災害対策特別委員会

2000-04-17 参議院 全126発言

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会議録情報#0
平成十二年四月十七日(月曜日)
   午後一時五十六分開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月十二日
    辞任         補欠選任   
     平野 貞夫君     鶴保 庸介君
 四月十四日
    辞任         補欠選任   
     本岡 昭次君     郡司  彰君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         但馬 久美君
    理 事
                太田 豊秋君
                三浦 一水君
                江本 孟紀君
                加藤 修一君
    委 員
                市川 一朗君
                加納 時男君
                景山俊太郎君
                鈴木 正孝君
                田村 公平君
                鶴保 庸介君
                森山  裕君
                郡司  彰君
                小山 峰男君
                高嶋 良充君
                大沢 辰美君
                山下 芳生君
                梶原 敬義君
                岩本 荘太君
   国務大臣
       建設大臣     中山 正暉君
   政務次官
       建設政務次官   岸田 文雄君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        杉谷 洸大君
   政府参考人
       国土庁防災局長  生田 長人君
       文部省教育助成
       局長       矢野 重典君
       文部省高等教育
       局長       佐々木正峰君
       厚生省生活衛生
       局水道環境部長  岡澤 和好君
       厚生省社会・援
       護局保護課長   宇野  裕君
       厚生省社会・援
       護局施設人材課
       長        森山 幹夫君
       農林水産省経済
       局長       石原  葵君
       農林水産省構造
       改善局長     渡辺 好明君
       水産庁長官    中須 勇雄君
       気象庁長官    瀧川 雄壯君
       建設省河川局長  竹村公太郎君
       建設省住宅局長  那珂  正君
       自治省財政局長  嶋津  昭君
       消防庁長官    鈴木 正明君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
〇土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策
 の推進に関する法律案(内閣提出)

    ─────────────
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但馬久美#1
○委員長(但馬久美君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る十二日、平野貞夫さんが委員を辞任され、その補欠として鶴保庸介さんが選任されました。
 また、去る十四日、本岡昭次さんが委員を辞任され、その補欠として郡司彰さんが選任されました。
    ─────────────
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但馬久美#2
○委員長(但馬久美君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律案の審査のため、本日の委員会に国土庁防災局長生田長人さん、文部省教育助成局長矢野重典さん、文部省高等教育局長佐々木正峰さん、厚生省生活衛生局水道環境部長岡澤和好さん、厚生省社会・援護局保護課長宇野裕さん、厚生省社会・援護局施設人材課長森山幹夫さん、農林水産省経済局長石原葵さん、農林水産省構造改善局長渡辺好明さん、水産庁長官中須勇雄さん、気象庁長官瀧川雄壯さん、建設省河川局長竹村公太郎さん、建設省住宅局長那珂正さん、自治省財政局長嶋津昭さん、消防庁長官鈴木正明さんを政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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但馬久美#3
○委員長(但馬久美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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但馬久美#4
○委員長(但馬久美君) 土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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田村公平#5
