証券及び金融問題に関する特別委員会

1991-08-30 衆議院 全384発言

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会議録情報#0
平成三年八月三十日(金曜日)
    午前十時二分開議
出席委員
  委員長 大野  明君
   理事 衛藤征士郎君 理事 戸井田三郎君
   理事 中村正三郎君 理事 穂積 良行君
   理事 松永  光君 理事 加藤 万吉君
   理事 中村 正男君 理事 草川 昭三君
      浅野 勝人君    粟屋 敏信君
      魚住 汎英君    遠藤 武彦君
      尾身 幸次君    金子 一義君
      木村 義雄君    笹川  堯君
      田中 秀征君    津島 雄二君
      野田  実君    松本 十郎君
      村井  仁君    村上誠一郎君
      山下 元利君    井上 一成君
     宇都宮真由美君    大木 正吾君
      沢田  広君    鈴木喜久子君
      仙谷 由人君    細谷 治通君
      松浦 利尚君    水田  稔君
      安田 修三君    渡辺 嘉藏君
      坂井 弘一君    日笠 勝之君
      冬柴 鐵三君    児玉 健次君
      菅野 悦子君    寺前  巖君
      正森 成二君    小平 忠正君
      菅原喜重郎君    中井  洽君
      楢崎弥之助君
 委員外の出席者
        参  考  人
        (株式会社住友
        銀行頭取)   巽  外夫君
        参  考  人
        (株式会社日本
        興業銀行頭取) 黒澤  洋君
        参  考  人
        (株式会社富士
        銀行頭取)   橋本  徹君
        証券及び金融問
        題に関する特別
        委員会調査室長 兵藤 廣治君
    ―――――――――――――
委員の異動
八月三十日
 辞任         補欠選任
  宇都宮真由美君    鈴木喜久子君
  大木 正吾君     沢田  広君
  正森 成二君     寺前  巖君
  中井  洽君     菅原喜重郎君
同日
 辞任         補欠選任
  沢田  広君     大木 正吾君
  鈴木喜久子君     宇都宮真由美君
  寺前  巖君     菅野 悦子君
  菅原喜重郎君     小平 忠正君
同日
 辞任         補欠選任
  菅野 悦子君     児玉 健次君
  小平 忠正君     菅原喜重郎君
同日
 辞任         補欠選任
  児玉 健次君     正森 成二君
  菅原喜重郎君     中井  洽岩
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 証券及び金融問題に関する件
     ――――◇―――――
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大野明#1
○大野委員長 これより会議を開きます。
 証券及び金融問題に関する件について調査を進めます。
 本日は、参考人として、午前、住友銀行頭取巽外夫君、午後、日本興業銀行頭取黒澤洋君及び富士銀行頭取橋本徹君、以上三名の方々に御出席を願っております。
 巽参考人に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、御多用中のところ本委員会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。厚く御礼申し上げます。
 議事の進め方といたしましては、初めに委員会を代表して委員長から総括的な問題についてお尋ね申し上げ、次いで委員の質疑にお答えをいただく形で御意見を承りたいと存じます。
 まず、委員長から巽参考人にお尋ね申し上げます。
 住友銀行のイトマン株式会社に対する融資実態の全容を簡潔に説明してください。
 また、住友銀行の貸付審査等事務管理体制の実態はいかがでしたか。そして同社に対する融資の回収の見通しはいかがですか。お尋ねいたします。
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巽外夫#2
○巽参考人 答弁に先立ちまして、一言おわびを申し上げます。
 私どもの銀行、昨年の秋以降、元支店長によります出資法違反事件並びにイトマン問題を発生いたしまして、世間を大変お騒がせ申し上げますとともに、我が国の金融界の信用に傷をつけることになってしまいました。まことに申しわけなく、国民の皆様並びに立法府の皆様方に心より深くおわびを申し上げます。
