大蔵委員会

1994-11-22 参議院 全211発言

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会議録情報#0
平成六年十一月二十二日(火曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十一月十八日
    辞任         補欠選任
     寺崎 昭久君     直嶋 正行君
     吉岡 吉典君     西山登紀子君
 十一月二十一日
    辞任         補欠選任
     渡辺 四郎君     一井 淳治君
     小林  正君     野末 陳平君
     直嶋 正行君     寺崎 昭久君
     西山登紀子君     吉岡 吉典君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         西田 吉宏君
    理 事
                竹山  裕君
                楢崎 泰昌君
                志苫  裕君
                峰崎 直樹君
                白浜 一良君
    委 員
                片山虎之助君
                佐藤 泰三君
                清水 達雄君
                須藤良太郎君
                増岡 康治君
                一井 淳治君
                鈴木 和美君
                谷畑  孝君
                堂本 暁子君
                池田  治君
                寺崎 昭久君
                野末 陳平君
                牛嶋  正君
                吉岡 吉典君
                島袋 宗康君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  武村 正義君
   政府委員
       大蔵政務次官   石井  智君
       大蔵大臣官房総
       務審議官     竹島 一彦君
       大蔵省主計局次
       長        伏屋 和彦君
       大蔵省主税局長  小川  是君
       国税庁次長    松川 隆志君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小林 正二君
   説明員
       防衛施設庁総務
       部会計課長    北原 巖男君
       外務省総合外交
       政策局国際社会
       協力部国連行政
       課長       旭  英昭君
       厚生大臣官房政
       策課調査室長   皆川 尚史君
       厚生省老人保健
       福祉局企画課長  堤  修三君
       運輸省鉄道局国
       有鉄道清算業務
       指導課長     隈元 道雄君
       自治省税務局府
       県税課長     瀧野 欣彌君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○所得税法及び消費税法の一部を改正する法律の
 施行等による租税収入の減少を補うための平成
 六年度から平成八年度までの公債の発行の特例
 等に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○所得税法及び消費税法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○平成七年分所得税の特別減税のための臨時措置
 法案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
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西
西田吉宏#1
○委員長(西田吉宏君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨二十一日、渡辺四郎君及び小林正君が委員を辞任され、その補欠として一井淳治承及び野末陳平君がそれぞれ委員に選任されました。
    ―――――――――――――
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西
西田吉宏#2
○委員長(西田吉宏君) 所得税法及び消費税法の一部を改正する法律の施行等による租税収入の減少を補うための平成六年度から平成八年度までの公債の発行の特例等に関する法律案、所得税法及び消費税法の一部を改正する法律案及び平成七年分所得税の特別減税のための臨時措置法案の三案を一括して議題といたします。
