財政金融委員会

2002-07-11 参議院 全122発言

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会議録情報#0
平成十四年七月十一日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 七月四日
    辞任         補欠選任
     中島 啓雄君     片山虎之助君
     今泉  昭君     櫻井  充君
     山根 隆治君     勝木 健司君
 七月五日
    辞任         補欠選任
     片山虎之助君     中島 啓雄君
 七月八日
    辞任         補欠選任
     櫻井  充君     今井  澄君
     大門実紀史君     井上 美代君
 七月九日
    辞任         補欠選任
     今井  澄君     櫻井  充君
     井上 美代君     大門実紀史君
 七月十日
    辞任         補欠選任
     櫻井  充君     今泉  昭君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         山下八洲夫君
    理 事
                入澤  肇君
                林  芳正君
                若林 正俊君
                円 より子君
                山本  保君
    委 員
                上杉 光弘君
                尾辻 秀久君
                鴻池 祥肇君
                清水 達雄君
                中島 啓雄君
                溝手 顕正君
                山下 英利君
                今泉  昭君
                大塚 耕平君
                勝木 健司君
                峰崎 直樹君
                浜田卓二郎君
                池田 幹幸君
                大門実紀史君
                平野 達男君
                大渕 絹子君
                椎名 素夫君
   国務大臣
       財務大臣     塩川正十郎君
       国務大臣
       (金融担当大臣) 柳澤 伯夫君
   副大臣
       内閣府副大臣   村田 吉隆君
       財務副大臣    尾辻 秀久君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        石田 祐幸君
   政府参考人
       内閣府政策統括
       官        安達 俊雄君
       外務省経済協力
       局長       西田 恒夫君
   参考人
       日本銀行総裁   速水  優君
       日本銀行副総裁  藤原 作彌君
       日本銀行理事   三谷 隆博君
       日本銀行理事   小林 英三君
       日本銀行理事   白川 方明君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○財政及び金融等に関する調査
 (日本銀行法第五十四条第一項の規定に基づく
 通貨及び金融の調節に関する報告書に関する件
 )

    ─────────────
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山下八洲夫#1
○委員長(山下八洲夫君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る四日、山根隆治君が委員を辞任され、その補欠として勝木健司君が選任されました。
    ─────────────
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山下八洲夫#2
○委員長(山下八洲夫君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に内閣府政策統括官安達俊雄君及び外務省経済協力局長西田恒夫君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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山下八洲夫#3
○委員長(山下八洲夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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山下八洲夫#4
○委員長(山下八洲夫君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に参考人として日本銀行総裁速水優君、同副総裁藤原作彌君、同理事三谷隆博君、同理事小林英三君及び同理事白川方明君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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山下八洲夫#5
○委員長(山下八洲夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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山下八洲夫#6
○委員長(山下八洲夫君) 財政及び金融等に関する調査を議題とし、日本銀行法第五十四条第一項の規定に基づく通貨及び金融の調節に関する報告書に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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中島啓雄#7
