外務委員会
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会
会議録情報#0
平成九年六月十日(火曜日)
午前十時一分開会
―――――――――――――
委員の異動
六月六日
辞任 補欠選任
小山 峰男君 釘宮 磐君
六月九日
辞任 補欠選任
釘宮 磐君 小山 峰男君
―――――――――――――
出席者は左のとおり。
委員長 寺澤 芳男君
理 事
須藤良太郎君
野間 赳君
高野 博師君
武田邦太郎君
委 員
岩崎 純三君
笠原 潤一君
武見 敬三君
成瀬 守重君
宮澤 弘君
猪熊 重二君
田村 秀昭君
田 英夫君
萱野 茂君
立木 洋君
椎名 素夫君
矢田部 理君
小山 峰男君
国務大臣
外 務 大 臣 池田 行彦君
政府委員
防衛庁参事官 別府 信宏君
外務大臣官房審
議官 西田 芳弘君
外務省総合外交
政策局長 川島 裕君
外務省総合外交
政策局国際社会 朝海 和夫君
協力部長
外務省アジア局
長 加藤 良三君
外務省北米局長 折田 正樹君
外務省条約局長 林 暘君
通商産業省貿易
局長 伊佐山建志君
事務局側
常任委員会専門
員 大島 弘輔君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
○投資の促進及び保護に関する日本国政府と香港
政府との間の協定の締結について承認を求める
の件(内閣提出、衆議院送付)
○国際情勢等に関する調査
(日米防衛協力のための指針の見直しに関する
中間とりまとめに関する件)
―――――――――――――
この発言だけを見る →午前十時一分開会
―――――――――――――
委員の異動
六月六日
辞任 補欠選任
小山 峰男君 釘宮 磐君
六月九日
辞任 補欠選任
釘宮 磐君 小山 峰男君
―――――――――――――
出席者は左のとおり。
委員長 寺澤 芳男君
理 事
須藤良太郎君
野間 赳君
高野 博師君
武田邦太郎君
委 員
岩崎 純三君
笠原 潤一君
武見 敬三君
成瀬 守重君
宮澤 弘君
猪熊 重二君
田村 秀昭君
田 英夫君
萱野 茂君
立木 洋君
椎名 素夫君
矢田部 理君
小山 峰男君
国務大臣
外 務 大 臣 池田 行彦君
政府委員
防衛庁参事官 別府 信宏君
外務大臣官房審
議官 西田 芳弘君
外務省総合外交
政策局長 川島 裕君
外務省総合外交
政策局国際社会 朝海 和夫君
協力部長
外務省アジア局
長 加藤 良三君
外務省北米局長 折田 正樹君
外務省条約局長 林 暘君
通商産業省貿易
局長 伊佐山建志君
事務局側
常任委員会専門
員 大島 弘輔君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
○投資の促進及び保護に関する日本国政府と香港
政府との間の協定の締結について承認を求める
の件(内閣提出、衆議院送付)
○国際情勢等に関する調査
(日米防衛協力のための指針の見直しに関する
中間とりまとめに関する件)
―――――――――――――
寺
寺澤芳男#1
○委員長(寺澤芳男君) ただいまから外務委員会を開会いたします。
投資の促進及び保護に関する日本国政府と香港政府との間の協定の締結について承認を求めるの件を議題といたします。
本件の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言願います。
この発言だけを見る →投資の促進及び保護に関する日本国政府と香港政府との間の協定の締結について承認を求めるの件を議題といたします。
本件の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言願います。
武
武見敬三#2
○武見敬三君 今回のこの投資の促進及び保護に関する日本国政府と香港政府との間の協定の締結に関しましては、基本的にこれを支持する立場をまず最初に明確にしておきたいと思います。
そこで、従来、日本と香港との間にはこうした投資保護協定は結ばれておりませんでした。今回、特に香港側からの申し出によりこの投資保護協定が締結されることになったと聞いておりますけれども、それに応諾し協定を締結する、そういう決定を下された理由、意図というものをまず最初に御説明をいただきたいと思います。
この発言だけを見る →そこで、従来、日本と香港との間にはこうした投資保護協定は結ばれておりませんでした。今回、特に香港側からの申し出によりこの投資保護協定が締結されることになったと聞いておりますけれども、それに応諾し協定を締結する、そういう決定を下された理由、意図というものをまず最初に御説明をいただきたいと思います。
加
加藤良三#3
○政府委員(加藤良三君) 委員御指摘のとおり、平成四年十一月でございますか、香港側から投資保護協定を締結したいという意向の表明がございました。我が方といたしましても、それには二つほどの意味があるかと考えた次第でございます。
一つは、実態的な意味でございまして、投資の日港間の流れというものを安定的な基盤の上にのせるということ、二番目は、それと密接にもちろん結びつきますけれども、象徴的な意味でございまして、香港が返還後という時期においても金融それから物流、貿易の中心、センターとして機能することを支援するという考え方、そういう二つの考え方に基づきまして締結に同意したということでございます。
この発言だけを見る →一つは、実態的な意味でございまして、投資の日港間の流れというものを安定的な基盤の上にのせるということ、二番目は、それと密接にもちろん結びつきますけれども、象徴的な意味でございまして、香港が返還後という時期においても金融それから物流、貿易の中心、センターとして機能することを支援するという考え方、そういう二つの考え方に基づきまして締結に同意したということでございます。