 前回に引き続き、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
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池田治#3
○池田治君 おはようございます。
 大臣も大蔵省の方々も毎日御苦労さまでございますが、私の質問も丁重にお扱いを願いたいとお願いしておきます。
 今回の税制改革というのは、中堅所得層の重税感をなくして勤労意欲を増進しようとか、また高齢化社会を迎えましてこの対策も図らなきゃいけない。そうしているうちに、出生率の低下ということもありまして、少子化対策も練らなければいけない。また、地方分権が叫ばれて、地方財政の確立というようなことも重要な要素を占めてまいりまして、この財源の手当てをするためにどうするかということで、消費税を二%増加しようということから始まったものだと思っております。
 何せ目的は盛りだくさんあって、それを裏づける財源というものはわずかな財源と、こういうことで多くの改革をなし遂げようとするわけですから、無理が生ずるということは当然あろうと思います。そこで、改革なき税制改革なんて新聞紙上でも批判をされておりますが、こういった問題が出てくるのだろうと私も理解しております。
 そこでお尋ねしますが、消費税の税率がアップされましたけれども、これには逆進性があって、低所得層ほど負担感が重く、これを増税するということになりますと低所得層の懐ぐあいをよくしていかなければ社会的な公平を欠くことになる、こういうことが考えられるわけでございます。しかし、低所得層の減税といいますか、税負担感をなくするということは、その分だけ中堅所得層に対する減税分が薄くなってくる、こういう結果となります。そこで、消費税の増税というのと中堅所得層の減税というのは、財源が限られた中で行われる場合にはこれは理論的になかなか両立しにくい問題ではないか、こう考えますが、大蔵省としてはどういうお考えでしょうか、まずお尋ねします。
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武村正義#4
○国務大臣(武村正義君) 中堅所得者層の累進税率の緩和、重税感の解消という課題と、逆進性の立場からいわゆる低所得者に配慮する例えば課税最低限の引き上げと、あれもこれも両方考えたのでは財源が足りないのではないかという御指摘でございました。
 冒頭おっしゃったように、あらゆる財政の要請、特に長期的なものも含めて要請にこたえる税制改革というのは容易ではありません。また、税制という歳入面の改革にしましても、さまざまな税制がございますから、何もかも一挙に改革するということも容易なことではありません。
 そういう意味では、今回の改革もある極限定的なものでありますが、しかし税制の大宗をなしております基幹税制である所得税の問題点をこの改革によって大きく改善を図るということが基本でございまして、その一点に関しては、今御指摘もありましたように、前回は低中所得者中心の累進の緩和をしてまいりました経緯もございまして、今回は中から上というところに力点を置きながら累進税率の緩和策をとらせていただいたことは紛れもない事実でございまして、これはかなり大幅なものであり、まさに抜本的な改革だと私どもは思っております。
 課税最低限そのものは、これだけの議論をする限りは、もう上げる必要がないという主張もさまざまあるわけでございます。むしろ国際的に見れば高過ぎるという御批判も受けておりますが、やはり消費税二%引き上げをお願いする中で、今回もそれぞれの控除について配慮をさせていただいて、一兆円規模の課税最低限の引き上げをさせていただいたと。これが一兆円で累進緩和が二・五兆円、足して三・五兆円。
 十分でないというのはどういう意味がわかりませんが、もう詳しく申し上げませんけれども、おおむねほとんどのサラリーマンはこの改革で一〇%ないし二〇%の所得税率で済むといいますか、正確に言いますと千三百四十九万円、これは標準家庭で収入ベースでございますが、までは二〇%ということになりますから、二〇%のブラケットがかなりぐっとシフトしたことになりまして、今サラリーマンの平均収入が七百万前後でございますから、ほぼその倍に近くなるまでは二〇%で済むということであります。これ一点だけじゃありませんが、この一点をごらんいただいても相当思い切った改革だということを御理解いただけたらというふうに思っている次第でございます。
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池田治#5
○池田治君 中堅サラリーマンの累進緩和をして重税感がなくなるという大蔵大臣のお答えでございましたが、九月二十三日の日経新聞の論説を見ますと、年収一千万円前後の所得層の重税感をなくするような政府税調答申ではあるけれども、実際にやってみますと、所得税、住民税の合計で一千万前後の所得層を対象にした場合、月に一万六千円程度しか減税にはならないと。ことしの戻し減税、いわゆる定率減税に比べると年六万円程度の実質増税になるのではないか。これを前提にすれば実質八百万前後の年収の人たちは増税となる。こういうことだと、消費税を導入するために低所得層に逆に減税をして中堅層には泣いてもらうことになりはしないか、こういう論説でございますが、これについてはいかがお考えでしょうか。