○田村公平君 今回の有珠山の噴火、まだ終息はしておりませんけれども、過去の災害の例にかんがみますと、避難所にいる方、それから親戚だとか友人、知人のところに避難している方、これはいろんな悩みがあります。といいますのは、親戚だから大丈夫だろうと思っておりましても、人間社会であります、三日たち、四日たち、一週間たってくると、ふろに入る順番、おかずはだれが多く食べたとか、身内だからこそ非常に言いづらいいろんな神経的な葛藤、精神的な葛藤も出てきます。また、避難所におきましてはプライバシー、そういうものがなかなか守れない。
 今のところ長期化していくということで、本当に被災者の皆さん方に心からお見舞い申し上げますとともに、せっかく国土庁長官がお見えになっておりますので、そういうソフトを含めた、阪神・淡路大震災のときもそうでした、二年を超えた雲仙・普賢岳のときも災害が終息するまでに大変な御苦労があったということを承知しておりますので、そこいらのことを冒頭、お見舞いを兼ねまして、責任者の大臣によろしくお願いをいたしまして、質問に入らせていただきます。
 いわゆる土砂災防止法案というこの法案は非常に画期的な法律であります。つい三月二十四日でありますけれども、私ども、きょう同じ委員会に所属しております市川先生、平成元年に国土庁の防災局長をしておりました、そういうこともありまして、災害常襲県である高知県、実は親子二代かかりましたが、激甚災の指定基準の緩和をいたしました。これは御案内のとおり、委員長のおひざ元でもあります阪神・淡路大震災ですら激甚災のB基準にしかならない。それを画期的に局激等を含めまして見直しをいたしました。これは災害が起きたときにどういうふうに対処するかという制度であります。
 しかし、このいわゆる土砂災防止法は、災害が起きないように、あるいは起きても生命、財産が失われないようにするという趣旨の法律であります。そういうことを考えたときに、ちょうど人間に例えれば、病気になって入院して高度医療を受けるとか、そうすると家族の心配だけではなく経済的な支出も大きくなります。予防医学という観点で常日ごろからそういうことに気をつけておれば、精神的苦痛、出ていく経費、いろんな意味のものが安く上がると言っては語弊がありますが、そういうことだと思っております。そして、私は、基本的に自然というものは人間の力を超えたものだと思っております。そういう意味で、災害、特に土砂災害、地すべり等が起きたときは逃げるが一番だと思っております。
 そこで、いわゆる土砂災害の危険箇所は今全国にどれぐらいあるか。一応私も資料をいただきまして、各委員の皆様方のお手元には配付しておりますが、御答弁をいただければありがたいと思います。
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竹村公太郎#6
○政府参考人(竹村公太郎君) 土砂災害の危険箇所についてのお尋ねがございました。
 建設省が現在把握している土砂災害危険箇所数は、土石流で七万九千カ所、地すべりで一万一千カ所、急傾斜地、いわゆるがけで八万七千カ所、約十七万七千カ所存在いたします。
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田村公平#7
○田村公平君 これはお手元の資料を見ていただければよくわかると思いますが、一番が広島県であります。約一万九百七十カ所。それから長崎、兵庫、長野、愛媛、高知、岐阜、島根、山口、大分、これがベストテンであります、これはベストと言っていいかどうかちょっと言葉を選ぶところでありますが。その次が鹿児島、岡山、新潟と続いてまいります。一番少ないところでも沖縄県の六百四カ所というふうになっております。つまり、危ないところがどんどんふえてきているわけです。そういう意味で、その危ないところをどうするかというのがこの法律の趣旨であろうと思っております。
 そこで、先ほど冒頭申し上げましたように、激甚災の指定はことしの一月一日から、暦年でいっていますから、指定をされることになるんですけれども、当然、有珠山の災害も、まだ終息はしておりませんが、そういう意味で指定基準緩和により激甚災の指定になると思いますけれども、この法律ができた場合に、有珠山噴火に伴う土砂災害は対象になるか、御案内のとおり法律は遡及しないということは承知しておりますが、またそれがもし対象にならない場合はどういう処置ができるのかをお尋ねします。
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竹村公太郎#8
○政府参考人(竹村公太郎君) 今回の有珠山噴火に伴います土砂災害につきましては、火山活動に直接起因します火砕流または火山泥流等の土砂災害につきましては、その発生位置、規模、時期等を事前に特定することが不可能でございます。私ども今御審議願っている今回の法律の対象外となっております。
 本法案で対象とする土砂災害は、過去の災害実績から、災害が発生する以前に危険な区域の設定が可能である急傾斜地の崩壊、土石流及び地すべりという三つを発生原因とする災害を対象としてございます。
 なお、有珠山の火山噴火災害につきましては、既に建設省としては土砂災害対策専門家チームを現地に派遣し、火山泥流や土石流の監視、観測を実施し、今後、雲仙・普賢岳で実施したような無人化施工機械を使用した緊急除石、いわゆる砂や石をどける等の工事について万全に対応してまいりたいと考えております。
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田村公平#9
○田村公平君 それだけにこの法律の趣旨というか制度というのは、そういう危険区域があるということを指定して、いわゆるイエローゾーン、レッドゾーンでやっていくというふうに承知をしております。
 実は一九九一年六月十五日にはフィリピンでピナツボ火山が噴火をいたしまして、現在もその影響はずっと続いておりまして、米軍クラーク基地も閉鎖せざるを得ない、あの世界最強の米軍ですら基地を閉鎖せざるを得ない、それぐらい災害というのは恐ろしいものであります。
