文教・科学委員会

1999-06-01 参議院 全149発言

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会議録情報#0
平成十一年六月一日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月一日
    辞任         補欠選任
     田名部匡省君     松岡滿壽男君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         南野知惠子君
    理 事
                狩野  安君
                馳   浩君
                江本 孟紀君
                松 あきら君
               日下部禧代子君
    委 員
                阿南 一成君
                亀井 郁夫君
                北岡 秀二君
                世耕 弘成君
                仲道 俊哉君
                橋本 聖子君
                石田 美栄君
                佐藤 泰介君
                本岡 昭次君
                山下 栄一君
                畑野 君枝君
                林  紀子君
                扇  千景君
                松岡滿壽男君
   国務大臣
       文部大臣     有馬 朗人君
   政府委員
       警察庁生活安全
       局長       小林 奉文君
       文部大臣官房長  小野 元之君
       文部省初等中等
       教育局長     辻村 哲夫君
       文部省学術国際
       局長       工藤 智規君
       文部省体育局長  遠藤 昭雄君
       文化庁次長    近藤 信司君
       通商産業省産業
       政策局長     江崎  格君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        巻端 俊兒君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○著作権法の一部を改正する法律案(内閣提出)

    ─────────────
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南野知惠子#1
○委員長(南野知惠子君) ただいまから文教・科学委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、田名部匡省君が委員を辞任され、その補欠として松岡滿壽男君が選任されました。
    ─────────────
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南野知惠子#2
○委員長(南野知惠子君) 著作権法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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世耕弘成#3
○世耕弘成君 自由民主党の世耕弘成でございます。
 まず最初に、質問通告はしていないんですけれども、大臣は宇多田ヒカルという人は御存じでしょうか。
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有馬朗人#4
○国務大臣(有馬朗人君) 知っております。
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世耕弘成#5
○世耕弘成君 さすが情報収集に熱心な大臣でいらっしゃると思います。ことし一番たくさんの著作権料を受け取る人物ではないかと思うんです。この人は音楽にも革命をもたらすと言われております。
 今、デジタル革命というのが世の中で、仕事の面ですとか家庭生活の面でたくさん起こっておりますけれども、このデジタル革命、すなわち情報のデジタル化であるとか、あるいはパソコンの普及であるとか、あるいはインターネットの急速な普及、これが今、芸術作品の流通の世界でも大きな革命を引き起こしつつあります。
 特に、音楽の流通の世界では、恐らくレコードの発明以降、第三回目の大きな革命が確実に進行しつつあるんじゃないかというふうに私は思っております。第一回目はカセットテープの普及であったと思います。そして第二回目はコンパクトディスク、CDの登場だったと思います。そして今回、第三回目の革命というのは、MP3という新しい技術によって今引き起こされようとしているんじゃないかというふうに思っています。