 それでは答弁さしていただきます。
 当行のイトマン株式会社あての貸出金は、平成三年七月末で千三百六十七億円で、全体の借入額に占めます当行のシェアは二七・七%でございます。またイトマングループ全体では、当行の貸出金は五千五百四十九億円、シェアは五三・二%でございます。これにつきましては、昨年十月以降イトマンの信用不安が表面化いたしましたため殺到いたしました他行からの肩がわり要請を受けたものでございます。
 ちなみに、昨年九月末のイトマングループに対します当行融資残高を申し上げますと、千六百五十四億円でありまして、全体の借入額の一七%でございます。その半年前の昨年三月末対比では十二億円の減少となっております。
 また、貸出金の回収の見通しを申し上げるに際しまして、まずその前提となりますイトマンの再建策について手短に申し上げます。
 イトマンの再建計画の基本的な方向といたしましては、まず、イトマンの本業でございます商事部門は、ぜい肉を落とした上で極力伸ばしていく、次に、昨年に増加いたしました主として不動産関係の投融資その他でイトマンにとって負担となっておりますものをイトマンから切り離しまして、集中的に処理をするということでございます。
 以上の方向でイトマンの再建を進めていくわけでございますが、当行の貸出金の回収の見通しにつきましては、貸し出しの対象となっておりますイトマンの不動産関係プロジェクトによりましては、現在、司法御当局の捜査中のもの、プロジェクトが進行中のもの等もございまして、現状では直ちに資金化できるという状況ではございませんが、不動産案件につきましては、今後事業化により付加価値をつける等の方策をとりつつ、極力早期に回収の極大化に注力していく所存でございます。
 また、イトマン株式会社に対します貸し出しにつきましては、当行の規定にのっとりまして、一般の貸出審査と同様、すべて正規の手続を踏んで審査の上貸し出しを実行しております。例えば営業店が独断専行しておったとか、イトマンを特別扱いするといったことは一切ございません。
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大野明#3
○大野委員長 次にお尋ねしますが、住友銀行とイトマン株式会社元社長河村良彦氏とは、どのような関係にありましたか。
 また、イトマン株式会社の旧経営陣による不動産投資、絵画投資等の乱脈経営に対し、メーンバンクとしてどのような対応を講じましたか、お尋ねいたします。
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巽外夫#4
○巽参考人 お答え申し上げます。
 河村社長は、第一次オイルショック後の不景気のもとで経営蹉跌に陥ったイトマンからの要請を受けまして、昭和五十年五月、当行の常務取締役を退任の上、イトマンに派遣されまして、イトマン副社長に就任し、同十一月、イトマンの社長に就任をいたしました。それ以降、退任いたしました本年一月まで十五年強の間、河村氏はその地位にあったものでございます。
 当行の磯田前会長は、河村氏がイトマンの再建をなし遂げたこと等から長年同氏を信頼しておりました。また同社には再建の過程で当行OBが多数入社しておりました。これらのことなどをとらえまして、一部では住友銀行とイトマンとは特殊な関係だとか、イトマンを指しまして住銀商事とか言われる向きもございますが、しかし、磯田前会長と河村氏の関係などが当行とイトマンの取引上の関係に影響を与えたことはございません。磯田前会長はイトマンとの日常取引について直接関与することもありませんでした。また私以下の者も、磯田前会長と河村氏の関係に配慮しまして対応方針を決めるということはございませんでした。このようなわけで、当行と河村氏の関係は、当行と取引先の社長という通常の関係でありました。
 イトマンの経営につきましては、昨年の初めから不動産開運の投融資が膨張いたしまして、借入金、債務が急増してまいりましたことから、その内容につきまして警戒感を持ってまいりましたが、昨年二月になりまして、伊藤寿永光氏がイトマンに入社いたしましたことから、改めて問題意識を持った次第であります。
 そこで、私どもといたしましては、昨年三月以降、イトマン河村前社長に対しまして、伊藤氏を即刻退社させること、そうでなければ新規融資に一切応じないことの二点を繰り返し申し入れまして、これに応じない場合は経営責任を問われる事態になりますよということを申し上げますとともに、イトマンの不動産投融資を早急に圧縮する計画を出すよう求めてまいりました。