武
武見敬三#4
○武見敬三君 私も、返還後さまざまに不確実性が政治的にも指摘をされ、それが経済行動に悪影響を及ぼすことを排除する意味でも、こうした投資保護協定を締結することは我が国の利益にもなり、かつ香港の安定と繁栄を確保する上において極めて重要であるという認識を持ちます。それだけに、この投資保護協定を今の時点で香港側と締結をしておくことは非常に意義のあることという認識を持っているわけであります。
ただ、この手続、さらに国際法的な位置づけ等に関しまして、改めてそこを確認をしておく必要があるというふうに私は思います。
日本政府と香港特別行政区政府、七月一日以降そうなるわけでありますが、及び中国政府との間の関係は、今後このような実務協定を日本国政府が香港特別行政区政府と結ぶのに際して、いかなる三角関係を交渉上持つことになるのか、その点についてお伺いしたいと思うわけであります。例えば、今回この協定を締結する上において、中国政府はいかなる立場をとり、日本政府とはどのような協議がその過程でなされたんでしょうか。
この発言だけを見る →ただ、この手続、さらに国際法的な位置づけ等に関しまして、改めてそこを確認をしておく必要があるというふうに私は思います。
日本政府と香港特別行政区政府、七月一日以降そうなるわけでありますが、及び中国政府との間の関係は、今後このような実務協定を日本国政府が香港特別行政区政府と結ぶのに際して、いかなる三角関係を交渉上持つことになるのか、その点についてお伺いしたいと思うわけであります。例えば、今回この協定を締結する上において、中国政府はいかなる立場をとり、日本政府とはどのような協議がその過程でなされたんでしょうか。
池
池田行彦#5
○国務大臣(池田行彦君) まず、今の委員の御質問のうちの後の方からお答えさせていただきたいと思います。
今回の協定の締結につきましては、まず香港が英国からの授権に基づいて返還前に我が国あるいはその他の諸外国との間に締結する協定については英中台同連絡委員会というものにかけて、そこで審査することになっております。この英中台同連絡委員会と申しますのは、英中共同声明に基づいて設置されたもので、返還に伴う諸問題について話し合う機関とされているわけでございます。本協定につきましても、その手続に従って中国側の了解を得ているところでございます。
そして、中国側と我が国との関係でございますけれども、中国側からも日本側に対して日港投資保護協定を返還後の香港特別行政区に引き継ぐことについては、ただいま申しました委員会を通じて既に了解していることであり、異存がないというふうに我が国に直接中国から言ってきております。そして、今申し上げましたように、一義的には中国の了解取りつけは英中台同連絡委員会の手続を通じて行われるべきものでございますけれども、本件につきましては中国側の了解を早く取りつけた方がいいだろうということで、我が方から中国側に対して直接にどうなんだといういわば働きかけを行ったところでございます。これが今回の協定についての経緯でございます。
さて、今後、似たような協定等が締結される、そういった動きがあった場合に国際法的にどういうふうに考えるかという前の方の御質問でございますけれども、これは基本法にその規定がございます。これは百五十一条でございますけれども、そこで香港特別行政区政府は一定の事項について協定を締結することができるとされております。このような授権の範囲の中で日本等第三国との間で協定を締結するという場合には所要の手続が進めていかれると、こういう法的な仕組みになっていると考えるわけでございます。
現在のところそのような新たな協定を結ぶということが必要かどうかという点につきましては、私ども今のところこれといったものを予定しているものはございません。しかしながら、仮に今後そのような必要性が出てくるならば、我が政府としましては、今申しましたような基本法に基づく香港政府が受けている一定の授権の範囲内で交渉することになるわけでございますが、その際にも必要に応じて中国の政府と適切に接触をし、そして中国政府の意向も確認しながら進めていくということになろうかと思います。今回のこの協定の締結の経緯にかんがみてそのように考えております。
この発言だけを見る →今回の協定の締結につきましては、まず香港が英国からの授権に基づいて返還前に我が国あるいはその他の諸外国との間に締結する協定については英中台同連絡委員会というものにかけて、そこで審査することになっております。この英中台同連絡委員会と申しますのは、英中共同声明に基づいて設置されたもので、返還に伴う諸問題について話し合う機関とされているわけでございます。本協定につきましても、その手続に従って中国側の了解を得ているところでございます。
そして、中国側と我が国との関係でございますけれども、中国側からも日本側に対して日港投資保護協定を返還後の香港特別行政区に引き継ぐことについては、ただいま申しました委員会を通じて既に了解していることであり、異存がないというふうに我が国に直接中国から言ってきております。そして、今申し上げましたように、一義的には中国の了解取りつけは英中台同連絡委員会の手続を通じて行われるべきものでございますけれども、本件につきましては中国側の了解を早く取りつけた方がいいだろうということで、我が方から中国側に対して直接にどうなんだといういわば働きかけを行ったところでございます。これが今回の協定についての経緯でございます。
