が発生すると考えております。
 いずれにいたしましても、信頼関係の上に成り立つ通達行政、行政指導というものの根底が崩された、その思いを今強くいたしております。
この発言だけを見る →
衛藤征士郎#10
○衛藤(征)委員 私は、証券業界並びに日本の証券市場を支えてこられた皆さんが、戦後日本の輝かしい復興に大きく貢献し、またその一翼を担ったということもしっかり認識をしております。まさに、それは大きな光の部分である。しかし、一方では今指摘されているような深い黒い影の部分もあるわけでありまして、この双方のことを考えてみるに、ただいま大臣から御指摘のありました双方の信頼関係、そういうものが今一番揺らいでいる、またそれが喪失してしまいつつあるのではないか、こういう感じがしてなりません。
 昭和四十九年十二月二日に出されました証券局長通達「投資者本位の営業姿勢の徹底について」、これは昭和四十九年の通達でありますが、日本証券業協会会長あてにこういう内容で出されております。
 最近の証券会社の営業姿勢をみると、収益の向
 上を急ぐあまり投資者の利益を軽視した過当勧
 誘、過当競争を行い、その結果、投資者の信頼
 を失う事例がなお見受けられることは誠に遺憾
 である。証券会社のこのような営業姿勢は、一
 般投資者を証券市場から離散させ、ひいては証
 券市場の健全な発展に重大な悪影響を及ぼすお
 それなしとしない。証券会社は、この際、従来
 の営業姿勢について真剣に反省し、投資者本位
 の営業姿勢を一層徹底する必要がある。このような通達が出されておるのであります。
 これほどの通達が出されるという背景には、私は、ただいま大臣が指摘されたようなことがこの昭和四十九年の時点におきましてもあったのではないか、このように懸念をするのであります。大きな光の部分、それはそれで評価します。しかし、一方でこういうような問題点をはらみながら今日の時点に相至った、その責任は一体どこにあるのかということであります。
 確かに、この免許制のメリット、そういうものも私は是とする立場に立っておるのでありますが、一方で、そのことが寡占状態を生むことにならなかったのか。また、手数料の固定化、このことが一方では損失補てん等々の問題を引き起こす温床にならなかったのか。いろいろのことを考えてみるときに、私は、監督、指導、育成した証券局、一方におきまして過当競争に陥らざるを得なかった業界、そういうところの二律背反、ジレンマ、そういう影を引きずって、今日、日本の証券市場はある意味では急成長してきたのではないか。その辺のところについての反省を大いに我々はしながら、これから新しいスタートラインに立って、国際的にも信頼され、まず国内にも信頼をされるようなそういう市場の回復、また投資者の信頼回復を得るためにも、大臣仰せのとおり、私は一刻も早くこの証取法改正案、これを成立させねばならぬ、このように考えておるのであります。
 証券局長にお尋ねいたしますが、もし通達ではなく、損失補てんを禁止した法律が現存しておったならば、今次の事態は引き起こされたのかどうか、証券局長としての所見をまず伺っておきたいと思います。
この発言だけを見る →
松野允彦#11
○松野(允)政府委員 お尋ねの点でございますが、確かに現在の証取法は損失保証だけを禁止しておりまして、損失補てんをずばり禁止している条項がないわけでございます。
 私の考えと、こういうお尋ねでございますので、個人的に私の考えを申し上げさせていただきますと、やはり法律に明示されていれば、それの方が抑制力が強く働いたというふうには考えるわけでございます。もちろん、行政指導というものも、免許制のもとで当然尊重してもらうという前提で私ども行政を行っているわけでございまして、その行政指導に背くというようなことになりますと、それは私どもの行政の根底が崩れるわけでございますので、そういった意味からいいますと、行政指導といえども、私どもとしては法律と同じような態度で遵守をしていただきたいということを考えるわけでございますが、仮に法律で規定されていればというお尋ねでございましたら、法律違反になりますとこれは正規の行政処分が可能になるわけでございますし、法律違反行為というものに対する抑制効果といいますか、そういうものを犯さないという抑制効果は営業の一線についても、法律というものが明示的に示されている以上、行政指導に比べればかなり抑制効果が大きいということは言えるんではないかというふうに思うわけでございます。