 今回、著作権法改正の議論に合わせたかのように、ここ数カ月で急速にこのMP3の大きな動きが出てきておりまして、恐らくことしじゅうには大手の家電メーカーも含めてこの流れが音楽業界の主流として定着していくんじゃないか、そういうふうに言われております。
 技術的に詳しい話は、私は参考人ではありませんので余りお話はしませんけれども、このMP3ということについて、この委員会でも著作権法を議論するに当たってきっちりと踏み込んだ話をしたということを残しておく必要があると思いますので、簡単にお話をさせていただきます。
 まず、これは先ほどの宇多田ヒカルさんのコンパクトディスクでございます。このコンパクトディスク、情報量にしますと大体六百メガバイトという情報量でございます。これはちょっとわかりにくいので、一番よく我々がワープロなんかで使いますこのフロッピーディスク、これで言いますと大体五百枚分に相当いたします。また、六百メガバイトという情報を今インターネットで、一般の家庭で手に入る、ちょっとコストはかかるけれども一番いい線を使ったとしても、大体理論値で一時間、現実には二時間ぐらいこれを電送するのにかかります。要するに、これ五百枚、しかもインターネットで送るので二時間ですから、持ち運びですとかインターネット上での流通というのは、技術的にこのままではどうしようもないということになるわけです。
 ところがMP3という技術は、このコンパクトディスクの情報を十分の一から十二分の一に圧縮できるという技術です。パソコン上にこのCDのデータそのものを取り込みまして、そしてMP3に対応したソフトウエアがありますので、それで圧縮してしまう。そして、片やメモリーの装置の方も相当進化しています。これが今一・五メガバイト入るんですけれども、新しいこういう装置がありまして、このフロッピーディスクより全然小さいですけれども、十倍から四十倍ぐらいの情報量が入る、こういうメモリーも開発されてきています。
 要するに、これそのものが十分の一に圧縮して、そして受ける側が十倍から四十倍の能力を持ってきたということで、こういうメモリー装置にCD一枚分の音楽を入れてコンパクトな状態で持ち歩きができるようになっている。そしてまた、情報量自体十分の一から十二分の一になるわけですから、インターネット上で送信にかかる時間も、理論値では十分以内でいけるようになってきている、こういう動きがあるわけです。
 この技術を使った音楽の流通というのが今新しく起こり始めていまして、さらに再生装置というのも開発されております。これが今、秋葉原なんかでは二万八千円ぐらいで売っているMP3の再生装置でございます。このコードでパソコンからMP3の音楽のデータをここへ取り込んで実際に再生ができるようになっております。これはもう現実に今アメリカでは大ヒット商品でありまして、日本でも品薄の状態が続いていると言われております。
 スピーカーがついていない装置ですので、お回ししますので、音質がCD並みであるということを皆さんにもぜひお確かめいただきたいと思います。
 また、先ほど申し上げましたこういうメモリー、これはまたことしの七月に発売される予定の新商品のプロトタイプなんですけれども、これは、先ほど申し上げたこういうカードに一たん音楽を取り込んで、こういう形で差し込んで再生ができるというようなものでございます。これも大体三万円程度で売買されてくるだろうと思います。
 MP3を使った再生機というのは、CDというのはあくまでもあのお皿をぐるぐる回していますからモーターが要るんです。ところがMP3というのは、あくまでもパソコンソフトと同じで、読み込むだけですからモーターがない。さわっていただければわかりますが、非常に軽いですので、ちょっとお確かめいただきたいと思います。
 こういう形で、受け側の再生する機器も登場してきて、今確実に売れ出してきている。まだ今マイナーなメーカーしか売っておりませんけれども、ソニーや松下もことしじゅうには確実にこの機器に参入するであろうというふうに言われております。
 このMP3を用いた音楽の流通というのは非常に大きな可能性を持っております。例えば、私が今いい音楽をつくって、私はカラオケがうまいのでぜひ皆さんに聞いていただきたいと思っても、何十枚もCDを出された江本先生とは違いまして、ネームバリューがないとか、あるいは売れ線でないという形になると、自費出版というのはあるかもしれませんけれども、いわゆる商品としてのCDをつくってもらうこと自体できないわけです。しかし、インターネットとMP3を組み合わせることによって、アーティストのサイドから見れば、売れ線でなくても、ネームバリューがなくても、ネットワーク上で直接自分の判断で音楽を配信していける、そういうことができるわけです。
 今現に、MP3を使って、もうそれだけで音楽をやりますというミュージシャンも現実には出てきております。大手のレコード会社との契約は破棄をして、徹底的にこのMP3の世界だけでやる、しかも著作権料の回収も一回三百円という形で、自分がインターネット上の電子現金を使って直接回収する、そういうミュージシャンが日本で一つ、アメリカでは幾つか、もう既に新しい形態として出てきています。