○中島啓雄君 おはようございます。自由民主党の中島啓雄でございます。
 本日は、速水総裁、柳澤金融担当大臣始め、早朝から御出席をいただきましてありがとうございます。
 まず、金融市場調節方式について若干伺わせていただきたいと思います。
 デフレ状況が継続しているという状況の中で、日銀の金融政策についてもいろいろ御苦労があろうかと思いますが、昨年の三月から、従来のコールレートを上下させることによって調節するという方式から、量的な調整ということで日銀の当座預金残高をコントロールすると、こういうことに踏み切られまして、昨年三月の段階では五兆円ベース、それから五月の段階では六兆円に増額されて、さらに十二月の段階で十ないし十五兆円ということでマネタリーベースを拡大をしてこられたと。
 最近では、大体対前年で三〇%弱ということでございますので、それによって何月危機とかちまたに言われていた状況が回避されたというような効果があったのかと思いますが、その辺の、金融調節方式を量的調整に変更されたということによる効果についてどのように把握をしておられるか、お聞かせいただければと思います。
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速水優#8
○参考人(速水優君) 中島先生の御質問にお答えいたします。
 昨年来、内外の中央銀行の歴史にも前例を見ない思い切った金融緩和措置を実施いたしました。この結果、一つには、オーバーナイト金利あるいはやや長めの短期金利もほぼゼロにまで低下してきております。また第二には、マネタリーベースの前年比、私どもの方から直接出しています金は、前年比で三割弱の高い伸び、六月末でも二七・五、四月には三六%前年比伸びて、八十五兆円といったような数字になっております。
 このような金融緩和、これは、一つにはIT分野の世界的な調整とか、また米国のテロ事件の発生とか、金融システム不安の高まりなど、我が国経済に大きなストレスが掛かる中で、金融市場の安定を確保していくことを通じて景気の底割れを回避できたというふうに思っております。
 しかし、我が国経済が様々な構造問題を抱える下で、企業の投資や家計の支出、これらは十分活発化するには至っておりません。金融緩和が力強い効果を発揮していくためには、金融システムの強化や経済・産業面での構造改革を進めて民間需要を引き出していくということが不可欠なことではないかというふうに考えております。
 以上でございます。
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中島啓雄#9
○中島啓雄君 ありがとうございました。
 景気の底割れを防いだということでは効果があったということでございましょうけれども、なかなか家計の支出まで及んでいないと。
 マネーサプライで見ますと、六月は対前年で三・四%というふうなことでございますから、昨年のベースは大体二%台ぐらいでございましたから多少増えているのかなという気もいたしますけれども、郵貯のシフトなどというのもあるらしいんで、なかなかマネタリーベースの拡大がマネーサプライの増加に結び付いていない、したがって、国内の金融機関の貸出しという面も依然としてマイナスが続いている、こういうようなことでございますが、そういったマネーサプライがなかなか増えていない、国内の貸出しにも結び付いていないといった要因がどこにあるのか、その辺についてお考えがあればお聞かせをいただければと思います。
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速水優#10
○参考人(速水優君) お答えいたします。
 銀行貸出しは、御承知のように、ずっとこのところ減少を続けております。マネーサプライの方は、経済活動との対比で見ますれば相応の伸びを維持しているということが言えますが、日本銀行が供給しておりますマネタリーベースが大幅に増加しているのに比べますと低めの伸びにとどまっております。
 これは、基本的には、銀行が不良貸出残高を持って、なかなか新しい貸出しに手を伸ばしていく、リスクを取っていくというような、いわゆる仲介機能を活発に機能させていくというふうにまだなっていなかったということ。そして、借りる方の企業も、全体としては過剰な債務を抱えてその調整が進行中であるということに加えまして、その両者、企業も金融機関も積極的にリスクを取っていくことについては極めて慎重な態度でここまで来ているといったようなことが背景になっていると思います。
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中島啓雄#11
○中島啓雄君 ありがとうございました。
 貸出しの問題が一つでございますし、もう一つの側面は物価の問題だと思います。
 日銀法でも、日本銀行の使命として、物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展を図るということが述べられているわけでございますが、残念ながら、物価という面で見ても、デフレ解消への展望というのが余り見えてこない。消費者物価指数では、ここ数か月、対前月比では若干のプラスということでございましょうけれども、相変わらず対前年ではマイナス一%前後であると。卸売物価についても同様なことになっていると思います。
 やはり、日本銀行の政策としても、あるいは政府と一体になってということかと思いますけれども、このデフレ解消ということは重大な問題でありますので、先日の総裁の概要説明の中では、「当面、物価は緩やかな下落傾向をたどるものと見られます。」と。確かに、客観的にはそうかもしれませんが、もう少し日銀としての積極的な姿勢というものが見られてもいいのではないかという気がいたします。
 政策委員会のいろいろな御議論の中で、当座預金残高を二十兆ぐらいにしたらどうかとか、あるいは外債の購入をしたらどうかとか、そういうような御提案もあったようでございますが、もう少し積極的な対策ということを今後考えられるかどうか、その辺についてお聞かせいただければと思います。