この発言だけを見る →
衛藤征士郎#12
○衛藤(征)委員 私は、証券局長から明快に、しっかりした法律があれはこういうようなことは起こらなかった、そういうような答弁が即座に返されるものと思ったのでありますが、今局長のお話でありますと、やや、何といいますか、証券局長、証券局として業界の育成、指導、信頼関係、そういうものをおもんぱかった発言であることはわかりますが、私は、法律というものは、罪刑法定主義にある法律というものは、しっかりと鮮やかに明快に浮き彫りにされるものだ、そしてしっかりとそれが機能、ワークするものだ、それが法・律だ、このように思っております。
 さて、証券局長にお尋ねいたしますが、現在の証取法改正の中で、さらに証券取引法の中で証券局長がお考えになって、これはやや完全にワークしてない、死文化とは言いません、ワークしてない、あるいは解釈がなかなか難解で罪刑法定主義にすぱっとなじまないようなものがあるとか、あるいはこの法律については証取審の方にお出しをして、これを審議し、手を加えてもらわねばならぬというような、そういうような法律、条項ございましたら御指摘をいただきたいと思います。
この発言だけを見る →
松野允彦#13
○松野(允)政府委員 証取法の中で、率直に申し上げまして非常に適用が難しいといいますか、構成要件等からいたしまして適用が難しいと考えております法律条項は、まず五十八条の不公正取引の禁止というのがございます。それから百二十五条。百二十五条につきましては幾つかの事例があり、裁判係属中のものがあるわけでございまして、そういう判例の中で解釈が明らかになってきている過程でございます。したがいまして、一概に法律が使いにくいということを申し上げるというわけではございません。ただ、運用上、私どもがいろいろ証券会社を検査いたしまして、例えば五十八条なり百二十五条というものを適用いたそうといたしますと、なかなかそれに該当するような事実関係を把握するのが難しいということは事実でございます。
 そういった観点から、私どもとしては、まず法律改正ということではなくて、五十八条なり百二十五条の運用というものを一体、検査で集めた事実を当てはめて、運用でできないのかどうかという点をまず議論していただくということが出発点になろうかと思うわけでして、証券取引審議会の場におきましても、まず、今申し上げたような条項を実際に運用することについてどういう問題があるのかという点を議論をしていただき、さらに、どうしても運用上問題があるということであれば、法律の構成要件を変えるというような議論にもなろうかと思いますが、私、今問題意識を持ってぜひ証取審で議論をしていただきたいと思っておりますのは、百二十五条、それから五十八条というような条項でございます。
    〔委員長退席、松永委員長代理着席〕
この発言だけを見る →
衛藤征士郎#14
○衛藤(征)委員 今証券局長のお答えの百二十五条並びに五十八条、この適用、運用というのが難しい面もある、こういうことでありますが、今次発生しておりますところのこの証券不祥事、とりわけ株価操縦等の問題、あるいは健全性の問題等々、こういうことは多くの国民がこのことに関心を持っておるわけでありまして、この辺のところを、また後ほど同僚の議員が指摘すると思いますが、十分な、見直しが必要であれば見直すなり、そういうことを証取審の方にもひとつ提出をして、このことについての適用あるいは運用の公正を期していただくようにお願いをしておきます。
 次に、大蔵大臣にお伺いをいたしますが、いわゆる再発防止策の全体像につきまして、大臣はどの、ようにお考えであるのか、お尋ねをいたしたいと思います。
この発言だけを見る →
橋本龍太郎#15
○橋本国務大臣 本院におきましても、この一連の証券によって発生いたしました事態の中から、私は五つの問題点、原因というものを申し上げてまいりました。そして、長々と申し上げるつもりはございませんけれども、取引ルールそのものが明確性を欠いていた、ペナルティーが軽過ぎた、そして、検査・監視の体制が十分にワークしていたかどうか、さらに、顧客の自己責任というものについての認識の問題、そして、行政のあり方、大きくそのように申し上げてきたわけであります。