 今度は逆に、音楽を聞くユーザーの立場で見れば、今までレコードやCDを買うというと、レコード屋さんにまで出かけていって、しかも、試聴ができるものもたまにはありますけれども、大体パッケージとか、あるいはテレビやラジオでの評判から、これがいいかなと思って買ってくる。買って帰ってきたら、いや二曲ぐらいはよかったけれども、残りの八曲はこんなの買って損しちゃったなということだってあり得るわけですけれども、インターネットの配信では実際に自分で欲しいものだけを取り込める、この曲とこの曲とこの曲がいいということで取り込むことができる。そういう意味で、ユーザーのサイドから見ても非常にメリットが大きい、そういう革命が今進行しつつあるんです。
 しかし、これは大変大きな陰の部分もございます。その陰の部分というのが、今現実に事件としても起こってきているわけですけれども、市販のCDの内容をパソコンに取り込んでそれを圧縮して、著作権者に無断でインターネット上で流通させてしまうというようなことが起こってきております。
 これなんかは、現実にホームページの打ち出しですけれども、野猿ですとか宇多田ヒカルとか、今いわゆる若い人たちに非常に人気のあるミュージシャンの音楽を、はっきり言って無料で引き落とせるようなホームページ、恐らくもう今はなくなっていると思いますけれども、こういうものがありました。高度な技術は全然必要ありません。私でもできますし、今こういう違法なホームページが日本で大体三千件あるというふうに言われております。
 JASRACの皆さんも本当に今涙ぐましい努力をされていまして、そういう三千もあると言われているホームページを一個一個手作業で探されて、それぞれに警告書を送られたり、あるいはそういうホームページを手伝っている形になっているプロバイダーに対して削除の協力をお願いされたりと、涙ぐましい努力をされているわけであります。
 このようにMP3は、音楽流通を革命的に便利にする可能性がある一方で、著作権侵害ということでアーティストの生活そのものを破壊する可能性も秘めている、今後きっちりと整理していい方向へ引っ張っていかなきゃいけない非常に難しいものなんです。
 文部大臣にお伺いしたいと思いますが、こういうインターネット上での音楽配信に関する現状を今どう把握されているのかということと、また、著作権保護の観点やあるいは音楽文化進展の観点から、インターネットによる音楽配信の普及についてどのように評価されているかをまずお伺いしたいと思います。
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有馬朗人#6
○国務大臣(有馬朗人君) インターネットというものは、さまざまな点で非常にいい面と問題点が含まれていると思います。インターネットを通じての音楽配信につきましては、現在、関係者の間で話し合いが行われており、合法的な配信のための環境の整備が進められているということが一方でございますが、一方、無断で音楽を大量に送信し、著作権者等の利益を著しく害する違法な行為があると認識いたしております。
 ネットワーク上に著作物をアップロードする行為につきましては、既に平成九年の著作権法の改正において送信可能化権を設け権利の対象としたところでございます。違法行為に対しては刑事罰を含む厳格な対応がなされることが必要であると考えております。
 違法な音楽配信事業は今後ますます盛んになることが予想されることから、文部省といたしましては、適切な権利処理のためのルールづくりが促進されるよう働きかけていく所存であります。また、違法な行為をなくすためには、まず国民全体が著作権を尊重することが重要であることから、さまざまな機会を通じて著作権保護意識の一層の向上に努めてまいる所存でございます。
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世耕弘成#7
○世耕弘成君 ありがとうございました。
 そして、今現実に事件が起こってきております。警察庁の方も把握されていると思いますけれども、札幌の少年がこのMP3を実際に使って違法に音楽を流していたということで、家宅捜索が行われたという報道がございます。
 しかし、三千ほど違法サイトがあるという中で、このケースを警察庁としては一罰百戒という形でとらえられているのか。あるいは、著作権法違反というのは親告罪であるという側面があるわけですけれども、今後残りのサイトへの対処をどうされていくのか。
 この札幌の少年というのは、私がこれを見る限りは、そんなにお金をもうけていたわけでもないし、何で彼が摘発第一号の対象になったのか、何か特に悪質な部分があったのかということをちょっとお伺いしたいと思います。
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小林奉文#8