 それから、インドネシアではメラピ火山で、これは古い統計でありますけれども、そうはいいながら一万人規模の方々がいわゆる火砕流や火山性土石流で亡くなっております。日本の方々も、実はピナツボの生活圏が火山灰とかそういうことでできないものですから、民間のボランティアの方々が日本の和紙をすく技術をもってこういうレターセットをつくって頑張っておるわけです。
 私は、五百年に一度だとかそういう災害、確かに二年前の高知県でも九月二十四、二十五日に千ミリを超える被害がありましたし、栃木や福島の災害あるいは去年の六月二十九日の広島での災害、そして今また有珠山の問題、あるいは五年たちましたけれども阪神・淡路大震災。御案内のとおり、神戸という町は砂防でもっておる町であります。その砂防でもっておる町が大震災で地殻変動を起こしております。この五年間に雨も降り、いろんな意味で危険な状態もあると思います。
 そういうことを考えたときに、二十一世紀は私は災害の世紀になるんではないかという気がしております。というのは、五年に一度だとか十年、災害は忘れたころにやってくると言っていたのが、私どものところのかなり災害常襲県では、江本理事もおられますけれども、子供のころから雨が降る、台風が来る、なれている我々が、気象台の記録によれば何年ぶりと言っていたのが、未曾有の大水害とかいうことが連年で来るようになってきました。これは恐らく世界的な規模でそういうふうになっていくんではないかと思っております。
 ここにネパールの氷河湖が決壊するということで、先般NHKスペシャルでも報道されました。今この本を書いた方は南極越冬隊の隊員として研究に行っておりますけれども、ネパールのみならず、あのかいわいの国でいいますと、チベット、ブータン、インド、パキスタン、各国で氷河湖決壊洪水というのが起きております。まさに地球温暖化のせいだと。いろんなデータを見ますと、地球温暖化の影響で解けてはいけない氷河や解けてはいけないツンドラ、凍土が解け始めてきています。
 そういうことを考えたときに、日本の山というのは、外国の学者に言わせますと、川でなくて滝だと言われています。昭和五十六年六月二十七日にちょうど我が国で近代砂防事業が行われて百年たちまして、私、その百周年記念事業を企画制作させていただきました。そのときに全国治水砂防協会の会長であった故西村英一さん、大分県国東半島の先の姫島の出身でありましたけれども、その砂防協会の会長としてのごあいさつが今でも頭にこびりついております。それは、時の明治維新政府がオランダからヨハネス・デ・レーケを招き、我が国の近代砂防の礎、あけぼのが始まったという名演説で始まるわけです。ちなみに、オランダと日本はことし四百周年を迎えようとしております。いろんな行事が行われております。
 そういう中で、せっかく法律をつくっても、大変重要なことは、私はきょう、いろんな小道具じゃないですが、砂防ボランティア、斜面判定士、私はその資格を持っておりますけれども、こういうヘルメットを持ってきましたが、やっぱり地域住民の方々が自分の住んでいるところが危ないんだということを認識する、その周知徹底、そういうことについて、長々申し上げましたけれども、歴史的な経緯を踏まえて、どういうふうな具体的な方策を持っておられるのか、お尋ねをしたいと思います。
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竹村公太郎#10
○政府参考人(竹村公太郎君) 住民への情報提供または意識の向上は極めて重要なことと認識しております。
 本法律におきまして警戒区域並びに特別警戒区域が指定されますと、知事がそれを公示して、市町村地域防災計画に警戒区域ごとに警戒避難体制に関する事項を定めまして住民に周知することとなっております。また、特別警戒区域につきましては一般に縦覧することとなってもおります。
 また、平常時から住民の防災意識の確立を図るため、土砂災害の警戒区域や避難場所を示したマップを、いわゆるハザードマップでございますが、配付するとともに、降雨など緊急時には雨量情報等を提供いたしまして、必要に応じ警戒・早期避難を呼びかけることとしてございます。
 一方、住民の土砂災害防止に対する認識は極めて重要でありまして、住民サイドにおきましても、阪神・淡路を契機にしまして、今、委員御指摘の砂防ボランティア、全国で六十一団体、三千百人を超える方々が各地で活躍してございます。
 このように、行政の知らせる努力と住民の知る努力が相まって有効な施策となるよう今後もあらゆる機会を通じて住民に対して広報活動を行っていく所存でございます。
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田村公平#11
○田村公平君 広報活動というのは一番大事であります。
 それから、去年、六月十三日ですか、富山県で土砂災害防止月間全国大会が開催されました。この会は、今まで行ってきた普通の全国大会と違いまして、女性の観点から土砂災害を見るということで、不肖私の家内がどういうわけか専門家でもありませんがコーディネーターとして参加しておりました。というのは、男女共同参画社会とは言いますが、どうしても家庭におられるのは御婦人あるいは奥さんであります。土砂災害というと何となく男社会みたいな、土木をやっているのは男の世界みたいな。ところが、一番身近におられるのはやっぱり家庭の御婦人であったり地域でいろいろ家事に従事しておられる御婦人の方だと思います。
 そういう意味で、周知徹底というよりも、土砂災害の怖さ、砂防ボランティアの手帳にも書いてありますけれども、濁り水が出てくるとか、あるいは異臭がする、ふだんと違う土のにおいがするとか、今まで水がどんどん出たのが急にぴたっととまると、大体しばらくたつと山は滑ります。それから、山が滑るときは大概、一回滑るだけではなくて、二回、三回、四回、同じ場所で同じ原因で、最低でも二、三回山が滑ります。昭和四十七年七月五日に高知県で六十人の方が災害で亡くなりましたけれども、これは、一次災害、二次災害、その二回、三回の間に人が救援活動にやってきて、最後にどんと滑って亡くなったということです。