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速水優#12
○参考人(速水優君) 物価が継続的に下落することを防止していくという断固たる決意を持ちまして、思い切った金融緩和措置を講じてきたわけでございます。
 その結果、金融市場におきましては強力な緩和効果が生じております。金利の方はやや長めの短期金利までほぼゼロに低下しておりますし、マネタリーベースも、先ほど申し上げましたように、現在、前年比三割弱の高い伸びを示しております。マネタリーベースの対名目GDP比率も、過去百年間で、第二次世界大戦を除きますと、現在は最も高い水準になっております。今後とも、金融市場の安定確保と緩和効果の浸透に向けて、中央銀行としてはなし得る力を続けていく方針でございます。
 物価のお話がございましたけれども、卸売物価のことは先般概要を申し上げたときにも御披露させていただきましたが、二月から五か月間ほぼ横ばいでゼロ、前年比はまだ一%前後のマイナスでございますけれども、前月比はずっと横ばいになってきておるというのは新しい変化の一つであると思いますし、CPIの方も、もとより需給ギャップということもあるわけですけれども、主として輸入品の価格、輸入品関係の引下げが機能しているということを、私はCPIの物価がなかなか変わっていかない背景にあると思います。これも前年比で見ますると、御指摘のように一%前後のマイナスでございます。
 デフレを克服してまいりますために、金融システム面で、あるいは経済・産業面の構造改革などを通じて、家計や金融機関の前向きな活動を引き出していくことがまず先決ではないかというふうに考えております。
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中島啓雄#13
○中島啓雄君 ありがとうございました。
 確かに、卸売物価が前月で横ばいになっておるというんで多少希望が見えてきたのかもしれませんけれども、まだなかなか国民から見るとデフレ解消にはほど遠いと。
 そこで、いわゆるインフレターゲット論といいますか、私は、インフレターゲットというのはちょっと用語として余り適切でないだろうと、むしろ物価水準ターゲットというような言い方をすべきではないかと思いますが、そういったことで、望ましい物価水準ということについては、政府と日銀が一体となってやっぱり強い意思を示すということは意味のあることではないかというふうに思います。
 特に、やっぱり今の状況では、心理的にアナウンスメント効果というのもあるわけでありますから、この物価水準ターゲットを設けるということは、我が党内でも議員立法をしようかというような動きもあるわけでございまして、景気が底入れしたということで、ややデフレを解消するという力が、手が抜けているのではないかなというような気もいたしておりますけれども、やっぱり物価水準というのはある程度プラスを目指すということが大事ではないかという気がいたします。
 そういう意味で、いわゆるインフレターゲットというか、インフレターゲットと言いますと、世間的にはインフレによって国債の償還を楽にしようではないかというようなあらぬ誤解も受けますので、私は物価水準ターゲットと言うべきではないかと思いますが、これも政策委員会の御議論の中で、中長期的には意味があるかもしれないと、目標達成に向けた手段として意味があるかもしれないというような御議論もあったようでございますけれども、今までデフレの状態というのはなかなか経験がない領域なんで、私は、やれることは何でもやってみる、それはアナウンスメント効果という意味でも、物価水準ターゲットというようなことをやってみるべきではないかというふうに思っております。
 これがオーバーシュートしてインフレのような状態になったときに、インフレを防止するという意味では、金利操作なり、量的な規制なり、財政の節度なり、これは今までの経験でもかなりコントロールの手段というのは整備をされているわけでございますので、今までもかなり量的規制の緩和というようなことで未踏の領域に踏み込んでいるんだというお話がございましたけれども、更にもう一歩踏み込んでいただけないかと思いますが、いかがでございましょうか。
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速水優#14
○参考人(速水優君) 日本銀行は、先ほども申し上げましたように、昨年来、日銀当座預金という量を主なターゲットとする思い切った金融緩和の枠組みの下で潤沢な資金供給を実施しているわけでございますが、現在は短期金利がゼロであり、これ以上低下し得ないということに加えまして、様々な構造問題のために金融緩和の効果が経済全体になかなか浸透していかない状況でございます。こうした状況の下で、インフレターゲティングであれ、物価水準ターゲティングであれ、単に数値目標を発表しても、それだけで物価上昇期待が生まれるわけではなくて、かえって政策への信認を損なう危険が大きいと思います。
 インフレターゲットというのは、申すまでもなく、多くの国々でインフレを抑えるために設けられたターゲットであると思います。日本銀行は、CPIの上昇率が安定的にゼロ%以上となるまで現在の思い切った金融緩和の枠組みを続けるという形で、物価下落の防止に向けた決意を表現しているところでございます。
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中島啓雄#15
○中島啓雄君 物価水準ターゲットについて、手段がないと政策への信頼が揺らぐのではないかというようなお話もございましたけれども、毎年予算のシーズンには内閣府の方で経済見通しというのを出されていると。この経済見通しの性格というのは、誘導目標であると同時に予測でもあるというようなことだと思いますので、やはりそんな意味も込めて、物価水準ターゲットというのは一つの検討課題ではないかと思いますので、是非前向きに御検討をいただければ有り難いと思っております。
