外交・防衛委員会

1999-11-18 参議院 全132発言

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会議録情報#0
平成十一年十一月十八日(木曜日)
   午後二時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月十六日
    辞任         補欠選任
     吉村剛太郎君     鈴木 正孝君
     八田ひろ子君     立木  洋君
 十一月十七日
    辞任         補欠選任
     尾辻 秀久君     吉村剛太郎君
     松前 達郎君     久保  亘君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         矢野 哲朗君
    理 事
                鈴木 正孝君
                武見 敬三君
                小山 峰男君
                益田 洋介君
                小泉 親司君
    委 員
                佐々木知子君
                村上 正邦君
                森山  裕君
                山本 一太君
                依田 智治君
                吉村剛太郎君
                海野  徹君
                久保  亘君
                吉田 之久君
                荒木 清寛君
                立木  洋君
                田  英夫君
                田村 秀昭君
                山崎  力君
                佐藤 道夫君
   国務大臣
       外務大臣     河野 洋平君
       国務大臣
       (防衛庁長官)  瓦   力君
   政務次官
       外務政務次官   東  祥三君
       外務政務次官   山本 一太君
       防衛政務次官   依田 智治君
       防衛政務次官   西川太一郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        櫻川 明巧君
   政府参考人
       外務省経済協力
       局長       飯村  豊君
       外務省条約局審
       議官       小松 一郎君
       運輸省海上交通
       局長       高橋 朋敬君
       海上保安庁次長  長光 正純君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
〇政府参考人の出席要求に関する件
〇千九百九十九年の食糧援助規約の締結について
 承認を求めるの件(内閣提出)
〇千九百九十九年七月二十一日に国際コーヒー理
 事会決議によって承認された千九百九十四年の
 国際コーヒー協定の有効期間の延長の受諾につ
 いて承認を求めるの件(内閣提出)

    ─────────────
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矢野哲朗#1
○委員長(矢野哲朗君) ただいまから外交・防衛委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十六日、八田ひろ子君が委員を辞任され、その補欠として立木洋君が選任されました。
 また、昨日、松前達郎君が委員を辞任され、その補欠として久保亘君が選任されました。
    ─────────────
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矢野哲朗#2
○委員長(矢野哲朗君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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矢野哲朗#3
○委員長(矢野哲朗君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に鈴木正孝君を指名いたします。
    ─────────────
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矢野哲朗#4
○委員長(矢野哲朗君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 千九百九十九年の食糧援助規約の締結について承認を求めるの件及び千九百九十九年七月二十一日に国際コーヒー理事会決議によって承認された千九百九十四年の国際コーヒー協定の有効期間の延長の受諾について承認を求めるの件の審査のため、本日の委員会に外務省経済協力局長飯村豊君、外務省条約局審議官小松一郎君、運輸省海上交通局長高橋朋敬君、海上保安庁次長長光正純君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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矢野哲朗#5
