建設委員会

1996-02-22 参議院 全168発言

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会議録情報#0
平成八年二月二十二日(木曜日)
   午前十時開会
    —————————————
   委員の異動
 二月十五日
    辞任         補欠選任
     岡部 三郎君     倉田 寛之君
     西山登紀子君     緒方 靖夫君
    —————————————
  出席者は左のとおり。
    委員長         永田 良雄君
    理 事
                石渡 清元君
                太田 豊秋君
                片上 公人君
                緒方 靖夫君
    委 員
                井上  孝君
                岩井 國臣君
                上野 公成君
                橋本 聖子君
                市川 一朗君
                長谷川道郎君
                福本 潤一君
                山崎  力君
                赤桐  操君
                大渕 絹子君
                山本 正和君
                奥村 展三君
   国務大臣
       建 設 大 臣  中尾 栄一君
       国 務 大 臣
       (北海道開発庁  岡部 三郎君
       長官)
       国 務 大 臣
       (国土庁長官)  鈴木 和美君
   政府委員
       阪神・淡路復興
       対策本部事務局  生田 長人君
       次長
       北海道開発庁総
       務監理官     松川 隆志君
       北海道開発庁計
       画監理官     半田 博保君
       国土庁長官官房
       長        竹内 克伸君
       国土庁計画・調
       整局長      塩谷 隆英君
       国土庁土地局長  深澤日出男君
       国土庁大都市圏
       整備局長     五十嵐健之君
       国土庁防災局長  村瀬 興一君
       建設大臣官房長  伴   襄君
       建設大臣官房総
       務審議官     小野 邦久君
       建設省建設経済
       局長       小鷲  茂君
       建設省都市局長  近藤 茂夫君
       建設省河川局長  松田 芳夫君
       建設省道路局長  橋本鋼太郎君
       建設省住宅局長  梅野捷一郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        八島 秀雄君
   説明員
       厚生省社会・援
       護局保護課長   西沢 英雄君
       建設大臣官房技
       術審議官     井上 靖武君
       自治大臣官房参
       事官       原  正之君
    —————————————
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○建設事業及び建設諸計画等に関する調査
 (一般国道二二九号豊浜トンネル崩落事故に関
 する件)
 (建設行政の基本施策に関する件)
 (国土行政の基本施策に関する件)
 (北海道総合開発の基本施策に関する件)
    —————————————
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永田良雄#1
○委員長(永田良雄君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十五日、西山登紀子君及び岡部三郎君が委員を辞任され、その補欠として緒方靖夫君及び倉田寛之君が選任されました。
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永田良雄#2
○委員長(永田良雄君) 議事に先立ち、去る十日に発生いたしました一般国道二百二十九号豊浜トンネル崩落事故により亡くなられました方々に対して、心から御冥福をお祈りし、謹んで黙祷をささげたいと存じます。
 どうぞ御起立を願います。黙祷。
   〔総員起立、黙祷〕
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永田良雄#3
○委員長(永田良雄君) 黙祷を終わります。御着席願います。
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永田良雄#4
○委員長(永田良雄君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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永田良雄#5
