大蔵委員会

1995-03-16 参議院 全245発言

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会議録情報#0
平成七年三月十六日(木曜日)
   午前十時開会
    —————————————
   委員の異動
 三月十三日
    辞任         補欠選任
     野別 隆俊君     一井 淳治君
 三月十六日
    辞任         補欠選任
     鈴木 和美君     大森  昭君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         西田 吉宏君
    理 事
                竹山  裕君
                楢崎 泰昌君
                志苫  裕君
                峰崎 直樹君
                白浜 一良君
    委 員
                上杉 光弘君
                片山虎之助君
                佐藤 泰三君
                清水 達雄君
                須藤良太郎君
                増岡 康治君
                一井 淳治君
                大森  昭君
                久保  亘君
                鈴木 和美君
                谷畑  孝君
                寺崎 昭久君
                野末 陳平君
                池田  治君
                吉岡 吉典君
                島袋 宗康君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  武村 正義君
   政府委員
       大蔵政務次官   石井  智君
       大蔵省主計局次
       長        伏屋 和彦君
       大蔵省主税局長  小川  是君
       大蔵省関税局長  鏡味 徳房君
       大蔵省理財局長  田波 耕治君
       大蔵省証券局長  日高 壮平君
       大蔵省銀行局長  西村 吉正君
       国税庁次長    松川 隆志君
       国税庁課税部長  堀田 隆夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小林 正二君
   説明員
       国土庁土地局地
       価調査課長    垣内 康孝君
       通商産業省産業
       政策局企業行動
       課長       北村 俊昭君
       労働省労政局労
       政課長      菅原 英夫君
       建設省住宅局民
       間住宅課長    坂田 隆史君
       自治省税務局固
       定資産税課長   板倉 敏和君
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  本日の会議に付した案件
○平成七年度における財政運営のための国債整理
 基金に充てるべき資金の繰入れの特例等に関す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)
○租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○関税定率法及び関税暫定措置法の一部を改正す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)
    —————————————
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西
西田吉宏#1
○委員長(西田吉宏君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十三日、野別隆俊君が委員を辞任され、その補欠として一井淳治君が選任されました。
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西
西田吉宏#2
○委員長(西田吉宏君) 平成七年度における財政運営のための国債整理基金に充てるべき資金の繰入れの特例等に関する法律案及び租税特別措置法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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清水達雄#3
○清水達雄君 自民党の清水達雄でございます。きょう私は、租税特別措置法に絡みまして、土地税制を中心に御質問をいたしたいと思います。
