本会議
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会
会議録情報#0
平成十一年十二月一日(水曜日)
午前十時一分開議
━━━━━━━━━━━━━
○議事日程 第十号
平成十一年十二月一日
午前十時開議
第一 国務大臣の演説に関する件(第二日)
━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
一、北海道開発審議会委員の選挙
一、国家公務員等の任命に関する件
一、原子力災害対策特別措置法案及び核原料物
質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法
律の一部を改正する法律案(趣旨説明)
以下 議事日程のとおり
─────・─────
この発言だけを見る →午前十時一分開議
━━━━━━━━━━━━━
○議事日程 第十号
平成十一年十二月一日
午前十時開議
第一 国務大臣の演説に関する件(第二日)
━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
一、北海道開発審議会委員の選挙
一、国家公務員等の任命に関する件
一、原子力災害対策特別措置法案及び核原料物
質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法
律の一部を改正する法律案(趣旨説明)
以下 議事日程のとおり
─────・─────
斎
斎藤十朗#1
○議長(斎藤十朗君) これより会議を開きます。
この際、来る四日に任期満了となる北海道開発審議会委員一名の選挙を行います。
つきましては、北海道開発審議会委員の選挙は、その手続を省略し、議長において指名することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →この際、来る四日に任期満了となる北海道開発審議会委員一名の選挙を行います。
つきましては、北海道開発審議会委員の選挙は、その手続を省略し、議長において指名することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
斎
斎
斎藤十朗#3
○議長(斎藤十朗君) この際、国家公務員等の任命に関する件についてお諮りいたします。
内閣から、
国家公務員倫理審査会会長に花尻尚君を、同委員に芦田甚之助君、島田あき子君及び浜田広君を、
検査官に森下伸昭君を、
国家公安委員会委員に渡邊幸治君を、
日本銀行政策委員会審議委員に田谷禎三君を、
中央社会保険医療協議会委員に工藤敦夫君を、
また、電波監理審議会委員に辻井重男君を
任命することについて、本院の同意を求めてまいりました。
これより採決をいたします。
まず、国家公務員倫理審査会会長、同委員、検査官及び電波監理審議会委員の任命について採決をいたします。
内閣申し出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
〔投票開始〕
この発言だけを見る →内閣から、
国家公務員倫理審査会会長に花尻尚君を、同委員に芦田甚之助君、島田あき子君及び浜田広君を、
検査官に森下伸昭君を、
国家公安委員会委員に渡邊幸治君を、
日本銀行政策委員会審議委員に田谷禎三君を、
中央社会保険医療協議会委員に工藤敦夫君を、
また、電波監理審議会委員に辻井重男君を
任命することについて、本院の同意を求めてまいりました。
これより採決をいたします。
まず、国家公務員倫理審査会会長、同委員、検査官及び電波監理審議会委員の任命について採決をいたします。
内閣申し出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
〔投票開始〕
斎
斎
斎藤十朗#5
○議長(斎藤十朗君) 投票の結果を報告いたします。
投票総数 二百三十
賛成 二百三十
反対 〇
よって、全会一致をもって同意することに決しました。
─────────────
〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
─────────────
この発言だけを見る →投票総数 二百三十
賛成 二百三十
反対 〇
よって、全会一致をもって同意することに決しました。
─────────────
〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
─────────────
斎
斎藤十朗#6
○議長(斎藤十朗君) 次に、国家公安委員会委員及び中央社会保険医療協議会委員の任命について採決をいたします。
内閣申し出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
〔投票開始〕
この発言だけを見る →内閣申し出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
〔投票開始〕
斎
斎
斎藤十朗#8
○議長(斎藤十朗君) 投票の結果を報告いたします。
投票総数 二百三十一
賛成 二百八
反対 二十三
よって、同意することに決しました。
─────────────
〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
─────────────
この発言だけを見る →投票総数 二百三十一
賛成 二百八
反対 二十三
よって、同意することに決しました。
─────────────
〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
─────────────
斎
斎藤十朗#9
○議長(斎藤十朗君) 次に、日本銀行政策委員会審議委員の任命について採決をいたします。
内閣申し出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
〔投票開始〕
この発言だけを見る →内閣申し出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
〔投票開始〕
斎
斎
斎藤十朗#11
○議長(斎藤十朗君) 投票の結果を報告いたします。
投票総数 二百三十一
賛成 百四十四
反対 八十七
よって、同意することに決しました。
─────────────
〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
─────・─────
この発言だけを見る →投票総数 二百三十一
賛成 百四十四
反対 八十七
よって、同意することに決しました。
─────────────
〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
─────・─────
斎
斎藤十朗#12
○議長(斎藤十朗君) この際、日程に追加して、
原子力災害対策特別措置法案及び核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
斎
中
中曽根弘文#14
○国務大臣(中曽根弘文君) 原子力災害対策特別措置法案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
本年九月三十日に発生した株式会社ジェー・シー・オーのウラン加工施設における臨界事故は、安全確保を大前提に原子力の開発利用を進めてきた我が国にとって、初めて住民の避難や屋内退避が要請された極めて重大な事故でありました。
事故対応の教訓として、我が国における原子力災害に対する対策について、迅速な初期動作、国と地方公共団体との有機的な連携、原子力災害の特殊性に応じた国の緊急時対応体制の強化、原因者である原子力事業者の責務の明確化等の必要性が明らかとなりました。
本法案は、このような現状にかんがみ、原子力災害に対する対策の抜本的な強化を図ることとし、原子力災害の予防に関する原子力事業者の義務、原子力緊急事態宣言の発出及び原子力災害対策本部の設置その他原子力災害に関する事項について特別の措置を講ずるものであります。
次に、本法案の要旨を御説明いたします。
第一に、本法案は、原子力災害の特殊性にかんがみ、関係法律と相まって、原子力災害に対する対策の強化を図り、もって原子力災害から国民の生命、身体及び財産を保護することを目的としております。
第二に、原子力事業者に対し、原子力事業者防災業務計画の作成、原子力防災組織の設置、原子力防災管理者の選任、放射線測定設備の設置、原子力防災資機材の備えつけ等を義務づけることとしております。
第三に、主務大臣は、原子力事業所ごとに緊急事態応急対策拠点施設を指定するとともに、国、地方公共団体、原子力事業者等が共同して行う防災訓練の実施のための計画を作成することとしております。
第四に、原子力防災管理者に対し、一定の事象の発生についての通報を義務づけるとともに、主務大臣は、原子力緊急事態が発生したと認めるときは、内閣総理大臣に必要な情報の報告等を行うこととしております。
第五に、内閣総理大臣は、原子力緊急事態の発生についての報告等があった場合には、原子力緊急事態宣言を行うとともに、原子力災害対策本部及び原子力災害現地対策本部を設置することとしております。
第六に、原子力災害対策本部長は、関係指定行政機関の長、地方公共団体の長、原子力事業者等に対する必要な指示、防衛庁長官に対する自衛隊の部隊等の派遣要請、原子力安全委員会に対する技術的事項についての助言の要求等をすることができることとしております。
第七に、原子力災害現地対策本部及び地方公共団体の災害対策本部は、原子力緊急事態に関する情報を交換するとともに、緊急事態応急対策について相互に協力するため、緊急事態応急対策拠点施設において原子力災害合同対策協議会を組織することとしております。
第八に、指定行政機関の長、地方公共団体の長、原子力事業者等は、緊急事態応急対策及び原子力災害事後対策を実施しなければならないものとするとともに、原子力事業者は、指定行政機関の長、地方公共団体の長等の実施する緊急事態応急対策が的確かつ円滑に行われるよう、原子力防災要員の派遣等必要な措置を講じなければならないこととしております。
第九に、科学技術庁及び通商産業省に原子力防災専門官を置くこととするとともに、この法律の施行に必要な限度において、原子力事業者に対し報告の徴収または立入検査ができることとしております。
以上が原子力災害対策特別措置法案の趣旨でございますが、衆議院におきまして、原子力防災専門官の業務として、地方公共団体が行う情報の収集及び応急措置に関する助言を明示することを内容とする修正が行われております。
核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
本年九月三十日に発生した株式会社ジェー・シー・オーのウラン加工施設における我が国初の臨界事故は、安全確保を大前提に原子力の開発利用を進めてきた我が国にとって、これまでの原子力安全についての規制に対する信頼を損なう極めて重大な事故でありました。
従来、加工施設については国による定期的な検査の受検が義務づけられておりませんでしたが、これまでの事故原因の究明により、ジェー・シー・オー社の加工施設においては法令に違反した危険な作業が行われていたこと、今回の事故は高濃度の核燃料を製造する際に同様の危険な作業を行ったことにより生じたこと等の事実が明らかにされております。
本法律案は、このような重大な事故から得られた教訓を踏まえ、原子力安全についての規制体系全体を見直し、加工の事業についての保安対策の強化、製錬、加工等の事業等についての保安教育及び保安規定の遵守の状況に関する検査等に関する規定を整備するものであります。
次に、本法律案の要旨を御説明いたします。
第一に、加工施設についての定期検査等に関する制度の新設であります。
加工の事業の保安対策の強化につきましては、これまで国による施設の性能に関する検査の受検が義務づけられていなかった加工施設において事故が生じたこと、近年、加工の事業の形態が変化していること等にかんがみ、施設の使用前にその性能について検査することとするとともに、使用開始後も国による毎年一回の施設定期検査の受検を義務づけることとしております。また、加工施設の解体についても国への届け出等を義務づけることとしております。
第二に、保安教育、保安規定の遵守の状況に関する検査等に関する規定の整備であります。
事業者等及び従業者が遵守すべき保安規定において、核燃料物質の取り扱い等に関する保安教育についての規定が含まれることとし、事業者等は従業者に対して保安教育を行う義務を有することを明らかにしております。
さらに、事業者等に対して主務大臣が定期的に行う保安規定の遵守の状況に関する検査を受検することを義務づけるとともに、これを実効性あるものとするため、科学技術庁及び通商産業省に当該検査に関する事務に従事する原子力保安検査官を置くものとしております。
第三に、主務大臣に対する申告に関する制度の新設であります。
事業者等がこの法律に違反する事実がある場合には、その従業者は、かかる事実を主務大臣に申告することができることとし、事業者等は、当該申告がなされたことを理由として、当該従業者に対して解雇その他不利益な取り扱いをしてはならないものとしております。
以上が核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案の趣旨でございます。
両法案とも原子力の安全及び防災体制の抜本的強化に必要なものでありますので、何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。拍手
─────────────
この発言だけを見る →本年九月三十日に発生した株式会社ジェー・シー・オーのウラン加工施設における臨界事故は、安全確保を大前提に原子力の開発利用を進めてきた我が国にとって、初めて住民の避難や屋内退避が要請された極めて重大な事故でありました。
事故対応の教訓として、我が国における原子力災害に対する対策について、迅速な初期動作、国と地方公共団体との有機的な連携、原子力災害の特殊性に応じた国の緊急時対応体制の強化、原因者である原子力事業者の責務の明確化等の必要性が明らかとなりました。
本法案は、このような現状にかんがみ、原子力災害に対する対策の抜本的な強化を図ることとし、原子力災害の予防に関する原子力事業者の義務、原子力緊急事態宣言の発出及び原子力災害対策本部の設置その他原子力災害に関する事項について特別の措置を講ずるものであります。
次に、本法案の要旨を御説明いたします。