 このように、主力銀行といたしまして必要なアドバイス、申し入れ等を行ってまいったのでございますが、イトマンも独立した一部上場会社でありまして、しかも伊藤氏のような外部の人間がその経営の中枢を占めておりましただけに、まことに遺憾でございましたが、メーンバンクとしての影響力にも限界があったかということで考えております。
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大野明#5
○大野委員長 以上をもって私からお尋ねすることは終わりました。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。村井仁君。
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村井仁#6
○村井委員 巽参考人、御苦労さまでございます。自由民主党の村井仁でございます。
 民主主義というものですら、一つ間違うと衆愚政治になるという危険を内包していると言われますように、世の中に完璧なものというものはありません。資本主義の宿命でありながら、繁栄が引き続きますとしばしば忘れられるおそれのある循環的な危険というものに対する警告として、ガルブレイスが昔「大恐慌」という本を書きました。これは大変な名著でございますが、去年ガルブレイスが、邦訳では「バブルの物語」という書名になっておりますけれども、また大変示唆的な本を書きまして、その中でバブルをガルブレイスは、古今の資本主義のきずともいうべき一側面、こういう形容をしている。私は、これは非常に適切な表現だと思うのでございますけれども、そのようなきずにもかかわらず、最近のソ連の崩壊に見られますように、私は、つまるところ資本主義以上によりよい経済体制、経済システムというものは、私ども人類いまだ経験をしていないというのが実態だと思うわけでございます。しかし、資本主義には時に非常に大きな問題を生ずることがある。
 そこで、お伺いでございますけれども、個々の企業がその利益を最大にするためにあらゆる努力をするということそのこと自体は、私は決して非難されることではないと思っております。しかし、銀行という大変特別な社会的存在、それは、その行動。について、その及ぼす影響というものを思って、みずから限度を心得て行動しなければならないと私は思っております。免許制度というものが適用され、また率直に申しまして、種々の特権とそれから社会的尊敬すら与えられる、これはそのゆえだと思うわけであります。
 住友家の家訓に、浮利を追わず、こういう言葉がある由に私は聞いておりますけれども、その住友グループの中核である、あるいは長兄ともいうべき住友銀行の、昨年の秋、ただいま冒頭で巽参考人が仰せになられましたが、支店長が二人起訴されるという、出資法違反事件という大変大きな不祥事を起こしておられる。この原因は収益第一主義という住友銀行の収益偏重の体質にある、こういうことがよく言われておりますけれども、この点につきまして、巽参考人、どういうふうにお考えになりますか、御見解をまず伺いたい。
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巽外夫#7
○巽参考人 ただいまの先生の御批判、非常に厳粛に重く受けとめております。出資法違反事件の原因につきましては、当行の収益偏重の体質にあるのではないかという御質問であったかと存じますが、私も、出資法違反事件の公判におきまして、元当行支店長から、支店業績を上げるために融資仲介をしてしまったという発言があったと聞いております。
 振り返ってみますと、ここ何年かの間に、業務環境が大きく変化してきたとは申しましても、業務運営の中に一部行き過ぎた面がありましたことは事実でございます。信用と公共性という金融の原点に立ち返り、深く反省いたしまして、改めるべきものは徹底的に改めていくということが必要と判断いたしまして、昨年十月以降いろいろと改善策を講じてまいりました。
 具体的には、次のとおり組織、体制等業務運営全般につきまして見直しを行っております。
 第一に、業務運営姿勢の見直しでございます。銀行業務の基本に立ち返りますとともに、私生活も含めました高い倫理観と整々たる業務運営姿勢を貫くよう改めて徹底をいたしました。
 第二には、審査体制の強化でございます。審査部門と業務推進部門とを分離いたしますとともに、陣容の拡充を図りました。審査担当役員につきましても、複数役員によります相互チェック体制の導入、業務担当役員との重複の排除等の見直しを実施いたしました。
 第三は、組織の改定でございます。審査部門以外についても、本部制の廃止を含みます大幅な組織改定を実施し、本店と支店、支店各部間の意思疎通の円滑化とチェック・アンド・バランスの強化を図りました。
 最後に、その他の対応といたしまして、役員の担当を大幅に見直しを実施いたしまして、さらに支店及び職員の指導研修体制を強化いたしますとともに、支店業績評価の見直し、支店長の人事評価の見直し等を実施いたしました。