 では次に、金融機関の再編の問題について金融庁にお尋ねしたいと思いますが、七日の新聞でございましたか、塩川財務大臣がASEMに行かれて、その中で金融機関の再編、特に地域金融機関の再編について積極的にやっていくというような姿勢を示されたという報道がなされておりました。これは例の第二骨太の中にも含まれておる話でございますから、それを積極的に何か、それ以上に出るものではないのかもしれませんが、昨日でございますか、その辺の再編についての具体的な素案というような形で、合併を促進するために公的資本の注入とか、あるいは税制上の優遇とか、若干の新聞報道がなされておりますので、その辺の考え方について聞かせていただければと思います。
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柳澤伯夫#16
○国務大臣(柳澤伯夫君) いきさつ的に申しますと、四月の十二日であったかと思うんですけれども、私ども特別検査の結果の概要を公表させていただきました。そのときに同時に、金融のこのシステムをより強固なものにするための施策ということで三つばかり新しい施策を考えていることを発表させていただきましたが、その際の一つとして、合併等の促進策というものを今後検討させていただくと、こういうことも入れさせていただいたわけでございます。それから若干の時日、現実に事務方で検討させていただきまして、言わば検討状況の中間的な報告ということで、昨日晩方でございましたけれども、「地域金融機関を中心とした合併等を促進する施策について」と題する対外発表をさせていただきました。
 今、先生から再編というお言葉をいただいたわけでございますが、私ども何かアプリオリに、地域金融であれ大手の金融機関であれ、何か一つのピクチャーを描いて、そのピクチャーなりビジョンなりというものを実現するためにいろいろ施策を展開していこうと、そういうように、ちょっと再編ということで言われますとそんな感じを与えるんじゃないかと思いますが、私ども決してそういうことを考えているわけではありません。
 むしろ、これからいろいろな面で厳しい経営環境というものが現出してくる中で、個々の金融機関が、自分たちの金融機関というものを、本当に預金者等から信頼される高度な健全性を持ち、また十分の収益力を持ったそういう金融機関としていくために一体どうしたらいいか、こういう経営戦略をお考えになるときに、それを単独でずっと進めていくのがいいか、あるいは周辺の、あの人と、あの機関と一緒になればシナジー効果もあって今言ったような健全性、収益性の面でプラスの効果が期待できるなというようなところと例えば合併というようなことを考えると。そういうときに、それを言わば邪魔したりというようなことはもとよりのこと、少しでもそういうようなことであれば支援をしてやるような、そういう施策というものをあらかじめ用意しておくべきではなかろうか、こういう考え方に立っているものでございます。
 具体的に、私どもが昨日、これからよく詰めて検討させてもらうということで公表させていただいたのは、四項目ばかり大くくりしますとございますが、それは一つには、合併の手続の面の円滑化のための環境整備というようなものがございます。
 それから第二番目には、システム統合などをいたしますとこれはもうコストが掛かるわけでございますが、これをいかにコストが最小限のもので済むようにしてやる施策、そういうものはどういうところで模索できるんだろうか、こういうようなことが第二番目でございます。
 第三番目に、経営戦略の実現に必要な自己資本の充実のための方策、こういうことをうたわせていただいているわけでございます。
 それから第四番目には、合併等に伴う預金保険上の経過措置というようなものについてどういうことが考えられるだろうか。
 これらの項目について今後中身をよく詰めて検討して、できるだけ有効なものをまとめさせていただいて、今申した合併を促進すると、あるいはその環境整備をするということに資そうと、こういうようなことを考えているというものでございます。
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中島啓雄#17
○中島啓雄君 ありがとうございました。
 今回の促進策というのは、金融機関側の経営判断を尊重するというお言葉だろうと思います。それはおっしゃるとおりだと思いますが、金融機関が合併等によってずうたいだけ大きくなってもこれは余り意味のない話なんで、合併をする際に公的資本の注入などということも私は考えていいと思うんですけれども、やっぱり経営の健全化というのを第一に考えていただきたい。地域金融機関の健全化ということと、それからもう一つは地域経済の活性化ということに資するものでないと意味がないと思いますので、合併等が地域経済の活性化にも資するような御指導を是非お願いしたいということで、時間もございませんから要望にとどめておきたいと思います。
 じゃ、三つ目に、ちょっとコンピューターのシステム障害について、みずほの件もございましたので、若干日銀にお尋ねいたしたいと思います。
 四月に御承知のとおりみずほのシステム障害ということがありまして、その原因が二つほど、口座振替プログラムというのにミスがあったということと、対外接続系のシステムがうまく働かなかったというようなことのようでございますが、対外接続系のシステムというのは当然全銀システムにつながっておりますし、ひいては日銀のシステムも関係するんだと思いますが、幸い四月の場合はみずほの影響が日銀のシステムにまでは及ばなかったと聞いております。
 現在、日銀さんでは、当座預金決済と国債の決済をリアルタイムにすると、RTGSという難しい名前で呼んでおられるようでございますが、そういうことをやって、金融機関の破綻といったようなシステミックリスクには対応できるような措置をした、こういうことでございますが、逆に、リアルタイムにすると、システムの障害が起こった場合には影響が大きいというようなこともございますので、そういったシステム障害というようなことが発生した場合に対する、あるいは発生しないようにというか、そうしたことに対する備えということで今どのようなことを、措置をしておられるか、お聞かせいただければと思います。
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三谷隆博#18
○参考人(三谷隆博君) お答えいたします。