さて、今後、似たような協定等が締結される、そういった動きがあった場合に国際法的にどういうふうに考えるかという前の方の御質問でございますけれども、これは基本法にその規定がございます。これは百五十一条でございますけれども、そこで香港特別行政区政府は一定の事項について協定を締結することができるとされております。このような授権の範囲の中で日本等第三国との間で協定を締結するという場合には所要の手続が進めていかれると、こういう法的な仕組みになっていると考えるわけでございます。
現在のところそのような新たな協定を結ぶということが必要かどうかという点につきましては、私ども今のところこれといったものを予定しているものはございません。しかしながら、仮に今後そのような必要性が出てくるならば、我が政府としましては、今申しましたような基本法に基づく香港政府が受けている一定の授権の範囲内で交渉することになるわけでございますが、その際にも必要に応じて中国の政府と適切に接触をし、そして中国政府の意向も確認しながら進めていくということになろうかと思います。今回のこの協定の締結の経緯にかんがみてそのように考えております。
武
武見敬三#6
○武見敬三君 香港との関係で生ずる問題について、どの程度中国政府と適切に協議をして問題の解決に当たるか、その判断というのは私は意外と難しいだろうと思うんです。我が国の立場としても、香港の自治についてはより高度な自治が求められることが望ましいという立場に立っているというふうに私は理解をしておりますから、その限りにおいてはやはり独立した形で香港の行政区政府との交渉が直接行われることが好ましくなるわけであります。
しかし、実際にここでさまざまな問題が出てくるだろうと思います。例えば、こうした実務的な協定を香港の特別行政区政府と締結した場合、その協定を実行していく上での法的な最終責任は一体どこが負うのかという問題も私は出てくるんだろうと思います。この点についてはいかがお考えになっていらっしゃいますか。
この発言だけを見る →しかし、実際にここでさまざまな問題が出てくるだろうと思います。例えば、こうした実務的な協定を香港の特別行政区政府と締結した場合、その協定を実行していく上での法的な最終責任は一体どこが負うのかという問題も私は出てくるんだろうと思います。この点についてはいかがお考えになっていらっしゃいますか。
加
加藤良三#7
○政府委員(加藤良三君) これも基本法になりますけれども、その第百五十一条で、先ほど大臣の答弁にございましたように、「香港特別行政区は経済、貿易、金融、海運、通信、観光、文化、体育などの分野において、「中国香港」の名義で独自に世界各国、各地域および国際の関連のある機構との関係を維持し、発展させ、関係協定を締結、履行することができる。」とございますが、こういうカテゴリーと申しますか範疇の合意というものが仮にできました場合には、その履行について最終責任は香港の特別行政区政府が負うということになると承知いたしております。
この発言だけを見る →武
武見敬三#8
○武見敬三君 香港特別行政区政府が最終的責任を果たして負い切れるかどうかという問題が私は次に出てくるだろうと思います。
例えば、香港基本法の十九条、この中で、最終的な裁判等に関連して、裁判所というのは、国防、外交等は香港行政区政府の管轄ではなくて、これは中国政府にあるというふうに規定しているわけであります。
こうした諸外国政府との実務協定の締結というのは場合によっては「外交等」というものの範囲に属する場合もあるわけであります。しかも、その「外交等」の場合に属するか否かの選択というのは一体だれがどのような立場で行うのか、これについて日本政府はどういう立場をとっていらっしゃるんでしょうか。
この発言だけを見る →例えば、香港基本法の十九条、この中で、最終的な裁判等に関連して、裁判所というのは、国防、外交等は香港行政区政府の管轄ではなくて、これは中国政府にあるというふうに規定しているわけであります。
こうした諸外国政府との実務協定の締結というのは場合によっては「外交等」というものの範囲に属する場合もあるわけであります。しかも、その「外交等」の場合に属するか否かの選択というのは一体だれがどのような立場で行うのか、これについて日本政府はどういう立場をとっていらっしゃるんでしょうか。
加
加藤良三#9
○政府委員(加藤良三君) 御指摘の基本法の第十九条の国防、外交等の国家行為、その中の「等」に何が含まれるかという点について、実は我々は有権的な解釈を申し上げる立場にございませんで、これは中国の国内法である香港特別行政区基本法についてのまさに解釈の問題だろうと思います。そして、この件について、実はそれほど手広く指針を示すようなものがあるわけでは率直に言ってございません。
一つございますのは、基本法の起草に関与したと言われております北京大学の肖蔚雲教授による「香港基本法講座」といういわばコンメンタールのような解説書がございますが、それによりますと、中央人民政府が任命権限を有する行政長官及び香港特別行政区主要高官の任命、それから中国の全人代常務委員会が香港の従来から存在する法律について基本法と抵触するか否かの判断、そういった問題などは国防、外交のいずれにも当たらないけれども、香港の裁判所が管轄権を持たない国家行為の中に含まれるというふうにされておりまして、今実は手がかりというのは、文書というような観点からはこの程度のことがあるにすぎないわけでございます。
今後とも、香港サイド、あるいは中国とのいろいろなやりとりの場において実際に実行を積み重ねながらその辺が明らかになってくる部分もあろうかと存じます。
この発言だけを見る →一つございますのは、基本法の起草に関与したと言われております北京大学の肖蔚雲教授による「香港基本法講座」といういわばコンメンタールのような解説書がございますが、それによりますと、中央人民政府が任命権限を有する行政長官及び香港特別行政区主要高官の任命、それから中国の全人代常務委員会が香港の従来から存在する法律について基本法と抵触するか否かの判断、そういった問題などは国防、外交のいずれにも当たらないけれども、香港の裁判所が管轄権を持たない国家行為の中に含まれるというふうにされておりまして、今実は手がかりというのは、文書というような観点からはこの程度のことがあるにすぎないわけでございます。