○委員長(矢野哲朗君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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矢野哲朗#6
○委員長(矢野哲朗君) 次に、千九百九十九年の食糧援助規約の締結について承認を求めるの件及び千九百九十九年七月二十一日に国際コーヒー理事会決議によって承認された千九百九十四年の国際コーヒー協定の有効期間の延長の受諾について承認を求めるの件、以上二件を便宜一括して議題といたします。
 両件の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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武見敬三#7
○武見敬三君 この条約及び協定の二件に関しましては、既に内容については了としておりますので、一般質疑に早速入らせていただきたいと思います。
 今、実は、我が国に、世界保健機関、WHOのブルントラント事務総長が訪問をされておられます。その一つの目的は、WHOの神戸センターで開催をされました若者と女性の喫煙がいかに健康に被害を与えるかというシンポジウムに基調報告をされるために日本に来られたものであります。
 このブルントラントさんとたしか外務大臣はお会いになられたということを伺っておりますが、こうした国際的に、既に医学的にも認知されたこうした喫煙の健康被害について改めて周知徹底し、その問題を国際的に協力しつつ解決をしていこうというキャンペーンだと思います。
 こうした禁煙運動とも申し上げてよい国際社会、特にWHOのイニシアチブについて、外務大臣はどのように受けとめられてブルントラントさんとお会いになったのか、伺いたいと思います。
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河野洋平#8
○国務大臣(河野洋平君) 最初に申し上げますが、私は実はたばこを吸いません。したがって、ややそういう立場で申し上げることになるかと思います。
 ブルントラント女史、つまりWHOの事務局長でございますが、ブルントラントさんとお話をいたしまして、事務局長からは、たばこの問題は経済的な意味もある、つまり喫煙者を減らしていくということは経済的にもいろいろメリットがあるんだということもお話がございました。そしてまた、妊産婦あるいは家庭内における喫煙というものはやはり健康問題にも非常に影響があるということを言われまして、WHOの事務局長が非常に積極的にこの問題に取り組んでおられる。
 私は、これまで余りこれだけ正面切ってこの問題に取り組まれた方はいないと思うんですが、非常に正面から取り組んでおられるということを知りました。
 そして、特に私には、G8の中でもこの問題、たばこ対策の先進国はアメリカ、イギリス、フランス、カナダだと。日本もそのグループに入ってほしいというようなことを言っておられました。
 私は事務局長に、日本も輸送機関あるいは企業の中では相当ノースモーキングという運動は徹底してきていますよと。しかし他方、女性の喫煙者というものはかなりのスピードでふえております。それは、言ってみれば女性の社会進出が非常にふえている、そのスピードとパラレルといいますか、そのスピードは似たような感じすらいたしますということを申し上げて、とりわけ女性であるWHO事務局長からこういう話をされるということは、そういう意味で意味があると思いますということを申し上げました。ただし、私の立場は中立的でございますということを申し上げた次第でございます。
 我が国はWHOに対して、これまでの実績、例えば地球上の疾病率を下げていくとか、いろいろな病気に積極的に対応してきたWHOの姿勢というものを評価して相当な額の拠出もしているわけでございますから、WHO活動というものに我々は無関心でいてはいけないというふうには思います。
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武見敬三#9
○武見敬三君 外務大臣、実はたばこの健康被害については医学的にかなりもう既に検証されているということははっきりと言えます。
 その上で、自国の中ではたばこについて非常に厳しい規制をしておきながら、輸出する際には野方図という国が実はございます。私は、こういうのは決して健全ではないだろうと思います。したがって、たばこの輸出入等についても何らかの政府の対応というものが求められてきているんじゃないかと思います。
 例えばイギリスの場合には、在外の大使館、総領事館等々を通じて、こうした自国のたばこの輸出については、それを奨励するような役割は一切負わないことというのが政府の中で決められております。
 このような形で、できる範囲の中からイギリスの場合には政府がイニシアチブをとって、こうした民間によるたばこ輸出というものに一定の歯どめをかけようという努力までされているわけであります。