 実は、今回の土地税制改正につきましては私も端っこの方でいろいろ関与はしているわけでございます。でき上がった内容につきましては私としても必ずしも満足をしているわけではございませんで、そういう点も含めてお話を申し上げますが、その点については僕は全部大蔵省のせいだと言うつもりはありませんで、与党内でなかなか合意を得ることができなかったという面があるということはもちろんよくわかった上で御質問を申し上げたいと思います。
 まず第一に、土地の長期譲渡所得課税でございますが、特別控除後の譲渡益四千万円以下の部分について税率を三〇%から二五%に引き下げたわけでございますけれども、この引き下げをどのように説明するのか、かなりこれは政治的な折衝の舞台があってこういうふうになったというふうにも思うんですけれども、政府としてこういう引き下げというのをどんな理屈づけでどういうふうに御説明なさるのか、お伺いいたしたいと思います。
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小川是#4
○政府委員(小川是君) 長期でございますが、個人の土地譲渡所得課税制度につきまして、改正前の制度におきましては一般の長期譲渡所得につきまして所得税率三〇%、住民税九%で分離課税になっておりました。今回の改正では、四千万円を超える部分につきましては従来どおり三九%、四千万円以下の部分について三二・五%という改正を御提案しているわけでございます。
 こうした改正を御提案するに至りましたのは、平成三年度の税制改正におきまして、それまで四千万円を超える部分は三二・五%、四千万円以下の部分は二六%となっておりましたのを、勤労所得等との負担の均衡にも配慮して、土地については相応の負担を求めるべきだということで一本化し、かつ三九%という、それまでの二分の一長期譲渡所得の課税といった考え方を引っ張っていたところから離れたわけでございます。
 今回の税制改革におきましては、勤労所得に対する税負担が軽減されたというところから、そうした負担とのバランスも考えるべきではないかということで議論が行われたわけでございます。一方で、この土地譲渡所得につきましては、やはり長期安定的であるということが一つ重要でございますし、また簡明であるということも重要であるというふうに考える次第でございます。そういう意味からいたしますと、それまでの平成三年度前の仕組みを離れて新しい制度をつくった。
 また、若干もとへ戻るところがございますけれども、なぜ四千万円で区切ったかと申しますと、三年度以前にそういう形があったというところから、比較的国民全体にとってもわかりがいいだろうというところから四千万円の区切りをつくり、それから勤労所得に対する税制上の軽減がかなり進んだところから、一律三九から三二・五に下げる部分をつくったと、こういう考え方で整理をいたしているところでございます。
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清水達雄#5
○清水達雄君 今のお話ですと、所得税改革で大体五%ぐらい所得税率が下がった、これはいろんな階層がありますから一概には言えませんけれども、そういうふうなところから三〇%を二五%に下げたというふうなお話でございますが、いわゆる譲渡所得課税につきましては、昭和二十一年に発足以来、いわば二分の一総合課税という原則を打ち立てて、これはまた後で言いますけれども、これはやっぱり税の性格からしてそういう考え方を基本にしながら運用をしてきた。途中でいろいろ変動はありましたけれども、一つの哲学はそういうところにあったのではないかというふうに思うんです。
 平成三年度の税制改革で勤労所得との比較という議論が出てきているわけでございますけれども、そこのところでやっぱり哲学というか考え方の変化があった、少なくとも大蔵省としてはそういうふうなことになったのかどうかという点について、ちょっともう一回お答えいただきたいと思います。
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小川是#6
○政府委員(小川是君) 平成三年度の税制改正の前、一年かけまして税制調査会では土地税制の問題の議論が行われました。この議論が行われましたのは、その背景に長年にわたる土地に関する議論が、平成元年末の土地基本法の制定というところが背景にあったわけでございます。
 そこで、税制調査会で土地税制について譲渡所得に対する議論が行われましたときには、やはり土地についての土地基本法における認識が、公共の福祉の優先であるとか、あるいは土地の価値の増加というのは主として外部的要因で、経済全体で、社会全体で上げていくものである、そういったところが基本法にうたわれたところから、税制調査会では、長期譲渡所得については従来のような二分の一総合課税ということが頭にあるのは事実であるけれども、土地についてはこの考え方から離れて、むしろ相当程度税負担を引き上げていくことが適当であると考えるという答申に至ったわけでございます。
 その意味では、今委員御指摘のように、いわゆる累進課税を緩和する観点からの長期譲渡所得の二分の一課税という考え方と土地の譲渡所得課税についてはこの段階で考え方が離れていった、あるいは切り離されたというのはそのとおりであろうというふうに認識いたしております。