今後とも、香港サイド、あるいは中国とのいろいろなやりとりの場において実際に実行を積み重ねながらその辺が明らかになってくる部分もあろうかと存じます。
武
武見敬三#10
○武見敬三君 まさに実質的選択権というのは中国政府にあるということに、中国サイドに関しては当然なるわけであります。そうすると、今回私どもが審議しているこの協定というのは、中国政府がこの「外交等」というものの中にあるべきものだというふうに解釈をしますと、その時点で香港特別行政区政府との間の締結を結んでいたとしても、それについての最終責任を場合によっては特別行政区政府が負えなくなってしまうケースさえもあり得るだろうという危惧の念も若干私は持っているわけでありまして、この点については常に一つ一つ具体的なケースを吟味しつつ対応していかなければいけないんだろうというふうに思うわけであります。
さて、北京サイドとこれから香港の問題等について議論をしていこうとする、交渉をしていこうとすると、中国政府の窓口というのは今後一体どこになるんでしょうか。香港の中にたしか外交部が代表所を設けるというふうに聞いているわけでありますけれども、そこが窓口になるんでしょうか。いかがですか。
この発言だけを見る →さて、北京サイドとこれから香港の問題等について議論をしていこうとする、交渉をしていこうとすると、中国政府の窓口というのは今後一体どこになるんでしょうか。香港の中にたしか外交部が代表所を設けるというふうに聞いているわけでありますけれども、そこが窓口になるんでしょうか。いかがですか。
加
加藤良三#11
○政府委員(加藤良三君) 今御指摘になられましたように、返還後、特別行政区に外交部の駐香港特別行政区事務所が設立されて活動を開始することになっておるわけでございますが、新設される外交部駐香港事務所の規模とか機能、それからさらにこれまでございます新華社の香港支社なんかとの事務分担関係といったものにつきましては、現時点で詳細は実は明らかにされておりません。
この発言だけを見る →武
武見敬三#12
○武見敬三君 まさに不確実な要素がたくさんあるようでございます。
香港財閥の李嘉誠氏の寄附で三百人を収容できる建物を現在外交部の代表所として北京では建設中だということでありまして、とりあえずはビザの発行であるとか英中台同連絡委員会の仕事をすることになるだろうと言われているわけでありますけれども、それ以外にもどういう役割を今後担っていくのかという点が大変注目をされているわけであります。
しかも、新華社が存続するということになりますから、実質そこが党の代表として従来どおりの統一戦線工作等さまざまな活動を行うであろうし、ある意味では香港における自由と民主というものを管理するような役割をも担うかもしれないわけでありまして、こうした香港における中国政府の出先機関というものがどういう役割を今後担っていくかということは我が国としても十分にこれを注視していかなければならないだろうと思います。我が国としても香港における人権、自由、民主という問題について確固たる立場を確立して、これに対して関心を支払うべきだろうというふうに私は思うわけでありますが、この点について外務大臣はいかにお考えになりますか。
この発言だけを見る →香港財閥の李嘉誠氏の寄附で三百人を収容できる建物を現在外交部の代表所として北京では建設中だということでありまして、とりあえずはビザの発行であるとか英中台同連絡委員会の仕事をすることになるだろうと言われているわけでありますけれども、それ以外にもどういう役割を今後担っていくのかという点が大変注目をされているわけであります。
しかも、新華社が存続するということになりますから、実質そこが党の代表として従来どおりの統一戦線工作等さまざまな活動を行うであろうし、ある意味では香港における自由と民主というものを管理するような役割をも担うかもしれないわけでありまして、こうした香港における中国政府の出先機関というものがどういう役割を今後担っていくかということは我が国としても十分にこれを注視していかなければならないだろうと思います。我が国としても香港における人権、自由、民主という問題について確固たる立場を確立して、これに対して関心を支払うべきだろうというふうに私は思うわけでありますが、この点について外務大臣はいかにお考えになりますか。
池
池田行彦#13
○国務大臣(池田行彦君) 委員御指摘のとおり、私どもも香港において現在享受されているような自由で開かれた制度、そのもとでの繁栄が今後とも継続することを強く希望しているところでございます。
特に、これから一国二制度のもとで自由な体制を維持して、現在果たしているような国際貿易あるいは金融センターとしての役割が維持できるかどうかということは我が国を含めた国際経済社会全体にとっても大変重要なことでございます。そういったことはこれまでもいろいろな機会に我が国からも中国に対して伝えておりまして、そしてそのような役割を維持するためには、やはりその基礎といいましょうかベースとして法の支配あるいは自由の保障といったことが重要であるという認識をしております。
そういった考え方に立ちまして、今後とも中国と香港との関係がどういうふうになっていくか、今御指摘のございました出先の役割等々も含めまして関心を持って注視してまいりたい、こう思います。