 日本銀行では、コンピューターシステムの障害対策としまして、私ども自身では、電算センターのホストコンピューターとか通信制御装置その他の主なセンター機器、それから本支店を結ぶ回線、さらには本店及び主要支店の回線を収容します電話局といったようなところも含めまして、重要な部分はすべて二重化しております。
 また、大阪にこれとは別にバックアップのための電算センターを準備しておりまして、災害等何らかの理由で東京にある電算センターの機能に障害が発生した場合であっても、直ちに大阪のバックアップセンターを立ち上げて、日銀ネットを通じた決済など、資金決済の円滑と金融市場の安定に必要な業務を確実に行う体制を構築しております。
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中島啓雄#19
○中島啓雄君 ありがとうございました。
 当然、日銀システムと各取引金融機関とのCPU接続というような範囲が広がってくると思いますので、日銀システムだけでなくて、取引金融機関側のシステムの改修なり変更という場合に、やっぱり日銀さんとしてもその中身についてはよくチェックをしていくという体制が必要なんだろうと思います。コンピューター側でいえばシステム監査ということかもしれませんが、その辺について、日銀考査の中にも入っているのかもしれませんが、今後どのようにかかわっていくお考えなのか、聞かせていただきたいと思います。
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三谷隆博#20
○参考人(三谷隆博君) 例えば、今御指摘になりましたCPUで接続しているような先につきましては、私どもの支店などと同様、通信制御装置等並びに回線も二重化しているというふうな対策も講じております。
 それから、今御指摘の考査等においてどういう対応をしているのかという点でございますけれども、私どもは、考査やモニタリングにおきまして必要に応じて、私ども自身のIT部門で培った人材というもの等活用しながら、第一に、システムが提供する機能、情報というのがきちんと正しいものが作られているのかというふうな点。それから第二に、いわゆる情報セキュリティー。例えば外部からの侵入であるとか内部の不正事件であるとか、そういうものが発生しやすいようなシステムになっていないかどうか。第三に、システムの障害。例えばハードの機器であるとか、災害が生じた場合にきちんと適切な金融サービスの提供を継続できるかどうか、いわゆるバックアップの体制の整備。
 そういった点を中心にシステムの安全性、安定性、信頼性というものを確認するよう努めております。
 また、このほかにも、金融機関の経営統合や業務提携に伴うシステムの統合、共同化等に際しまして、銀行間の決済に支障を生ずるなど不測の事態を招かないよう適切な対策が取られているかとか、さらにはIT技術の革新に伴って、システム面でその技術革新に応じたいろんな適切な対策が取られているかという点についても留意しつつ、これからも十分チェックしてまいりたいというふうに思っております。
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中島啓雄#21
○中島啓雄君 ありがとうございました。
 システムの問題というのは、単にシステム部門の技術的な問題だけでなくて、やはり経営幹部が関心を持っていないといけないというのが恐らくみずほの教訓なんだろうと思いますが、そのようなことも踏まえて、今後とも日本の金融システムが少しでも信頼されるようにシステム構築に努力をしていただきたいと思います。
 以上で終わります。
 ありがとうございました。
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大塚耕平#22
○大塚耕平君 民主党・新緑風会の大塚でございます。
 今日は日銀総裁、財務大臣、金融担当大臣、お忙しいところをおいでいただきましてありがとうございます。
 今日は日銀報告についての質疑ということですが、私も当委員会に所属させていただいてこれでほぼ一年たちますので、一年間議論させていただいたことを少し概観する意味も込めて包括的な質問をさせていただきたいなというふうに思っております。
 まず最初に、御承知の方も多いと思いますが、六月にFRBが、日本の金融政策の九〇年代の失敗について、一体どういうことだったのかというレポートを出したわけですが、日銀自身も整理しておられますが、その中には四つほどポイントがあって、一番目には、持続的なデフレ局面の予想は難しいということをそのレポートは述べておりまして、二番目は、デフレを予防する金融緩和が大切だということを述べておりまして、三番目は、物価上昇率が低く金利がゼロに近づいた状態では伝統的な金融政策の効果は低下するということを言い、そして四番目には、金融政策の効果を上げるには財政と一体化した政策が不可欠と、こんなようなポイントを述べておるわけですが、このレポートについての日銀のお考えをお伺いしたいと思います。答弁者はどなたでも結構です。
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白川方明#23
○参考人(白川方明君) お答えいたします。
 今、大塚先生御指摘のFRBのレポート、これは、一九九〇年代前半の日本経済を分析いたしまして、低インフレの下の経済におきましてどのような経済政策運営を行えばデフレを未然に防止できるのか、そういう問題意識で教訓を引き出そうとしたものでございます。
 そのレポートの要旨でございますけれども、今、大塚先生がまとめられました四点に尽きているというふうに思います。デフレの原因、あるいはそのデフレからどうやって脱却するのかということにつきましては学界でもいろんな意見がございまして、必ずしもコンセンサスがあるわけではございませんけれども、ただ、このペーパー、いずれにしてもそうしたデフレの状態にならないようにすることが大事であるということを指摘しているという、そういうふうに理解しております。
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大塚耕平#24
○大塚耕平君 ありがとうございます。
