経済・産業委員会

2000-11-27 参議院 全107発言

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会議録情報#0
平成十二年十一月二十七日(月曜日)
   午前九時四十分開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月二十四日
    辞任         補欠選任   
     続  訓弘君     木庭健太郎君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         加藤 紀文君
    理 事
                保坂 三蔵君
                山下 善彦君
                円 より子君
                梶原 敬義君
    委 員
                加納 時男君
                倉田 寛之君
                陣内 孝雄君
                畑   恵君
                真鍋 賢二君
                吉村剛太郎君
                足立 良平君
                平田 健二君
                本田 良一君
                藁科 滿治君
                木庭健太郎君
                山下 栄一君
                西山登紀子君
                水野 誠一君
                渡辺 秀央君
   国務大臣
       通商産業大臣   平沼 赳夫君
   政務次官
       通商産業政務次
       官        坂本 剛二君
       通商産業政務次
       官        伊藤 達也君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        塩入 武三君
   政府参考人
       金融再生委員会
       事務局次長    大谷 禎男君
       金融庁総務企画
       部参事官     浦西 友義君
       中小企業庁長官  中村 利雄君
   参考人
       預金保険機構理
       事        花野 昭男君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○中小企業信用保険法及び中小企業総合事業団法
 の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)



    ─────────────
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加藤紀文#1
○委員長(加藤紀文君) ただいまから経済・産業委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る二十四日、続訓弘君が委員を辞任され、その補欠として木庭健太郎君が選任されました。
    ─────────────
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加藤紀文#2
○委員長(加藤紀文君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 中小企業信用保険法及び中小企業総合事業団法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に金融再生委員会事務局次長大谷禎男君、金融庁総務企画部参事官浦西友義君及び中小企業庁長官中村利雄君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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加藤紀文#3
○委員長(加藤紀文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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加藤紀文#4
○委員長(加藤紀文君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 中小企業信用保険法及び中小企業総合事業団法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に預金保険機構理事花野昭男君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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加藤紀文#5
○委員長(加藤紀文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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加藤紀文#6