○委員長(永田良雄君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に緒方靖夫君を指名いたします。
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永田良雄#6
○委員長(永田良雄君) 建設事業及び建設諸計画等に関する調査を議題といたします。
 一般国道二百二十九号豊浜トンネル崩落事故について建設大臣及び北海道開発庁長官から前回報告以降の経過等に関し報告を聴取いたします。建設大臣中尾栄一君。
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中尾栄一#7
○国務大臣(中尾栄一君) 二月十六日夕刻、国会審議終了後、北海道開発庁長官とともに救出作業が行われている豊浜トンネル崩落事故の現場に向かいました。
 今回の事故につきましては、多くの方々の昼夜を問わない懸命の救生活動にもかかわらず、十六日から十七日にかけて被災者二十名の全員の死亡が確認されました。御無事で一刻も早く御家族のもとに戻られますように全力で救出作業に取り組んでまいりましたが、このような結果となり、まことに残念で痛惜のきわみであります。
 また、御遺族の悲しみとこれまでの御心労に対して深く哀悼の意を表する次第であり、北海道開発庁長官と一緒に十七日から十八日にかけて御遺族のお宅を一軒一軒訪れ、御遺族にお悔やみを申し上げさせていただきました。
 現地には既に事故調査委員会を十日に発足させたところでありますが、事故の重大性にかんがみて、大規模岩盤の崩落による被災の再発防止等の視点から、別途技術的課題、崩落防止対策を検討するための委員会を早急に設置させたいと考えております。
 また、代替道路の確保を既に行ったところでありますが、今後はトンネルの早期復旧を図るとともに、御遺族の方々のお気持ちに報いるためにも、道路管理の万全に向けてさらに一層努めてまいる決意であります。
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永田良雄#8
○委員長(永田良雄君) 北海道開発庁長官岡部三郎君。
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岡部三郎#9
○国務大臣(岡部三郎君) このたび発生した一般国道二百二十九号豊浜トンネルにおける大規模な崩落事故により亡くなられた方々とその御遺族に対し深く哀悼の意を表しますとともに、負傷された方に対し心からお見舞いを申し上げます。また、この間、連日、不眠不休で救助活動を進めてこられた関係機関の皆様に対し、心から感謝申し上げます。
 事故発生以来、一刻も早い救助を願い、二月十二日に引き続き建設大臣とともに十六日に再度現地へ参りましたが、大変残念なことに二十人全員が御遺体で発見されるという痛ましい結果となりました。翌十七日から十八日にかけて御遺族のお宅を訪ね、謹んでお悔やみを申し上げてきたところであります。
 現地に設置されておりました合同対策本部は二月十七日をもって解散されましたが、北海道開発局等、これまで構成していたそれぞれの機関の組織において引き続き必要な対策に当たることとなっております。
 北海道開発庁におきましては、今回の事故を踏まえ、現在北海道開発局において作成中の防災業務計画の見直しを行うよう指示するとともに、庁内に検討委員会を設け、今回の事故における対応状況を精査し、今後の課題について検討してまいる所存でございます。
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永田良雄#10
○委員長(永田良雄君) 以上で政府からの報告の聴取は終わりました。
 これより、建設行政の基本施策、国土行政の基本施策及び北海道総合開発の基本施策並びに一般国道二百二十九号豊浜トンネル崩落事故につきまして質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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岩井國臣#11
○岩井國臣君 私は自由民主党の岩井國臣でございます。
 まず最初に、ただいま両大臣から御報告のございましたこのたびの古平町の事故についてお尋ねいたしたいと思いますが、その前に、このたびの事故に巻き込まれましてお亡くなりになりました二十名の方々に対し心から御冥福をお祈り申し上げますとともに、御遺族に対しまして心からお悔やみを申し上げる次第でございます。
 さて、二月十日に発生いたしました北海道古平町における岩盤崩落の事故は、規模こそ違え、阪神・淡路大震災のときと同様、何ともはやまことにやりきれないものでございました。我が国の危機管理のあり方とかあるいは行政の住民に対する接し方とか、そんなものに多くの国民が腹立たしい思いを持ちながら、今回の事故処理についてその成り行きを見守ったのでございます。