第一に、本法案は、原子力災害の特殊性にかんがみ、関係法律と相まって、原子力災害に対する対策の強化を図り、もって原子力災害から国民の生命、身体及び財産を保護することを目的としております。
第二に、原子力事業者に対し、原子力事業者防災業務計画の作成、原子力防災組織の設置、原子力防災管理者の選任、放射線測定設備の設置、原子力防災資機材の備えつけ等を義務づけることとしております。
第三に、主務大臣は、原子力事業所ごとに緊急事態応急対策拠点施設を指定するとともに、国、地方公共団体、原子力事業者等が共同して行う防災訓練の実施のための計画を作成することとしております。
第四に、原子力防災管理者に対し、一定の事象の発生についての通報を義務づけるとともに、主務大臣は、原子力緊急事態が発生したと認めるときは、内閣総理大臣に必要な情報の報告等を行うこととしております。
第五に、内閣総理大臣は、原子力緊急事態の発生についての報告等があった場合には、原子力緊急事態宣言を行うとともに、原子力災害対策本部及び原子力災害現地対策本部を設置することとしております。
第六に、原子力災害対策本部長は、関係指定行政機関の長、地方公共団体の長、原子力事業者等に対する必要な指示、防衛庁長官に対する自衛隊の部隊等の派遣要請、原子力安全委員会に対する技術的事項についての助言の要求等をすることができることとしております。
第七に、原子力災害現地対策本部及び地方公共団体の災害対策本部は、原子力緊急事態に関する情報を交換するとともに、緊急事態応急対策について相互に協力するため、緊急事態応急対策拠点施設において原子力災害合同対策協議会を組織することとしております。
第八に、指定行政機関の長、地方公共団体の長、原子力事業者等は、緊急事態応急対策及び原子力災害事後対策を実施しなければならないものとするとともに、原子力事業者は、指定行政機関の長、地方公共団体の長等の実施する緊急事態応急対策が的確かつ円滑に行われるよう、原子力防災要員の派遣等必要な措置を講じなければならないこととしております。
第九に、科学技術庁及び通商産業省に原子力防災専門官を置くこととするとともに、この法律の施行に必要な限度において、原子力事業者に対し報告の徴収または立入検査ができることとしております。
以上が原子力災害対策特別措置法案の趣旨でございますが、衆議院におきまして、原子力防災専門官の業務として、地方公共団体が行う情報の収集及び応急措置に関する助言を明示することを内容とする修正が行われております。
核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
本年九月三十日に発生した株式会社ジェー・シー・オーのウラン加工施設における我が国初の臨界事故は、安全確保を大前提に原子力の開発利用を進めてきた我が国にとって、これまでの原子力安全についての規制に対する信頼を損なう極めて重大な事故でありました。
従来、加工施設については国による定期的な検査の受検が義務づけられておりませんでしたが、これまでの事故原因の究明により、ジェー・シー・オー社の加工施設においては法令に違反した危険な作業が行われていたこと、今回の事故は高濃度の核燃料を製造する際に同様の危険な作業を行ったことにより生じたこと等の事実が明らかにされております。
本法律案は、このような重大な事故から得られた教訓を踏まえ、原子力安全についての規制体系全体を見直し、加工の事業についての保安対策の強化、製錬、加工等の事業等についての保安教育及び保安規定の遵守の状況に関する検査等に関する規定を整備するものであります。
次に、本法律案の要旨を御説明いたします。
第一に、加工施設についての定期検査等に関する制度の新設であります。
加工の事業の保安対策の強化につきましては、これまで国による施設の性能に関する検査の受検が義務づけられていなかった加工施設において事故が生じたこと、近年、加工の事業の形態が変化していること等にかんがみ、施設の使用前にその性能について検査することとするとともに、使用開始後も国による毎年一回の施設定期検査の受検を義務づけることとしております。また、加工施設の解体についても国への届け出等を義務づけることとしております。
第二に、保安教育、保安規定の遵守の状況に関する検査等に関する規定の整備であります。
事業者等及び従業者が遵守すべき保安規定において、核燃料物質の取り扱い等に関する保安教育についての規定が含まれることとし、事業者等は従業者に対して保安教育を行う義務を有することを明らかにしております。
さらに、事業者等に対して主務大臣が定期的に行う保安規定の遵守の状況に関する検査を受検することを義務づけるとともに、これを実効性あるものとするため、科学技術庁及び通商産業省に当該検査に関する事務に従事する原子力保安検査官を置くものとしております。
第三に、主務大臣に対する申告に関する制度の新設であります。
事業者等がこの法律に違反する事実がある場合には、その従業者は、かかる事実を主務大臣に申告することができることとし、事業者等は、当該申告がなされたことを理由として、当該従業者に対して解雇その他不利益な取り扱いをしてはならないものとしております。
以上が核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案の趣旨でございます。
両法案とも原子力の安全及び防災体制の抜本的強化に必要なものでありますので、何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。拍手
─────────────
斎
佐
佐藤雄平#16
○佐藤雄平君 初めに、今回の臨界事故で直接被害を受けられました東海村の皆さん初め、風評などで甚大な被害を受けております茨城県の皆さんに心からお見舞いを申し上げます。
私は、ただいま議題となりました原子力災害特別措置法案、原子炉等規制法改正案に対して、民主党・新緑風会を代表して質問をいたします。
まず、法案についての質問の前に、原子力安全委員会の権限の強化についてお伺いいたします。
もとより、政治、行政の基本は国民の生命、財産を守り、いかに安全で安心な暮らしの環境をつくることではないかと思います。
しかしながら、今日の社会状況を見てみますと、連日のようにその国民の生活の不安を助長するような事柄が起こっております。改めて我々政治をお預かりしている者としてその重要な役割を自覚し、与党とか野党とかではなく、ひとしくその任を全うしなければならないと思います。
その最たるものがこのたびのジェー・シー・オーにおける臨界事故であります。見えない、聞こえないというこの事故は、茨城県民の皆さんはもとより全国民を震撼させました。原子力の安全神話を根底から覆すことになり、直接的ではないにしても原子力発電に大きな不安を与えたことは事実であります。
国民の生活のために、電気エネルギーは不可欠なものであります。その大きな役割を担っているのが原子力発電であります。今日まで、立地のためにさまざまな分野ではかり知れない努力をしてまいりましたことは、先刻皆さん御承知のとおりであります。関係機関、国はもちろんですが、とりわけそれぞれの自治体を預かる首長の努力と苦労は、我々の想像をはるかに超えるものがあります。
我々も、その安全性については自信を持って推進してまいりました。私自身、原子力発電所を持つ福島県出身であります。国のため、国民のため、原子力発電の必要性を訴えてまいりました一人であります。
このような事態の中で、国民の皆さんに安心していただける原子力政策を施行していくに当たっての重要なことは、当然のことながら安全管理と危機管理であります。しかし、その大前提として原子力安全委員会が機能するということであります。この事故でも明らかになりましたが、まずその施設が安全基準を遵守しているかどうか、これが最大の問題であります。そのためには、原子力安全委員会の権限の強化が必要であります。
政府は、代表質問においても、これまでも行政府は独自の立場から安全審査等に厳正に臨んできた、省庁再編後も内閣府で現在の機能を引き継ぐとともに、独立の事務局を置き、原子力の安全確保により主導的な役割を果たせるよう強力な体制を整備すると、現行法のままで改正の必要などみじんもないような御答弁が総理からありました。しかし、その後、報道によりますと、自民党の行革推進本部が原子力安全委員会を三条機関に格上げして、原子力安全検査体制を強化する法律案を次期通常国会に提出するとのことでありましたが、どのような経過があり、その方針を変えられたのか、自民党総裁としてのお考えをお尋ねしたいと思います。並びに、続総務庁長官そして二階運輸大臣にそれぞれ公明党、自由党の原子力安全委員会の強化に関してもお伺いしたいと思います。
また、科学技術庁と通商産業省の双方に原子力に関する推進部門と安全規制部門が同居しており、このことは原子力行政に対して不信感や不安感を芽生えさせている原因になっているのではないでしょうか。
原子力の安全規制については、その重要性にかんがみ、スリム化を当てはめてはならないと思います。今回の事故は、そのための天の声ではないかと思います。アメリカのNRCは約三千人のスタッフを擁しております。現在の原子力安全委員会は事務局十九人、その業務を手伝っている科学技術庁原子力安全局全体でも百四十人、単に数を比較しているわけではありませんけれども、余りにも寂しい状況であることは事実であります。新しく原子力安全規制機関に生まれ変わるとするのであれば、どのような権限、規模、人員が必要であるのか、総理にお答えいただきたいと思います。並びに公明党の皆さん、自由党の皆さんにもまたお伺いしたいと思います。
次に、新法案の内容についてお伺いいたします。
今回の臨界事故の貴重な教訓は、当然のことながら初期対応の迅速さに問題があります。そこで、法案は、異常な水準の放射線量が検出されるなど緊急事態の発生時に、担当大臣が総理に概要を報告し、総理が原子力緊急事態宣言を発し、防衛庁長官に自衛隊の派遣を要請、自治体に対して住民避難等の指示をすることになっております。体制の一元化は評価できますが、まだ初動体制には不安が残ります。
今回の事故では、当初の二十五分間に最も放射線が飛散しました。このことをかんがみ、事故発生後直ちに都道府県知事を本部長とする事故対策本部をつくり、都道府県知事が一元化された権限により指揮をとることが、より迅速な対応ができるようになると考えます。総理はいかがでしょうか。また、その事故対策本部が設置される前に、市町村長が住民避難などの指示をできるようにすれば、東海村の村上村長さんのように悩みながら策を講じなくともその対応ができるのではないでしょうか。
緊急宣言後、自治体に住民避難等の指示をすることになっておる政府案よりも、このような考えの方が早く対応できるのではないでしょうか。これは何も都道府県知事に全責任を負わせてしまうということではありません。国を初め関係機関が瞬時に全面的に協力できる体制をつくることが可能であるということであります。緊急事態に備え、日常的に、国も含めて対応策を整備し、訓練も行い、都道府県知事がその権限において判断できることが最も大事だと思います。総理、いかがでございましょうか。
また、政府案では、平常時に緊急事態応急対策拠点、いわゆるオフサイトセンターと呼ぶ施設を指定し、緊急事態が起きた場合に現地事故対策本部とするお考えのようですが、原子力関連施設が多く立地している自治体には原子力防災センター(仮称)というものを設置し、各事業所から自動的に情報が集められ、原子力防災専門官がデータを監視するとともに、自動的に関係機関へ情報が通報される施設を平常時から備えておくことが必要と思われます。総理はいかがでございましょうか。
原子力防災センターには、放射線防護のための資機材や緊急用の飲食料品などの備蓄をしておくこと、周辺住民に原子力についての理解を得るため、原子力教育・研究などにいつでも開放され使えるような施設としたらいかがでございましょうか。
そして、政府案では、事故発生後、現地に原子力災害現地対策本部と原子力災害合同対策協議会を設置し、国、自治体、その他関係者が集まり情報の共有や意思の疎通を図ることなどになっております。このことについては現在よりも改善されたことは評価いたします。私は、平常時から、都道府県知事が国、自治体、原子力事業者、その他関係者に呼びかけ、その協議機関を定期的に開き、原子力防災センターにおいて緊急時における対応を協議し、原子力防災訓練等を共同で実施することで当事者間の連携がより強固で円滑になると思いますが、通商産業大臣、科学技術庁長官にお伺いいたします。
初期対応について先ほどお伺いいたしましたが、今回の事故で地元の皆さんからの強い要望は、とにかく一刻も早い対応をすることでした。ですから、都道府県知事、市町村長の初期対応については、指揮権限をゆだねることが最も重要であると思います。現地に常駐している原子力防災専門官が原子力防災センターにおいてリアルタイムで現況を注視しておりますから、自動的に関係機関に連絡できるようになっております。すなわち、直ちにその状況は都道府県、市町村にも同時に知らされているわけであります。そこで、緊急事態が発生した際、都道府県知事や市町村長は原子力防災専門官の助言を得て瞬時に対応がとれるのであります。今回の事故における教訓から、総理はこのようなことをどのように思われるか、お伺いしたいと思います。
また、今回の事故で、臨界事故とも知らされず出動し被曝した消防署員の皆さん、現地近くまで行っていながら中性子線防護が十分でなく活動できなかった自衛隊の皆さん、また、知らずに被曝してしまった近隣住民の皆さんのために、中性子線、ガンマ線その他放射性物質に対する防護策の整備などについて科学技術庁長官はどのような対策をお考えでしょうか、お伺いいたします。
これらの対策は、いつ起こるやもしれない同様な事故を想定し、一刻の猶予も許されません。直ちに万全の対策を講じなければなりません。
そして、事故の状況を地域住民、広く国民の皆さんに正しく知らせることが重要であります。地域においては素早い広報活動の実施、正確な事故情報の伝達、全国的にはマスメディア等の活用による正確な情報を提供できる体制の整備が必要であります。
政府として、原子力施設が多数存在している地域、例えば茨城県、福島県、新潟県、福井県など、平常時も含めて政府が状況を正しく地域の住民に伝えるためにはどのような施策が必要であるか、総理にお尋ねして、質問を終了いたします。
ありがとうございました。拍手
〔国務大臣小渕恵三君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →私は、ただいま議題となりました原子力災害特別措置法案、原子炉等規制法改正案に対して、民主党・新緑風会を代表して質問をいたします。