○委員長(加藤紀文君) 中小企業信用保険法及び中小企業総合事業団法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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藁科滿治#7
○藁科滿治君 民主党・新緑風会の藁科でございます。
 まず最初に、中小企業対策の中長期的な展望について少しくお尋ねをしたいと思います。
 昨年、中小企業基本法が改正されました。この基本法の改正によりますと、我が国の中小企業政策の基本理念が従来の保護、育成から活力ある成長発展へと、こういう方向に転換をされました。二十一世紀に向けての中小企業の方向性として、私は適切な転換であったというふうに考えております。
 しかし、我が国の中小企業の実態を見てまいりますと、一部の企業群で経営力、技術力を向上させ独自の成長発展というものを引き出しておりますけれども、その他の大方の集団は依然として大変難しい状況にあるわけであります。特に、受注面とかあるいは金融面とか相変わらず四苦八苦しているというのが現状ではないかと思います。
 そこで、こういう状況から脱却して、まさに掲げた基本理念の方向にリードしていくためには、通産行政がしっかりした中長期的なプログラムを持つべきではないかと私は思いますけれども、大臣からそこらの見解について伺いたいと思います。
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平沼赳夫#8
○国務大臣(平沼赳夫君) 藁科委員御指摘のとおり、中小企業が置かれている環境というのは非常に厳しいものがあることは事実でございます。
 一方、中小零細企業というのは、企業数では全企業の九九・七%を占める、また中小企業が受け持ってくださっている雇用も全雇用人口の七二・七%を受け持っていただいている、言ってみれば我が国経済の基盤をなしていただいているわけであります。
 先ほど御指摘のように、昨年秋の臨時国会におきましてこれを中小企業国会と名づけまして、委員各位の皆様方の御協力をいただいて三十六年ぶりに中小企業基本法を抜本改正いたしたところでございます。そして、資金や人材や情報、技術など、中小企業の多様なニーズに対応したきめ細かな対応策の整備を推進してまいりました。
 具体的には、小規模企業者及び創業者向けの無利子の貸付制度あるいはリース制度の創設や担保に乏しいベンチャー企業向けの資金供給制度の創設など、多様な中小企業に対する資金面の支援強化を図ってまいりました。御指摘のとおり、資金面で非常に厳しいものがございますから、そういった対応をさせていただきました。
 また、創業段階における試作品開発資金の助成や開業資金の融資、これはマル経融資制度あるいは設備近代化資金貸し付けですが、それから成長初期段階における直接金融措置、中小公庫によるワラント債の引き受け、既存中小企業の経営革新に対する融資制度、経営革新貸し付け、こういったことを整備することによってきめ細かく対応をさせていただいているところであります。中小企業の発展段階に応じた資金供給の充実をこうして図ってまいっているところでもございます。
 さらには、ナショナル支援センターを初めとして、都道府県等支援センター、地域中小企業支援センターの整備によりまして、中小企業の発展段階に応じたソフトの面からの総合的な支援、この体制の充実も図っているところでございます。
 今後とも、こうした施策の総合的な実施によりまして、昨年の経済新生対策に掲げた、具体的に申し上げますと五年後において年間開業企業数が現在より十万社程度多くなる、現在十四万社でございますけれども、二十四万社の新規開業、こういったことをサポートして中小企業の基盤を強めていこう。それから、新規株式公開企業の大幅な増加を図っていこう。さらには、今後三年から五年の間に創造的な中小企業の数が一万社程度ふえる、こういった目標を実現させるために中小企業政策の推進に努力をしていきたい。また、委員御承知のように、金融面におきましては厳しい中で特別保証制度を実施してまいりました。さらに、これはもう既にお願いをして実現の運びと相なりますけれども、来年の四月からは一般保証の形で枠を拡大して資金面のそういう援助も一生懸命行っていこう、こういうふうに思っているところでございます。
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藁科滿治#9
○藁科滿治君 関連して後ほどまた少し質問させていただきますが、とりあえず先へ行きたいと思います。
 特別信用保証制度の問題でございますけれども、この制度は平成十年十月に施行されましてちょうど二年余りということになってくるわけでございまして、私どももいろいろ分析を振り返りながらしているわけでございますが、どうも問題点も非常に多いということを痛感しております。
 この際、通産省として、この二年間の政策効果というものを率直に明暗両面含めて、功罪両面含めてお考えを伺いたいと思います。
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坂本剛二#10