 私は、事故そのものは不可抗力といいますかやむを得ないものであったし、また事故処理につきましても、ただいま両大臣から御報告がございましたように、現場におきましてそれぞれ事に当たられた方々はできる限りの努力をされ、その努力に私は全く頭の下がる思いがしております。
 そこで、まず建設大臣にちょっとお聞きしたいわけでございますけれども、これ本日のスポーツ新聞でございます。大臣は「不幸な人災とも言うべきあのトンネル事故」云々と発言されたというふうにこのスポーツニッポンの記事に載っておるのでございますけれども、私のただいま申し上げましたような感覚とちょっと違うような感じがいたしますので、そういう真意で言われたんじゃないと思いますが、真意のほどをお聞かせいただきたいと思うわけでございます。
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中尾栄一#12
○国務大臣(中尾栄一君) 今回の岩盤崩落事故につきまして人災ではないかとの一部の方々の指摘もあると、こういう意味で申し上げたものでありまして、昨日非常に時間的に迫った委員会でございましただけに、言葉足らずであったことを申し上げたいと思います。
 このことは、予算委員会の冒頭にお許しを得てその真意を御説明申し上げたいと思っておったわけでございます。また、そのようにしたいとも思っております。
 原因につきましては、事故調査委員会で徹底的な究明がなされるものと考えておる次第でございます。
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岩井國臣#13
○岩井國臣君 それで私も納得できるわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように、現場は必死の努力をされた、事故そのものも私に言わせれば人災とかそういうものではないと、天然不可抗力だとこう思っておるわけでございますが、そういう意味で建設省あるいは北海道開発庁を非難するつもりは全くないのでございます。
 じゃ、反省点はなかったのか。そういいますと多分そうではないんだ、こんなふうに思うわけでございます。もっと迅速に事故処理ができなかったのかどうか、あるいは被災者の方々の御家族等関係者に対しまして対応面で反省点はなかったのかどうか、あるいはまた危機管理体制の面で反省点はなかったのかどうか、あるいは迂回路の確保はどうであったかとか、いろいろ反省点はあるんじゃないかとこんなふうに思いますし、また今後の対応策につきましてもいろいろ議論があるんじゃないか、こんなふうに思いますが、後ほど橋本先生から幾つかの御質問があるかと思いますので、私からは危機管理体制に焦点を絞りまして質問をさせていただきたいと思う次第でございます。
 さて、今回のような事故の場合、人命救助まで含めた事故処理の責任というものはそもそもだれにあるのか、こういう問題でございますが、市町村長にあるのでしょうか、あるいは都道府県知事にそういった責任があるのでしょうか。それとも施設の管理者である国にあるのか、さらには総合調整官庁としての北海道開発庁というようなところにあるのかどうか、こういうことでございます。事故処理に当たりましては当然のことといたしまして、北海道開発局はそういう責任感はともかくとしてやれる限りのことはやらねばならなかったし、またそのようにされたと思うわけでございます。
 しかし、人命救助に限定して言えば、私にはその責任まで道路管理者が負っているとは到底思えないわけでございます。道路管理者としての北海道開発局として現場でいろいろ対応されたのか、あるいは総合行政官庁としての北海道庁を含む現地関係機関のリーダー的な立場として現場で対応されたのか、その辺はよくわかりませんけれども、当然の成り行きといたしまして北海道開発局が中心になって事故処理が進んでいったと思うわけでございます。
 私には、危機管理体制という面で今回の事故処理のやり方を考えた場合、そこに一つの盲点と言ってはちょっと言い過ぎかもわかりませんが、今回の場合がどうのこうのじゃなくて、今後の問題としてちょっと問題点があるのではなかろうか。そういうことで、北海道開発庁長官にお尋ねするわけでございますが、危機管理体制のあり方というものをちょっと頭の隅に置いていただきながら、今回の事故処理についてどのように見ておられるのかということと、それから関係機関の協力関係がうまくいったのかどうか、その辺のところをお聞きしたいと思うわけでございます。
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岡部三郎#14
○国務大臣(岡部三郎君) 今御指摘の危機管理体制に対する問題の前に簡単に今回の経過について申し上げますと、今回の事故に際しましては、事故発生の約二時間後には小樽開発建設部の中に事故対策本部を設けまして、開発庁、開発局内にも必要な体制を順次設置いたし、救助活動を開始したところであります。