 私は、少なくとも日本もそうした対応を外務省に率先してとっていただいて、在外公館を通じてそういうことには一切かかわらないというような一つのラインを引いていただくことが必要かと思いますけれども、いかがでしょうか。
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河野洋平#10
○国務大臣(河野洋平君) これはぜひ厚生省にも、今、武見議員がおっしゃったような医学的見地に立って一定の判断を明確に下していただきたいと思います。
 もし、そういうことが明確であれば、厚生省も何らかの対応をなさると思いますし、またそれに伴って、それ以外にも対応すべきことが起きてくるのではないかというふうに思います。
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武見敬三#11
○武見敬三君 同様な質問で恐縮でございますが、せっかくお二人の政務次官がいらっしゃいます。
 こうしたWHOの禁煙に関するあるいは喫煙の健康被害に関するイニシアチブというものを本来日本の政府としてどう受けとめるべきだとお考えになるのか、短くて結構でございますが、御返事をいただけないでしょうか。
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東祥三#12
○政務次官(東祥三君) 私は、ヘビースモーカーと言ってもいいかわかりませんが、大変たばこを吸います。
 そういう立場でこの問題について議論できるのかどうかというそこの資格の問題があると思いますが、ブルントラント事務局長にもお会いさせていただきまして、そして、私はヘビースモーカーであり、今、武見先生から御指摘あった健康に対しての悪影響といいますか、この問題について否定するデータは一切ありません、他方において二つ問題があると思いますと。
 一方は、なぜ世界じゅうでたばこのない国というのはないのかと。歴史的な背景があり、たばこの持つ医学的、そういう側面のみならず、やっぱり精神的な部分というのはあるんではないのかと。私は精神的スタビライザーだというふうに申し上げておきました。しかし、それが説得力があるかどうかはわかりませんが、医学の側面から見た場合、おっしゃられるとおりなんだろうというふうに思います。他方において、やはり喫煙者がどれだけ日々自分自身の命を、医学的見地から見た場合寿命を短くしているかどうかはわかりませんが、それはやはり嗜好の一つであり、また自己責任の範疇でとらえなければならないんだろうと。
 ただし、私がたばこを吸うことによって周りにいる方々に喫煙者と同じような、また分煙というんでしょうか、周りにいらっしゃる方々にその煙を吸うことによって医学的に悪影響を与えるという、そういう研究も進んでいるというふうに聞いております。そういう意味からしますと、できるだけ私も気をつけているんですけれども、周りにいらっしゃってたばこが嫌いな人の前では基本的に吸わない。ブルントラントさんといるときも吸っちゃおうかなと思ったんですが、基本的に嫌だということですから、その場では吸いませんでした。そういう意味では、分煙の領域をちゃんとつくってそしてやっていくということも必要なんではないのかと。
 ただ、一般論として申し上げれば、武見先生がおっしゃられるとおり、たばこを吸うこととそして医学的に極めて深い悪影響を与えるという、そういう研究をどんどん進めていただいて、その面における国際協力というのはぜひ推進していかなければならないんだろうというふうに思います。
 以上です。
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山本一太#13
○政務次官(山本一太君) 私は、河野外務大臣と同じようにたばこを吸いません。
 政務次官就任以来、最初の三週間で四カ国ぐらい出張させていただきましたが、どの国際線の飛行機に乗ってもほとんどたばこを吸うスペースがない、こういうことで、この問題に対する世界の考え方の流れというものを身をもって経験いたしました。
 先生がおっしゃった外務省が率先してという件でございますけれども、これは関係各局とよく相談をしながら、国民的な合意を形成する議論を深める中で考えていくべきではないか、このように思っております。
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武見敬三#14
○武見敬三君 それでは、たばこの質問はここまでといたしまして、実は最近、東南アジアで海賊が頻発しております。
 それで、特にマラッカ・シンガポール海峡を航行する我が国の船主がオペレーションしております一千トン以上の船舶というのは約七千隻、全体の一六・九%に上っているわけであります。
 こうした安全航行というのは、我が国の国民生活にも直結する非常に重要な課題であるということはおわかりいただけるだろうと思います。したがって、まずこうした海賊の被害の実態というものはいかがなものかということについて、運輸省の海上交通局長からその現状の説明をいただきたいと思います。
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高橋朋敬#15