まず、法案についての質問の前に、原子力安全委員会の権限の強化についてお伺いいたします。
もとより、政治、行政の基本は国民の生命、財産を守り、いかに安全で安心な暮らしの環境をつくることではないかと思います。
しかしながら、今日の社会状況を見てみますと、連日のようにその国民の生活の不安を助長するような事柄が起こっております。改めて我々政治をお預かりしている者としてその重要な役割を自覚し、与党とか野党とかではなく、ひとしくその任を全うしなければならないと思います。
その最たるものがこのたびのジェー・シー・オーにおける臨界事故であります。見えない、聞こえないというこの事故は、茨城県民の皆さんはもとより全国民を震撼させました。原子力の安全神話を根底から覆すことになり、直接的ではないにしても原子力発電に大きな不安を与えたことは事実であります。
国民の生活のために、電気エネルギーは不可欠なものであります。その大きな役割を担っているのが原子力発電であります。今日まで、立地のためにさまざまな分野ではかり知れない努力をしてまいりましたことは、先刻皆さん御承知のとおりであります。関係機関、国はもちろんですが、とりわけそれぞれの自治体を預かる首長の努力と苦労は、我々の想像をはるかに超えるものがあります。
我々も、その安全性については自信を持って推進してまいりました。私自身、原子力発電所を持つ福島県出身であります。国のため、国民のため、原子力発電の必要性を訴えてまいりました一人であります。
このような事態の中で、国民の皆さんに安心していただける原子力政策を施行していくに当たっての重要なことは、当然のことながら安全管理と危機管理であります。しかし、その大前提として原子力安全委員会が機能するということであります。この事故でも明らかになりましたが、まずその施設が安全基準を遵守しているかどうか、これが最大の問題であります。そのためには、原子力安全委員会の権限の強化が必要であります。
政府は、代表質問においても、これまでも行政府は独自の立場から安全審査等に厳正に臨んできた、省庁再編後も内閣府で現在の機能を引き継ぐとともに、独立の事務局を置き、原子力の安全確保により主導的な役割を果たせるよう強力な体制を整備すると、現行法のままで改正の必要などみじんもないような御答弁が総理からありました。しかし、その後、報道によりますと、自民党の行革推進本部が原子力安全委員会を三条機関に格上げして、原子力安全検査体制を強化する法律案を次期通常国会に提出するとのことでありましたが、どのような経過があり、その方針を変えられたのか、自民党総裁としてのお考えをお尋ねしたいと思います。並びに、続総務庁長官そして二階運輸大臣にそれぞれ公明党、自由党の原子力安全委員会の強化に関してもお伺いしたいと思います。
また、科学技術庁と通商産業省の双方に原子力に関する推進部門と安全規制部門が同居しており、このことは原子力行政に対して不信感や不安感を芽生えさせている原因になっているのではないでしょうか。
原子力の安全規制については、その重要性にかんがみ、スリム化を当てはめてはならないと思います。今回の事故は、そのための天の声ではないかと思います。アメリカのNRCは約三千人のスタッフを擁しております。現在の原子力安全委員会は事務局十九人、その業務を手伝っている科学技術庁原子力安全局全体でも百四十人、単に数を比較しているわけではありませんけれども、余りにも寂しい状況であることは事実であります。新しく原子力安全規制機関に生まれ変わるとするのであれば、どのような権限、規模、人員が必要であるのか、総理にお答えいただきたいと思います。並びに公明党の皆さん、自由党の皆さんにもまたお伺いしたいと思います。
次に、新法案の内容についてお伺いいたします。
今回の臨界事故の貴重な教訓は、当然のことながら初期対応の迅速さに問題があります。そこで、法案は、異常な水準の放射線量が検出されるなど緊急事態の発生時に、担当大臣が総理に概要を報告し、総理が原子力緊急事態宣言を発し、防衛庁長官に自衛隊の派遣を要請、自治体に対して住民避難等の指示をすることになっております。体制の一元化は評価できますが、まだ初動体制には不安が残ります。
今回の事故では、当初の二十五分間に最も放射線が飛散しました。このことをかんがみ、事故発生後直ちに都道府県知事を本部長とする事故対策本部をつくり、都道府県知事が一元化された権限により指揮をとることが、より迅速な対応ができるようになると考えます。総理はいかがでしょうか。また、その事故対策本部が設置される前に、市町村長が住民避難などの指示をできるようにすれば、東海村の村上村長さんのように悩みながら策を講じなくともその対応ができるのではないでしょうか。
緊急宣言後、自治体に住民避難等の指示をすることになっておる政府案よりも、このような考えの方が早く対応できるのではないでしょうか。これは何も都道府県知事に全責任を負わせてしまうということではありません。国を初め関係機関が瞬時に全面的に協力できる体制をつくることが可能であるということであります。緊急事態に備え、日常的に、国も含めて対応策を整備し、訓練も行い、都道府県知事がその権限において判断できることが最も大事だと思います。総理、いかがでございましょうか。
また、政府案では、平常時に緊急事態応急対策拠点、いわゆるオフサイトセンターと呼ぶ施設を指定し、緊急事態が起きた場合に現地事故対策本部とするお考えのようですが、原子力関連施設が多く立地している自治体には原子力防災センター(仮称)というものを設置し、各事業所から自動的に情報が集められ、原子力防災専門官がデータを監視するとともに、自動的に関係機関へ情報が通報される施設を平常時から備えておくことが必要と思われます。総理はいかがでございましょうか。
原子力防災センターには、放射線防護のための資機材や緊急用の飲食料品などの備蓄をしておくこと、周辺住民に原子力についての理解を得るため、原子力教育・研究などにいつでも開放され使えるような施設としたらいかがでございましょうか。
そして、政府案では、事故発生後、現地に原子力災害現地対策本部と原子力災害合同対策協議会を設置し、国、自治体、その他関係者が集まり情報の共有や意思の疎通を図ることなどになっております。このことについては現在よりも改善されたことは評価いたします。私は、平常時から、都道府県知事が国、自治体、原子力事業者、その他関係者に呼びかけ、その協議機関を定期的に開き、原子力防災センターにおいて緊急時における対応を協議し、原子力防災訓練等を共同で実施することで当事者間の連携がより強固で円滑になると思いますが、通商産業大臣、科学技術庁長官にお伺いいたします。
初期対応について先ほどお伺いいたしましたが、今回の事故で地元の皆さんからの強い要望は、とにかく一刻も早い対応をすることでした。ですから、都道府県知事、市町村長の初期対応については、指揮権限をゆだねることが最も重要であると思います。現地に常駐している原子力防災専門官が原子力防災センターにおいてリアルタイムで現況を注視しておりますから、自動的に関係機関に連絡できるようになっております。すなわち、直ちにその状況は都道府県、市町村にも同時に知らされているわけであります。そこで、緊急事態が発生した際、都道府県知事や市町村長は原子力防災専門官の助言を得て瞬時に対応がとれるのであります。今回の事故における教訓から、総理はこのようなことをどのように思われるか、お伺いしたいと思います。
また、今回の事故で、臨界事故とも知らされず出動し被曝した消防署員の皆さん、現地近くまで行っていながら中性子線防護が十分でなく活動できなかった自衛隊の皆さん、また、知らずに被曝してしまった近隣住民の皆さんのために、中性子線、ガンマ線その他放射性物質に対する防護策の整備などについて科学技術庁長官はどのような対策をお考えでしょうか、お伺いいたします。
これらの対策は、いつ起こるやもしれない同様な事故を想定し、一刻の猶予も許されません。直ちに万全の対策を講じなければなりません。
そして、事故の状況を地域住民、広く国民の皆さんに正しく知らせることが重要であります。地域においては素早い広報活動の実施、正確な事故情報の伝達、全国的にはマスメディア等の活用による正確な情報を提供できる体制の整備が必要であります。
政府として、原子力施設が多数存在している地域、例えば茨城県、福島県、新潟県、福井県など、平常時も含めて政府が状況を正しく地域の住民に伝えるためにはどのような施策が必要であるか、総理にお尋ねして、質問を終了いたします。
ありがとうございました。拍手
〔国務大臣小渕恵三君登壇、拍手〕
小
小渕恵三#17
○国務大臣(小渕恵三君) 佐藤雄平議員にお答え申し上げます。
まず、原子力安全委員会の強化についてでありますが、我が国におきましては、原子力安全委員会を三条機関化するよりも、行政庁が法令に基づく安全審査を行い、さらに原子力安全委員会が独自の立場からダブルチェックを行うという現在の方法が安全規制の実効性を高める上で有効なものと認識いたしております。
なお、原子力安全委員会は、省庁再編に伴い、各省庁より一段高い位置にあります内閣府に設置されるとともに、独立の事務局が置かれ、その活動はより充実強化されることとなります。今回の事故を踏まえ、原子力安全委員会の独立性と機能の強化をさらに進めることといたしております。
我が国では、原子力の規制と推進の機能を効果的に分離しつつ、科学技術庁または通商産業省が法令に基づく安全審査等を行い、さらに行政庁とは独自の客観的かつ中立的立場から、原子力安全委員会が安全審査を厳重にダブルチェックする仕組みになっております。
この体制は、いわば原子力の安全規制における多重防護の考え方の適用であり、我が国における原子力の安全確保のためにふさわしい規制体制であると考えております。
なお、原子力安全委員会は、省庁再編に伴い、各省庁より一段高い位置にある内閣府に設置されるとともに、独立の事務局が置かれ、その活動はより充実強化されることとなります。今回の事故を踏まえ、原子力安全委員会の独立性と機能の強化をさらに進めることといたしております。
我が国の原子力安全規制機関の規模等に関するお尋ねでありました。
米国原子力規制委員会、NRCは約三千人の職員を擁しておりますが、米国NRCの体制は、関係する安全研究の要員も含むなど基本的には我が国と異なる制度下のものであり、その業務や組織構成は日本の行政組織と異なるため、一概には比較できないものと考えられます。
我が国においては、一次行政庁、すなわち科学技術庁及び通商産業省に約三百人の安全規制を担当する職員がおりますとともに、独自の立場からダブルチェックを行う原子力安全委員会には二百人を超える専門家を擁する体制となっており、今後一層これを充実していくことが肝要と考えます。
特に、今回の事故にかんがみ、原子炉等規制法を改正し、一次行政庁の検査等の機能の強化を図るとともに、原子力安全委員会につきましても、建設や運転の段階において随時現地調査を行うなどの機能強化を図ることといたしております。
都道府県知事が一元化された権限により指揮をとるべきではないかとのお尋ねでありましたが、原子力災害の特殊性にかんがみれば、国が果たすべき役割と責任は自然災害と比しても大きいものと認識いたしております。
このため、原子力災害対策特別措置法案では、国の迅速な緊急時対応体制の強化を図り、地方自治体とも連携をとりつつ、一体的かつ迅速に対策を講じることといたしておるところであります。
市町村長が行う住民避難等の指示に関するお尋ねでありましたが、本法案の施行後におきましても、市町村長はこれまでと同様、災害対策基本法に基づき、現地の状況を直接把握できる立場から、緊急事態宣言が発出される前に迅速に住民等に対して避難など必要な指示を行うことが可能であります。
平時からの国も含めた対応策の整備や都道府県知事の判断の重要性について御指摘がありました。
原子力災害対策特別措置法案におきましては、平時より地方自治体に対し、原子力安全委員会による協力、原子力防災専門官による指導、助言等を行うとともに、国が作成する計画に基づき関係機関が共同して防災訓練を実施することといたしておりまして、地方自治体等も含めた関係機関の対応能力を高めると同時に、それらの連携強化を図り、円滑な防災対策が講じられるようにいたしております。
次に、緊急事態応急対策拠点施設、いわゆるオフサイトセンターの平常時における機能についてお尋ねでした。
オフサイトセンターは、平常時より緊急事態応急対策を実施するために必要となる原子力事業所の設計図、通信機器、資機材、会議スペース等を確保することといたしており、原子力防災専門官の主要な活動の場の一つとなるものと考えております。
いわゆるオフサイトセンターの平時の使い方についてでありますが、飲食料品の備蓄や原子力研修等での利用のような使い方も含め、それぞれのセンターごとに地方自治体等関係者が地元の実情に応じた最良の方法で運用されることとなると考えております。
初期対応における都道府県知事や市町村長の指揮権限等に関するお尋ねでありました。
原子力事業者による事故の通報を受けた自治体は、これまでと同様、国による対応を待つまでもなく、災害対策基本法等に基づき、みずからの判断により所要の措置を講ずることが可能となっております。
この場合におきまして、国の原子力防災専門官が自治体への専門的アドバイス等を行うとともに、自治体の要請に応じて専門的知識を有する職員を派遣することといたしており、自治体においても迅速かつ的確な初期対応が図れるよう対処することといたしております。
最後に、住民への情報提供についての御質問でありました。
緊急時はもちろんのこと、平常時におきましても、原子力施設に関するわかりやすい情報を迅速かつ正確に提供していくことが重要と考えております。このため、平常時における一層効果的な情報提供に努力するとともに、緊急時におきまして、多くの方々に迅速な情報の伝達が可能なテレビ、ラジオ等のニュースメディアに対する協力を求めるなど、地域住民の方々に状況を的確に理解していただけるよう、より一層のきめ細かな情報の提供に努めてまいりたいと存じます。
残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。拍手
〔国務大臣中曽根弘文君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →まず、原子力安全委員会の強化についてでありますが、我が国におきましては、原子力安全委員会を三条機関化するよりも、行政庁が法令に基づく安全審査を行い、さらに原子力安全委員会が独自の立場からダブルチェックを行うという現在の方法が安全規制の実効性を高める上で有効なものと認識いたしております。