この発言だけを見る →特に、これから一国二制度のもとで自由な体制を維持して、現在果たしているような国際貿易あるいは金融センターとしての役割が維持できるかどうかということは我が国を含めた国際経済社会全体にとっても大変重要なことでございます。そういったことはこれまでもいろいろな機会に我が国からも中国に対して伝えておりまして、そしてそのような役割を維持するためには、やはりその基礎といいましょうかベースとして法の支配あるいは自由の保障といったことが重要であるという認識をしております。
そういった考え方に立ちまして、今後とも中国と香港との関係がどういうふうになっていくか、今御指摘のございました出先の役割等々も含めまして関心を持って注視してまいりたい、こう思います。
武
武見敬三#14
○武見敬三君 その基本的なお立場に立って日本政府がこれから申し上げる点についていかなる立場をとったか、あるいはいかなる見解をお持ちなのかをお聞きしたいんですけれども、例えば九一年に人権法が制定され、それからまた政治団体の活動規定に関する社団条例というものがあったわけでありますが、これの改定をめぐりまして香港の民主派がさまざまに反発をしております。この人権法の改定等々に関連いたしまして、日本政府はこうした事象にどのような立場とどのような見解をお持ちなのかをお尋ねしたいと思います。
この発言だけを見る →加
加藤良三#15
○政府委員(加藤良三君) 香港における人権法等の案件をめぐる動向というものについては、もちろん我々としては非常に関心を有しているわけでございます。そして、そのような関心というものを、先ほど外務大臣の答弁にございましたように、香港が返還後も一国二制度のもとで繁栄を続け、金融、貿易のセンターとしての機能を果たしていくということが基本的に中国及び我が国を含むこの地域の繁栄というものにとって非常に重要であるという大きな流れの文脈のもとで、明確に中国側に我が方のそういった基本的な姿勢を示してきているということでございまして、このことを返還後も我が方の関心として示し続けるということが重要であるだろうと思っております。
この発言だけを見る →武
武見敬三#16
○武見敬三君 基本法の二十三条では外国の政治組織との連携を禁止するというのがございます。現在民主党の指導者でありますマーチン・リー氏のオフィスは、アメリカの人権団体でありますアジア・ウォッチというのがございますけれども、そのアジア・ウォッチのメンバーが多数実際にそこで仕事をしております。そして、実際にマーチン・リー氏が訪米したときの手配等に重要な役割を担ってきておりまして、彼らが香港返還後も実際にその仕事をやめる様子はとてもございません。そうすると、この基本法二十三条に抵触するような事態が発生するおそれが出てまいりました。
他方で、米国議会では人権状況悪化の際には中国に対する制裁を科すべしという香港法案が採択されているわけでありますし、昨今のアメリカにおける激烈なチャイナ・バッシングの高まり、それらが香港の自由と民主への中国の対応の仕方次第でさらに中国を悪者としてみなすための象徴化させる動きとして現在顕在化してまいりました。
その意味では従来とはちょっと様子が異なってまいりまして、香港返還の政治問題化というのが進んでいることを私は実は非常に憂慮しているわけでありますが、この点について日本政府はどのようにお考えになっていらっしゃいますか。
この発言だけを見る →他方で、米国議会では人権状況悪化の際には中国に対する制裁を科すべしという香港法案が採択されているわけでありますし、昨今のアメリカにおける激烈なチャイナ・バッシングの高まり、それらが香港の自由と民主への中国の対応の仕方次第でさらに中国を悪者としてみなすための象徴化させる動きとして現在顕在化してまいりました。
その意味では従来とはちょっと様子が異なってまいりまして、香港返還の政治問題化というのが進んでいることを私は実は非常に憂慮しているわけでありますが、この点について日本政府はどのようにお考えになっていらっしゃいますか。
加
加藤良三#17
○政府委員(加藤良三君) 確かに、基本法の二十三条で、「香港特別行政区は反逆、国家分裂、反乱扇動、中央人民政府転覆、国家機密窃取のいかなる行為をも禁止し、外国の政治的組織または団体の香港特別行政区における政治活動を禁止し、香港特別行政区の政治的組織または団体の、外国の政治的組織または団体との関係樹立を禁止する法律を自ら制定しなければならない。」と規定しております。そして、それを踏まえて、昨年の十一月に香港政庁が国家分裂と政府転覆の定義を盛り込んだ二十三条関連法案の改正案を公表して、それが香港の議会でありますところの立法評議会に提出されましたが、審議の結論が出ていないという状況だと承知しています。手続が今後どうなるかまだ明確な見通しはございませんが、董建華初代行政長官は、第一期の立法会、すなわち香港返還後一年以内に開かれる立法会において結論を出したいという意向を有しているという報道がなされておるわけでございます。
こういう関連で、いかなる行為が国家分裂とか政府転覆、その他今申し上げましたようなことに当たるかというのは、返還後の香港の基本的制度の問題として今申し上げましたような流れに従って対処されていくことになると思いますけれども、当然私たちは関心を持つべき重要な問題だと思っているわけでございまして、当然今後ともその動向を見守っていくわけでございますが、香港及び中国に対するメッセージといたしましては先ほど申し上げましたような流れ、すなわち我が方として考えて香港、中国側に対して実効性のある説得力を持った議論として展開していくことができればなと思っているわけでございます。