 そういう意味での怖さというものを含めて、ぜひこれからこの法律ができたら周知徹底をしていただきたいと思います。特に、せっかくある砂防ボランティアの制度、これはある程度学習することによって山の怖さはわかりますから、いきなり私はボランティアですよと長靴を履いて行っても見分けがつかないけれども、こういう制度をもっと活用して、一般の方々を含めてぜひ周知徹底をしていただきたいと思います。
 そして、土砂災害の危険性が高いということは昔から住んでいる人は知っています。例えば、広島県に加計町というところがありまして、ここも大水害、大土砂災害がありました。昭和六十年ぐらいだったと思います。加計という地名は山が欠けるというところからきています。あるいは、広島県、去年も行かせていただきましたけれども、荒谷川、谷が荒れると書いて荒谷ですからここは危ないところなんです。先ほど申し上げましたように、昭和四十七年七月五日に六十人の犠牲者が出た繁藤は旧の名前が天坪であります。雨つぼです。都市化が進むことによって、高知市でも実は里山保全条例というのができまして、里山を守ろうと。百二十九カ所、一昨年、高知市内の周辺の里山で土砂崩れが起きています。
 それは、地方都市でも大都市と同じように周辺から人が寄ってきますと、今まで人が住まなかったところに民間のディベロッパーさんがミニ開発をして、それで先ほど言いましたように欠けるとか荒とか、それからざれ、がれとか危ない地名を、希望ケ丘だとか何とかニュータウンとかうれしのだとか、東京近郊でもたまプラーザだとか、そういう非常ににこにこうれしくなるような、そして旧市街といいますかそこのアパートなりマンションに住んでいて、結婚して、さあそろそろ子供ができた、そういう核家族の方々、そういうミニ開発。もともと仕込みの土地代が安いわけですから、旧の人はそこに住まないんですけれども、それを民間の宅造屋さんがうまくつくって、それで立派なモデルルームをつくる、モデルハウスをつくる。そうすると、あなた方のアパート代で一戸建てが買えますよとかマンションが買えますよと言って、そして、あってはならないことですけれども、どんと来て、滑って、とうとい生命、財産が失われる、こういう仕組みになっております。これは私権制限も入りますので、高知市議会ではこの里山保全条例を実は土砂災防止法に先駆けてつくったときに大変な議論がありました。
 それで、よく事情がわからなくて善意で、だれだってローンの安い住宅を購入したいと思うんですけれども、そういう危険な区域に入ってくるケース、これをどのように防いでいくのか、この法案ではそれをどのように考えておるのか、お願いしたいと思います。
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竹村公太郎#12
○政府参考人(竹村公太郎君) 本法案では、土砂災害特別警戒区域の土地におきましては、住宅宅地分譲のための開発行為を行おうとする場合には、規模にかかわらず知事の許可を受けなければならないこととしております。
 許可の基準は政令で定めますが、例えば盛り土によりまして上から土砂が到達する高さより高い位置に地盤の高さを設定するなど、土砂災害を防止するために必要な措置を講ずることとしております。これによりまして、特別警戒区域内で行われる住宅宅地分譲のための開発行為につきまして安全性が確保されるものと考えております。
 また、特別警戒区域の土地は公示されるとともに市町村の事務所において縦覧されまして、宅地建物の売買に際しましては、土砂災害特別警戒区域であることにより土地利用の制限がかかる旨の説明が宅地建物取引業者によりなされるよう宅地建物取引業法の政令で措置することを予定しております。これらの措置によりまして土砂災害の危険性のある土地であることが周知されることと考えております。
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田村公平#13
○田村公平君 そういう説明をちゃんと宅建業者の方々はやられるということでありますが、私自身の経験によれば、三菱地所といえば一応日本でトップクラスの不動産屋さんだと思うんですけれども、この三菱地所や住友不動産クラスでも平気で私をだますぐらいのいい度胸をしているのが不動産業界でありまして、俗に千三つ屋という業界であることも、私のこれは体験ですからはっきり言えると思います。そういうことをよっぽど気をつけて指導していただかないと、もともと危ない土地というか安い土地を仕入れてそういうふうに売ろうという人ですから、これは全部が全部とは言いませんけれども、必ずしも良心的なというよりは経済行為のみを考えて商売をなさっている方も多数おると思います。よく注意をしてやっていただきたいと思います。
 それで、イエローゾーン、レッドゾーン、特にレッドゾーンというふうに指定された場合、指定を回避したい動きが当然出てくると思います。なぜかといいますと、当然のように地価が下がるわけで、危ないところはだれも住みたくない、それが公然と公表される。もっと言いますと、今そういうところに住んでおられる方が地価に基づいて上物を含めて金融機関から住宅ローンを二十年とか二十五年で設定しておって、後からゾーニングをされる、担保割れの可能性すら出てくる。そういうことを考えてみますと、地価の下落が予想される。
 それは地価は低い方が私もいいと思っていますけれども、既存の方々の財産権の侵害、これは高知市の里山保全条例でもそのことが問題になりましたけれども、そういうことについてはどういうふうにお考えになっておるんでしょうか、いわゆる財産権の侵害。
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竹村公太郎#14