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小川是#6
○政府委員(小川是君) ただいま御指摘の日本経済新聞の論説は、私ども拝見いたしましたが、かなり基本的な税制改革についての受けとめ方のところについて議論が混線しているような感じがいたします。
 そこで、まず、まさに今大臣と委員の間でお話がございましたように、今回の税制改革、三兆五千億の制度改革に伴う減税の姿で申し上げますと、収入一千万円のところでは、ここにあります月一万六千円ではなくて、年額にいたしますと約十三万八千円でございますから、月当たり十二で直しますともうちょっと小さいものになります。ここで月一万六千円程度と言っておりますのは、平成七年度において制度減税のほかに景気対策の観点から定率の特別減税を二兆円行う、その減税額をこの一千万円の階層について計算して加算をしてみると、それは合計十三万八千円ではなくて二十万八千円程度になりますので、月額一万六千円程度になるというところでございます。
 今回の税制改革の趣旨からいたしますと、やはり恒久制度改革である制度減税が各階層別にどのように影響を及ぼしているかというのを何よりも御審議いただきたいと思うわけでございまして、その際に、一千万円階層のところの軽減割合が実は比較的低い。例えばこの階層ですと軽減割合一一・六%でございまして、というのもこれまた事実でございます。
 これは大臣から御説明いたしておりますように、さきの抜本改革以前の改革とあわせて各階層別にごらんをいただきますと、軽減割合は、四、五百万円の六、七割のところから一千万円の階層は三六・八%になだらかに実はこの軽減割合が下がってきているわけでございまして、その後、一千万円から上もこの三六・八からなだらかに下がっている。しかし、前回の軽減割合は比較的低かったものですから、今回の分は相対的に高くなっている。この七百万円、八百万円あたりから上の中堅所得階層で二回を合わせますと、滑らかなかつ負担感の累増を減らすような形の制度改革を御提案しているという次第でございます。
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池田治#7
○池田治君 大蔵省の試算と日経新聞の試算とはちょっと違っているようでございますが、私もここで議論をする用意もありませんので、次に移らせていただきます。
 平成六年分所得税減税法の附則についてでございますが、七年分以降の所得税につきましては「速やかに、税制全般の在り方について検討を加えて税制改革を行い、抜本的な所得税の減税を行うものとする。」というような附則がついておりますが、附則というものは法律の条文そのものではございません。条文の後にこうしなければならないという、これは訓示規定といいますか注意規定といいますか、そういうものだろうと理解しておりますが、そこにおきましても抜本的な減税を行うと書いてあります。
 今の減税法は定率減税と制度減税という二階建て減税と言われておりますが、全体として五・五兆円のうち制度減税が三・五兆、特別減税が二兆円、この程度でございまして、この程度の修正では附則に書いた趣旨には到達しないんじゃないかと私考えますが、いかがでしょうか。
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武村正義#8
○国務大臣(武村正義君) どういう物差してごらんいただくかによって結論も違ってくるのかなというふうに思います。
 五・五兆円の制度減税論がございました。国民福祉税はまさにそれを基本にしておりましたから、その制度減税の額からすれば二兆円値切った、少なくなったと。だから小幅になった、中途半端だと、こういう見方は外見だけで見ればされがちでございますが、やはり中身をきちっと見ながら御議論をいただければありがたいと思うのであります。
 あるべき所得課税を構築するために何が必要か、今の所得課税のどこに大きな矛盾というか問題点があるのか、その一点を見詰める限りは、たびたび申し上げてまいりましたように中堅層以上の累進緩和というのが最大の課題、長年の課題であったわけですが、この課題に今回思い切って手をつけたと。
   〔委員長退席、理事竹山裕君着席〕
 先ほどブラケットの話を申し上げましたが、これは三〇%、四〇%もごらんいただきたいし、最高税率の五〇%ですら一千万円ぐらい金額がシフトしますから、今まで二千五百万前後でございましたのが、三千五百万を超えると最高税率というふうに全体に幅が動きますから、税率の緩和は大きく働いてくるわけでございまして、これを抜本的と言わないで、ほかに抜本的という改革はあり得るだろうかというふうにも私は思っております。
 そもそも五・五兆円の場合は、そのうち二兆円は課税最低限の引き上げに充てるということが基本でありまして、これは先ほども申し上げたように、果たしてそれは本当の改正になるのかどうかということも含めて真剣に考えますときに、今回の改正はそういう所得税減税法附則に言うまさに抜本に値すると、私どもはここは自信を持って申し上げている次第であります。