この発言だけを見る →こういう関連で、いかなる行為が国家分裂とか政府転覆、その他今申し上げましたようなことに当たるかというのは、返還後の香港の基本的制度の問題として今申し上げましたような流れに従って対処されていくことになると思いますけれども、当然私たちは関心を持つべき重要な問題だと思っているわけでございまして、当然今後ともその動向を見守っていくわけでございますが、香港及び中国に対するメッセージといたしましては先ほど申し上げましたような流れ、すなわち我が方として考えて香港、中国側に対して実効性のある説得力を持った議論として展開していくことができればなと思っているわけでございます。
武
武見敬三#18
○武見敬三君 私が憂慮しておりますのは、そうした中国側の基本法に基づく姿勢と、昨今のアメリカ議会及び人権団体等々の動き方というものが香港返還後の自由と民主をめぐってひょっとすると激突するかもしれないような危険性を持ち始めている。これをいかにして顕在化せずにうまくおさめていくかということは側面から我が国としても大いに考えなければならないことだろうと私などは思っているわけであります。
この点について、太鼓持ちではございませんけれども、外務省は非常にいいことをやったなという事例があると聞いておるんです。これは、英中間で最終的な結審を下す裁判所を返還後北京に置くのか香港に置くのか等の議論があったときに、北京サイドはこれはやはり北京に置くべきだという動きをいたしました。この際、日本の企業などが実際に協定を結ぶ地域を香港からシンガポールに移し始めたり、あるいは資本を動かすような動きが出てきたということを聞いておるわけでありますが、そのときに外務当局の方で、実際にそういう日本企業の動きを中国側に対して毅然たる立場で、また相手のメンツをつぶさないように上手にこれを伝えて、それによって法の秩序と市場の関係というものを説明して、やはり最終審は香港に置かれることが好ましいのだというような説得を行ったということを一度聞いたことがあるんですけれども、それは事実ですか。
この発言だけを見る →この点について、太鼓持ちではございませんけれども、外務省は非常にいいことをやったなという事例があると聞いておるんです。これは、英中間で最終的な結審を下す裁判所を返還後北京に置くのか香港に置くのか等の議論があったときに、北京サイドはこれはやはり北京に置くべきだという動きをいたしました。この際、日本の企業などが実際に協定を結ぶ地域を香港からシンガポールに移し始めたり、あるいは資本を動かすような動きが出てきたということを聞いておるわけでありますが、そのときに外務当局の方で、実際にそういう日本企業の動きを中国側に対して毅然たる立場で、また相手のメンツをつぶさないように上手にこれを伝えて、それによって法の秩序と市場の関係というものを説明して、やはり最終審は香港に置かれることが好ましいのだというような説得を行ったということを一度聞いたことがあるんですけれども、それは事実ですか。
加
加藤良三#19
○政府委員(加藤良三君) 委員御指摘のような記述を含むファー・イースタン・エコノミック・レビュー誌の記事がございます。
私どもといたしまして、英中間の合意が九五年六月に形成され決着される過程でどういう役割を具体的に果たしたかということになりますと、これはちょっと広い意味での外交交渉の途中経過に当たるものでございますから御説明することは差し控えさせていただきたいと思いますけれども、その決着に至る過程で最終審の裁判所が適切な形で説明されることが重要であるということは強く指摘してきた経緯はございます。それがどれぐらい効果があったかというのはまた別の問題でございましょうけれども、いずれにせよ、先ほども申し上げましたように、そういった経過も踏まえてこれからも必要に応じて適切な形、すなわち相手との関係でも実効性がある形で我が方の問題意識を伝えていくということが非常に重要であると感じております。
この発言だけを見る →私どもといたしまして、英中間の合意が九五年六月に形成され決着される過程でどういう役割を具体的に果たしたかということになりますと、これはちょっと広い意味での外交交渉の途中経過に当たるものでございますから御説明することは差し控えさせていただきたいと思いますけれども、その決着に至る過程で最終審の裁判所が適切な形で説明されることが重要であるということは強く指摘してきた経緯はございます。それがどれぐらい効果があったかというのはまた別の問題でございましょうけれども、いずれにせよ、先ほども申し上げましたように、そういった経過も踏まえてこれからも必要に応じて適切な形、すなわち相手との関係でも実効性がある形で我が方の問題意識を伝えていくということが非常に重要であると感じております。
武
武見敬三#20
○武見敬三君 私は、この香港返還を通じて、よく言われていることでありますけれども、中国の香港化という傾向が進むことは大変結構な話だろうと思っております。また、それを側面から上手に支援することも我が国としてすべきことではないかと思うんですが、その際の一つの事例として私は今申し上げたような事例があるんだろうと思います。
こういう場合には、中国政府に対して、あえてこんなことを言ったら相手のメンツがつぶれてかえって関係が悪くなるんじゃないかとか、そういうふうな配慮はむしろしないで、極めてダイレクトに、適切に、こうした法の秩序と市場の関係であるとか、あるいは自由と民主主義というものと市場との関係がどういうものであるのかといったようなことは逐次適切に私は日本政府は中国政府に言い続けるべきだろうというふうに考えているわけであります。そうした基本姿勢をぜひ継続して持っていただきたいということをここで申し上げるわけであります。