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村井仁#8
○村井委員 イトマン事件、イトマン問題でございますが、これは伊藤寿永光という人物によって引き起こされたというように思うわけでございますが、この人物をイトマンに紹介したのはおたくの支店長だとか、あるいは伊藤寿永光という人物と磯田前会長、西前副頭取、これが大変親密な関係にあったがゆえにイトマンに推薦した、こういうお話がありますけれども、これはどうですか。事実ですか。
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巽外夫#9
○巽参考人 お答え申し上げます。
 平成元年夏ごろ、当行の支店長がイトマンとの取引のことで伊藤氏をイトマンの名古屋支店に紹介したと聞いております。このような一般的な意味でのお客様の紹介は、日ごろ必要に応じまして行っているものでございます。また銀行の紹介がありましても、お客様同士がお取引を開始されますかどうかはお客様が判断されるものでございまして、特にこの場合は、上場企業でありますイトマンの河村社長が自己責任のもとに判断をしたものと理解をいたしております。しかしながら、伊藤氏の人物やその経営する会社の実態を十分見きわめないままに紹介したことは、軽率であったと申さざるを得ないかと思います。
 また、確かに河村前社長は、磯田前会長、西元副頭取が伊藤氏をイトマンに推薦したと言っているようでございますが、私が磯田、西両人に聞きましたところによりますと、話は逆でございまして、二人がおのおの伊藤氏に初めて会ったのは、いずれも河村前社長の紹介によるものであるということでございました。
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村井仁#10
○村井委員 今のお話のように、やはり銀行が紹介するとかなんとかということは大変に重いんですね。いずれにいたしましても、私は先ほど申し上げましたような銀行の公共性、社会的責任ということを象徴的に示す一つの事実だと思うわけでございます。
 それはそれとしまして、時間の関係もございますので、先ほど委員長からの御質問にもございましたが、御質問にも関連しますが、イトマンの異常を、異常な状態だということをメインバンクとしていつ、どういうことで気がつかれたか、そのときどういう対応をされたか、手短にひとつ。
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巽外夫#11
○巽参考人 お答えいたします。
 イトマンの経営につきましては、昨年の初めごろから、不動産を取り巻きます環境が厳しさを増してくる折から、不動産開運投融資が膨張し、借入債務が急増してまいりましたことから、担当部では警戒感を持っておったようでございますが、私は、昨年の三月十六日に、信頼のおけます外部の法曹関係の方から、伊藤氏は問題があるのでイトマンの社内に置くと大変ですよという御注意を受けたわけでございます。したがいまして、私は三月二十二日、河村社長を本店に呼びまして、伊藤氏をイトマンから退社させるよう強く要請をいたしました。河村社長は、伊藤氏は不動産のプロで、イトマンの不動産部門にどうしても必要であるとして、当行の要請に応じようとはしませんでした。
 そこで私は、やはり伊藤氏は退社させるべきで、それができないのであれば、当行は新規の貸し出しには応じられない、またあなたの経営責任を問われる事態となりますよと強く迫ったわけでございます。河村前社長がそれでも応じませんでしたので、それではあなたはだまされているのかあるいは脅迫されているのかと考えざるを得ないと申しましたところ、本人は、そんなことは絶対にないしということで承知をせなかったわけでございます。当時はわかりませんでしたが、最近の新聞報道で、立川の株式に関しまして河村前社長が伊藤氏と金融会社から十億円を受領していたという記事を見まして、これで本人が動きがとれなくなって当行の申し入れを聞かず、その後の暴走につながったというふうに思われます。
 その後、四月以降、当行はイトマンヘの新規融資を一切ストップいたしますとともに、河村前社長に対しまして、電話を含めまして何回となく、伊藤氏を退社させること、並びに不動産、ゴルフ場を中心といたしました投融資の圧縮と債務圧縮を申し入れてまいりました。
 これと並行いたしまして、当行の担当セクションからはイトマンに対しまして、聞き取りを中心ではございますが、不動産投融資の内容調査を行いました。八月に至り、これ以上は聞き取り調査ではわからないところまで来ておりましたので、改めて河村前社長に強く申し入れを行いまして、八月末から約一カ月間にわたって実地調査を、調査部の実地調査を行いました。この調査は伊藤氏の妨害に遭いまして難航をきわめたわけでございますが、この結果、このままいくとイトマンの経営に重大な危機が到来するという認識をさらに強めまして、河村前社長に経営刷新を改めて強く申し入れるに至った次第でございます。