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池田治#9
○池田治君 「抜本的な」という抜本の解釈によるというような意味でございますが、大蔵大臣がこれが抜本でなくて何が抜本がと言われれば、それ以上のことは伺えませんので、次の問題に移ります。
 この制度減税の内訳を見ますと、給与所得控除の拡充、人的控除額の引き上げ等々で一兆円近いものは省かれておりますので、残りの所得税の税率構造の改正に充てられる分は一兆六千三百億円、住民税の税率構造の改正に充てられる分は六千七百二十億円にとどまっております。
 政府税調の中期答申に示されたように「世代を通じた税負担の平準化」、「ライフサイクルを通じた税負担の平準化」ということを目指す税制を構築しようとするならば、所得税、住民税の税率構造の改正にもっと財源を充てるべきではなかったか、こう考えますが、いかがでございましょうか。
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小川是#10
○政府委員(小川是君) 先ほど大臣から申し上げましたように、国民福祉税構想当時の減税につきましては、昨年十一月の政府の税制調査会答申を受けまして私ども事務的にはいろんな想定をしながら作業をいたしておりました。その結果が、税率構造で三兆ないし三兆五千億、消費税率を四%引き上げるときにはやはり課税最低限二兆円程度上げざるを得ないのかなということでございました。
 その税率構造の直し三兆ないし三兆五千億というところからいたしますと、今回は税率構造の改正で直接二兆三千億でございますが、実は給与所得控除の改定といいますのは実質的に税負担構造、累進課税等に影響いたしてまいります。そういったものを勘案いたしますと、税率を見た部分が約二兆五千億ということでございまして、想定いたしておりました七、八割方は税率構造を滑らかにといいますか、負担累増感をなくすために改革をさせていただけるのではないか。これはやはり現在の財政状況あるいは税負担状況のもとでは非常に思い切った抜本的な将来たえ得る税率構造をつくらせていただいているのではないか、このように考えている次第でございます。
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池田治#11
○池田治君 しかし、もっと多ければもっといい税率構造ができるんじゃないですか。
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小川是#12
○政府委員(小川是君) その点につきましては、例えば最高税率のあり方についてどのように考えるか、それから二〇%の税率の適用帯を広げるとともに、三〇、四〇、五〇も適用帯を滑らかに広げているわけでございます。これをどの程度まで広げることが望ましいと考えるかということについて新しい税制調査会でも改めて御議論をいただき、最終的にこうした姿が現状考えられるベストの姿ではなかろうかということで御提案を申し上げた次第でございます。
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池田治#13
○池田治君 次に定率減税、特別減税の二兆円ですが、これにつきましては、我々も以前から景気対策をやれやれと言いまして要求した額でございますので、それなりの評価はしております。そしてまた、低所得層への重点配分という点でも評価できますが、これは早ければ七年の末、遅くとも八年の末には打ち切りとなる運命となっております。打ち切られた後には、平成九年度の初めから消費税がアップされてきます。
 そうしますと、定率減税の打ち切り、消費税の引き上げというのが同時もしくは一年後になされるわけでございます。そうしますと、年収七百万以下の所得層、いわゆる低所得層の方はダブルパンチを食って、かなり家計が苦しくなることが予想されるのでありますが、果たして低所得層への配慮は、今はいいですが、二年後これでいいんでしょうか。また、景気へのマイナス効果が出てくると思われますが、これはいかが大蔵省は考えておりますか。
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武村正義#14
○国務大臣(武村正義君) 今回の税制改革の特色の一つは、この不況のさなかに論議がなされて、今日はやや明るさが出始めておりますが、まだ本格的な軌道に乗ったとは言い切れない、こういう状況の中で今議論をいただいているということであります。