なお、原子力安全委員会は、省庁再編に伴い、各省庁より一段高い位置にあります内閣府に設置されるとともに、独立の事務局が置かれ、その活動はより充実強化されることとなります。今回の事故を踏まえ、原子力安全委員会の独立性と機能の強化をさらに進めることといたしております。
我が国では、原子力の規制と推進の機能を効果的に分離しつつ、科学技術庁または通商産業省が法令に基づく安全審査等を行い、さらに行政庁とは独自の客観的かつ中立的立場から、原子力安全委員会が安全審査を厳重にダブルチェックする仕組みになっております。
この体制は、いわば原子力の安全規制における多重防護の考え方の適用であり、我が国における原子力の安全確保のためにふさわしい規制体制であると考えております。
なお、原子力安全委員会は、省庁再編に伴い、各省庁より一段高い位置にある内閣府に設置されるとともに、独立の事務局が置かれ、その活動はより充実強化されることとなります。今回の事故を踏まえ、原子力安全委員会の独立性と機能の強化をさらに進めることといたしております。
我が国の原子力安全規制機関の規模等に関するお尋ねでありました。
米国原子力規制委員会、NRCは約三千人の職員を擁しておりますが、米国NRCの体制は、関係する安全研究の要員も含むなど基本的には我が国と異なる制度下のものであり、その業務や組織構成は日本の行政組織と異なるため、一概には比較できないものと考えられます。
我が国においては、一次行政庁、すなわち科学技術庁及び通商産業省に約三百人の安全規制を担当する職員がおりますとともに、独自の立場からダブルチェックを行う原子力安全委員会には二百人を超える専門家を擁する体制となっており、今後一層これを充実していくことが肝要と考えます。
特に、今回の事故にかんがみ、原子炉等規制法を改正し、一次行政庁の検査等の機能の強化を図るとともに、原子力安全委員会につきましても、建設や運転の段階において随時現地調査を行うなどの機能強化を図ることといたしております。
都道府県知事が一元化された権限により指揮をとるべきではないかとのお尋ねでありましたが、原子力災害の特殊性にかんがみれば、国が果たすべき役割と責任は自然災害と比しても大きいものと認識いたしております。
このため、原子力災害対策特別措置法案では、国の迅速な緊急時対応体制の強化を図り、地方自治体とも連携をとりつつ、一体的かつ迅速に対策を講じることといたしておるところであります。
市町村長が行う住民避難等の指示に関するお尋ねでありましたが、本法案の施行後におきましても、市町村長はこれまでと同様、災害対策基本法に基づき、現地の状況を直接把握できる立場から、緊急事態宣言が発出される前に迅速に住民等に対して避難など必要な指示を行うことが可能であります。
平時からの国も含めた対応策の整備や都道府県知事の判断の重要性について御指摘がありました。
原子力災害対策特別措置法案におきましては、平時より地方自治体に対し、原子力安全委員会による協力、原子力防災専門官による指導、助言等を行うとともに、国が作成する計画に基づき関係機関が共同して防災訓練を実施することといたしておりまして、地方自治体等も含めた関係機関の対応能力を高めると同時に、それらの連携強化を図り、円滑な防災対策が講じられるようにいたしております。
次に、緊急事態応急対策拠点施設、いわゆるオフサイトセンターの平常時における機能についてお尋ねでした。
オフサイトセンターは、平常時より緊急事態応急対策を実施するために必要となる原子力事業所の設計図、通信機器、資機材、会議スペース等を確保することといたしており、原子力防災専門官の主要な活動の場の一つとなるものと考えております。
いわゆるオフサイトセンターの平時の使い方についてでありますが、飲食料品の備蓄や原子力研修等での利用のような使い方も含め、それぞれのセンターごとに地方自治体等関係者が地元の実情に応じた最良の方法で運用されることとなると考えております。
初期対応における都道府県知事や市町村長の指揮権限等に関するお尋ねでありました。
原子力事業者による事故の通報を受けた自治体は、これまでと同様、国による対応を待つまでもなく、災害対策基本法等に基づき、みずからの判断により所要の措置を講ずることが可能となっております。
この場合におきまして、国の原子力防災専門官が自治体への専門的アドバイス等を行うとともに、自治体の要請に応じて専門的知識を有する職員を派遣することといたしており、自治体においても迅速かつ的確な初期対応が図れるよう対処することといたしております。
最後に、住民への情報提供についての御質問でありました。
緊急時はもちろんのこと、平常時におきましても、原子力施設に関するわかりやすい情報を迅速かつ正確に提供していくことが重要と考えております。このため、平常時における一層効果的な情報提供に努力するとともに、緊急時におきまして、多くの方々に迅速な情報の伝達が可能なテレビ、ラジオ等のニュースメディアに対する協力を求めるなど、地域住民の方々に状況を的確に理解していただけるよう、より一層のきめ細かな情報の提供に努めてまいりたいと存じます。
残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。拍手
〔国務大臣中曽根弘文君登壇、拍手〕
中
中曽根弘文#18
○国務大臣(中曽根弘文君) 佐藤雄平議員にお答えをいたします。
平常時から当事者間の連携を円滑なものにすべきであるとの御指摘でございますけれども、本法案におきましては、国、自治体、事業者による共同の防災訓練の実施、自治体の防災計画策定における原子力安全委員会による協力などの規定を設けているところでありまして、関係者間の連携を強固で円滑なものとする措置は講じられているものと考えております。
次に、中性子線等に対する防護策の整備などに関する御質問ですが、今回の事故におきまして、中性子線測定装置が設置されていなかったため、事故発生後しばらくの間、臨界が継続している事態が把握できず、初動において的確な対応が行われなかったことは反省すべき点と考えております。
今回の事故の経験を踏まえ、これから御審議いただく関連二法案におきまして、原子力事業者に対し施設内の放射線測定機器の設置を義務づけるなどの措置を講じております。
さらに、今回の補正予算で、原子力施設周辺における中性子線及びガンマ線用のモニタリングポストの設置など、原子力防災用モニタリング情報収集体制の強化、消防職員、自衛隊員等の防護服、放射線測定資機材を初めとする原子力防災用資機材等の整備等を行うために必要な経費を当庁及び関係省庁が計上しているところでございます。
今後、万一の事故が発生する場合に備えまして、適切な放射線防護対策が講じられるよう、原子力防災対策の充実に努めてまいります。拍手
〔国務大臣続訓弘君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →平常時から当事者間の連携を円滑なものにすべきであるとの御指摘でございますけれども、本法案におきましては、国、自治体、事業者による共同の防災訓練の実施、自治体の防災計画策定における原子力安全委員会による協力などの規定を設けているところでありまして、関係者間の連携を強固で円滑なものとする措置は講じられているものと考えております。
次に、中性子線等に対する防護策の整備などに関する御質問ですが、今回の事故におきまして、中性子線測定装置が設置されていなかったため、事故発生後しばらくの間、臨界が継続している事態が把握できず、初動において的確な対応が行われなかったことは反省すべき点と考えております。
今回の事故の経験を踏まえ、これから御審議いただく関連二法案におきまして、原子力事業者に対し施設内の放射線測定機器の設置を義務づけるなどの措置を講じております。
さらに、今回の補正予算で、原子力施設周辺における中性子線及びガンマ線用のモニタリングポストの設置など、原子力防災用モニタリング情報収集体制の強化、消防職員、自衛隊員等の防護服、放射線測定資機材を初めとする原子力防災用資機材等の整備等を行うために必要な経費を当庁及び関係省庁が計上しているところでございます。
今後、万一の事故が発生する場合に備えまして、適切な放射線防護対策が講じられるよう、原子力防災対策の充実に努めてまいります。拍手
〔国務大臣続訓弘君登壇、拍手〕
続
続訓弘#19
○国務大臣(続訓弘君) 佐藤雄平議員にお答え申し上げます。
私に対する御質問は二点ございました。
まず第一点目は、原子力安全委員会の機能強化についてでございますけれども、我が国におきましては、行政庁が法令に基づく安全審査を行い、さらに原子力安全委員会が独自の立場からダブルチェックを行うという現在の方法が安全規制の実効性を高める上で有効なものと認識しております。
原子力安全委員会の事務局を組織的に分離することは大切と考えております。そのため、二〇〇一年の省庁再編後は、行政庁と独立した事務局を内閣府に置くこととしております。また、それまでの間の原子力安全委員会の独立性及び機能をさらに強化する努力は必要と考えております。
第二点目の御質問は、我が国の原子力安全規制機関の規模等に関するお尋ねでございました。
原子力安全委員会とアメリカのNRCとの比較でございますけれども、NRCは安全規制のための研究機能も有しておりますが、我が国におきましては、日本原子力研究所等が安全研究に取り組んでいるなど、人員の規模のみで安全規制の実効性を単純に比較することはできません。先ほども申し上げましたように、我が国におきましてはダブルチェックという方法をとっており、これによって我が国に適した安全規制体制がとられていると認識しております。今後とも、人員の拡充を図るなど、機能の強化に努めるべきだと存じます。拍手
〔国務大臣二階俊博君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →私に対する御質問は二点ございました。
まず第一点目は、原子力安全委員会の機能強化についてでございますけれども、我が国におきましては、行政庁が法令に基づく安全審査を行い、さらに原子力安全委員会が独自の立場からダブルチェックを行うという現在の方法が安全規制の実効性を高める上で有効なものと認識しております。
原子力安全委員会の事務局を組織的に分離することは大切と考えております。そのため、二〇〇一年の省庁再編後は、行政庁と独立した事務局を内閣府に置くこととしております。また、それまでの間の原子力安全委員会の独立性及び機能をさらに強化する努力は必要と考えております。
第二点目の御質問は、我が国の原子力安全規制機関の規模等に関するお尋ねでございました。
原子力安全委員会とアメリカのNRCとの比較でございますけれども、NRCは安全規制のための研究機能も有しておりますが、我が国におきましては、日本原子力研究所等が安全研究に取り組んでいるなど、人員の規模のみで安全規制の実効性を単純に比較することはできません。先ほども申し上げましたように、我が国におきましてはダブルチェックという方法をとっており、これによって我が国に適した安全規制体制がとられていると認識しております。今後とも、人員の拡充を図るなど、機能の強化に努めるべきだと存じます。拍手
〔国務大臣二階俊博君登壇、拍手〕
二
二階俊博#20
○国務大臣(二階俊博君) 佐藤雄平議員にお答えをいたします。
今日まで原子力の問題につきまして大変熱心に取り組んでこられた議員の御指摘でありますが、原子力発電は我が国エネルギー源の約四割を占め、また環境保全の視点からも極めて重要なエネルギー資源であると考えております。
自由党は、党の基本政策として、安全、公開の原則に基づく原子力の平和利用を積極的に推進し、電力の安定供給を主張しているところであります。関係者の今日までの御努力によりまして、原子力発電に対する国民の理解がようやく得られようとなりつつある今日、このたびのジェー・シー・オーにおける臨界事故はまことに遺憾であり、ジェー・シー・オー等の関係者の責任は極めて重大であると考えております。
今回の事故を教訓として、再びこのような事故を起こすことのないよう、原子力発電の安全の確保と危機管理に万全を期し、国民の理解のもとに原子力の平和利用を進めていかなければならないと自由党は考えております。
なお、原子力の開発推進部門と安全監視部門が同居している今日の原子力行政のあり方には基本的には問題があり、これを分離し、原子力安全委員会が原子力の安全確保に自律的、主体的な役割を果たすことができる体制を確立すべきであると考えております。
原子力安全委員会が新しく原子力安全規制機関に生まれ変わるとするなら、どのような権限、規模、人員が必要かとのお尋ねでございますが、自由党は、独立の事務局を持つなど、委員会が原子力の安全管理に十分責任を果たし得るよう強固な体制を整えるとともに、必要な権限と機能の強化は当然のことと考えております。
以上でございます。拍手
〔国務大臣深谷隆司君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →今日まで原子力の問題につきまして大変熱心に取り組んでこられた議員の御指摘でありますが、原子力発電は我が国エネルギー源の約四割を占め、また環境保全の視点からも極めて重要なエネルギー資源であると考えております。
自由党は、党の基本政策として、安全、公開の原則に基づく原子力の平和利用を積極的に推進し、電力の安定供給を主張しているところであります。関係者の今日までの御努力によりまして、原子力発電に対する国民の理解がようやく得られようとなりつつある今日、このたびのジェー・シー・オーにおける臨界事故はまことに遺憾であり、ジェー・シー・オー等の関係者の責任は極めて重大であると考えております。
今回の事故を教訓として、再びこのような事故を起こすことのないよう、原子力発電の安全の確保と危機管理に万全を期し、国民の理解のもとに原子力の平和利用を進めていかなければならないと自由党は考えております。
なお、原子力の開発推進部門と安全監視部門が同居している今日の原子力行政のあり方には基本的には問題があり、これを分離し、原子力安全委員会が原子力の安全確保に自律的、主体的な役割を果たすことができる体制を確立すべきであると考えております。
原子力安全委員会が新しく原子力安全規制機関に生まれ変わるとするなら、どのような権限、規模、人員が必要かとのお尋ねでございますが、自由党は、独立の事務局を持つなど、委員会が原子力の安全管理に十分責任を果たし得るよう強固な体制を整えるとともに、必要な権限と機能の強化は当然のことと考えております。
以上でございます。拍手
〔国務大臣深谷隆司君登壇、拍手〕
深
深谷隆司#21
○国務大臣(深谷隆司君) 佐藤議員の御質問は、関係機関の連携強化の問題でございます。