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清水達雄#7
○清水達雄君 この問題はまたもうちょっと後で議論したいと思いますから、先に進みたいと思います。
 それで、法人に対する一〇%の追加課税については引き下げをやらなかったわけでございます。この問題については、例えば赤字でない法人が土地を売った場合には国税、地方税合わせて六十数%の税がかかるわけですね。こういうふうなことになりますと、不良資産を処理するとこれは相当の赤字が出るわけでございますけれども、その赤字を埋めるのには、譲渡益が出る土地を売るとか、あるいはこれは譲渡益が出ても出なくてもしょうがないかもしれませんが、株式を売るとかいうことにして赤字を消さないと不良資産の処理ができないという、そういう実態にあるわけでございまして、私は、これは今の我が国の企業の活力の問題に非常に大きな影響があると思っているんです。
 そういう意味で、また後からちょっと個別具体のケースに即して御質問いたしますけれども、住宅建設の促進等の観点からも非常に問題があるところで、個人の長期譲渡所得課税について若干の引き下げを行ったのに、法人についてはなぜやらなかったのかということを御説明いただきたいと思います。
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小川是#8
○政府委員(小川是君) なぜ法人の課税制度には手をつけなかったかという点につきましては、個人の譲渡所得に対する課税をなぜ見直したかというのが、先ほど申し上げましたように、勤労性所得に対する所得税の全般的な軽減ということを背景にして、譲渡所得についても見直しをある程度してはどうかという考え方があったわけでございます。
 法人につきましてはそのような特別の事情はないわけでございまして、むしろ、平成三年度に法人の土地譲渡所得についても一般的に一〇%、通常の法人税のほかに課税を行うという考え方がとられ、その考え方は今回もそのまま踏襲すべきである、このように考えられたからでございます。
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清水達雄#9
○清水達雄君 法人について平成三年度の改革でなぜ一〇%追加課税をやったかということにもさかのぼって議論しなきゃいけないんじゃないかと思うんですが、個人についてはいわゆる所得税率の税率構造が変わる等々して減税になったから個人の譲渡所得課税は引き下げたけれども、法人についてはそういうことが何もなかったからやらないんだと。税を考える場合に、世の中の実態を余り見なくて、どうも何かそういう形の上での論理というふうなことに引きずられ過ぎているんじゃないかという感じを持っているわけで、これは私の感想でございますからお答えはいいですけれども、そういう感じが非常にするわけでございます。
 そこで、実は法人についても一〇%追加課税が適用除外をされる場合があるわけですね。優良建築物の造成のための譲渡というふうなものについてはこの一〇%追加課税が適用除外になるわけですが、これも非常に複雑なんですね。
 そこで、法人が持っている棚卸資産についてはみずから一定の造成、建築を行って譲渡をすれば追加課税が適用除外になる。それからビルの敷地といったふうな固定資産については、買い受けた者が新たに造成、建築を行えば適用除外が受けられるというふうなことになっているわけですが、これはそのとおりでございますか。
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小川是#10
○政府委員(小川是君) 一〇%の追加課税を行ったのがなぜかというのが問題の発端だというのはそのとおりだと存じます。
 そこで、ちょっとそこを御説明させていただきたいと思うんですが、先ほどもちょっと触れましたように、土地が公共的性格を有するものであって、その価値が公共事業とか経済活動の集積などの主として外部的要因によって増加するものである。他の商売でいろいろリスクを冒して利益を上げるというのとは土地の譲渡益は性格が異なるんではないか。したがって、ある程度他の所得よりも高い負担を求めるのが公平にかなうし、土地を持っていると有利であるという土地の資産としての有利性の縮減にかなうものである、このように考えられて、土地に係る所得に対して追加課税が行われるようになったわけでございます。
 したがいまして、逆に申しますと、そこから見れば外す方が適切ではないかというふうに考えられますような、基本的には棚卸資産のように土地を造成して売買を行うというような行為というのは、先ほどのような外部的要因であるとかいうものとは別のものとして考えていいのではないかというふうに考えられるわけでございます。
 そこで、現状では、棚卸資産である土地の譲渡で一定の要件に該当するものという、不動産業者に対する一定のものについての追加課税をしないということ。もう一つは政策的な観点から、これを買い受ける側、公有地を確保する、あるいは優良な宅地の供給であるとか優良な建築物の供給に資する土地の譲渡である、これは土地政策上からも進めるべきであるというふうに考えられまして、一〇%の追加課税を行わない、適用除外とすることにいたしているわけでございます。