 FRBが九〇年代の日本の金融政策についてこうやって改めてペーパーをまとめるということは、九〇年代の日本において相当変わったことが、特異なことが起きていたということを表しているわけでありまして、私自身、確かに、株価が四万円近くになるような状況、そういう異常な状況で、背後で今日の不況の遠因となりますバブルみたいなことが起きていたというのは、そのときは、私もここまでのこととは思っていなかったし、多分、政策当局の御関係者みんなそうだと思うんです。
 だからこそFRBも、一体日本でその当時何が起きていて、その後の政策として一体どういうことが間違いだったのかということを改めて分析をしようとしているわけですが、翻って、去年から私も一年間この委員会で、量的緩和であるとかゼロ金利政策、ほかの委員の皆様方も含めて、その功罪あるいは是非についていろいろ議論をさせていただいたんですが、これほどの量的緩和を行ったり、あるいは事実上のゼロ金利政策がこんな長期間続いているというのは、やはりある意味で非常に異常な状態、普通ではないわけです。
 そうすると、九〇年前後のあの株価が四万円に届こうとしたときのことを振り返ってみると、そういうことが起きるときには、その背後でやはり現時点では予想も付かないようなことが何か起きているんじゃないかなというふうにどうしても考えざるを得ないんですが。
 そこで、まず日銀総裁にお伺いしたいんですが、この長期間、量的緩和と事実上のゼロ金利政策を取っておられるわけですが、現時点における量的緩和並びにゼロ金利政策についての日銀の御評価をお伺いしたいと思います。
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速水優#25
○参考人(速水優君) 先ほども申しましたように、昨年来、内外の中央銀行の歴史に例を見ないような思い切った金融緩和を実施してまいりまして、その結果、金融市場においては強力な緩和効果が生じております。短期金利は長めのものまでゼロに低下してきている、マネタリーベースは前年比三割弱の極めて高い伸びになっている、こういうような措置は、金融市場の安定確保を通じて景気の底割れを防止するという点で大きな役割を果たしてきたと思います。
 しかしながら、経済が様々な構造問題を抱える下で、企業や家計の経済活動は十分に活発化するには至っていないのが現状だと思います。金融緩和が力強い効果を発揮するためにも、金融システムの強化や経済・産業面の構造改革を進めて民需を活性化させていくことが不可欠ではないかと思います。
 私どもも随分金融を緩め、その都度申してきたことは、私どもはできる限り流動性を供給している、しかしこれが本当に効いてくるのは、構造改革等が効果を発揮して民間需要が、企業の設備投資にしてもあるいは民間の消費の仕方にしても、もう少し前向きになって需要が出てくるということが起こってきて初めて私どもの緩めていた金融というのは、そういうものの動きをサポートして本当の意味での金融緩和の効果が出てくるのではないかというふうに考えております。そのことは私どもも、緩和の都度ステートメントで、やはり構造改革ということが実を結んでいくことがない限りなかなか効果は出ませんよということを申してきたつもりです。
 ただ金を出すだけでは、これはそんなに効果があるものではありませんし、ここまで緩んでおりますと、ある外国の中央銀行の総裁、非常に親しくしている人ですが、これ以上中央銀行が金を出すということは、ひもは引っ張るものであって、ひもの先に風船が付いていて、幾らひもを押してもこれは動かない、そんなものになっちゃいますよということを言った総裁がおります。そういう感じもしないではありません。そういうことを考えながら、小泉政権が早く構造改革を一つ一つ作っていく。
 構造改革という場合もいろいろ項目があると思うんです。ただ構造改革といったら、またかと国民も思われる方が多いのかと思いますけれども、私ども地方の支店を通じて調べたところではかなり進んできているように思うんです。そのことは諮問会議でも発表させていただいたんですけれども、何といってもやはり規制の緩和・撤廃をもっともっと続けていくこと、それによって民間の競争原理というものが自由に働き、グローバリゼーション、東西南北が一つの市場になっているわけですから、日本だけがそういうものを規制やあるいは補助でやっていったんではこれは相手にされなくなっていくわけですから、そういうものを同じ市場の同じ土俵の上に乗るように早く持っていく必要があると。その過程においていろんな競争が行われていくということが、企業家に刺激を与え、また消費者に新しい需要を作り出していかせることになっていくんじゃないか。また、民間でやれることは官はなるたけ手を引くようにしていく、これも小泉さんがよくおっしゃることですけれども、このこともまだまだやる余地は十分あるように私も思います。
 あるいは、技術面で産学協同のようなことをもっとやってもらうというようなこととか、企業家にとってはやはりイノベーションといいますか、産学が協力して新しい技術なり需要のクリエーションをやっていくといったようなことがまだまだ行われていく必要があるように思います。その点は民主党の方からもひとつよろしく御協力いただきたいと。
 それが出ていかないと、幾らお金を出しても経済が成長していかない。小泉さんがよく言われるように、改革なくして成長なしと。成長なくしてまた物価が正常化していくこともないというふうに私どもも考えております。
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大塚耕平#26
○大塚耕平君 ありがとうございます。
 これまでの量的緩和と事実上のゼロ金利政策の御評価として、景気の底割れ防止にはなったけれども、しかし本当に経済を稼働させるような状況には至っていなくて、そのためには今の改革路線が必要で、しっかりそちらの方も、政治を含めてやるようにという日銀総裁からのメッセージだと受け取らさしていただきますが。
 さて、先ほども申し上げましたように、今現在の評価はそういうことであったとしても、やはりこれだけ、あえて申し上げるとアブノーマルな金融緩和をやっている以上、その水面下では、今ここにいる皆様方、僕も含めて、想像も付かないことが起きている可能性があるなと。起きていないかもしれません、それは僕は分かりません、現時点では。