 そしてその中には、今御審議をいただいております証取法改正をいわば第一の段階として、次々に我々が努力をしなければならない問題がございます。先ほど申し上げました通達の見直し、そして法律に移すべきもの、業界の自主ルール、自主規制にゆだねるもの、そしてこれを明確化すると同時に、今後、口頭による通達というものを廃止したいという考え方、さらに、私たち自身で作業をスタートをいたしましたが、その後総理の御指示があり、行革審に御検討をゆだね、先般、大蔵省の立場からいたしますと大変厳しい内容でございますけれども、検査・監視体制のあり方について行革審からの御意見をちょだいをいたしました。これは私どもとして、年末の予算編成までにきちんとしたものとして皆さんにお目にかけ、同時に次年度予算の中にその結論を盛り込んでいかなければなりません。さらに、例えば手数料の問題、あるいは参入の問題、さまざまな問題が提起をされております。
 いわば同時並行の形で私どもはこれらに対しての答えを出していかなければならないわけでありまして、今、例えばこの問題についてはいつまでにと明確なお答えを申し上げるだけ我々は作業をまだ進め切れておりませんけれども、少なくとも通達の見直しとそれに関する措置というものは、行革審から次期通常国会にという御指示を受けておるわけでありますし、検査・監視体制のあり方につきましても、当然のことながら予算編成というものをいわば終点として結論を出し、その後所要の手続をとっていくもの、そのように考えております。
 さらに、自主ルールにつきましては、取引所におかれましてもあるいは証券業協会におかれましても、既にそれぞれのお立場で研究を開始し、一部は既に実行に移そうとしておられると承知をいたしておりまして、これらを同時並行的に進めていく責任が私どもにある、そのように認識をいたしております。
この発言だけを見る →
衛藤征士郎#16
○衛藤(征)委員 ただいま大臣の指摘されました五点のことでございますが、とりわけ行政サイドの責任問題でございますが、いわゆる監督不十分あるいは指導の徹底を欠いておる、こういうことを言われております。そういう中に、よく天下りの問題、こういうのが出まして、天下りをしておるからその指導やあるいは監督に手心が加えられるのじゃないか、こういうことが一般に言われておるわけであります。これは大変気になる問題でございまして、その辺のところをすっきりさせておかなきゃならぬと思うのです。
 例えば外国におきましても、アメリカにあっても、フランスにあっても、イギリスにあっても、どこだって西欧先進諸国でも天下りというのはあります。しかも外国の例は、天下りというのは極めていわゆる経験が浅い時期といいましょうか、例えば五年、十年、この段階でも大いに業界の方に行ったり帰ったり、こういうことがあるわけでありますね。我が国は、どちらかといいますと、この天下りというものがやや人生功成りて相遂げてというこういう感じから、定年後行くというようなそういうようなことになっておるわけなんです。
 外国ではどんどん天下りをやっているのに何らそれが問題にならないのに、日本の方では天下りというものがなぜ問題になるのか、その辺のところを踏まえまして、大臣、お考えをいただきます。
この発言だけを見る →
橋本龍太郎#17
○橋本国務大臣 私は、基本的には欧米型の雇用形態と日本の終身雇用制を中心とした雇用形態、その姿の中から再就職問題についての考え方の差というものは出てきたような感じがいたします。
 確かに今委員が御指摘になりましたように、例えば我々のアメリカにおけるカウンターパートは財務省でありますけれども、財務省の高級幹部が民間に転職をする、あるいは民間から高級幹部として迎え入れられる、そうしたケースは多々見るところであります。そして、それについて何ら批判はございません。また、例えばSECから、まさにSECの中で上げた業績を評価されて関係の企業あるいは公認会計士事務所等にスカウトをされていく、こうしたケースも多々見受けられます。そして、それについての批判もございません。ただ、これは欧米型の非常に自由な転職というものを前提にした社会構造の中で認められているルール、私はそのような感じがいたします。