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清水達雄#11
○清水達雄君 土地基本法から発する基本的な大蔵省なり政府の税制調査会の考え方は私は間違っているというふうに思っているわけです。というのは、部分的にしか土地基本法を引っ張り出していない、土地基本法を総合的につかまえてない。
 そのことはまた後から申し上げますけれども、土地の値段というものが公共施設の整備とかそういう社会経済的条件によって動くんだという面はもちろんありますけれども、土地を有効に利用する、しなきゃならぬというのが土地基本法の最大の理念でありまして、そういう点に抵触しているわけですよ、今、大蔵省がやっている土地税制というのは。そういう意味で、非常に部分的にしか土地基本法を受け取っていないということがありまして、これは従来から言っているわけです。
 そのことはちょっとおいておきまして、どういう場合にこの一〇%追加課税が適用除外になるかならないかという点についてちょっと具体的にお伺いをいたしたいと思います。
 まず第一点ですけれども、不動産企業が未造成地を国、地方公共団体あるいは他のディベロッパーに譲渡する場合には、この一〇%の追加課税は適用除外になりますか、なりませんか。
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小川是#12
○政府委員(小川是君) ただいまの不動産企業が造成していない土地、未造成地を国、地方公共団体あるいはほかのディベロッパーに譲渡する場合につきましては、一〇%課税の適用がございます。適用除外にならないというお尋ねはそのとおりでございます。
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清水達雄#13
○清水達雄君 個人が国、地方公共団体に土地を譲渡した場合には軽減税率が適用されるんですよね。個人が譲渡すれば軽減税率が適用されるけれども、法人が譲渡した場合には、言うなれば軽減税率に該当するような追加課税の適用除外という措置がとられないというのは私は税制としては非常に不公平といいますか、思想が一貫していないというふうに思うんですけれども、どうでしょうか。
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小川是#14
○政府委員(小川是君) ただいまの点は、一般の法人が譲渡をした場合には一〇%追加課税の適用除外でございますが、不動産を扱う事業者がその棚卸資産として国や地方公共団体に譲渡したからと、それだけの理由で適用除外にはならないということでございます。したがいまして、一般の事業者が個人と同じ立場で譲渡をされる場合には、ほとんどすべての法人については適用除外になるということでございます。
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清水達雄#15
○清水達雄君 わかりました。その点はちょっと私の方の認識が間違っていたかもしれません。
 それから、不動産企業が保有ビルを取り壊してマンション分譲をする場合にはどうなんでしょうか。
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小川是#16
○政府委員(小川是君) 繰り返しになりますが、不動産事業者が棚卸資産、つまり他人に譲渡する目的を持って取得した土地を売却する場合につきましては一〇%の適用を基本的にはしないということでございます。
 しかしながら、不動産事業者であっても、ほかの法人と同じような目的で土地を持っている場合、例えば本社ビルであるとかあるいは支店のビルであるとか、賃貸ビルの用地として持っているような土地、これを取り壊しまして例えばマンションを建てて分譲をするというような場合には、これは他の法人が持っている土地と同じ性格の資産としての土地ということになってまいりますから一〇%の追加課税の適用対象になる、こういう関係でございます。
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清水達雄#17
○清水達雄君 適用対象になるんですか。
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小川是#18
○政府委員(小川是君) 一〇%の追加課税が適用になる、一〇%の課税が行われるということでございます。
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清水達雄#19
○清水達雄君 これはいわば棚卸資産じゃなくて固定資産でありますね、通常の固定資産。これを取り壊してマンションを建てて売った場合には、これは固定資産の方の論理からして、自分が自分の土地にマンションを建てて売ったんじゃ追加課税になりますよということなんですね。どうもそういう点がよくわからないんですね。大蔵大臣に急に聞いてもあれかと思うんですが、経営も苦しくなってきたから本社ビルを取り壊してマンションを建てて売るというときに、これについて追加課税がかかるという税制になっているわけですよ。どうも常識的に理解ができないわけです。