 このように、主力銀行として必要な調査、アドバイス、申し入れ等を行ってきたわけでございますけれども、イトマンも独立した一部上場企業でございまして、しかも、伊藤氏のように、外部の人間がその経営の中枢を占めておりましただけに、まことに遺憾ではございますが、メーンバンクとしての影響力にも限界があったと申さざるを得ないかと思っております。
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村井仁#12
○村井委員 今メーンバンクとしての影響力に限界があった、このように仰せになりましたが、住友銀行が、伊藤寿永光を排除せよ、あるいは新規の融資をストップするというところまでやったのに、イトマンは言うことを聞かなかった。これは、住友銀行はイトマンに対して杉山商事というのを、言ってみれば経営を引き受けさせておりますね。そういうことで借りがあったとか、あるいは住友銀行内部にイトマンをめぐって意見の不統一とかあるいは人事抗争とか、そういうものがあったとかいうことが原因しているのじゃないのですか。それでいわば向こうが、イトマンサイドにしてみれば、たかをくくったというようなことが言えるのじゃないか。あるいは一部で報道されているように、先ほど河村イトマン前社長は単なる取引先の社長だ、こうおっしゃったのですが、一部で報道されているように、磯田前会長の長女夫妻をイトマンがいろいろ支援するなど、磯田前会長と河村前イトマン社長とが癒着関係にあったために住友銀行として手が出せなかったとか、そういうことが本当はあるのじゃないですか。
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巽外夫#13
○巽参考人 お答え申し上げます。
 まず最初に、杉山商事の経営引き受け等で借りができたのではないかということについてお答えを申し上げます。
 旧杉山商事につきましては、その再建についてイトマンに御協力をいただいた形となっておりますが、当時、イトマンといたしましても、住宅、不動産関連業界の川下作戦の一環といたしまして、経営戦略上、杉山商事の経営に積極的であったと理解をいたしております。したがって、これにより当行が借りをつくったということはございません。また本件につきましては、その後、河村前社長から、同社の在庫資金の申し出があり、当行よりの支援策の一環といたしまして必要な資金を貸し出しております。
 なお、杉山商事以外にも、例えば近藤忠商事などの経営支援をお願いしたこともございましたが、いずれも借りができるなどといったものではないというふうに考えております。
 また、一部のマスコミに、イトマンをめぐりまして当行内に意見の不統一や人事抗争があったというような報道がございますけれども、伊藤氏のイトマンからの退社を求めること、あるいは過大な不動産投融資の圧縮を求めること、さらに、そうでない場合は、新規融資は一切行わないこと等の方針は当行経営陣の一致した考え方でございました。また一部マスコミで言われました人事抗争といったたぐいのものは一切ございません。
 また、磯田前会長に関しましては、イトマン問題が発生する前は、磯田前会長は河村前社長を信頼し、家族のこと等もいろいろ相談に乗ってもらっておられたようでございますが、そのことと、イトマンに対する当行の方針とは全く別でございました。現に、磯田前会長は、伊藤氏に直接イトマン退社を要請したり、河村前社長に不動産投融資の圧縮計画を出すように求めたりしておりました。
 しかしながら、一つ付言させていただきますが、当行がイトマンの主取引銀行でありますことを考慮いたしますと、前会長の家族がイトマンにいろいろ相談するようなこと自体、軽率なことであると申さざるを得ないかと存じます。
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村井仁#14
○村井委員 先ほど巽参考人、委員長の御質問に答えられまして、住友銀行がイトマングループに五千五百四十九億円貸し付けておる、シェアが五三・二%、こういうことをお答えになりました、非常に巨額の融資をしておられる。こういった巨額の融資が、過大なこの不動産投融資を招いた、あるいはそれに走らせた、そういう原因になったんじゃないか。そのバブルがはじけてしくじったが、そのバブルを膨らませるその原因、重要な役割、これを住友が担ったんじゃないか。先ほどの委員長に対する御説明で、これは肩がわりだという御説明あったのですが、そこのところをもう少し詳しくお話を……。