○政府委員(小林奉文君) ただいま委員御指摘の事件は、新聞報道等にもございますように、札幌市に居住する十八歳の会社員が著作権者の許諾を得ずにプロバイダーのサーバーコンピューター内にMP3を利用して音楽著作物を記憶蔵置させたものでございます。この事件につきましては、ホームページの開設、閉鎖を繰り返して行っていたということでございます。そういった中で、多数の最近のヒット曲を多くのインターネット利用者に違法送信していたということで、愛知県警で捜索などの所要の捜査を行っているところでございます。
 こういった、委員御指摘の、インターネットを利用してMP3というデジタル情報を圧縮した方式のファイルによりまして、音楽関係権利者の許諾を得ずに音楽を送信する事案が最近増加しております。デジタル時代の新たな知的所有権侵害事案の一例として大きな問題になる、我々はこういうふうな認識でおるところでございます。
 そういった観点で、警察といたしましても、先ほど先生の御指摘にございました、音楽関係の権利者団体が行う違法サイトに対する警告等の活動と連携しつつ、違法サイトの実態把握に努めまして、悪質な事案については厳正に取り締まってまいりたい、こういうふうに考えておるところでございます。
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世耕弘成#9
○世耕弘成君 今、現実に告訴という形のものは行われているんでしょうか。
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小林奉文#10
○政府委員(小林奉文君) 具体的なケースに応じまして、それぞれ告訴というものを受けまして事件にしていくということが一般的な捜査の方法でございます。
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世耕弘成#11
○世耕弘成君 MP3に限らず、この手のインターネットで行われている、わいせつ画像の配布とかそういう犯罪に共通することだと思うんですけれども、非常に技術的に大変だと思うんですね。
 例えば、MP3というのは、そのままであればMP3のファイルだということは素人でも見てわかるんですけれども、それをうまく擬態をして隠すとか、あるいは十個ぐらいに分割をしておいて一個だけではわからないようにするとか、そういう手段もとっているサイトがあるというふうに聞いています。それで、これがMP3の違法サイトであるということが特定できたとしても、今度は逆に、だれがそれを載せたのかという追跡のあたりも非常に難しくなっていまして、プロキシーサーバーという、言ってみれば自分の正体を隠す装置なんというのがありまして、それを複数使っていたりするとなかなか見つけるのが大変です。
 この辺の技術的な部分を、余りここでお話しいただけるかどうかわからないですけれども、どういうふうに今後対処されていく方針なのかを伺いたいと思います。
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小林奉文#12
○政府委員(小林奉文君) 最近、インターネットを利用したいろいろな技術が日進月歩で大変進んでおります。そういった状況について、私どもはその技術等の動向を逐一勉強しておるところでございます。例えば、今先生の指摘のございましたプロキシーサーバーを利用した事件、こういったものについても幾つかございます。
 私どもは、そういった最先端の技術をよく勉強し、それに追いつくような捜査技法を開発し、それぞれ所要の捜査をしてまいりたい、このように考えておる次第でございます。
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世耕弘成#13
○世耕弘成君 ぜひその辺はしっかりと頑張っていただきたい。今後の情報通信社会の健全な発展の上で非常に重要なポイントになってくると思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 続きまして、まず、現行の著作権法の中でこのMP3というものがどういう位置づけになってくるのかということについて、ちょっと文化庁を中心にお伺いしたいと思います。
 このMP3、今聞いていただいたこの黒い方、これはRioと言って今アメリカで大変ヒット商品であります。ダイアモンド社という会社がつくっている商品でありますけれども、これは実は、アメリカで発売されたときは、全米レコード協会、レコード産業協会から、これは著作権を侵害する、侵害を助長する機器だということで販売差しとめの訴訟が行われたような経緯もあります。それは最終的にアメリカでは却下されているようですけれども。
 日本において、まず、このMP3を再生する機械そのものは合法なんでしょうか、あるいは違法という見解をお持ちなんでしょうか、お伺いしたいと思います。
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近藤信司#14
○政府委員(近藤信司君) お答えをいたします。