防災対策を円滑に、そして有効に行うためには、国、地方自治体、そして事業者等関係機関が連携を確保していくということが大事でありまして、本法案ではそれを確保するということを明確に述べております。
また、オフサイトセンターにつきましては、総理からも詳しくお話がございましたが、あらかじめ主務大臣がオフサイトセンターを指定いたしまして、ただいま申し上げた国、地方自治体、そして事業者が一堂に会して緊急事態の対応策を相互に協力して行うということになっております。
また、共同訓練につきましては、主務大臣が作成した計画に基づいて、ただいまの三者を中心とした機関が共同して訓練を行うということでありまして、いずれにいたしましても、一体となった防災対策がとられるように我が省としても全力を挙げていきたいと思っております。拍手
─────────────
この発言だけを見る →防災対策を円滑に、そして有効に行うためには、国、地方自治体、そして事業者等関係機関が連携を確保していくということが大事でありまして、本法案ではそれを確保するということを明確に述べております。
また、オフサイトセンターにつきましては、総理からも詳しくお話がございましたが、あらかじめ主務大臣がオフサイトセンターを指定いたしまして、ただいま申し上げた国、地方自治体、そして事業者が一堂に会して緊急事態の対応策を相互に協力して行うということになっております。
また、共同訓練につきましては、主務大臣が作成した計画に基づいて、ただいまの三者を中心とした機関が共同して訓練を行うということでありまして、いずれにいたしましても、一体となった防災対策がとられるように我が省としても全力を挙げていきたいと思っております。拍手
─────────────
斎
加
加藤修一#23
○加藤修一君 私は、自由民主党、自由党及び公明党を代表いたしまして、ただいま議題となりました二法案に対して質問いたします。
我が国は、世界で唯一の被爆国として、原子力の利用については特有の国民感情があります。その中にあって、原子力の民生利用として原子力の火が初めてともったのは今から四十二年も前の出来事であります。先人が長年積み上げた原子力への努力が民生利用へと展開しましたが、今回のジェー・シー・オー事故はその努力を根底から覆すものであります。
それでは最初に、原子力災害対策特別措置法案についてお伺いいたします。
この法案は、第一に、ジェー・シー・オー事故における対応を教訓としていること、第二に、原子力施設立地市町村が長年要望していた内容を踏まえていること、第三に、従来の考えを打ち破り、第十三条に原子力緊急事態の想定を積極的に取り入れたこと、そして機敏な法案作成であったことなどを高く評価したいと思います。
ところで、緊急事態の想定でありますが、例示をいかように考えておりますでしょうか。一九七九年のスリーマイルアイランド、すなわちTMIの事故レベルを最悪の想定と考えているようでありますが、中曽根科学技術庁長官、どのようにお考えでしょうか。
ところで、TMI事故についての報告には、ケメニー委員会報告、またロゴビン委員会報告があります。特にケメニー委員会報告においては、多くのスタッフと研究委託の予算を持ち、宣誓をさせた上での公式証言は百五十を超え、資料は百メートルに及ぶものであります。この報告書は、原子力は本来危険をはらんでいると口に出して述べる態度に変えなければならないと鋭く本質を指摘しております。これは我が国の原子力事故にとっても聞き逃すことができないものであります。小渕総理はいかなる御所見でしょうか、お尋ねいたします。
さらに、ケメニー委員会の勧告では、原子力は本来危険との認識に立たねばならない、原子力規制委員会は安全よりも開発優先であるから、委員長を外部から新たに求め、組織を抜本的に再編し、新しい血を入れるべきだと勧告しております。さらに、政府、業界が改革をこの勧告に従い断行しなければ原子力発電は存立できなくなるであろう、しかしその責任は挙げて政府、業界にあると、実に厳しい勧告でありました。
当時、我が国からも調査団が幾つか派遣されました。しかし、必ずしもこの成果が十分に生かされなかったことは残念であります。小渕総理は、このようなアメリカの厳しき勧告についていかなる御見解をお持ちでしょうか。
ところで、今回の事故において、初期動作などにおける科学技術庁、原子力安全委員会の対応は歯がゆい思いがしました。特に、この事故の責任官庁は、科学技術庁ではなく原子力安全委員会であるかのように国民の目に映ったのではないでしょうか。本来、規制と推進の分離を旨として出発したのでありますが、今日に至ってみると、規制と推進の事務局を科学技術庁が担当していては完全な分離ができ得ていないと見えるのであります。この際、規制と推進のあり方について小渕総理の御所見をお伺いいたします。
ところで、今回の事故対応で露呈した不備があります。第一に、事故の終息作業や被曝者の救助に生命の危険が著しく伴う場合、第二に、被害が一都道府県を超えて広域に広がった場合、第三に、大地震に伴って原子力災害が起こり通信網も遮断されたような場合、これらにどのように対処するのか、今までは危機管理上必ずしも十分ではありませんでした。そこで、本法律案に期待するところでありますが、小渕総理の明快な御答弁をお伺いします。
次に、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案についてお伺いいたします。
この法案は、加工事業に定期検査制度を追加し、保安規定の遵守状況の検査制度を創設し、さらに原子力保安検査官を主要施設に配置する改正であります。これらの改正については評価できます。ただし、現在の検査体制や人員で実効性が担保できるかどうか。原子力発電所の運転管理専門官は現在定員割れを併任でしのぐ状況であります。法律やシステムができても人材確保が大事であります。また、安全を生み出すのには安全への継続的な強い関心が重要であります。中曽根科学技術庁長官の人材育成・確保に向けた御決意をお伺いいたします。
次に、今後の原子力開発についてお伺いいたします。
原子力開発における世界の動向を見ますと、原子力発電所の最大保有国である米国では、安全並びに技術上の理由から既に数基が閉鎖され、今後新規建設の見通しがないため、原子力のエネルギー供給に占める割合は現在の一八%から七%にまで低下すると見られております。また、スウェーデン、イタリア、ドイツなどにおいても、脱原発の政策決定や検討がなされており、苦渋の選択を強いられております。
これに対し我が国では、地球温暖化対策などから原子力を選択せざるを得ないとの主張があります。今回の事故や世界的な脱原発の動向を踏まえますと、国民の理解と協力を得るため、我が国の原子力開発のあり方について再検討が必要ではないかと思います。小渕総理の御見解をお伺いいたします。
次に、自然エネルギー政策についてお伺いします。
小渕総理は、平成十二年度予算案の中でミレニアムをキーワードとして頻繁に使っております。欧米では将来地球のミレニアム議論また地球憲章の議論が盛んでありますが、本来のいわゆる千年紀に向けてのパラダイムシフトを小渕総理はどのように認識しておりますか。
また、人間の安全保障、ヒューマンセキュリティーという観点から新しい国際社会の潮流が徐々ではありますが形成されつつある中で、明年、国連ミレニアム特別総会が開催されます。政府の取り組みと総理自身の出席についてはどうでしょうか。あわせて総理にお尋ねいたします。
ところで、パラダイムシフトに関連して、三十カ国以上の国家組織のアドバイザーとして世界的に著名なアメリカの未来学者、ヘイゼル・ヘンダーソン博士は、「地球市民の条件—人類再生のためのパラダイム」という論文を書いております。その中で彼女は、「パラダイムシフトが訪れる有望な徴候がある。それは、人間の発展のプロセスを言い表すのに、「経済成長」という言葉が次第に使われなくなっている、という事実である。」と述べております。そして、さらに「「経済学的」という言葉は、勢いを失いつつある。生態学的な新しい定義、すなわち「持続可能な発展」という定義の中では、「経済学的」という言葉は一切使われておりません。これは好ましい徴候である。」と論述しております。そして、その兆候の一つとして、欧米における自然エネルギーの勢いにあらわれていることも示唆しております。
すなわち、EUでは、一次エネルギー供給に占めるバイオマスなどの自然エネルギーの割合を二〇一〇年までに一二%に倍増し、炭素の削減は年間四億トン、雇用創出は五十万人から九十万人の計画を発表しております。また、先ごろ提出された米国の包括電力競争法案においては、すべての供給事業者が自然エネルギー電源から一定割合を導入する義務が盛り込まれております。これに対して、我が国の自然エネルギーの割合は十年後の二〇一〇年でさえ三%と欧米に大きく水をあけられ、我が国のエネルギー政策の隅で縮こまっております。
一方、先ほどのように、欧米では脱原発の結果、自然エネルギーの選択が大胆に進んでおります。この選択は、今までの欲望と消費の大規模化に支えられた文明から、循環を組み込んだ持続的発展を軸にする新しい地球文明へのミレニアム、その第一歩と考えられます。
小渕総理、みずからミレニアムの視点に一層深く立ち入り、エネルギー政策の転換にイニシアチブを発揮していただきたい。いかがでありましょうか。
最後に、深谷通産大臣にお伺いいたします。
先日、スウェーデンの民間のバーセベック発電所の一号機が環境的、政治的判断により閉鎖・廃炉に追い込まれたと言われております。二十一世紀の地球環境や世代間の公平性の視点から考えてみますと、今後は輸入依存の高い石油などから、国産エネルギーとしても大変有望な自然エネルギーを大いに取り入れるべきであります。技術開発や、かつてないほど大胆に予算を投入し、画期的なグリーンシフトを図るべきであります。これは、自然エネルギー産業の発展ばかりか、雇用創出などによる地域の活性化、国際競争力の強化にもなります。
深谷通産大臣の御見解をお伺いし、私の質問を終わります。拍手
〔国務大臣小渕恵三君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →我が国は、世界で唯一の被爆国として、原子力の利用については特有の国民感情があります。その中にあって、原子力の民生利用として原子力の火が初めてともったのは今から四十二年も前の出来事であります。先人が長年積み上げた原子力への努力が民生利用へと展開しましたが、今回のジェー・シー・オー事故はその努力を根底から覆すものであります。
それでは最初に、原子力災害対策特別措置法案についてお伺いいたします。
この法案は、第一に、ジェー・シー・オー事故における対応を教訓としていること、第二に、原子力施設立地市町村が長年要望していた内容を踏まえていること、第三に、従来の考えを打ち破り、第十三条に原子力緊急事態の想定を積極的に取り入れたこと、そして機敏な法案作成であったことなどを高く評価したいと思います。
ところで、緊急事態の想定でありますが、例示をいかように考えておりますでしょうか。一九七九年のスリーマイルアイランド、すなわちTMIの事故レベルを最悪の想定と考えているようでありますが、中曽根科学技術庁長官、どのようにお考えでしょうか。
ところで、TMI事故についての報告には、ケメニー委員会報告、またロゴビン委員会報告があります。特にケメニー委員会報告においては、多くのスタッフと研究委託の予算を持ち、宣誓をさせた上での公式証言は百五十を超え、資料は百メートルに及ぶものであります。この報告書は、原子力は本来危険をはらんでいると口に出して述べる態度に変えなければならないと鋭く本質を指摘しております。これは我が国の原子力事故にとっても聞き逃すことができないものであります。小渕総理はいかなる御所見でしょうか、お尋ねいたします。
さらに、ケメニー委員会の勧告では、原子力は本来危険との認識に立たねばならない、原子力規制委員会は安全よりも開発優先であるから、委員長を外部から新たに求め、組織を抜本的に再編し、新しい血を入れるべきだと勧告しております。さらに、政府、業界が改革をこの勧告に従い断行しなければ原子力発電は存立できなくなるであろう、しかしその責任は挙げて政府、業界にあると、実に厳しい勧告でありました。
当時、我が国からも調査団が幾つか派遣されました。しかし、必ずしもこの成果が十分に生かされなかったことは残念であります。小渕総理は、このようなアメリカの厳しき勧告についていかなる御見解をお持ちでしょうか。
ところで、今回の事故において、初期動作などにおける科学技術庁、原子力安全委員会の対応は歯がゆい思いがしました。特に、この事故の責任官庁は、科学技術庁ではなく原子力安全委員会であるかのように国民の目に映ったのではないでしょうか。本来、規制と推進の分離を旨として出発したのでありますが、今日に至ってみると、規制と推進の事務局を科学技術庁が担当していては完全な分離ができ得ていないと見えるのであります。この際、規制と推進のあり方について小渕総理の御所見をお伺いいたします。
ところで、今回の事故対応で露呈した不備があります。第一に、事故の終息作業や被曝者の救助に生命の危険が著しく伴う場合、第二に、被害が一都道府県を超えて広域に広がった場合、第三に、大地震に伴って原子力災害が起こり通信網も遮断されたような場合、これらにどのように対処するのか、今までは危機管理上必ずしも十分ではありませんでした。そこで、本法律案に期待するところでありますが、小渕総理の明快な御答弁をお伺いします。
次に、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案についてお伺いいたします。
この法案は、加工事業に定期検査制度を追加し、保安規定の遵守状況の検査制度を創設し、さらに原子力保安検査官を主要施設に配置する改正であります。これらの改正については評価できます。ただし、現在の検査体制や人員で実効性が担保できるかどうか。原子力発電所の運転管理専門官は現在定員割れを併任でしのぐ状況であります。法律やシステムができても人材確保が大事であります。また、安全を生み出すのには安全への継続的な強い関心が重要であります。中曽根科学技術庁長官の人材育成・確保に向けた御決意をお伺いいたします。
次に、今後の原子力開発についてお伺いいたします。
原子力開発における世界の動向を見ますと、原子力発電所の最大保有国である米国では、安全並びに技術上の理由から既に数基が閉鎖され、今後新規建設の見通しがないため、原子力のエネルギー供給に占める割合は現在の一八%から七%にまで低下すると見られております。また、スウェーデン、イタリア、ドイツなどにおいても、脱原発の政策決定や検討がなされており、苦渋の選択を強いられております。