○政府参考人(竹村公太郎君) 本法案によります施策は、土砂災害のおそれのある区域を明らかにしまして、その中での開発や建築に対する必要最小限の規制を行うことによりまして、住民の自己責任に期待しつつ住民の安全確保のための施策を講ずるものでございます。
 土砂災害警戒区域等の指定は、住民自身の生命、身体を守るためにその土地が持つ地形や地質という自然の危険性を明らかにするものでありますから、財産権の侵害には当たらないと考えております。
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田村公平#15
○田村公平君 何で財産権の話をしたかといいますと、実は危険地域というのはどんどんふえていく。もちろん、国や地方自治体が一生懸命予算をつけていろんなのり面を強化したり砂防堰堤をつくったりやっておりますけれども、実際問題として、完成済みよりも乖離しながら危険箇所がふえていっているというのが現状であります。
 そういう意味で、冒頭申し上げましたように、私権制限ということも含めてでありますけれども、予防医学的なということになってくると、起きてからどうこうするんじゃなくて、危ないかもしれないということになってくると当然そういう問題が出てきます。打ち出の小づちがあってどんどん予算をつけることができるのならいいんですけれども、万カ所単位になってくると全部やろうといってもきょうじゅうにはできっこないですし、そういうことを考えたときに、そういう意味では僕はかなり意義のある法律だと思っております。
 それから、開発規制は規制としていいんですが、それでは現在そこに住んでおられる方々の住宅としての価値も下がるし、また危険ということをレッドゾーンとして言われた場合、その人たちの既存住宅の移築というんでしょうか、移転等々のことも重要と思われますが、住宅局長、そこいらはどういうふうにお考えになっておられますか。
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那珂正#16
○政府参考人(那珂正君) お答えいたします。
 御指摘のように、本法案によります特別警戒区域等から既存住宅を移転してもらうということは大変重要なことだと思いますが、移転にかかる負担というものは実際大きいものがあると思いますので、行政としても適切な支援が必要だと思います。
 このため、本法律案におきましては、都道府県知事が移転等の勧告を行った場合につきまして、住宅金融公庫融資の金利及び償還期間の特例を設けることを措置したところでございます。
 具体的に申し上げますと、通常の住宅金融公庫のマイホーム融資でありますと、当初十年間は基準金利、現在では二・八五でございますが、十一年目以降は四・〇になって、通常二十五年とか三十年とか三十五年の償還期間が必要なわけですが、その十一年目以降の金利につきましても、本法案によって措置されますただいまのようなケースの場合には、当初十年間の基準金利をずっと償還期間中継続するという措置でございます。
 また、予算補助でございますが、従来からがけ地近接等危険住宅移転事業というものがございまして、これによりまして建築基準法上の既存不適格住宅を対象として、従前住宅の除却費とか移転先の住宅の取得費の一部について補助を行っているところでございます。
 十二年度予算におきましては、補助限度額を大幅に引き上げまして、最高七百八万円まで補助できることとしたところでございます。こうした支援措置を十分活用して、こういった危険地域からの住宅の円滑な移転に大いに支援してまいりたいと思います。
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田村公平#17
○田村公平君 ですから、これは今の時代でいいますと、どんどん規制を緩和しろという中で規制をしていくわけです。私は規制緩和に全面的に賛成ではありません。ただ、規制をした以上、そこで出てくる痛みを伴うもの、今たまたま金利が低いんですけれども、住宅局長、ぜひそういう方々の移転のローンについては手厚い方策を今後も、この法律がもしでき上がれば、先ほど言いましたけれども、まさに初めて画期的な予防医学という観点で犠牲を伴う部分が出てきますから、それは政府としてきちっとした対応をしていただきたいと思います。
 本当は一時間ぐらい僕は質問したかったんですけれども、あと七、八分ありますので、そろそろ締めくくりに入っていきます。
 実は、昭和四十六年か七年だったと思いますが、土砂災害というか、土石流というものがよくわからなくて、科学技術庁を中心にして建設省の研究所等が神奈川県川崎市で土石流の実験をしました。これは実験であります。そのときにNHKのカメラマンが殉職をいたしました、土石流に巻き込まれて。実験ですらなかなか解明できないのが土石流、土砂災害の怖さであります。
 火砕流という言葉が初めて国民の前に知られるようになったのは、雲仙・普賢岳で一般国民に幅広く知られるようになったと思います。あってはならない災害でありますけれども、そういうニュースになるということで知られました。
 建設省の砂防部は一部二課制でしかありませんが、私は非常によく頑張っていると思います。火山砂防の創設や豪雪地帯における雪ダムの創設、生命、財産を守る。しかし、今までは常に対症療法でしかありませんでした。そういう意味では、来年からの国土交通省になっていく中で、やはり山を守る林野庁等々も含めて、災害に強い国土づくり、まさに二十一世紀が災害の世紀と言われないように先手先手を打ちながら事業を推進していただきたいと思います。