 じゃ、もうちょっと行きます。今度は、不動産企業が保有ビルを取り壊してマンションをつくるんじゃなくて、そのままビル経営を承継する他の会社に譲渡をする場合、これはどうでしょうか。
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小川是#20
○政府委員(小川是君) 御説明がうまくないのかもしれませんが、法人が持っております土地を売却いたしますと、当該法人が黒字であれ赤字であれ、その譲渡益の部分については原則として一〇%の課税が行われるわけでございます。なぜ行われるようになったかというのは、先ほど申し上げたような土地の資産としての有利性の縮減といったようなことでございます。
 これは今はちょっと逆のことが起こっているということかと存じますが、長年にわたる土地についての議論というのは、企業は一般的には、工場を建てたり建物を建てるときには、いざというときのためにできるだけ土地を持っておく方がいいんだということを経営者の方なんかは公言しておられたわけでございます。まさにこういう不測の事態のときには土地というものを売れば何とか生き延びていけるもんだと。ところが当時の議論は、そういうことが我が国における土地、不用の土地、あるいは利用に貸さない、今利用しない土地をみんなが持つようになって地価の高騰を招いているということが議論されたわけでございます。
 したがって、今度は、土地を売ったら赤字であってもその土地の譲渡益の部分については一〇%の負担をしていただくということになったわけでございます。しかしそのことは、例えば土地を買って売る、造成をして売るということを業としておられる方は、まさに売るために買っておられるわけでございますから、その部分については一〇%の追加課税をしないということが規定されているわけでございます。
 今度は、今おっしゃった本社ビルを片づけてその土地を売る、あるいはビルごと売るという場合には、今申し上げたような買って売るということを業としておられる土地とは違うわけでございますから、たとえ本社ビルの用地を売ったのが不動産会社でありましても、他の事業会社が本社ビルを売ったときと同じように一〇%の追加課税を受ける、こういう考え方で、一応一貫した考え方がとられているというふうに私どもは御説明を申し上げたいと思うわけでございます。
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清水達雄#21
○清水達雄君 それから、今、不動産会社の話をしましたけれども、一般企業がかなり遊休化したような工場、倉庫等を閉鎖して、みずからマンションを建てて分譲する場合にも一〇%の追加課税がかかるんですね、これは。ちょっと確認します。
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小川是#22
○政府委員(小川是君) 考え方としては、利益があれば一〇%の追加課税がかかるわけでございます。
 二つそれについて申し上げたいと思いますのは、一般の企業であれ不動産会社であれ、その土地あるいは建物を売りましてはかに同じような物件を求められるときには、圧縮記帳という制度がございます。事業継続の場合の圧縮記帳がございますから、利益の部分がそれだけ小さくなるということが一つ。
 それからもう一つは、昔の土地を売った場合の利益計算のときに、当時の簿価に加えて、これまで保有していた期間に応じて、簡単に申し上げますと年率で一〇%に相当する部分を帳簿価額に上乗せをしていく。そして、売った価額との差を求めて、その部分にこの一〇%追加課税を行うという制度になっております。したがいまして、丸ごと追加課税を受けるわけではありませんで、年率一〇%相当分を控除した残りの利益に課税が行われるということを追加して御説明させていただきたいと存じます。
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清水達雄#23
○清水達雄君 どうも税の専門家じゃないからよくわからないんですけれども、一〇%上乗せするというのはどういう意味なんですか。
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小川是#24
○政府委員(小川是君) 例えば、七年前に一億円で土地を取得した。それをことし一億二千万円で譲渡をしたとしますと、形の上では一億円が一億二千万円でございますから二千万円の利益が出ることになりますが、この追加課税の計算上は、一億円に対して一年につき一割ずつ、七年間ですから七割、七千万円を乗せまして一億七千万円を原価として計算するという仕組みになっております。
 したがって、七年前に一億円で取得された土地を一億二千万円で譲渡されますと、会社にとっては確かに二千万円の利益が出ますが、一〇%の追加課税を受けるかどうかという点につきましては、一億二千万円で売ったけれども、一億七千万円がコストだという計算ができるようになっておりまして、追加課税を受けないということでございます。