  一方、日本の場合には、本来終身雇用制というものの中で雇用形態というものが維持されてまいりました。今日、ある程度の移動が民間等でも見受けられるようになりましたけれども、基本的にはやはり終身雇用構造というものの変化はない、私はそのような感じがいたします。その場合に問題となりますのは、私は、例えば一定以上の地位に公務員としてあった者、それがその知識をそのままに生かせるような形で民間に再就職をする場合、これが一番の問題だろう、本来はそう考えておりました。そして、人事院規則等もそうしたことに配慮され、ルールがつくられておったと思います。そして、今日まで私は、大蔵省はそのルールのもとに行動してまいっており、いやしくも行政と民間との癒着と言われるような事実はなかったとかたく信じておりますけれども、そうした御批判がありましたことを、これは我々としても素直に受けなければなりません。
 一方では、憲法に保障されている職業選択の自由というものも厳然としてございます。そうした中で、私は、先般本院でも申し上げましたように、大蔵省としては少なくとも世間が信頼をしていただけるようになるまでは、高級幹部と申しますか一定レベル以上の職員の再就職先として証券会社というものを選ぶことは自粛したい、仮に本人あるいは相手側企業から要望がありましても人事院承認にかからしめることは避けたい、そういうことを考えてまいりました。具体的には本省課長以上について私はその自粛を続けたい、そのように考えております。
この発言だけを見る →
衛藤征士郎#18
○衛藤(征)委員 行政に対する国民の一層の信頼を高めるために、大臣といたしましてさらなる御努力をお願い申し上げたいと思います。
 次に、行政と同時にいわゆる業界に対する信頼というものを我々はさらに回復せねばならぬわけでありますが、とりわけ、いわゆる業界がどのような自主規制機能を発揮する受け皿をこれからつくっていくのか、またどのような自主ルールをつくつていくのか、この点をきょうおいでの参考人の方々にお尋ねいたしたいと思います。
 まずは今回の証取法改正案にありますように損失補てんの問題でありますが、明らかに損失補てん行為、そしてこれは損失補てんには当たらない行為、そしてグレーゾーンといいますかダブるようなところ、そういうものが出てくると思うのでありますが、今日まで大蔵省としては通達等はたしか四百六十本ぐらい出ておると思うのであります。この四百六十本の通達等を、これから自主ルールをつくるために業界また証券局も一緒になりまして、これは正当業務の範囲である、これはだめだとか、こういうことをこれから決めていかねばならぬ。かなりの作業量であり、かなりの時間もかかるでありましょう。しかし我々はそれを一番期待しているのでありまして、このことにつきまして参考人の方からまず御意見を承りたいと思います。
この発言だけを見る →
長岡實#19
○長岡参考人 お答え申し上げます。
 証券取引所及び証券業協会の両方に関連する問題でございまして、その両方にわたってお答えを申し上げたいと存じますが、私ども今回の不祥事の発生にかんがみまして、やはり私ども自主規制機関に対する批判も非常に強いものがあることを率直に受けとめております。今後未然防止のために、再発防止のために自主規制機関がしっかりと自主規制能力を強めていかなければならないと考えております。
 お尋ねの件でございますが、まず私どもが急いでやらなければならないのはただいま御審議をいただいております証取法改正に関連する部分でございまして、損失補てん行為その他につきまして、今衛藤委員の御指摘のような法に触れるか触れないかという範囲について、これをはっきりいたしませんと証券取引が阻害されるという面も出てくるわけでございまして、そういったような点につきまして、私ども、特に証券業協会が中心になると思いますが、実務に熟知している者等を集めましてこれは正当行為であるといったようなことについての自主ルールをつくりまして、しかもそれが単なる自主ルールということだけではなくて、私どもといたしましてはそれを公的に認知していただくということが必要ではないかと考えております。