○政務次官(坂本剛二君) 特別保証制度の功罪について述べてみよということでありますが、御承知のように、未曾有の貸し渋り、大変な危機状況に陥った中小企業を救うために平成十年の秋から臨時異例の措置として導入されたものでございます。本年十月末までに百四十三万件、二十四兆一千億円と大変多くの中小企業の方々に利用されております。この制度が創設されなければ、多くの健全な企業が資金繰り難による倒産の危機に瀕したと考えられております。
 この制度を中心とする一連の金融システム不安、信用収縮対策の効果として、平成十年度それから平成十一年度合計で、ただいま大臣からもお話しありました約一万社、負債総額約二兆円の倒産が回避されまして、約十万人の雇用が維持されたと推計されております。我が国経済がデフレスパイラルに陥ることなく、多大な効果があったと評価をされております。
 また一方で、特別保証制度について、代位弁済の増加やいわゆる口ききの問題などが報道されて取り上げられていることも承知をいたしております。特別保証制度においても、業績が極端に悪化し大幅な債務超過の状態に陥っている場合や、あるいは保証申し込みに際し不法な金融あっせん屋等の第三者が介入する場合にはネガティブリストに該当し、保証承諾を行わないこととしておるわけでございます。
 しかし、一〇%という高い事故率を想定して必要な予算措置を行い、ネガティブリストに該当しない限り原則として保証を承諾するという国の方針のもと、保証協会に対し趣旨にのっとった迅速な処理に努めるよう指示して実施してきた制度でございます。そのため、代位弁済や悪用事例が一般保証に比して多いことはいたし方ない面があるわけでございます。
 本制度はあくまで臨時異例の措置であり、さきにも述べましたように、緊急対策としては大変大きな効果を上げたわけでございますが、最近になって悪用等の問題が顕在化してきていることも事実でございます。本年度末の期限到来とともに終了することが適当である、このように判断をいたしております。
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藁科滿治#11
○藁科滿治君 次に、問題点の一つである代位弁済、いわゆる焦げつきの問題でございます。
 本年十月までに二万八千六百件余り、金額で四千三百七十一億円、率で二%、一部の報道で予測をはるかに超える問題の数字であるということも言われております。常識的に考えれば、二年で三万件近くということでありますから、これは到底小さい数字とは言えないと思うんですね。
 帝国データバンクの調査によりますと、本年二月で若干古い調査ではありますが、負債一千万円以上で倒産した企業のうち、特別保証制度を利用し、そして利用後に倒産した企業は累計で二千五百八十二件、率にして一一・四%に及んでいると。つまり、特別保証を受けても結局十件に一件は倒産しているという状況になるわけでございます。
 通産省は、この代位弁済に至った個々の原因、背景についてどのように分析をされておるか、この点、少し踏み込んで内容を明らかにしていただきたいと思います。
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坂本剛二#12
○政務次官(坂本剛二君) 先生御指摘のように、確かに四千三百七十二億円、比率一・八二ということでございますが、これは現時点では想定代位弁済率一〇%に比べまして低い水準だなと、このように考えております。しかし、近い将来代位弁済となる蓋然性が高いと考えられる案件の動向から見て、今後しばらくの間、代位弁済率はある程度増加するものと見込まれております。
 しかしながら、特別保証に係るこれまでの代位弁済実績をもとに一定の推計を行いますと、想定一〇%をかなり下回る水準にとどまるとの推測も可能でございます。現時点では想定を上回るおそれは小さいのではないか、このように考えておるわけでございます。
 いずれにいたしましても、代位弁済の動向につきましては、今後の景気動向もあわせ注視していくことが重要であると認識しております。
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藁科滿治#13
○藁科滿治君 指摘されているように、代位弁済の内容を掘り起こしていきますと、そこには審査体制の問題というものが浮上してまいります。
 現在、各都道府県の信用保証協会の審査体制では書類さえ整っていればパスができるというようなことを言われておりますし、さらに審査をめぐって悪徳ブローカーが介入するとか、それから最近、耐えられないことでありますが、政治家秘書の口きき問題がいろいろの問題を起こし、ある面では社会問題にもなっている、事件にもなっているということでございます。このような事件がまかり通るというのは、やはり保証条件を満たしていない中小企業への保証というようなものが背景にあるのではないだろうかということを心配しております。
 データバンクの調査によりましても、特別保証を受けて倒産した企業のうち、安定化資金導入から倒産に至るまでの期間がわかっている対象企業ですが、三百九十社のうち六カ月未満に倒産した企業は百六十四件、実に四二%に及んでいるんです。まさに倒産寸前でも安易に保証をするという状況をこれは示しているわけで、審査体制の大きな問題点として指摘をしなければならない、このように考えております。
 一方、融資する金融融資側の状況につきましても、一〇〇%信用保証をつけたり、その融資を既債務の返済に回すように求めたり、さらに倒産した場合は安易に代位弁済を求めるなど、いわゆるモラルハザードの問題が浮上してきております。