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巽外夫#15
○巽参考人 お答えを申し上げます。
 当行は、現在確かに五千億以上の融資をイトマングループに対しまして行っておりますが、先ほど詳細に申し上げましたとおり、これは昨年十月以降、イトマンの信用不安が表面化いたしましたために殺到いたしました他行からの肩がわり要請を受けたものでございます。
 昨年九日末のイトマングループに対します当行融資残高は千六百五十四億円でございます。全体の借入額の一七%でございまして、しかも、先ほど申し上げましたように、新規融資をストップいたしました結果、半年前の昨年三月末対比では十二億円の減少となっております。
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村井仁#16
○村井委員 これでイトマンの再建の見通しがあるのかどうか。なかなか資金の回収難しかろうというお話は、先ほど不動産プロジェクトに関連して委員長に対する御答弁がございましたが、そのイトマン、どうなのか。これは非常に皆さん関心があるところであろうと思います。
 それからさらに、住友銀行のトップとして、このイトマン問題に関連しての経営責任、これを巽参考人、どのようにお考えになっておられるか、お伺いしたい。
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巽外夫#17
○巽参考人 お答え申し上げます。
 年商売り上げ七千億円の一部上場企業の、上場企業の中堅商社に不測の事態が起きますことは、一般の株主、従業員、取引先、金融機関に膨大な影響が出ることとなります。当行は、イトマンの主力銀行といたしまして、経済及び金融秩序の維持のために、可能な範囲で同社を再建させるべきであろうと判断した次第でございます。
 イトマンの再建の見通しにつきましては、昨年九月、当行がイトマンに対して行いました実地調査の結果によりますと、イトマンの本業でございます商事部門はぜい肉を落とした上で極力伸ばしていくということ、二番目には、昨年増加いたしました主として不動産関係の投融資その他でイトマンにとって負担となっておりますものをイトマンから切り離して、集中的に処理するということによりまして、再建は可能であるというものでございました。現在の環境が厳しいことは事実でございますが、これまでのところ、ほぼ当行の再建計画に沿って推移していると伺っております。当行といたしましても、再建計画にのっとり、イトマンに協力して、同社の再建に可能な限り支援する所存でございます。
 次に、イトマン問題に対します経営責任について、私の考えを率直に申し上げます。
 昨年春、イトマンの異常に気づきましてからは、当行としてもこれを正常化すべく精いっぱいの努力をしてまいりました。イトマンも独立した上場企業でございまして、銀行の意向だけでその経営を左右することは難しいということ、それを無視しまして過度の経営介入を行うことはできなかったということ、さらに当行との親密関係を見まして融資を行っております銀行が多い中で、当行とイトマンの対立が表面化すると信用不安を引き起こすかもしれず、表立った行動がとりにくかったという等のことから、おのずから限界がございました。
 しかしながら、単なる主力銀行でなく、社長以下多数の役員を当行OBが占めております立場といたしまして、イトマンの暴走に歯どめがかけられなかったということはまことに申しわけなく、かつ残念でなりません。この上は一日も早くイトマン問題をきっちりと処理することが私に課せられました責任であるというふうに考えている次第でございます。
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村井仁#18
○村井委員 そもそも銀行は、業務の公共性にかんがみまして、その業務を適切かつ健全に運営しなければならない、それを担保するために大蔵大臣の免許を受けなければ事業をすることができない、こういうことになっておるわけで、制約もある一方で、冒頭にも申し上げたように、社会的信任も大変厚いわけであります。本日、このような形で、日本の金融界のリーダーの方々に、次々と個別の芳しからざる問題につきまして国民の疑念を晴らすという形で事をお伺いしなければならないというのは、そして、また事柄によっては司直の手にゆだねられていることとあわせまして、何としても私は残念なことだと思うわけであります。
 どうかこれを機会に、公共性を重視する行風を確立されまして、日本の、また指導的な銀行としての社会的評価を回復されることをお祈り申し上げまして、私の質問を終わります。どうも御苦労さまでした。
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大野明#19