○政府参考人(高橋朋敬君) お答えいたします。
 国際海上輸送にかかわる犯罪につきまして情報収集を行っている民間組織でございます国際商業会議所国際海事局というのがございます。IMBと言われておりますが、その調査によりますと、全世界における船舶に対する窃盗、強盗等の発生件数でございますけれども、九七年で二百四十七件、九八年で百九十二件、九九年は九月までの実績でございますけれども、百八十件でございます。地域的には、東南アジアが各年の約半数を占めているという状況でございます。
 一方、運輸省が調査いたしました日本関係船舶に対する窃盗、強盗等の事件の件数でございますが、九七年で十八件、九八年で十九件、九九年につきましては十月までの実績で二十三件と増加しているという状況でございます。
 最近五カ年間それから本年十月までの日本関係船舶にかかわる事件、全部で八十七件ございますが、これについて中身を見てみますと、発生海域別では、インドネシア周辺海域で三十八件、マラッカ・シンガポール海峡で八件発生しておりまして、全体の約七割が東南アジア海域で発生いたしております。また、その事件のほとんどはいずれかの国の領海内で発生しておりまして、その三分の二が港内、港の中または港の付近のものでございます。公海上で発生したと思われるのは三件というふうに把握しております。
 日本関係船舶にかかわる事件のいわゆる代表的な事例を少し申し上げますと、航行中等に武装した強盗に襲われて金品、積み荷、船舶用品等を奪われたケース、それから港内等に停泊中の船舶等に賊が忍び込んで船の備品や乗組員の私物を盗むという、こういったケースが多くなっております。
 特別な事例といたしまして、いまだ事実の解明には至っておりませんけれども、昨年九月に発生いたしましたパナマ籍の貨物船テンユウ号の事件とそれから今般のアロンドラ・レインボー号事件のようないわゆるシージャックも発生しておりまして、この五年間では二件というふうに把握しているところでございます。
 以上でございます。
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武見敬三#16
○武見敬三君 御指摘のとおり、確認されている案件だけでも近年激増しております。
 日本財団がことし四月に実施した国内の船会社を対象としたアンケート調査を見てみますと、報告されていない部分もかなりございまして、実態はその十倍ぐらいもあるのではないかというようなことが言われているわけであります。これは当然日本としても見逃せない事案でありまして、いかに我が国の船舶の航行の安全を図るかということは、やはりいま一度こうした観点から取り組まなければならない大きな課題になってきたというように思うわけであります。
 そこで、外務大臣にまず基本的なことでお尋ねをしたいわけでありますけれども、こうした海賊事件の激発状況というものをどのように認識されて、そして外務省としてこれにどのように積極的に取り組む姿勢をお持ちなのか、そしてその再発防止のために、例えば具体的にどのような手だてをとることをお考えになっておられるのか、伺いたいと思います。
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河野洋平#17
○国務大臣(河野洋平君) 海賊事件といいますか、海賊の出没について大変心配を我々もいたしております。
 今、参考人から御報告を申し上げましたように、事件は、事案といいますか、毎年激増しているわけでございます。ただ、今もお話がありましたように、海賊という言葉の響きは、どうも我々は海の上でよそから船に乗って襲いかかってきて持っていってしまうということをすぐイメージするわけですけれども、今お話がありました何十件あるいは百何件という事案の中には、港に停泊中の船に乗り込んで船員の私物を持っていってしまうという、いわゆるこそ泥と言うのにはもう少し大きい事件かもしれませんが、そういうものも含まれているわけでございます。
 そういう事件であれば、これは港がはっきりしているわけですから、つまり国がはっきりしているわけですから、その国と話し合うということが割合とできると思うんですが、先般のアロンドラ・レインボー号のように、出たときの港はインドネシアで、はっきりしませんが恐らくインドネシアの沖合で海賊が乗り込んできて、そして乗組員がおろされたのはたしかインド沖かどこかで、そのおろされた人間が助けられたのはタイ沖で、しかも船の船籍はパナマでしたか、パナマ船籍で、乗組員の中に日本の乗組員が二人、それ以外にはフィリピン人が乗っているということで、これはどういうふうに事件の主体といいますか、問題のポイントをどこにするかということはなかなか難しいと思うんです。それからまた、船荷がどこのものであるかということもございます。
 したがって、これまでも、問題はあっても具体的になかなか、その問題についてこれはこうやるんだよという、各省で話し合って決まったということがどうも余りはっきりしていない。しかし、これだけ事件が激発いたしますとそんなこと言っておられませんで、しかもこれはいろいろな機関がないわけではございません。IMOでございましたか、その他の機関でいろいろ相談もするし、どういう扱いにするかということについても今説明会がどんどん進んでいるという状況であります。