 また、事故の重大性にかんがみまして、関係機関が密接な連携を図りながら一刻も早く被災者を救助するために、北海道開発局、警察、消防、自衛隊、北海道、余市町、古平町、積丹町等による豊浜トンネル崩落事故現地合同対策本部というのを当日の夕刻には既に設置いたしまして、関係機関が一丸となって救助活動を実施いたしたところであります。結果的には二十名全員が御遺体で発見されるというまことに痛ましいこととなったわけでありますが、難しい状況下ではございましたが最大限の努力が払われたものと考えております。
 なお、今回の教訓を踏まえて、やはりこれからこうした事故が発生したときに他機関との協力体制をどのようにしていくかということについて今後幅広く検討し、今回の経験を生かしていきたいと考えておりまして、既に北海道開発局に対しましてはそういった指示をいたしたところであります。
 さらに、御指摘の危機管理の観点から、北海道庁なりあるいは開発局あるいは道内の関係機関がどのような役割を持ってどういう連携のもとに進めていくのが一番いいのかということについて近日中に連絡会議を開催いたしまして、こうした関係諸機関による連絡会議を開催いたしまして、そうした初動体制あるいは参集体制や各機関の連携について幅広い議論をいたしてまいる、かようなことになっておりますので、その機会に御指摘の点等についても十分検討してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
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岩井國臣#15
○岩井國臣君 今回の事故のようなケースは私もいまだ経験したことはございませんし、そういう意味で全く新しいタイプの形態の事故であったというふうに思います。しかし、これをやはり今後のために教訓にしていく必要があるわけでございまして、これは北海道開発庁だけの問題じゃなくて政府全体の問題だと思いますけれども、ひとつ幅広い御検討をお願いしたいと思うわけでございます。
 さて、次は阪神・淡路大震災の復興に関しまして質問させていただきたいと思います。
 私たち参議院建設委員会では去る二月二日、永田委員長を中心に現地視察に行ってまいりました。あの未曾有の大震災から一年が過ぎまして、神戸では、兵庫県、神戸市御当局の大変な御努力と、そしてまた国土庁を初めとする政府の力強い支援によりまして日増しに明るさを取り戻しつつあるようでございます。しかし、政府の理解と協力がなければ多分解決しないであろう問題もまだまことに多いわけでございます。後ほど橋本先生からも御質問があるかと思いますので、私はインフラ整備に焦点を絞りまして幾つかの質問をさせていただきたいと思います。
 まず第一でございますが、地震等の災害に強い安全な地域づくりを推進していくためには街路を含めました道路網をどう整備していくのか、大変多くの具体的課題がございますが、そのうちリダンダンシーの問題でございます。つまり、緊急時の高速性と円滑な交通確保のためにはどうしても格子状の高規格道路網とそしてそれを補完いたします一般幹線道路網、そういったダブルチャンネルの道路網の整備が必要でございます。現地におきましてもその早期完成が強く望まれておりました。そこで、建設省にそれらの見通しにつきましてお伺いしたいわけでございます。
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橋本鋼太郎#16
○政府委員(橋本鋼太郎君) 阪神・淡路大震災におきましては、阪神高速道路あるいは中国道などの通行どめによりまして阪神地域や東日本あるいは西日本との間の輸送に大きな障害が生じ、生活や経済活動に大きな影響を与えたところでございます。そういう意味で、全国的な規模のリダンダンシーの確保という観点からは高規格幹線道路網一万四千キロ、これにつきましては災害時のリダンダンシーを考慮した広域ネットワークを構成するものとなっておりますので、今後このようなネットワークの完成に向けて早急な整備が必要であり、そのような努力をしてまいりたいと考えております。
 さらに、阪神地域のリダンダンシーを考慮した道路ネットワーク、これにつきましては阪神・淡路震災復興計画緊急インフラ整備三カ年計画、これは兵庫県において平成七年十一月に策定されたものでありますが、これにおきまして代替性を備えた格子型高規格道路網として位置づけがされております。その中で、広域迂回路の確保の観点から、例えば本州四国連絡道路の神戸・鳴門線あるいは山陽道あるいは西神自動車道の完成を目指す、あるいは南北方向の道路としましては、阪神高速北神戸線あるいは六甲北有料道路の拡幅などの完成を目指す、このように書いてございますし、代替性を備えた格子型道路網整備という観点からは、阪神間南北線等の計画の具体化を図るなどとされております。そういうことから、これらの事業、調査の促進が位置づけられておりますので、これらを総合した東西六幹線、南北六幹線のネットワークを形成することが必要と考えております。
 建設省としましても、兵庫県あるいは関係自治体と密接な連携を図りながら、これらの路線の事業、調査が計画どおり進捗するように努めてまいりたいと考えております。
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岩井國臣#17
○岩井國臣君 次は、六甲山の砂防の問題でございます。