 MP3につきましては、インターネットを通じて音楽を無断で配信するという違法行為が大量に行われていることから、こういった録音再生機器は、無断配信された音楽を聞くためにも使われ、著作権者の利益を害することになっているのではないか、こういう意見があることは承知をいたしておりますが、現行著作権法におきましては、音楽を個人的に聞くために複製を行う行為自体は、私的使用のための複製として自由に行えることとなっているところでございまして、これらの録音再生機器そのものに違法性があるとまでは言えない、こういうふうに考えているところでございます。
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世耕弘成#15
○世耕弘成君 では、引き続きお伺いしますけれども、例えば自分でこうやって買ってきたコンパクトディスクを自分の家でMP3に変換をして録音するということも、私的使用ということで問題ないということでよろしいんでしょうか。
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近藤信司#16
○政府委員(近藤信司君) 今申し上げましたが、現行著作権法では、著作権者に複製権を認め、著作物を複製する際に原則として著作権者の許諾を得ることが必要でありますが、一方で、いわゆる私的使用を目的とする場合には自由に複製が行える、こういうことにしておるわけでございます。このため、音楽用CDからMP3に変換をし録音する行為につきましては、それがパソコンや携帯型プレーヤーなどを用いて個人で聞くことを目的として行われる限りは、私的使用のための複製として適法な行為となるわけでございます。
 ただ一方で、先ほど委員が御指摘になった例にございますように、インターネットを通じて音楽を無断で配信するためにMP3に変換をし録音するような場合におきましては、これは私的使用のための複製とは言えず、著作権者等の複製権を侵害する違法な行為となる、こういうふうに考えております。
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世耕弘成#17
○世耕弘成君 インターネット上を見ていますといろんなうわさ話も飛んでいるわけですけれども、例えば音楽についても、さわりの部分だけ、二十秒か三十秒ぐらいだったら別にネットで流しても違法じゃないんだというような流し方もあったんですが、この辺については文化庁の御見解はいかがでしょうか。
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近藤信司#18
○政府委員(近藤信司君) 著作権者に複製権、公衆送信権等の権利が著作権法上認められておるわけでございますが、これらの権利は、著作物等の実質的な部分を利用するのであれば、その部分の多い少ないにかかわりなく権利が働くことになっておるわけでございまして、例えば音楽の著作物の場合で申し上げますならば、ワンフレーズの利用であっても基本的には著作権の対象になると考えられるわけでございます。著作権者に許可を得ずに、許諾を得ずにネットワーク上で公衆に配信するのであれば違法な行為となるわけでございまして、一部で言われておりますいわゆる三十秒ルール、こういったものは著作権法上根拠はないものと、こういうふうに考えております。
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世耕弘成#19
○世耕弘成君 今度は逆に、使う側からなんですけれども、例えば、このホームページは違法だな、ここに載っかっている音楽は恐らく著作権上クリアになっていないなということがわかっていながら、それを引き落としてMP3の機器で聞くこと自体はどうなるんでしょうか。
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近藤信司#20
○政府委員(近藤信司君) 例えばMP3の違法サイトから音楽をダウンロードする、こういった行為を考えてみた場合に、ダウンロードするその者にとりましては、それが個人的に音楽を聞くための複製であれば、先ほど来申し上げているとおり著作権法三十条第一項の私的使用のための複製に該当いたしまして、著作権者の許諾を得なくても適法に行うことができるわけでございます。また、ダウンロードした音楽を個人的に聞くことは、これはそもそも著作権の対象となる行為ではないため、これもまた自由に行うことができるわけであります。
 他方、MP3の違法サイトに音楽をアップロードした者は、これはほかの者にその音楽をダウンロードさせることで公衆送信を行ったことになり、著作権者の公衆送信権を侵害する、こういうことになるわけでございます。
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世耕弘成#21
○世耕弘成君 先ほどから何回かその公衆送信権という話が出てきております。また、札幌で警察が家宅捜索に入ったケースも公衆送信権の侵害ということが第一のテーマになっているわけでありますけれども、しかし、現行法の公衆送信権というのは、あくまでも私は放送というものを意識した送信権の設定なのかなという気がしております。決して個人がインターネットを用いて多数の人に配信できるような事態というのを想定していなかったんじゃないかというふうに思っております。