 第二段階といたしましては、大蔵省の方でこれから通達の整理をなされると思います。その中には、法令に格上げされるものあるいは自主規制ルールにおりてくるものというものがあろうと思いますが、これは大蔵省の方の作業の進展に応じまして、私どもはそれをどういうふうに自主規制ルールとして整備していくかということに取り組まなければならないというふうに考えておる次第でございます。
この発言だけを見る →
渡辺省吾#20
○渡辺参考人 ただいま取引所の理事長からお答えございまして、私、全く同じ趣旨の発言を申し上げるわけですけれども、しかし、証券業協会としてもこういうふうに考えているということを御確認願う意味で、似たようなことを申し上げて恐縮でございますけれども、お聞き取りいただきます。
 私は、証券市場の健全な機能発揮のためには、それからもう一つ、証券会社というのは証券市場の仲介者でございますけれども、これを適切に規制するためには、証券業協会のような自主規制機関がこれからますます大きな役割を果たさなければならないというふうに考えております。先般の行革審の御答申におきましても、自主規制機関を通じた証券市場の規制を強化するという御提言をいただいておりますと同時に、今までの自主規制に対しては大変厳しい御叱責をいただきまして、関係者の自覚が極めて不十分であったといったような厳しい御叱責をいただいております。
 私どもとしては、一連の証券不祥事が表面化いたしましてから業界の改革に全力を挙げて取り組んでいるところでございますけれども、こうした御指導を率直に受けとめまして、自主規制機能が有効に発揮できなかったことについて真剣な点検を行い、自主ルールの整備、監査機能の拡充等具体的な改善をできるだけ速やかに実施していきたいと思いますし、また、現に実施しております。
 それで、今の理事長のお考えと同じようになりますけれども、証券会社と申しますのはいろいろな業務がございます。例えばディーリング業務とかアンダーライティング業務とかいろいろな多種にわたる業務がございますし、また、それを非常に早く執行しなければならないといったような仕事の種類でございますが、そういったような普通の正常な業務が阻害されないようにすることが証券市場の円滑な機能を発揮する上で非常に大切であるというふうに私どもは思っております。
 そうした問題意識に基づきまして、証券業務の知識とか経験を踏まえて、正常な証券取引と認められる行為を自主ルールの形で明確にしなければならない。今の理事長のお話にもございましたように、簡単に申しますれば、このたび証券取引法の改正が実現いたしましたならばそれとワンセットになるわけですけれども、自主ルールを整備いたしまして、これはやってもいいこと、これはやってはいけないことというのをできるだけはっきりさせなければ証券業務というものは活発に行われないというおそれもございますし、また、今回のような不祥事を防止することにもならないかと思いますので、ただいま全力を挙げてそれに取り組んでおります。もちろん行政当局とも協議をさせていただきますし、また、こういったような自主ルールがガイドラインになるようにこれからも期待しておるわけでございます。
 また、こういったような証券取引につきましては、例えば新しい商品が出現したり、また新しい取引法等が開発されたりということもございます。したがいまして、ただいま申し上げましたような自主規制のルールづくりといったようなことも、将来にわたってこれに対応できるようなそういう仕組みを考えて適正なルールづくり、その運用に万全を期したいというふうに考えておりますので、どうぞ御了解いただきたいと存じます。
この発言だけを見る →
衛藤征士郎#21
○衛藤(征)委員 今お二人から答弁がありましたけれども、私も自主規制機関の機能の充実強化、これが極めて大切である、このように考えておるのであります。
 さて、ただいま長岡理事長、渡辺会長のお話の中にございました自主ルールをつくる、その自主ルールに法的ないわゆる権威を付与せねばならぬ、いわゆる自主ルールそのものをオーソライズしなければいけない、これに対する証券局のかかわり方並びに法務御当局の、いわゆる当然ガイドラインが出てきますから、このガイドライン等々に対してどのような形で法務当局と大蔵省証券局とそれから業界とがお互いに調整し、かかわり合っていくのか、ちょっとこれは一番大切なところですから、詳しく説明をいただきたいと思います。証券局長。