 これは余り知られていないかと思いますけれども、あの大地震で六甲の山が大変緩んだのです。ちょっとした集中豪雨があれば土石流が発生するおそれが多分にあると思います。
 そこで、建設省に現状と今後の対策につきましてお伺いしたいわけでございます。
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松田芳夫#18
○政府委員(松田芳夫君) 地震の発生後に緊急的に実施いたしました実地踏査及びヘリコプターによる空からの調査の結果により、六甲山地では約四百五十カ所の崩壊地が認められましたほか、山体に地割れや地盤の緩みが生じている箇所があることも確認いたしました。このため、集中豪雨等による二次的な土砂災害を防止するため、土石流、地すべり、がけ崩れの危険度の高い箇所におきまして災害関連緊急事業等による対策を集中的に実施するとともに、関係機関による兵庫県総合土砂災害対策推進連絡会議を新たに設置いたしまして、警戒避難体制の拡充強化に努めてきたところであります。
 さらに、地震で被災しました宅地の擁壁対策につきましても、基本的には土地の所有者がこれに対処すべきところでございますが、民間宅地の激甚な被災状況にかんがみ、公共施設等に被害が及ぶおそれのある等の一定要件を満たす宅地擁壁につきましては、災害関連緊急急傾斜地崩壊対策事業で措置することといたし、その復旧を鋭意実施しているところであります。
 今後とも土砂災害など二次災害の防止のため万全を期してまいる所存でありますが、さらに長期的な対策といたしましては、土砂災害に対する安全性を高め、緑豊かな都市環境と景観の創出を図る六甲山系グリーンベルト整備事業など、震災に強い町づくりに寄与する砂防関係事業を推進してまいる所存でございます。
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岩井國臣#19
○岩井國臣君 今言われました六甲山系のグリーンベルト地帯の整備については知事さんも大変熱心に言っておられましたので、ひとつよろしくお願いしたいと思います。
 次に、三点目でございますけれども、兵庫県では長期的視点から特に重要と思われる戦略的プロジェクト、あるいは復興のシンボルとしてふさわしい対策事業をそれぞれ復興特定事業として位置づけられました。今後、積極的な取り組みをしていこうとしておられるわけでございます。そして、これらのうち阪神・淡路復興委員会から提言のありました四プロジェクトにつきまして、政府に対しまして特段の配慮が要るというふうなお話もあったわけでございます。
 そこで、国土庁といたしまして、これら四プロジェクトにつきまして今後どう取り組んでいかれるのか、その辺の考え方を国土庁長官にお伺いしたいわけでございます。
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鈴木和美#20
○国務大臣(鈴木和美君) ただいま御指摘がございました特定事業の四つでございますが、先生既にもう御案内だと思いますが、一つは上海長江交易促進プロジェクト、二つ目にはヘルスケアパークプロジェクト、三つ目には新産業構造形成プロジェクト、四つ目に阪神・淡路大震災記念プロジェクト、この四つが復興委員会から提起されておりますので、これは今、私の認識では、現地で県、市それから民間の皆さんも含めて対策を協議中だと聞いております。私どもといたしましては、あくまでも現地の状況の話を承った後に現地とよく調整をしながら、関係各省庁と協議をして進めていきたいと思っています。
 具体的には、ちょっと長くなるかもしれませんが、先般、橋本総理から中尾建設大臣と自治大臣と私に御下令がございまして、復興委員会が今度解散終了したものですから兵庫県の皆さんが大変国との関係で置き忘れられた、こういうような認識があるということを聞いておるものですから、総理から指示がございまして、今月中に復興対策本部の事務局長とそれから内閣内政審議室長等現地に出かけてまいりまして、これからどういうような方向で展開をしていくのかということを地元で協議をしながら対応を進めていくというような今スケジュールになっているわけです。
 その中でも、今御指摘の四つの問題は当然出てくると思っています。したがいまして、全力を挙げて現地と協議しながら、また関係省庁と協議しながら対応してまいりたい、かように考えております。
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岩井國臣#21
○岩井國臣君 ありがとうございました。ひとつよろしくお願いしたいと思います。
 さて、その次は景気対策について御質問したいわけでございます。
 さきの建設委員会におきまして、建設大臣はその所信表明の中で、建設行政の現下における課題の第一に「本格的景気回復に向けた取り組み」というものを挙げられたわけでございます。二月九日の月例経済報告によりますと、我が国経済もようやく明るさを取り戻しつつあるようでございます。為替相場がここのところ安定してきているというようなこと、超低金利政策によりまして設備投資も最近になってようやく強含みの傾向を見せ始めていること、そしてまた住宅投資がここのところかなり高水準にあることなど、これからの経済を判断する上で幾つかの好材料があるわけでございますけれども、私は何といいましても基本的には近年公共投資が我が国経済の下支えをしてきたし、ここ当分の間やはり公共投資が我が国経済を引っ張っていかなければならないのではないか、こんなふうに思っておるわけでございます。