○大野委員長 これにて村井君の質疑は終了いたしました。
 次に、仙谷由人君。
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仙谷由人#20
○仙谷委員 仙谷でございます。
 まず、住友銀行と小谷光浩、コーリン産業、あるいは後に名称を光進というふうに変えたようでございますが、この小谷グループといいますか、小谷さんの関連する企業との取引の経過といいますか、始まってから一番最大のときはどのぐらいの貸し付けがあったのか、現在どうなっておるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
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巽外夫#21
○巽参考人 お答え申し上げます。
 明確な記憶はございませんが、ピーク、約二百億であったかというふうに存じております。
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仙谷由人#22
○仙谷委員 いつごろ始まったのかというふうなことと、現在終わっているのかということも含めてお聞かせをいただきたいということです。つまり、現在何百億かその債権が残っておるということであれば、その点についてもお聞かせをいただきたいと思います。
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巽外夫#23
○巽参考人 お答えいたします。
 取引の開始日につきましては、私残念ながら存じません。現在貸し金残高はゼロになっておるというふうに聞いた記憶がございます。
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仙谷由人#24
○仙谷委員 取引がいつ開始されたのか私も存じ上げないんでございますが、それでお伺いしたわけでございますが、聞くところによりますと、南インターという会社の整理といいますか、をめぐって小谷さんが住友銀行に肩がわりをした昭和五十七年ごろである。それから昭和五十八年にはホテルサンルート南千里というところに二十億円の担保をつけておる。六十一年には東相模ゴルフクラブ、五十億円の担保をつけておるということで、それで先ほど参考人がおっしゃった二百億円というときには、もう既に小谷が東京に出てきて住友銀行を、住友銀行は心のふるさとであるというふうなことを言いながら、いわば住友銀行からの融資を不動産とかあるいは仕手につき込んでおった。こんな理解でよろしゅうございますでしょうか。
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巽外夫#25
○巽参考人 お答え申し上げます。
 先方はそのように考えておったんじゃないかというふうに思います。(仙谷委員「融資の実情、今言った千里とかそういうのもそのとおりでいいですか。」と呼ぶ)大体そういうことだと思います。
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仙谷由人#26
○仙谷委員 それでは次に、石井進、石井隆匡というのが今回のこの証券特別委員会あるいは予算委員会で大問題になっておるわけでございますが、石井との取引というのは、住友銀行はございますでしょうか。あるとすれば、どこの支店にどういう取引があったのか、お聞かせをいただきたいと思います。
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巽外夫#27
○巽参考人 石井氏との取引につきましては、もちろん私は全然知らなかったわけでありますが、先般新聞報道で知りまして調査をさせました。その結果におきまして、高輪支店で店頭で口座が、普通預金の口座が開設されているらしいということを承っております。
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仙谷由人#28
○仙谷委員 その高輪支店の口座及び住銀の新橋駅前支店にも口座があるんでしょうか。そこで例の岩間カントリークラブの会員権の売買及び日興クレジット、野村ファイナンス、ここからの石井の借入金がこの口座を、高輪支店の口座を通っていっている、そういう事実も参考人としては確認をなさっていらっしゃるでしょうか。
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巽外夫#29
○巽参考人 お答えします。
 そのような事実は、私は一切存じておりません。
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