 したがって、長年議論がございましたが、景気政策として大胆に減税政策というものを政府が採用させていただいている、そのことが今回の税制改革の、先ほど来議論がありますような所得税の制度減税をきちっとやっていると言いながらも、全体像をやや複雑にさせている背景がございます。しかも、その規模が五・五兆円というスケールでことしもう出発をいたしておりますことから、この五・五兆円を来年も継続する、景気が回復しない限りは再来年もやるんですと、こういう姿勢をまず打ち出しておりますために、制度改革全体の姿をよくごらんいただければわかっていただけるはずでございますが、見ようによっては二階建てとか、そういうやや複雑な状況を来していることは事実でございます。それは私どもは非常にそこは工夫をして、細心の配慮をさせていただいてそういう結果になっているというふうにお答えをしているところでございます。
 ところで、景気対策でございますから、いつまでもエンドレスにこれを続けることはできませんし、またすべきではありません。なぜなら、財源が非常に厳しい状況の中で、目をつぶってつなぎ国債を発行しながらこの減税政策を実施しているということでございます。政府としては、一年でも早く景気がよくなってこの減税はやめさせてもらいたいというのが本音でございます。
 しかし、来年は少なくとも、たとえ上昇に向かうにしてもまだかなり重い足取りでありますから、既に同じ規模でやらせていただくという決断をしておるわけでございますが、再来年はこの辺はまだ見えておりません。でも、今の経済状況で見る限りは緩やかな回復の方向でございますから、だんだん明るくなっていくと私どもは信じております。
 そういう意味では、消費税の増税を三年後の平成九年四月一日に置かせてもらっておりまして、そのときまでには景気は回復しているだろうという前提に立っておるわけでございまして、あくまでも減税政策として特別の対応をさせていただいております以上は、二年ないし三年の期間が来れば、これは迷わずやめさせていただきたい。
 そのことによって、特別減税がなくなるということは事実でありまして、それを負担の増とおとりいただくか、特別の減税がなくなったというふうに素直にとっていただければ一番わかりやすいわけでありますが、そのことと消費税のアップがたとえ万一ダブりましても、これはやはり二つの問題は性格を異にしておるということで御理解をいただきたいというふうに思います。
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池田治#15
○池田治君 性格を異にすることはわかりますけれども、消費税のアップというのと特別減税のなくなることとが一緒に来た場合の経済的な効果というものはどうお考えかというお尋ねをしているわけでございますが。
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武村正義#16
○国務大臣(武村正義君) それはまさに景気が明るくなるという状況を前提に置いておりますから、そういう前提で特別減税を終えるということであります。消費税の問題はまさに減税、福祉を基本にしながら二%の充実をお願いいたしているところでございまして、問題はその時期をいつからということで、来年からという選択もそれはあり得るわけでございますが、これも景気対策の視点から三年後という選択をあえてさせていただいているということで御理解いただきたいと思います。
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池田治#17
○池田治君 今の大臣の答弁にもありましたし、また税制改革要綱でも、「景気が特に好転した場合には改めて検討するしということがうたわれております。ここに言う「景気が特に好転した場合」とは、どういう場合を指すんでしょうか。今、大臣のお話を聞くと、緩やかに景気は上昇に向かっておると言われましたが、「特に好転」と言ったら、これはバブル経済のようなことを意味するのか、それともそこまでいかないけれども、現在の経済成長率二・四%が三%、四%になったという場合を指すのか、こういう問題があると思いますが、これは大蔵省はどういう試算をされておりますか。
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小川是#18
○政府委員(小川是君) 特別減税の趣旨が、先ほど来申し上げておりますように景気に対する配慮であって、所得税の負担感あるいは負担のあり方の問題とは別の問題として景気対策のために講じているわけでございますし、財源はないわけでございますし、できるだけ早くこれを打ち切る必要があるということでございます。
 逆に申しますと、我が国経済の内需中心の持続的成長を確保するという観点から行っているわけでございますから、あえて赤字公債を発行してまでそうした減税を行って景気刺激のための措置を講ずることは必要がないのではないかという景気の状況になれば、それはそこで平成八年度の特別減税を実施しないということも検討する、あるいはそういう判断があり得るということでございます。
 したがいまして、この点につきましては、経済の水準ももちろん重要でございましょうが、そのときの経済の流れと申しますか、どういうふうなテンポで動いているか、あるいは動くと見きわめられるか、それからさらには先ほど来の平成九年の消費税率のアップということも見きわめながら、来年の秋、平成八年度の予算編成の際に総合的に判断をしなければならない課題である、このように考えております。