最後になりますけれども、これは過去の、今までの植民地下における香港の自治の度合いと、それから返還された後の香港の自治の度合いというのは、どちらの方がより高度な自治を確保することになるのか。これは非常に興味深い点なんですね。パッテンというのはイギリスの政府のいわば指示を受けて動いているわけでありますし、董建華の立場というのはある程度独自性は認められているわけでありますけれども、この点についてどういう比較の視点をお持ちなのか、外務大臣にお聞きして、最後の質問とします。
この発言だけを見る →こういう場合には、中国政府に対して、あえてこんなことを言ったら相手のメンツがつぶれてかえって関係が悪くなるんじゃないかとか、そういうふうな配慮はむしろしないで、極めてダイレクトに、適切に、こうした法の秩序と市場の関係であるとか、あるいは自由と民主主義というものと市場との関係がどういうものであるのかといったようなことは逐次適切に私は日本政府は中国政府に言い続けるべきだろうというふうに考えているわけであります。そうした基本姿勢をぜひ継続して持っていただきたいということをここで申し上げるわけであります。
最後になりますけれども、これは過去の、今までの植民地下における香港の自治の度合いと、それから返還された後の香港の自治の度合いというのは、どちらの方がより高度な自治を確保することになるのか。これは非常に興味深い点なんですね。パッテンというのはイギリスの政府のいわば指示を受けて動いているわけでありますし、董建華の立場というのはある程度独自性は認められているわけでありますけれども、この点についてどういう比較の視点をお持ちなのか、外務大臣にお聞きして、最後の質問とします。
池
池田行彦#21
○国務大臣(池田行彦君) まず、私ども、先ほども御答弁申し上げましたが、その後委員も今まとめておっしゃいましたけれども、これからも香港の法の支配であるとか自由な状況というのが維持されることを非常に強い関心を持っておりますし、そのことが現在の香港が特に経済面で果たしている役割を維持するために大切だということを先ほど言いましたが、言い続けるようにいたしております。そして、今若干具体的な例が出ましたけれども、そういったことも折に触れこれからもサジェストしていくということは、これはお互いのためでもあると思いますから、そのように考えている次第でございます。
さて、自治の程度が返還前後でどうかという点でございますが、自治といいましょうか政治制度自身の話になりますと、これはなかなか直接的に他の国から物は言いにくい点もございます。それから、比較すると申しましても、香港の中国返還が決まった後、今日までにいろいろ制度の変化もございました。それで、現在の状態と、それから返還後中国が今いろいろ考えているものと比較するのか、あるいは共同声明の前の段階の自治の様子と今後とを比較するのか、それによっていろいろ違ってくるんだと思います。
したがいまして、その点については直接的なコメントは何とも難しいわけでございますけれども、いずれにしても我々は、先ほど申しましたような香港の役割がきちんと維持されるためには、法の支配、そして自由な社会、そしてまたそれは当然民主的な世の中というものが基本的には望まれるんだと、そのことを中国が十分認識しながら今後とも対話をしていくことを期待している、こういうことでございます。
この発言だけを見る →さて、自治の程度が返還前後でどうかという点でございますが、自治といいましょうか政治制度自身の話になりますと、これはなかなか直接的に他の国から物は言いにくい点もございます。それから、比較すると申しましても、香港の中国返還が決まった後、今日までにいろいろ制度の変化もございました。それで、現在の状態と、それから返還後中国が今いろいろ考えているものと比較するのか、あるいは共同声明の前の段階の自治の様子と今後とを比較するのか、それによっていろいろ違ってくるんだと思います。
したがいまして、その点については直接的なコメントは何とも難しいわけでございますけれども、いずれにしても我々は、先ほど申しましたような香港の役割がきちんと維持されるためには、法の支配、そして自由な社会、そしてまたそれは当然民主的な世の中というものが基本的には望まれるんだと、そのことを中国が十分認識しながら今後とも対話をしていくことを期待している、こういうことでございます。
武
高
高野博師#23
○高野博師君 まず、香港の返還に関しまして、香港返還をどのように認識しておられるのか、基本的な点についてお伺いしたいと思います。政治的、経済的観点から、簡潔にお伺いいたします。
この発言だけを見る →池
池田行彦#24
○国務大臣(池田行彦君) 一九八四年の共同声明によって返還後の香港は中国の特別行政区になるというふうに位置づけられております。そして、外交、国防の分野を除いて高度の自治を付与される。そして、基本的に現在の香港で行われている法律、経済などの諸制度が維持される、こういうことになっておると理解しておりまして、そうなりますと返還後も香港は今申し上げましたような意味で中国全体とは異なった独自の自治が維持されるものと、こういうふうに考えておるわけでございます。
そしてまた、そういった中で香港が今後とも一国二制度のもとで開かれた体制を維持して、これまで果たしてきた特に経済面等での役割が維持されるということを日本としても期待しておるところでございます。
この発言だけを見る →そしてまた、そういった中で香港が今後とも一国二制度のもとで開かれた体制を維持して、これまで果たしてきた特に経済面等での役割が維持されるということを日本としても期待しておるところでございます。
高
高野博師#25
○高野博師君 経済的に見れば香港の経済に変化が起こるということは考えられない、香港と中国の経済的な一体化はもう既に進んでいるということで、七月一日の返還というのはその確認のセレモニーにすぎないという見方もあります。