 ある面ではこの制度は金融機関を救済するための施策かという厳しい意見もあるわけでございまして、これから無担保保証などについてどういう防止策を講じようとされているのか、この点についてのお考えをお聞きしたいと思います。
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坂本剛二#14
○政務次官(坂本剛二君) 先ほども申し上げましたように、特別保証は臨時異例の措置、したがいましてネガティブリスト方式により積極的な保証を行うことを国の方針として決めた上で、迅速な処理に努めるよう指示し実施してきたところでございます。ネガティブリスト方式を採用しまして短期間で集中的に大量の保証を行った結果として、特別保証制度を利用した企業の中から一定の倒産や代位弁済が発生したとしても、残念なことでありますけれども、時間をかけて審査をすることが許されなかっただけにやむを得ないものであろうかと考えるわけであります。
 信用保証協会においても、特別保証制度の場合も含めて、個々の保証申し込みの審査に当たりましては、書面の審査、面接審査及び実地調査を適切に組み合わせた審査を行っております。東京を含む多くの信用保証協会においては、従来信用保証協会を利用したことのない企業からのいわば新規の保証申し込みに対しましては原則として必ず実地調査を行っております。また、当該企業からの情報に加え、必要に応じ当該企業の取引先、それから取引銀行、業界関係者からも情報を収集し、総合的な審査を行っております。
 信用保証協会は、特別保証制度に関し臨時異例の措置として積極的な保証という国策を遂行している以上、一般保証よりも高い代位弁済の発生は不可避でありますが、先ほど述べた審査体制を通じて、その中でできる限り代位弁済の発生を抑える努力をしているところでございます。
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藁科滿治#15
○藁科滿治君 あわせて、代位弁済後の回収状況はよくないですよね。中小企業庁の資料によりますと、特別保証の本年十月までの代位弁済額、四千三百七十一億円、さっき申し上げましたが、十月末までに回収した額はわずか百五十一億円、率で三・四五%という状況でございます。これから回収の努力を推進されるんでしょうけれども、余りにも回収率がよくない。これから経営改善姿勢が出てくれば回収のインセンティブが薄れていくという心配もあります。ぜひ回収の努力を積極的に進めていただきたいというふうに思っております。
 さらに、国民の税金を使った公的資金を投入するわけでありますから、大幅に追加するわけでありますから、ここらの事情は相当はっきりした形で実効を上げないと国民に対して説得力を持たないということにもなりますので、監督庁としての中小企業庁、それから金融庁、これから回収に向けての強力な指導をどのような形でやろうとされるのか、ぜひ決意のほどを伺いたいというふうに思っております。
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中村利雄#16
○政府参考人(中村利雄君) 先生御指摘のとおり、特別保証制度にかかわります回収率でございますが、十月末現在で三・四五%ということで、まだ低い水準にとどまっておるわけでございます。
 ただ、過去の信用保証制度の実績から見ていますと、代位弁済後の回収に大体十年以上の長期間を要する場合も多うございまして、特別保証制度にかかわる回収がまだ始まったばかりの現段階で現在の回収実績の数値をもとに最終的な回収額を議論するのはまだ早いんではないかというふうに思っております。ただ、特別保証制度の保証額の大半は無担保保証でございます。こういうことを考えますと、なかなか厳しいものがあるというふうに私ども認識いたしております。
   〔委員長退席、理事保坂三蔵君着席〕
 今後の回収率の向上のために、経営者等との日常的な接触を通じて地道な回収を行うことが必要でございます。それに対応した適切な回収体制を整備することがまた重要であるというふうに考えておりまして、こうした認識のもとに、私どもといたしましては、信用保証協会に対しまして債権回収会社いわゆるサービサーの活用を含め、求償権の回収体制の整備を図るよう指導いたしております。
 今国会に提出いたしております中小企業信用保険法案の改正におきましても、信用保証協会が回収業務をサービサー会社に委託することに伴う法的手当てを盛り込んでおります。これを受けて、信用保証協会は共同してサービサー会社を設立するという方向で今進んでいるわけでございます。
 今後、こうしたことを活用いたしまして、回収能力の向上に努めて、その責めを果たしたいと考えております。
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浦西友義#17
○政府参考人(浦西友義君) お答え申し上げます。
 金融庁といたしましても、通産省と協議の上、回収率の上昇に努力しておるところでございます。
   〔理事保坂三蔵君退席、委員長着席〕
 先ほどお答えにもありましたが、信用保証協会に対しましては、新設あるいは既存のサービサー会社の活用を促進いたしまして、求償権の回収体制の整備を図るよう指導してまいりたいと思っております。