 外務省としては、やはりそれぞれの地域の大使館を通じてこの問題についてきちんとフォローをして、当該の領海、問題が起こった領海の国に対してこうした事件の処理について協力を求めるという作業を一生懸命やっているわけでございます。
 例えば、先般日本に来られましたインドネシアのワヒド大統領に対しましても、私は会談の中で、大統領、海賊の問題についてもひとつ十分協力を、我々も連絡をいたしますので、ぜひこれが再発防止のために御努力願いますということを申し上げました。大統領は、ええ、海賊ですかというふうな話でございましたけれども、ああいう島のたくさんある国でございますから、なるほどそういうこともあるだろうとすぐ御理解をいただけたようでございますが、それぞれの国に対して注意を喚起する、あるいは協力を要請する、そういう迅速な連絡というものをやっていくということが何より大事だというふうに思っておりまして、これは外務省、運輸省それぞれ十分連絡をとって対応しなければならぬと考えております。
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武見敬三#18
○武見敬三君 まさに連絡ということでありますけれども、やはりこういう事件が発生したということは、迅速に対応して解決をするという必要性が極めて顕著という意味で、やはり危機管理の対象になる問題だと思います。特に、今回のアロンドラ・レインボー号というのも日本人の船長と機関長が乗っていたわけでもありますし、邦人の安全にもかかわる深刻な事態であったわけであります。
 したがいまして、こうした事件が発生したときに、いかに迅速にその事件の発生を確認して関係国、関係機関と連携をとりその解決の任に当たるか、またその場合に我が国の海上保安庁がどこまで関係国と連携しながら直接事案の解決に当たることができるのか、こういったことをやはり正確にきちんとルール化して、そして関係各国との間に合意を取りつけておくということが極めて必要であるというふうに考えます。
 その意味で、今回のアロンドラ・レインボー号というのは二十二日に事件が発生しているわけでありますけれども、二十六日に所有する邦人企業が保険会社にこの事件を連絡して、そしてそこから法律事務所に依頼が行き、法律事務所からシンガポールの法律事務所に連絡がとられる、そしてこの海賊報告センターに報告がされるということになっております。そして、二十七日になって在マレーシア大使館からIMBの海賊報告センターに対して事実関係についての照会が行われて、上記事実について確認をされていると、こういう経緯なんだそうです。
 これをそのまま了とするのか、あるいはより迅速にこういう事件が発生したときにその船主をも含めて事前に連絡をとり合い、いや事前じゃなくて船主に対しては平素よりこういう事件が起きたときに我が国政府に対しても直ちに連絡するためのルールをつくったり、いろいろとまだまだしなければならないことがあって、それをすることによってこういうまず事件の発生についてより迅速にその事実確認ができるようにしておくというようなことなどを含めて、私は相当にやらなければならないことが危機管理という観点からもある事案ではないかという認識を持ったんでありますけれども、いかがでしょうか。
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河野洋平#19
○国務大臣(河野洋平君) 武見議員御指摘のとおり、事件がこれだけ発生するということを考えれば、我々もこの問題を放置するわけには決していかないと思います。当然のことだと思います。
 しかし、正直申し上げまして、現在海賊事件だけを想定したマニュアルというものがつくられているかというと、まだそこまでは行っておりません。少なくとも今回の事件を契機にいたしまして、この種の事件発生の際の対応策について具体的にどういう手順を踏んでやるかということを検討しなければならないというふうに思います。
 これまで、海賊の問題については、七月から運輸省主催で海賊対策会議というのが既に五回開催されておりまして、外務省もこの会議には参加をいたしております。この会議におきます検討の成果を踏まえて、先ほども申し上げましたが、運輸省などとも緊密に連絡をとり、討議をし、結果を出したいというふうに思っておるところでございます。
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武見敬三#20
○武見敬三君 海上保安庁の方にお尋ねをしたいと思います。
 今回のアロンドラ・レインボー号の事件に際しましては、これは海上保安庁も事件解決のためにフィリピン沖まで出向いてその役割を担われたというようなことを聞いているわけでありますけれども、例えば海上保安庁の設置法に基づいて、一体どこまでこうした日本の船舶の航行安全のために海上保安庁の船舶というものは出向いていってその任に当たることができるのか、そして同時に、その役割規定というものの中にどのようなものが含まれているのか。