これに対し我が国では、地球温暖化対策などから原子力を選択せざるを得ないとの主張があります。今回の事故や世界的な脱原発の動向を踏まえますと、国民の理解と協力を得るため、我が国の原子力開発のあり方について再検討が必要ではないかと思います。小渕総理の御見解をお伺いいたします。
次に、自然エネルギー政策についてお伺いします。
小渕総理は、平成十二年度予算案の中でミレニアムをキーワードとして頻繁に使っております。欧米では将来地球のミレニアム議論また地球憲章の議論が盛んでありますが、本来のいわゆる千年紀に向けてのパラダイムシフトを小渕総理はどのように認識しておりますか。
また、人間の安全保障、ヒューマンセキュリティーという観点から新しい国際社会の潮流が徐々ではありますが形成されつつある中で、明年、国連ミレニアム特別総会が開催されます。政府の取り組みと総理自身の出席についてはどうでしょうか。あわせて総理にお尋ねいたします。
ところで、パラダイムシフトに関連して、三十カ国以上の国家組織のアドバイザーとして世界的に著名なアメリカの未来学者、ヘイゼル・ヘンダーソン博士は、「地球市民の条件—人類再生のためのパラダイム」という論文を書いております。その中で彼女は、「パラダイムシフトが訪れる有望な徴候がある。それは、人間の発展のプロセスを言い表すのに、「経済成長」という言葉が次第に使われなくなっている、という事実である。」と述べております。そして、さらに「「経済学的」という言葉は、勢いを失いつつある。生態学的な新しい定義、すなわち「持続可能な発展」という定義の中では、「経済学的」という言葉は一切使われておりません。これは好ましい徴候である。」と論述しております。そして、その兆候の一つとして、欧米における自然エネルギーの勢いにあらわれていることも示唆しております。
すなわち、EUでは、一次エネルギー供給に占めるバイオマスなどの自然エネルギーの割合を二〇一〇年までに一二%に倍増し、炭素の削減は年間四億トン、雇用創出は五十万人から九十万人の計画を発表しております。また、先ごろ提出された米国の包括電力競争法案においては、すべての供給事業者が自然エネルギー電源から一定割合を導入する義務が盛り込まれております。これに対して、我が国の自然エネルギーの割合は十年後の二〇一〇年でさえ三%と欧米に大きく水をあけられ、我が国のエネルギー政策の隅で縮こまっております。
一方、先ほどのように、欧米では脱原発の結果、自然エネルギーの選択が大胆に進んでおります。この選択は、今までの欲望と消費の大規模化に支えられた文明から、循環を組み込んだ持続的発展を軸にする新しい地球文明へのミレニアム、その第一歩と考えられます。
小渕総理、みずからミレニアムの視点に一層深く立ち入り、エネルギー政策の転換にイニシアチブを発揮していただきたい。いかがでありましょうか。
最後に、深谷通産大臣にお伺いいたします。
先日、スウェーデンの民間のバーセベック発電所の一号機が環境的、政治的判断により閉鎖・廃炉に追い込まれたと言われております。二十一世紀の地球環境や世代間の公平性の視点から考えてみますと、今後は輸入依存の高い石油などから、国産エネルギーとしても大変有望な自然エネルギーを大いに取り入れるべきであります。技術開発や、かつてないほど大胆に予算を投入し、画期的なグリーンシフトを図るべきであります。これは、自然エネルギー産業の発展ばかりか、雇用創出などによる地域の活性化、国際競争力の強化にもなります。
深谷通産大臣の御見解をお伺いし、私の質問を終わります。拍手
〔国務大臣小渕恵三君登壇、拍手〕
小
小渕恵三#24
○国務大臣(小渕恵三君) 加藤修一議員にお答え申し上げます。
大変、二十一世紀にわたっての文明論も含めました御見識を拝聴しながら、問題の諸点について私、お尋ねについてお答えをさせていただきます。
まず、ケメニー委員会報告書で原子力は本来危険をはらんでいると述べられているとの御指摘についてでありますが、原子力の開発利用に当たりましては、安全の確保に万全を期することが大前提であります。このため、これまでも国として最善の努力をしてきたところでありますが、今後とも一層の安全確保に努めてまいらなければならないと考えております。
また、原子力規制の組織の長についてのお尋ねでありましたが、我が国の原子力安全委員会は、規制行政庁とは独自の立場に立つものであり、その委員は国会の同意を得て内閣総理大臣が任命することとなっております。さらに、その委員長は委員の互選によって選ぶことになっておりますので、組織の中立性は十分に担保されたものとなっておると考えております。
規制と推進のあり方についてのお尋ねですが、原子力安全委員会は平成十三年一月の省庁再編を機会に内閣府に設置され、独立した事務局が整備されるとともに事務局職員数も拡充されるなど、抜本的な体制強化を図ることといたしております。
一方、今回のジェー・シー・オー事故を契機として、このような原子力安全委員会の独立性及び機能の強化を早期に実施すべきでないかとの御意見があることを踏まえ、平成十三年一月を待つことなく、平成十二年度早々にも事務局機能を現在の科学技術庁から総理府に移管し、その人員も大幅に拡充する方向で対処するよう、現在関係省庁に指示いたしておるところであります。
今回の事故の教訓が本法案にどのように生かされ、また本法案によりどのように対応されるのかについてのお尋ねでありましたが、今回の事故で、国と自治体との連携の強化、原子力災害の特殊性を踏まえた国の緊急事態対応性の強化、事業者責務の明確化等の課題が顕在化したものと認識しております。
このため、今般の原子力災害対策特別措置法案により、こうした課題を解決し、また、議員御指摘のようなさまざまな場合にもより実効性のある対応が可能となるよう、原子力防災体制の強化を図ることといたしております。
原子力開発の見直しに関するお尋ねですが、エネルギー供給は各国の国情に応じた対応が必要であり、資源の乏しい我が国が社会経済の安定的発展と地球環境の保全を図るには原子力抜きのエネルギー供給の確保は不可能であります。
原子力の研究、開発、利用に当たっては、国民の理解と協力が不可欠であるとの認識は同じくいたしておりまして、今回の事故を真摯に受けとめ、幅広く国民の意見を伺いながら、原子力委員会等の場において原子力研究、開発、利用のあり方についての検討を行っているところであります。
新しい千年紀、ミレニアムに向けてのパラダイムシフトについてのお尋ねがありました。
私は、次の千年を展望するとき、大きな潮流課題としては、第一に温暖化など地球環境問題を初めとして人口、食料、貧困の問題などの地球規模の問題への対応、第二に核兵器など大量破壊兵器の問題や地域間の緊張、紛争に対する国際の平和と安全の確保、第三に情報化、グローバル化が進み、市場が世界規模となる中での安定的国際経済の発展などと考えております。
これらの課題への取り組みに当たりましては、御指摘の循環を組み入れた持続的発展が一つの大きな軸となるものと考えられます。我が国としては、各国と協力しつつ、先頭に立って、新しい平和と繁栄の秩序を築くべく努力していく気概で臨みたいと思います。
国連ミレニアム総会についてのお尋ねでありましたが、我が国は、同総会で人間の安全保障の視点も踏まえつつ二十一世紀の国際社会が直面する課題への取り組みとそのための国連機能強化についてのビジョンが示されることが重要と考えておりまして、同総会に向け、各国と協力しつつ積極的に取り組んでまいります。
また、私も可能であれば、同総会中に開催される国連ミレニアム・サミットに参加したいと考えております。
自然エネルギーについてのお尋ねですが、自然エネルギーの中でも太陽光発電などの新エネルギーにつきましては、経済性や安定性などの難しい課題も伴いますが、エネルギー安定供給の確保、環境保全、経済成長の同時達成を目指したエネルギー政策の推進を図る観点から、その開発と導入の促進は極めて重要であります。
このため、二〇一〇年において新エネルギーの導入量を現在の約三倍、一次エネルギーの総供給の約三%にするという高い目標を設定いたしておりまして、その実現に向けて最大限の努力を行ってまいりたいと存じます。
残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。拍手
〔国務大臣中曽根弘文君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →大変、二十一世紀にわたっての文明論も含めました御見識を拝聴しながら、問題の諸点について私、お尋ねについてお答えをさせていただきます。
まず、ケメニー委員会報告書で原子力は本来危険をはらんでいると述べられているとの御指摘についてでありますが、原子力の開発利用に当たりましては、安全の確保に万全を期することが大前提であります。このため、これまでも国として最善の努力をしてきたところでありますが、今後とも一層の安全確保に努めてまいらなければならないと考えております。
また、原子力規制の組織の長についてのお尋ねでありましたが、我が国の原子力安全委員会は、規制行政庁とは独自の立場に立つものであり、その委員は国会の同意を得て内閣総理大臣が任命することとなっております。さらに、その委員長は委員の互選によって選ぶことになっておりますので、組織の中立性は十分に担保されたものとなっておると考えております。
規制と推進のあり方についてのお尋ねですが、原子力安全委員会は平成十三年一月の省庁再編を機会に内閣府に設置され、独立した事務局が整備されるとともに事務局職員数も拡充されるなど、抜本的な体制強化を図ることといたしております。
一方、今回のジェー・シー・オー事故を契機として、このような原子力安全委員会の独立性及び機能の強化を早期に実施すべきでないかとの御意見があることを踏まえ、平成十三年一月を待つことなく、平成十二年度早々にも事務局機能を現在の科学技術庁から総理府に移管し、その人員も大幅に拡充する方向で対処するよう、現在関係省庁に指示いたしておるところであります。
今回の事故の教訓が本法案にどのように生かされ、また本法案によりどのように対応されるのかについてのお尋ねでありましたが、今回の事故で、国と自治体との連携の強化、原子力災害の特殊性を踏まえた国の緊急事態対応性の強化、事業者責務の明確化等の課題が顕在化したものと認識しております。
このため、今般の原子力災害対策特別措置法案により、こうした課題を解決し、また、議員御指摘のようなさまざまな場合にもより実効性のある対応が可能となるよう、原子力防災体制の強化を図ることといたしております。
原子力開発の見直しに関するお尋ねですが、エネルギー供給は各国の国情に応じた対応が必要であり、資源の乏しい我が国が社会経済の安定的発展と地球環境の保全を図るには原子力抜きのエネルギー供給の確保は不可能であります。
原子力の研究、開発、利用に当たっては、国民の理解と協力が不可欠であるとの認識は同じくいたしておりまして、今回の事故を真摯に受けとめ、幅広く国民の意見を伺いながら、原子力委員会等の場において原子力研究、開発、利用のあり方についての検討を行っているところであります。
新しい千年紀、ミレニアムに向けてのパラダイムシフトについてのお尋ねがありました。
私は、次の千年を展望するとき、大きな潮流課題としては、第一に温暖化など地球環境問題を初めとして人口、食料、貧困の問題などの地球規模の問題への対応、第二に核兵器など大量破壊兵器の問題や地域間の緊張、紛争に対する国際の平和と安全の確保、第三に情報化、グローバル化が進み、市場が世界規模となる中での安定的国際経済の発展などと考えております。
これらの課題への取り組みに当たりましては、御指摘の循環を組み入れた持続的発展が一つの大きな軸となるものと考えられます。我が国としては、各国と協力しつつ、先頭に立って、新しい平和と繁栄の秩序を築くべく努力していく気概で臨みたいと思います。
国連ミレニアム総会についてのお尋ねでありましたが、我が国は、同総会で人間の安全保障の視点も踏まえつつ二十一世紀の国際社会が直面する課題への取り組みとそのための国連機能強化についてのビジョンが示されることが重要と考えておりまして、同総会に向け、各国と協力しつつ積極的に取り組んでまいります。
また、私も可能であれば、同総会中に開催される国連ミレニアム・サミットに参加したいと考えております。
自然エネルギーについてのお尋ねですが、自然エネルギーの中でも太陽光発電などの新エネルギーにつきましては、経済性や安定性などの難しい課題も伴いますが、エネルギー安定供給の確保、環境保全、経済成長の同時達成を目指したエネルギー政策の推進を図る観点から、その開発と導入の促進は極めて重要であります。
このため、二〇一〇年において新エネルギーの導入量を現在の約三倍、一次エネルギーの総供給の約三%にするという高い目標を設定いたしておりまして、その実現に向けて最大限の努力を行ってまいりたいと存じます。
残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。拍手
〔国務大臣中曽根弘文君登壇、拍手〕
中
中曽根弘文#25
○国務大臣(中曽根弘文君) 加藤修一議員にお答えをいたします。
緊急事態の想定についてのお尋ねでございますけれども、本法案第十三条におきまして、原子力緊急事態の想定も含めた国が作成する計画に基づきまして、防災訓練を実施することとしております。この緊急事態の想定につきましては、TMI事故等これまでの内外の事故、現在県が中心となって行っている防災訓練、諸外国での防災訓練の想定等を参考にしながら、今後具体的な内容を検討してまいります。
人材育成・確保についてのお尋ねでございますけれども、原子力保安検査官は、原子力事業者の職務、組織、保安教育の実施状況を初め、施設の運転管理状況、放射線管理状況等の保安活動に対し検査業務を行うこととされておりまして、施設の構造、機能及び品質保証活動等に関する知識等を有することが重要でございます。
このようなことから、原子力保安検査官につきましては、広範な知識と現場における十分な経験を有する適切な者を配置することが必要でありまして、原子力行政の経験のある者の育成に努めるとともに、資質の向上に向けて研修等の充実を図ってまいります。拍手
〔国務大臣深谷隆司君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →緊急事態の想定についてのお尋ねでございますけれども、本法案第十三条におきまして、原子力緊急事態の想定も含めた国が作成する計画に基づきまして、防災訓練を実施することとしております。この緊急事態の想定につきましては、TMI事故等これまでの内外の事故、現在県が中心となって行っている防災訓練、諸外国での防災訓練の想定等を参考にしながら、今後具体的な内容を検討してまいります。