 そこで、是非これは日銀総裁と財務大臣にお伺いしたいんですが。といいますのは、今お手元に配らしていただきました参考資料、ちょっと一部出典が付いていなくて恐縮ですが、一枚目と四枚目は私が作りましたが、二枚目は、後で申し上げますが、これは朝日新聞の広告です。昭和十八年の広告です。三枚目は財務省さんの資料ですが。
 一枚目をごらんいただくと、何か日銀総裁の風船のお話を聞いてちょうどよかったなと思ったんですが、ここにいらっしゃる委員の皆様方には釈迦に説法ですから多くは申し上げませんが、国債市場からいろんなルートで、下に向かっている太い線ですね、国債がどんどんどんどん流れ出てきていると。その代わり金として、白抜きの大きな矢印、これは資金が財政当局とそして歳出官庁からどんどん出ていっていると。これによって、その歳出官庁の先っぽには民間経済があるわけですから、民間経済が浮揚していけばいいわけですが、総裁おっしゃるように民間経済というものが風船だとすると、もう日銀が幾らオペでひもを上げても民間経済が浮揚しないという、ちょうどこんな絵になっているわけなんですが。
 そこで、日銀総裁と、その後是非塩川大臣にもお伺いしたいんですが、三重野さんの時代も、当初は平成の鬼平と言われて、大変バブル退治に御貢献されたという御評価だったわけですが、今日に至っては、その後半はややその対応が過剰過ぎたんではないかという御評価もあり、それが今日の冒頭御説明したFRBのレポートなんかにもなっているわけなんですが。
 総裁もあと任期一年余りを残すばかりとなられましたが、速水日銀総裁時代の日本経済は一体何が起きていたのかというふうに評価されるとお考えになっておられるか。それは日銀だけで決められることではなくて、財務大臣、当然その裏には財政があるわけですから、財務大臣のお立場でも、一体この速水日銀総裁時代の五年間は日本経済にとって何が起きていたのかというふうに言われると予想されるか。これについて御両人に御意見をお伺いしたいと思います。
 じゃ、総裁からお願いします。
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速水優#27
○参考人(速水優君) 今、よく九〇年代のことを失われた十年と、皆さんそう思っておられるんだと思います。私もそうだと思いますけれども。
 こうやってこの十年間の経済成長を四半期ごとに取ってみますと、九二年ごろから下がって、それが九五年、六年と、四半期で見ますと年率四%から三%台で伸びているんですね。それが一年半近く続いて、それがまたすとんと落ちていく。
 落ちていくのは、やっぱり山一とか、九六年、七年、金融システムが不安になっていくとか、あるいは、これまで公共投資や金利の急速な引下げで資金が出ていったのが、先ほど申し上げたように、資金は潤沢に出ても、それを使う民間の需要、企業家やあるいは消費者というものが先を見てなかなか新しいことをやっていこうとしない。もうベルリンの壁が崩れて東西南北は一つの市場になっているにもかかわらず、それを、規制の撤廃・緩和というのもスピードが遅かったということもあるのかもしれませんけれども、実体経済の方でなかなか改革が行われていっていない。こういうところへちょっとしたことが起こってきますと、これがまたすとんと落ちてしまうんですね。
 これは九七年、八年とまたすとんと落ちたんですけれども、九九年になってまた上がったんです。四半期で見ますと、例えば二〇〇〇年一—三月は四%のベースで上がっているんですね。二四半期続いて、またすとんと落ちているんですけれども。今度が三度目の底をついたということになるのかどうか、まだアメリカの動きがよく分かりませんからあれですけれども、数字で見る限り、日本の経済は少し明るさを加えてきていることは事実であると思います。
 二度目のときにも、やっぱりIT過剰というのは、これまた世界の市民にとっても企業家にとっても初めての経験であったと思うんですけれども、あれだけIT、ITと作って売りまくって、それが、気が付いてみたら過剰生産であり過剰在庫になっていた。それが二〇〇〇年の暮れに分かって、アメリカが慌てて金利を下げる。それがまた全世界に広がっていって、下げてしまったと。
 私どもも二〇〇〇年の夏にはゼロ金利解除したんですね。これはずっと上がっていくだろうと思っておったわけですけれども、不幸か、ついてなかったというのですか、暮れになってそういうアメリカも予想していなかったようなIT生産の過剰ということが起こって、それが貿易を減らし、輸出を減らし、世界全体が不況になってしまった。そしてまた、それが少し終わろうとしているときにまたテロ事件が起こってしまったといったようなことで、二〇〇一年ずっと悪化していたのが、ここへ来て少し持ち直し始めたかなというのが現状でございます。
 これから一年どうなっていくか分かりませんけれども、中央銀行としましては、こういう流れの中で、中長期的な視野に立って経済の背後に流れる大きな変化をとらえることは適切な金融政策運営上極めて重要なことだと思います。
 ここ数年の世界的な経済環境、今申し上げたようにIT分野を中心とした急速な技術革新が行われているということ、また経済の一段のグローバル化が進んだということ、そして金融の自由化の更なる進展といったような点が挙げられると思うんです。日本経済もこういった環境変化に直面しておるわけですけれども、更にここに不良債権問題というのが認知されて、いわゆるバブル時代の負の遺産が残っている、解決すべき課題がなお多く残っているということがはっきりしてきたわけでございます。
 私としては、こういった環境変化やその下での課題を念頭に置きながら、物価の安定と信用秩序の維持という日本銀行の使命を達成すべく最大限の努力を行ってきたつもりでございます。今後もその姿勢を貫く方針であります。
 ただ、その際に、現在の超金融緩和の背後で生じつつあるかもしれない企業や家計の行動変化、これらについてはよく目を凝らして政策運営に誤りなきを期していきたいと思っております。金融面でも、流動性は潤沢に供給されていても、これが一面では市場の機能を一部低下させている、コール市場が小さくなっているというのはその一つの現れかもしれませんし、言い換えれば金利機能が若干後退しているということも言えるかもしれません。こういったことが長く続いていくということは余りいいことではないと私は思っております。