 例えば、公海上であった場合に、たまたまそういう海賊事件というものを確認したという場合に、海上保安庁は直ちにそうなりますと事件現場に駆けつけていって、実際に武力を行使してそうした解決の任に当たるところまですべて法的な現行法の枠組みの中で対応し得るものがあるのか、そういったことをちょっとお尋ねします。
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長光正純#21
○政府参考人(長光正純君) 先般の事案に対しましては、先生御指摘のとおり、私ども巡視船、航空機を出動させたわけでありますけれども、お尋ねの法的な整理でございますけれども、海上保安庁は、「海上において、人命及び財産を保護し、並びに法律の違反を予防し、捜査し、及び鎮圧する」、これを目的として設置されておりまして、その設置法上、「法令の海上における励行、海難救助、海洋の汚染の防止、海上における犯罪の予防及び鎮圧、」その他海上の安全の確保に関する事務をつかさどることを任務としております。ここに言います「海上」とは、従来から、我が国の領水あるいは日本の沿岸水域といった限定されたものではなく公海一般に及ぶものと解釈しておりまして、法的には海上保安庁の行動範囲の限定はないというふうに考えております。
 一方、海上における捜索救助の関係につきましては、千九百七十九年の海上における捜索及び救助に関する国際条約というのがございまして、これによりまして世界的な協力体制の確立が求められております。例えばでございますけれども、北太平洋における捜索救助に関しましては、我が国とアメリカ合衆国との間で二国間協定を結びまして、我が国は我が国周辺の千二百海里に及ぶ海域の責任を担っているところでございます。
 こうしたこと等から、通常、海上保安庁では本邦周辺海域において活動しているところでありまして、また、私どもの勢力であります巡視船、航空機もその能力がこうした海域において十分に任務遂行できるものとなっているところでございます。
 今回のアロンドラ・レインボー号の海難に際しましては、同号が何らかの事件に巻き込まれ、あるいは海難に遭遇している可能性等を勘案しまして、本邦南方海域で哨戒業務に当たっておりました巡視船及び航空機をアロンドラ・レインボー号の輸送航路に沿わせて東南アジア方面まで、先ほど申し上げましたけれども、同船の捜索救助活動に当たらせたものであります。今後もこのような巡視船、航空機の能力を活用いたしまして、必要に応じてこれらの事案に的確に対応してまいりたいというふうに思っております。
 それと、そういった際にどういったことができるのかということでございますけれども、いわゆる公海上での海賊行為と申しますか、そういった行為に対しましては、当該船舶の船籍国でありますとか、そういったことによって取り扱いがいささか違ってまいろうかというように思っておりますけれども、私どもの法律の許された権限内において、そういった行為に対しては鎮圧等の事実行為あるいは現在我が国では法律として世界一般に海賊行為に対して取り締まる国内法はございませんけれども、そういった中で私どもに与えられた任務というものを全力を挙げて遂行していきたいというふうに思っております。
 以上でございます。
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武見敬三#22
○武見敬三君 最後に、防衛庁長官にお尋ねをしたいと思います。
 我が国の海上自衛隊の船舶等がたまたまこういった海賊事件みたいなものを確認して物理的に解決のための任に当たり得るというようなケースにおいて、実際に我が国海上自衛隊の場合は法的にこういう問題に対処し得ることは可能なんですか。
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依田智治#23
○政務次官(依田智治君) これは、自衛隊の場合は、一義的には結局警察行動というのは海上保安庁がやる、それで海上保安庁をもってしても対応できない場合に自衛隊が対応するというのは自衛隊法八十二条で、海上警備行動でございますが、この理論でもいろいろ議論されておるところでございますが、出くわしてもその際に海上警備行動が発令されていなければ、やはりその範囲内において、だれもいなければ監視するとか若干の強制力を用いない程度の行動をするということで、いろいろ海保に連絡したりするというような行動にとどまるのじゃないか。もし、それによって今直ちにこういう措置をとれということであれば、法の手続によって海上警備行動を発令していただければその範囲において立入検査とかそういうことはできる、こういうことでございます。
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武見敬三#24
○武見敬三君 ありがとうございました。
 いずれにせよ、海賊という言葉を使うと何かおかしな話のようになるかもしれませんけれども、これはやはり我が国の船舶の航行の安全及びエネルギー資源の安定供給という問題とも絡む実は非常に重要な案件であって、かつまたこうした問題に危機管理という観点からも迅速に対応する、そういう法的な整備というものが実はきちんとできていないというのが実情だということを実はこの場で申し上げたかったためにこの問題を取り上げたと、まさに問題提起のための質問であったという御理解をいただきたいと思います。