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藁科滿治#18
○藁科滿治君 ぜひひとつ積極的な努力をお願いしたいと思います。
 ここで銀行の貸し渋りの問題についても少し触れたいと思います。
 この特別保証制度の打ち切りの背景には、貸し渋りの状況が山を越えたというような判断があるんではないかと思いますけれども、そのこと自体は悪いことでは決してありません。しかし、中小企業の実態の面から見ますと、果たしてそのような楽観する状況にあるんだろうかということを心配いたします。
 ここに信用保証協会の九月中旬の調査の結果が出ておりますけれども、例えば七—九の資金繰りについては前期に比べ悪化度合いは変わらない、こういうのがありますし、資金の借り入れ難易度は悪化度合いがやや強まっている。それから、信用保証利用は、利用割合はやや低下したが、保証利用に対する金融機関の要請の強まり度合いは変わっていないと。こういう例から見ますと、どうも状況はそんな安易なものではないというふうに、私どもこの実態調査の上で感じるわけでございますが、どのようにお考えになっておられますか。
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坂本剛二#19
○政務次官(坂本剛二君) 中小企業をめぐります金融情勢につきましては、累次の経済対策の効果もありまして、一昨年の貸し渋りの時期と比べれば顕著に改善しているものの、厳しい状況からいまだ脱却したとは言い切れない状態にもあるわけでございます。
 中小企業庁が毎月実施しております中小企業へのアンケート調査があるんですが、それによりますと、「条件不変・サービス低下」、「条件が厳しくなった」は一昨年の秋以来非常に減少傾向にあると、このようになっておりますし、具体的には、平成十年十月では三五・五%の数字があったんですが、平成十一年十月には二五・一%に下がりました。それから、本年十一月直近のデータでは一九・八%まで減少しておるわけでございます。
 このような状況の中で、臨時異例の措置であります特別保証制度の期限が来年三月に到来することを踏まえ、ただいま審議をお願いしております法改正等を通じまして、中小企業者の資金ニーズに十分対応できるよう、一般信用保証制度の無担保保証の限度額を八千万に引き上げる、あるいは取引先企業の倒産や取引先金融機関の破綻、さらには災害等によって経営の安定に支障を生ずる中小企業者に対するセーフティーネットとしての信用保証制度を拡充する、あるいはまた政府系中小企業金融機関においても、セーフティーネットとしての信用保証制度と同様の中小企業者を対象とするセーフティーネット貸し付け制度を整備いたしまして、担保徴求等につき従来以上に制度運用を充実するといった対策を通じて中小企業に対する円滑な資金供給を引き続き確保してまいりたい、このように考えております。
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藁科滿治#20
○藁科滿治君 時間がないので、次に移りますけれども、信用保証協会の経営状況について少し質問をいたします。
 現在、全国で五十二ある協会の経営状況が悪化しているということが指摘をされております。しかも、この特別保証制度以降一段と悪化している、こういうふうに言われているわけであります。この協会全般の経営状況について、どのように掌握されておられますか。
 それから、特に大阪信用保証協会についてはかねてからいろいろ話題になっているわけでございまして、平成十年度では約二百七十一億円の赤字、同じく十一年度は二百四十億円の赤字ということで、大変問題な状況になっているわけでございますが、こういう例は他の協会でもあるのかないのか、状況を聞かせていただきたいと思います。
 特に、今回の補正予算では、この協会へ百三十三億円の補助金の交付、そして総合事業団へは六百六十八億円の資金ということが追加処理されることになりましたけれども、こういう背景から言いましても、これから補正予算の配分については、十分協会それぞれの事情を踏まえて的確な判断と対応をしていただきたいという要望も含めまして、少し実情を伺いたいと思っておるんです。
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中村利雄#21
○政府参考人(中村利雄君) 信用保証協会の経営状況でございますが、まず御指摘の大阪府の中小企業信用保証協会でございます。
 ここにつきましては、バブル経済の崩壊等の影響によりまして財務内容が非常に悪化いたしまして、大阪府の検査等によりまして、適正な代位弁済の実行に支障を生じているというふうに認められました。またさらに、今後の保証業務については中小企業に対する金融の円滑化に支障を来すのではないかということで、平成十年三月六日付をもちまして、同協会を経営の改善を要する協会に当時の共管官庁でございます大蔵省とともに選定したところでございます。
 これを受けまして、同協会では、代位弁済の解消、求償権回収の強化並びに国、大阪府及び金融機関の財政支援を骨子とする経営改善計画を策定しまして、これまでのところ、ほぼ計画どおり進捗いたしております。国及び大阪府の指定については既に終了をいたしているわけでございます。