それで、中国は世界最大の海外直接投資の受け入れ国で、その中でも香港からの投資は全体の五五%、台湾が一〇%、シンガポールが四%、その他東南アジアの華僑系企業等を合わせると七十数%というのがいわば外の中国からの投資、海の中国とも言われますが、この投資になっている。それらのほとんどが香港を拠点として中国に入っている。例えば、広東省の場合は中国最大のGNPを持っていて、人口が六千数百万人、製造業に従事している二人に一人は香港企業に雇われている、賃金等の支払いも香港ドルで行われているということで、香港の繁栄が損なわれれば華南あるいは中国全体の成長に大きな影響を与えるだろうと。したがって、当然のことながら返還によって主権を回復した中国が政治的なコントロールをしたいけれども経済的発展は維持したい、これが基本的な考え方ではないかと思うんです。
政治的には、最近の香港のジャーナリズムが自主規制しているとか、あるいは新聞報道等によれば記者が海外流出しているとか、そういう動きがあって、返還後に報道規制等もあるんではないかと思われます。先般の天安門の追悼香港集会とか、あるいは犠牲者記念碑の常設が市政局の評議会で否決されたとか、そういうことで香港市民の間には将来の民主主義に対する不安を抱いている人が多い。
この点に関しまして、北京による香港の政治的な支配あるいはコントロールと経済的発展というのは両立するのかどうか、その辺についてお伺いいたします。
この発言だけを見る →それで、中国は世界最大の海外直接投資の受け入れ国で、その中でも香港からの投資は全体の五五%、台湾が一〇%、シンガポールが四%、その他東南アジアの華僑系企業等を合わせると七十数%というのがいわば外の中国からの投資、海の中国とも言われますが、この投資になっている。それらのほとんどが香港を拠点として中国に入っている。例えば、広東省の場合は中国最大のGNPを持っていて、人口が六千数百万人、製造業に従事している二人に一人は香港企業に雇われている、賃金等の支払いも香港ドルで行われているということで、香港の繁栄が損なわれれば華南あるいは中国全体の成長に大きな影響を与えるだろうと。したがって、当然のことながら返還によって主権を回復した中国が政治的なコントロールをしたいけれども経済的発展は維持したい、これが基本的な考え方ではないかと思うんです。
政治的には、最近の香港のジャーナリズムが自主規制しているとか、あるいは新聞報道等によれば記者が海外流出しているとか、そういう動きがあって、返還後に報道規制等もあるんではないかと思われます。先般の天安門の追悼香港集会とか、あるいは犠牲者記念碑の常設が市政局の評議会で否決されたとか、そういうことで香港市民の間には将来の民主主義に対する不安を抱いている人が多い。
この点に関しまして、北京による香港の政治的な支配あるいはコントロールと経済的発展というのは両立するのかどうか、その辺についてお伺いいたします。
池
池田行彦#26
○国務大臣(池田行彦君) 確かに、委員の今御指摘されましたような動きといいましょうか、あるいは場合によってはいろいろな予測に基づく不安感が一部にあるということは承知しております。一方におきまして、委員も御指摘になりましたけれども、香港が今果たしているような経済的な役割が維持されるということは中国全体にとりましても大きな意味があるわけでございます。そのことが中国が香港返還に当たって一国二制という仕組みのもとに香港に高度な自治を認めたという大きな要因であったと考えるわけでございます。そして、そういった点が今後とも変わらないとするならば、基本的に中国が政治面あるいは社会面での香港住民のいろいろな自由を維持するということを期待することができるんだと思います。
ただ、それが細部にわたってまで具体的にどういうことになるかということについては、これはなかなか第三国からくちばしを入れることがどうかという面もございますけれども、大もとのところ、基本的なところの重要性というものを中国にも今後とも持ち続けていただくということが中国のためでもあり、また日本も含めた国際社会全体のためでもある。そしてまた、自由あるいは民主的な仕組みといったような普遍的な価値が維持されるゆえんでもあろうかと考える次第でございます。
この発言だけを見る →ただ、それが細部にわたってまで具体的にどういうことになるかということについては、これはなかなか第三国からくちばしを入れることがどうかという面もございますけれども、大もとのところ、基本的なところの重要性というものを中国にも今後とも持ち続けていただくということが中国のためでもあり、また日本も含めた国際社会全体のためでもある。そしてまた、自由あるいは民主的な仕組みといったような普遍的な価値が維持されるゆえんでもあろうかと考える次第でございます。
高
高野博師#27
○高野博師君 経済発展が高度になるほど政治的な自由とか民主化の要求が強くなるというのは韓国とか台湾等、あるいはほかの国でも見られるとおりでありますが、香港を通じてこれまで中国内部の情報というのは相当得られてきたと。返還後、中国政治を自由に分析する、あるいは情報がとれるのかどうかという点についてはどうお考えでしょうか。
この発言だけを見る →加
加藤良三#28
○政府委員(加藤良三君) 香港についてはいわばこれまで先例のない状況ということでございまして、一〇〇%こうだという見通しを到底申し上げられるわけではございませんけれども、中国は基本的に香港について五十年間実態を変えないということをコミットしているわけでございます。これまでも香港は、委員御指摘のとおり、我が方としていろいろ重要な情報を収集する地点でございましたけれども、今申し上げましたような大枠に照らしますと、引き続き香港というものは情報収集等の拠点として我が方にとっても重要な機能を果たし続けるのではないかというふうに考えております。
この発言だけを見る →高