 以上です。ありがとうございました。
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小山峰男#25
○小山峰男君 民主党・新緑風会の小山峰男でございます。よろしくお願いします。
 最初に、まず食糧援助規約につきまして質問させていただきます。
 この規約につきましては、二十二条の規定に基づきまして六月二十五日に暫定適用の通告を行っております。また、発効したのが七月二日ということでございまして、なぜ暫定適用をすることにしたのか、その経緯について御説明をいただきたいと思います。
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小松一郎#26
○政府参考人(小松一郎君) 事実関係を御説明申し上げます。
 委員の御指摘のとおり、一九九五年の食糧援助規約はその有効期間が本年六月三十日までになっておりましたことから、世界の食糧問題への取り組みに関する九六年の世界食糧サミットにおける検討などを踏まえまして、食糧援助委員会において新たな規約の作成交渉が行われまして、本年四月十三日に九九年の食糧援助規約、今お諮りをしている条約でございますが、作成された次第でございます。
 それで、これを国会にお出しするに当たりましては、テキストが確定している必要がございます。二国間条約でございますと、署名によってテキストが確定するということでございますが、食糧援助規約のように国際機関で作成されました条約ということになりますと、手続的にはその機関が、これが真正なテキストであるということを認証謄本という形で確認をいたしまして、それをもとに和文を作成し、法制局審査を受けて国会に御提出をするということになるわけでございます。
 この四月十三日に九九年の食糧援助規約が作成されたという経緯はございますが、この認証謄本の作成がおくれまして、それから途中で誤植が発見されたようなこともございまして、実際に確定したのが十月となっております。他方、その間、この種の条約でございますけれども、繰り返し改正とか延長が行われていますものでございますので、切れ目のない運用を確保することが必要であろうということから、政府に法律、予算で与えられました権限の範囲内で暫定的に適用を行ってきたということでございます。
 これは、事情は日本だけではございませんで、議会制民主主義をとっております国においては大体共通の事情がございますので、日本だけではなくてほかの国についても暫定適用を行ったようなものがございます。また、そのための暫定適用の根拠規定が条約には置かれているところでございます。
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小山峰男#27
○小山峰男君 今、経過は承知したわけでございますが、いずれにしましても四月十三日に作成されていると。それで暫定適用が六月二十五日、実際に開始されたのが七月ということでかなりこれは時間がたっていると。そういう意味では、でき上がったのが十月だというお話があったわけでございますが、継続だから軽視されているような、あるいはそのままいくからいいというような形で安易に扱われているような印象を受けるわけです。
 ことしもあと一月ぐらいになってやっと国会承認が出てくるということ自体、やっぱりこれは非常に問題だというふうに思っておりまして、この辺、政務次官に聞きますか、大臣に聞きますか、今後の取り扱いについてお話しいただきたいと思います。
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河野洋平#28
○国務大臣(河野洋平君) 議員御指摘のとおり、この手の条約はできるだけ早期に国会にお諮りをするというのが原則だと思います。
 この条約、協定等をお諮りをするのが大変おくれたことは申しわけないことだと思いますが、今政府参考人が申し上げましたように、種々の事情があったこともぜひ御理解をいただきたいと思います。できるだけ速やかに国会にお諮りをするという原則を、我々は、条件さえ整えばできるだけ速やかに国会にお諮りをするという原則はこれから先も大事にしていきたいと思っております。
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小山峰男#29
○小山峰男君 ぜひそういう姿勢でお願いしたいと思います。これは次のコーヒー条約についても同じような問題が言えるわけでして、若干国会がなおざりにされているのかなという印象を受けていますので、今後ぜひ気をつけてお願いをしたいというふうに思います。
 ところで、我が国の食糧援助ですが、方式としては二国間援助、あるいはWFPというんですか、世界食糧計画等を通じた、国際機関を介して援助するという二つの方式で行われているようでございますが、近年、国際機関を通じた食糧援助というのが量的に大変ふえてきているというふうに聞いております。
 なぜ国際機関を通じた食糧援助の方がふえてきたのかという理由と、それからこの二つの方式をどういう根拠で二国間でやるのかという、その理由を御説明いただきたいと思います。
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