 これ以外に、大阪市というのがございます。これもほぼ同様の状況で経営が悪化しております。このために、大阪市信用保証協会につきましては、本年の十月に大阪府と同様の経営改善の要する協会として指定をしたところでございます。今後、経営改善計画の策定が行われる予定でございます。
 大阪府と大阪市を除きます全国五十の信用保証協会につきましては、過去数年以上にわたり健全に経営が行われておりまして、今のところ特に収支の悪化の懸念はないというふうに認識いたしております。
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藁科滿治#22
○藁科滿治君 それでは、最後に大臣にもう一回御質問させていただきます。
 時代も変わり環境も変わって、中小企業の指導対策については多様な指導ということが求められておりますけれども、しかし一方で、中小企業対策の根幹にあるものは結局金融対策であるとも言われております。ある面で私は当たっていると思います。
 明年の通常国会では、我が国全般の金融システムの見直しも含めた、そういったものを視野に入れたいろんな論議が展開されると。具体的には、金融再生法あるいは早期健全化法というものも既に準備に入っているようでございますが、この際、中小企業の対策についての決定的な重みを持っている金融対策については、後手後手ではなくて、景気対策、景気対策ではなくて、本来あるべき中小企業の中期的な金融対策あるいは根本的なシステムというようなものについてはっきりした考え方を持っていくべきではないかというふうに私は思うんですが、そこらについてのお考えがあれば承りたいと思います。
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平沼赳夫#23
○国務大臣(平沼赳夫君) 藁科先生御指摘のとおりだと、私はこのように思っております。
 近年の金融自由化の進展の中で、企業の資金調達手段は一般に多様化をしております。中小企業の資金調達の主流は、御承知のとおり、依然として金融機関の融資に代表される間接金融となっているわけであります。しかも、我が国の民間金融機関というのは物的担保を重視する、こういう傾向が非常に強くて、担保を十分保有していないそういった企業というものは、特に中小企業はそうなんですけれども、必要な資金を容易に調達できないのが実態であるわけであります。したがって、大企業との競争条件を整備するという観点からも公的金融や公的信用補完による政策的な支援が必要であると考えて、これまで一連やらせていただいています。
 中小企業に対する政策金融の今後のあり方についてでございますけれども、民業補完をやはり基本としなければならないと思っています。中小企業を取り巻く経済的、社会的環境の激変に円滑に対応するためのセーフティーネットとしての役割をさらに充実する、これまでの担保徴求を前提とした融資制度の見直しや信用リスクに応じた金利等の設定など、中小企業の多様なニーズに応じた柔軟な制度設計を推進していく必要があると、こう思っております。
 また、資金調達手段を多様化していく観点から、中小企業にも直接金融へのアクセスをより容易にするための環境整備、例えば私募債発行に対する信用保証制度の創設あるいは中小企業総合事業団の出資制度、こういったものを、やはり今御指摘のそういう面がございますからそこを充実していかなければならない、こういう考え方で臨んでいきたいと思っております。
 さらに、民間金融機関等が中小企業の信用リスク評価に基づき、担保によらない資金供給を行う際の一つのよりどころとなるよう、当省といたしましても、信用保証協会や政府系金融機関の保有する取引先企業データを活用するためのデータベースの構築などを行っているところであります。
 現在、データベースのシステムの設計、開発を進めているところでございまして、平成十三年の春から信用保証協会を中心にシステムの試行的運用を開始してまいりたい、このように思っております。その後平成十四年以降にかけて民間金融機関等の本格的な参加へと展開をしてまいりまして、担保によらないそういう直接的な支援体制、こういうものも組んでいきたいと思っております。
 今後とも、御指摘のとおり、中小企業者に対する資金供給の円滑化や多様化を図るための適切な措置を次の通常国会に向けても鋭意努力をしてまいりたい、このように思っております。
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藁科滿治#24
○藁科滿治君 ありがとうございました。
 以上で終わります。
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山下栄一#25
○山下栄一君 短時間でございますけれども、質問させていただきます。
 ただいま藁科委員からお話があった問題でございますが、信用保証協会による特別保証制度、これは発足して二年になると。
 十月十七日に、金融ブローカーが十数人逮捕されたという。その後も、都議会議員が逮捕され、国会議員の秘書も逮捕されているという事態が続いておるわけでございます。これは景気対策として、また貸し渋りにあえぐ中小零細企業を何とか救済して景気のてこ入れをという熱い思いで始まった制度が金融ブローカーによって食い物にされていたと、こういうことなんですけれども、これについてはいろいろ報道をされております。