 特にアナログ時代は、個人で幾ら、私が公衆送信をやろうと思っても、電話でみんなに聞かせるわけにもいかない、テープにダビングしてそれを宅急便で送るといっても一体どれだけ手間がかかるかわからないという状態だったわけですけれども、インターネットになれば、私も今会館に置いてあるパソコンで電子メールで、仲のいい人、ふだんやりとりする人を五百人ぐらい登録してありますから、もうワンタッチで音楽を送ることができるわけです。
 こういうインターネット時代を踏まえた公衆送信権と、あるいは逆に私的使用の関係、この範囲をどういうふうに考えるのか。
 ちょっと漠とした話ですので具体的に申し上げますけれども、例えばインターネットを用いて、宇多田ヒカルさんの音楽はすばらしい、本当に親しい友達何人かに聞かせてあげたいと思ったときに、何人ぐらいまでであれば私的使用ということになるのか。
 これは非常に難しいと思うんですけれども、現実にネットワークを使っている人が今悩んでいる問題でもあるので、ちょっとその辺の御見解をお伺いしたいと思います。
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近藤信司#22
○政府委員(近藤信司君) 大変難しい御質問をいただいたと思っておりますが、著作権法の定義といたしまして、公衆は、不特定多数の者に加え、特定かつ多数の者を含む概念とされておるわけでございます。これに対しまして、特定かつ少数に対する送信、これは公衆に対する送信ではないために公衆送信権が働かないわけでございまして、例えば親しい少数の友人に電子メールを送るというような場合がこれに該当するかと思っております。
 この、著作権法におきます多数か少数か、この多数の概念は相対的なものでございまして、多数に該当するか否かは著作物の利用の具体的場面に応じて個別具体に判断をする。お答えになったかならないかあれでございますけれども、一般に何人からが多数であるか、少数であるかということはなかなか一概には言えないのではなかろうか、このように考えております。
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世耕弘成#23
○世耕弘成君 わかりました。
 このように、まだMP3という新しい技術と著作権法の関係というのは一般人から見て非常にわかりにくい状態になっています。現実にMP3の違法サイトを運営している人、これは当然違法は違法なんですけれども、本当のところは余り意識しないでやっている、ほとんどの人がお金を集める目的ではやっていなくて非営利でやっていると聞いています。あるいは、自分で運営しているホームページを一人でも多くの人に見てもらいたいがために、何か景品的なイメージで、ここで音楽をとれるよというようなことをやればいいんじゃないかという、こういう形でやっている人、あるいは大好きなアーチストがいて、その音楽をもっとみんなに聞かせたい、これなどはもうとてもファンとしてはあるまじき行為なんですが、そういうふうに思ってしまうような人もいる。
 こういう形になっていますので、ぜひこの札幌の十八歳の会社員のようなケースをつくらない、あるいは無意識のまま犯罪者になってしまわないようにきっちりと啓蒙活動をやっていただきたいと思うんですが、その辺の取り組みは、警察庁、文化庁、どういうふうに考えておられますでしょうか。
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近藤信司#24
○政府委員(近藤信司君) 委員御指摘のように、著作権思想の普及啓発ということは大変大事なことでございまして、文化庁におきましては従来から、一般の方々を対象といたしました著作権セミナーでありますとか、学校の教職員、図書館の職員等を対象とした講習会を毎年実施しているわけでございます。
 また、やはり青少年の時代から著作権尊重の意識を醸成するということが大事でございますので、著作権読本というような解説書を作成いたしまして全国の中学三年生に配布をしている、こんなようなこともいたしておるわけでございます。
 特に本年は、一八九九年に著作権法が制定、施行されて百年を迎える記念すべき年でもございまして、著作権法百年を記念してさまざまな事業を実施する予定にいたしております。こういった事業を通じまして、さらに著作権に対する国民の一層の理解が深まるように努力をしてまいりたいと考えております。
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小林奉文#25
○政府委員(小林奉文君) 委員御指摘のように、私どもにおきましても知的所有権は極めて重要な権利であると考えておりまして、そのことを広く社会に啓発して、その侵害が抑止されるようにしていくことは極めて重要な課題だと考えております。