 そこで、建設省にお聞きしたいわけでございますけれども、建設省では公共投資の波及効果というものにつきましてどのように定量評価をしておられるのか、その辺のところをまず教えていただきたいと思います。
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小野邦久#22
○政府委員(小野邦久君) お答えを申し上げます。
 公共投資の波及効果でございますけれども、これは最近ケインズ政策の批判等いろいろな御議論があるわけでございます。ただ、公共投資の波及効果につきましては、マクロ計量モデルによって把握するということは一般的でございます。例えば、経済企画庁の最新の第五次の世界経済モデル、これは平成七年の三月に発表されたものでございますけれども、これによりますと、名目一兆円の公共投資により名目GDPをどのくらい三年間で派生させることになるか。こういう点につきましては、例えば二・一三兆円の増加がある、こういうような試算もあるわけでございまして、所得税の減税等の他の手段と比較しましても大変大きな景気波及効果を持っているというふうに考えております。
 今回の不況というのは、いろんな要因があると思いますけれども、何といってもやはり消費が大変落ち込んだということ、あるいは民間設備投資が大幅に減少しているといったようなことが大きな要因でございまして、先生御指摘のとおり、数次にわたる経済対策による公共投資の増加というものがなければ我が国の経済は大変深刻なマイナス成長になったというふうに考えているわけでございます。
 御指摘のとおり、現在の景気に対しての私どもの取り組みでございますけれども、内閣にとっての大変重要な課題だというふうに考えておりまして、今後とも内需主導の景気回復を確実にするためには公共投資あるいは住宅投資を積極的に推進する必要がある、このためには私ども建設行政に課せられました使命でございます公共投資を着実に推進していく必要がある、こういうふうに考えております。
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岩井國臣#23
○岩井國臣君 次は、用地先行の問題でございます。
 切れ目のない事業執行をしていくためには、何よりも平成八年度予算の早期成立というのが不可欠なわけでございます。しかし、少しロングタームで考えますと、切れ目のない事業執行を図っていくためには事業用地の先行取得ということが極めて重要ではないか、こういうふうに思っておるわけでございます。つまり、ここ当分の間、公共投資が我が国経済を引っ張っていかなければならないというふうな認識に立ったとき、事業用地の先行取得ということが極めて大切なのでございます。
 そこで、建設省にお聞きいたしますが、用地の先行取得につきまして取り組み方がどのようになっているのか、その辺をお伺いしたいわけでございます。
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小鷲茂#24
○政府委員(小鷲茂君) 御指摘のとおり、公共事業を円滑に進める上では事業用地がきちんと確保されているということが基本でございますので、そのためには当該年度の予算で公共用地を確保することはもとよりでございますが、長期的な視点に立って安定的に、先行的に用地を確保するということはまことに大切なことでございます。
 御案内と思いますが、この用地の先行取得のための制度といたしまして幾つかの制度が用意されてございまして、まず事業者がみずから債務負担行為によりまして先行取得を行います制度。国でいいますると、用地国債というものに基づきまして先行取得をする制度。それから、地方の供給公社等にお願いいたしましてあらかじめ先行取得をしていただく、国はこれに対しまして低利融資を行うというスキームもございます。さらには、一般的には公有地の拡大の推進に関する法律というのがございまして、これに基づきまして地方公共団体等が公共用地等の先行取得を行う、こういう仕組みになっているわけでございます。
 これらの制度につきましては、逐年改善を図り使いやすいようなものにするという努力がされてまいってきております。例えば、公拡法でいいますると、当初対象地域が都市計画区域内の施設用地ということでございましたが、都市計画区域外も対象に加えるといったような改善も行っております。
 また、地方の土地公社によりまして先行買収していただきますケースの場合には、昨年の平成七年度第二次補正予算の際に実は制度改善を果たしていただいたわけでございますが、特に地価の下落期におきましては事業主が再取得するときにどういう価格で再取得するのかということが大変問題になります。通常は、先行取得する主体は資金調達をして金利を負担するわけでございますので再取得の際に金利が回収できないと大変困るわけでございますが、あいにく地価下落期でございますると、時価で再取得するというのが過去の原則でございますので、なかなか金利分が回収できないということになりますけれども、それでは先行取得が進まないことになるであろうということで、金利を含んで再取得をするというふうな制度に改めてもらっております。