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池田治#19
○池田治君 お気持ちはわからぬこともないですが、それではちょっと大蔵省としての国民に対する説得力は弱いんじゃないでしょうか。
 続けますが、平成八年の特別減税につきましては法律案としてはなっておりません。平成八年の定率減税は、要綱には出ておりますけれども法律案に明記されておりません。要綱に示されただけです。としますと、この要綱記載の記述は法律でもない。大蔵省が勝手に決めるものだと。専制君主が、これは景気がよくなったら景気がいい、景気が悪いと思ったら景気が悪い、こう判断すればやれるんでしょうか。
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武村正義#20
○国務大臣(武村正義君) 御承知のように、つなぎ国債という異例の措置をとりながら特別減税をしていくわけでございますから、毎年毎年真剣な判断、議論を経て最終的には国会でお決めをいただくということであります。大蔵省が恣意的にやるというようなものではありません。
 来年の今ごろでございましょうか、再来年の景気をしっかり議論して、その上で総合判断をしていきたい、国会でもしていただきたいというふうに思っている次第でございます。
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池田治#21
○池田治君 それは総合的な判断も必要だし、最終的には国会で決めていかなくちゃいけないと思いますけれども、来年度のは書いて再来年度のは書かないで要綱だけで示しておるということが、もともと租税法定主義の観点から見ましてもちょっと中途半端なんじゃないかと私は考えますが、いかがでしょうか。
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武村正義#22
○国務大臣(武村正義君) 御承知のように、赤字国債と言われております特例国債につきましては、財政法も大変厳格に規定をいたしておりまして、禁止されておるわけです。それを特別なときには例外的に認めると、こういう姿勢で来ておりますので、毎年毎年真剣に議論をして、特別な理由があるときには認める、認めていただく、こういう非常に厳しい姿勢をとっておりますからこういうふうなことにしておるわけで、安易に何年も先にそういうものを規定するという姿勢は、やはり財政運営、特に赤字国債発行の姿勢としては財政法の趣旨に合わない、そういう考え方に立っているからでございます。
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池田治#23
○池田治君 それはそうですよ、何年も先のわからぬことを言うわけにいかないし、財政法が厳しくチェックしていることもわかるし、何よりも租税法定主義というのが先に立ちまして、税を国民に負担していただくためには国家権力は法律によらなければできないということは厳しい鉄則でございまして、それがあるにもかかわらず、要綱に記載させたり、また法律で記載しないでいるところが今回の問題点ではなかろうかという疑問を私は抱いているものでございますが、どうですか。
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小川是#24
○政府委員(小川是君) 当面の景気対策としてどのような政策を講ずる必要があるかという点につきましては、来年も制度減税三兆五千億を含めて五兆五千億規模の減税を継続したい、そういう意味で政策を定め、それに要する法案の御審議をお願いしているというところでございます。
 ところで、八年度の経済についてはどうかというところにつきましては、この税制改革要綱で閣議決定をした文章の中でわざわざ、八年度もやります、ただ、特に好転したら再検討しますというところは、まさに現状における将来の経済、景気に対する一つの考え方を反映しているわけでございまして、再来年の経済を論ずることでございますから、本来なら来年裸で論ずるというのも一つでございましょう。
 しかし、現下の経済情勢から、再来年についても必要があればこれを継続するのだ、しかし、それが本当に必要かどうかは直近である来年決めていく必要があるというところが閣議決定で要綱にその政策の方向性を定めているところでございまして、両者はやはり政策の位置づけといいますか、御提案のしぶりにおいて当然経済とのかかわりで若干の差があるという点は御理解を賜りたいと思うわけでございます。
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池田治#25
○池田治君 平成七年度と八年度の間に経済が好転するかまた低迷するかわからない状況のもとにあるから明文は示せなかった、その後で書くということは十分理解しております。しかし、私が言っているのは、そういうわけもわからぬものを要綱に書いて示すというよりも、一年だけ確定しているのならこの一年間の法律だけでよかったのではないか、来年は来年の新しい問題を論ずればよかったのではなかろうか、こういうことで租税法定主義を厳格に守っていただきたいという要望をしておきます。