人材育成・確保についてのお尋ねでございますけれども、原子力保安検査官は、原子力事業者の職務、組織、保安教育の実施状況を初め、施設の運転管理状況、放射線管理状況等の保安活動に対し検査業務を行うこととされておりまして、施設の構造、機能及び品質保証活動等に関する知識等を有することが重要でございます。
このようなことから、原子力保安検査官につきましては、広範な知識と現場における十分な経験を有する適切な者を配置することが必要でありまして、原子力行政の経験のある者の育成に努めるとともに、資質の向上に向けて研修等の充実を図ってまいります。拍手
〔国務大臣深谷隆司君登壇、拍手〕
深
深谷隆司#26
○国務大臣(深谷隆司君) 加藤議員が自然エネルギーの問題で大変熱心に努力しておられることに敬意を表したいと思います。
お尋ねのとおり、あるいは御提言のとおり、自然エネルギー、特に新エネルギーは、地球の環境問題あるいはエネルギーセキュリティー、さらに新規産業の創造、雇用の創出等、大きな効果をもたらすものでございまして、我々は全力を挙げて取り組んでいくべきものだと思っております。
二〇一〇年に現在の三倍の新エネルギーを開発しようというお話は、ただいま総理から申し上げたとおりで、我々はその目標に向かって全力を挙げていきたいと考えております。
ただ、新エネルギーにつきましては、まだコストが非常に高いことやら、あるいは太陽光や風力については気象条件に左右されるといったような課題が多くございます。その課題をどうやって解決していくかということが大事でございまして、その課題解決を目標にした平成十二年度の概算要求では、新エネルギー関係予算は前年度比三十九億円増額の九百十四億円としているところでございます。
委員御指摘のような、新エネルギーの開発に向けて全力を挙げていきたいと思っております。拍手
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この発言だけを見る →お尋ねのとおり、あるいは御提言のとおり、自然エネルギー、特に新エネルギーは、地球の環境問題あるいはエネルギーセキュリティー、さらに新規産業の創造、雇用の創出等、大きな効果をもたらすものでございまして、我々は全力を挙げて取り組んでいくべきものだと思っております。
二〇一〇年に現在の三倍の新エネルギーを開発しようというお話は、ただいま総理から申し上げたとおりで、我々はその目標に向かって全力を挙げていきたいと考えております。
ただ、新エネルギーにつきましては、まだコストが非常に高いことやら、あるいは太陽光や風力については気象条件に左右されるといったような課題が多くございます。その課題をどうやって解決していくかということが大事でございまして、その課題解決を目標にした平成十二年度の概算要求では、新エネルギー関係予算は前年度比三十九億円増額の九百十四億円としているところでございます。
委員御指摘のような、新エネルギーの開発に向けて全力を挙げていきたいと思っております。拍手
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斎
西
西山登紀子#28
○西山登紀子君 私は、日本共産党を代表して、原子力災害対策特別措置法案及び核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案に対し、総理に質問いたします。
去る九月三十日に起きた茨城県東海村の核燃料施設での臨界事故は、日本の国民はもちろん、世界にも大きな衝撃を与えました。イギリスのインディペンデント紙は、日本には正確な安全文化はないと指摘し、日本のチェルノブイリとまで報じた外国の新聞もありました。この事故によって、日本の原子力行政の実態は、今日の国際的な水準から見ても異常に立ちおくれたものであることが浮き彫りになりました。
我が党は、国会では七〇年代から日本政府の安全神話の危険性について指摘し、その一掃を求め、具体的改善を提案してきました。しかし、政府は、我が党のこうした提案や住民の意見に全く耳をかそうとしませんでした。安全神話とは、原子力は安全だから心配ないという立場です。今回の事故を契機に提出された二つの法案が真に国民の安全確保の願いにこたえるためには、安全神話にとらわれて安全対策をないがしろにしてきた行政の根本的転換が前提でなければなりません。総理の基本的見解を伺います。
事故当日、午前十時三十五分に事故が発生した直後にジェー・シー・オー側は臨界の可能性ありと判断し、十一時十五分には科学技術庁にそう書いたファクスを送っています。それにもかかわらず、科学技術庁は臨界事故など信じられないとして必要な対応をしませんでした。科学技術庁が臨界事故を確認したのは午後四時ごろ、事故発生から五時間半もたってからでした。
総理、安全神話の呪縛にとらわれたこうした判断のおくれから、ジェー・シー・オーの従業員だけでなく、周辺住民を長時間被曝させる重大な結果となったのです。国の原子力行政の責任者として、改めて謝罪と厳しい反省があってしかるべきではないでしょうか。はっきりお答えください。
今回の事故はジェー・シー・オーのずさんな操業が直接の原因であり、その原子力事業者としての責任は免れません。しかし、もともと臨界事故を起こした沈殿槽は百リットルもあり、形状制限も、容積の制限による臨界防止の対策もとられていませんでした。こうした施設を許可した政府の責任は極めて重大です。ところが、驚くべきことに、今なお政府は、審査は適切だった、事故の原因はジェー・シー・オーの違法行為だと繰り返すばかりです。
総理、今回明らかになった政府のずさんな安全審査を反省しないで、どうして国民の命と安全を守ることができるでしょうか。答弁を求めます。
さらに、今、今回の事故で被曝した地域住民の健康管理や経済上の被害救済に万全の対策が求められております。
放射線被曝による晩発影響については、長期にわたる追跡調査が必要であり、きめ細かい対策が必要です。また、地域に与えた風評被害を含む経済被害は深刻であり、倒産を余儀なくされた業者も出ております。こうした身体的、経済的な被害をどのように賠償するのか、ジェー・シー・オーばかりでなく、親会社である住友金属鉱山の責任もあわせて明確にし、必要な賠償が行われるよう政府も万全を期すべきと考えますが、いかがですか。
次に、原子力施設の安全確保を図る上で、推進と規制の体制を分離、独立させることは焦眉の課題です。我が党は、我が国も批准している原子力の安全に関する条約に基づくその実行は国際的責務であることを指摘してきました。原子力施設の設置や運転に関する許認可の権限を持たない原子力安全委員会は、条約上そもそも規制機関とは言えません。
総理、今回の事故の痛苦の教訓から、東海村の村上村長を初め立地自治体の首長や議会も、規制機関の分離、独立を強く求めています。この地元の声に誠実にこたえるべきではありませんか。はっきりとお答えください。
今回の原子炉規制法改正では、新たに第六十六条の二を新設し、事業者に法令違反の事実がある場合に、従業員の主務大臣に対する申告権を規定しています。しかし、この規定を置いただけでは実効性は確保できないことを指摘しなければなりません。
アメリカなどでは、警告のために口笛を吹く人を保護するホイッスルブロワー・プロテクション・アクトという法律があります。その法律によれば、従業員は内部告発を行うことが認められるのみならず、事業者がその従業員に不利益な扱いをすれば、そのこと自体が犯罪とみなされることになっています。従業員に申告権を与えるだけでなく、十分に保護されることが明確に規定される必要があります。どのような措置をとるのでしょうか。お答えください。
次に、ジェー・シー・オーの事故が示したように、原子力の事故の際にはとりわけ専門の知識と経験を持った多くの専門家が不可欠であり、人材の養成も国の責務です。
この点で、我が国の原子力分野における中核的な総合研究機関として安全性の研究開発などを行っている日本原子力研究所の果たすべき役割は重要です。ところが、この研究所の原子力安全研究予算は、一九九〇年度に約百三十億円あったものが、今年度は約七十二億円にまで減っています。安全神話のために原子力の安全研究はもう必要ないと考えているとしたら重大です。私は、今回の事故処理に献身的にかかわった所員の方から、安全研究費を抜本的にふやしてほしいと切々と訴えられました。
総理、この際、原子力研究所を初め大学などの安全に関する研究費用を抜本的にふやし、強化すべきではありませんか。答弁を求めます。
原子力防災を考える場合、事故の影響についてあらかじめ予測し、必要な対策を準備することが不可欠であります。
科学技術庁は、一九五九年、原子力産業会議に委託をして、「大型原子炉の事故の理論的可能性及び公衆損害に関する試算」を行い、報告書にまとめていました。これは日本で初めて過酷事故を想定した貴重な試算であります。ところが、この報告書全文は、国民のたび重なる開示要求にもかかわらず、国会に提出されたのは本年六月のことでした。およそ四十年にわたって非公開扱いにし生かそうとしなかった政府の責任は極めて重大です。
この報告書によれば、大型原子炉が事故を起こした場合の損害額は、最大で当時の国家予算の二・五倍に当たる三兆七千億円と試算されています。ここでいう大型原子炉とは十六万キロワットですが、現在の原子炉は百三十五万キロワットにもなっています。被害の規模はけた違いに大きくなるはずであります。有馬前科学技術庁長官は、国会の答弁でこの試算が防災対策を考える上で有効なものと評価しています。
総理、改めて今日の技術を生かして、個々の原発ごとに過酷事故を想定した災害の予測を行い、具体的な防災対策を立案すべきではありませんか。答弁を求めます。
ジェー・シー・オーの事故が示したように、事故発生時に最初に事故現場で対応するのは地方自治体です。住民合意の上にその暮らしに沿ったきめ細かい取り組みがどうしても必要です。
総理、地方自治体の防災対策と防災能力の向上を国が責任を持って技術的にも財政的にも日常的に支援することが重要ではないでしょうか。緊急時に設置される自治体の対策本部を敏速に支援することとあわせて、責任ある答弁を求めます。
最後に、政府はプルトニウム循環方式による原子力政策の推進に固執していますが、技術的困難さから先進各国は既に撤退の方向を決めています。危険なプルサーマル計画は中止し、原発依存のエネルギー政策を根本的に見直すべきです。二十一世紀のエネルギー政策は、省エネルギー、省資源循環型社会への転換を進め、地球環境に負荷の少ない自然エネルギーの利用などに全力を尽くす方向に切りかえるべきです。
日本共産党は、原子力防災はもとより、今日の原発の危険から住民を守る立場で国民共同を進める決意を表明して、質問を終わります。拍手
〔国務大臣小渕恵三君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →去る九月三十日に起きた茨城県東海村の核燃料施設での臨界事故は、日本の国民はもちろん、世界にも大きな衝撃を与えました。イギリスのインディペンデント紙は、日本には正確な安全文化はないと指摘し、日本のチェルノブイリとまで報じた外国の新聞もありました。この事故によって、日本の原子力行政の実態は、今日の国際的な水準から見ても異常に立ちおくれたものであることが浮き彫りになりました。
我が党は、国会では七〇年代から日本政府の安全神話の危険性について指摘し、その一掃を求め、具体的改善を提案してきました。しかし、政府は、我が党のこうした提案や住民の意見に全く耳をかそうとしませんでした。安全神話とは、原子力は安全だから心配ないという立場です。今回の事故を契機に提出された二つの法案が真に国民の安全確保の願いにこたえるためには、安全神話にとらわれて安全対策をないがしろにしてきた行政の根本的転換が前提でなければなりません。総理の基本的見解を伺います。
事故当日、午前十時三十五分に事故が発生した直後にジェー・シー・オー側は臨界の可能性ありと判断し、十一時十五分には科学技術庁にそう書いたファクスを送っています。それにもかかわらず、科学技術庁は臨界事故など信じられないとして必要な対応をしませんでした。科学技術庁が臨界事故を確認したのは午後四時ごろ、事故発生から五時間半もたってからでした。
総理、安全神話の呪縛にとらわれたこうした判断のおくれから、ジェー・シー・オーの従業員だけでなく、周辺住民を長時間被曝させる重大な結果となったのです。国の原子力行政の責任者として、改めて謝罪と厳しい反省があってしかるべきではないでしょうか。はっきりお答えください。
今回の事故はジェー・シー・オーのずさんな操業が直接の原因であり、その原子力事業者としての責任は免れません。しかし、もともと臨界事故を起こした沈殿槽は百リットルもあり、形状制限も、容積の制限による臨界防止の対策もとられていませんでした。こうした施設を許可した政府の責任は極めて重大です。ところが、驚くべきことに、今なお政府は、審査は適切だった、事故の原因はジェー・シー・オーの違法行為だと繰り返すばかりです。
総理、今回明らかになった政府のずさんな安全審査を反省しないで、どうして国民の命と安全を守ることができるでしょうか。答弁を求めます。
さらに、今、今回の事故で被曝した地域住民の健康管理や経済上の被害救済に万全の対策が求められております。
放射線被曝による晩発影響については、長期にわたる追跡調査が必要であり、きめ細かい対策が必要です。また、地域に与えた風評被害を含む経済被害は深刻であり、倒産を余儀なくされた業者も出ております。こうした身体的、経済的な被害をどのように賠償するのか、ジェー・シー・オーばかりでなく、親会社である住友金属鉱山の責任もあわせて明確にし、必要な賠償が行われるよう政府も万全を期すべきと考えますが、いかがですか。
次に、原子力施設の安全確保を図る上で、推進と規制の体制を分離、独立させることは焦眉の課題です。我が党は、我が国も批准している原子力の安全に関する条約に基づくその実行は国際的責務であることを指摘してきました。原子力施設の設置や運転に関する許認可の権限を持たない原子力安全委員会は、条約上そもそも規制機関とは言えません。
総理、今回の事故の痛苦の教訓から、東海村の村上村長を初め立地自治体の首長や議会も、規制機関の分離、独立を強く求めています。この地元の声に誠実にこたえるべきではありませんか。はっきりとお答えください。
今回の原子炉規制法改正では、新たに第六十六条の二を新設し、事業者に法令違反の事実がある場合に、従業員の主務大臣に対する申告権を規定しています。しかし、この規定を置いただけでは実効性は確保できないことを指摘しなければなりません。