 そういうことを踏まえまして、インドネシアやネパールやフィリピンやいろんなところにODAあるいはJICAを通じましてそういう発展途上国、いわゆるお金はないけれども、災害は大体弱者が一番ひどい目に遭うものですから、技術移転も随分しておるのは私も現場に何回か行かせていただいて、全部とは言いませんけれども、一度委員長と一緒にODAのミッションで、これは国会のお金で行きましたが、他は全部私は私費で行っているものですから、そういうことを踏まえて、大臣、最後にびしっとした決意と、それでよく役所を、これは今せっかく建設大臣兼務国土庁長官ですから、有珠山のこともありますし、よろしくお願いいたします。
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中山正暉#18
○国務大臣(中山正暉君) いつもながら大変御示唆に富む御質問をいただきまして、本当にまたよくその事情を御理解いただいておりますこと、お地元の関係、それから今までのお仕事の関係で大変私は貴重と拝聴いたしました。今、先生の、科学技術庁が四十六年か四十七年に実験しましたときに、あのとき平泉渉先生が科学技術庁長官であったと思いますが、御就任して二カ月ぐらいで責任をとっておやめになったことを私は思い起こしております。
 そんなことで、今度の有珠山でも、流路工というところへ流れ込んで、それがあふれて橋が二本落ちたりしておりますが、聞いてみますと、上の方で林野庁が、砂防関係を下の方で建設省がやっているということで、両々相まっていろいろ協力しております。今は流路工から洞爺湖、洞爺湖は百八十五メートルの深さがあるそうでございますが、そこへ流れ込んでおるような事情で、これはもう先生御指摘ありましたように、この法案の重要性というのは、土砂災害から国民の生命、身体、特に財産ということは余り強調しておりません。これは命あっての物種ということだろうと思いますが、土砂災害のおそれのある区域についての危険の周知、それから警戒避難体制の整備、それから住宅等の立地抑制、それから既存住宅の移転促進等のソフト対策によりまして土砂災害防止対策を講じるものであるということで、意義深いものがあると思います。
 これまでの土砂災害対策というのは、既存の砂防三法、いわゆる砂防法、明治三十年法律第二十九号でございますし、それからもう一つは地すべり等防止法、昭和三十三年法律第三十号、それから急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律、これは昭和四十四年法律第五十七号、いずれも大変古いものでございます。今、先生の御指摘にありましたように、安い土地を求めて自分の家を持ちたいということと、それから人口が都市周辺に集中しているというような事情もありますし、この既存の砂防三法に基づきまして土砂災害防止工事の実施等により進めてきておりますが、今回の法律案は、建築物の構造規制や住宅等の新規立地を抑制するという新たな制度によりまして住民の安全を確保しようとするものでございます。
 土砂災害が依然として多発し、危険箇所数が増加し続けていることから、建設省といたしましては、本法案に基づく対策を推進して、既存の事業関連諸制度と相まって土砂災害対策を推進していく所存と。
 いろいろ先生の御質問の中にもありましたように、その土地にいらっしゃる方は自分の地域を熟知していらっしゃいまして、歴史的な経過もよく御存じでございましょうが、ネーミングによりまして夢と希望のようなものを持ちながら、何も知らない人がそこへ入っていって災害に遭われるという、これが一番お気の毒なことでございますので、そういう方々に警告を発する意味、また人生の設計に基本的な問題としての自分が住む位置というものをどういうふうに確認させるかということを周知徹底させることは大変重要であると思いますので、建設省、国土庁、来年一月六日から一つになるわけでございますので、関係官庁と連絡をとりながら、万全を期すために御指導、御鞭撻を国会の方からもいただきたいと、心からの感謝を申し上げまして、びしっとしているかどうかわかりませんが、御答弁にいたしたいと存じます。
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田村公平#19
○田村公平君 なかなかふだんと違ってびしっとしておられるようでございまして、そういう意味で周知徹底させるということはお金もかかるわけですから、地方自治体等を含めた財政的支援も、PRというのは一番お金がかかるんです。いつも言うんですが、役所は大体PRが下手であります。だから、本当にそういうことも含めましてよろしくお願いいたしまして、質問を終わります。
 ありがとうございます。
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江本孟紀#20
○江本孟紀君 民主党の江本でございます。よろしくお願いします。
 今回のこの法案は土砂災害防止対策のための法案でありますから、民主党の方でも賛成の方向でまとまっております。
 そこで、土地利用規制や宅地造成規制といった問題はほかの議員にお任せいたしまして、私は災害対策の観点から質問させていただきたいと思います。
 災害というのはいろんな災害があるわけですけれども、土砂災害も当然含まれますし、この原因として、例えば大雨とか地震とか、また台風、火災、火山、もっと広い範囲でいえば戦争なんかも入るのではないかと思います。しかし、自然の災害というものは、どんな対策を立てても人間は無力であるというのは今までの数々の事例でも証明されております。
 そこで、今回の本法案に関しまして、これはハード面での従来からの対症療法としての土建中心の発想を転換して、ソフト対策の面で大臣が基本指針を作成し、そして予防と危機管理に重点を置いた法案であるというふうに解釈をしておりますけれども、建設大臣はどういうお考えでございましょうか。
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中山正暉#21