 そういったのが今の、まだ終わっておりませんので、あと何か月か残っておりますけれども、私の考えていることであり経験してきたことでございます。
 少し長くなりましたけれども、お許しください。
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塩川正十郎#28
○国務大臣(塩川正十郎君) お尋ねの趣旨はもう一つ私、分からぬのですけれども、まず日銀はどういうふうに変わってきたか、そして日銀と政府との関係はどういう具合に現在なっておるか、日銀の政策についてどう思うかと、こういうお尋ねだったと思っております。
 私の感じで申しますと、まず日銀の変わりましたことは、この数年間の間に日銀の独立が法律によって保障されたということでございますからして、これは従来、政府と日銀の関係は変わってきたということはこれは当然でございますが、しかしそれは、現在の役所並びに政治家の感覚からいいましたら、その点がもう実に明確にそうなったということはなかなか私は判断できないような、一種の過渡期のようなことでございますが。しかし、日銀当局としては独立性を維持しようということで必死になってその努力しておられることはよく分かりまして、我々もその努力を尊重していかないかぬという気持ちを持っております。
 ついては、政策についての独立は、これは確保していくのは当然のことだと思いますが、いわゆる国策の方針といいましょうか、経済に対する国の方針という、基本方針というか流れといいますか、これにはかなり協力をしてもらわないかぬし、また現にそれは協力をしてもらったと、現在もしてもらっていると、私はそう思っております。
 しかし、一方におきまして、日銀に対する政治家なり役所の認識というものは、先ほど言いましたように若干まだ、完全なヨーロッパ的な中央銀行としての認識とはちょっと違うような感じがしておるのでございまして、その間の切替えは十分にできていないような感じがしております。
 それから、日銀の功績についてでありますけれども、私は今、日銀さんは非常にやりにくいだろうと思っておるんです。それはなぜかというと、こんなに低金利になってしまって金利ゼロとやったら、もう日銀が中央銀行として金融政策を、日銀の使命の下において行うところのいわゆるプロパーな金融政策というのが行えないんじゃないかと思うのでございまして、それはこの低金利からくるところの必然的な状態なんだと思っておりますが。
 ついては、オペレーターの方をうまく操作して、できるだけ金融機関との、破綻処理、いや、破綻の懸念ないように十分な対応を取っていただくと。これは私はもう非常にしっかりとその措置をしてもらっているということを私たちも認識しておるのであります。
 しかし、一方におきまして、先ほども言った政治家の考え方が、どうも国債発行してどんどん景気刺激やったらいいじゃないかという安易な考え方に傾いておりますので、国債発行が湯水のように発行されてまいりました。その結果、私が非常に心配しておりますのは、国債の貨幣化というものが起こってきて、この図にございますように、これ、だれが書かれたのか、よく書いてあるなと思っておるんですが、国債がどんどんどんどんと下へ下へ下りていっておるという状況ですね。したがって、日銀の金融緩和というのも、それがいずれは国債へ転化されていって国債の貨幣化という現象になってきておると。私はこれは非常に経済的に見てまずいなと思っておりますけれども、この是正はやはり我々も努力しなけりゃいけないんじゃないかと、こういうことを今痛感しておるようなところなんですが。
 日銀としては、今この低金利の時代になって、速水さん、低金利のときに、一番気の毒な総裁だなと私は思うんですが、けれども、非常に一生懸命、日銀としては低金利の中におけるいわゆる中央銀行としての機能を行使するのに一生懸命やっていただいておると、私はそう思っております。
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大塚耕平#29
○大塚耕平君 ありがとうございます。
 大変、本当に今後の議論あるいは日銀総裁時代を来年以降振り返るときに参考になる話が幾つかあったと思うんですが、総裁は、この金融緩和の背景でひょっとしたら企業や消費者の行動パターンに変化が生じているかもしれないとおっしゃいました。そして二番目に、金利機能が低下しているかもしれないとおっしゃいました。塩川大臣は、日銀と政府の関係が大きく変わった時期であったと。そして四番目には、日銀が、プロパーのとおっしゃいましたけれども、伝統的な金融政策はひょっとしたら行えなくなっている局面かもしれないとおっしゃいました。そして最後に、塩川大臣からこういう言葉が出てきて大変私はうれしいんですが、国債の貨幣化という現象が起きているかもしれないと。この国債の貨幣化というのは、恐らく次の日銀総裁、どなたか知りませんけれども、次の日銀総裁の任期においてはキーワードだと思います。国債の貨幣化、もう既に起きていますけれども、もっと端的な形で起きてくると思います。
 そこで、この後は、財務大臣と柳澤大臣にそれぞれのお立場でお考えをお伺いしながら、また日銀総裁に後でお伺いしたいんですが、いつも硬い話ばっかり聞いていますので、ちょっと今日はお楽しみいただこうと思いまして。(資料を示す)
 大臣、大臣は当然お名前御存じですよね。紀香さんですね。
 ここに「国債って、いいかも。」と書いてあるのを御存じですか。「国債って、いいかも。」と書いてあるんですが。この「国債って、いいかも。」ってどういう意味ですかと財務省の方に聞きましたら、財務省の方が、それは、「いいかも」の「かも」はネギ、カモのカモですと言っているんですよ。いや、これは僕が言ったんじゃないですよ。財務省の方がそうおっしゃったんです。半分冗談でしょうけれども。でも、国債っていいカモだと。カモは出す方の国ですか。それとも買う方の人ですか。
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