 金融ブローカーの手口ですけれども、要するにつぶれそうな会社を探してきて、そして書類も会社側で申請する書類では通らないからとブローカーが決算書を改ざんして、そして二千万、五千万融資させて、法外な手数料を取っているというそんなことになっておるわけですけれども、ある金融ブローカーは年間一億円、これで稼いでいたということですね。
 こういうことの背景に、先ほども政務次官からお話ございましたように、質問もございましたけれども、審査を緩くしてやるところに意味があったわけですけれども、その審査が余りにも形骸化しているということ。金融ブローカーの方が上手だと。信用保証協会の審査を見抜いて、商売になっておるという、こういうことが広がっている中で、信用保証協会を認可する権限は要するに通産大臣にあるわけでございまして、そういう観点から、私、この信用保証協会の実情をやはり知る必要があるんじゃないのか、こういうことをされているのかなと。
 信用保証協会法の三十五条によると、必要があると認めるときは報告及び立入検査もできると書いてあるわけですけれども、今まさにこういうことをやるときじゃないのかなと思うんですけれども、いかがでしょうか。
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平沼赳夫#26
○国務大臣(平沼赳夫君) 確かに、御指摘のとおり、この特別保証制度というのは非常に効果が上がりましたし、先ほど藁科委員からの御質問にも総括政務次官がその明と暗の部分、お話をさせていただきましたけれども、本当に残念でありますけれども、御指摘のような一部の悪徳ブローカーによってせっかく設けた特別保証制度が汚されている。こういう結果に相なって本当に私どもは残念なことだと、このように思っているわけでございます。
 通産省も、監督官庁でございますのでこれから厳重に、今もやっているわけでございますけれども、今回報道されている東京信用保証協会関係の保証制度悪用事件については、委員御指摘のとおり、この件に限らず信用保証制度の運営について適正に行われることは当然のことだと思っています。
 保証協会においては、従来から書面審査、面接審査及び実地調査を適切に組み合わせ適正な制度の運営に努めていると承知しておりますけれども、また保証申し込みに際して不法な金融あっせん屋の第三者が介在する場合には保証承諾は行わない、こういう原則で来ております。
 通産省といたしましては、保証協会が既に講じている対策の徹底を改めて指示するとともに、事実解明の状況をにらみつつ中小企業者への注意喚起の徹底をいたしておりますし、面接審査等の一層の活用、さらには金融機関の窓口における適切な対応等の観点から、悪用の防止に向けたさらなる具体的対策について金融庁とも連携協力しつつ検討をしていきたいと考えております。
 なお、特別保証制度終了後においては、ネガティブリスト方式による審査を行わずに、個々の中小企業者の実情に応じたきめ細かな審査を通じて総合的な判断を行うこととしておりまして、制度を悪用される危険性はこれまで以上に小さくしなければならない、このように思っておりまして、本当にそういう一部悪徳ブローカーが介在したことによってこの制度全体の評価がゆがめられてしまっている、こういうことは残念でありますけれども、しかし総体的に言えばこの制度によって大変中小零細企業が救われた、こういうことがございますので、監督官庁としてさらに徹底をして、国民の大変な血税をそれに回しているわけでございますから、そういう観点からも遺漏なきように期していきたい、このように思っております。
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山下栄一#27
○山下栄一君 景気対策に大変な効果を発揮していることはそれはそれでわかっているんですけれども、私は国のやはり監督責任を具体的にやるべきじゃないかということを申し上げているんです。
 この特別保証制度、二年たって、信用保証協会から監督責任に基づいて報告とか検査というようなことを国がやったことはあるんですか、この二年間で。
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中村利雄#28
○政府参考人(中村利雄君) 中小企業庁といたしましても、今回のような事件が起きたということについては大変残念に思っているわけでございます。
 信用保証協会に対しましては、これまでも定期的に立入実地検査を実施いたしております。例えば、平成九年四月以降で約二十五件の立入検査をいたしております。加えまして、不祥事件等がございましたような場合を含めまして報告を徴収いたしているところでございます。平成十一年度におきましては、信用保証協会法第三十五条に基づく報告は約四百四十七件ございます。
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山下栄一#29
○山下栄一君 去年の五月、これは新聞記事ですので私詳しく調べておりませんけれども、広島県で広島県警が詐欺容疑で逮捕した。ちょっと時間が余りありませんが、土木建設業者が去年の五月逮捕された。この場合、広島県信用保証協会からは、報告並びに調査はされたんですか。
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