 したがって、近年取得されました土地で余り上がっていないということであれば、今のように売却をした場合でも課税を受けない場合もございます。昔取得したものには、帳簿では一億円になっているけれども、例えば借入金で持っているとか、コストもかかっているであろう、管理費もかかっているであろうというところから、一年につき一割分はそういったいわばコストであるとみなして利益から引く、そのことを申し上げた次第でございます。
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清水達雄#25
○清水達雄君 今のような措置をとるというのは、企業経営計算上そういうことをやるということじゃなくて、一〇%追加課税に関して特別にそういう措置をやるということなんですか。
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小川是#26
○政府委員(小川是君) そのとおりでございます。
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清水達雄#27
○清水達雄君 例えば東京臨海部の鉄鋼業とかああいうものについてはどうなるんですか。それはもういつ買ったなんて話じゃなくて、もう相当昔買ったというふうな土地についてはどうなんですか。
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小川是#28
○政府委員(小川是君) 今おっしゃった三十年前、五十年前のものは、帳簿価額がもともと極めて低くなっているだろうと存じますけれども、その場合でも、二十年分であれ三十年分であれ、一年につきその帳簿価額の一〇%分をずっと足し上げていくというふうに課税上はなっていると、それはそのとおりでございます。
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清水達雄#29
○清水達雄君 そういう一〇%追加課税をするときに、帳簿価格に毎年一〇%ずつ上乗せをして、それをコストとみなして上乗せをするというのは、何かよくわからぬ非常に甘い措置をとるというか、どうもバランスがよく我々の頭の中にうまく入らないんです。そういうことを知らないと、一般企業が工場や倉庫等を閉鎖してそこにマンションを建てて売るというときに一〇%の追加課税がかかるんですよというようなことになったら、そこしか知らなかったらみんなこれはえらいことだということになっちゃうわけですよ、六十数%も税金取られるのかと。マンションを売るというのは、エンドユーザーに売るときにかかる税金ですからね。
 要するに、今度、都心居住絡みの大都市法の改正とか、再開発法の改正とか、区画整理法の改正とかいろいろやりました。つまり都心居住の推進なんというのは、やっぱり一番先にやるのは、臨海部の遊休化した工場とか倉庫なんかを住宅にして供給するということが僕は一番大事なことだろうと思っているんですけれども、何かこういうふうに表現をされて、今の一〇%の上乗せのコストが見られていますよなんということを知らなければ、これはどうしようもないような話になっちゃう可能性があるわけでございまして、こういう税制というのはどうも複雑過ぎて本当にわからないんですよね、普通の場合には。こういうことをつくづく感ずるわけでございます。
 優良建築物整備事業というふうな軽減税率をやっても、要件とかいろんなことが複雑過ぎちゃって非常にわかりにくい。不動産業者自身ですらなかなか理解ができないというふうな実態なんですよ、本当は。だから、これは平成六年分の土地の譲渡課税がどういうふうに分かれるかわかりませんが、平成五年までの分で見ますと、いわゆる軽減税率の量というのが比較的小さいんですよね。三九%も払うような、そっちの方の適用額の方が大きいというふうな状況にどうしてもなっちゃっているわけでございます。
 それからもう一点、やや手続絡みのことを聞きますけれども、優良建築物整備事業のための譲渡につきましては、個人がいわゆる軽減税率の適用を受ける場合、あるいは法人が一〇%の追加課税の適用除外を受ける場合には、譲渡の申告時に建築確認申請書を出さなきゃいけない。これが正式に受理されないと軽減税率の適用を受けるとか一〇%の追加課税の適用除外になるとかということにならないわけです。
 ところがこの建築確認申請というのは、ただ設計書をつくって出せばいいというものではなくて、周辺住民の建築同意の取りつけというのが必要なんですよ。ところが、これはやってみないと周辺住民の建築同意がとれるかとれないかなかなかわからない。かかってみて、もめ出してきたら、これはもう相当な期間を要するというような話になっちゃうわけです。
 したがって、特に企業なんかの場合には赤字対策で土地を売る方は売ろうとするとかいうことがありますから、いつ同意がとれるかわからぬというようなことになっちゃって、計画的な譲渡というのがなかなか難しいという実態なんですね。こういうあたりは適用要件について何とか知恵はないものですかね。こういうことだとなかなかスムーズに移転ができないということになるわけでございますけれども。
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