この発言だけを見る →
松野允彦#22
○松野(允)政府委員 今般の証券取引法の改正におきまして、損失補てんのために利益供与を行うという行為を禁止をするわけでございます。その禁止をし、罰則を適用する、つまり刑罰を適用するということにしているわけでございます。
 刑罰の対象になるということになりますと、刑法の一般の総則が適用になるわけでございまして、今協会あるいは取引所で自主ルール、正当な業務行為という考え方を御説明申し上げましたのは、刑法の三十五条で正当業務行為は刑事罰の対象にしないという規定があるわけでございます。したがいまして、仮に自主ルールというものが全くなくても、個々のケース・バイ・ケースで正当業務行為であれはこれは刑事罰の対象にならないわけでございます。
 しかし証券取引行為の場合には、今協会の会長からもお話がございましたように大量の取引が、かつ迅速に行われるということが非常に大切でございまして、正常な普通の証券取引行為が円滑に行われるということを確保するためには、今申し上げましたような正当業務行為について典型的なものを明示するということが必要ではないか、つまりこういう行為であればそれは刑事罰の対象になりませんということを明らかにすることによって、正当な、正常な証券取引行為というものを円滑に行われるようにするということが必要だろうというふうに考えて自主ルールの作成をお願いをしているわけでございます。
 自主ルールにつきましては、取引所取引あるいは店頭取引ございますので、取引所、協会の各ルールになるわけでございますが、これにつきましては、私どもは今のような考え方に基づきまして、一つのガイドラインとして、ルールに書いてある行為であれば原則として正常な業務だということで円滑な取引が確保できるということにしたいわけでございまして、そういった観点から、自主ルールをつくるに際しましては、私どもも当然その内容について本当に正当な業務行為と言えるのかどうかという点についての検討をあわせて行いますし、必要に応じては法務省とも協議をして、その辺についての判断をしていくということにしたいと思っているわけでございます。
この発言だけを見る →
井嶋一友#23
○井嶋政府委員 お答えいたします。
 自主ルールは、今参考人の方々が述べられましたように、要するに証券業務として正当と考えられるものを明示的に示すものである、このように私どもは理解をしておるわけでございまして、そういった意味で自主規制団体が自主ルールでもって正当なものとして認められる典型的な行為を明示されるという御努力は多とすべきだと思っております。
 ただ、それ自体はそういう性格のものでございますから、今回の法律で定めております損失補てんの行為等の定義そのものとは直接的には関係はしないわけでありまして、私どもの罰則の観点から申し上げますと、証券会社のある一つの行為がこの今回の法律案の損失補てんという構成要件に該当するか否かということを個々の事件において判断をする場合に、やはりこの自主ルールが一つの認定資料になる。さらには今証券局長が説明いたしましたが、刑法三十五条の適用の場面、言いかえますと違法性の適用の場面でございますけれども、違法性を評価する上での一つのガイドラインになるという意味におきまして重要なものだと考えておるわけでございます。
 もちろん自主ルールというのは本来自主規制団体がつくるべきものでございますし、その内容については直接的に私どもはタッチするものではございませんけれども、監督官庁である大蔵当局がやはり適切かどうかということを御判断されるということが行政上必要だろうと思われるわけでございまして、そういった観点から、検討される過程におきまして今申した構成要件の認定資料あるいは違法性の評価のガイドラインといった観点で法務当局にも協議を求められるということであれば、当然私どもといたしましても各省庁の協力という観点からもこれは適切な意見を述べるという意味におきまして御協力をする所存でございます。
この発言だけを見る →
衛藤征士郎#24
○衛藤(征)委員 今回の損失補てんのそもそもの出どころというのは、最初はいわゆる国税調査であったわけなんでありますが、私が懸念するのは、この国税の調査でこれは損失補てんだ、このように認定されればいわゆる証取法違反の損失補てんになるのかどうか、この点について証券局長、お答え願います。