アメリカなどでは、警告のために口笛を吹く人を保護するホイッスルブロワー・プロテクション・アクトという法律があります。その法律によれば、従業員は内部告発を行うことが認められるのみならず、事業者がその従業員に不利益な扱いをすれば、そのこと自体が犯罪とみなされることになっています。従業員に申告権を与えるだけでなく、十分に保護されることが明確に規定される必要があります。どのような措置をとるのでしょうか。お答えください。
次に、ジェー・シー・オーの事故が示したように、原子力の事故の際にはとりわけ専門の知識と経験を持った多くの専門家が不可欠であり、人材の養成も国の責務です。
この点で、我が国の原子力分野における中核的な総合研究機関として安全性の研究開発などを行っている日本原子力研究所の果たすべき役割は重要です。ところが、この研究所の原子力安全研究予算は、一九九〇年度に約百三十億円あったものが、今年度は約七十二億円にまで減っています。安全神話のために原子力の安全研究はもう必要ないと考えているとしたら重大です。私は、今回の事故処理に献身的にかかわった所員の方から、安全研究費を抜本的にふやしてほしいと切々と訴えられました。
総理、この際、原子力研究所を初め大学などの安全に関する研究費用を抜本的にふやし、強化すべきではありませんか。答弁を求めます。
原子力防災を考える場合、事故の影響についてあらかじめ予測し、必要な対策を準備することが不可欠であります。
科学技術庁は、一九五九年、原子力産業会議に委託をして、「大型原子炉の事故の理論的可能性及び公衆損害に関する試算」を行い、報告書にまとめていました。これは日本で初めて過酷事故を想定した貴重な試算であります。ところが、この報告書全文は、国民のたび重なる開示要求にもかかわらず、国会に提出されたのは本年六月のことでした。およそ四十年にわたって非公開扱いにし生かそうとしなかった政府の責任は極めて重大です。
この報告書によれば、大型原子炉が事故を起こした場合の損害額は、最大で当時の国家予算の二・五倍に当たる三兆七千億円と試算されています。ここでいう大型原子炉とは十六万キロワットですが、現在の原子炉は百三十五万キロワットにもなっています。被害の規模はけた違いに大きくなるはずであります。有馬前科学技術庁長官は、国会の答弁でこの試算が防災対策を考える上で有効なものと評価しています。
総理、改めて今日の技術を生かして、個々の原発ごとに過酷事故を想定した災害の予測を行い、具体的な防災対策を立案すべきではありませんか。答弁を求めます。
ジェー・シー・オーの事故が示したように、事故発生時に最初に事故現場で対応するのは地方自治体です。住民合意の上にその暮らしに沿ったきめ細かい取り組みがどうしても必要です。
総理、地方自治体の防災対策と防災能力の向上を国が責任を持って技術的にも財政的にも日常的に支援することが重要ではないでしょうか。緊急時に設置される自治体の対策本部を敏速に支援することとあわせて、責任ある答弁を求めます。
最後に、政府はプルトニウム循環方式による原子力政策の推進に固執していますが、技術的困難さから先進各国は既に撤退の方向を決めています。危険なプルサーマル計画は中止し、原発依存のエネルギー政策を根本的に見直すべきです。二十一世紀のエネルギー政策は、省エネルギー、省資源循環型社会への転換を進め、地球環境に負荷の少ない自然エネルギーの利用などに全力を尽くす方向に切りかえるべきです。
日本共産党は、原子力防災はもとより、今日の原発の危険から住民を守る立場で国民共同を進める決意を表明して、質問を終わります。拍手
〔国務大臣小渕恵三君登壇、拍手〕
小
小渕恵三#29
○国務大臣(小渕恵三君) 西山登紀子議員にお答え申し上げます。
まず、安全対策についての御指摘でありました。
原子力開発利用に当たりまして、安全確保に細心の注意を払い万全を期することを大前提に、これまでも最新の科学的知見に基づき厳正に安全規制を行ってきたところであります。
今回の事故は、認められた条件を著しく逸脱した操作が行われたことが直接的な原因でありますが、原子力安全委員会に設けられた事故調査委員会の緊急提言も踏まえ、今回の法整備を含め、安全規制についても見直しを行い、二度とこうした事故が起こることのないよう適切に対処してまいるところであります。
事故への対応のおくれについてのお尋ねですが、事故現場の状況につきまして得られた情報をもとに、政府としては可能な限りの判断と対応を行ってきたところであります。今回の事故により、周辺住民を初めとする国民の皆様に多大な御心配と御迷惑をおかけしたことを厳粛に受けとめ、住民の皆様の健康管理等に万全を期するとともに、現在行っている原因の徹底究明の結果を踏まえ、二度とこのような事故の起こることのないよう適切に対処してまいります。また、今回の政府の事故対応については、謙虚に点検し、さらなる万全を期してまいりたいと考えております。
安全審査についてのお尋ねでありましたが、今般、臨界事故が発生をいたしました施設におきまして、種々の臨界管理が行われることなどを安全審査において確認しております。今回の事故は、こうした条件を著しく逸脱した操作が行われたことが直接的な原因ではありますが、現実に事故が起こったことは厳粛に受けとめ、謙虚に反省をいたしております。
安全審査については、原子力安全委員会に設置された事故調査委員会においてその見直しを行うべきとの指摘がなされたことを踏まえ、既に原子力安全委員会は安全審査指針について見直しに着手したところであり、このような事故を再び起こさぬよう適切に対処してまいりたいと考えております。
周辺住民へのきめ細かい対策についての御指摘でありましたが、周辺住民の長期的な健康管理につきましては、原子力安全委員会に設置をされました健康管理検討委員会におきまして推定被曝線量に基づいた健康管理のあり方について検討がなされており、この結果を踏まえ、地元自治体とも協力し、周辺住民の健康管理に万全を期してまいります。
損害賠償について万全を期すべきとの御指摘でありましたが、今回の事故につきまして、事故を起こしましたジェー・シー・オーの責任は当然であり、迅速かつ公平な補償を行うよう求めております。また、住友金属鉱山については、親会社として社会的、道義的責任を有すると考えており、同社に対して、ジェー・シー・オーを全面的に支援するよう求めております。政府としては、原子力損害賠償制度の適切な運用等により被害者救済に遺漏なきよう努めてまいります。
推進と規制の体制についての御質問でありましたが、我が国では、原子力の規制と推進の機能を効果的に分離しつつ、科学技術庁または通商産業省が法令に基づいて安全審査を行い、さらに原子力安全委員会がダブルチェックをする仕組みとなっております。
なお、原子力安全委員会は、省庁再編に伴い、各省庁より一段高い位置にある内閣府に設置されるとともに、独立の事務局が整備され、その活動はより充実されることとなります。今回の事故を踏まえ、原子力安全委員会の独立性と機能の強化をさらに進めることといたしております。
申告をした従業者の保護についての御質問でありましたが、原子炉等規制法の改正案におきまして、申告を理由とした従業者に対する不利益な扱いを禁止するなど、申告者の保護に配慮することといたしております。本制度の運用に当たりましては、他法令の同種の制度を参考にしつつ、適切に対応してまいります。
安全研究の推進についてのお尋ねでありましたが、原子力の研究、開発、利用を進めるに当たりまして安全確保が大前提であり、安全研究を積極的に推進していく必要があります。日本原子力研究所等では、研究評価の結果や研究の進捗状況を踏まえ、原子力安全委員会の年次計画に沿って必要な予算額を確保いたしておるところであります。
今後とも、その内容の充実を図り、原子力施設の安全性を高い水準に維持していくため、安全研究を着実に進めてまいります。
過酷事故を想定した具体的対策についての御質問でありますが、本年四月、原子力安全委員会の防災専門部会により、地域防災計画の策定等のため、各原子力施設ごとに、地域、施設の特性を踏まえ、何らかの仮定を置いた災害想定及びそれに対応した対策についての検討を行うべきことが提言されておりまして、この趣旨は今回の法案の中に反映されておると考えております。
今回の法案や今回の事故の経験を踏まえ、一層の原子力防災体制の充実強化に取り組んでまいります。
最後に、地方自治体の防災対策等に対する国の支援について御質問がございました。
政府といたしましては、従来より地方自治体の防災資機材の整備等の財政的支援や防災関係者に対する研修等を実施いたしてきたところでありますが、今後ともこれらの支援を適切に実施してまいりたいと考えております。
また、現在御審議をいただいております原子力災害特別措置法案におきましては、地方自治体に対し、原子力安全委員会による協力、原子力防災専門官による指導、助言等を規定いたしておりまして、地方自治体の防災対応機能の向上、緊急時における迅速な支援体制の強化を図ることといたしておる次第であります。
以上、お答えといたします。拍手
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この発言だけを見る →まず、安全対策についての御指摘でありました。
原子力開発利用に当たりまして、安全確保に細心の注意を払い万全を期することを大前提に、これまでも最新の科学的知見に基づき厳正に安全規制を行ってきたところであります。
今回の事故は、認められた条件を著しく逸脱した操作が行われたことが直接的な原因でありますが、原子力安全委員会に設けられた事故調査委員会の緊急提言も踏まえ、今回の法整備を含め、安全規制についても見直しを行い、二度とこうした事故が起こることのないよう適切に対処してまいるところであります。
事故への対応のおくれについてのお尋ねですが、事故現場の状況につきまして得られた情報をもとに、政府としては可能な限りの判断と対応を行ってきたところであります。今回の事故により、周辺住民を初めとする国民の皆様に多大な御心配と御迷惑をおかけしたことを厳粛に受けとめ、住民の皆様の健康管理等に万全を期するとともに、現在行っている原因の徹底究明の結果を踏まえ、二度とこのような事故の起こることのないよう適切に対処してまいります。また、今回の政府の事故対応については、謙虚に点検し、さらなる万全を期してまいりたいと考えております。
安全審査についてのお尋ねでありましたが、今般、臨界事故が発生をいたしました施設におきまして、種々の臨界管理が行われることなどを安全審査において確認しております。今回の事故は、こうした条件を著しく逸脱した操作が行われたことが直接的な原因ではありますが、現実に事故が起こったことは厳粛に受けとめ、謙虚に反省をいたしております。
安全審査については、原子力安全委員会に設置された事故調査委員会においてその見直しを行うべきとの指摘がなされたことを踏まえ、既に原子力安全委員会は安全審査指針について見直しに着手したところであり、このような事故を再び起こさぬよう適切に対処してまいりたいと考えております。
周辺住民へのきめ細かい対策についての御指摘でありましたが、周辺住民の長期的な健康管理につきましては、原子力安全委員会に設置をされました健康管理検討委員会におきまして推定被曝線量に基づいた健康管理のあり方について検討がなされており、この結果を踏まえ、地元自治体とも協力し、周辺住民の健康管理に万全を期してまいります。
損害賠償について万全を期すべきとの御指摘でありましたが、今回の事故につきまして、事故を起こしましたジェー・シー・オーの責任は当然であり、迅速かつ公平な補償を行うよう求めております。また、住友金属鉱山については、親会社として社会的、道義的責任を有すると考えており、同社に対して、ジェー・シー・オーを全面的に支援するよう求めております。政府としては、原子力損害賠償制度の適切な運用等により被害者救済に遺漏なきよう努めてまいります。
推進と規制の体制についての御質問でありましたが、我が国では、原子力の規制と推進の機能を効果的に分離しつつ、科学技術庁または通商産業省が法令に基づいて安全審査を行い、さらに原子力安全委員会がダブルチェックをする仕組みとなっております。
なお、原子力安全委員会は、省庁再編に伴い、各省庁より一段高い位置にある内閣府に設置されるとともに、独立の事務局が整備され、その活動はより充実されることとなります。今回の事故を踏まえ、原子力安全委員会の独立性と機能の強化をさらに進めることといたしております。
申告をした従業者の保護についての御質問でありましたが、原子炉等規制法の改正案におきまして、申告を理由とした従業者に対する不利益な扱いを禁止するなど、申告者の保護に配慮することといたしております。本制度の運用に当たりましては、他法令の同種の制度を参考にしつつ、適切に対応してまいります。
安全研究の推進についてのお尋ねでありましたが、原子力の研究、開発、利用を進めるに当たりまして安全確保が大前提であり、安全研究を積極的に推進していく必要があります。日本原子力研究所等では、研究評価の結果や研究の進捗状況を踏まえ、原子力安全委員会の年次計画に沿って必要な予算額を確保いたしておるところであります。
今後とも、その内容の充実を図り、原子力施設の安全性を高い水準に維持していくため、安全研究を着実に進めてまいります。
過酷事故を想定した具体的対策についての御質問でありますが、本年四月、原子力安全委員会の防災専門部会により、地域防災計画の策定等のため、各原子力施設ごとに、地域、施設の特性を踏まえ、何らかの仮定を置いた災害想定及びそれに対応した対策についての検討を行うべきことが提言されておりまして、この趣旨は今回の法案の中に反映されておると考えております。
今回の法案や今回の事故の経験を踏まえ、一層の原子力防災体制の充実強化に取り組んでまいります。
最後に、地方自治体の防災対策等に対する国の支援について御質問がございました。
政府といたしましては、従来より地方自治体の防災資機材の整備等の財政的支援や防災関係者に対する研修等を実施いたしてきたところでありますが、今後ともこれらの支援を適切に実施してまいりたいと考えております。
また、現在御審議をいただいております原子力災害特別措置法案におきましては、地方自治体に対し、原子力安全委員会による協力、原子力防災専門官による指導、助言等を規定いたしておりまして、地方自治体の防災対応機能の向上、緊急時における迅速な支援体制の強化を図ることといたしておる次第であります。
以上、お答えといたします。拍手
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