 次は、所得税減税の効果です。
 住民税、所得税が中堅所得層に適用される限界税率の水準というのは、高い構造になっていたのを是正して、給与収入がふえた分だけ手取りもふえますよといった構造にしたいということで、いろいろ政府も御苦労されてきたのだと思っております。
 しかし、今回厚生年金の改正がありました。これでいきますと、保険料を二段階に分けて一千分の二十八・五引き上げて、同時にボーナスからも一%分を徴収する、こういうことになりました。そういうことになりますと、所得税の減税の効果が余りなくなってくるのではないか、保険料率の負担というものと減殺されるような結果になるのじゃなかろうか、こういうふうにも考えられますし、実際に民間研究機関の試算も出されております。このような結果を含む税負担と年金保険料の問題について大蔵当局はどのようにお考えでしょうか。
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武村正義#26
○国務大臣(武村正義君) 今回の年金制度の改革は、高齢化が進展していく中で保険制度としての年金制度を長期的に安定させていくためにいろいろ議論をいただきました。将来にわたって給付と負担のバランスを図るという立場から保険料の引き上げをお決めいただいたということでございます。一方、税制改革は、こうした特別の行政目的といいますか、特別のサービスにかかわる議論でなしに、国民のだれもが享受する公共サービスの費用をどうして公平に社会全体で御負担をいただくかという立場に立つものでございます。
 そういう意味で、受益とサービスが比較的直接つながっていてわかりやすい年金の問題と税制全般の問題とはやはり分けてお考えをいただきたい。確かに、足せばオーバーラップしますから負担という意味では重なるわけでございますし、その分可処分所得は減るわけでございますからこういう論議は大変大事だと思っております。しかし、制度の本来の背景といいますか、は別のものだという認識に立っております。
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池田治#27
○池田治君 それじゃ、次に移ります。
 法人特別税の廃止分が三千六十億円、自動車消費税の経過措置の廃止分が四百二十五億六千万円となっておりますが、今回の税制改革ではこれらにつきましては特段の財源措置を講じておりません。これは来年以降の予算編成の分で対策を立てるということで大蔵省はお考えなんでしょうか。なぜ法人特別税の廃止分についても税制改革の中で財源の手当てをなさらなかったかということをお尋ねいたします。
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伏屋和彦#28
○政府委員(伏屋和彦君) 今、先生がおっしゃられましたように、法人特別税三千六十億、それから自動車消費税四百二十五億がいわゆる減税特例公債の対象となっていないわけでございます。
 これはもともと前回の税制改革の一環として位置づけられておったものとはいいましても、厳しい財政事情に対応するために特に設けられました時限的な措置であったことから、他の所得税等の減税とは若干性格を異にするということで、まず全体の税制改革のフレームの中に入っていないこととしたところで、したがいまして七年度以降の減税特例公債の対象にもしていないわけでございます。
 そうしますと、今先生がおっしゃいますように、一体その減収分はどうなるのかということでございます。まさにその減収分は、結局、今の額の分財政状況が一層厳しくなるわけでございます。といいますことは、例えば今やっております七年度予算編成におきましても、歳入と歳出のアンバランスの差がその公さらに要調整額が開くわけでございます。
 この処理につきましては、現段階でまだ私どもその確たる見通しを立てているわけではございませんが、これらの減収分も含めまして、もともと極めて大きな要調整額があるわけでございますが、まさに歳出歳入両面でこれからぎりぎりどのような努力が考えられるか、予算編成過程において鋭意検討し、調整していかなきゃならない問題でございます。
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池田治#29
○池田治君 財源の手当てもなしでいろいろ税の負担を軽くするということは、軽くされた方からいえばありがたい話ですけれども、国家の財政としては、廃止した分だけどこに財源を求めるかということも考えなかったら、本来ならば廃止すべきじゃないと思うんです。だから、大蔵省のやり方は、廃止だけしてあとの財源の手当ては考えていない、今から考えるということでは、ちょっと泥棒を捕まえて縄をなうというような方式で、国家財政を担当される大蔵省の方針としては若干不信感が出てくるんではないかと思いますが、どうお考えですか。
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