この発言だけを見る →
松野允彦#25
○松野(允)政府委員 国税の調査におきましては、第一義的には損失補てんに当たるかどうかということに関係なく、税務上、例えば証券会社が有価証券取引を通じて特定の投資家に利益を供与するというような事例が見れた場合に、その実態に応じて交際費などで課税をするということだろうというふうに承知するわけでございます。したがいまして、そういうふうに国税当局が認定したものの中で明らかに損失補てんのためになされたというふうに認定されれば、それは今度の改正証券取引法で規定しております損失補てんに該当するということになろうかと思います。
 ただ、今申し上げましたように国税当局の調査というのは、損失補てんだということが第一義的に問題であるのではなくて、むしろ特定顧客に対する利益供与というものを実態に応じて課税上どう認定するかということにあるんだろうというふうに考えるわけでございます。
この発言だけを見る →
衛藤征士郎#26
○衛藤(征)委員 業界の参考人にお尋ねいたしますが、この法律というのは成立後三カ月後に施行されると思うのでありますが、この間に四百六十通を超すようなこの通達の内容等をきれいに振り分けしなきゃいけないわけなんですね。その作業等々につきましておおむねどれくらいかかるか、いつまでに目安としてこれを達成できるか、明快にひとつその答えだけいただいておきます。
この発言だけを見る →
関要#27
○関参考人 お答え申し上げます。
 今私どもの協会長がお答えいたしましたように、今私ども全力を挙げてこの自主ルールの整備に取り組んでおるところでございます。ただいま行政の方とのいろいろな御調整の時間もあります。必要な時間もございますわけですので、できるだけ早く成案を得たいというふうに思っております。
 なお、通達等をどういうふうに自主規制ルールの方に取り込んでいくかというより広い問題につきましても、大蔵省当局とも十分御相談の上なるべく早く実施に移していきたい、こういうふうに考えております。
この発言だけを見る →
衛藤征士郎#28
○衛藤(征)委員 時間がありませんが、最後に大蔵大臣にお尋ねをいたしたいと思います。
 先般行革審の方から証券・金融の不公正取引の基本的是正策に関する答申が出されました。九月十三日でありましたが、その中で特に検査・監視体制のあり方について大蔵大臣としてはどのような所見でございましょう。お尋ねいたしたいと思います。
この発言だけを見る →
橋本龍太郎#29
○橋本国務大臣 私どもは、こうした事態が発生をいたしました直後、たしか七月の十八日であったと思いますけれども、大蔵省の中にプロジェクトチームをつくり、みずからの手で検査・監視体制を含めさまざまな原因についての掘り下げを行おうとして作業を開始をいたしました。しかし、その後総理から行革審に諮問がなされました事実を踏まえ、たしか八月の十九日であったと思いますけれども、それまでに我々が問題点として考えておりましたものをそのまま行革審に御説明を申し上げ、以降行革審の作業に我々はその結論をゆだねたわけであります。
 我々は行政と検査の間に一定の距離が必要であるという認識はいたしておりました。しかし同時にそれを、その間の円滑な連係プレーのためにも同一組織の中にこれが置かれることを率直に申しますならば期待をいたしておりました。行革審からちょうだいをいたしましたお答えというものは、既に委員も御承知のように、大蔵大臣の強制調査に係る権限、将来与えられるといたしました場合に、これについては一切を委員会にゆだね、また一般の検査につきましても基本的なその方針づくり等に統括されるといった形になっております。
 その内容は私どもといたしましては非常に厳しい内容のものと受けとめておりますが、行革審から御意見をいただきました以上、私どもはその内容というものを最大限尊重しながら、これを実効あらしめるように努力をしていく責任がある、今そのように考えております。極めて我々には厳しい中身のものでありました。しかし、御答申をいただきました以上、全力を挙げてその方向に努力をしていくべき、今そのように心得ております。
この発言だけを見る →
← 戻る