○国務大臣(中山正暉君) お説のとおりに、危機管理ということは、特に世の中の集中的な注目を浴びている時代だと思います。今お話がありましたように、戦争というものがないことを祈りたいと思いますが、何が起こるかわからないのが世界の状況でございますので、そういうことも含めました危機管理対策というのは、今般私も経験をいたしまして、衆議院の本会議で都市計画法と建築基準法の改正案の質疑に入りました十分後に有珠山噴火の一報が入ってまいりまして、私はすぐに衆議院の本会議場で今噴火したということを申し上げると同時に、小渕総理からそういう場合にはすぐに対策本部長に就任してほしいという御依頼を受けていましたので、議長のお許しを得、議場のお許しを得てすぐに総理官邸に駆けつけまして、そして小渕総理から正式に対策本部長の指名を受けました。
 関係閣僚会議、省内で話し合ったときにも、私はあれもちょっと時間のロスではないかなと。事前にそういう中枢本部みたいなものを立ち上げておいてそれで対応するというような、アメリカのFEMAとか、いろいろ制度があるようでございますが、今の人的な組織とかにもいろいろ問題はあると思いますけれども、そういう危機管理に対する基本的な対応というのを、だんだん今までの実績を積み上げて、例えば阪神・淡路大震災のときには自衛隊の出動が五時四十六分に震災があったのに十時過ぎになっている。今度は初めから自衛隊も参加してくれていまして、大変心強い感じがいたしたわけでございますが、いろいろとそういう対応に万全を期していく。
 本法案は、土砂災害から国民の生命、身体を保護するため、土砂災害が発生するおそれのある土地の区域を土砂災害警戒区域として明らかにして警戒避難体制の整備を図ること、これはいわゆるイエローラインでございます。それからまた、土砂災害警戒区域のうちの土砂が直撃すれば家屋が倒壊し住民の生命に危険が及ぶおそれのある区域を、レッドゾーンでございます、土砂災害特別警戒区域として、そこでの開発行為の制限と建築物の構造規制及び住宅の移転促進を講じること、そういうことを内容とした被害を受ける地域について土砂災害を防止するためのソフト対策法ということでございます。
 したがって、平常時における土砂災害の予防と災害発生時の被害軽減とをあわせて目的とするものでございまして、御指摘の趣旨を含んだ法案である、土砂災害に対して万全を期すという意味の法律であると、かように解釈しております。
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江本孟紀#22
○江本孟紀君 対策はよくわかりました。
 本法案の成立によって土砂災害の予防策それから抑制策が実施されれば砂防関連の莫大な支出が減るんではないかというふうに思います。
 実際に災害がそこで発生した場合の措置について、今とちょっとダブるかもしれませんけれども、お尋ねいたします。
 本案の第二十八条には、「国土交通大臣は、土砂災害が発生し、又は発生するおそれがあると認められる場合において、」「緊急の必要があると認められるときは、都道府県知事に対し、」「必要な指示をすることができる。」となっております。この「緊急の必要」という状況はどういう状況を想定しているのか、また都道府県の知事に対して行う「必要な指示」というのはどういうことなのか、具体的にお願いしたいと思います。
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竹村公太郎#23
○政府参考人(竹村公太郎君) 本法案におきまして、国土交通大臣の緊急時の指示と申しますのは、国民の生命、身体の保護のため緊急的に知事の事務の的確な処理を要する場合を想定しておりまして、例えば大規模な地震が発生した直後だとか集中豪雨が発生した直後などを想定しております。
 具体的な指示の内容としましては、土砂災害警戒区域等の指定の促進を指示したり、開発行為に関しましては既に許可してあったものの条件の変更、または工事の停止の命令などの的確な実施等をいたしまして、ソフト対策の一環としてございます。
 このようなソフト対策の一環と、現在、先ほど申しましたが、十七万七千という災害危険箇所のところで雨のたびに心を震わせている方々のために、私ども、ハードとしての砂防三法によりまして、今後とも精力的に安全な地域、国土づくりに邁進してまいりたいと考えております。
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江本孟紀#24
○江本孟紀君 今の指示というのはちょっと時間的にどうなのかなという疑問は多少残りますけれども、ぜひともこういった状況を的確に指示していただきたいと思います。
 次に、有珠山が噴火しまして、まだまだ予断を許さない状況になっておりますけれども、予知情報が今回正確だったために事前に住民に避難勧告が出され人的な被害が全くなかったということは、予知と予防はいかに災害対策に効果があるかというのを実証したものであり、まさに今回の本法案と趣旨が合致するものであると思います。
 そこで、具体的なケースについて少し質問させていただきます。
 本法案にも警戒避難体制の整備がうたわれておりますけれども、有珠山周辺の住民の中で避難勧告を拒否した方がいたようですね、お一人、一家族ですか。そういうことですが、勧告とはある行動をとるように勧めることということで、強制できる法的な根拠がありません。ですから、住民の自主的な判断にゆだねたり、自治体が情報の空振りを懸念して警戒区域の設定を逡巡してしまうようなケースも出てくるかもしれません。
 災対法の六十条からの解釈で勧告と指示の違い、さらに罰則規定がどうなっているのか、それからまた適用された例があるのか、それから強制力を伴う命令はだれがどんな状況で出すのかということをお聞きしたいんです。昨年か一昨年でしたか、河川の中州でキャンプをしていた方が勧告を無視してそのまま濁流にのまれて亡くなられたというような、これは警察や消防の方々の勧告を無視した形になったわけですけれども、こんな例もあるんですが、その点についてお伺いしたいと思います。