 こういった制度改善を逐次進めるとともに、現場では一生懸命用地交渉をするということで、逐年、最近用地のストックが幸いにしてふえてきております。年度当初にどのくらいのストックがあるかということは大変大事な指標になるわけでございますが、一時期、年度当初に一年分を割るという時期がございました。昭和六十三年の時点でございますが、一を割り込む、一年分を割り込むという状況であったわけでございますが、最近、公共事業の事業量がどんどんふえておるにもかかわらず用地のストックもこれに劣らずふやしておりまして、最近年次では年度当初に一・三年分ほど保有できる、こういう状況になってきております。
 今後とも、これらの諸制度を十分活用しながら、先行取得に努めてまいりたいと思っております。
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岩井國臣#25
○岩井國臣君 事業用地のストックが一を割る、一年分を割るなんというのはとんでもないことでありますが、私に言わせますと、一・三年分でもとてもじゃないがと、もっともっと、こういう感じがございますので、今言われましたように再取得について問題はあるわけでございますけれども、いろいろもう知恵を働かせながら御努力いただいておるわけですが、引き続き強力な推進を図っていただきたい、こう思うわけであります。
 さて次に、景気対策につきましては、公共事業を中心にいたしました、今問題にしております財政出動の問題、それから金融システムの安定化、規制緩和、これが三本柱でございますが、そういった三本柱に比べますと少しマイナーかもしれませんけれども、やはり土地の流動化の問題があるわけでございます。景気が本格的に回復するためにはやはり金が動くと同時に土地が動かないとどうにもならぬのじゃないか、こんなふうに思うわけです。
 先ほどの公共事業用地の先行取得という問題もそうですけれども、土地の流動化が行われないと経済は活性化しない。これは当然のことであって、かかる観点から昨年末の税制改正では長年の懸案事項でございました土地税制の改正が決まりました。清水達雄先生、二年ほど前から大変この問題について御努力いただいたわけですけれども、ようやく百点満点ではないけれども実ったということでございまして、大変喜ばしいことでございます。
 しかし、土地の流動化のためには、税制改正だけでいいということではなくて、やはり監視区域の全面解除の問題とか、流通システムの近代化を初めとした幾つかの緊急的に取り組むべき課題があるのじゃないか、こんなふうに思います。その点いかがでしょうか、国土庁及び建設省両方にお聞きしたいと思うわけでございます。土地の流動化の問題でございます。
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鈴木和美#26
○国務大臣(鈴木和美君) 先生御指摘のとおりでございまして、景気の回復ということには土地の流動化というものはやはり避けては通れないと思うんです。それから、所有から利用というような考え方を持って取り組まなきゃならぬと思っております。けれども、また土地の投機的な取引なんというのがあっちゃいかぬことでございますから、そういうものを排除しつつ、有効利用というところに国土庁としては全力を注ぎたい、そういうふうに思っています。
 有効利用の場合に、今建設省さんからもお話がございましたが、まず第一は、何といっても都市計画とかを地方団体が計画するときに、やはり公共用地の先行取得ということに力を入れなきゃならぬだろう。それから、やっぱり民間の開発機構との連携を強くしながら利用地を拡大していく。同時に、今東京大都市圏では東京の中で八区と我々いろいろ協議してきたんですが、これを二十三区まで広げまして、情報の収集とか連絡体制とかそういうことを考えながら有効利用を進めていこう、こういう考え方に立って今協議を一生懸命やっているところでございます。
 そういう状況の中でも、このいろいろ住専問題の絡んだ処理の問題を早く決めてもらわないと、その後の対応というのがなかなか難しいものですから、ぜひそういう意味でもこの国会での予算成立に全力を注いでいただきたい、こういうふうに思う次第でございます。
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小野邦久#27
○政府委員(小野邦久君) 土地市場の活性化が経済に大変大きな影響を与えているという岩井先生の御指摘、そのとおりだと思うわけでございますが、私ども建設省といたしましては、土地の流動化を何とか促進する、あるいは土地の流動化にも資するような土地の有効利用促進対策、あるいは土地取引の活性化対策をぜひ進めなければいけないというふうに思っているわけでございます。