 そういった観点から、警察といたしましても、これまで関係省庁、各種権利者団体の組織である不正商品対策協議会等と連携して広報・啓発活動を積極的に進めてきたところでございます。今後とも、ネットワーク上の著作権の保護の問題も含め、関係省庁、団体とも連携して広報・啓発活動に努めてまいりたいと思います。
 なお、無意識の犯罪者ということでございますけれども、私どもは、プロバイダーから警告されたとか、いろいろな方々について事件を摘発しているということだけは御報告させていただきたいと思います。
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世耕弘成#26
○世耕弘成君 非常によくわかりました。
 こういうふうにいろいろ著作権上の問題があるMP3という技術なんですけれども、私はこの新技術に関して決してネガティブになってはいけないというふうに思っています。
 カセットテープが始まったとき、これも大騒ぎになりました。CD、MDが出てきたときも、これはもう大変なことになる、音楽産業は終わりだというような話が出ましたけれども、逆に今、音楽を聞くすそ野が大きく広がっているわけです。昔は百万枚も売れればそれこそ歴史的な大ヒットでしたけれども、宇多田ヒカルさんはもう七百万枚売れようとしている。これだけ音楽のすそ野が広がったわけです。
 また、家庭用ビデオが普及し始めたとき、このときも映画産業は大変反対をされましたけれども、逆に今、レンタルビデオ等を通して国民が映画に触れる機会が非常に増加をして、そして映画産業自体も著作権料の形で潤っているということになっているわけです。
 MP3についても全く同様に、否定的に処理していくのではなくて、著作権との整合を法的、技術的にきっちりととって、さらに音楽のすそ野、音楽文化のすそ野を広げる方向に持っていきたい、そういうふうに考えています。
 そういう中で、もう一度総論的にお伺いしますけれども、デジタル時代、インターネット時代に対応した著作権法のあり方あるいは著作権管理のあり方について、文化庁としてどうお考えになっているでしょうか。
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近藤信司#27
○政府委員(近藤信司君) デジタル化、ネットワーク化の進展に伴いましていろんな著作権制度の課題があるわけでございまして、これまでも、著作権審議会で議論の熟したものから逐次審議結果を公表し、法改正も行ってきたわけでございます。
 今、この著作権審議会の中にマルチメディア小委員会というものを設けまして、さらにこういったデジタル化、ネットワーク化時代に対応できるようないろんな法制度のあり方を含めて御検討をいただいておるわけでございます。
 また、著作権管理の問題につきましても、これもまた、特に音楽の問題につきましては今、JASRAC、日本音楽著作権協会が一元的にやっておりますけれども、果たしてそれでいいのだろうか、もう少し著作権管理団体の設立要件を緩和し、同一分野の複数団体をもっと積極的に認めるべきではないかとか、あるいは、今のJASRACはすべての音楽に係る著作権の信託を受けておりますけれども、例えば演奏権だけを預かるとか、そういう選択の幅を権利者に認めるべきではないか、こういったさまざまな意見があるわけでございまして、そういった意見も踏まえまして、現在、著作権審議会で御審議をいただいておるわけでございます。
 文化庁といたしましては、この審議会の検討結果あるいは国際的な動向を踏まえまして適切に対応してまいりたい、かように考えておるところでございます。
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世耕弘成#28
○世耕弘成君 以上で終わります。
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馳浩#29
○馳浩君 自民党の馳浩です。よろしくお願いいたします。
 まず、文部大臣にお伺いいたしますけれども、同僚議員の世耕委員の質問の全体的な内容とも重なりますが、情報通信技術の日進月歩の発展というのは非常に目まぐるしく、これが日本経済発展の一つの生命線ともなっておりますが、一面、著作権者やあるいはメーカー側にとっては著作権を侵害される大きな問題ともなっております。いわば企業同士が対立する一つの争点になってくるのはこの著作権の問題であると考えてもいいと思いますが、要はこの著作権法という法律の運用の仕方を考えていかなければいけないと思います。余りにも著作権者に配慮するような、著作権法というのは著作権者を擁護するための法律ではあるのですが、これを余りにも厳しく適用していくということになりますと、企業の活動に対しまして非常に厳しい規制をかけて、これが日本経済の発展に一つの足踏みをさせるようなことになっても困るわけであります。
 この点について、今後文部省としてこの法律をどのように運用していくのかという姿勢が問われると思いますが、この点をお伺いしたいと思います。
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