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生田長人#25
○政府参考人(生田長人君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のように、災害対策基本法上、避難に関する規定というのは二つの条文から成っておりまして、第六十条というのが先生がお話しになりました避難の指示または勧告の規定でございます。こちらの方は、災害が発生し、または発生するおそれがある場合で、かつ人の生命または身体を災害から保護するため特に必要があると認める場合に市町村長が発動できるということになっているわけでございます。
 もう一つの条文が第六十三条に基づくものでございまして、こちらの方は、六十条の場合と比較いたしまして、災害の発生がより急迫している、かつ人の生命または身体に具体的な危険が及んでいるという場合でございまして、この場合には市町村長は警戒区域の設定ができることになっておりまして、その警戒区域の設定がなされますと、立入制限であるとか立入禁止あるいは退去命令、こういったことができるようになっておるわけでございます。こちらの後段の六十三条の方は強制力を持っておりまして、罰則の規定で担保されているということでございます。
 それから、警戒区域の指定の例ということでございましたでしょうか。
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江本孟紀#26
○江本孟紀君 はい。
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生田長人#27
○政府参考人(生田長人君) その点につきましては、毎年大体五、六回程度警戒区域というのは指定してございます、設定される例がございます。そのほとんどが台風あるいは集中豪雨のケースでございますけれども、火山の例といたしましては、雲仙・普賢岳の例、それから一昨年だったと思いますが、平成十年に北海道の駒ケ岳でやはり警戒区域の設定をしたことがございます。いずれの場合も警戒区域が設定された場合には退去命令は例外なく出されております。
 それから、違反した人に対して罰則を科した例があるかという点につきましては、これはございません。
 以上でございます。
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江本孟紀#28
○江本孟紀君 私も、七年前、八年前ですか、参議院に参加いたしましてからずっと災害対策特別委員会に所属している間に、釧路沖、奥尻、雲仙、一番でかかったのが最後に神戸の大地震と、ほとんどかかわってきたんですけれども、そこでちょっと気づいたことなんですが、先ほど大臣もFEMAのお話をされましたけれども、その件についても実は以前の災害対策でも私はお話ししたことがあるんです。そのことも含めて、マスコミの報道というのがその中でちょっと気になる部分があるんです。
 それは、過去の災害報道もそうなんですけれども、今度の有珠山もそうですが、前半は非常に衝撃的な映像を撮りたいというような意図が割方あるんですね。被災者にとって必要な情報と不必要な情報がそういう災害が起きたときには非常に錯綜しておって、私は、その災害報道のあり方というものについても検討すべきじゃないかと、災害にかかわったときに一つ感じたことなんです。
 そこで、先ほど大臣もお話ししておりましたけれども、国土庁長官を本部長といたしました平成十二年有珠山噴火非常災害対策本部を設置いたしまして、その中で、報道対策も含めてその役割と権限というものを少しお話ししていただきたいと思います。
 というのは、国土庁の作成した報告書の中に「各省庁の対応」という報告がありまして、省庁別に支援体制を組んでおるようですけれども、本部長である国土庁長官の指揮下に各省庁があるというふうに理解をしてよろしいのかどうか、それとも各省庁の独自の判断で動いておるのか、また災害対策の総括責任者はだれなのか、組織の構成と権限についてお話をしていただきたいと思います。
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生田長人#29
○政府参考人(生田長人君) お答えを申し上げたいと思います。
 まず、非常災害対策本部の役割といいましょうか権限についてお答え申し上げます。
 この本部の最も重要なものは、非常災害に際しまして緊急にとるべき措置を定めましてこれを実施に移すことであります。そのために、指定行政機関の長、これは各省庁の長でございますけれども、それから地方公共団体の長あるいは指定公共機関、例えば日赤であるとかNHKとかでございますが、こういったものが防災計画に沿って実施に移す災害応急対策、これが最大の効果を相まって発揮できるように総合的な調整をするというのが本部の役割というぐあいに定められているわけでございます。
 本部長の権限につきましては、まずはその災害応急対策を的確かつ迅速に実施するために、必要な限度においてこういった関係指定行政機関の長であるとか地方公共団体その他に対しまして必要な指示ができるということになっているわけでございます。非常災害対策本部がその機能を十全に発揮するためには、それぞれの機関が総合的に調整されて総合的な対策を実施しなければいけないわけでございますが、それらの権限を調整するという権限が非常災害対策本部長にも与えられているわけでございます。
 現実には本部長の指揮のもとに非常災害対策本部の本部会議というのが開かれておりまして、その中で災害応急対策に関する基本方針が定められて、この方針に従って政府の各省庁がそれぞれ一丸となって応急対策を実施に移すということになっております。状況状況に応じましてそれぞれ調整は行われているということでございます。
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