 先ほど経済局長からお答えをいたしましたとおり、何といっても公共用地の先行取得というのは大変大事な課題でございます。平成七年度の補正予算でも大幅な増額を認めていただきました。また、民間都市開発推進機構の土地取得業務の要件もいろいろ緩和をしていただきました。あるいは宅地開発指導要綱の見直しでございますとか、定期借地権制度の活用による住宅あるいは土地についてのいろいろな規制の緩和、あるいは前々国会で宅地建物取引業法の一部改正を認めていただきまして、不動産流通市場の形成のためのレインズ、指定流通機構制度というものも発足をさせていただいて制度の充実を図ったわけでございます。
 こういう制度とあわせて、何といっても平成八年度の税制改正において、譲渡益課税あるいは地価税についての税率を引き下げるといったような軽減措置を講じられるということになったわけでございます。これも税制面からは土地市場の活性化を通じて土地の有効利用の促進とか、あるいは土地を動かすこと自体大変大きな効果を及ぼすのではないかというふうに私ども思っておりまして、何とかそういう面から土地の流通、流動化にもいろいろな政策手段を通じて寄与していきたい、こう考えているところでございます。
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岩井國臣#28
○岩井國臣君 次に、これからの国土構造のあり方をにらみながら若干の質問をさせていただきたいと思います。
 さきの建設委員会では、国土庁長官におかれまして、現下における国土行政の課題として新しい国土計画の策定というものを第一に挙げられました。これからの時代は地球時代とか高齢化時代とか高度情報化時代、いろんな言い方ができると思いますけれども、ともかく我が国経済、社会を取り巻く諸条件は、従来のものとは大変大きく変わってきておることは間違いのないことでございまして、そういう時代の大きな変わり目に新しい時代に合った新しい国土計画というものを策定される、まことに意義の深いものがございます。ぜひ二十一世紀の礎となる立派な国土計画をつくっていただきたいと存ずるわけでございます。
 そこで、私からのお願いでございますが、新しい国土計画の策定作業につきましては、建設省や北海道開発庁とも十分な連携をとって進めていただきたいということでございます。
 建設省では、御存じのとおり昨年十一月に「新連携時代の快適生活ビジョン」というものをまとめられました。また、北海道開発庁におかれましても新たな総合計画の策定に着手しておられます。それらはそれぞれ両大臣からさきの所信表明で触れていただいているのでございますが、それらが国土庁のこれからの作業とどう結びついていくのか、その辺がちょっと私どうもはっきりしないので、ここでそのことを確認したいと思うわけでございます。
 三者の作業がスケジュール的にどう絡んでいるのか、その辺の説明をまず建設省と北海道開発庁にお聞きいたしまして、それから続いて国土庁にも念のため確認させていただきたいと存じますが、建設省や北海道開発庁とは多分十分な時間的余裕を持って調整できるようになっていると思いますけれども、全体といたしましてどんなスケジュールになっているのかというようなことをお尋ねしたいわけでございます。
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小野邦久#29
○政府委員(小野邦久君) ただいま御指摘の「新連携時代の快適生活ビジョン」でございますけれども、私ども建設省といたしましては、二十一世紀に向けていろいろな条件の変化、環境の変化、あるいは経済活動の変化等があるわけでございますが、従来の圏域を超えた新たな連携を通じて、個性的で活力ある地域づくりをどう進めていくのかということが今後大変重要な課題だというふうに認識をいたしておりまして、横断的な物の見方で建設行政を推進していく必要があるだろう、そういうことを基本的な方針として昨年の十一月に「新連携時代の快適生活ビジョン」というのを取りまとめたわけでございます。
 これは、具体的な内容といたしましては、二十一世紀初頭までに全国どこでも地域の特性に応じた快適生活を享受可能なようにしたいということと、それから二番目といたしまして、生活者の視点に立って快適生活を実現する生活インフラの整備を推進したいということ、あるいは地域を超えた多様な連携、すなわち新社会連携というものを通じて個性的で活力ある地域をつくりたい、こういう三本の柱を内容とするものでございますが、何といっても今国土庁で新しい全総計画の策定作業を進められているわけでございますが、こういうような新しい方向の中に、建設行政の分野で長期的な視点からどういうようなことを私どもが担当していくのが適当か、そういう一つの目安ということも含めましてこういうビジョンを策定したわけでございます。
 今後、幅広く国民の皆様方あるいは各方面からの御意見をいただきながら、また御批判も十分取り入れて、より長期的な視点での建設行政のあり方についての一つの指針をまとめていきたい、こういうふうに考えているところでございます。
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